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B 9704-3:2011 (IEC 61496-3:2008) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲 ························································································································· 1 

2 引用規格 ························································································································· 2 

3 用語及び定義 ··················································································································· 3 

4 要求事項 ························································································································· 3 

4.1 機能要求事項 ················································································································ 4 

4.2 設計要求事項 ················································································································ 4 

4.3 環境要求事項 ··············································································································· 10 

5 試験方法 ························································································································ 12 

5.1 一般事項 ····················································································································· 12 

5.2 機能試験 ····················································································································· 16 

5.3 障害状態の性能試験 ······································································································ 22 

5.4 環境試験 ····················································································································· 22 

6 識別及び安全使用のためのマーキング ················································································· 34 

6.1 一般事項 ····················································································································· 34 

7 附属文書 ························································································································ 35 

附属書A(規定)ESPEのオプション機能 ················································································ 36 

附属書B(規定)ESPE電気用品の単一障害一覧表(5.3の危険側故障として考慮するもの) ············· 43 

附属書AA(参考)種々の用途におけるAOPDDRの使用例 ························································· 44 

附属書BB(参考)距離測定誤差と検出確率との関係 ·································································· 48 

B 9704-3:2011 (IEC 61496-3:2008) 

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本機械

工業連合会(JMF)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標

準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS B 9704-3:2004は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の

特許出願及び実用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS B 9704の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS B 9704-1 第1部:一般要求事項及び試験 

JIS B 9704-2 第2部:能動的光電保護装置を使う設備に対する要求事項 

JIS B 9704-3 第3部:拡散反射形能動的光電保護装置に対する要求事項 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 9704-3:2011 

(IEC 61496-3:2008) 

機械類の安全性−電気的検知保護設備− 

第3部:拡散反射形能動的光電保護装置に 

対する要求事項 

Safety of machinery−Electro-sensitive protective equipment− 

Part 3: Particular requirements for Active Opto-electronic Protective Devices 

responsive to Diffuse Reflection (AOPDDR) 

序文 

この規格は,2008年に第2版として発行されたIEC 61496-3を基に,技術的内容及び対応国際規格の構

成を変更することなく作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。 

電気的検知保護設備(以下,ESPEという。)は,人に傷害を与えるリスクのある機械類に用いる。ESPE

は,人が危険状態に置かれる前に機械を安全な状態に移行させることによって人を保護する機能をもつ。 

この規格は,JIS B 9704-1(以下,第1部という。)と併せて用いる規格である。この規格は,機械類に

おける安全防護のために,検知機能として拡散反射形能動的光電保護装置(以下,AOPDDRという。)を

用いるESPEの設計,製作及び試験に対する要求事項を規定するために,第1部の対応する箇条を補足又

は修正するものである。この規格が言及していない第1部の箇条は,妥当な限り,この規格の一部として

そのまま適用する。この規格において括弧書きで“追加”,“削除”,“置換え”などと指示する箇所は,第

1部の該当部分をそのように改めて適用する。 

附属書AA及び附属書BBは参考であって,規定ではない。 

機械にはその種類によって特有の危険源がある。この規格は,特定の機械に対しESPEをどのように使

用するかを規定するものではない。ESPEの使用方法は,ESPEの供給者,機械の使用者及び監督機関の間

で取り決める事項である。このことに関しては,例えば,第1部及びJIS B 9700-2に指針がある。 

ESPEに用いる技術は複雑であるため,特定の試験及び測定においては実施者の解析力及び専門能力に

高度に依存する面がある。評価の信ぴょう性を高めるためには,関連する専門技術をもつ第三者による審

査を受けることが望ましい。 

注記 ここでいう審査とは,適合性認証を意味するものではなく,助言,確認などのことである。 

適用範囲 

(全文置換え) 

この規格は,機械類の安全制御システムにおいて人を検出するための非接触式の検知機能として

AOPDDRを用いるESPEの設計,製作及び試験に対して,第1部に追加する要求事項について規定する。 

AOPDDRが,安全関連性能を確実に達成するための要求事項に特に配慮している。 

B 9704-3:2011 (IEC 61496-3:2008) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

この規格の附属書A及び第1部の附属書Aに規定する追加安全関連機能を任意に付加するESPEも,こ

の規格の対象である。 

この規格は,特定の用途のための検出区域の寸法,形状,及びESPEと危険部との位置関係を規定する

ものではない。また,機械の危険状態を招く要因について規定するものでもない。この規格が規定する事

項は,ESPEの機能及びESPEと機械とのインタフェースに関する事項に限定する。 

AOPDDRは,二次元の検出区域に近赤外光を投光器から放射し,放射光が対象物(例えば,人又は人の

部位)で拡散反射して受光器に到達する成分を検知することによって対象物の存在を確認(検出)する。 

注記1 場合によっては,AOPDDRの検出機能に限界があることを考慮する必要がある。例えば, 

− 鏡面反射特性をもつ対象物は,その拡散反射量が黒色試験片の反射量よりも小さいとき

は検出できないことがある。 

− この規格では,検出できる対象物の最小反射率を人の衣類の特性に基づいて決定したの

で,この規格に規定する値よりも小さな反射率をもつ対象物は検出できないことがある。 

波長が820〜946 nm以外の放射光を用いるAOPDDR,及びAOPDDR以外の装置からの放射光を用いる

ESPEは,この規格の対象外である。対象外の放射光を用いるESPEに対しては,この規格は指針として用

いることができる。検出能力の仕様値が30〜200 mmの範囲外のAOPDDRもこの規格の対象外である。検

出能力が200 mm以下のAOPDDRを垂直接近(正面方向からの接近)における全身検出トリップ装置とし

て用いる場合は,A.12の要求事項を満たさなければならない。検出能力が30〜70 mmの範囲内にある

AOPDDRを垂直接近する人の部位によるトリップ装置として用いる場合は,A.13の要求事項を満たさな

ければならない。 

注記2 JIS B 9715の6.3(検知区域に対するななめ接近の方向)は,接近角30°以上の接近を垂直

接近と定義し,接近角30°未満の接近を平行接近と定義している。 

注記3 JIS B 9715の6.2(検知区域に対する平行接近の方向)は,能動的光電保護装置を用いるESPE

を,平行接近する対象物を検知する用途に適用する場合は,検出能力を50〜117 mmの範囲

にすることを推奨している。 

この規格は,人を保護する用途以外にも利用できる。例えば,機械又は製品の機械的損傷に対する防護

に関連して利用してもよい。そのような用途において,例えば,人及び人の衣服以外のものを検出しなけ

ればならないときは,この規格以外に追加の要求事項が必要となることもある。 

この規格は,電磁両立性(EMC)の放射に対する要求事項は扱わない。 

近接スイッチのような,一次元距離測定だけに用いる光電装置は,この規格の対象外である。 

注記4 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC 61496-3:2008,Safety of machinery−Electro-sensitive protective equipment−Part 3: Particular 

requirements for Active Opto-electronic Protective Devices responsive to Diffuse Reflection 

(AOPDDR)(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”

ことを示す。 

引用規格 

(追加。第1部の2. によるほか,次の規格を適用する。) 

JIS B 9704-1:2011 機械類の安全性−電気的検知保護設備−第1部:一般要求事項及び試験 

注記 対応国際規格:IEC 61496-1:2004,Safety of machinery−Electro-sensitive protective equipment

B 9704-3:2011 (IEC 61496-3:2008) 

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−Part 1: General requirements and tests及びAmendment 1 (2007)(IDT) 

JIS B 9715:2006 機械類の安全性−人体部位の接近速度に基づく保護設備の位置決め 

注記 対応国際規格:ISO 13855:2002,Safety of machinery−Positioning of protective equipment with 

respect to the approach speeds of parts of the human body(IDT) 

JIS C 0025:1988 環境試験方法(電気・電子)温度変化試験方法 

注記 対応国際規格:IEC 60068-2-14:1984,Environmental testing−Part 2: Tests−Test N: Change of 

temperature(MOD) 

JIS C 6802:2005 レーザ製品の安全基準 

注記 対応国際規格:IEC 60825-1:2001,Safety of laser products−Part 1: Equipment classification, 

requirements and userʼs guide(IDT) 

JIS C 60068-2-75:2004 環境試験方法−電気・電子−第2-75部:ハンマ試験 

注記 対応国際規格:IEC 60068-2-75:1997,Environmental testing−Part 2-75: Tests−Test Eh: Hammer 

tests(IDT) 

EN 471:2003-09,High-visibility warning clothing for professional use−Test methods and requirements 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,第1部によるほか,次による。 

(置換え。第1部の3.4を次に置き換える。) 

3.4 

検出区域(detection zone) 

最小要求検出確率(4.2.12.2参照)を満たして指定の試験片をAOPDDRが検出できる区域。 

(追加。第1部の用語に,次を追加する。) 

3.301 

拡散反射形能動的光電保護装置,AOPDDR(active opto-electronic protective device responsive to diffuse 

reflection) 

その装置内の光電式投光器が発生する放射光が,規定の二次元検出区域に存在する対象物を照射して生

じる拡散反射波を,光電受光器が検知することによって対象物を検出する装置(以下,AOPDDRという。)。 

3.302 

拡散反射形能動的光電保護装置検出能力(AOPDDR detection capability) 

検出区域の中の規定の試験片(4.2.13参照)を検出する能力。 

注記 AOPDDR検出能力に影響する要素は,4.2.12.1に示す。 

3.303 

許容差域(tolerance zone) 

検出区域の外側又は近傍において指定の試験片(4.2.13参照)の検出確率が要求値に満たない区域。 

注記1 許容差域は,検出区域内で指定の試験片を検出する確率が要求値を満たすことを保証するた

めに考慮に加える必要がある。 

注記2 検出確率及び許容差域の概念については,附属書BBを参照。 

要求事項 

次を除き第1部の4.による。 

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4.1 

機能要求事項 

(置換え。第1部の4.1.3を次に置き換える。) 

4.1.3 

ESPEのタイプ 

この規格は,タイプ3のESPEについてだけ規定する。タイプ3のESPEが特定の用途に適するかどう

かを判断することは,その機械の供給者及び/又は使用者の責任である。 

タイプ3のESPEは,この規格の4.2.2.4の障害検出要求事項を満たさなければならない。タイプ3のESPE

にあっては,正常運転状態においてその検知器が対象物を検知したとき,又はESPEへの電源が断たれた

ときに,少なくとも二つのOSSDの各出力回路がオフ状態にならなければならない。 

(追加。次の4.1.4を追加する。) 

4.1.4 

検出能力限定区域 

光学窓と検出区域開始点との間の領域は,検出能力限定区域とする。指定の用途において,検出能力限

定区域が光学窓と検出区域との間に存在することによっていかなる危険源も生じないことが保証されるよ

うに,供給者は,検出能力限定区域の寸法及び使用上の適切な情報を提供しなければならない。 

検出能力限定区域の外縁は,検出面内において光学窓から50 mmを超えてはならない。 

4.2 

設計要求事項 

4.2.2 

障害検出に関する要求事項 

4.2.2.2 

タイプ1のESPEへの要求事項 

(削除。第1部の4.2.2.2は適用しない。) 

4.2.2.3 

タイプ2のESPEへの要求事項 

(削除。第1部の4.2.2.3は適用しない。) 

4.2.2.4 

タイプ3のESPEへの要求事項 

(置換え。第1部の4.2.2.4によらず,次による。) 

検知器内にAOPDDRが指定の検出能力を完全に失うような単一障害を生じたときは,ESPEは規定の応

答時間以内にロックアウト状態にならなければならない。 

注記1 検出区域を走査する回転鏡を用いるAOPDDRでは,検出区域及び許容差域の外側に置いた

参照物体を走査することによってこの要求事項を満足させることがある。 

AOPDDR検出能力を規定値以下まで劣化させるような単一障害が発生したときは,AOPDDRは5秒以

内にロックアウト状態にならなければならない。 

注記2 AOPDDR検出能力の劣化の例には,次のものがある。 

− 検出可能な対象物の最小寸法の増加 

− 検出可能な最小反射率の増加 

− 測定精度の低下 

ESPEは,応答時間が規定値を超える,又は少なくも一つのOSSDがオフ状態に移行しなくなるような

単一障害を生じたときは,応答時間内に,又は障害発生から一定時間後に次のことがあったときに,直ち

にロックアウト状態にならなければならない。 

− 検知機能が作動(対象物を検出)したとき。 

− ESPEをオン又はオフしたとき。 

− 起動インターロック又は再起動インターロックがある場合,それをリセットしたとき(第1部のA.5

及びA.6参照)。 

− 外部試験信号がある場合,それ(ロックアウトさせる信号)を入力したとき。 

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注記3 外部試験信号は,例えば,ESPE運用中の検知機能作動頻度(検出対象物が検出区域に侵

入する頻度)が低いことが予想され,OSSDを試験的に状態変化させることによってOSSD

機能を確認するような特定の用途において必要である。 

ロックアウト状態の原因になった障害が存続する間は,主電源の停電後の復電又は他のいかなる手段に

よってもESPEのロックアウト状態をリセットできてはならない。 

ESPEは,ESPEの危険側故障には至らない単一障害を検出できないまま,次に発生する障害によって危

険側故障を起こしてはならない。この要求事項の検証については,5.3.4による。 

4.2.2.5 

タイプ4のESPEへの要求事項 

(削除。第1部の4.2.2.5は適用しない。) 

(追加。次の4.2.12〜4.2.16を追加する。) 

4.2.12 AOPDDRの完全性(integrity) 

4.2.12.1 一般事項 

AOPDDRの設計は,その検出能力が,次のいずれによっても,AOPDDR供給者及びこの規格が規定す

る限度以下に劣化しないことを保証するものでなければならない。 

− 構成部品の経時変化 

− 構成品特性(例えば,受光器の感度)の許容誤差 

− (例えば,光学系の)感度の距離依存性の変化 

− 指定の限度までの調整 

− AOPDDRの光学系及び機械系構成品の不安定な取付け 

− 環境的妨害,特に次のようなもの。 

a) システムノイズ 

b) 第1部の4.3.2による電気的妨害 

c) ハウジングの光学窓表面の汚染 

d) ハウジングの光学窓表面の結露 

e) 周囲温度 

f) 

