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B 9901-1997  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによって,JIS B 9901-1994は改正され,この規格に置き換えられる。

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 9901-1997 

ガス除去フィルタ性能試験方法 

Gas-removal−Method of test for performance of gas-removal filters 

1. 適用範囲 この規格は,生活環境・作業環境を構成する空気中に含まれる特定の有毒ガスを除去する

空気調和及び換気に用いられるガス除去フィルタ(1)の性能試験方法について規定する。 

注(1) ガス除去フィルタは,形状によってパネル形及び巻取形などに分けられるが,内容充てん剤は

対象とする有害ガスの種類によって,次のように分類される。 

形式 

構造 

用途 

乾式 

吸着剤又は吸収剤充てんパネル形 高濃度及び低濃度 

吸着剤又は吸収剤添着パネル形 

低濃度 

吸着剤又は吸収剤添着巻取形 

低濃度 

備考 この規格の引用規格を,付表1に示す。 

2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。 

(1) 定格風量 フィルタの表示風量で,標準状態(温度20℃,気圧1.013×103hPa)に換算した量。m3/min

で表す。 

(2) 圧力損失 フィルタの上流側及び下流側の全圧差。Paで表す。 

(3) 試験用清浄空気 試験において供給する空気で,表1に示すような清浄度を保つものがよい。 

表1 試験用清浄空気 

項目 

条件 

温度 

23±3℃ 

相対湿度 

55±10%RH 

粉じん濃度 0.15mg/m3以下(2) 

ガス濃度 

公害対策基本法に定める環境基準以下(3) 

注(2) 建築物における衛生的環境の確保に関する法律,

施行規則に指定されている測定方法によって測定
した濃度。 

(3) 環境基準に定められていないガスについては,試

験に影響を与えない清浄度を保つこと。 

(4) 平衡通気 試験用清浄空気を定格風量で2時間流通させて,フィルタの温度及び湿度を平衡状態にす

ること。 

(5) ガス除去率 定格風量で運転される場合に得られるフィルタの上流側ガス濃度に対する上流側濃度と

下流側濃度との差の比。百分率 (%) で表す。 

(6) ガス除去容量 フィルタのガス除去率が初期ガス除去率の85%に低下するまでに吸着又は吸収したガ

ス量。リットル (l) で表す。 

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B 9901-1997  

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3. 試験項目 フィルタの性能試験の項目は,次のとおりとする。 

(1) 圧力損失試験 

(2) ガス除去率試験 

(3) ガス除去容量試験 

4. 試験ガスの種類及び濃度 試験ガスの種類及び濃度は,表2のとおりとし,その許容範囲は表2の値

の±10%とする。 

表2 試験ガスの種類及び濃度 

試験ガスの種類 

試験ガスの濃度 ppm 

ガス除去率を 

試験する場合 

ガス除去容量 

を試験する場合 

二酸化硫黄SO2 

0.5 

20  

塩化水素HCl 

10 

100  

アンモニアNH3 

10 

100  

一酸化炭素CO 

50 

1 000  

窒素酸化物NOx (NO2, NO)(4) 

0.5 

10  

塩素Cl 

10  

オゾンO3 

0.5 

− 

トルエンC6H5CH3 

1 000  

アセトンCH3COCH3 

50 

1 000  

ホルムアルデヒドHCHO 

10  

n−ブタンCH3 (CH2) 2CH3 

50 

1 000  

硫化水素H2S 

20  

ふつ素化合物HF 

0.02 

0.2 

注(4) NO2及びNOは,それぞれ単独のガスを用いる。 

5. 試験装置 

(1) 試験装置 試験装置は,図1によって,試験システムの構成例は図2による。また,フィルタは形状・

大きさに応じて適当なフランジを使用し,漏れがないように試験装置に設置する。 

(2) 試験用ガス発生方法 試験用ガスの発生方法は,表3に示すとおりとする。 

(3) 測定器 測定器は,次による。 

(a) 圧力損失の測定器は,マノメータ(電子式のものを含む。)とする。 

(b) 風量の測定器は,JIS B 8330に規定するオリフィスによるか,ピトー管又はJIS T 8202に規定する

風速計とする。 

(c) ガス濃度の測定方法は,表4のとおりとする。 

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B 9901-1997  

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図1 ガス除去フィルタの性能試験装置 

図2 ガス除去フィルタの性能試験システムの構成例 

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表3 ガス発生方法 

ガス発生方法 

試験用ガスの種類 

市販の容器入りのガスによる 

二酸化硫黄SO2 

塩化水素HCl 
アンモニアNH3 
一酸化炭素CO 
窒素酸化物NOx (NO2, NO) 

