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日本工業規格          JIS 

 

B 9915-1989 

 

 

ダストの見掛け電気抵抗率の測定方法 

Measuring Methods for Dust Resistivity 

 (with Parallel Electrodes)  

 

 

1. 適用範囲 この規格は,ダスト(ばいじん,粉じんなど)の見掛け電気抵抗率を平行平板電極を使用

して測定する方法について規定する。 

備考 この規格の中で{ }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,参

考として併記したものである。 

引用規格: 

JIS B 7413 浸没線付ガラス製水銀棒状温度計 

JIS B 9909 集じん装置の仕様の表し方 

JIS C 1102 指示電気計器 

JIS C 1303 高絶縁抵抗計 

JIS C 1601 指示熱電温度計 

JIS C 1603 指示抵抗温度計 

JIS Z 8801 標準ふるい 

JIS Z 8808 排ガス中のダスト濃度の測定方法 

 

2. 用語の意味 この規格で用いる主な用語の意味は,JIS Z 8808(排ガス中のダスト濃度の測定方法)

及びJIS B 9909(集じん装置の仕様の表し方)によるほか,次による。 

(1) ダスト層 測定用電極に装てんした層状のダスト試料。 

(2) ダストの見掛け電気抵抗率 ダスト層の単位面積,層厚当たりの電気抵抗で,式(1)による。 

I

S

t

V

d

  (1) 

ここに, 

爀擿

 ダストの見掛け電気抵抗率 (

埿攀

 

V: 印加電圧 (V)  

 

t: ダスト層厚 (cm)  

 

S: 主電極面積 (cm2)  

 

I: 電流 (A)  

(3) 電界強度 ダスト層の単位層厚当たりの電圧で,式(2)による。 

t

V

E

  (2) 

ここに, E: 電界強度 (V/cm)  
 

V: 印加電圧 (V)  

 

t: ダスト層厚 (cm)  


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(4) 電流密度 主電極の単位面積当たりの電流で,式(3)による。 

S

I

J

  (3) 

ここに, J: 電流密度 (A/cm2)  
 

I: 電流 (A)  

 

S: 主電極面積 (cm2)  

(5) ダスト層のかさ密度(充てん密度ともいう。) ダスト層の体積当たりの質量で,式(4)による。 

Q

M

m

  (4) 

ここに, 

 ダスト層のかさ密度 (g/cm3)  

 

M: ダスト層の質量 (g)  

 

Q: ダスト層の体積 (cm3)  

(6) ダスト層の空間率 ダスト層のかさ密度をダストの密度で除して1から引いたもので,式(5)による。 

m

1

  (5) 

ここに, 

 ダスト層の空間率 

 

 ダスト層のかさ密度 (g/cm3)  

 

 ダストの密度 (g/cm3)  

 

3. 測定項目 測定項目は,次のとおりとする。 

(1) 恒温恒湿槽内の温度 (℃)  

(2) 恒温恒湿槽内の水分量 (vol%)  

(3) ダスト層のかさ密度 (g/cm3)  

(4) 測定荷重 (g/cm2)  

(5) ダスト層厚 (cm)  

(6) 電圧 (V)  

(7) 電流 (A)  

 

4. 測定装置 測定装置は,図1に示すように測定用電極,恒温恒湿槽,水分発生器,直流電圧発生器,

電圧計,電流計,高絶縁抵抗計などによって構成する。 


B 9915-1989  

図1 ダストの見掛け電気抵抗率測定装置(恒温恒湿槽法)の例 

 

4.1 

測定用電極 

4.1.1 

測定用電極の構造 測定用電極は,ダスト試料を装てんする下部電極とダスト層の上に載せる上部

電極とからなる平行平板電極とする。図2に測定用電極の構造例を,図3に測定用電極の形状及び寸法を

示す。 

4.1.2 

下部電極 下部電極は,図3(a)に示すように主電極とガード電極とによって構成される。主電極は,

直径25.2mm(表面積5.0cm2=S),厚さ5mm (=t) とし,中心下部に導線との接続部を設ける。ガード電

極は,内径50.5mm,外径66.0mm,底面の厚さは5mmとし,外周部分は深さ5mmの縁を設け,中心部分

の直径26.8mmを切り欠いたもので,その中に主電極を設置し,ダスト試料を装てんできるようにする。

主電極とガード電極との間には0.8mmのすきまを設け,両電極の裏面には厚さ約5mmの絶縁板を取り付

けて電極間を絶縁するとともに,ダスト試料の落下を防止する。 

4.1.3 

上部電極 上部電極は,図3(b)に示すように,直径35.7mm(表面積10.0cm2)とし,中心上部に導

線との接続部を設け,全体の質量を100.0gとする。 

4.1.4 

測定用電極及び絶縁板の材料 測定用電極の材料は,ステンレス鋼などの耐食性の材料を用い,特

にダスト試料に接触する部分は,研磨などによって表面の酸化皮膜を除去して使用する。絶縁板の材料は,

高温での絶縁性を保つため,合成マイカ,セラミックス,アルミナなどを用いる。 


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図2 測定用電極の構造例 

 

