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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 9926-1991 

クリーンルーム−使用する機器の 
運動機構からの発じん量測定方法 

Clean room−Test methods for dust generation from moving mechanisms 

1. 適用範囲 この規格は,クリーンルームその他の清浄環境内で用いる機器(1)の運動機構が運転時に発

生する微粒子の大きさと数とを測定する方法について規定する。 

注(1) 生産機器,測定機器,ロボット,搬送機器など。 

備考1. 運動機構(以下,試験体という。)とは,水平往復動,垂直往復動(上下運動),回転運動及

び揺動運動をする機構をいい,これらの運動が組み合わされる場合も含む。 

2. この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS B 9920 クリーンルーム中における浮遊微粒子の濃度測定方法及びクリーンルームの空気清浄度

の評価方法 

JIS B 9921 光散乱式自動粒子計数器 

JIS K 0554 超純水中の微粒子測定方法 

JIS K 8839 2−プロパノール(イソプロピルアルコール)(試薬) 

JIS Z 8122 コンタミネーションコントロール用語 

JIS Z 8762 絞り機構による流量測定方法 

2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS B 9920, JIS B 9921, JIS Z 8122によるほか,次

のとおりとする。 

(1) ワイパ 対象物を払しょくして清浄化する器具。低発じん性,吸着性,制電性の条件を満足した布,

ポリウレタンなどでできている。 

3. 測定装置 測定装置は,次による。 

3.1 

構成 送風部,エアフィルタ部,試験体設置部,縮流混合部及び測定部で構成する。 

3.2 

種類 測定装置の種類は,送られる空気の方向によって分類し,水平形及び垂直形とする[図1(a)

及び図1(b)参照]。 

3.3 

構造 測定装置の構造は,次による。 

(1) 構造一般 測定装置の内面は平滑であって,微粒子の付着しにくいものであり,さびを発生しないも

のであること。微粒子の測定値に影響を与えるような微粒子の流出入がない構造であること。 

(2) エアフィルタ部 エアフィルタ部は,試験体設置部に清浄空気を供給する部分で,設置するフィルタ

は,ULPAフィルタを用いる。 

(3) 試験体設置部 試験体設置部の寸法は,試験体が実際に使用されるときと同一の状態で運転できるよ

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B 9926-1991  

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うな大きさとする。 

(4) 縮流混合部 試験体からの発じんが気流と十分に混合し,測定部における気流中の粉じん濃度がなる

べく一様になるような構造とする。 

また,試験体を装置内に設置するための気密扉を設ける。 

(5) 測定部 発じん量及び風速を測定する場所で,発じん量の測定が適正に行え,かつ,4.6の測定が適正

に行える寸法とする。 

なお,粉じんが,装置内面に付着することをなるべく避けるように配慮する。 

サンプリング管の材料及び長さ並びにサンプリング管の吸入端軸には,JIS B 9920の5.4(測定準備)

