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B 9918-2:2008 (ISO 14698-2:2003) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 微生物汚染データの評価 ···································································································· 3 

4.1 一般 ···························································································································· 3 

4.2 初期監視の段階におけるデータの推定及び評価(セットアップ手順,図1参照) ······················· 4 

4.3 日常監視の段階における微生物汚染データの推定及び評価(図2参照) ··································· 5 

4.4 検証 ···························································································································· 8 

4.5 管理値外れの結果 ·········································································································· 8 

4.6 結果のバリデーション ···································································································· 8 

附属書A(参考)参考文献 ···································································································· 10 

B 9918-2:2008 (ISO 14698-2:2003) 

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本空気清浄協会(JACA)及び財団

法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業

標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。 

JIS B 9918の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS B 9918-1 第1部:一般原則及び基本的な方法 

JIS B 9918-2 第2部:微生物汚染データの評価 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 9918-2:2008 

(ISO 14698-2:2003) 

クリーンルーム及び関連制御環境− 

微生物汚染制御−第2部:微生物汚染データの評価 

Cleanrooms and associated controlled environments- 

Biocontamination control- 

Part 2: Evaluation and interpretation of biocontamination data 

序文 

この規格は,2003年に第1版として発行されたISO 14698-2を基に,技術的内容及び対応国際規格の構

成をを変更することなく作成した日本工業規格である。 

この規格は,JIS B 9918-1に示した原則及び方法に従って収集した微生物汚染データの評価のための枠

組みを提供する。また,この規格は,その他のシステムで収集した微生物汚染データに適用してもよい。 

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。 

適用範囲 

この規格は,微生物学的データの評価方法及び微生物汚染制御における,リスク区域の微生物粒子サン

プリングから得られる結果の推定方法に関する指針について規定する。この規格は,必要に応じてJIS B 

9918-1を併用して用いることが望ましい。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 14698-2:2003,Cleanrooms and associated controlled environments−Biocontamination control−

Part 2: Evaluation and interpretation of biocontamination data (IDT) 

なお,対応の程度を表す記号(IDT)は,ISO/IEC Guide 21に基づき,一致していることを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 9918-1 クリーンルーム及び関連制御環境−微生物汚染制御−第1部:一般原則及び基本的な方

法 

注記 対応国際規格:ISO 14698-1:2003,Cleanrooms and associated controlled environments−

Biocontamination control−Part 1: General principles and methods (IDT) 

B 9918-2:2008 (ISO 14698-2:2003) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 9918-1によるほか,次による。 

3.1 

対策レベル (action level) 

管理環境に応じて利用者が設定したレベルをいい,これを超えたときには原因の調査を含めた即時の介

入及び是正処置を必要とする。 

3.2 

警告レベル (alert level) 

通常条件からの逸脱を早期に警告するために,管理環境に応じて利用者が設定したレベルをいい,これ

を超えたときはプロセスへの注意を喚起することが望ましい。 

3.3 

監査証跡 (audit trail) 

関連情報の追跡を可能にする,一連の関連文書及び記録項目。 

3.4 

微生物汚染 (biocontamination) 

生菌粒子による材料,装置,個人,表面,液体,ガス又は空気の汚染。 

3.5 

クリーンルーム (cleanroom) 

浮遊微粒子濃度が制御されていて,室内における微小粒子の流入,生成及び滞留を最小限にするように

建設され,使用され,また,例えば,温度,湿度,圧力など,他の関連パラメタが必要に応じて制御され

ている部屋。 

注記 コンタミネーションコントロールが行われている限られた空間であって,空気中における浮遊

微小粒子及び浮遊微生物が限定された清浄度レベル以下に管理され,また,その空間に供給さ

れる材料,薬品,水などについても要求される清浄度が維持され,必要に応じて温度,湿度,

圧力などの環境条件についても管理が行われている空間。 

(JIS B 9920及びJIS Z 8122参照) 

3.6 

データの層別 (data stratification) 

重要な傾向及び逸脱を容易に視認でき,理解できるようにするために,データを再グループ化すること。 

3.7 

推定値 (estimate) 