周囲光 

g) 背景(例えば,対象物と背景とのコントラスト) 

h) 振動及びバンプ 

i) 

湿度 

j) 

電源電圧の変動及び停電 

k) 投光ビームが周囲物体を照射したときの反射光。特に,複数の投受光器がある場合。 

正常な運転状態(第1部の5.1.2.1参照)において,単一障害(第1部の附属書B参照)だけではAOPDDR

が規定の検出能力を失うことはないが,上記の条件が重なり検出能力を失う場合には,それらの障害は,

その条件の組合せにおける単一障害とみなし,AOPDDRは4.2.2.4の要求を満たすように単一障害に反応

しなければならない。 

注記 構成品の経時変化があっても要求事項を満足するための対策として,基準とする参照物体を走

査する技術方策がある。同等の完全性が得られる他の技術方策を用いることも排除されない。 

4.2.12.2 検出区域及び許容差域 

供給者は,AOPDDRの許容差域を指定しなければならない。 

許容差域を指定する場合,供給者は,例えば,信号対ノイズ比(S/N)の影響,並びにこの規格が示す

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全ての影響及び供給者が指定する他の影響(環境の影響,部品の欠陥など)を考慮した測定値のばらつき

(標準偏差σ)を含む最悪条件を考慮しなければならない。 

許容差域は,系統的妨害,測定誤差,測定値の分解能などに依存する。検出区域内の対象物検出を保証

するために許容差域を考慮する必要がある。図1及び図2は,許容差域の例を示す。 

① 検出区域。この中では,指定の試験片がAOPDDRによって検出される確率が規定値を満足す

る。 

② 許容差域。この中では,指定の試験片がAOPDDRによって検出される確率が規定値を満足す

る保証がない。 

③ 検出能力限定区域。この中では,指定の試験片がAOPDDRによって検出される確率が規定値

を満足する保証がない。 

④ AOPDDR 
注記1 許容差域の各部分の大きさは,例えば,試験片の直径及びビーム位置に関係することに注

意しなければならない(図1のa参照)。 

bの値は,例えば,AOPDDRの距離測定誤差(測定精度)によって決まる。 

注記2 検出区域の原点は,白抜き×印で示す。 

図1−AOPDDRの検出区域−例1 

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① 検出区域 
② 許容差域 
③ AOPDDR 
注記 aの値は,例えば,試験片の直径及びビーム位置に依存する。bの値は,

例えば,距離測定誤差(測定精度)に依存する。 

図2−AOPDDRの検出区域−例2 

試験片(4.2.13参照)は,それが検出区域内のどこにあっても最小“1−2.9×10−7(=0.999 999 71)”の

確率で検出できなければならない。この検出確率を達成するために,検出区域の外側に許容差域を考慮す

る(図BB.2参照)。このように許容差域を検出区域から排除することによって,測定誤差があっても検出

区域内の試験片は指定の確率で検出される。 

注記1 許容差域は,検出区域に含まない。 

注記2 この規格で用いる検出確率は,測定誤差(測定精度)に依存するものであって,装置の故障

確率とは関係しない。 

注記3 AOPDDRの検出区域を2組以上の投受光器によって形成する場合には,そのAOPDDRが,

各投受光器のフィールドが接する付近で検出能力が低下しないことを保証するために,特別

な注意が必要となることがある。 

検出区域と許容差域との境界(検出区域の外縁)に試験片を置いたとき,この試験片の距離の測定値は,

黒色から白色までの任意の反射率の試験片を用いた測定値の分布の中央値(メディアン)でなければなら

ない。供給者は,用いた試験片の反射率及び計算書を明示しなければならない。この要求事項は,供給者

の書類の検査によって検証することができる。 

測定値分布の中心が検出区域と許容差域の境界にあるときは, 

− 距離測定誤差分布が確率だけに依存し,系統的なバイアス(偏り)誤差がない。 

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− かつ,距離測定誤差分布が正規分布のように左右対称な分布である。 

注記4 距離測定誤差及び許容差域の値は,必ずしも一定ではない。例えば,測定距離の関数となる

こともある。 

注記5 検出区域を自動設定する機能をもつAOPDDRの許容差域を決定するときは,設定した検出

区域の大きさに対応する距離測定誤差を考慮する必要がある(A.11参照)。 

注記6 附属書BBは,距離測定誤差と検出確率との関係について補足の情報を示す。 

4.2.12.3 走査の形状,周波数及び応答時間 

供給者は,検出区域の関連パラメタ(距離及び走査角を含む。)を指定しなければならない。走査の幾何

光学形状及び/又は走査周波数は,規定の検出可能最小直径をもつ試験片が検出区域内の最大距離にある

とき確実に検出されるように決定しなければならない。供給者は,AOPDDRの対象物の検出可能最小寸法

として,30〜200 mmの範囲の値を指定しなければならない。対象物の検出可能最小寸法には距離依存性

があってもよい。 

注記1 対象物の検出可能最小寸法を30〜200 mmの範囲に制限することは,現在のAOPDDR用途例

に基づいている。この範囲外の検出能力(検出可能最小直径)をもつAOPDDRに対しては,

追加の要求事項が必要となることがある。 

ESPEは,検出可能な最小寸法をもつ対象物が静止しているときも,検出区域内を1.6 m/s以内の任意の

速度で動いているときも,それを規定の応答時間以内に検出しなければならない。 

応答時間は,特に走査周波数及び対象物の動きの最悪条件を考慮して,供給者が決定しなければならな

い。供給者仕様が,1.6 m/sを超える指定の速度で動く対象物をAOPDDRが検出できるとする場合は,指

定の最大速度以下のいかなる速度においても要求事項を満足しなければならない。 

注記2 検出能力は,AOPDDRの光ビーム走査設計に依存する。設計の一例としては,最大検出区域

と許容差域とを含む範囲内にある規定の試験片を一つのビーム全体が照射し,隣り合う二つ

のビーム中心の間隔(最初と最後のものは除く。)が試験片直径の半分を超えないように走査

密度を設計する。このような条件を満たさない走査設計では,特に対象物の動きを考慮した

場合に,5.2.1.2及び5.2.11に従って上記の検出要求に対する検証が難しくなることがある。 

注記3 応答時間の計算例をAA.5に示す。 

AOPDDRの検出区域境界上の任意の点から受光器に至る光路上の全ての点は,検出区域(4.2.12.2参照)

又は検出能力限定区域(4.1.4参照)の内部になければならない。 

4.2.13 タイプ試験のための試験片 

4.2.13.1 一般事項 

試験片は,AOPDDRの一部である。したがって,箇条5のタイプ試験に用いる試験片は供給者が用意し

なければならない。試験片には,それを用いるAOPDDRの形式及び識別を表示しなければならない。 

試験片の直径は,規定の最大検出能力(検出可能最小直径)と同じ値にしなければならない。AOPDDR

の検出能力によっては,試験のために30〜200 mmの範囲内で別の直径(指定した最大検出能力に相当す

る直径と異なる直径)の試験片が必要となることがある。 

注記 次に規定する試験片の最小有効長(0.3 m)は,使いやすさを考慮して決めたものである。 

4.2.13.2 黒色試験片 

黒色試験片は,最小有効長0.3 mの円柱とする。試験片の表面は,通常の条件下で投光器の波長におい

て,測定誤差を含めて1.6〜2.0 %の拡散反射率をもたなければならない。この値は,測定によって検証し

なければならない。黒色試験片の拡散反射率を計算に用いる場合には,1.8 %の公称値を用いなければなら

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ない。 

注記 図3は,黒色試験片の反射率を決定するための調査結果を示す。 

実施者:Berufsgenossenschaftliches Institut für Arbeitsschutz,53754 Sankt Augustin,Germany 

① 黒色ベルベットMG 20/5 
② 黒色上質コーデュロイMG 0/5 
③ 黒色プラスチックMG 0/5 
④ 黒色ゴム長靴MG 20/5 
⑤ 黒色合成材料MG 20/5 
⑥ 黒色靴革MG 20/5 

W 波長(nm) 

β 

拡散反射率(%) 

注記 例えば,測定の設定角度MG 0/5は,入射角0°及び観察角5°を表す。入射角は被試験材の表面

が照射光となす角である。観察角は,被試験材の観察方向が照射光の入射方向となす角である。 

図3−材料の最小拡散反射率 

4.2.13.3 白色試験片 

白色試験片は,最小有効長0.3 mの円柱とする。その試験片表面は,投光器の波長において80〜90 %の

範囲の拡散反射率をもたなければならない。 

4.2.13.4 再帰反射試験片 

再帰反射試験片は,最小有効長0.3 mの円柱とする。その試験片表面の素材は,再帰反射特性をもつも

のでなければならない。その素材は,EN 471のクラス2又は同等の再帰反射要求事項に適合しなければな

らない。 

注記 EN 471の表5には,照射角5°,観察角0.2°(12′) で,330 cd・lx−1・m−2としたクラス2の材料

に対する再帰反射の最小反射係数を規定している。 

4.2.14 波長 

AOPDDRは,820〜946 nmの範囲の波長で作動しなければならない。 

注記 この波長範囲は,衣服の材料からの反射を検出するために適切であるとする研究,及び光学部

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品を入手しやすいことに基づいている。 

4.2.15 放射強度 

AOPDDRが発生・投光する放射ビームの強度は,構成品故障がある場合でもJIS C 6802に規定するク

ラス1Mレーザの最大出力又は最大エネルギー レベルを超えてはならない。クラス1レーザとしてのマー

キングは,JIS C 6802の5.2に適合しなければならない。 

4.2.16 機械的構造 

構成品の位置ずれによって検出能力が供給者指定の限界値以下に低下する可能性がある場合には,これ

らの構成品の固定方法は,摩擦だけに頼るものであってはならない。 

注記 追加の固定手段なしに長だ円形の取付け穴を用いると,例えばバンプのような機械的影響によ

って検出区域の変化をもたらす可能性がある。 

4.3 

環境要求事項 

(追加。第1部の4.3によるほか,次の注記を追加する。) 

注記 これらの要求事項は,特定用途[例えば,AGV(無人搬送車),フォークリフト,移動式機械

などの移動体に搭載する使用]に対しては十分でないことがある。 

4.3.1 

周囲温度範囲及び湿度 

(追加。第1部の4.3.1によるほか,次による。) 

ESPEは,急激な温度変化及び光学窓に結露を招くような湿度にさらされたとき,危険側故障を起こし

てはならない。 

この要求事項は,5.4.2の結露試験によって検証する。 

4.3.3 

機械的環境 

(追加。次の4.3.3.3〜4.3.3.4を追加する。) 

4.3.3.3 

温度変化 

ESPEは,5.4.4.3の試験後,損傷(ずれ及び/又は光学窓の亀裂を含む。)を生じることなく,正常運転

状態を継続できなければならない。 

4.3.3.4 

耐衝撃性 

4.3.3.4.1 

正常運転状態 

ESPEは,5.4.4.4.2の試験後,損傷(ずれ及び/又は光学窓の亀裂を含む。)を生じることなく,正常運

転状態を継続できなければならない。 

4.3.3.4.2 

危険側故障 

ESPEは5.4.4.4.3の試験後,危険側故障を起こしてはならない。 

4.3.4 

エンクロージャ 

(追加。第1部の4.3.4によるほか,次による。) 

エンクロージャを確実に固定する手段を備えなければならない。 

光学部品を内蔵するAOPDDRのエンクロージャは,供給者指定のとおりに取り付けたとき,少なくと

もIP65(JIS C 0920参照)の保護等級を満足しなければならない。 

(追加。耐環境要求事項として,次の4.3.5〜4.3.10を追加する。) 

4.3.5 

AOPDDRの受光器等の光学部品における光干渉 

ESPEは,次の光にさらされたとき正常な運転状態を続けなければならない。 

− 白熱電球光 

− 高周波電子式電源で作動する蛍光灯光 

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− 同一設計のAOPDDRからの投光(AOPDDR供給者から干渉回避のための取付上の制約が示されてい

ないとき。) 

ESPEは,次の光を受けたときに危険側故障を起こしてはならない。 

− 高輝度の白熱電球光(ハロゲン電球,石英電球を用いた模擬昼光) 

− 定格電源で作動する蛍光灯光,及び高周波電子式蛍光灯光 

− ストロボ光 

− 同一設計のAOPDDRからの投光 

− せん(閃)光灯 

これらの要求事項は,5.2.1.2及び5.4.6の試験によって検証する。 

4.3.6 

汚染の影響 

供給者は,指定の検出能力を維持するうえで許容できる光学窓の均一汚れの最大レベルを,透過率の形

で指定しなければならない。 

AOPDDRは,検出系本体の受信エネルギーが均一汚れによって30 %減少しても正常な作動を続けなけ

ればならない。 

投受光器とAOPDDR検出区域開始点との間の汚染(光学部品を含む)が,汚染によって指定の検出能

力が失われるほど悪化したときは,OSSDがオフ状態にならなければならない。 

これらの要求事項は,5.4.7の試験によって検証する。 

注記 5.4.7に規定する試験は,全ての起こり得る汚染の種類,例えば,油,グリース,加工中の材料

など,を包含しているとは限らない。 

指定の検出能力低下を検出するための全ての汚染監視手段は,この規格の関連要求事項の全てに適合し

なければならない。 

4.3.7 

背景の影響 

背景からの妨害(干渉)によって許容差域の大きさが指定値を超えてはならない。この要求事項は,5.4.8

の試験によって検証する。 

注記1 背景妨害が規定値を超えたときOSSDをオフにするような許容最大反射率を供給者が指定

し,AOPDDR自体によって背景妨害を監視することによって,規定値より高い反射率をもつ

材料による背景の影響を除くことができる。 

注記2 測定結果に悪影響を与えるおそれがある背景の例には,コーナキューブ反射器,タイル,金

属板,白紙などがある。 

注記3 再帰反射器は,検出能力及び測定誤差(測定精度)の試験においては背景の一つとする(5.4.8

参照)。背景にある再帰反射器が測定を阻害するような特定の用途では,許容差域を広げる代

わりに他の手段を用いることがある。 

4.3.8 

人為的妨害 

人がAOPDDRハウジングの光学窓及び他の部分(あれば)を覆ったことによって,又は検出能力限定

区域(4.1.4参照)内に物を置いたことによって検出能力が劣化した状態でESPEの運転を継続できてはな

らない。そのような場合には,OSSDが5秒以内にオフ状態となり,人為的妨害が除去されるまでオフ状

態を継続しなければならない。 

AOPDDRをA.12の垂直接近の全身検出トリップ装置として用いる場合,及びA.13の垂直接近する人の

部位を検出するために用いる場合は,人為的妨害が行われたときOSSDは指定の作動時間内にオフ状態に

なり,人為的妨害が除去されるまでオフ状態を継続しなければならない。これらの要求は,5.4.9の試験に

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よって検証する。 

4.3.9 

検出区域における光学的遮蔽 

検出区域内に小さな物体が存在しても,AOPDDRは検出能力を維持しなければならない。このことは,

分析及び5.4.10による試験によって検証しなければならない。ソフトウェア フィルタを用いる場合には,

この分析はフィルタ アルゴリズムの検査を含まなければならない。 

注記 ソフトウェア フィルタは,例えば,機械の運転の信頼性(機械の稼働率)を向上させるために

小さな物体を無視する目的で用いることがある。 

4.3.10 構成品の経時変化 

検出能力を規定値以下まで低下させるような構成品の特性変動又は経時変化が生じたときに,ESPEが

危険側故障を起こしてはならない。このような変化は5秒以内に検出してESPEをロックアウト状態にし

なければならない。 

基準とする参照物体を構成品の経時変化及び特性変動の監視に用いる場合は,参照物体の特性(例えば,

反射率)の変化によってESPEに危険側故障が起きてはならない。構成品の経時変化及び特性変動の監視

に用いる参照物体は,AOPDDRの一部としてAOPDDR供給者が提供しなければならない。 

試験方法 

次を除き,第1部の5.を適用する。 

5.1 

一般事項 

5.1.1.2 

運転条件 

(追加。第1部の5.1.1.2によるほか,次による。) 