塩素Cl2 

専用発生器による 

オゾンO3 

図3による 

トルエンC6H5CH3 

市販の容器入りのガスによる 

アセトンCH3COCH3 

パラホルムアルデヒド−拡散セル法
又は市販の容器入りのガス 

ホルムアルデヒドHCHO 

市販の容器入りのガスによる 

n−ブタンCH3 (CH2) 2CH3 

硫化水素H2S 
ふっ素化合物HF 

図3 トルエン及びアセトン試験用ガス発生方式(一例) 

6. 試験方法 

6.1 

圧力損失試験 圧力損失の試験は,図1に示す試験装置に漏れがないようにフィルタを装着し,定

格風量の80%, 100%及び120%の3点について,試験用清浄空気を流通させ上流側と下流側との全圧差をマ

ノメータによって測定する。 

6.2 

ガス除去率試験 ガス除去率の試験は,図1に示す試験装置に漏れがないようにフィルタを装着し,

次の方法に従って行う。 

(1) 準備 フィルタの吸着又は吸収面における汚れなどを脱離させ,かつ,温度及び湿度(水分量)を平

衡状態に保つため,定格風量において試験用清浄空気を2時間流通させる。 

(2) ガスの供給 試験装置内のフィルタ上流側のガス濃度が,表2に示した値になるように,表3に示す

ガス発生器から一定流量をガス分散管路に送入する。このとき試験装置内の試験ガスの濃度は,上流

側測定点の断面において供給したガスの濃度の±5%の範囲内にする。さらに試験時間内の濃度の変化

は試験時間中における平均濃度に対して±10%の範囲内になるように調整する。 

(3) ガス濃度の測定 6.3(2)に規定する定常状態で10分間運転した後,フィルタの上流側及び下流側の管

路のほぼ中央の1点に,空気の流れと平行に対向させた吸引管から同時に試料空気を吸引し,その中

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のガス濃度を表4に示す方法によって測定する。 

(4) ガス除去率の算出 ガス除去率は,次の式によって算出する。 

100

1

2

1

×

=

C

C

C

η

ここに, 

η: ガス除去率 (%)  

C1: フィルタの上流側ガス濃度(ppm又はml/m3) 

C2: フィルタの下流側ガス濃度(ppm又はml/m3) 

(5) 測定回数 ガス除去率の測定は3回行い,その平均値で表す。 

表4 ガス濃度の測定方法 

試験ガスの種類 

測定方法 

引用規格 

二酸化硫黄SO2 

中和滴定法 

JIS K 0103 

 環,特,排(硫黄酸化物

として) 

沈殿滴定法 

比濁法 

○ イオンクロマトグラフ法 

溶液導電率法 

JIS B 7952 

電量法 

JIS B 7981 

紫外線吸収法 

赤外線分析法 

△ パラロザニリン吸光光度法(校正用) 

定電位電解法 

ガスクロマトグラフ炎光光度法 

塩化水素HCl 

△ イオン電極法 

JIS K 0107 

 特,排 

硝酸銀滴定法 

△ チオシアン酸第二水銀吸光光度法(校正用) 

○ イオンクロマトグラフ法 

アンモニアNH3 

インドフェノール吸光光度法 

JIS K 0099 

 特,排,臭 

△ ガスクロマトグラフ法 

○ 溶液導電率法 

赤外線分析法 

イオンクロマトグラフ法 

△ 隔膜形電極法 

一酸化炭素CO 

○ 赤外線分析法 

JIS K 0098 

 環,特,排 

△ ガスクロマトグラフ・水素炎イオン化検出器法 

JIS B 7951 

△ 定電位電解法 

JIS D 1028 

五酸化よう素滴定法 

JIS D 1030 

窒素酸化物 

△ イオンクロマトグラフ法 

 NOx (NO2, NO)(5)  

