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B 9225-5:2015 (ISO 11783-5:2011) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 技術的要件 ······················································································································ 2 

4.1 一般 ···························································································································· 2 

4.2 アドレス設定機能 ·········································································································· 3 

4.2.1 一般 ·························································································································· 3 

4.2.2 設定不可能アドレス ····································································································· 3 

4.2.3 自己設定可能アドレス ·································································································· 3 

4.2.4 サービス設定可能アドレス ···························································································· 3 

4.2.5 コマンド設定可能アドレス ···························································································· 3 

4.3 NAME及びアドレス要件································································································· 4 

4.3.1 一般 ·························································································································· 4 

4.3.2 NAME ······················································································································· 4 

4.3.3 アドレス ···················································································································· 7 

4.4 ネットワーク管理手順 ···································································································· 8 

4.4.1 一般 ·························································································································· 8 

4.4.2 アドレス管理メッセージ及び手順 ··················································································· 8 

4.4.3 NAME管理メッセージ及び手順 ···················································································· 11 

4.4.4 ネットワークエラー管理 ······························································································ 20 

4.5 ネットワークの初期化 ··································································································· 20 

4.5.1 固有アドレスの取得 ···································································································· 20 

4.5.2 アドレス要求要件 ······································································································· 21 

4.5.3 初期化のその他の基本的要件 ························································································ 21 

4.5.4 メッセージ・シーケンス ······························································································ 22 

4.5.5 アドレス獲得不可CF(コントロールファンクション) ······················································ 27 

4.6 物理的要件 ·················································································································· 27 

4.6.1 電源電圧外乱に対する反応 ··························································································· 27 

4.6.2 電源投入,接続又は切断時のネットワーク妨害 ································································ 27 

附属書A(参考)NAMEの作成例 ·························································································· 29 

B 9225-5:2015 (ISO 11783-5:2011) 

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本農業機械工業会(JAMMA)

及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS B 9225の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS B 9225-3 第3部:データリンク層 

JIS B 9225-5 第5部:ネットワーク管理 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 9225-5:2015 

(ISO 11783-5:2011) 

農業機械−シリアル制御及び通信データ・ 

ネットワーク−第5部:ネットワーク管理 

Tractors and machinery for agriculture and forestry-Serial control and 

communications data network-Part 5: Network management 

序文 

この規格は,2011年に第2版として発行されたISO 11783-5を基とし,トラクタと作業機との間におけ

る通信制御技術を製造業者間で共通化するため,技術的内容及び構成を変更することなく作成した日本工

業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。 

適用範囲 

この規格は,農業用トラクタと,直装,半直装,けん(牽)引又は自走の作業機とのシリアル・データ

網の制御及び通信に関する要件について規定する。その目的は,トラクタ又は作業機に直装されるセンサ

ー,アクチュエータ,制御素子と,情報保存・表示装置との間でのデータ転送形式及び方法を標準化する

ことである。この規格は,電子制御装置(以下,ECUという。)のコントロールファンクション(以下,

CFという。)のためのソースアドレス(以下,SAという。)管理,デバイスの機能識別によるアドレス関

連付け及びネットワーク関連エラー検出並びに報告について規定する。また,ネットワーク接続された

ECUの瞬間停電に対する応答及び初期化の手順並びに最小要件について規定する。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 11783-5:2011,Tractors and machinery for agriculture and forestry−Serial control and 

communications data network−Part 5: Network management(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ

とを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 9225-3 農業機械−シリアル制御及び通信データ・ネットワーク−第3部:データリンク層 

注記 対応国際規格:ISO 11783-3:2007,Tractors and machinery for agriculture and forestry−Serial 

control and communications data network−Part 3: Data link layer(IDT) 

ISO 11783-1,Tractors and machinery for agriculture and forestry−Serial control and communications data 

network−Part 1: General standard for mobile data communication 

ISO 11783-2,Tractors and machinery for agriculture and forestry−Serial control and communications data 

B 9225-5:2015 (ISO 11783-5:2011) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

network−Part 2: Physical layer 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,ISO 11783-1によるほか,次による。 

3.1 

コントロールファンクション,CF(control function) 

デバイス外部又は内部上での特定機能を完結し実行する機能。 

注記 CFは,ネットワーク上で一つの固有のアドレスをもつ。 

3.2 

現在のNAME(current NAME) 

アドレスを要求したメッセージで送信されたCF NAME。 

3.3 

NAME管理,NM(NAME management) 

実行時にCFのNAMEを変更する方法。 

3.4 

保留NAME(pending NAME) 

適格と認められた送信元からのNAME管理メッセージの結果として,特定CFによって一時的に格納さ

れたNAME。 

3.5 

ランダム送信遅延,RT×D(random transmit delay) 