試験に用いる検出区域の大きさについて他に異なる規定がなく,AOPDDRが検出区域設定手段を備えて

いる場合は,試験に用いる区域を次のように設定しなければならない。 

− 1.0 mの半径,長さ及び幅(又はこれらに相当する要素)をもつ検出区域 

− 許容差域の追加 

注記 例えば,検出区域を1.0 m,許容差域を0.2 mとすれば,試験用区域は1.2 mとなる。 

指定の最大検出距離が1.0 m未満のAOPDDRに対しては,1.0 mの代わりに指定の距離を用いなければ

ならない。 

検出区域設定手段をもたないAOPDDRに対しては,その固定の検出区域を全ての試験に用いなければ

ならない。 

試験の間,試験片はAOPDDRの検出区域面に垂直に置くものとする。図4〜図10は,検出能力の完全

性及び光干渉の試験に適用可能な配置を示す。 

5.1.2.2 

測定精度 

(次の項目を追加。) 

− 光強度(照度)の測定:±10 % 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

① AOPDDR 
② 検出面 
③ 試験片 
④ 光源 
⑤ 1.0 m及び最大距離 
注記 図4は,5.2.1.2.2の試験に適用可能な配置を示す。 

図4−白熱電球光による検出能力への影響試験−例1 

図5−白熱電球光による検出能力への影響試験−例2 

① AOPDDR 
② 検出面 
③ 試験片 
④ 光源 
⑤ 検出区域 
⑥ 光干渉に関連する許容差域 
⑦ 1.0 m及び最大距離 
注記 図5は,5.2.1.2.2の試験に適用可能な配置を示す。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

① 光源 
② AOPDDR 
③ 検出面 
④ 試験片 
⑤ 背景(拡散反射面,0.5 m×0.5 m) 
⑥ 検出面内における反射光の照度測定試験(試験片なしで測定) 
⑦ 1.0 m及び最大距離 
注記1 図6は,5.2.1.2.3による試験が可能な配置を示す。 
注記2 a=0.4 m,ただし,少なくとも背景が物体として検出されないような値。 
注記3 この例では,測定誤差(測定精度)に及ぼす干渉光の影響を試験するので,図6に検出

区域は示さない。 

注記4 この試験に用いる背景の反射係数は,AOPDDRが用いる波長及び照度測定に用いる波長

の範囲において変化してはならない。 

図6−背景反射光による検出能力への影響試験 

① 光源 
② AOPDDR 
③ 検出面 
④ 試験片 
⑤ 1.0 m及び最大距離 
注記 図7は,5.2.1.2.4による試験に適用可能な配置を示す。 

図7−ストロボ光による検出能力への影響試験−例1 

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15 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図8−ストロボ光による検出能力への影響試験−例2 

図9−光干渉試験 

① 光源 
② AOPDDR 
③ 検出面 
④ 試験片 
⑤ 検出区域 
⑥ 許容差域(干渉の影響を受ける。) 
⑦ 1.0 m及び最大距離 
注記 

図8は,5.2.1.2.4による試験に適用可能な配置を示す。 

① ハウジング面内における光の照度測定 
② AOPDDR 
③ 検出面 
④ 光源 
⑤ 検出区域 
⑥ 許容差域 
注記 図9は,試験5.4.6.4.1,5.4.6.4.2,5.4.6.5.2,5.4.6.5.3,5.4.6.6.2及び5.4.6.8.2に適用可能

な配置を示す。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

① AOPDDR"A"の検出区域+許容差域。この試験の許容差域は,試験環境に適合しなければな

らない。 

② AOPDDR"B"の検出区域+許容差域。この試験の許容差域は,試験環境に適合しなければな

らない。 

③ AOPDDR"A"の検出区域 
④ AOPDDR"B"の検出区域 
⑤ AOPDDR"A" 
⑥ AOPDDR"B" 
⑦ ビーム中心線 
⑧ 試験片。試験片は,両方のAOPDDRの検出区域内にある。 
注記 図10は,試験5.4.6.7.2(試験片なし)及び試験5.4.6.7.3(試験片あり)に適用可能な配置

を示す。 

図10−同一設計の2個のAOPDDR間の干渉試験 

5.2 

機能試験 

5.2.1 

検知機能 

(置換え。第1部の5.2.1によらず,次の5.2.1.1〜5.2.1.3による。) 

5.2.1.1 

一般事項 

検知機能及び検出能力の完全性は,次のことを考慮して試験(5.2.1.2及び5.2.1.3参照)によって指定の

とおりに検証しなければならない。 

− 5.2.1.2.1に規定する系統的分析。 

− 試験は,規定の試験片の軸が指定の検出区域内に置かれたときに検出されることを検証しなければな

らない。 

− 試験は,供給者が指定した許容差域の大きさ(距離測定誤差)を検証しなければならない。 

− 各試験の回数,選択及び条件は,4.2.12.1の要求事項を検証できるものでなければならない。 

表1は,最小限実施する試験項目の一覧を示す。 

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17 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1−検出能力の検証に最小限必要な試験(4.2.12.1も参照) 

試験 

条件 

AOPDDRの検出区域開始点と試験片軸の間の距離(図1参照) 

最小検出距離

(MPD) 

注記6参照 
注記7参照 

MPD+0.1 m 

注記6参照 
注記7参照 

0.5 m 

1.0 m 

1.0 m 

ごと 

最大 
範囲 

a 反射率 

黒色試験片 
(4.2.13.2参照) 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

b 反射率 

白色試験片 
(4.2.13.3参照) 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

c 反射率 

再帰反射試験片 
(4.2.13.4参照) 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

d 構成品の経時変化 注記1参照 

○ 

e 構成品の検出不能

障害 

注記1参照 

○ 

f 供給電圧変動と停

電を除く電気的妨
害 

第1部の4.3.2,5.2.3.1及び
5.4.3を適用 

○ 

g 供給電圧変動 

及び停電 

黒色試験片 
(4.2.13.2参照) 

○ 

h ハウジングの光学

窓表面の汚染 

注記1参照 

○ 

i 周囲温度変化 

50 ℃又は最大 
(注記2参照) 

○ 

j 周囲温度変化 

0 ℃又は最小,非結露 
(注記3参照) 

○ 

k 湿度 

この規格及び第1部の5.4.2
適用 

○ 

l 光干渉 

表2参照:光干渉試験一覧 

○ 

m 背景妨害 

その設計の最悪条件で黒色
試験片と背景との間の距離 
(注記4参照) 
背景反射率: 
a) コーナキューブ反射器 
 

(注記5参照) 

b) 1.8〜5 % 
c) a) とb) 間の他の反射率

(関連する場合) 

 
 
 
 

○ 

○ 
○ 

n 振動及びバンプ 

この規格及び第1部の5.4.4
適用 

○ 

注記1 構成品の経時変化,構成品の検出不能障害及びハウジング光学窓表面の汚染の影響は,耐久試験の中で検

証する。そうでない場合,追加試験が必要となる。 

注記2 試験槽内のAOPDDR−試験槽を開く−1分以内に試験開始。 
注記3 試験槽内のAOPDDR−試験槽を開く−結露なし試験。 
注記4 背景は,図14に示したように配置しなければならない。 
注記5 4.3.7の注記1及び5.4.8も参照。 
注記6 物理的な制約のために規定の距離がとれない場合は,試験片は規定の距離にできるだけ近い検出面に置か

なければならない。 

注記7 黒色試験片の場合,検出能力限定区域の寸法を加えなければならない。 
注記8 表中の○印は試験実施項目であることを示す。 

18 

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5.2.1.2 

検出能力の完全性 

5.2.1.2.1 

一般事項 

AOPDDRが指定の検出能力を維持すること又は危険側故障を起こさないことを検証しなければならな

い。検証は,4.2.12.1に規定する全ての条件の組合せ及び5.3.4に規定する障害反応条件を考慮に入れて実

施しなければならない。AOPDDRの設計を系統的分析して検証しなければならない。適切な場合及び/又

は必要な場合は試験を実施して検証しなければならない。系統的分析の結果から,箇条5の中のどの試験

に応答時間の測定を追加する必要があるかを決定しなければならない。 

検出能力の完全性を検証するために必要な測定の条件及び回数の決定には,5.2.1.1に示す試験の目的を

考慮しなければならない。検出区域内における検出能力の完全性を検証するためには,少なくも表1及び 

表2に示す一連の測定を必要な各位置で行わなければならない。2組以上の投受光器をもつAOPDDRにお

いては,一般に各投受光器に対する測定が必要となる。検証のために測定値が必要な場合,各試験結果は

試験片の各位置における最少1 000回の測定に基づくものでなければならない。 

注記1 測定値の記録及び分析を含む試験を行うために,製造業者が提供する特別なツールの使用が

必要になることがある。 

5.2.1.2.2〜5.2.1.2.4の試験の設定は,試験に供するAOPDDRの特性に適応するものでなければならない。

光干渉試験は,少なくとも,黒色試験片(4.2.13.2参照)を用いて,AOPDDRと試験片との間の距離が,

1.0 m及び最大検出距離(検出区域最大時)に対して行わなければならない。光干渉試験の試験順序は,

次による。 

− 試験開始前に,試験片を要求される距離に置く。図5又は図8による試験においては検出区域の境界

に置く。 

− 起動インターロック又は再起動インターロックは,図5又は図8による試験が行われている間中,作

動させてはならない。 

− 図5又は図8による試験が行われている間,AOPDDRは正常運転状態にあり,OSSDはオフ状態にな

ければならない。 

− 干渉光源を点灯する。 

− 試験を3分間続ける。 

注記2 本質的な設計条件(例えば,AOPDDRの光学−機械系の構造)によっては,別な距離におい

て追加の測定が必要となることがある。 

注記3 AOPDDR自体の診断及び設定ツール(例えば,ソフトウェア)を,これらの測定のために用

いてもよい。 

5.2.1.2.2 

白熱電球光の影響 

白熱電球光が検出能力の完全性に及ぼす影響は,図4又は図5に示す配置で試験しなければならない。

図4に従って試験する場合,検出能力の完全性を検証するためには測定値が必要である。図5に従って試

験する場合,ESPEはその試験手順を実施する間,オフ状態を維持しなければならない。 

1.0 mの作動距離で試験する場合には,光の強さ(照度)は,AOPDDRの光学窓において測定しなけれ

ばならない。最大作動距離で試験する場合には,光の強さは,試験片からAOPDDRの方向に1.0 mの距離

における検出面で測定しなければならない。干渉光は,受光器の光軸(一つ又は二つ以上)に沿って向け

なければならない。検出能力の完全性(測定誤差)に及ぼす白熱電球光の影響試験は,次のように行わな

ければならない。 

− 光の強さは,AOPDDRが正常運転状態を保持できる範囲で最大値3 000 lxにできるだけ近い値にする。 

19 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

− 妨害直接光の強さが1 500 lxを下回らなければAOPDDRが正常運転状態を維持できないときは,拡散

反射表面をもつ0.5 m×0.5 mの反射板を用いて,AOPDDRへの反射光に対する追加試験を行わなけれ

ばならない。この反射板は,検出区域及び許容差域の外側に置かなければならない。この試験に用い

る反射板の拡散反射係数は,AOPDDRが用いる波長範囲及び照度測定に用いる波長範囲において,

80 %より大きくしなければならない。この追加試験の光の強さは3 000 lx(AOPDDRが正常運転状態

を保つうえで許容する最大値)にできるだけ近い値にしなければならない。 

注記 干渉光源,試験片及びAOPDDRの相対位置関係が検出能力に影響することがある。例えば,

干渉光レベルが急激に変化してからAOPDDRが正常に復するまでに一定の回復時間が必要で

あるために,干渉光源の点滅直後に試験片を走査したときに検出能力が失われることがある(図

4及び図5参照)。 

5.2.1.2.3 

背景に反射した白熱電球光の影響 

背景に反射した白熱電球光が検出能力の完全性に及ぼす影響は,図6に示す配置を用いて試験しなけれ

ばならない。試験は,AOPDDRが正常運転状態を保つ限界となる最大照度レベルで実施しなければならな

い。この照度は最小でも1 500 lxでなければならない。3 000 lxを超えてもAOPDDRが正常運転状態を保

つときは3 000 lxとする。反射光の照度測定は,検出面において試験片の軸上で行わなければならない。 

検出能力の完全性(測定誤差)に及ぼす白熱電球光の影響に関するこれらの試験は,次の条件で行わな

ければならない。 

− 光は,5.4.6.2に示す白熱電球光源によって発生させる。 

− 光源は,検出区域及び許容差域の外側に置く。 

− 光は,できるだけ検出面に近くに沿うように向ける。 

5.2.1.2.4 

ストロボ光の影響 

検出能力の完全性に及ぼすストロボ光の影響は,図7又は図8に示す配置を用いて試験しなければなら

ない。図7によって試験する場合は,その検出能力の完全性を検証するために測定値が必要である。図8

によって試験する場合は,ESPEは,その試験手順を実施する間オフ状態を維持しなければならない。光

の強さの測定は50 Hzで行わなければならない。試験は,3分の間に5〜200 Hzに直線的に増加するせん

(閃)光周波数で行わなければならない。フラッシュ管の位置は,その試験の間一定にしなければならな

い。 

検出能力の完全性に及ぼすストロボ光の影響試験は,次の条件で行わなければならない。 

− 光は,5.4.6.2に示すストロボ光源によって発生させる。 

− 図7及び図8に示すように,光源は試験片から3 mの位置に置く。AOPDDRが正常運転状態を保てな

いときは,正常運転を保てる位置まで光源を離す。 

− 光源は,検出区域及び許容差域の外側に置く。 

− 光は,できるだけ検出面近くに沿うように向ける。 

5.2.1.3 

検出能力の耐久試験 

次の耐久試験を行うことによって,検出能力の耐久性を検証しなければならない。5.2.1.2に従って実施

した試験及び分析の結果を,この試験に用いる最悪条件及び適切な試験片(4.2.13参照)を決定するため

に用いなければならない。 

第1部の5.2.3.3による限定機能試験B(B試験)を,決定した最悪条件の下でESPEを連続運転状態に

して行う。試験片は最悪条件の位置に置き,この位置に150時間保持する。最悪条件の位置が二つ以上あ

る場合は,試験片を各位置に置いた試験を行わなければならない。検出能力限定区域が存在する可能性も

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B 9704-3:2011 (IEC 61496-3:2008) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

