B 9917-8:2010
(1)
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目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
3.1 一般 ···························································································································· 2
3.2 汚染物質カテゴリ ·········································································································· 2
4 清浄度クラス ··················································································································· 3
4.1 一般 ···························································································································· 3
4.2 JIS-AMCの表記仕様 ······································································································ 3
5 実証······························································································································· 5
5.1 原則 ···························································································································· 5
5.2 試験 ···························································································································· 5
5.3 試験報告書 ··················································································································· 5
附属書A(参考)浮遊分子状汚染の要因 ··················································································· 6
附属書B(参考)代表的な汚染物質 ························································································· 9
附属書C(参考)代表的な測定方法 ························································································ 13
附属書D(参考)隔離装置の特定要求事項に関する考慮事項························································ 17
附属書E(参考)参考文献 ···································································································· 18
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 19
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(2)
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まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本空気清浄協会(JACA)及び財
団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日
本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責
任はもたない。
JIS B 9917の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS B 9917-3 第3部:試験方法
JIS B 9917-5 クリーンルーム運転における管理及び清浄化
JIS B 9917-8 第8部:浮遊分子状汚染物質に関する空気清浄度
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日本工業規格
JIS
B 9917-8:2010
クリーンルーム及び関連制御環境−
第8部:浮遊分子状汚染物質に関する空気清浄度
Cleanroom and associated controlled environments-
Part 8: Classification of airborne molecular contamination
序文
この規格は,2006年に第1版として発行されたISO 14644-8を基に作成した日本工業規格であるが,我
が国で標準的に使用される濃度単位に整合させるため,技術的内容を変更して作成した日本工業規格であ
る。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一
覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,特定化学物質(個々の物質,グループ又はカテゴリ)の気中濃度を用いて,クリーンルー
ム及び関連制御環境内の浮遊分子状汚染物質に関する空気清浄度クラス分類,並びにその範囲における試
験方法及び分析方法について規定する。
この規格は,クリーンルーム運転中における106 ng/m3〜10−3 ng/m3の範囲の濃度を対象とする。
この規格は,浮遊分子状汚染物質の存在が製品又はプロセスに対してリスクとならない産業,プロセス