推定の結果として得られる,推定量の値。 

(JIS Z 8101-2参照) 

3.8 

推定 (estimation) 

サンプルが採られた母集団の統計モデルとして選択した分布のパラメタに対して,サンプルの観測値を

基に数値を与える操作。 

(JIS Z 8101-2参照)  

注記 母集団分布を確定させるパラメタを,母数ともいう。 

3.9 

B 9918-2:2008 (ISO 14698-2:2003) 

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推定量 (estimator) 

母集団のパラメタを推定するために用いる統計量。 

(JIS Z 8101-2参照) 

3.10 

ハザード (hazard) 

微生物汚染による障害を引き起こすおそれのある危害の潜在的な源。 

3.11 

リスク (risk) 

危害が発生する確率とその危害の重大度との組合せ。 

注記 JIS Z 8051:1999の3.2参照。 

3.12 

リスク区域 (risk zone) 

個人,製品又は材料(又はこれらの任意の組合せ)が特に汚染されやすい,定義され,限定された空間。 

3.13 

目標レべル (target level) 

利用者自身の目的のために,日常操作の目標として利用者が設定した規定レベル。 

3.14 

バリデーション (validation) 

客観的証拠の提出による,特定の意図された使用又は適用に関する要求事項が満たされていることの確

認。 

(JIS Q 9000:2000の3.8.5参照) 

3.15 

生菌粒子 (viable particle) 

一つ以上の生菌からなる粒子,又は生菌が付着した粒子。 

(JIS B 9918-1の3.1.23参照) 

3.16 

生菌計数単位 (viable unit) (VU) 

1単位として計数される,一つ以上の生菌粒子。 

(JIS B 9918-1の3.1.24参照) 

注記 生菌数を寒天培地上のコロニとして計数する場合,一般にこれをコロニ形成単位(CFU)と呼ぶ。

1CFUは,1単位以上のVU(JIS B 9918-1の3.1.24参照)からなることもある。 

微生物汚染データの評価 

4.1 

一般 

対策レベル,警告レベル及び目標レベルの設定に関する情報,並びに計数方法のバリデーション及び微

生物汚染データの収集については,JIS B 9918-1に規定する。この規格では,収集したデータの評価につ

いて規定する。 

リスク区域における微生物学的結果の取扱いには,次の要素を考慮するのが望ましい。 

− 収集する結果の形式 

− 必要な情報 

B 9918-2:2008 (ISO 14698-2:2003) 

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− 収集した結果の処理方法(例,統計的手順,相関解析,人工知能など) 

− 重要な傾向及び逸脱に焦点を当てた,収集した結果のグループ分け。すなわちデータの層別。 

− 結果の表現方法(例えば,定性,定量,図式,数値)及び測定に使用した単位 

− 分析法の正当性及び潜在的な問題 

− 傾向分析 

− 管理図作成 

− 結果の推定,解釈及び報告 

結果の評価は,初期監視(施設立上げ手順)の段階,及び日常監視の段階の2段階で実施することが望

ましい。 

4.2 

初期監視の段階におけるデータの推定及び評価(セットアップ手順,図1参照) 