考慮しなければならない。 

注記1 最悪条件を模擬するためにハードウェア及びソフトウェア(ある場合)を変更してもよい。 

注記2 試験の配置例を,図11及び図12に示す。 

① 設定した検出区域 
② 許容差域 
③ 最悪条件の反射率をもつ背景(背景が測定値に影響するとき)。 
④ AOPDDR。AOPDDRは,例えば,光学窓の汚れ(均一及び斑点状の検出されない最大限の

汚れ),構成品の経時変化による最大限の劣化などを伴う。 

⑤ 試験片。黒色試験片の場合は白色試験片の場合よりも信号対ノイズ比(S/N)が低くなる。 
⑥ 検出区域の最大範囲 
⑦ AOPDDRの設計に依存する距離 

図11−耐久試験のための配置−例1 

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B 9704-3:2011 (IEC 61496-3:2008) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

① 検出能力限定区域 
② 設定された検出区域 
③ 許容差域 
④ AOPDDR。AOPDDRは,例えば,光学窓の汚れ(均一及び斑点状の検出されない最大限の

汚れ),構成品の経時変化による最大限の劣化などを伴う。 

⑤ 試験片。黒色試験片の場合は白色試験片の場合よりも信号対ノイズ比(S/N)が低くなる。 
注記1 a≦50 mm(4.1.4による。) 
注記2 r=試験片半径 

図12−耐久試験のための配置−例2 

5.2.3 

限定機能試験 

5.2.3.1 

一般事項 

(追加。第1部の5.2.3.1によるほか,次による。) 

他に異なる規定がない限り,限定機能試験には4.2.13.2又は4.2.13.3の試験片を用いなければならない。 

(追加。次の5.2.9〜5.2.14を追加する。) 

5.2.9 

タイプ試験用の試験片 

試験片の指定の反射率(値)は,供給者の書類(試験結果に基づくもの)の検査又は測定によって検証

しなければならない。この規格の関連要求事項に適合する場合は,別の反射率の試験片を用いてもよい。 

5.2.10 距離測定誤差 

距離の測定誤差及び許容差域を決定するための供給者の計算結果は,5.2.1による検出能力測定の結果と

比較することによって正確性及び妥当性を検証しなければならない。 

5.2.11 走査の形状,周波数及び応答時間 

走査形状及び走査周波数に関連する要求事項は,分析及び/又は測定によって検証しなければならない。

応答時間の計算値は,接近速度,最悪条件となる接近方向,走査原理などを分析して検証しなければなら

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ない。必要な場合,追加の静的及び動的測定を行わなければならない。 

5.2.12 波長 

発光波長は,発光器の試験成績書の検査又は測定によって検証しなければならない。 

5.2.13 放射強度 

放射強度は,JIS C 6802による測定及び投光素子供給者の書類の検査によって検証しなければならない。

クラス1レーザとしてのマーキングが正しいことを検証しなければならない。 

5.2.14 機械的構造 

4.2.16の要求事項は,検査によって検証しなければならない。 

5.3 

障害状態の性能試験 

5.3.2 

タイプ1のESPEの検証試験 

(削除。第1部の5.3.2は適用しない。) 

5.3.3 

タイプ2のESPEの検証試験 

(削除。第1部の5.3.3は適用しない。) 

5.3.4 

タイプ3のESPEの検証試験 

(追加。第1部の5.3.4によるほか,次による。) 

検出能力に影響する構成品の特性漂動又は経時変化が,4.3.10に従ってOSSDを5秒以内にオフ状態に

することを検証しなければならない。 

5.3.5 

タイプ4のESPEの検証試験 

(削除。第1部の5.3.5は適用しない。) 

5.4 

環境試験 

5.4.2 

周囲温度変化及び湿度 

(追加。第1部の5.4.2によるほか,次による。) 

ESPEに対して,次の結露試験を実施しなければならない。 

− ESPEに定格電圧を供給し,周囲温度5 ℃の試験槽に1時間保持する。 

− 2分以内に,周囲温度25±5 ℃,相対湿度(70±5)%の状態まで変化させる。 

− C試験(第1部の5.2.3.4参照)を,黒色試験片(4.2.13.2参照)を用いて10分間実施する。 

− 再起動インターロックがある場合,C試験の間これを無効にする。 

− C試験をしている間,ESPEが指定の検出能力を保つことを検証するために, 

a) 5.1.1.2に示すように検出区域を設定し,AOPDDRと試験片軸との間の距離1.0 mでESPEを作

動させる。又は, 

b) 測定値を用いて検証する。 

5.4.4.1 

振動 

(追加。第1部の5.4.4.1によるほか,次による。) 

振動試験の終わりに,AOPDDRの光学窓に損傷(ずれ及び/又は亀裂を含む。)がないことを点検しな

ければならない。 

検出区域の検出面の方向性,大きさ又は位置が変化していないことを試験によって検証しなければなら

ない。 

5.4.4.2 

バンプ 

(追加。第1部の5.4.4.2によるほか,次による。) 

バンプ試験の終わりに,AOPDDRの光学窓に損傷(ずれ及び/又は亀裂を含む。)がないことを点検し

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

なければならない。 

検出区域の検出面の方向性,寸法又は位置が変化していないことを,試験によって検証しなければなら

ない。 

(追加。次の5.4.4.3〜5.4.4.4を追加する。) 

5.4.4.3 

温度変化 

ESPEは,JIS C 0025に従って次の条件による試験Naを実施しなければならない。 

− 低位温度TA:−25 ℃ 

− 高位温度TB:70 ℃ 

− 4サイクル 

− 温度サイクル中は,ESPEに電源を投入しない。 

− 持続時間t1:60分 

− 試験後,AOPDDRの光学窓に損傷(ずれ及び/又は亀裂を含む。)がないことを点検する。 

− ESPEの正常運転の継続が可能であることを検証するために,第1部の5.1.2.1による試験環境でB試

験(第1部の5.2.3.3参照)を実施する。 

5.4.4.4 

ハンマ試験 

5.4.4.4.1 

一般事項 

ESPEは,次の数値及び条件を用いてJIS C 60068-2-75による試験を実施しなければならない。 

− 3回の打撃を加える。 

− 堅固な支持平板に通常の手段によってESPEを取り付けた状態で行う。 

− 初期測定は行わない。 

− 検出平面内にある光学窓の中心に打撃力を向ける姿勢で行う。 

− 打撃を加える間はESPEに電源を投入しない。 

5.4.4.4.2の試験を,5.4.4.3の温度変化試験の完了後,かつ,5.4.5の試験前に実施しなければならない。 

5.4.4.4.3の試験を,5.4.5の試験の完了後に実施しなければならない。 

5.4.4.4.2 

正常運転の確認 

ESPEが,JIS C 60068-2-75による打撃を加えた後も正常運転の継続が可能であることを試験する。次の

数値及び条件を用いなければならない。 

− 0.5 Jの打撃エネルギー 

− 試験に引き続き,AOPDDRを点検する。光学窓に,ずれ又は亀裂があってはならない。 

− 指定の検出能力が打撃によって低下すると推定される各位置に試験片を置いてB試験(第1部の

5.2.3.3参照)を実施する。 

5.4.4.4.3 

危険側故障の確認 

ESPEが,JIS C 60068-2-75による打撃を加えた後に危険側故障を起こさないことを試験する。次の数値

及び条件を用いなければならない。 

− 2.0 Jの打撃エネルギー 

− 試験に引き続き,AOPDDRの光学窓に,ずれ及び/又は亀裂を点検する。 

− 指定の検出能力が打撃によって低下すると推定される各位置に試験片を置いてC試験(第1部の

5.2.3.4参照)を実施する。 

5.4.5 

エンクロージャ 

(置換え。第1部の5.4.5によらず,次による。) 

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この規格の4.3.4の保護等級に関する要求事項は,5.4.4の試験(5.4.4.4.3は除く。)の完了後にJIS C 0920

に従って試験しなければならない。4.3.4のその他の要求事項は,点検によって検証しなければならない。 

(追加。次の5.4.6〜5.4.10を追加する。) 

5.4.6 

AOPDDRの受光器等の光学部品への光干渉 

5.4.6.1 

一般事項 

5.4.6.4〜5.4.6.6に規定するAOPDDRの受光器及びその他の光学部品における光干渉の影響についての試

験は,他に異なる指定がない限り次の一般条件のもとで実施しなければならない。 

− 光源は,検出区域及び許容差域の外側に置く。 

− 光は,できるだけ検出面の近くに沿って向ける。 

− 干渉光は,受光器(一つ又は二つ以上)の光軸に沿うように向ける。 

− 光の照度測定は,AOPDDRのハウジング面で実施する。 

試験の配置は,供試のAOPDDRの特性に適応するものでなければならない。AOPDDRの受光器に対す

る光干渉の試験に適用できる配置を図9に示す。全ての試験は,黒色試験片(4.2.13.2参照)を用いて実

施しなければならない。B試験(第1部の5.2.3.3参照)及びC試験(第1部の5.2.3.4参照)の実施中,

試験片は,干渉光を遮断しないように検出区域に導入し,AOPDDRから一定の距離を保ちながら検出区域

の中を約0.1 m/sの速度で移動させなければならない。 

5.4.6.4.3,5.4.6.4.4,5.4.6.5.4,5.4.6.5.5及び5.4.6.6.3に規定する試験は,検知又は距離測定のために必要

な光学部品以外にも干渉光の影響を受ける光学部品をもつAOPDDRだけに実施する。これらの試験は,

図9と同等の試験配置によって実施しなければならない。光干渉によるESPEの危険側故障の有無を確認

するために(例えば,光干渉があるときに汚染監視手段を原因とするESPEの危険側故障がないかを検証

するために)試験条件の組合せ又は追加の必要性を決定するために,光学部品の特性及びその意図する機

能の分析を実施しなければならない。 

注記 光学部品には,投光器,受光器,反射器,レンズなど,AOPDDRの一部として備えるものがあ

る。 

表2は,光干渉試験の一覧を示す。 

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B 9704-3:2011 (IEC 61496-3:2008) 

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表2−光干渉試験一覧 

細分箇条 

関連試験 

光源 

光の照度E 

lx 

測定位置 

図 

試験 
手順 

備考 

5.2.1.2.2 

測定精度 

白熱電球 

E≦3 000 

注記1参照 

5.2.1.2.2 
参照 

又は 

− 

測定には図4を適用できる。 
反射光を使う追加試験が必
要となることもある 
(5.2.1.2.2参照)。 

5.2.1.2.3 

1 500≦E≦3 000 

注記1参照 

試験片を含
む面内 

− 

背景による反射光 

5.2.1.2.4 

ストロボ 

− 

又は 

− 

測定には図7を適用できる。 

5.4.6.4.1 

正常運転 

白熱電球 

1 500 

AOPDDR
の受光器の
前 

5.4.6.4.1のa) 又はb) の追
加試験が必要となることも
ある。 

5.4.6.4.2 

危険側故障 

3 000 

5.4.6.4.2のa) 又はb) の追
加試験が必要となることも
ある。 

5.4.6.4.3 

正常運転 

1 500 

他の受光器
の前 

− 

注記2参照 

5.4.6.4.4 

危険側故障 

3 000 

− 

注記2参照 

5.4.6.5.2 

正常運転 

蛍光灯 

− 

− 

最小検出区域。ただし, 
検出区域+許容差域≧0.2 m 

5.4.6.5.3 

危険側故障 

− 

− 

最大検出区域に置いた試験
片にて 

5.4.6.5.4 

正常運転 

− 

− 

− 

注記2参照 
最小検出区域。ただし, 
検出区域+許容差域≧0.2 m 

5.4.6.5.5 

危険側故障 

− 

− 

− 

注記2参照 
最大検出区域に置いた試験
片にて 

5.4.6.6.2 

危険側故障 

ストロボ 

− 

− 

5.4.6.6.3 

− 

注記2参照 

5.4.6.7.2 

正常運転 

同一 
AOPDDR 

− 

− 

10 

− 

据付上該当しない場合は不
要。試験片なしでのA試験
とする。 

5.4.6.7.3 

危険側故障 

− 

− 

− 

OSSDはオン状態であって
はならない。 

5.4.6.8.2 

危険側故障 

せん(閃)
光灯 

− 

− 

5.4.6.8.3 

− 

注記2参照 

注記1 3 000 lxは,AOPDDRが正常運転を継続するために耐えるべき干渉光の最大値。 
注記2 受光器以外の光学部品に対する干渉試験。 

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5.4.6.2 

光源 

光源には,次のものを用いなければならない。 

a) 白熱電球光源:次の直線形タングステン ハロゲン電球(石英電球) 