又は生産には適用しない。
この規格は,浮遊分子状汚染物質の性質を記述するものではない。
この規格は,表面分子状汚染物質のクラス分類は示さない。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 14644-8:2006,Cleanrooms and associated controlled environments−Part 8: Classification of
airborne molecular contamination(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用
規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS Z 8122 コンタミネーションコントロール用語
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 8122によるほか,次による。
2
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3.1
一般
3.1.1
分子状汚染(molecular contamination)
分子状物質(化学物質・非粒子状物質)によって,製品,プロセス又は機器に有害な作用を受ける汚染。
3.1.2
浮遊分子状汚染(airborne molecular contamination)
クリーンルーム又は清浄環境の空気中に浮遊する,ガス状又は蒸気状態の分子状物質によって製品又は
特定の表面に有害な作用を受ける汚染。
注記1 この定義には,巨大分子などの粒子と判定される物質による汚染は含まれない。
注記2 浮遊分子状汚染の要因については附属書Aを参照,代表的な汚染物質については附属書Bを
参照。
3.1.3
表面分子状汚染(surface molecular contamination)
クリーンルーム又は清浄環境で,製品又は特定の表面に吸着した分子状物質による汚染。
3.1.4
汚染物質カテゴリ(contaminant category)
所定の表面に付着したときに特定の類似な有害作用を及ぼす化合物の分類の名称。
3.1.5
アウトガス(outgassing)
材料からのガス状又は蒸気状態の分子状物質の発生。
3.2
汚染物質カテゴリ
3.2.1
酸性物質(acid)
電子対を受け取ることによって新しい結合を築く化学反応特性をもつ物質。
3.2.2
塩基性物質(base)
電子対を放出することによって新しい結合を築く化学反応特性をもつ物質。
3.2.3
生物毒素(biotoxic)
生物,微生物,組織又は個別細胞の生命の発育及び維持に有害となる汚染物質。
3.2.4
凝縮性物質(condensable)
クリーンルーム運転条件下で,凝縮によって表面に付着する物質。
3.2.5
腐食性物質(corrosive)
表面の化学変化によって侵食を引き起こす物質。
3.2.6
ドーパント(dopant)
吸着及び/又は拡散によって製品本体と一体化し,微量でも材料の特性を変化させる物質。
3
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3.2.7
有機物(organic)
炭素及び水素を主成分とし,酸素,窒素又はその他の元素によって構成される化合物。
3.2.8
オキシダント(oxidant)
酸化性物質。表面又は製品に付着し,酸化物を形成又は酸化還元反応を引き起こす物質。オゾン,NO2
など。
4
清浄度クラス
4.1
一般
清浄度クラスは,4.2に記述する表記法によって表す。クラス表記は“JIS-AMC”で表し,汚染物質カテ
ゴリ,個々の物質又は物質群による汚染物質の分類ごとの上限濃度を示す。
4.2
JIS-AMCの表記仕様
クリーンルーム又は関連制御環境のAMCクラスは,汚染物質カテゴリ,個々の物質,物質群など汚染
物質の分類ごとのJIS-AMC表記によって指定する。
JIS-AMC表記仕様は,次による。
JIS-AMC Class N (X)
ここに, N:JIS-AMCクラスを表す数字。−3〜6の範囲で表す。中間クラスは,0.1単位(最小単位)
で表す。
X:汚染物質カテゴリ(対象製品との兼ね合いによる。)であり,次の項目が含まれるが,
これに限定するものではない。
− 酸性物質(ac)
− 塩基性物質(ba)
− 生物毒素(bt)
− 凝縮性物質(cd)
− 腐食性物質(cr)
− ドーパント(dp)
− 有機物,全有機物(or)
− オキシダント(ox)
Cx=10N
ここに, Cx:JIS-AMCクラスNの上限濃度(ng/m3)
クリーンルーム測定濃度が,Cx以下の値のとき,クラスNが満足される。
例1 アンモニア(NH3)の気中濃度が0.8×103 ng/m3であるとき,クラス3の上限値103 ng/m3以下
であるので,JIS-AMCクラス 3(NH3)を満足する。
例2 総有機物質(TVOC)の気中濃度が105 ng/m3であるとき,クラス5の上限値105 ng/m3以下であ
るので,JIS-AMCクラス 5(TVOC)を満足する。
例3 凝縮性物質(cd)の気中濃度が3×10 ng/m3であるとき,クラス1.5の上限値31.6 ng/m3以下で
あるので,JIS-AMCクラス 1.5(cd)を満足する。
例4 ドーパント(dp)の気中濃度が10 ng/m3であるとき,クラス1の上限値10 ng/m3以下であるの
4
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で,JIS-AMCクラス 1(dp)を満足する。
表1及び図1に,JIS-AMCクラスのクラス表記及びクラスと上限濃度との関係を示す。
表1−JIS-AMCクラス表記
JIS-AMCクラス
(N)
上限濃度
参考
(ISO-AMCクラス)
g/m3
μg/m3
ng/m3
6
10−3
103 (1 000)
106 (1 000 000)
−3
5
10−4
102 (100)
105 (100 000)
−4
4
10−5
101 (10)
104 (10 000)
−5
3
10−6
100 (1)
103 (1 000)
−6
2
10−7
10−1 (0.1)
102 (100)
−7
1
10−8
10−2 (0.01)
101 (10)
−8
0
10−9
10−3 (0.001)
100 (1)
−9
−1
10−10
10−4 (0.000 1)
10−1 (0.1)
−10
−2
10−11
10−5 (0.000 01)
10−2 (0.01)
−11
−3
10−12
10−6 (0.000 001) 10−3 (0.001)
−12
図1−JIS-AMC(ISO-AMC)クラスと上限濃度との関係