0.6 msに0〜255の範囲の乱数を乗じて算出した遅延時間。 

注記 乱数のシード値は,NAMEの識別番号か,又はCF内の他の固有情報を使用することができる。 

3.6 

サスペクトパラメータ番号,SPN(suspect parameter number) 

CFに関連付けられた特定の要素,構成要素,又はパラメータを識別するために使用される19ビットの

番号。 

注記 サスペクトパラメータ番号は,パラメータ・グループ内の個々のパラメータ,及びパラメータ・

グループのパラメータではない診断に関連するアイテムに割り当てられている。 

技術的要件 

4.1 

一般 

ISO 11783群によるネットワークのネットワーク管理は,ネットワーク上で固有にCFを識別し,アドレ

スを割り当て,ネットワーク・エラーを管理するのに,必要な定義及び手順を提供する。 

アドレスを選択するCFの能力は,4.2で示すCFのアドレス設定機能による。 

各CFは,その固有の64ビットのNAMEを提供できなければならない。アドレスとそのアドレス変更

の可否とを関連付けた,このNAMEを作り出す規則は,4.3に規定されている。 

CFはネットワーク上で何か他のメッセージを送信する前に,4.4に詳細に規定する手順に従って,アド

レスを要求して取得しなければならない。 

それぞれのCFが4.4.2.3の規定に従って,自分自身のアドレスを求めるならば,複数のCFはともに機

能を実行するために協力することができる。 

B 9225-5:2015 (ISO 11783-5:2011) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

手順に従ってアドレスを要求して取得することができない場合は,4.4.2.4に示す標準方法に従って処理

し,ネットワークに報告しなければならない。 

アドレス要求プロセスに関連付けられたネットワーク初期化シーケンスは,0で記載されている。 

ISO 11783-2の要件を拡張する一連の物理的な要件は,4.5に規定されている。 

タイムアウトが特に指定されていない場合には,JIS B 9225-3に規定するタイムアウトの初期設定が適

用される。 

4.2 

アドレス設定機能 

4.2.1 

一般 

アドレス設定は,特定のCFがアドレス要求に使用するSAを決定する方法である。アドレス要求プロセ

スの目的のために,二つの基本的なアドレスの設定機能,すなわち設定不可能なアドレス及び自己設定可

能なアドレスがある。これらは,CFのNAMEで,最上位ビットである自己設定可能アドレス・フィール

ドの値によって識別される。 

ISO 11783群準拠のCFは,自己設定可能アドレス(self-configurable-address-capable)でなければならな

い。設定不可能アドレス(non-configurable-address-capable)CFは,ISO 11783-5:2001のこの部分に準拠す

るCF及びSAE J1939準拠のCFとの互換性を可能にすることを,ネットワーク上で容認されなければな

らない。 

コマンド設定可能アドレスとサービス設定可能アドレスとの,二つの拡張アドレス設定機能もある。CF

は拡張アドレス設定機能の一つ以上を実装してもよい。 

4.2.2 

設定不可能アドレス 

設定不可能アドレスCFは,アドレス要求プロセスの間に,その初期アドレスを変更することはできな

い。複数の設定不可能アドレスCFが同じアドレスを要求している場合は,優先順位が最も高いNAMEを

もつCFだけがアドレスを取得できる。残りはアドレスを要求することができないことを宣言しなければ

ならない。 

自己設定可能アドレス・フィールドは,CFのNAMEで最上位ビットであるため,設定不可能アドレス

CFは,常に自己設定可能アドレスCFよりも高い優先順位をもっている。これは,設定不可能アドレス

CFが,自己設定可能アドレスCFに,別アドレス要求を強制することを意味する。 

4.2.3 

自己設定可能アドレス 

自己設定可能アドレスCFは,専用のアルゴリズムに基づいて,その初期アドレスを選択しそのアドレ

スを要求することができる。このCFはアドレス競合の場合でも,そのアドレス再計算及び再要求をする

ことができる(128と247との間の全120アドレスが使用されていない限り。)。NAMEの自己設定可能ア

ドレス・フィールドの値(4.3.2参照)が,CFにこの機能があるかどうかを示す。 

アドレス調停を失ったときに,CFはその初期アドレスだけを変更しなければならない。そして,128〜

247も含む範囲内のアドレスだけを使用しなければならない。しかし,CFの機能が割当て優先順位の高い

アドレスをもつものであれば,それはその優先アドレスを使用してもよい。 

4.2.4 

サービス設定可能アドレス 

サービス設定可能アドレスCFは,サービス技術者によって現場で,送信元アドレスを変更することが

できる。アドレスは,“サービス”モードで操作しているときに,何らかの独自技術,又はコマンドアドレ

スメッセージを使用し変更することができる。この操作のためにサービス・ツールが使用できる。 

4.2.5 

コマンド設定可能アドレス 

コマンド設定可能アドレスCFは,送信元アドレスがコマンドアドレスメッセージを使用して変更する

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ことができる。変更は,サービス・ツール又は特殊サービス・モード操作の要件なしで,いつでも行うこ