の規定による。 

図1(a) 水平形測定装置の構成例 

図1(b) 垂直形測定装置の構成例 

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B 9926-1991  

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4. 測定方法 

4.1 

使用する測定装置 試験体が実際に使用される状態(水平気流か又は垂直気流)によって水平形又

は垂直形のいずれかの測定装置を使用する。ただし,測定値に風向の影響がない場合は,いずれの形式の

測定装置を使用してもよい。 

4.2 

測定装置の設置場所 測定装置は,試験に影響しない程度に清浄な場所に設置する。 

4.3 

測定装置の検証 発じん量測定部における発じん濃度の均一性を,定常的に発じんできるDOP又は

同等の標準粒子を発生させて検証する。 

4.4 

試験体の清浄化 試験体は試験の実施に先立ち,その外表面を低発じん性のワイパ及び次の超純水,

又は試薬を用いて清浄化する。 

(1) 超純水 JIS K 0554に規定するもの又はこれと同等以上の品質をもつもの。 

(2) 試薬 試薬は,薄膜フィルタでろ過したものを用い次による。 

(a) 蒸留水 

(b) 2プロパノール(イソプロピルアルコール)は,JIS K 8839に規定するもの又はこれと同等以上の

品質をもつもの。 

(3) ワイパ ワイパは,低発じん性のものとする。 

4.5 

試験体の設置 試験体は,次によって設置する。 

(1) 試験体は,図1(a)又は(b)のいずれかの試験体設置部に,実際に使用する設置状態に近い状態で堅固に

設置する。 

(2) 試験体は,発じんした微粒子が下流側に流れやすいように設置する。 

4.6 

風速設定及び測定 風速設定及び測定は,次による。 

(1) 風速設定 試験体設置部の風速は,試験体が実際に使用される状態における風速で測定するのが望ま

しいが,測定値に風速の依存性がない場合,又は発生粒子数が少ない場合は,使用状態における風速

より遅くしてもよい。ただし,この場合は装置内面への微粒子の沈着による誤差が測定値に影響する

まで風速を遅くしてはならない。 

(2) 測定 測定を実施しているときの測定装置を通過する風量を,オリフィス流量計,JIS Z 8762による

測定方法,又はこれと同等の再現性をもつ測定方法によって測定する。 

4.7 

バックグラウンドの測定 試験体の清浄化終了後,装置内に必要な量の空気を流す。粒子濃度測定

位置において空気のサンプリングを行い,JIS B 9920に示す方法(0.1μmまで測定する必要のある場合は,

附属書に示す方法)によって粒子濃度を測定し,測定値がほぼ定常となったときの値をバックグラウンド

の粒子濃度Cb(個/m3)とする。 

粒子濃度は,表1の粒径範囲別に示す。 

表1 バックグラウンドの粒子径範囲(2) 

粒径範囲(μm) 

0.3以上 0.5未満 

0.5 

1.0 

1.0 

5.0 

5.0以上  

繊維状粒子 

注(2) 0.1μm以上を測定できる光散

乱式自動粒子計数器を用い

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

るときは,0.1μm以上0.3μm

未満の範囲を加える。顕微鏡
法で粒子濃度を測定したと
きは,繊維状粒子の個数も記
録する。 

4.8 

運動時の粒子濃度の測定 運動時の粒子濃度の測定は,次による。 

(1) 試験体の運動 バックグラウンドの測定終了後,試験体を運転させる。各種の運動が組み合わさって

いる場合は,実際の運動順序に従って一連の運動を行う。 

(2) 粒子濃度の測定 試験体の運動が定常的に行われる場合は,有効な測定結果が得られるまでの間,連

続してサンプリングを行い平均粒子濃度を求める。 

試験体の運動が幾つかの運動の組合せによる場合は,その運動の開始時から終了までの1サイクル

の間,連続サンプリングを行い,4.7と同様の方法で累積粒子数を求めて平均粒子濃度を求める。もし

粒子濃度が小さいときは,数サイクルにわたって連続サンプリングを行って平均粒子濃度を求める。 

4.9 

粒子発生量の計算 粒子発生量は,粒径範囲別に次の式で算出する。 

P= (C−Cb) Q 

ここに, 

P: 粒子発生量        (個/min) 

C: 運動時の粒子濃度     (個/m3) 

Cb: バックグラウンドの粒子濃度(個/m3) 

Q: 風量            (m3/min)  

1サイクルの運動によって発生する総粒子数を必要とする場合は,Pの値に1サイクルの時間 (min) を

乗じて算出する。 

4.10 測定結果の表示 測定結果は,表2に示すように粒径範囲別に表示する。 

表2 粒子発生量 

粒径範囲 

(μm)(2) 

バックグラウンドの粒子濃度 

(個/m3)(Cb) 

運動時の平均粒子濃度 

(個/m3)(C) 

平均粒子発生量 

(個/min)(P) 