5
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5
実証
5.1
原則
使用者が指定したJIS-AMCクラス(要求事項)の実証は,使用者と供給者との協定に基づき指定した試
験手順の遂行及び試験結果と試験条件とを記した報告書の提出によって行う。
5.2
試験
代表的な試験方法を,附属書Cに記載する。リストに記載されている方法がすべてではなく,同等の精
度をもった代替法を使用者と供給者との協定によって適用することもできる。
注記1 正確に適用されたとしても方法が異なれば,互いに有効な異なる結果が得られることもある。
実証のための試験は,適切な試験方法と校正された機器とによって実施しなければならない。サンプリ
ング場所は使用者と供給者との協定に基づいて決めるものとする。協定した場所で複数回の測定を行うこ
とを推奨する。
注記2 分析測定時は粒子汚染の影響に十分注意する。
測定時期は,使用者と供給者との協定に基づいて決めなければならない(A.4.3参照)。
5.3
試験報告書
クリーンルーム又は関連制御環境の試験結果は記録し,JIS-AMCクラスに対する適合又は不適合の記述
とともに,包括的な報告書として提出しなければならない。報告書には次の内容を含む。
a) 試験者の名前,試験機関の名称,所在地,試験実施日及びサンプリング期間。
b) この規格の番号及び発効年 例 JIS B 9917-8:2010
c) 試験したクリーンルーム又は関連制御環境の物理的位置(必要であれば隣接地点の情報を含む。)及び
指定されたすべての測定位置の情報。
d) 測定した分子状汚染物質濃度。
e) JIS-AMCクラス及び上限濃度。
f)
占有状態,設計清浄度クラス及び指定の試験方法を含むクリーンルーム又は関連制御環境に対して指
定された基準の情報。必要に応じて物質名(又は汚染物質カテゴリ,グループ名),試験時間及び浮遊
粒子の清浄度クラスを含む。
g) 分析環境及び分析方法の変更点,分析装置の情報,最新の校正証明書など,入手可能な試験方法に関
する詳細な情報。
h) その他すべての測定地点での試験結果。
6
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附属書A
(参考)
浮遊分子状汚染の要因
A.1 一般
この附属書は,クリーンルーム及び関連制御環境において浮遊分子状汚染を引き起こす又は浮遊分子状
汚染に関連する要因について示すものである。この要因は,施設の運転に関する特殊な検討事項とともに,
設計及び汚染制御の要求事項について初期段階から検討することが重要である。
注記 隔離装置の特定要求事項に関する考慮事項については,附属書Dを参照。
A.2 要素設定の概念
浮遊分子状汚染を引き起こす,又は浮遊分子状汚染に関連する要因で,考慮することが望ましいものに
ついて次に挙げる。
a) 分子状汚染の考慮が必要でない場合も多くあることから,まずは製品又はプロセスが分子状汚染によ
って影響されるかを検討する。
b) 製品又はプロセスに影響する汚染物質カテゴリを取り上げ,特定の物質又は物質グループについて特
に考慮する必要があるかどうかを検討する。
c) 製品又はプロセスにおいて,汚染物質カテゴリ及び/又は物質又は物質グループの最大許容濃度を確
定し,4.2に従って関連するJIS-AMC表示を指定する。
d) 分子状汚染及び汚染濃度レベルに関連する次の発生源の可能性を究明する。
1) 取入れ外気
2) 構成材料
3) 施設内で発生の可能性がある交差汚染
4) 施設の運転及び維持
5) 要員,クリーンルーム用衣服及び補助材料
6) 化学薬品及びプロセスガス
7) 加工材料及び工具
これらの詳細については,A.3〜A.8に示す。
e) 製品又はプロセスのJIS-AMCクラスを達成するために,d)による分子状汚染を回避又は削減するため
の設計要求事項について検討する。
A.3 取入れ外気
A.3.1 製品又はプロセスが暴露される施設に取入れ空気として外気が供給される場合には,製品又はプロ
セスに影響する化学物質の濃度に関して,取入れ外気及びその季節変動を検証することが望ましい。さら
に,配線材料を含めた空気調和設備の構成材料について考慮することが望ましい。
A.3.2 濃度の分析は,取入れ外気へ影響する可能性のある将来的な動向も含め,その変動性の評価を行う
のに十分な期間にわたって実施することが望ましい。
A.3.3 風が強い場合,汚染源が外気取入口近傍にある場合などは,外気取入口の位置の選択によって,浮
遊分子状汚染物質濃度を低く抑えることができる可能性がある。
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A.4 構成材料
A.4.1 施設に用いる構成材料は,アウトガスによって浮遊分子状汚染の原因となる。
適切なクリーンルーム用構成材料の例をJIS B 9919:2004 [1]の附属書E(建設及び材料)に示す。
A.4.2 材料のアウトガスは,クリーンルーム又は関連制御環境の温度,相対湿度及び気圧に左右されるの
で,施設の設計にこの影響を考慮することが望ましい。
A.4.3 構成材料のアウトガスは,一般に指数関数的に減衰することがある。
A.4.4 分子状汚染物質が問題となる施設のすべての構成材料は,その複合的な化学特性について評価し,
その用途によって選択することが望ましい。
A.5 交差汚染
A.5.1 交差汚染は,工程の切替え,局所的な圧力変動及び/又は異なるプロセス間で生じる。
A.5.2 このような汚染の程度は,初期の設計性能の一部として評価することが望ましい。
A.5.3 メンテナンスエリア又はプロセスの封じ込め,製品又はプロセスを保護するために,分離,囲い込
み又は隔離技術によって交差汚染が最小限に抑えられる可能性がある。
このような考え方の例を,JIS B 9919:2004 [1]の附属書A(制御及び分離の概念)及びISO 14644-7 [3]
に示す。
A.6 運転及び維持
クリーンルームの運転及び維持について,全般的内容はJIS B 9917-5:2008 [2]に記載されている。そのほ
かにも施設の運転及び維持の指針によって分子状汚染を防止又は最小限にするには,要員の管理のほか,
代表的なものとして次のような方法がある。
− 作業プロセスにおけるフェースマスク又は換気装置・フィルタ付ヘルメットの着用
− 衣服及びその包装材料の化学分析
− クリーニング液及びクリーニング材料の化学分析
− 製品包装材料の化学分析
− 可搬形機器又は持込み材料の使用による分子状汚染を最小限に抑えるための取扱指針
− 機器の維持又は修理若しくは点検時に使用する仮設隔離壁
− 分子状汚染を最小限にするための作業手順
− 装置機器類の搬入手順
A.7 要員