− 色温度:3 000〜3 200 K 

− 入力電力:500 W〜1 kWの定格電力 

− 定格電圧:100〜250 Vの間の任意の電圧 

− 供給電圧:48〜62 Hzまでの正弦波交流で,定格電圧の±2 %の電圧 

− 長さ:150〜250 mm(公称値) 

電球には,最小寸法が200 mm×150 mmで,波長400〜1 500 nmにおいて均一な反射率(±5 %)をもつ,

つや消し仕上げのパラボラ形反射器を取り付けなければならない。 

注記1 この光源は,スペクトル分布が分かっており,変調特性は予測可能(電源周波数の2倍)で

あり,波長に対してほぼ均一強度のビームを生成する。太陽光及び作業場の白熱電球光照明

の模擬に用いられる。 

b) 蛍光灯光源:次の直線形蛍光管 

− 寸法:T8×1 200 mm(公称径25 mm) 

− 定格電力:30〜40 W 

− 色温度:5 000〜6 000 K 

次の電子安定器と組み合わせて,反射器又は拡散反射板なしで,定格供給電圧±2 %で用いる。 

− 作動周波数:30〜40 kHz 

− 蛍光管に対応する定格電力 

注記2 上記と異なる蛍光灯光源,例えば,作動周波数が異なる電子安定器式蛍光灯光源は,異なる

試験結果をもたらすことがある。したがって,光干渉試験には,上記以外の蛍光灯光源,又

は異なる蛍光灯光源の影響を模擬する光源発生器の使用も考慮することが望ましい。 

c) せん(閃)光灯光源:次のキセノンフラッシュ管使用の光源(エンクロージャ,反射板又はフィルタ

なし。) 

− フラッシュ持続時間:40〜120 μs(光強度半減までの時間) 

− フラッシュ周波数:0.5〜2 Hz 

− フラッシュごとの入力エネルギー:3〜5 J 

d) ストロボ光源:次のキセノンフラッシュ管使用のストロボスコープ(エンクロージャ,反射板又はフ

ィルタなし。) 

− フラッシュ持続時間:5〜30 μs(光強度半減までの時間) 

− フラッシュ周波数:5〜200 Hz(可変) 

− フラッシュごとの入力エネルギー:0.05 J(200 Hz)〜0.5 J(5 Hz) 

5.4.6.3 

試験順序 

5.4.6.4〜5.4.6.6の光干渉試験に用いる試験手順1〜試験手順3は,次による。A試験,B試験及びC試

験の定義は,第1部の5.2.3.2,5.2.3.3及び5.2.3.4による。 

試験手順1: 

1) ESPEを正常運転状態にする。 

2) 干渉光を点灯する。 

3) B試験を行う。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4) ESPEの電源を5秒間遮断してから再投入する。起動インターロックがある場合は,リセットする。 

5) B試験を行う。 

6) 干渉光を消灯する。 

7) B試験を行う。 

試験手順2: 

1) ESPEを正常運転状態にする。 

2) 干渉光を点灯する。 

3) C試験を1分間繰り返す。 

4) ESPEの電源を5秒間遮断して再投入する。起動インターロックがある場合は,リセットする。 

5) C試験を1分間繰り返す。 

6) 干渉光を消灯する。 

7) C試験を1分間繰り返す。 

試験手順3: 

1) ESPEを正常運転状態にする。 

2) 干渉光を点灯する。 

3) C試験を3分間繰り返す。 

5.4.6.4 

光干渉試験−白熱電球光源 

5.4.6.4.1 

正常運転の確認−AOPDDR受光器への干渉 

5.4.6.2の白熱電球光源を用いて受光器面に1 500 lx±10 %の照度を与え,5.4.6.3の試験手順1によって

試験する。 

ESPEは,試験手順がオフ状態にあることを要求しているときにオン状態になってはならない。試験手

順がオン状態にあることを要求しているときにオフ状態になる場合は,次の追加試験a) 及びb) を実施し

なければならない。 

a) 次の条件で5.4.6.3の試験手順1を行う間,ESPEは正常運転状態を続けなければならない。 

5.4.6.2の白熱電球光源を,ESPEに検出されない範囲でできるだけ検出面近くに置く。ESPEと光源

との間の距離は,ESPEがA試験をパスする最小の距離とする。AOPDDRの受光器面で測定した光の

照度が1 500 lxに満たない条件で試験を行った場合は,ESPE附属の説明書に,使用時に白熱電球光源

からの干渉を回避する必要性についての説明を含めなければならない[箇条7 ppp) 参照]。 

b) 次の条件で5.4.6.3の試験手順1を行う間,ESPEは正常運転状態を続けなければならない。 

5.4.6.2の白熱電球光源を検出面内に置く。ESPEと光源との間の距離はESPEがA試験をパスする

最小の距離とする。AOPDDRの受光器面で測定した照度が1 500 lxに満たない条件で試験を行った場

合は,ESPE附属の説明書に,使用時に白熱電球光源からの干渉を回避する必要性についての説明を

含めなければならない[箇条7 ppp) 参照]。 

5.4.6.4.2 

危険側故障の確認−AOPDDR受光器への干渉 

5.4.6.2の白熱電球光源を用いて受光器面に3 000 lx±10 %の照度を与える。 

5.4.6.3の試験手順2を行う間,ESPEは危険側故障を起こしてはならない。 

この試験において,3 000 lx±10 %の照度を得るために,光源を検出区域及び許容差域の内部に置く必要

がある場合には,次の追加試験a) 及びb) を実施しなければならない。 

a) 次の条件で5.4.6.3の試験手順2を行う間,ESPEは危険側故障を起こしてはならない。 

5.4.6.2の白熱電球光源を用いて受光器面に3 000 lx±10 %の光の照度を与える。光源は,ESPEに検

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出されない範囲でできるだけ検出面に近い位置に置く。 

b) 次の条件で5.4.6.3の試験手順2を行う間,ESPEは危険側故障を起こしてはならない。試験片の軸を

検出区域の最も遠い境界上に置いてC試験を行わなければならない。 

5.4.6.2の白熱電球光源を検出区域及び許容差域の外側においてできるだけ許容差域境界近くの検出

面延長上に置く。(この場合の照度は,3 000 lx±10 %でなくてもよい。) 

5.4.6.4.3 

正常運転の確認−他の光学的部品への干渉 

5.4.6.2の白熱電球光源を用いて受光器以外の光学部品に1 500 lx±10 %の照度を与える。 

5.4.6.3の試験手順1を行う間,ESPEは正常運転状態を続けなければならない。 

5.4.6.4.4 

危険側故障の確認−他の光学的部品への干渉 

5.4.6.2の白熱電球の光源を用いて受光器以外の光学部品に3 000 lx±10 %の照度を与える。 

5.4.6.3の試験手順2を行う間,ESPEは危険側故障を起こしてはならない。 

5.4.6.5 

光干渉試験−蛍光灯光源 

5.4.6.5.1 

一般事項 

蛍光管の中央部及び両端部(陰極付近及び陽極付近)からの光を用いて三通りの試験を実施しなければ

ならない。 

注記 蛍光灯光源を用いる試験の一つの目的は,周波数の高い光に対するAOPDDRの感受性を確認

することである。 

5.4.6.5.2 

正常運転の確認−AOPDDR受光器への干渉 

検出区域の大きさを設定可能な最小値にして試験する。ただし,検出区域及び許容差域を合計した距離

は0.2 m以上とする。5.4.6.2の蛍光灯光源を検出区域及び許容差域の外側のできるだけ許容差域の境界の

近くに置く。 

5.4.6.3の試験手順1を行う間,ESPEは正常運転状態を継続しなければならない。 

5.4.6.5.3 

危険側故障の確認−AOPDDR受光器への干渉 

検出区域の大きさを設定可能な最大値にする。5.4.6.2の蛍光灯光源を検出面内でAOPDDRのハウジン

グから0.2 mの距離に置き,5.4.6.3の試験手順2を実施する。試験の間ESPEは危険側故障を起こしては

ならない。C試験は,試験片の軸を検出区域の最も遠い境界に置いて行わなければならない。 

注記 この試験の間は,干渉光源の蛍光管本体は一つの物体として検出されてもよい。 

5.4.6.5.4 

正常運転の確認−他の光学的部品への干渉 

検出区域を設定可能な最小値にする。ただし,検出区域と許容差域とを合計した距離は,0.2 m以上と

する。5.4.6.2の蛍光灯光源を,受光器以外の光学部品が光干渉の影響を受け得るような平面上でAOPDDR

ハウジングから0.2 mの距離に置く。この平面がAOPDDRの検出面と一致するとき又は近いときは,蛍光

灯光源は,蛍光管本体が検出されない範囲でできるだけ検出面に近く,かつ,ハウジングから0.2 m以上

の距離に置く。 

5.4.6.3の試験手順1を実施する。試験の間,ESPEは正常運転状態を続けなければならない。 

5.4.6.5.5 

危険側故障の確認−他の光学的部品への干渉 

検出区域の大きさを設定可能な最大値にする。5.4.6.2の蛍光灯光源を,受光器以外の光学的部品が光干

渉の影響を受け得るような平面上でAOPDDRハウジングから0.2 mの距離に置く。 

5.4.6.3の試験手順2を実施する。試験の間,ESPEが危険側故障を起こしてはならない。C試験は,試験

片の軸を検出区域の最も遠い境界に置いて行わなければならない。 

注記 この試験の間は,干渉光源の蛍光管本体は一つの物体として検出されてもよい。 

29 

B 9704-3:2011 (IEC 61496-3:2008) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.4.6.6 

光干渉試験−ストロボ光源 

5.4.6.6.1 

一般事項 

試験は,フラッシュ周波数が5〜200 Hzまで直線的に増加するストロボ光源を用いて3分間実施しなけ

ればならない。3分の間C試験を連続的に繰り返さなければならない。C試験は,試験片の軸を検出区域

の最も遠い境界に置いて行う。フラッシュ管の位置は,試験の間一定にする。 

5.4.6.6.2 

危険側故障の確認−AOPDDR受光器への干渉 

5.4.6.2のストロボ光源を検出面内でAOPDDRハウジングから3.0 mの距離に置き,5.4.6.3の試験手順3

を実施する。試験の間,ESPEは危険側故障を起こしてはならない。 

5.4.6.6.3 

危険側故障の確認−他の光学的部品への干渉 

5.4.6.2のストロボ光源を,受光器以外の光学部品が光干渉の影響を受け得るような平面上でAOPDDR

ハウジングから3.0 mの距離に置く。 

5.4.6.3の試験手順3を実施する。試験の間,ESPEは危険側故障を起こしてはならない。 

5.4.6.7 

同一設計の投光器による光干渉試験 

5.4.6.7.1 

一般事項 

同一設計のAOPDDR相互の光干渉試験を行う場合は,二つのAOPDDRを,分析によって決定した最悪

条件の位置及び向きに取り付けなければならない。このような試験に適用できる配置を図10に示す。 

注記1 5.4.6.7.3の試験に対して,この試験の最悪条件には,図10に示すように,最大検出区域が接

する,AOPDDRが互いに向き合う,向き合うビーム中心線の直近に試験片が置かれる,など

が含まれる。 

注記2 次の5.4.6.7.2及び5.4.6.7.3の試験には,一方のAOPDDRの投光ビームが,他方のAOPDDR

の受光器に正しく向くように装置の正確な位置決めが必要である。正確な位置決めのために

は赤外線カメラを用いるとよい。 

5.4.6.7.2 

正常運転の確認 

同一設計の二つ以上のAOPDDR相互の干渉回避方策(例えば,特殊な取付条件)に関する説明を使用

上の情報に含めてもよい。使用上の情報に供給者が取付上の制約を指示しないときは,図10の配置(試験

片なし)で,同一設計のAOPDDRの投光器からの放射が双方のAOPDDR受光器に向かうようにして,二

つのESPEに対してA試験を4時間実施しなければならない。 

5.4.6.7.3 

危険側故障の確認 

図10の配置(試験片あり)で,同一設計のAOPDDRの投光器からの放射を他方のAOPDDRの受光器

に向けたとき,ESPEに危険側故障が生じてはならない。この試験は両方のESPEに対して4時間実施しな

ければならない。試験中いずれのESPEのOSSDもオン状態になってはならない。 

5.4.6.8 

光干渉試験−せん(閃)光灯光源 

5.4.6.8.1 

一般事項 

せん(閃)光灯の位置は試験の間一定にする。試験片の軸を検出区域の最も遠い境界に置いて,C試験

を実施しなければならない。 

5.4.6.8.2 

危険側故障の確認−AOPDDR受光器への干渉 

5.4.6.2のせん(閃)光灯を検出面内でAOPDDRハウジングから3.0 mの距離に置いて,5.4.6.3の試験手

順3を実施する。試験の間,ESPEは危険側故障を起こしてはならない。 

5.4.6.8.3 

危険側故障の確認−他の光学部品への干渉 

5.4.6.2のせん(閃)光灯を,受光器以外の光学部品が光干渉の影響を受け得るような平面上でAOPDDR

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B 9704-3:2011 (IEC 61496-3:2008) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ハウジングから3.0 mの距離に置く。 