4.2.1 

微生物汚染の重要性 

JIS B 9918-1に従って微生物汚染を収集し,信頼性のある推定値を得るためには,次の変動要因を考慮

する必要がある。 

− 適切なサンプリング数及びサンプル材の均一性,並びに該当する場合は,サンプル希釈の正確さ 

− 関連する微生物粒子菌そう(叢)の構成:経時的変動性並びに,生存及び回復に対するストレス並び

に損傷の影響 

− リスク区域及びその他管理環境内の様々なサンプリング場所からもたらされる結果 

− 培養技術及び計数の方法論 

− 分析方法の選択並びに直接及び間接試験の関係 

4.2.2 

是正処置 

試験所の能力を管理状態に維持するためには,起こり得る誤りの原因を特定して排除することが大変重

要である。規格外の結果を迅速に調査するときには,試験誤りの可能性にも注意するとよい。 

調査には,次の事項を含むのがよい。 

− 異常な結果を目立たせるような標準的方法 

− 総体的誤差及び体系的誤差の排除 

− 変動に対する評価 

− 修正した方法の回収率の設定 

− 装置の検証 

− 理由付け及び文書化 

− ある分析を繰り返した場合に,最終結果をどのように導き出すかを決定する明確なルール 

4.2.3 

記録 

手法,計器及び内部監査に対するすべての通常定期点検,さらに,原データ,計算,計算結果及び最終

報告書の記録は,適切に保管し,保持することが望ましい。この記録には,サンプリング,調製,試験,

評価及び報告に関わった人員が特定できるようにすることが不可欠である。いかなる結果に対しても,い

つ,どのように変更されたかの詳細を示すために,監査証跡を残すのがよい。署名,イニシャル又はサイ

ンの記録は,これを適切に保存・更新することが望ましい。報告書は,必要に応じて配布するとよい。こ

れには,郵便,ファクシミリ及び電子メールを用いてもよい。 

コンピュータ内に蓄積されるものを含め,データ及び記録の適切な保護を行うことが不可欠である。 

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 サンプリングポイント及びサンプリング計画の確立・収集するデータの特定 
 (JIS B 9918-1による。) 

・データ収集パラメタを確立する。 
・サンプリング計画を確立する。 
・データ収集又は記録シートを確立及び作成する。 
・予備的限度値を設定する。 

↓ 

 予備測定段階(JIS B 9918-1による。) 

・微生物汚染の存在を判定する。 
・方法を選択する。 
・サンプリング及び微生物学的試験を実施する。 

↓ 

 データの分析及び監視 

・データを表にする。例えば,評価表/マトリックス。 
・予備データを層別(分類/簡素化)する。 
・結果を表す。 
・精度及び正確度を決定して,統計的評価手順を適用する。 
・管理表を作成する。 

↓ 

 データ評価 

・管理ポイントにおける初期限度値を評価する。 
・予備測定に基づき,目標レベル/警告レベル/対策レベルを指定する。 
・管理値外れの場合は,結果を検討する。 

↓ 

 標準化及びバリデーション 

・サンプリング,測定方法 
・電子データ処理 
・要員の教育訓練 

↓ 

 データ保存・文書化・記録保管 

図1−初期監視の段階におけるデータの推定及び評価 

4.3 

日常監視の段階における微生物汚染データの推定及び評価(図2参照) 