要員が原因となる分子状汚染は,次の項目を規制することによって防止又は最小限に抑えることができ
る。
− 入退出手順
− 化粧品,香水及び整髪剤の使用
− 喫煙
− 薬の使用
− ある種類の食品の摂取
− 個人使用による洗剤及び消毒剤
これらは,すべてを網羅したものではない。
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注記 必要とする規制の程度については,問題となるプロセスによる。JIS B 9917-5の該当箇所を参
照。
A.8 その他の要因
その他の要因として,次のものが挙げられる。
− 化学薬品及びプロセスガス
− 消耗品
− 機器
A.9 浮遊分子状汚染を低減するための空気処理方法
特定の汚染物質カテゴリの濃度を抑制又は低減する方法には,次のようなものがある。
− 適切な材料(活性炭,処理済活性炭,イオン交換樹脂,ゼオライト,その他)への吸着
− 光電子イオン化及び静電気イオン除去
− 触媒による光酸化
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附属書B
(参考)
代表的な汚染物質
B.1
一般
浮遊分子状汚染物質の分類は,複雑である。多くの化合物は,複数のカテゴリに入る化学的属性をもっ
ている。したがって,カテゴリは,クリーンルーム環境で製造される最終製品に対して,対象となる特定
の化学物質が示す特徴的な反応を表すことが望ましい。製品又は製造工程に影響する代表的な化合物及び
そのカテゴリの例を表B.1に示す。この表は,使用者が取り扱う化合物又は物質の分類に役立つ。
表B.1は参考であり,網羅的又は包括的なものを意図したものではない。
表B.1−製品又はプロセスに関係する化学物質及びカテゴリの代表例
CAS No.
物質名
示性式
汚染物質カテゴリa)の分類
ac
ba
or
bt
cd
cr
dp ox
H
M
L
7664-41-7
Ammonia
アンモニア
NH3
×
×
× ×
141-43-5
2-Aminoethylalcohol
2-アミノエチルアルコール
Ethanolamine
エタノールアミン
Monoethanolamine
モノエタノールアミン
NH2C2H4OH
× ×
×
35320-23-1
2-Aminopropanol
2-アミノプロパノール
NH2C3H6OH
× ×
×
128-37-0
BHT:di(t-butyl)hydroxytoluene
ジ(t-ブチル)ヒドロキシトル
エン
H3CC6H3(t-C4H9)2OH
× ×
×
85-68-7
Butylbenzyl phthalate
ブチルベンジルフタレート
H9C4OCOC6H4COOC
H2C6H5
×
×
7637-07-2
Boron trifluoride
3ふっ化ほう素
BF3
×
×
×
1303-86-2
Boron oxide
酸化ほう素
B2O3
×
×
108-91-8
Cyclohexylamine
シクロヘキシルアミン
C6H11NH2
× ×
×
−
Cyclicpolydimethylsiloxanes
シクロポリジメチルシロキサ
ン類
(-Si(CH3)2O-)n
×
×
106-46-7
p-Dichlorobenzene
p-ジクロロベンゼン
ClC6H4Cl
× ×
×
100-37-8
Diethyl aminoethanol
ジエチルアミノエタノール
(C2H5)2NC2H4OH
× ×
×
117-84-0
Dioctyl phthalate
フタル酸ジオクチル
C6H4(C=OOC8H15)2
×
×
10
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表B.1−製品又はプロセスに関係する化学物質及びカテゴリの代表例(続き)
CAS No.
物質名
示性式
汚染物質カテゴリa)の分類
ac
ba
or
bt
cd
cr
dp ox
H
M
L
84-66-2
Diethyl phthalate
フタル酸ジエチル
C6H4(C=OOC2H5)2
×
×
84-74-2
Dibutyl phthalate
フタル酸ジブチル
C6H4(C=OOC4H9)2
×
×
117-81-7
Di(2-ethylhexyl)phthalate
フタル酸ジ(2-エチルヘキシ
ル)
C6H4(C=OOCH2CH
C2H5C4H9)2
×
×
84-61-7
Dicyclohexyl phthalate
フタル酸ジシクロヘキシル
C6H4(C=OOC6H11)2
×
×
103-23-1
Di(2-ethylhexyl)adipate
アジピン酸ジ(2-エチルヘキ
シル)
C4H8(C=OOCH2CH
C2H5C4H9)2
×
×
84-76-4
Dinonyl phthalate
フタル酸ジノニル
C6H4(C=OOC9H19)2
×
×
84-77-5
Didecyl phthalate
フタル酸ジデシル
C6H4(C=OOC10H21)2
×
×
541-02-6
Decamethylcyclopentasiloxane
デカメチルシクロペンタシロ
キサン
(-Si(CH3)2O-)5
×
×
540-97-6
Dodecamethylcyclohexasiloxane
ドデカメチルシクロヘキサシ
ロキサン
(-Si(CH3)2O-)6
×
×
104-76-7
2-Ethylhexanol
2-エチルヘキサノール
CH3(CH2)3C2H5CHCH2
OH
×
×
50-00-0
Formaldehyde
ホルムアルデヒド
HCHO
× ×
×
142-82-5
Heptane
ヘプタン
C7H16
×
×
66-25-1
Hexanal
ヘキサナール
HC6H12O
× ×
×
7647-01-0
Hydrochloric acid
塩酸
HCl
×
×
× ×
766-39-3
Hydrofluoric acid
ふっ化水素酸
HF
×
×
× ×
10035-10-6
Hydrobromic acid
臭化水素酸
HBr
×
× ×
7783-06-4
Hydrogen sulfide
硫化水素
H2S
×
×
× ×
999-97-3
Hexamethyldisilazane
ヘキサメチルジシラザン
(CH3)3SiNHSi(CH3)3
×
×
541-05-9
Hexamethylcyclotrisiloxane
ヘキサメチルシクロトリシロ
キサン
(-Si(CH3)2O-)3
×
×
67-63-0
Isopropyl alcohol
イソプロピルアルコール
(CH3)2CHOH
× ×
×
11
B 9917-8:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表B.1−製品又はプロセスに関係する化学物質及びカテゴリの代表例(続き)
CAS No.