とができる。これはアドレス変更をもたらす適切なコマンドを送信できるCFが,ネットワーク上に存在

する必要がある。 

4.3 

NAME及びアドレス要件 

4.3.1 

一般 

NAMEは,表1で定義されたフィールドから構成される64ビットのデータである。ISO 11783群による

ネットワーク上でメッセージを送信する全てのCFは,固有のNAMEをもたなければならない。CFの

NAMEは,CFが実行する機能を記載し,その数値はアドレスの調停に使用される(NAMEの例は,附属

書A参照)。NAMEは,通常,機械上のネットワーク初期化の間か,又はECU内のCFが既存のネットワ

ークに追加されると確立される。 

アドレスは,固有メッセージIDの提供及びSAと呼ばれるメッセージの送信元を特定するために,ISO 

11783群によるネットワーク上で使用される。この規格で指定されたプロトコルのアドレス管理手順は,

個々のSAを特定CF(4.4.2参照)に関連付けることを有効にする。幾つかのCFを実装するECUの場合,

固有SAを要求しなければならない各CF及び各CFのために,異なるアドレス設定機能が成立する。 

NAME及びSAの両方を含むアドレス要求メッセージは,ネットワーク上で二つを関連付けるために使

用する。固有NAMEとアドレスとの関連付けは,また,対応する機能に関連付ける。しかし,関連付けら

れているSAに関係なく,NAMEは一貫した定義を保持する。 

4.3.2 

NAME 

ネットワーク・インテグレータ及びECU製造業者の定める特定ネットワーク上の各CFのNAMEは,

そのネットワーク上で,別のCFがもたない固有のNAMEでなければならない。 

調停優先順位に使用された64ビット値(4.5.3参照),アドレス要求メッセージのデータバイト(4.4.2.3

参照),そしてNAMEフィールド(表1参照)間の関係は,図1に示す。 

注記 64ビットの値は,ネットワーク上で送信される場合,バイト1が最初でバイト8が最後で送信される。 

図1−コントローラ・エリア・ネットワーク(CAN)メッセージのNAMEビット・フィールド 

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表1−NAMEフィールド 

フィールド 

SPN 

定義 

ビット

数 

バイト

番号 

バイト 

順序付けa) 

自己設定可
能アドレス 

2844 

CFは自己設定可能(1)か否(0)であるかを示
し,周知されることと適切な値に設定され
ることが常に必要である。 

ビット8:自己設定可能ア
ドレス 

製造業区分b) 

2846 

ISOで定義し割り当てられ,産業(農業機
器)に関連付けられたNAMEを識別する。 

ビット7からビット5:製
造業区分(ビット7で最上
位) 

デバイスク
ラスインス
タンス 

2843 

接続されたネットワーク内で特定デバイ
スクラスの発生を示し,定義は製造業区分
のフィールド内容に依存する(図2を参
照)。 

ビット4からビット1:デ
バイスクラスインスタン
ス(ビット4で最上位)c) 

デバイスク
ラスb) 

2842 

ISOで定義し割り当てられ,接続されたネ
ットワーク内機能グループの共通NAME
を提供し,製造業区分と組み合わせたと
き,共通NAMEに相関させることができ
る。例えば,“農業機械”と“プランター”。 

ビット8からビット2:デ
バイスクラス(ビット8で
最上位) 

予約 

ISOによる将来定義のために予約。 

ビット1:予約 

機能b) 

2841 

ISOで定義し割り当てられ,0と127との
間の値のとき,定義は他の何からも独立
し,127を超えかつ254未満の場合,定義
はデバイスクラスに依存し,製造業区分及
びデバイスクラスと組み合わせた場合は,
任意の特定能力を意味するわけではない
が,特定CFのための共通NAMEに相関さ
せることができる。 

ビット8からビット1:機
能(ビット8で最上位) 

機能インス
タンス 

2839 

ネットワークの特定デバイスシステム上
で機能の特定な発生を示す。 

ビット8からビット4:機
能インスタンス(ビット8
で最上位) 

ECUインス
タンス 

2840 

与えられた関数に関連付けられている
ECUのグループのどちらを参照するのか
を示す。 

ビット3からビット1:
ECU(ビット3で最上位) 

製造業者コ
ードb) 

2838 

委員会(ISO 11783-1を参照)によって割
り当てられ,どのNAMEが参照されてい
るかECUの製造元を示し,他の何らかの
NAMEフィールドから独立する。 

11 

ビット8からビット1:製
造業者コードの最上位ビ
ット(ビット8で最上位) 

ビット8からビット6:製
造業者コードの最下位ビ
ット(ビット8で最上位) 