0.3以上 0.5未満  

0.5   1.0 

1.0   5.0 

5.0以上 

繊維状粒子 

注(2) 表1の注(2)参照 

5. 報告 報告書には,次の事項を記載する。 

(1) 試験体の概要(形状及び運動) 

(2) 測定時の運動概要 

(3) 測定方法(測定装置及び測定方法) 

(4) 測定結果 

(a) 測定日時,場所及び担当者 

(b) 風量 

(c) バックグラウンド粒子濃度 

(d) 粒子発生量 

関連規格 JIS B 9908 換気用エアフィルタユニット 

JIS B 9922 クリーンベンチ 

B 9926-1991  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

クリーンルーム中における運動機構からの発じん量測定法専門委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

藤 井 正 一 

芝浦工業大学名誉教授 

山 下 憲 一 

法政大学 

藤 井 修 二 

東京工業大学 

桑 原 茂 樹 

通商産業省機械情報産業局 

吉 田 藤 夫 

工業技術院標準部 

橋 本 孔 佐 

工業技術院標準部 

浅 田 敏 勝 

日本アイ・ビー・エム株式会社 

東   健 一 

三菱電機株式会社 

荒 川 彰 三 

株式会社ダン科学 

石 田   勉 

清水建設株式会社 

岩 宮 正 治 

東洋熱工業株式会社 

植 田 加久夫 

新菱冷熱工業株式会社 

植 林 信 一 

ダイダン株式会社 

梅 村 光 彦 

日本無機株式会社 

岡 村 勝 郎 

集塵装置株式会社 

於 田 正 光 

東洋リントフリー株式会社 

国 分 良 樹 

進和テック株式会社 

小 林 八 郎 

日本シーアイシー技研株式会社 

五 味   弘 

高砂熱学工業株式会社 

下 田   潔 

日立プラント建設株式会社 

高 橋 千 成 

株式会社ダルトン 

徳 田 彰 弘 

帝人株式会社 

西 岡 利 晃 

株式会社大林組 

小 林 正 則 

日本バイリーン株式会社 

沼 田 典 之 

ダン産業株式会社 

深 尾   仁 

大成建設株式会社 

星 名 民 雄 

リオン株式会社 

井 深 成 仁 

東京エレクトロン株式会社 

高 山   肇 

トーヨコ株式会社 

水 谷   旬 

新日本空調株式会社 

薬 袋 寿 紹 

東急建設株式会社 

宮 田 雄 二 

日本カノマックス株式会社 

宮 地   清 

旭化成工業株式会社 

山 本 達 雄 

富士電機株式会社 

横 山 暢 宏 

株式会社白洋舎 

芳 村 恵 司 

ニッタ株式会社 

杉 田 直 記 

ミドリ安全工業株式会社 

三 上 壮 介 

社団法人日本空気清浄協会 

B 9926-1991  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS運動機構から発生する微粒子測定方法原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

藤 井 正 一 

芝浦工業大学名誉教授 

山 下 憲 一 

法政大学工学部 

伊佐山 健 志 

通商産業省機械情報産業局 

吉 田 藤 夫 

工業技術院標準部 

池 田 順 一 

財団法人日本規格協会 

武 田 盛 二 

社団法人日本産業機械工業会 

浅 田 敏 勝 

日本IBM株式会社 

市 村 英 男 

三菱電機株式会社生産技術研究所 

(幹事) 

深 尾   仁 

大成建設株式会社技術開発部 

西 岡 利 晃 

株式会社大林組技術研究所 

井 深 成 仁 

東京エレクトロン株式会社 

鈴 木 良 延 

清水建設株式会社技術研究所 

奥 井 敬 造 

ニッタ株式会社研究開発本部 

星 名 民 雄 

リオン株式会社技術統括部環測技術部 

秋 山   正 

株式会社ダン科学技術部 

沼 田 典 之 

ダン産業株式会社 

杉 田 直 記 

ミドリ安全工業株式会社技術開発事業部 

山 本 達 雄 

富士電機株式会社川崎工場 

三 上 壮 介 

社団法人日本空気清浄協会