物質名
示性式
汚染物質カテゴリa)の分類
ac
ba
or
bt
cd
cr
dp ox
H
M
L
10102-43-9
Nitrogen monoxide
一酸化窒素
NO
×
×
× ×
10102-44-0
Nitrogen dioxide
二酸化窒素
NO2
×
×
× ×
872-50-4
n-Methylpyrrolidone
n-メチルピロリドン
-CHNCH3CHCH2CO-
× ×
×
644-31-5
Ozone
オゾン
O3
×
×
×
556-67-2
Octamethylcyclotetrasiloxane
オクタメチルシクロテトラシ
ロキサン
(-Si(CH3)2O-)4
×
×
7803-51-2
Phosphine
ホスフィン
PH3
×
×
×
7446-09-5
Sulphur dioxide
二酸化硫黄
SO2
×
×
121-44-8
Triethylamine
トリエチルアミン
(C2H5)3N
× ×
×
45-40-0
Triethyl phosphate
りん酸トリエチル
(C2H5O)3P=O
×
×
×
6145-73-9
Tris(2-chloro-1-propyl)phosphate
りん酸トリス(2-クロロ,1-
プロピル)
(CH3ClCHCH2O)3P=O
×
×
×
13674-73-9
Tris(1-chloro-2-propyl)phosphate
りん酸トリス(1-クロロ,2-
プロピル)
((CH3)(ClCH2)CH-O-)3
P=O
×
×
×
78-30-8
Tricresyl phosphate
りん酸トリクレジル
(CH3C6H4O)3P=O
×
×
×
126-73-8
Tri(n-butyl)phosphate
りん酸トリ(n-ブチル)
(C4H9O)3P=O
×
×
×
306-52-5
Trichloroethyl phosphate
りん酸トリクロロエチル
(ClC2H4O)3P=O
×
×
×
75-59-2
Tetramethylammonium hydroxide
テトラメチルアンモニウムハ
イドロオキサイド
(CH3)4N+OH−
× ×
×
95-47-6
Xylene
キシレン
(CH3)2C6H4
× ×
×
Total Phthalates
総フタル酸エステル類
R1OCOC6H4COOR2
×
×
Total Phosphates
総りん酸エステル類
(RO)3P=O
×
×
×
Total Cyclosiloxanes
総シクロシロキサン類
(-Si(CH3)2O-)n
×
×
Total Hydrocarbons
全炭化水素類
CmHnOp Xy(Xはほか
の元素を表す)
×
× × ×
12
B 9917-8:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表B.1−製品又はプロセスに関係する化学物質及びカテゴリの代表例(続き)
CAS No.