5.4.6.3の試験手順3を実施する。試験の間,ESPEは危険側故障を起こしてはならない。 

5.4.7 

汚染の影響試験 

5.4.7.1 

一般事項 

汚染の影響に対する耐性を試験するために,斑点状汚れ及び均一汚れを模擬して5.4.7.2及び5.4.7.3の試

験を実施しなければならない。特殊な汚染監視手段をもつAOPDDRに対してはこれだけの試験では十分

でないことがある。そのような場合には,指定の検出能力を検証するための追加試験を実施しなければな

らない。一例として,参照物体の反射率又は光学部品の光透過率の変化についての考察が必要となること

がある。汚染の監視手段に対する温度の影響には特別の注意を払わなければならない。 

5.4.7.2 

試験用不透明斑点を用いる汚れ試験 

斑点状汚れに対する耐性試験は,次のように実施しなければならない。 

− 斑点状汚れを,次の三つの異なる直径の試験用不透明斑点を用いて模擬する。 

・ ハウジング面における投光器ビームの(平均)直径の半分 

・ ハウジング面における受光器ビームの(平均)直径の半分 

・ 10 mm 

− 投光器ビームの波長における試験用斑点の拡散反射係数は,18〜22 %の範囲になければならない。 

− 試験の間,試験用斑点は,AOPDDRの検出能力試験に対して適切な位置に置く。 

− 模擬した斑点状汚れが5秒以内にOSSDをオフ状態にする,又は指定の検出能力を低下させないこと

を確認する。 

− 模擬した汚れがOSSDをオフ状態にするときは,再起動インターロック(あるとき)の作動又は電源

の投入によってOSSDがオン状態にならないことを確認する試験を実施しなければならない。再起動

インターロックがあるときは,模擬した汚れを除去してもOSSDはオフ状態を維持しなければならな

い。 

注記1 この規格では,投光器ビーム(ガウスレーザビーム)の直径は,強度レベルが1/e2となる直

径で定義する。[e(自然対数の底)は,2.718]。 

注記2 この規格では,受光器ビームの直径は,光学窓面における受光器の光学的開口径で定義する。 

5.4.7.3 

投光器及び受光器のビーム領域の均一汚れ試験 

均一汚れに対する耐性試験は,次のように実施しなければならない。 

− 均一汚れは,1 mm当たりに4本以上の線密度をもつ灰色中間調のはく(箔)片を用いて模擬する。

はく片によって生じる反射が試験結果に影響してはならない。 

− 曲面の光学窓をもつAOPDDRの場合には,はく片がハウジングの光学窓の投光及び受光のビーム領

域の45°の円弧を覆わなければならない。平面の光学窓をもつAOPDDRの場合には,ハウジングの

光学窓の投光及び受光のビーム領域の25 %を覆い,最小限ハウジングの受光ビーム開口径を覆わなけ

ればならない。 

− 試験の間,はく片は,投光器及び受光器のビーム領域内でAOPDDRの検出能力に影響する位置に置

かなくてはならない。詳細は図13bを参照。 

− 供給者が指定した限界を超えるように模擬した均一汚れが,5秒以内にOSSDをオフ状態にするかど

うかを試験する。 

− 検出系の受信エネルギーが,模擬した均一汚れによって30 %低下しても,AOPDDRが正常運転状態

を継続するかどうかを試験する。 

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31 

B 9704-3:2011 (IEC 61496-3:2008) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

− 模擬した汚れがOSSDをオフ状態にするときは,再起動インターロック(あるとき)の作動又は電源

投入によってOSSDがオン状態にならないことを検証する試験を実施しなければならない。再起動イ

ンターロックがあるときは,模擬した汚れを除去してもOSSDはオフ状態を維持しなければならない。 

注記1 均一汚れの模擬には,同等の汚れを与える材料(例えば,粉末)を使用できる。 

注記2 例えば,ほこりの多い環境で用いる特定の用途では,AOPDDRの光学窓の汚れの蓄積速度は,

AOPDDRの取付方向と位置に影響されることがある。 

① AOPDDR(正面図) 
② 光学窓の投光・受光領域 
③ 曲面光学窓 
④ 平面光学窓 
⑤ 受光器ビームとほぼ同じ大きさの光学窓 

図13a−均一汚れの模擬に用いる異なる設計のAOPDDRハウジング及び光学窓の例 

(はく片なし) 

① AOPDDR(正面図) 
② 光学窓の投光・受光領域 
③ 曲面光学窓 
④ 平面光学窓 
⑤ 受光器ビームとほぼ同じ大きさの光学窓 
⑥ 45°はく片 
⑦ 25 %はく片 
⑧ 最小はく片 

図13b−均一汚れの模擬に用いる異なる設計のAOPDDRハウジング及び光学窓の例 

(正しいはく片位置) 

図13−均一汚れ試験 

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32 

B 9704-3:2011 (IEC 61496-3:2008) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

① AOPDDR(正面図) 
② 光学窓の投光・受光領域 
③ 曲面光学窓 
④ 平面光学窓 
⑤ 受光器ビームとほぼ同じ大きさの光学窓 
⑥ 45°はく片(正しくない位置) 
⑦ 25 %はく片(正しくない位置) 
⑧ 最小はく片(正しくない位置) 

図13c−均一汚れの模擬に用いる異なる設計のAOPDDRハウジング及び光学窓の例 

(正しくないはく片位置) 

図13−均一汚れ試験(続き) 

5.4.8 

背景の影響試験 

検出区域内の試験片の測定に背景が影響する場合には,供給者は背景の影響に関する最悪条件を明示し

なければならない。 

背景による検出能力への妨害試験は,次の背景を用いて5.2.1.2及び表1に従って実施しなければならな

い。 

a) 3 300 cd・lx−1・m−2以上の反射係数をもつコーナキューブ反射器。 

b) 1.8〜5 %の反射係数の拡散反射物体。 

c) 背景が検出能力に大きな影響を及ぼすと推定される場合には,上記のa) とb) との間の反射率をもつ

他の適切な背景材料。 

試験片と背景との間の最悪条件の距離は,測定によって決定しなければならない。 

AOPDDRが監視する最大の背景反射率を供給者が指定した場合は,指定の最大反射率を超える背景反射

が指定の時間内にOSSDをオフ状態にすることを検証する試験を実施しなければならない。この場合,上

記のa) による妨害試験は,コーナキューブ反射器の代わりに指定の最大反射率の背景を用いて,検出区

域に検出対象物の侵入がないときにはOSSDがオン状態を維持することを確認しなければならない。 

注記 図14に5.4.8の試験に適用可能な配置を示す。 

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33 

B 9704-3:2011 (IEC 61496-3:2008) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

① AOPDDR 
② 検出面 
③ 試験片 
④ 背景(大きさは,最悪条件となるように決める。) 

図14−背景による検出能力への影響試験 

5.4.9 

人為的妨害 

5.4.9.1 

試験用不透明斑点を用いる試験 

人為的な妨害に対する耐性試験は,次のように実施しなければならない。 

− 斑点状の人為的妨害は,直径15 mmの円形の試験用不透明斑点2個を用いて模擬する。一つは,投光

器ビームの波長において18〜22 %の拡散反射係数をもつ斑点とし,もう一つは,3 300 cd・lx−1・m−2

以上の反射係数をもつコーナキューブ反射特性をもつ斑点とする。 

− いずれの斑点を用いる試験の間にも,斑点は,光学窓面,及び妥当な限り,検出能力限定区域(4.1.4

参照)内のAOPDDR検出能力に影響する位置に置く。 

− 模擬した人為的妨害が5秒以内,又はA.12若しくはA.13の用途に指定した応答時間以内にOSSDを

オフ状態にする,又は指定の検出能力を低下させないことを検証する試験を行う。 

− 模擬した人為的妨害がOSSDをオフ状態にするときは,再起動インターロック(ある場合)の作動又

は電源投入がOSSDをオン状態にしないことを検証する試験を実施しなければならない。再起動イン

ターロックがある場合は,模擬した人為的汚れを除去してもOSSDはオフ状態を維持しなければなら

ない。 

ESPEが5.4.8の最終段落に示したように設計されている場合は,追加試験を,より低い反射率をもつ試

験用斑点を用いて実施しなければならない。この試験用斑点は,AOPDDRが正常運転状態を保つ範囲で許

容できる最大の反射率をもつものとしなければならない。 

注記1 これらの試験は,粘着テープ,ライターなどの小さな物体による人為的妨害を模擬するもの

である。 

注記2 5.4.7.2の試験用不透明斑点を用いる汚れ妨害試験は,人為的妨害に対する耐性のための試験

にもなる。 

5.4.9.2 

AOPDDRを覆う人為的妨害試験 

覆いに対する耐性試験は,次のように実施しなければならない。 

− 覆いに用いる材料は,黒色試験片,白色試験片及び再帰反射試験片(4.2.13参照)に対して規定した

反射率をもつものを用いる。 

− 上記の材料を用いて,検出能力限定区域(4.1.4参照)内で次のいずれかの覆い方をする。 

34 

B 9704-3:2011 (IEC 61496-3:2008) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

・ 曲面の光学窓をもつAOPDDRハウジングの光学窓は,90°円弧を覆う。 

・ 平面特性の光学窓をもつAOPDDRハウジングの光学窓は,面積の50 %を覆う。少なくとも一つ

の受光ビームが遮蔽されるものとする。 

− 試験は,次の手順で行わなければならない。 

a) AOPDDRを正常運転状態にする。 

b) AOPDDRの電源を切る。覆いを付ける。再び電源を入れる。起動インターロックがあるときはリ

セットする。 

c) OSSDは,少なくとも覆いが取り除かれるまでオフ状態を続けなければならない。 

d) 覆いを取り除く。起動インターロックがあるときはリセットする。 

e) 覆いを付ける。 

f) 

5秒以内又はA.12若しくはA.13の用途に指定した応答時間以内にOSSDがオフ状態になり,オ

フ状態を保つことを検証する。 

− 上記に規定した規模の覆いが検出されないと考えられる場合には,より大きな角度又は面積を覆う追

加試験を実施する。 

5.4.10 検出区域内の光学的遮蔽試験 

検出区域内の光学的遮蔽に対する耐性試験は,次のように実施しなければならない。 

− 光学的遮蔽を模擬する物体は,最小有効長0.3 mの円柱とする。その遮蔽用物体の表面は,発光ビー

ムの波長において18〜22 %の拡散反射係数をもつものとする。 

− 試験の間,遮蔽用物体は,AOPDDRの検出区域の平面に垂直な状態にする。 

− 遮蔽用物体の直径は,4.3.9の分析において異なる値に決定されない限り5 mmとする。 

− 検出区域は,可能な最大値に設定する。 

− OSSDがオンの状態で,遮蔽用物体を検出区域内のできるだけAOPDDRの近くに置いて試験する。 

− 黒色試験片(4.2.13.2参照)を用いる。 

− 光学的遮蔽が存在する状態で指定の検出能力が維持されることを検証するためにB試験を実施する。

黒色試験片を,遮蔽用物体にできるだけ近い距離,及び指定の最大検出距離において,遮蔽用物体に

よる光学的遮蔽を受けるように動かす。 

− 4.3.9の分析において,次のことが光学的遮蔽に対する耐性に影響することが示される場合には,追加

の試験を実施しなければならない。 

− AOPDDRと遮蔽用物体間の上記以外の距離 

− 検出区域の大きさ(最大値以外の設定) 

− 遮蔽用物体と試験片との間の上記以外の距離 

− AOPDDRからの他の距離における遮蔽用物体の他の直径(5 mm以外) 

− AOPDDRの前の遮蔽用物体の他の位置(例えば,他の角度) 

− 二つ以上の遮蔽用物体 

識別及び安全使用のためのマーキング 

6.1 

一般事項 

(追加。第1部の6.1によるほか,次の項目及び文を追加する。) 

k) 検出面の表示 

l) 

検出区域の開始点座標の表示 

35 

B 9704-3:2011 (IEC 61496-3:2008) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

第1部の6.1のb),c),d) 及びこの規格の6.1のl) が要求する表示は,装置へのマーキングでなく附属

文書中に示してもよい。 

附属文書 

(追加。第1部の7.によるほか,次の項目を追加する。) 

ESPE附属文書には,妥当な限り次の項目を含めなければならない。 

aaa) 

AOPDDR適用例(許容差域を示して)。 

bbb) 

検出区域及び許容差域の最大値及び最小値。検出区域設定のための原点も示す(図1を参照)。 

ccc) 

検出区域の境界と運転中の信頼性(機械の稼働率)を保証するために検出してはならない周囲物体

(例えば,壁,機械の一部)との間の必要最小距離に関する情報など。 

ddd) 

検出区域の設定に関する説明(許容差域の検討を含む。)及びこの規格の附属書Aに示すAOPDDR

のオプション機能についての詳細(このようなオプションがESPEに付加されている場合)。説明

している区域が3.4の定義による検出区域なのか,検出区域と許容差域を合わせた区域なのかを明

確にしなければならない。 

eee) 

A.12の要求事項を満たさない限り検出面への接近角度が30°を超える用途に全身検出トリップ装

置としてAOPDDRを使ってはならないこと,及びA.13の要求事項を満たさない限り検出面への接

近角度が30°を超える用途に人の部位を検出する装置としてAOPDDRを使ってはならないことの

指示。 

fff) 

煙及び鏡面反射がある場合のAOPDDRの挙動についての情報。 

ggg) 

AOPDDRにハウジングを追加すると検出機能がどのように影響されるかの情報。例えば,追加ハ

ウジングが光を減衰させる効果などによって検出能力及び検出区域に影響する可能性。 

hhh) 

用途によっては,検出区域を床に表示することの推奨。 

iii) 

設定した検出区域,設定した日付,AOPDDRの製造番号及び責任者識別の文書化に関する説明。 

jjj) 

AOPDDRが通常運転中に,同一設計のAOPDDRによって影響を受け得る場合は,4.3.5及び5.4.6.7.2

による据付上の制限。 

kkk) 

この規格には規定がないが指定の検出能力を低下させる可能性のある外部的な影響に関する情報。

例えば,溶接スパッタ,赤外線式リモコン,5.4.6.2に規定する光源以外の蛍光灯光及びストロボ光,

雪,雨,汚れ,及び熱対流。 

lll) 

光学窓の損傷を定期的に点検する必要性に関する情報(用途によって)。 

mmm) AOPDDRの据付状態及び検出区域の設定不良を定期的に点検する必要性に関する情報(用途によ

って)。 

nnn) 

レーザ放射によって起こり得る影響を避けるために必要な方策に関する情報(影響があるとき)。 

ooo) 

AOPDDRに検出能力限定区域があるときは,4.1.4に要求する情報。 

ppp) 

5.4.6.4.1のb) の要求が該当するとき,白熱電球光源による干渉を回避するための情報。この情報

には,使用中のAOPDDRに影響する光源の例,及びAOPDDRとこれらの光源との間の適切な距

離に関する情報を含めなければならない。 

qqq) 