NO2環,排,害 (NO2) 

△ 亜鉛還元・ナフチルエチレンジアミン吸光光度法 

フェノールジスルホン酸吸光光度法 

JIS K 0516 

○ 化学発光法 

△ 定電位電解法 

JIS B 7953 

紫外線吸収法 

赤外線分析法・非分散式 

△ ザルツマン吸光光度法 

JIS K 0104 

塩素Cl2 

△ o−トリジン吸光光度法 

JIS K 0106 

 特,排 

○ OABTS(校正用)吸光光度法 

○ 紫外線吸収法 

JIS B 7955 

○ 隔膜形電極法 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

試験ガスの種類 

測定方法 

引用規格 

オゾンO3 

△ よう化カリウム吸光光度法 (Ox) 

JIS B 7957 

 環 

化学発光法 

○ 紫外線吸収法(校正用) 

よう化カリウム電量法 

トルエンC6H5CH3 

○ ガスクロマトグラフ・水素炎イオン化検出器法 

JIS D 1030 

△ 赤外線分析法 

JIS B 7956 

アセトンCH3COCH3 

○ ガスクロマトグラフ・水素炎イオン化検出器法 

JIS D 1030 

赤外線分析法 

JIS B 7956 

ホルムアルデヒドHCHO 

 特,害,排 

△ 4−アミノ−3−ヒドラジノ−5−メルカプト−1, 2, 4−トリアゾール吸光光度

法(AHMT吸光光度法) 

JIS K 0303 

  

○ 2, 4−ジニトフェニルヒドラジン捕集−ガスクロマトグラフ法(DNPH-GC

法) 

△ 2, 4−ジニトフェニルヒドラジン捕集−高速液体クロマトグラフ法

(DNPH-HPLC法) 

△ クロモトロープ酸吸光光度法 

n−ブタン 

CH3 (CH2) 2CH3 

○ ガスクロマトグラフ・水素炎イオン化検出器法 

JIS D 1030 

△ 赤外線分析法 

JIS B 7956 

硫化水素H2S 

△ イオン電極法,硫酸銀電位差滴定法 

JIS K 0108 

 特,排,臭 

○ メチレンブルー比色法(校正用) 

△ ガスクロマトグラフ・炎光光度検出器法 

定電位電解法 

JIS T 8205 

電量法 

紫外線吸収法 

ふっ素化合物HF 

○ イオンクロマトグラフ法 

 排,害,特 

△ ランタン−アリザリン吸光光度法 

硝酸トリウム−ネオトリン滴定法 

JIS K 0105 

紫外線吸収法 

JIS B 7958 

△ イオン電極法 

注(5) NOとNO2とを分別測定するには還元触媒が挿入してある化学発光法や定電位電解法を使用する。 
備考 表中に付記した文字又は印は,次のことを意味する。 

特:特定化学物質 害:有害物質 環:環境基準が定められているもの 有:有機溶剤 
臭:悪臭防止法 排:排出基準が定められているもの ○:この規格で推奨する試験方法 
△:この規格のガス濃度測定に適用できる方法 

上記以外の方法でも信頼できる校正法によって校正され,○印の方法と同等の測定結果が得られる試験方法

は適用することができる。 

6.3 

ガス除去容量試験 ガス除去容量試験は,次による。 

(1) 準備 ガス除去率試験を終了した後,フィルタをそのままの状態に保ち,引き続いてガス除去容量試

験を行う。 

(2) ガスの供給 試験装置内のフィルタ上流側のガス濃度が表2に示した値になるように,ガス発生器か

ら一定量をガス分散管路に送入する。 

(3) ガス濃度の測定 (2)の状態で一定時間運転した後,フィルタ上流側及び下流側のガス濃度は,表4の

方法によって測定する。一定時間とは一般的に30分間とする。 

(4) ガス除去率の算出 (3)に規定する一定時間の値を初期ガス除去率 (ηa) とし,その後適当な時間間隔

でガス濃度を測定し,流通時間におけるガス除去率を,次の式によって求める。 

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100

1

2

1

×

=

C

C

C

t

η

ここに, 

ηt: t時間のガス除去率 (%)  