物質名
示性式
汚染物質カテゴリa)の分類
ac
ba
or
bt
cd
cr
dp ox
H
M
L
Total non-methane hydrocarbons
全非メタン炭化水素類
CmHnOp Xy(Xはほか
の元素を表す)−CH4
×
× × ×
注a) ac:酸性物質,ba:塩基性物質,or:有機物,bt:生物毒素,cd:凝縮性物質,cr:腐食性物質,dp:ドーパン
ト,ox:オキシダント
H:凝縮性が高い,沸点>200 ℃
M:凝縮性は普通,200 ℃≧沸点≧100 ℃
L:凝縮性は低い,100 ℃>沸点
13
B 9917-8:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書C
(参考)
代表的な測定方法
C.1 一般
C.1.1 この附属書は,化合物及びその濃度に対応した各種の測定方法及び分析方法について記載する。
C.1.2 この附属書に記載されている装置は,網羅的又は包括的なものではない。現在の代表的な測定方法
の例を表C.1に示す。
C.2 測定方法
C.2.1 測定方法は,次に大別できる。
− 直接分析方法(オンライン測定方法)
− 現地で試料を捕集して分析する方法(オフライン測定方法)
C.2.2 オンライン測定方法は,リアルタイムの測定が可能である。試料採取装置によっては,必要に応じ
て試料採取期間の積算値として表すものもある。
C.2.3 試料採取装置としては,更にパッシブサンプリングと,ポンプを利用するアクティブサンプリング
とに分類される。
C.2.4 パッシブサンプラは,一種又は複数のガスを選択的に採取するように調製した表面を採用している。
この方法は,低濃度の浮遊分子状汚染物質の場合には,採取期間を長くする必要がある。
C.2.5 アクティブサンプリングは,定められた容積の空気を吸着媒体に導入して,汚染物を採取する方法
である。この方法では低濃度の浮遊分子状汚染物質を比較的短時間で採取することも可能である。
アクティブサンプリングの機器は,複雑な測定系を含むことがあるので,適切な捕集効率及び操作につ
いて配慮する必要がある。
C.2.6 代表的な採取方法として,次に示すものがある。
− 例えば,Tenax®1),活性炭,シリカゲルなどの適切な吸着剤を充てん(填)した金属製又はガラスの吸
着管(SOR)。
− 浮遊分子状汚染物質を選択的に吸着するような試薬を適切に含有させたフィルタ。
− 単独又は直列に連結した脱イオン水又は適切な溶液吸収剤を充てんしたインピンジャ。
− 分析装置に直接導入できるような高濃度の浮遊分子状汚染物質の場合に使用される試料採取バッグ。
試料採取バッグには吸着性の材料は通常使用しない。
注1) Tenax®は,市販製品の一例である。この情報は,この規格の利用者の便宜を図って記載する
もので,この製品を推奨するものではない。
C.3 代表的な試料採取装置及び分析方法の選択
C.3.1 代表的な試料採取方法
代表的な試料採取方法を次に示すが,これらに限定するものではない。
a) アクティブサンプリング
− 適切な溶媒を充てんして直列連結したインピンジャ(IMP)
− 吸着管(SOR)
14
B 9917-8:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
− フィルタサンプラ(FC)
− 直接捕集するサンプリングバッグ,キャニスタ,コンテナ(SB)
− 拡散チューブ(DT)
b) パッシブサンプリング
− パッシブサンプラ(DIFF)
− 試料採取装置として使用される試験ウェーハ又は基板(WW)
− 拡散チューブ(DT)
C.3.2 代表的な分析方法
C.3.2.1 オフライン分析方法
代表的なオフライン分析方法を次に示すが,これらに限定するものではない。
− AA:原子吸光分析法
− ET-AA:電気加熱方式原子吸光分析法
− CL:化学発光法
− CE:キャピラリー電気泳動分析法
− CE/MS:キャピラリー電気泳動質量分析法
− GC:ガスクロマトグラフ分析法
− GC/MS:ガスクロマトグラフ質量分析法
− IC:イオンクロマトグラフ法
− IC/MS:イオンクロマトグラフ質量分析法
− ES:発光分光分析法
− ICP-MS:高周波プラズマ質量分析法
− UV-Vis:吸光光度分析法
− FT-IR:フーリエ変換赤外線分光分析法
− TXRF:全反射蛍光X線分析法
− VPD-TXRF:気相分解全反射蛍光X線分析法
− TOF-SIMS:飛行時間形二次イオン質量分析法
− API-MS:大気圧イオン化質量分析法
− HPLC:高速液体クロマトグラフ分析法
− HPLC/MS:高速液体クロマトグラフ質量分析法
C.3.2.2 オンラインモニタ
代表的なオンラインモニタを次に示すが,これらに限定するものではない。
− CPR:試薬含浸紙比色モニタ
− IMS:イオン移動度スペクトロスコピー
− P-GC:ポータブルガスクロマトグラフ
− ECS:電気伝導度計
− ICS:イオンクロマトグラフモニタ
− CLS:化学発光モニタ
− FIM:ふっ素イオンモニタ
− SAW:表面弾性波モニタ
− QCM:水晶振動子法
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B 9917-8:2010
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使用する場合は,それらの検出の(上下限の)限界に留意し,その範囲内で取り扱うことが望ましい。
機器への添加量に対する検出量の割合となる回収率は,75 %〜125 %の間であることが望ましい。
上記の測定方法の例として選択マトリックスを表C.1に示す。
注記 汚染物質の濃度に対応してどの分析方法を適用するかは,試料採取速度と時間とによる。
表C.1−想定される浮遊分子状汚染物質濃度並びに試料採取方法及び分析方法
JIS-AMC
クラスN
10n ng/m3
汚染物質カテゴリ
酸性物質
塩基性物質
有機物
生物毒素
凝縮性物質
腐食性物質
ドーパント
6
IMP,DIFF,
IC,UV-Vis,ECS
IMP,DIFF,
IC,UV-Vis,ECS
DIFF,SOR,SB,
GC,GC/MS,FT-IR
IMP,SB,DIFF,
SOR,IC,UV-Vis,
GC,GC/MS,FT-IR,
CPR,ECS
SOR,GC,
GC/MS,FT-IR