識別番号 

2837 

ECUの製造元によって割り当てる。 

21 

ビット5からビット1:識
別番号の最上位5ビット
(ビット5で最上位) 

ビット8からビット1:識
別番号コードの第2バイト
目(ビット8で最上位) 

ビット8からビット1:識
別番号の最下位バイト(ビ
ット8で最上位)d) 

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表1−NAMEフィールド(続き) 

注a) NAMEフィールドのバイト・オーダは,NAMEが数字として扱えるように,ISO 11783-1と整合し配置され

ている。 

b) 製造業区分,デバイスクラス,機能及び製造業者コードの数値は,ISO 11783-1を参照。 

c) ビット1は,メッセージ内で最後に送信され,巡回冗長コード(CRC)に最も近いデータ・ビットである。 

d) ビット8は,メッセージ内のデータ長コード(DLC)に最も近いビットである。 

表1は優先順位の高い順にリストし,自己設定可能アドレス・ビットから識別番号の最下位バイトの

NAMEを構成するフィールドを定義し,規定する。 

予約ビットは,ゼロに設定しなければならない。 

ECUがインストールされているか,又は複数のインスタンスがあり,NAME管理メッセージによってネ

ットワーク上にある場合は,NAMEのインスタンス・フィールドはいずれでも変更し,再構成することが

できる(4.5.3参照)。 

機能インスタンスの解釈及び使用に関し,製造業者とシステム・インテグレータとの間で妥当性を協議

し合意することができる。例えば,製造業者又はISO 11783群の他のパートは,位置又はCFの特殊な機

能を示すために,機能インスタンスを使用する場合がある。 

例 2台のエンジンと2台のトランスミッションとの間で,エンジン・インスタンス0は,物理的に

トランスミッション・インスタンス0に接続され,エンジン・インスタンス1は,トランスミッ

ション・インスタンス1に接続される。 

機能が二つの別ECUによって管理され,各々が同じISO 11783群によるネットワークに接続される場合

は,ECUインスタンス・フィールドを,最初のECU用は0にし,2番目は1に設定しなければならない。 

ECU製造業者は,電源を取り外されたときに,NAMEが固有で非可変であることを確実にしなければな

らない。他の全てのフィールドが別のCFのNAMEと同一である場合は,そのNAMEは識別番号(例え

ば,製品のシリアル番号又はデータ/タイム・コード)を設定することによって,固有にしなければなら

ない。 

図2は,NAMEの各フィールドの従属性を示す。128以上の機能は,デバイスクラス及び製造業区分に

従属する。識別番号は,製造業者コードに従属する。0から127までの機能は,製造業区分又はデバイス

クラスに従属しない。各フィールドの上に記載されている数字は,構成するそれぞれのビット数である。 

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B 9225-5:2015 (ISO 11783-5:2011) 

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図2−NAMEフィールドの関係及び従属性 

4.3.3 

アドレス 

4.3.3.1 

一般 

アドレスは,ネットワーク上の特定CFを識別する1バイトの値である。CFのアドレスは,そのCFに

よって送信される全てのメッセージのコントローラ・エリア・ネットワークのID(CAN-ID)に組み込ま

れ,CFによって送信されるメッセージに固有性を提供するために使用する。最初の電源投入時にネットワ

ークが作動している場合,それぞれのCFは,固有のSAをもたなければならない。SAは,ネットワーク

それぞれの電源投入時に,別のCFに関連付けることができ,ネットワーク接続ごとに変えることができ

る。送信元アドレスに関連付けられたNAMEは,CFが実行するファンクションの識別を可能にし,使用

するSAにかかわらず,この定義を保持する。 

4.3.3.2 

プリファードアドレス 

CFは,割り当てられたプリファード(優先順位の高い)アドレスを使用して,ISO 11783群によるネッ

トワーク上で動作が可能である。プリファードアドレスが既に要求されている場合は,CFがもつアドレス

設定機能及び未使用アドレスの空き状況に応じて,CFは別のSAを要求するか,アドレス要求不可

(cannot-claim-address)メッセージを送信するかのどちらかをしなければならない。CFが別のアドレスを

要求する場合,この新しいアドレスは,それ以降の全ての電源投入時に使用する初期アドレスとして保存

しなければならない。 

割り当てられたプリファードアドレスのリストは,ISO 11783-1を参照。 

0〜127と248〜253との範囲内でプリファードアドレスを要求するCFは,そのプリファードアドレスに

定義された機能を実行しなければならない。また,そのNAME内の機能を指定しなければならない。 

CFによって実行される機能は,SAだけで判断してはならない。CFのNAMEだけを機能の確立に使用

する1)。 

注1) ISO 11783-5:2001では,アドレスと機能(address-to-function)との関係を強制していない。 

4.3.3.3 

自己設定可能アドレス 

割り当てられたプリファードアドレスをもっていないか,又はプリファードアドレスを要求できない

ISO 11783群のCFは,128〜247の範囲内でアドレスを要求しなければならない。複数のCFはこの範囲の

アドレスを要求することができるので,CFのこのタイプは,自己設定可能(self-configurable-address-capable)