図3 測定用電極の形状及び寸法 

 

4.2 

恒温恒湿槽及び水分発生器 

4.2.1 

恒温恒湿槽 恒温恒湿槽は,測定用電極を槽内に設置するもので,その性能は,次のとおりとする。 

(1) 温度設定範囲 設定温度は,常温から400℃まで(一般に350℃まで使用)の任意の温度に設定可能な

ものとする。なお,ダスト試料又は試料近傍の温度は,設定値の±2%とする。 

備考 測定対象試料によっては,温度設定範囲が常温 (5〜35℃) から200℃又は300℃までの恒温恒

湿槽を使用してもよい。 

(2) 水分量設定範囲 設定水分量は,大気中の水分量から40vol%までの任意の水分量に設定可能なものと

する。なお,設定水分量の許容差は,±5%とする。 


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(3) 槽内圧力 槽内圧力は,大気圧より0.05kPa {5mmH2O} 以上の正圧とする。 

4.2.2 

水分発生器 水分発生器は,強制蒸発法又はウォータバスなどによる。水分量は,大気中の水分量

から40vol%までの水分量を発生できるものとする。発生した湿り空気は,恒温恒湿槽内に送入し,所要の

水分量に設定する。 

4.3 

測定機器 

4.3.1 

電圧計及び電流計 JIS C 1102(指示電気計器)に規定する1級相当以上のものとする。 

4.3.2 

高絶縁抵抗計 JIS C 1303(高絶縁抵抗計)に規定するもの,又はそれに準じるものとする。 

4.3.3 

直流電圧発生器 電圧発生器は直流電源で,直流電圧に含まれる脈流成分は0.1%以内とする。 

4.3.4 

温度計 測定範囲は常温から400℃までとする。JIS B 7413(浸没線付ガラス製水銀棒状温度計),

JIS C 1601(指示熱電温度計),又はJIS C 1603(指示抵抗温度計)に規定する温度計を用いる。 

備考 赤外線式温度計を用いてもよい。 

4.3.5 

水分量測定器 原則としてJIS Z 8808の6.(排ガス中の水分量の測定)に規定する吸湿管法を用

いる。 

備考 ジルコニア水分計などの自動計測器を用いてもよい。 

 

5. ダスト試料 

5.1 

ダスト試料の保管方法 採取したダスト試料は,変質を避けるため,採取後速やかに容器に満たし

て密閉し,冷暗所に保管する。 

5.2 

ダスト試料の調製 測定に供するダスト試料は,次の方法によって調製する。 

(1) 混入した異物を除去する場合は,JIS Z 8801(標準ふるい)に規定する目開き300

度のふるいで

ふるい分け,ふるい下ダストを測定用ダスト試料とする。 

なお,水分を多量に含むダスト及び吸湿しやすいダストは,変質しないように注意して乾燥し,ふ

るい分ける。 

(2) ふるい分けの後,測定用ダスト試料は十分に均一化する。 

 