最小検出可能サイズ(4.2.12.3参照)の対象物がAOPDDR検出区域内を最悪条件方向に動くとき

に検出可能な最大速度に関する情報。 

rrr) 

検出能力が117 mmを超えるAOPDDRにあっては,検出区域に平行接近する対象物を保護する用

途に用いてはならないこと(JIS B 9715の6.2)に関する情報。 

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B 9704-3:2011 (IEC 61496-3:2008) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A 

(規定) 

ESPEのオプション機能 

次の事項を除いて第1部の附属書Aを適用する。 

(削除) 

A.8は適用しない。 

(追加) 

次のA.9〜A.13を追加する。 

A.9 検出区域及び/又は他の安全関連パラメタの設定 

A.9.1 機能要求事項 

検出区域及び/又は他の安全関連パラメタは,特別な手段を用いなければ設定できないようにしなけれ

ばならない。このような手段には,例えば,ソフトウェアへのアクセス用パスワードがある。 

パラメタなどの設定を,正しく作動することが実証されていないハードウェア及び/又はソフトウェア

を用いたパソコン又は同等品を用いて実施する場合は,検出区域の設定には特別な手順を用いなければな

らない。この手順は,関連するコンピュータ規格(第1部の4.2.11も参照)に適合しなければならない。

検出区域の設定には,AOPDDR供給者が提供するソフトウェアを用いなければならない。 

設定手順には,AOPDDRへ入力したパラメタを設定用機器(例えば,パソコン)に再送し,再送データ

を設定者が確認することを含めなければならない。 

このような手順は,安全関連の全ての設定(例えば,応答時間の設定)に対して用いなければならない。 

注記 安全関連パラメタの設定は,指定された者だけが行う作業である。 

A.9.2 検証 

検出区域又は安全関連パラメタの設定に関し,次の検証を行わなければならない。 

a) 各パラメタ(最小値,最大値及び代表値)の設定機能が正しく作動することの検証。 

注記 設定機器(例えば,パソコン)に画面表示された検出区域と実際のAOPDDR検出区域とが

相違する可能性を考慮しなければならない。 

b) 設定パラメタの妥当性が装置内で検査されることの検証(例えば,試しにあり得ない値を設定するこ

となどによって。)。 

c) 設定用プログラムへの使用者のアクセス方法及びパラメタ設定方法が関連規格(例えば,第1部の

4.2.11又は他の関連規格を参照)の要求事項に適合していることの検証。 

d) 運転中に検出区域の大きさを変える場合は,検出区域の大きさを決めるデータ/信号の生成及び処理

が,単一障害によって安全機能が失われない方法によって行われることの検証。そのような単一障害

は検出され,OSSDをオフ状態にとどめるか,AOPDDR応答時間以内にOSSDをオフ状態にすること

の検証。 

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B 9704-3:2011 (IEC 61496-3:2008) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

A.10 複数検出区域の選択 

A.10.1 機能要求事項 

AOPDDRが二つ以上の検出区域をもつ場合は,単一障害によって,選択中の区域から他の区域へ意図し

ない切換わりを生じてはならない。それ自体ではAOPDDRの危険側故障を招かない単一障害が検出され

ずに,次に起こるAOPDDR内部故障によってAOPDDRが危険側故障に至ってはならない。 

注記1 検出区域切換信号をAOPDDRの外部の機器で生成する場合は,これらの外部機器は他の該

当規格[例えば,JIS B 9705-1,JIS C 0508(規格群),JIS B 9961]の関連要求事項を満たす

必要がある。 

意図する検出区域への切換え又は追加の検出区域の有効化を阻害する単一障害が生じたときは,

AOPDDRは規定された応答時間内にロックアウト状態にならなければならない。 

注記2 異なる検出区域の応答時間(製造者仕様)は,互いに異なることがある。 

検出区域の大きさをオンラインで(例えば,外部入力によって)変更する場合も,上記要求事項を適用

する。 

AOPDDRは,検出区域が有効になる状況を監視しなければならない。検出区域を有効にする順序を使用

者が決めることが可能でなければならない。検出区域を有効にする順序の誤りが検出されたときは,

AOPDDRはロックアウト状態にならなければならない。 

注記3 検出区域の自動選択は,ミューティング機能(第1部のA.7参照)ではない。 

A.10.2 検証 

複数の検出区域の選択についての機能要求事項は,次によって検証しなければならない。 

a) 単一障害によって,選択中の区域から他の区域へ意図しない切換わりが生じないことの検証。単一障

害が,検出区域の意図的切換え又は追加検出区域の有効化を妨げないことの検証。検出されない単一

障害の次に起こる故障がESPEの危険側故障を招かないことを5.3.4に従って検証しなければならない。 

b) 共通モード故障が検出区域を無効化又は変化させることがないことの検証。 

c) 切り換えた全ての検出区域において,ESPEの指定の応答時間が満足されることの検証。 

d) 検出区域を有効にする順序を使用者が設定でき,監視できることの検証。 

e) 検出区域有効化の順序が使用者の設定した順序と異なるときAOPDDRがロックアウト状態になるこ

との検証。 

注記 検出区域の切換時に既に人が検出区域内に存在する可能性を考慮する必要がある。 

A.11 検出区域の自動設定 

A.11.1 機能要求事項 

AOPDDRが検出区域を自動設定できるものであるとき,設定した検出区域は,検出区域の境界に沿う最

大幅75 cmの回廊部分の全てを試験片が少なくとも一回侵犯することによって,検出機能の完全性を検証

した後においてだけ,ESPEの運用を可能にしなければならない。この回廊部分は,検出区域境界の内側

にしなければならない。 

検出区域の自動設定は,ツールを用いてだけ可能でなければならない。このツールには,例えば,設定

プログラムのアクセス用パスワードがある。 

検出区域を自動設定する方式のESPEの距離測定誤差(許容差域)を決めるときは,この規格が示す全

ての条件,特に環境妨害について考慮しなければならない。 

38 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

A.11.2 検証 

検出区域の自動設定に関する機能要求事項は,次の試験によって検証しなければならない。 

a) A.9.2のa),b) 及びc) による試験。 

b) 検出区域の境界に沿う最大75 cmの回廊の全ての部分を試験片が少なくとも一回侵犯することによっ

て,自動設定検出区域が要求事項を満たすことの検証。 

c) 検出区域の自動設定を行うためには,ツール(例えば,設定プログラムへのアクセス用パスワード)

が必要であることの検証。 

A.12 垂直接近の全身検出トリップ装置として用いるAOPDDR 

A.12.1 機能要求事項 

検出面に対する接近角が±30°を超えるような用途にAOPDDRを用いるときは,AOPDDRは参照境界

監視の機能を備えなければならない。 

注記1 参照境界監視は,参照距離とAOPDDR測定距離とを比較する。参照距離は,AOPDDRと参

照境界(例えば,壁)との間の実際の距離である。OSSDがオン状態を続けるためには,距

離の測定値が参照距離±許容差域幅の中に入らなければならない。図BB.6も参照。 

距離の測定値が参照距離と許容差域との和を超えるときには,OSSDはオフ状態にならなければならな

い。 

AOPDDRを垂直接近の全身検出トリップ装置として用いるときは,検出能力が200 mmを超えてはなら

ない。 

図A.1に示すように,参照境界を安全防護壁開口部の縁に設定する場合は,許容差域の幅(a)は100 mm

を超えてはならない。bは,AOPDDRが試験片を確実に検出するように十分小さな値でなければならない。 

図A.2に示すように,許容差域の幅が100 mmを超える場合は,開口部の外側部分に重なる幅(o)を確

保する必要がある。(参照境界は,開口部の縁とは別に設ける。) 

oは,次の式で計算する。 

(

)d

TZ

o

×

2

ここに, 

TZ: 許容差域の幅 

d: 検出能力(200 mm以下とする。) 

注記2 この要求事項の目的は,人が検出されずに検出区域の端部を通り抜けできないことを保証す

ることである。 

4.2.13に規定する試験片を侵入方向に,試験片軸が検出面と直角をなすように1.6 m/sの速さで侵入させ

たとき,検知器が作動しOSSDがオフ状態に移行しなければならない。供給者仕様が1.6 m/s以上でも検

出できるとする場合は,指定の最大速度においてこの要求を満足しなければならない。 

注記3 この要求事項の目的は,人又は人の部分が検出区域を通り抜けるとOSSDがオフになること

を保証することである。 

OSSDが一度オフになったら,試験片が検出区域内にある間又は80 msのいずれか長い方の時間オフ状

態を続けなければならない。 

注記4 この要求事項の目的は,OSSDが一度オフになったら,再起動インターロックが作動する(再

起動を禁止する状態になる。)までオフ状態にあることを保証することである。 

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39 

B 9704-3:2011 (IEC 61496-3:2008) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

① AOPDDR 
② 検出区域 
③ 許容差域 

図A.1−全身トリップ装置として用いるAOPDDR−例1 

① AOPDDR 
② 参照境界 
③ 検出区域 
④ 許容差域 

図A.2−全身トリップ装置として用いるAOPDDR−例2 

40 

B 9704-3:2011 (IEC 61496-3:2008) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

A.12.2 検証 

次のことを検証しなければならない。 

a) ESPEの附属文書は,A.12.1に適合する据付けを行うために必要な情報を含んでいる。 

b) 距離測定値が参照境界への距離と許容差域幅との合計値を超えるときには,OSSDがオフ状態になる。 

c) 検出能力は200 mm以下である。 

d) 附属文書に,許容差域が100 mmを超えるときは検出区域の端部を人が検出されずに通過できないこ

とを保証するために必要な情報を含んでいる。 

e) 検出区域の端部(例えば,各コーナ)及び5.2.1.2.1の分析で最も不利であるとみなされた場所で,試

験片(長さ150 mm)を,侵入方向に,試験片軸が検出面と垂直になるようにして1.6 m/sの速さで侵

入させたとき,OSSDがオフ状態に移行する。OSSDが一度オフになったら,試験片が検出区域内に

ある間又は80 msのいずれか長い方の時間オフ状態にとどまる。 

A.13 垂直接近する人の部位によるトリップ装置としてのAOPDDRの使用 

A.13.1 機能要求事項 

検出面に対する接近角が±30゜を超えるような用途にAOPDDRを用いるときは,AOPDDRは参照境界

監視機能を備えなければならない。検出区域を連続的に通過(侵犯)しないで危険区域に到達できてはな

らない。 

注記1 参照境界監視は,参照距離とAOPDDR測定距離とを比較する。参照距離は,AOPDDRと参

照境界(例えば,壁)との間の実際の距離である。AOPDDRがオン状態を続けるためには,

距離の測定値が参照距離±許容差域幅の中に入らなければならない。 

距離の測定値が参照境界への距離と許容差域幅の合計値を超えるときは,OSSDがオフ状態にならなけ

ればならない。 

AOPDDRを垂直接近する人の部位によるトリップ装置として用いるときは,検出能力は30〜70 mmの

範囲になければならない。 

図A.3に示すように,参照境界を安全防護壁開口部の縁に設定する場合は,許容差域の幅(図A.3のa

の値)が指定の検出能力の半分を超えてはならない。図A.3のbの値は,AOPDDRが試験片を確実に検出

するように十分小さな値でなければならない。 

許容差域の幅が指定の検出能力の半分を超える場合は,図A.4に示す重なり幅(o)が必要である。 

oは,次の式で計算する。 

(

)d

TZ

o

×

2

ここに, 

TZ: 許容差域の幅 

d: 検出能力(30〜70 mm) 

注記2 この要求事項の目的は,人の部位が検出区域端部で検出されずに侵入することができないこ

とを保証することである。 

OSSDが一度オフになったら,試験片が検出区域内にある間はオフ状態を続けなければならない。 

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41 

B 9704-3:2011 (IEC 61496-3:2008) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

① AOPDDR 
② 検出区域 
③ 許容差域 

図A.3−人の部位によるトリップ装置としてのAOPDDR使用例−例1 

① AOPDDR 
② 参照境界 
③ 許容差域 
④ 検出区域 

図A.4−人の部位によるトリップ装置としてのAOPDDRの使用例−例2 

42 

B 9704-3:2011 (IEC 61496-3:2008) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

A.13.2 検証 

次のことを検証する。 

a) 附属文書は,A.13.1に適合する据付けを行うために必要な情報を含んでいる。 

b) 距離測定値が参照境界への距離と許容差域との合計値を超えるときは,OSSDがオフ状態になる。 

c) 検出能力は30〜70 mmの範囲内にある。 

d) 附属文書は,許容差域が検出能力の半分を超えるときは,検出区域の端部を人の部位が検出されずに

は通過できないことを保証するために必要な情報を含んでいる。 

e) 試験片が検出区域にある限りOSSDはオフ状態を続ける。 

43 

B 9704-3:2011 (IEC 61496-3:2008) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書B 

(規定) 

ESPE電気用品の単一障害一覧表 

(5.3の危険側故障として考慮するもの) 

第1部の附属書B(規定)をそのまま適用する。 

44 

B 9704-3:2011 (IEC 61496-3:2008) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書AA 

(参考) 

種々の用途におけるAOPDDRの使用例 

注記 TS B 62046は,その附属書EにAOPDDR使用のための追加推奨事項を含んでいる。TS B 62046

がJISに制定されたときには,この附属書AAの中の重複事項は削除する予定である。 

AA.1 一般事項 

AOPDDRを使用するときには,次のことを考慮することが望ましい。 

a) 危険源を同定し,リスクアセスメントを行う(JIS B 9700-1及びJIS B 9702を参照)。 

b) 関連する機械類の規格を考慮に入れて,その機械の保護装置としてAOPDDRが適切かどうか確認す

る。この規格が規定するAOPDDRは,指の保護には適さない。 

c) AOPDDRの附属文書を調べてAOPDDR適用上の要求事項が満たされているかどうか確認する。次の

点には特別の注意を払う。 

− 環境条件(屋内使用/屋外使用,煙,雨,雪,温度など) 

− 検出対象物の反射率(例えば,鏡面反射特性をもつ対象物の検出は保証されない。) 

− 背景の影響 

− 物又は人の移動速度 

− 陰(かげ)領域(陰領域は固定物体の背後に生じる。陰領域内にいる人はAOPDDRで検出でき

ない。) 

d) この附属書に示す例及びAOPDDRの附属文書に従って,最小安全距離を算出する。 

e) AOPDDRによる検出を逃れて人が危険区域に近づくことはできないことを,最終据付状態において確

認する。 

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45 

B 9704-3:2011 (IEC 61496-3:2008) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