IMP,DIFF,SOR,
IC,UV-Vis,GC,
GC/MS,FT-IR,ECS
SOR,IMP,
GC,GC/MS,FT-IR,
IC,ICP-MS,ET-AA,
UV-Vis
5
IMP,DIFF,
IC,UV-Vis,CLS,
FT-IR,CPR
IMP,DIFF,
IC,UV-Vis,CLS,
FT-IR,CPR
IMP,DIFF,
IC,UV-Vis,CLS,
FT-IR,CPR,GC/MS,
IMP,DIFF,
IC,UV-Vis,CLS,
FT-IR,CPR,GC/MS
4
3
IMP,DIFF,
IC,UV-Vis,FT-IR,
CLS,CPR
IMP,DIFF,
IC,UV-Vis,FT-IR,
CLS,CPR,IMS
SOR,GC,
GC/MS,IMS
IMP,DIFF,SB,
SOR,IC,UV-Vis,
FT-IR,CLS,CPR,
IMS,GC/MS,
ICP-MS
SOR,GC,GC/MS
IMP,DIFF,SOR,
IC,UV-Vis,FT-IR,
CLS,CPR,GC,
GC/MS
IMP,SOR,
IC,GC/MS,ICP-MS
2
1
IMP,IC
IMP,IC,IMS
IMP,SOR,
IC,GC/MS,ICP-MS
IMP,SOR,
IC,GC/MS
0
IMP,IC,CE,IMS
SOR,GC/MS,
IMP,SOR,
IC,CE,IMS,
GC/MS,ICP-MS
SOR,GC/MS
IMP,SOR,
IC,CE,IMS,GC/MS
−1
IMP,CE
IMP,IC,
IC/MS,CE,CE/MS
IMP,SOR,
CE,GC/MS,ICP-MS
IMP,SOR,
CE,GC/MS
−2
−3
注記 採取方法及び分析方法の記号は,C.3参照。
2
B
9
9
1
7
-8
:
2
0
1
0
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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B 9917-8:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書D
(参考)
隔離装置の特定要求事項に関する考慮事項
D.1 一般
D.1.1 この附属書は,その性質上及び用途上,浮遊分子状汚染の要求事項に対して分類する場合,考慮す
る必要のある特殊な設計上の特徴をもった隔離装置に対する留意事項を示す。
このような装置の種類及び用途の詳細は,ISO 14644-7 [3]に規定されている。
D.1.2 隔離装置自身による汚染の可能性について留意することが望ましい。
場合によっては浮遊分子状汚染物質を直接測定できない可能性がある(例えば,装置容積があまりにも
小さい場合など。)。その場合,表面分子状汚染物質の測定が汚染度を評価する唯一の方法となることがあ
る。
注記 表面分子状汚染物質は単位面積当たりの濃度,浮遊分子状汚染物質は単位体積当たりの濃度で
表されるが,一般的に両者の関係は明らかになっていない。実験(又はその他の方法)で測定
された表面分子状汚染物質と浮遊分子状汚染物質との関係が分かっている場合では,表面分子
状汚染物質の測定値を浮遊分子状汚染物質濃度に換算し,その浮遊分子状汚染物質濃度を清浄
度分類に用いることができる。
D.2 特定の考慮事項
D.2.1 採用する隔離技術の計画によっては,浮遊分子状汚染物質のサンプリング及び分析方法が制限され
る。最適な試験方法について,使用者と供給者との間で確認及び協定することが望ましい。また,測定の
目的に応じて,継手又は固定材に関する対策を設けておくことが望ましい。
D.2.2 装置の構成材料は,附属書Aに記した内容についても考慮することが望ましい。装置の多くは,フ
レキシブルなものとして,手袋,バッグ,操作装置を附属した隔離対策を利用している。これらの材料及
びそれらが分子状汚染の発生源になることについて検討することが望ましい。
D.2.3 装置の材料変更又は拡張部分についても,それが浮遊分子状汚染の発生源となる可能性について検
討することが望ましい。
D.2.4 製品の汚染が特に問題となる場合は,協定に基づいて製品の表面分子状汚染物質を測定・分析する
ことによって,装置性能を検証することもある(D.1.2参照)。表面分子状汚染物質によって性能検証を行
う場合,製品が装置内に収容されている時間が影響を及ぼす主因となることから,それについて検討する
ことが望ましい。
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B 9917-8:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書E
(参考)
参考文献
[1] JIS B 9919:2004,クリーンルームの設計・施工及びスタートアップ
注記 対応国際規格:ISO 14644-4:2001,Cleanrooms and associated controlled environments−Part 4:
Design, construction and start-up(MOD)
[2] JIS B 9917-5:2008,クリーンルーム運転における管理及び清浄化
注記 対応国際規格:ISO 14644-5,Cleanrooms and associated controlled environments−Part 5:
Operations(MOD)
[3] ISO 14644-7,Cleanrooms and associated controlled environments−Part 7: Separative devices (clean air
hoods, gloveboxes, isolators and mini-environments)
[4] JIS B 9918-1:2008,クリーンルーム及び関連制御環境−微生物汚染制御−第1部:一般原則及び基本
的な方法
JIS B 9918-2:2008,クリーンルーム及び関連制御環境−微生物汚染制御−第2部:微生物汚染データ
の評価
注記 対応国際規格:ISO 14698 (all parts),Cleanrooms and associated controlled environments−
Biocontamination control(IDT)