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

アドレスでなければならない。これは,ネットワーク上の各CFの固有アドレスを提供するアドレス要求

プロセスを可能にする。 

4.3.3.4 

初期アドレス 

生産時に,初期アドレス(CFが電源投入時に設定するアドレス)は,プリファードアドレスに設定しな

ければならない。CFの初期アドレスは,システム構成を可能にするために変更することができる。 

サービス設定(service-configurable)可能,コマンド設定可能(command-configurable)又は自己設定可

能(self-configurable)アドレス機能をもつCFは,毎回新しいアドレスを要求する必要があり,この新し

いアドレスは初期アドレスとして,それ以降の全ての電源投入に使用されるように保存しなければならな

い。これはまた,割り当てられたプリファードアドレスのCFにも適用される。 

4.3.3.5 

NULLアドレス 

NULLアドレス(254)は唯一,ISO 11783群によるメッセージIDの送信元アドレス・フィールドに許

可され,ネットワーク管理通信内でだけ使用する。 

4.3.3.6 

グローバルアドレス 

グローバルアドレス(255)は,ISO 11783群によるメッセージIDの宛先アドレス・フィールドだけに

許可され,送信元アドレス・フィールド内では決して用いない。 

4.4 

ネットワーク管理手順 

4.4.1 

一般 

ネットワーク管理手順には,総合的なネットワーク管理のためにCFが行う処理と,交換されるメッセ

ージとが含まれている。アドレス管理及びネットワークエラー管理(それぞれ4.4.2及び4.4.4参照)は,

ネットワーク管理プロトコルの主要な役割である。NULLアドレスの使用上の制限を除き,ネットワーク

管理メッセージは,他のISO 11783群によるメッセージと同じ特性をもっており,同じ要件の対象になる

[例えば,アドレス要求依頼(request-for-address-claimed)メッセージは,JIS B 9225-3に規定された要求

パラメータ・グループ番号(PGN)メッセージである。]。 

NULLアドレス(254)は,ネットワーク管理メッセージのSAフィールドでだけで,アドレス要求依頼

又はSAクレーム不可(cannot-claim-source-address)の場合だけ許可される。 

4.4.2 

アドレス管理メッセージ及び手順 

4.4.2.1 

アドレス管理メッセージ機能(Address-management message functions) 

表2に指定されたアドレス管理メッセージのセットは,次のようにCFによって使用されている。 

− ネットワーク上の別のCFで使用されるNAME及びアドレスを要求[アドレス要求依頼

(request-for-address-claimed)メッセージ]。 

− アドレス要求(address-claimed)メッセージ。 

− SAクレーム不可(cannot-claim-source-address)メッセージの応答。 

− 新アドレスを想定した別のCFの指令[指令アドレス(commanded-address)メッセージ]。 

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B 9225-5:2015 (ISO 11783-5:2011) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表2−アドレス管理メッセージ 

メッセージ 

PGN 

PF 

PS 

SA 

データ長 

データ 

アドレス要求依頼(PGNリクエスト) 

59904 a) 

234 

DA 

SA b) 

PGN 60928 

アドレス要求 

60928 

238 

255 

SA 

NAME 

SAクレーム不可 

60928 

238 

255 

254 

NAME 

指令アドレス 

65240 

254 

216 

SA 

9 c) 