C1: t時間の上流側のガス濃度(ppm又はml/m3) 

C2: t時間の下流側のガス濃度(ppm又はml/m3) 

(5) ガス除去容量の算出 試験開始後t時間におけるガス除去率 (ηt) が初期ガス除去率 (ηa) の85%以下

に低下するまで試験ガスの供給とガス濃度の測定を続け,測定したガス除去率と流通時間との関係を

図4に示すようにグラフ用紙にプロットし,ガス除去容量を,次の式によって算出する。 

×

×

×

=

b

a

a

dt

t

a

V

C

Q

3

2

2

1

10

}

10

)

(

10

{

η

η

ここに, 

Q: ガス除去容量 (l) 

C1: 上流側のガス平均濃度(ppm又はml/m3) 

V: 定格風量 (m3/min)  

η: ガス除去率 (%)  

t: 試験ガス流通時間 (min)  

a: 定常状態での一定時間 (min)  

b: ガス除去率が初期ガス除去率 (ηa) の85%に低下するまでの

時間 (min)  

なお, 

×

b

a

dt

t

2

10

)

(

η

は図積分によって求める。 

図4 ガス除去率と流通時間との関係(一例) 

付表1 引用規格 

JIS B 7951 大気中の一酸化炭素自動計測器 

JIS B 7952 大気中の二酸化硫黄自動計測器 

JIS B 7953 大気中の窒素酸化物自動計測器 

JIS B 7955 大気中の塩素自動計測器 

JIS B 7956 大気中の炭化水素自動計測器 

JIS B 7957 大気中のオキシダント自動計測器 

JIS B 7958 大気中のふっ素化合物自動計測器 

JIS B 7981 排ガス中の二酸化硫黄自動計測器 

JIS B 8330 送風機の試験及び検査方法 

JIS D 1028 自動車排気ガス中の一酸化炭素測定方法(アイドリング時) 

JIS D 1030 自動車排気ガス中の一酸化炭素,二酸化炭素及び炭化水素濃度の連続測定方法 

JIS K 0098 排ガス中の一酸化炭素分析方法 

JIS K 0099 排ガス中のアンモニア分析方法 

B 9901-1997  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS K 0103 排ガス中の硫黄酸化物分析方法 

JIS K 0104 排ガス中の窒素酸化物分析方法 

JIS K 0105 排ガス中のふっ素化合物分析方法 

JIS K 0106 排ガス中の塩素分析方法 

JIS K 0107 排ガス中の塩化水素分析方法 

JIS K 0108 排ガス中の硫化水素分析方法 

JIS K 0303 排ガス中のホルムアルデヒド分析方法 

JIS K 0516 一酸化窒素及び二酸化窒素(標準試料) 

JIS T 8202 一般用風速計 

JIS T 8205 硫化水素計 

JIS B 9901 ガス除去フィルタ性能試験方法JIS改正原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

堀   雅 宏 

横浜国立大学工学部 

坂 本 和 彦 

埼玉大学工学部 

清 水   勲 

茨城高等工業専門学校 

藤 野 達 夫 

通商産業省機械情報産業局 

山 村 修 蔵 

工業技術院標準部 

及 川 喜代文 

東急建設株式会社(社団法人建築業協会) 

美濃山 貞 敏 

大倉冷機株式会社(社団法人日本冷凍空調設備工業連合会) 

鈴 木 良 延 

清水建設株式会社 

謝   国 平 

株式会社大林組 

本 田 重 夫 

株式会社朝日工業社 

吉 田 隆 紀 

高砂熱学工業株式会社 

高 橋 和 宏 

日本無機株式会社 

武 田 隼 人 

進和テック株式会社 

尾 登   泉 

近藤工業株式会社 

吉 田 光 一 

ニッタ株式会社 

長 塚 孝二郎 

株式会社忍足研究所 

大 垣   豊 

日本バイリーン株式会社 

三 上 壮 介 

社団法人日本空気清浄協会