AA.2 機械におけるAOPDDR使用例 

図AA.1−機械におけるAOPDDR使用例 

最小安全距離Sは,JIS B 9715の6.2に従って,次の式を用いて計算する。 

S=(K×T)+C 

S=(1 600 mm/s×T)+(1 200 mm−0.4 H) 

ここに, K :人の移動速度=1 600 mm/s 

C :最小検出物体から計算する追加距離 

Cmin=850 mm 

H :床から検出面までの高さ 

Hmin=15 (d−50 mm) 

T :全応答時間 

T=TAOPDDR+TMACHINE 

d :検出能力 

TAOPDDR :AOPDDRの応答時間 

TMACHINE :機械の応答時間 

検出区域を設定するときには,許容差域の値を最小安全距離Sに加えた範囲を検出領域内に含める。 

“S+許容差域”までの距離において試験片を検出することが保証されるように,a(検出できない領域)

の値は十分に小さくする。試験片の直径(検出能力)は,式d=(H/15)+50 mm[JIS B 9715の6.2の式(8)

を参照]によって決める。 

① 機械 

② AOPDDR 
③ 検出面 
④ 危険源 
⑤ 検出区域 
⑥ 許容差域 

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46 

B 9704-3:2011 (IEC 61496-3:2008) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

AA.3 AGV(無人搬送車)におけるAOPDDR使用例 

① AGV 
② AOPDDR 
③ 検出面 
④ 検出区域 
⑤ 許容差域 
⑥ 検出区域への追加部分 

図AA.2−AGVにおけるAOPDDR使用例 

最小安全距離Sは,例えば,AGVの最大速度,AOPDDR応答時間(検出時間)及びAGVの制動距離も

考慮して決める。 

AGV用の保護装置としてAOPDDRを用いるときには,検出区域を拡張する必要がある。この拡張部分

の値は,例えば,AGV前部の自由空間の不足,人の移動速度及びブレーキ効果の減少を考慮に入れて決め

る。検出区域を設定するときには,許容差域及びAGV用途に特に必要な拡張幅を最小安全距離Sに加え

る。 

検出面はできるだけ床面近くに設定し,高さHが200 mmを超えてはならない(図AA.2のH及びEN 1525

参照)。 

AGVが停止しているときにAGV前部と検出区域との間に人が立つことができる場合は,AGVが発進し

たときの傷害を防ぐための他の安全方策を備える。 

AA.4 全身トリップ及び人の部位によるトリップの複合装置としての使用例 

注記 この用途例については,A.12及びA.13を参照。 

47 

B 9704-3:2011 (IEC 61496-3:2008) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

AA.5 AOPDDRの応答時間の計算例 

装置の例: 

− 回転鏡によるAOPDDR走査 

− 鏡の回転周波数:20 Hz(周期T=50 ms),許容差±4 % 

− 検出条件:連続2回の180°走査で検出 

応答時間の計算: 

− 検出に要する鏡回転時間(往復2回分) 

100 ms 

− 180°走査に要する最大時間(半回転) 

25 ms 

− 180°走査後の評価時間 

15 ms 

− 鏡回転誤差(125 msの4 %) 

5 ms 

− ESPEリレーの作動時間 

15 ms 

ESPEの合計応答時間: 

160 ms 

注記 リレーの作動時間が検出されないまま増加する障害は,この計算の中では考慮していない。設

計によっては,このような増加を検出できない可能性もある。 

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48 

B 9704-3:2011 (IEC 61496-3:2008) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書BB 

(参考) 

距離測定誤差と検出確率との関係 

この規格でいう検出確率は,距離測定誤差(測定精度)によって決まるものであり,装置の故障確率に

関係するものではない。検出区域の境界に置かれた試験片の距離を測定したとき,測定値が検出区域の内

側になる確率は,標準分布関数を使って次のように計算できる。 

5.0

π

2

1

)

(

0

2

2

=

=

∫∞

dz

e

z

F

z

この計算は,測定値が正規分布に従うという仮定に基づいている。図BB.1に,距離測定誤差と検出区

域の関係を示す。 

① AOPDDR 
② 検出区域 
③ 試験片 
④ 測定値の標準正規分布 

図BB.1−距離測定誤差と検出区域との関係 

検出判定条件に許容差域を考慮しないと,検出区域内での検出確率はとても受け入れられないほど低く

なる(0.5になる)。この規格は,装置供給者が許容差域を指定することを要求している。図BB.2,図BB.4

及び図BB.5は,許容差域を考慮することによって必要な検出確率が達成されることを示す。この規格が

規定する許容差域には幾つかの異なる事項が影響する。図BB.4及び図BB.5は総合的な許容差域を示し,

図BB.2は確率に関連する許容差域④だけを示す。図BB.4及び図BB.5に示す許容差域⑥は,系統的干渉

などに依存する部分である。 

検出区域に5σ の追加域(図BB.2の許容差域)を加えて“検出”の判定をすると,検出区域の境界に置

かれた試験片が“検出”される確率は,標準分布関数を用いて次のように算出される。 

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49 

B 9704-3:2011 (IEC 61496-3:2008) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

7

5

2

10

9.2

1

π

2

1

)

(

2

×

=

=

dz

e

z

F

z

σ

この計算は測定値が正規分布に従うという仮定に基づいている。図BB.2は,距離測定誤差(確率分布

曲線),検出区域及び許容差域の関係を示している。 

図BB.2において,測定値が②の範囲に入った場合だけを“検出”とする条件にすれば図の位置にある

試験片が検出区域内にあると判定される確率は0.5である。AOPDDRによって保護しなければならない領

域に対応して検出区域を設定する場合は,計算した安全距離に許容差域の幅を加えた範囲に入る測定値を

“検出”として扱わなければならない。図の②+④の範囲に入る測定値を全て“検出”として扱う条件に

すれば,図の位置にある試験片が検出される確率が1−2.9×10−7になる。 

① AOPDDR 
② 検出区域 
③ 試験片 
④ 許容差域(確率的部分) 
⑤ 測定値の標準正規分布 

図BB.2−距離測定誤差,検出区域及び確率的許容差域の関係−例1 

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50 

B 9704-3:2011 (IEC 61496-3:2008) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

① AOPDDR 
② 検出区域 
③ 試験片 
④ 許容差域(確率的部分) 
⑤ 測定値の標準正規分布 

図BB.3−距離測定誤差,検出区域及び確率的許容差域の関係−例2 

図BB.3は許容差域の外側にある試験片が“検出”されることもあり得ることを示す。図の位置にある

試験片が“検出”される確率は0.022 8である。したがって,検出区域及び許容差域を設定する場合は,許

容差域の外縁が周囲の固定物(例えば,壁,機械の構造部)から十分に離れているときだけ運用の信頼性

が得られることを考慮しなければならない[箇条7 ccc) も参照]。 

許容差域(測定誤差)は,確率的でないもの,例えば,背景の影響によっても影響される。許容差域の

この部分は,5.3及び5.4によって検証することが望ましい。図BB.4及び図BB.5に総合的な許容差域(確

率的部分と系統的部分との和)を考慮した場合の関係を例示する。二つの図の違いは,許容差域の確率的

部分及び系統的部分の大きさが設計によって異なることを示しているだけである。5σ の値及び系統的誤

差の大きさは,AOPDDRの設計に依存する。 

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51 

B 9704-3:2011 (IEC 61496-3:2008) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

① AOPDDR 
② 検出区域 
③ 試験片 
④ 許容差域(確率的部分) 
⑤ 測定値の標準正規分布 
⑥ 許容差域(系統的干渉,測定分解能などに関係する部分) 

図BB.4−距離測定誤差,検出区域及び総合許容差域の関係−例1 

① AOPDDR 
② 検出区域 
③ 試験片 
④ 許容差域(確率的部分) 
⑤ 測定値の標準正規分布 
⑥ 許容差域(系統的干渉,測定分解能などに関係する部分) 

図BB.5−距離測定誤差,検出区域及び総合許容差域の関係−例2 

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52 

B 9704-3:2011 (IEC 61496-3:2008) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

A.12.1は,AOPDDRを全身検出トリップ装置として用いる場合について規定している。検出区域が侵入

を受けた場合だけでなく,距離の測定値が参照境界までの距離と許容差域幅の和を超えた場合(あっては

ならないとみなす。)にもOSSDがオフになることを要求している。図BB.6は,参照境界(例えば,壁)

の距離測定値分布及び検出対象物(検出区域境界上にある。)の距離測定値分布を示す。C≧dであれば対

象物が参照境界の一部であると誤認される確率は十分小さい。C<dの場合は,図BB.7に示すように,対

象物が参照境界と誤認されて検出されない可能性がある。図BB.6及び図BB.7は,簡単化のために確率的

側面だけを示している。 

注記 Cは検出区域境界と参照境界との距離,dは許容差域の2倍である。 

① 参照境界 

図BB.6−参照境界監視−測定値の分布−例1 

① 参照境界 

図BB.7−参照境界監視−測定値の分布−例2 

53 

B 9704-3:2011 (IEC 61496-3:2008) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

この規格が要求する検出確率1−2.9×10−7は,JIS B 9961(又はJIS C 0508-1)の表3(SIL 2)を考慮し

て決定した。運用時の検出区域侵犯頻度を3回/hと仮定したとき,1時間当たりの検出失敗確率を10−6

以下にするために検出区域を侵犯する実体が検出されない確率を2.9×10−7以下に制限した。2.9×10−7は,

正規分布では誤差が5σ(片側幅)を超える累積確率である。 

注記1 SIL 2は,ESPEの1時間当たりの危険側故障率(PFHD)が10−7〜10−6の範囲にあることを

要求している。1回の侵犯の見逃し確率を2.9×10−7に抑えれば1時間内の見逃し確率は3×

2.9×10−7=9.7×10−7となりSIL 2の下限10−6以下になるという考えである。測定誤差(確

率的)による検出の失敗をESPEの危険側故障による失敗と等価とみなしたのである。1時

間当たりの侵犯頻度が3回を超えるような現場は少ないであろうから,5σ の許容差域を考慮

すればSIL 2の適用に耐えると考えられる。 

図BB.1〜図BB.5は,単一測定(1oo1)における説明である。AOPDDRが,検出判定にMooM評価論理

(M>1,例えば,3oo3)又はNooM評価論理(N<M,例えば,2oo3)を用いる場合がある。MooM評価

論理(M>1)を用いる場合には,単一測定に必要な検出確率は1oo1評価論理の場合よりも高いことが必

要である。 

図BB.8は,MooMによって検出確率1−2.9×10−7を達成する場合,Mと単一測定に必要な検出確率(POD)

との関係を対数目盛で示している。 

注記2 MooM(M out of M)評価論理とは,M回走査してM回全てが“検出”の判定になったとき

対象物を検出したとみなす評価論理である。例えば,M=1のときPOD=1−2.9×10−7,M=

28のときPOD=1−1.0×10−8である。 

図BB.9は,MooMによって検出確率1−2.9×10−7を達成する場合,単一測定に必要な検出確率(POD)

及びそのPOD達成に必要な許容差域の片側幅(σ の倍数)を示している。測定値は正規分布に従うものと

する。 

注記3 例えば,M=1のときPOD=1−2.9×10−7,σ =5。M=28のときPOD=1−1.0×10−8, 

σ =5.6である。図BB.8のPODは対数目盛で,図BB.9のPODは直線目盛で示している。

二つのPOD曲線は実質的に同じものである。 

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54 

B 9704-3:2011 (IEC 61496-3:2008) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図BB.8−MooM評価(1≦M≦50)Mに対する単一測定の検出確率(正規分布の場合) 

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55 

B 9704-3:2011 (IEC 61496-3:2008) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

① σ 
② POD(検出確率) 

図BB.9−MooM評価(1≦M≦50)Mに対応して必要な単一測定の 

検出確率(POD)及びσ(正規分布の場合) 

56 

B 9704-3:2011 (IEC 61496-3:2008) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

参考文献 

JIS B 9700-1 機械類の安全性−設計のための基本概念,一般原則−第1部:基本用語,方法論 

注記 対応国際規格:ISO 12100-1,Safety of machinery−Basic concepts, general principles for design−Part 

1: Basic terminology, methodology(IDT) 

JIS B 9700-2 機械類の安全性−設計のための基本概念,一般原則−第2部:技術原則 

注記 対応国際規格:ISO 12100-2,Safety of machinery−Basic concepts, general principles for design−Part 

2: Technical principles(IDT) 

JIS B 9702 機械類の安全性−リスクアセスメントの原則 

注記 対応国際規格:ISO 14121,Safety of machinery−Principles of risk assessment(IDT) 

JIS B 9705-1 機械類の安全性−制御システムの安全関連部−第1部:設計のための一般原則 

注記 対応国際規格:ISO 13849-1,Safety of machinery−Safety-related parts of control systems−Part 1: 

General principles for design(IDT) 

JIS B 9961 機械類の安全性−安全関連の電気・電子・プログラマブル電子制御システムの機能安全 

注記 対応国際規格:IEC 62061,Safety of machinery−Functional safety of safety-related electrical, 

electronic and programmable electronic control systems(IDT) 

JIS C 0508-1 電気・電子・プログラマブル電子安全関連系の機能安全−第1部:一般要求事項 

注記 対応国際規格:IEC 61508-1,Functional safety of electrical/electronic/programmable electronic 

safety-related systems−Part 1: General requirements(IDT) 

JIS C 0920 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード) 

注記 対応国際規格:IEC 60529,Degrees of protection provided by enclosures (IP code)(IDT) 

TS B 62046:2010 機械類の安全性−人を検出する保護設備の使用基準 

注記 対応国際規格:IEC/TS 62046:2008,Safety of machinery−Application of protective equipment to 

detect the presence of persons(IDT) 

IEC 60812,Analysis techniques for system reliability−Procedure for failure mode and effects analysis (FMEA) 

IEC 61025,Fault tree analysis (FTA) 

EN 1525:1997,Safety of industrial trucks−Driverless trucks and their systems 

注記 EN 1525はISO 3691-4-2に置き換わる予定である。