NAME及び新たなSA 

注a) JIS B 9225-3参照。 

b) アドレスがまだ要求されていない場合,SAは254に設定されている。 

c) 指令アドレスメッセージは,ブロードキャスト通知メッセージ(BAM)のトランスポート・プロトコルを使

用し送信する。 

4.4.2.2 

アドレス要求依頼(Request-for-address-claimed)メッセージ 

アドレス要求依頼メッセージは,ネットワーク上で動作しているCFのNAME及びアドレスを要求する

ため,どのCFでも送信できる。要求を受信次第,受信CFは自身のアドレスと自身のNAMEとを含むア

ドレス要求メッセージで応答しなければならない。そして,アドレスをクレームできないCFは,SAクレ

ーム不可メッセージで応答しなければならない(いずれの場合も手順は,4.4.2.3参照)。この要件の例外

は,まだアドレスをクレームしようとしていないCFであり,それはSAクレーム不可メッセージを送信し

てはならない。また,実際には,アドレス要求をしようとする前に,どのネットワーク通信にも関与して

はならない。まだ,アドレスをクレームしていないCFから送信されたメッセージならば,アドレス要求

依頼メッセージのSAは,NULLアドレスでなければならない。 

CFは,グローバル宛先アドレス(255)又は特定のアドレスへ,アドレス要求依頼メッセージを送信す

ることができる。最初の場合では,CFはそのとき,グローバル宛先アドレス宛てメッセージへの応答を調

べることによって,特定のNAMEをもつ別CFのネットワーク上の存在を判断することができる。一方,

第2の場合では,開始CFはアドレスが既にクレームされているかどうかを判断するために,他方に問い

合わせることができる。CFはそれがグローバルアドレスに送信された場合,それ自身のアドレス要求依頼

メッセージに応答しなければならない。 

4.4.2.3 

アドレス要求(Address-claimed)メッセージ 

アドレス要求メッセージは,アドレス要求依頼メッセージに応答し,ネットワーク上のアドレスを要求

するCFによって使用しなければならない。CFが独自の送信元アドレスを依頼するアドレス要求メッセー

ジを受信した場合,独自NAMEを受信したものと比較し,どちらのNAMEがより高い優先度をもつか,

すなわち,低い数値を確認しなければならない。高い優先順位をもつと判断した場合,CFはそのNAME

とアドレスを含むアドレス要求メッセージを送信しなければならない。しかし,低い優先順位をもつ場合

は,新アドレスを要求するか,又はSAクレーム不可(cannot-claim-source-address)を送信しなければなら

ない(4.4.2.4参照)。単一パラメータ・グループ番号(PGN)は,アドレス要求(address-claimed)メッセ

ージ及びSAクレーム不可メッセージの両方に使用される。 

送信周期: 

必要に応じて 

データ長: 

8バイト 

データ・ページフィールド: 

プロトコル・データ・ユニット(PDU)フォーマット・フィールド: 238 

PDU−特定フィールド: 

255(グローバルアドレス) 

初期優先順位: 

10 

B 9225-5:2015 (ISO 11783-5:2011) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

パラメータ・グループ番号: 

60928(00EE0016) 

送信元アドレス: 

0〜253 

バイト1〜8: 

NAME 

正常にアドレスを要求するためには,アドレス要求メッセージを送信するCFは,少なくとも250 msの

間,別のCFから競合クレームを受けてはならない。正常にアドレスをクレームすることになるまで,ネ

ットワーク相互接続装置は,ネットワーク上の通信で独自のアドレスを使用してはならない(他ECU間の

メッセージ転送は,ネットワーク相互接続装置の特別タスクである。)(ISO 11783-4参照)。しかし,ネッ

トワーク相互接続装置は,独自のアドレスをクレームする前にメッセージを転送することができる。 

4.4.2.4 

SAクレーム不可(cannot-claim-source-address)メッセージ 

SAクレーム不可メッセージは,初期アドレスをクレームできず,自己設定可能アドレス機能をもたな

いか,又は自己設定可能アドレス機能をもつが使用不可であることから,アドレスをクレームできない任

意のCFで送信される(アドレス要求依頼又はアドレス要求メッセージに応答して)。SAクレーム不可メ

ッセージは,アドレス要求メッセージと同じPGNをもっているが,そのSAは,NULLアドレス(254)

でなければならない。 

送信周期: 

必要に応じて 

データ長: 

8バイト 

データ・ページフィールド: 

プロトコル・データ・ユニット(PDU)フォーマット・フィールド: 238 

PDU−特性フィールド: 

255(グローバルアドレス) 

初期優先順位: 

パラメータ・グループ番号: 

60928(00EE0016) 

送信元アドレス: 

254(NULLアドレス) 

バイト1〜8: 

NAME 

RT×Dは,バス・エラーを引き起こす二つのそのような応答の可能性を最小限にするために,SAクレ

ーム不可応答を引き起こすメッセージの受信と,応答を送信する間に挿入しなければならない。 

アドレスを要求できないCFは,SAクレーム不可又はアドレス要求メッセージ以外のメッセージを送信

してはならない。 

アドレス要求をできないCFは,グローバル・メッセージ(例えば,指令アドレスメッセージなど)を

受信し処理し続けなければならない。 

4.4.2.5 

指令アドレス(Commanded-address)メッセージ 

指令アドレスメッセージのサポートは,任意である。CFが,指令アドレスメッセージをサポートしてい

ない場合は,この細分箇条の残り部分は適用しない。 

このメッセージは,特定のSAを使用する別のCF(以下,指令CFとして知られる。)に命令するために,

一つのCF(例えば,ブリッジ又はサービスツールのようなネットワーク相互接続装置)で使用することが

できる。CFが指令アドレスへのメッセージを受信するが,指定SAに変更することができない場合は,CF

は,CFの現在のSAをクレームするアドレス要求で応答する。オペレータ又は技術者は,そのとき,他の

手段によって指令CFのSAを変更する可能性がある。ECU製造業者はその製品が,例えば,ブリッジ又

はサービスツール以外の,任意なCFからの指令アドレスメッセージを受信するのを防ぐか,又はそのよ

うなメッセージを受け入れるCFのセキュリティ検証を要求することができる。 

11 

B 9225-5:2015 (ISO 11783-5:2011) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