6. 測定 

6.1 

測定準備 

6.1.1 

測定用電極へのダスト試料の装てん ダスト試料の測定用電極への装てんは,次による。 

(1) ダスト試料を下部電極上に厚さ5mm以上になるように盛り上げ,ダスト層全体に単位面積 (cm2) 当

たり質量10gに相当する荷重をかける。 

(2) ダスト層が沈下して安定した後,荷重を取り除き,表面をすり切ることによってダスト層の厚さを

5mmとし,上部電極を所定の位置に載せる。 

(3) ダスト層のかさ密度は,ダストの見掛け電気抵抗率測定前又は後にダスト層の質量及び体積を測定し

て求める。 

6.1.2 

測定回路の確認 ダスト試料と接触する電極表面の導通及び配線接続点の導通は,あらかじめダス

ト試料を装てんする前に確認しておく。 

6.2 

測定方法 

6.2.1 

温度及び水分量の設定 ダスト試料を装着した測定用電極は,恒温恒湿槽内に入れ,次の測定温度

及び水分量の条件に設定する。図4に温度及び水分量の設定要項を示す。 

(1) 温度の設定 温度の設定は,低温度から高温度へ上昇させる昇温法によって行う。 


B 9915-1989  

設定温度は任意に選ぶことができるが,通常は最低温度を80℃とし,その後100℃,125℃,150℃,

175℃,200℃,250℃とする。 

なお,必要に応じて300℃,350℃,400℃を選定する。 

(2) 水分量の設定 測定期間を通じ,水分発生器から送り出される湿り空気を恒温恒湿槽内に送り込むこ

とによって,一定の水分量を保持する。水分量は任意に選定することができるが,通常5,10,15vol%

のいずれかとし,必要に応じて20,30,40vol%のいずれかを選定する。 

(3) 温度及び水分量の初期設定 ダストの見掛け電気抵抗率の測定を始める前に,あらかじめ測定を行う

べき最低温度及び所定の水分量に設定し,その状態が安定してから約1時間(1)保持する。 

注(1) 電気抵抗率が平衡値に達する時間が別に確認されている場合は,保持時間を短縮することがで

きる。 

6.2.2 

ダストの見掛け電気抵抗率の測定 ダストの見掛け電気抵抗率は,次の要領・条件で測定する。 

(1) 測定要領 ダストの見掛け電気抵抗率は,図4に示すように温度,水分量の初期設定を行った後測定

する。その後温度を上昇させ,設定値に達してから30分間以上*保持した後,次のダストの見掛け電

気抵抗率を測定する。 

測定に当たっては,次の(2)に示す条件によって選定した電圧を加えてから2分後の電圧,電流値を

読み,これからダストの見掛け電気抵抗率を算出する。電圧,電流値を読み取った後は,直流電圧発

生器の電源を切り,試料に電圧が残らないように電極間を短絡する。 

図4 温度及び水分量の設定とダストの見掛け電気抵抗率の測定要領 

 

(2) 測定時における電流及び電圧条件 測定するダストの見掛け電気抵抗率を予測するか,あらかじめ測

定し,その値が図5の高,中及び低抵抗領域のうち,どの領域に該当するか判断し,次に示す高抵抗,

中抵抗,低抵抗領域に分け,それぞれの電界強度又は電流密度によって,ダストの見掛け電気抵抗率

を測定する。 

(a) 高抵抗領域 (

爀搢最

1011

埿攀

‰湘

 電界強度は,2〜6×103V/cmの範囲の値で一定としてダス

トの見掛け電気抵抗率を測定する。 

(b) 中抵抗領域 (1×107≦pd<1×1011

埿攀

‰湘

 電流密度を2×10−7〜2×10−9A/cm2付近で一定と

してダストの見掛け電気抵抗率を測定する。 

(c) 低抵抗領域 (

爀擿

1×107

埿攀

‰湘

 電界強度を0.1〜1V/cm付近で一定としてダストの見掛け

電気抵抗率を測定する。 


B 9915-1989  

図5 ダストの見掛け電気抵抗率の測定条件 

 

 

7. ダストの見掛け電気抵抗率の計算 ダストの見掛け電気抵抗率は,式(6)によって計算する。 

J

E

d

  (6) 

ここに, 

爀擿

 ダストの見掛け電気抵抗率 (

埿攀

 

E: 電界強度 (V/cm)  

 

J: 電流密度 (A/cm2)  

 

8. 測定結果の記緑 この規格から得た結果は,原則として次の項目を付表及び付図に示すように記録す

る。 

(1) ダスト試料 

(a) 試料名 

(b) 試料採取場所 

(c) 試料採取日時 

(d) 試料採取方法 

(e) ふるい分け条件 

(f) その他(燃料,排ガス条件など) 

(2) 測定条件 

(a) 測定日 

(b) 測定温度 

(c) 測定水分量 

(d) ダスト層の厚さ 

(e) ダスト層のかさ密度 

(f) 電流密度 

(g) 電界強度 

(h) その他(ダストの密度,ダスト層の空間率など) 


B 9915-1989  

(3) ダストの見掛け電気抵抗率 

付表 測定記録の一例 

 


B 9915-1989  

付図 測定記録の一例 

 


10 

B 9915-1989  

ダストの見掛け電気抵抗率の測定方法JIS原案作成委員会 構成表 

 

 

氏名 

所属 

(委員長) 

 

増 田 閃 一 

福井大学(東京大学名誉教授) 

 

 

今 上 一 成 

財団法人機械電子検査検定協会 

 

 

水 野   彰 

豊橋科学技術大学 

 

 

中 田 哲 雄 

通商産業省機械情報産業局 

 

 

宇都宮   誠 

通商産業省立地公害局 

 

 

鈴 木 茂 光 

工業技術院標準部 

 

 

田 森 行 男 

工業技術院公害資源研究所 

 

 

氷 見 康 二 

神奈川県公害センター 

 

 

小 野 雅 司 

東京都立工業技術センター 

 

 

中 村 康 宣 

静電気学会 

 

 

大 野 長太郎 

社団法人産業公害防止協会 

 

 

松 田 広 行 

財団法人電力中央研究所 

 

 

毛 利 邦 彦 

電源開発株式会社 

 

 

白 土 良 一 

東京電力株式会社 

 

 

後 藤 和 弘 

関西電力株式会社 

 

 

松 本 陽 一 

三菱重工業株式会社 

 

 

三 坂 俊 明 

日立プラント建設株式会社 

 

 

松 井 義 雄 

ガデリウス株式会社 

 

 

野 田 隆 明 

住友重機械工業株式会社 

 

 

滝 本   健 

住友金属鉱山株式会社 

 

 

飯 島   歩 

オリジン電気株式会社 

 

 

鶴 林 一 夫 

日本科学工業株式会社 

 

 

藤 原 栄 一 

石橋科学工業株式会社 

 

 

江 見 正 民 

社団法人日本産業機械工業会 

(事務局) 

 

興 梠 允 駿 

社団法人日本産業機械工業会