4.3.1 

サンプリング及びサンプルの追跡 

有効な結果に対する最も重要な段階,すなわち,サンプリングに関する情報は,JIS B 9918-1に規定さ

れている。さらに,サンプルの受入れ及び全分析過程を通した,進行から最終結果に至るまでの明確な識

別及び取扱い,並びに原サンプルの正確な識別を行うため,試験所は適切な信頼できる手順をもつことが

望ましい。 

4.3.2 

結果の収集 

JIS B 9918-1に規定されている,サンプリング計画の一般指針に従うことが望ましい。さらに,結果の

収集での誤りを避けるために,次の要素を考慮するのがよい。 

− 特殊な利用法 

− 用途限定パラメタの識別 

− プロセス及びシステム内のデータ収集ポイント 

− 試験システムの検出限界及び感度 

− 作業内容及び操業データの収集 

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4.3.3 

データの記録 

実施した試験に対して実際上関連した全情報が,規定の期間中,容易に利用可能であることを確実にす

るために,データの記録及び取扱いに関する明確な手順を開発し,実施することが望ましい。また,その

手順には,次の点を含むことが望ましい。 

− 生データ 

− 記録された情報形式のリスト 

− 試験所の記録文書又は電子記録の識別及び場所 

− 様々な形式の観察記録,計算,その他の関連情報を記録するためのワークブック,ワークシート若し

くはコンピュータ又はその他の適切な手段の使用 

− 観察記録,計算及び報告に対して,記録,検査,訂正及び署名又は連署するために従うべき手順 

− 一貫性のある解釈のための推奨事項 

− 特定の法的又はその他の要求事項 

− 適用分野に該当し,対策レベル,警告レベル及び目標レベルに影響する要求事項 

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 リスク区域における管理ポイントの監視 

・サンプリング計画に従って採取したサンプルを試験する。 
・CFU又はVUを計数する。 
・CFU又はVUデータを記録する。 

↓ 

 データの分析及び監視 

・データの層別-グループ測定:データを表にする,又は記述統計を使用する。 
・結果を表す。 
・経時的傾向を調べる。 
・管理図を作成する。 

↓ 

 データの評価及び解釈 

・統計/相関解析 
・管理分析/人工知能 

↓ 

 データの検証 

・計算 
・結果の電子データ処理 
・管理ポイントの微生物学的クラス分け 
・リスク区域の微生物学的品質レベル 

↓ 

 データによる推定を基にした結果の評価及びまとめ 

・管理値外れの結果を考察する。 
・適宜,是正処置を適用する。 
・必要に応じて,目標,対策及び警告レベルを調整する。 
・リスク区域における品質レベル判定を調整する。 

↓ 

 データ保存・文書化・記録保管 

図2−日常監視の段階におけるデータの推定及び評価 

4.3.4 

データの評価 

結果の統計計算を行う前に,特に多くの観察記録がある場合は,主要な特徴が明確になるようにデータ

を要約し,グループ分けすることが必要である。これは,度数分布表又は度数分布グラフを用いて測定値

をグループ分けする,又は記述統計を使用することによって定性的に行ってもよい。統計的方法が適用で

きるデータは,単一の計量値群,又は特定の属性をもつ要素の計数値群である。 

各測定について, 

a) 方法を開発する手順,及びその方法のバリデーションを行うために用いる統計的技法を記述した文書

が必要である。 

b) 前述の方法は,一般的に論文審査のある学術雑誌又は書籍に発表されているものがよい。 

c) 改善された測定方法を導入した場合は,その経過を記述することが望ましい。 

4.3.5 

統計学の適用 

統計的技法で重要なのは,サンプリングしたリスク区域の微生物母集団を,サンプルから推定すること

である。サンプルは,汚染母集団を正確に反映しないことがあり,そのような推定にはリスクが伴う。監

視及び評価を適切に行えば,このリスクは確率サンプリング及び統計学を適用して定量化し,許容レベル

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まで低減させることができる(附属書Aの[2],[3]参照)。 

結果の解釈及び評価には,複数の統計学的方法を用いることが望ましい。統計的評価の複雑さ及び文献

の入手しやすさに関係するので,監視及び検証に対する統計的方法の選択及び使用に関しては,この規格

には規定しない。 

4.3.6 

傾向分析及び管理図 

単一サンプルから得られたデータは,重要な意味をもたないことが多い。さらに,微生物学的監視技法

には,大きな変動性を示すという重大な短所があり得る。したがって,長時間にわたって収集した結果を

図示することは,たとえ結果が管理値限度内に収まっていても,実際の意味のある傾向的変化と単なるサ

ンプリング変動とを区別するのに有用なことがある。 

管理図法は,特に監視に適用できるが,リスク区域の品質を評価するための客観的,かつ,統計学的に

有効な手段(附属書Aの[2],[3]参照)を提供するために適用してもよい。検証手順[JIS B 9918-1:0000

の4.2 f)]では,もう一つの品質管理技法としてバッチ承認を目的としたサンプリングを適用できる。シュ

ーハート管理図(附属書Aの[4]参照),“範囲に基づいた”管理図又は“累積和管理図”(附属書Aの[5]