送信周期: 

必要に応じて 

データ長: 

9バイト 

データ・ページフィールド: 

プロトコル・データ・ユニット(PDU)フォーマット・フィールド: 254 

PDU−特定フィールド: 

216 

初期優先順位: 

パラメータ・グループ番号: 

65240(00FED816) 

バイト1〜8: 

NAME 

バイト9: 

アドレス割当てフィールド 

(新SA) 

指令アドレスメッセージを受け入れるとき,指令CFは,新SAとして指令アドレスメッセージの特定ア

ドレスを使用し,アドレス要求メッセージを発行しなければならない。4.5.2の要件を適用しなければなら

ない。 

指令アドレスメッセージは,9バイトのデータを含まなければならず,トランスポートプロトコル(JIS 

B 9225-3参照)のブロードキャスト通知メッセージ(BAM:Broadcast Aannounce Message)を使用して,

グローバルアドレス(255)へ送信しなければならない。したがって,指令アドレスメッセージをサポート

するために設計されたCFは,BAMもサポートしなければならない。 

4.4.3 

NAME管理メッセージ及び手順 

4.4.3.1 

一般 

NAMEフィールドを変更するメッセージは,複数インスタンスをもつファンクション,ECU又はデバイ

スクラスのCFを含むネットワークを構成するときに使うことができる。このメッセージは,汎用ECUの

機能を変更する場合,及びCFを固有に識別する他の方法が利用できない場合にも,使用することができ

る。このメッセージは,手動セットアップ手順,及び/又はネットワーク構成を遂行する指令アドレスの

方法を併用して使用することができる。 

注記 これは,この規格の新しいメッセージである。 

CF(指令するCF)は,NAME管理メッセージを使用し,別のCF(ターゲットCF)に所定のNAMEを

使用するよう命令することができる。このメッセージは,特定のSAを使いターゲットCFを指定し,NAME

の幾つかのフィールドの値を新しく明示する値に置き換えることができる。 

このメッセージの主な用途は,NAMEのインスタンス・フィールドを設定することだが,このメッセー

ジを使用して,初期製造後に変えてはいけない識別番号フィールド以外の全てのNAMEフィールドを変更

することができる。 

CFがNAME管理メッセージをサポートすることは任意である。メッセージがサポートされている場合

は,ECU製造業者は,例えば,サービスツール又はネットワーク相互接続装置以外のCFからのメッセー

ジを受け入れないことによって,メッセージの使用を制限してもよい。ECU製造業者は,また,NAME

管理メッセージを受け入れる前に,追加の専用セキュリティ検証プロセスを要求してもよい。ECU製造業

者は,NAMEフィールド,例えば,インスタンス・フィールドの一部だけしか変更を受け入れないことに

よって,更にメッセージの使用を制限してもよい。 

NAMEフィールド変更を指令するCFは,この指令を使用する前に,変更されるCFのSAが正しく識別

されていなければならない。指令はSAへ送られる。 

4.4.3.2 

NAME管理(NM)メッセージ 

12 

B 9225-5:2015 (ISO 11783-5:2011) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

NMメッセージは,ネットワークの構成時に,CFのNAMEフィールド割当てを管理するために使用さ

れる。NMメッセージは,8バイトのデータが含まれており,PDU1メッセージとして送信される。NMの

制御モードに応じて,メッセージは,グローバルアドレス又は修正されるCFの宛先を特定するSAへ送信

される。 

次に示すように,二つの主要な使用者及びメッセージの幾つかの用途がある。 

a) 指令CFは,次のことができる。 

1) ターゲットCFに新しい保留NAMEを設定するように指令 

2) ターゲットCFから保留中のNAME又は現在のNAMEを要求 

3) 保留中のNAMEを採用しなければならない一つ以上のターゲットCFを通知 

4) 特定されたNAMEをもつCFの現在のNAMEでのアドレス要求メッセージを送信要求 

b) ターゲットCFは,次のことをしなければならない。 

1) その保留中又は現在のNAMEの要求へ応答 

2) 保留NAMEを変更する指令を肯定(ACK,肯定回答)又は否定(NACK,否定回答) 

3) 保留NAMEを現在のNAMEとして採用し,ネットワーク上で現在のNAMEを要求 

4) 一致するNAMEのために要求に応答して,アドレス要求メッセージを送信 

NM制御モードの指示値は,常にバイト3の下位4ビットで送信され,NMのメッセージがどのように

使用されているかを示す。他のパラメータフィールドは,幾つかのモードで使用するが,全てのモードで

使用するわけではない。特定モードで使用しない場合は,未使用フィールドは全て1に設定するのが望ま

しい。各モードで使用するフィールドは,表3及び4.4.3.3に規定されている。 

送信周期: 