[5] JACA No. 34:1999,クリーンルーム構成材料から発生する分子状汚染物質の測定方法指針
[6] JACA No. 35A:2003,クリーンルーム及び関連する制御環境中における分子状汚染物質に関する空気
清浄度の表記方法及び測定方法指針
[7] JACA No. 43:2006,クリーンルームにおける基板表面汚染物質の測定方法指針
[8] SEMI E108-0301,Test Method for the Assessment of Outgassing Organic Contamination from
Minienvironments using Gas Chromatography/Mass Spectroscopy
[9] IEST-RP-CC031.1,Method for Characterizing Outgassed Organic Compounds from Cleanroom Materials and
Components
[10] IDEMA Standard M11-99,General Outgas Test Procedure by Dynamic Headspace Analysis
[11] ASTM D 5127-99,Standard Guide for Ultra Pure Water Used in the Electronics and Semiconductor Industry
[12] ASTM-F1982-99e1,Standard Test Methods for Analyzing Organic Contaminants on Silicon Wafer Surfaces by
Thermal Desorption Gas Chromatography
[13] JACA No. 42:2006,クリーンルーム及び関連する制御環境中における粒子状汚染物質に関する表面清
浄度の表記方法及び測定方法指針
[5]〜[13]は,浮遊分子状汚染物質を評価するための測定方法の例について,示している。
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS B 9917-8:2010 クリーンルーム及び関連制御環境−第8部:浮遊分子状汚染物
質に関する空気清浄度
ISO 14644-8:2006,Cleanrooms and associated controlled environments−Part 8:
Classification of airborne molecular contamination
(I)JISの規定
(II)
国際規
格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ご
との評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1適用範囲
1
Scope
変更
濃度対象範囲を変更
クリーンルームとしてあるべき
清浄度レベルの濃度範囲とした。
2引用規格
4.2
JIS-AMCの
表記仕様
JIS-AMCの表記仕様
4.2
ISO-AMC descriptor
format
変更
基準単位をg/m3からng/m3とした。
そのため,クラス数も変更された。
基準単位をng/m3とすることで,
クラス数の利便性を高める。
JIS-AMCクラス表記
Table 1
ISO-AMC classes
削除
107 ng/m3以上の濃度のクラス数を
削除。
クリーンルームとしてあるべき
清浄度レベルの濃度範囲とした。
5.3 試験報
告書
試験報告書
5.3
Test report
追加
分子状汚染物質濃度,JIS-AMCク
ラスなどの測定結果を追加。
不可欠な要素を追加。
附属書A
(参考)
要素設定の概念
A.2
Concepts for establishing
parameters
追加
d)に“化学薬品及びプロセスガス”
を追加。
不可欠な要素を追加。
運転及び維持
A.6
Operation and maintenance 追加
項目に“装置機器類の搬入手順”
を追加。
不可欠な要素を追加。
附属書B
(参考)
製品又はプロセスに
関係する化学物質及
びカテゴリの代表例
Table
B.1
Typical
examples
of
contaminating chemicals
and categories that can be
of concern to a product or
process
削除
Total unsaturated hydrocarbon
derivativesの項目を削除。
JISで使用されなくなったため。
附属書C
(参考)
測定方法
C.2
Method concepts
追加
測定方法として,“オンライン測
定方法”及び“オフライン測定方
法”を併記。
簡便な名称を追加。
代表的な試料採取方
法
C.3.1
Typical sampling methods 削除
droplet scanning extraction (DSE)を
削除。
空気採取方法としては通常使用
しないため。
2
B
9
9
1
7
-8
:
2
0
1
0
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)
国際規
格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ご
との評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
附属書C
(参考)
(続き)
代表的な分析方法
C.3.2
Typical analysis methods
変更
分析方法略称の変更,単体で使用
しない手法を削除,近年使用され
る方法を追加。
JISで使用される略称に変更し
た。
附属書E
(参考)
参考文献
Bibliography
追加
参考文献の追加
有効な文献を追加。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 14644-8:2006,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
2
B
9
9
1
7
-8
:
2
0
1
0
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。