参照)を作図することで通常のランダムな広がりを超える偏差を測定し,かつ,管理値外の結果を強調す

るのに適切な場合がある。 

注記 “範囲に基づいた”管理図にはR-管理図,移動平均管理図などがある[JIS Z 9020:1999(附属

書Aの[6]参照)]。 

4.4 

検証 

監視及び分析的方法の継続的な効率を測定するため,結果の見直しを定期的に行うことが望ましい。こ

れによって指定した警告レベル及び対策レベル,並びに該当する場合には目標レベルを見直すことで,リ

スク区域の微生物学的クラス分類を検証(JIS B 9918-1の3.1.22参照)できる。 

4.5 

管理値外れの結果 

管理値を外れた試験結果が発生した場合は,毎回,それが真の結果であるかどうかを判定し,評価する

ことが必要である。この手順を図3のフローチャートに示す。試験所の誤りであると確認できない管理値

外の結果は,原因及び適切な是正処置を決定するために,調査が不可欠となる。 

施設の立上げ手順中の管理限度値は,仮のものであり日常の監視が進行するに従って変更してもよい。

これら仮の限度値を外れた結果は,微生物汚染の発生による現実の変化を反映した真の結果であり,仮管

理値の再評価を促すものであるとみなしてよい。その場合,必ずしも正式な検証は必要ないが,判定には

理由を示し, 文書化することが望ましい。 

4.6 

結果のバリデーション 

報告に先だち,結果のバリデーションに対する規定された手順がなければならない。これらには,次の

事項を含むことが望ましい。 

− 適切な教育訓練を受けた者が結果を承認するための手順書 

− 結果をコンピュータシステムに入力する場合,データベースを対照してハードコピーを検査する手順 

− 結果の報告及び提示のためのシステム 

− 結果報告書の公表に関する,明確に規定された手順 

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図3−管理値外れ (OOS) の結果の調査 

当初の結果 

結果を評価 

結果を評価し,問
題解決に取り組
むことを決定。 

問題の解決に 
取り組む。 

管理値内 

良好:調査の必
要なし。 

結果報告。 

管理値及び関連事

項を評価。 

初期試験所調査 

試験所の誤りが
確認されない。 

試験所の誤り
が確認された。 

管理値外れの試験結果が無効である。 
再試験又は再サンプリング。 

管理値外れの結果 

徹底した調査 

試験所の誤りが
確認されない。 

試験所の誤り
が確認された。 

結果を評価
する。 

管理値内 

管理値外れの試験結果が無効であ
る。再試験又は再サンプリング計
画に従って再サンプリング。 

管理値外れの結果 

結果の評価 

管理値内 

良好 

調査終了 

プロセスの誤り又は非プロセ
スの誤りについて評価する。 

誤りの原因が
確認された。 

誤りの原因が
確認されない。 

品質チーム調査 

結果の報告 

製品又は微生物汚染履歴を評価 

再作業,検証,再バリデーションを考慮する。 

文書化(記録保管) 

10 

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附属書A 

(参考) 
参考文献 

[1] JIS Z 8101-1:1999 統計−用語と記号−第1部:確率及び一般統計用語 

注記 対応国際規格:ISO 3534-1:1993,Statistics−Vocabulary and symbols−Part 1: Probability and 

general statistics terms (MOD) 

[2] Garfield, F.M. Statistical applications and control charts. Quality Assurance Principles for Analytical 

Laboratories, 13-29, AOAC International, Gaithersburg, Maryland, USA, 1992  

[3] McCormick, D., Roach, A. Statistics in Quality Control. Measurement, Statistics and Computation, Chapman, 

N.B.(ed.) pp.422-464, John Wiley & Sons, Chichester, New York, 1987 

[4] JIS Z 9021:1998, シューハート管理図 

注記 対応国際規格:ISO 8258:1991,Shewhart control charts (MOD) 

[5] ISO/TR 7871:1997,Camulative sum charts−Guidance on quality control and date analysis using CUSUM 

techniques 

[6] JIS Z 9020:1999 管理図−一般指針 

注記 対応国際規格:ISO 7870:1993,Control charts−General guide and introduction (IDT) 

[7] JIS Z 8051:2004 安全側面−規格への導入指針 

注記 対応国際規格:ISO/IEC Guide 51:1999,Safety aspect−Guidelines for their inclusion in standards 

(IDT) 

[8] JIS B 9919 クリーンルームの設計・施工及びスタートアップ  

[9] JIS B 9920 クリーンルームの空気清浄度の評価方法 

[10] JIS K 3800 バイオハザード対策用クラスⅡキャビネット 

[11] JIS Q 9000 品質マネジメントシステム−基本及び用語 

[12] JIS Z 8101-2 統計−用語と記号−第2部:統計的品質管理用語 

[13] JIS Z 8115 ディペンダビリティ(信頼性)用語 

[14] JIS Z 8122 コンタミネーションコントロール用語