必要に応じて 

データ長: 

8バイト 

データ・ページフィールド: 

プロトコル・データ・ユニット(PDU)フォーマット・フィールド:147 

PDU−特性フィールド: 

NM制御モードによって指定。 

− モード0:ターゲットCFのSA 

− モード1-4:指令CFのSA 

− モード5-7:ターゲットCFのSA

又はグローバルアドレス(FF16) 

− モード8:グローバルアドレス

(FF16) 

初期優先順位: 

パラメータ・グループ番号: 

37632(00930016) 

バイト1〜8: 

表3及び図3参照。 

予約済み及び未使用のビットフィール

ドは,全て1に設定しなければならな

い。 

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13 

B 9225-5:2015 (ISO 11783-5:2011) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図3−NAME管理メッセージデータバイト 

表3−NAME管理メッセージパラメータ 

パラメータ 

SPN 

モード使用 
パラメータ 

ビット 

数 

バイト 

番号 

バイト 

順序付け 

指令自己設定可能アドレスa) 

5674 

0,1,2,3,8 

ビット8 

指令製造業区分a), b) 

5673 

ビット7からビット5 

指令デバイスクラスインスタンスa) 

5672 

ビット4からビット1 

指令デバイスクラスa), b) 

5671 

ビット8からビット2 

予約 

ビット1 

指令機能a), b) 

5670 

0,1,2,3,8 

ビット8からビット1 

指令機能インスタンスa) 

5669 

ビット8からビット4 

指令ECUインスタンスa) 

5668 

ビット3からビット1 

指令製造業者コードa), b) 

5667 

11 

ビット8からビット1 
最上位8ビット 

ビット8からビット6 
最下位3ビット 

予約 

ビット5 

NM制御モード指示値 

5666 

全モード 

ビット4からビット1 

自己設定可能アドレス対応限定子フラグ 

5665 

0,4,8 

ビット8 

業界団体限定子フラグ 

5664 

ビット7 

デバイスクラスインスタンス限定子フラグ 

5663 

ビット6 

デバイスクラス限定子フラグ 

5662 

ビット5 

機能限定子フラグ 

5661 

ビット4 

機能インスタンス限定子フラグ 

5660 

ビット3 

ECUインスタンス限定子フラグ 

5659 

ビット2 

製造業者コード限定子フラグ 

5658 

ビット1 

NAMEチェックサム/エラーコード 

5657 

0,4 

ビット8からビット1 

注a) 対応する限定子フラグが0に設定されている場合,これらのフィールドに指令値が入力されている。それら

の限定子フラグが1に設定されている場合,そのフィールドは全て1に設定されている。 

b) 製造業区分,デバイスクラス,機能及び製造業者コードの数値は,ISO 11783-1を参照。 

4.4.3.3 

NAME管理(NM)メッセージパラメータ 

4.4.3.3.1 

NAMEチェックサム/エラーコード 

NM制御モードの指示値がモード0“保留NAME設定”に設定されている場合,NAMEチェックサムは,

14 

B 9225-5:2015 (ISO 11783-5:2011) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

NMメッセージが正しいCFに送られたことを確認するためのチェックとして使用される。これは,指令

CFが,NAME変更処理を開始して以降,ターゲットCFのSAがアドレス調停プロセスを通じて,別の

CFによってクレームされる可能性を監視することである。NAMEチェックサムバイトは,ターゲットCF

の元NAME 8バイト合計値の下位8ビットの値でなければならない。 

データ長: 

8ビット 

分解能: 

1ビット 

データ範囲: 

0〜255 

タイプ: 

指令(Command) 

サスペクトパラメータ番号: 

5657 

NM制御モードの指示値がモード4“NAME NACK”に設定されている場合,それはターゲットCFによ

って送信されたエラーコードを表す。コードの割当ては,次のとおりである。 

セキュリティを満たしていない。保留設定よりも保留採用の異なるSA。 

項目は変更できない。禁止アイテムのために限定子フラグを1に設定。 

アイテム衝突。予約機能を実行できない,自己設定可能アドレス対応として実行できないな

ど,禁止アイテムのために限定子フラグを1に設定。 

チェックサムが合致しない。 

保留NAMEが設定されない。 

その他 

6-254 

予約 

255 

使用不可 

4.4.3.3.2 

限定子フラグ 

NM制御モードの指示値がモード0“保留NAME設定”に定められている場合,限定子フラグは,ター

ゲットCFの保留NAMEで対応するフィールドを変更しなければならないかを示すために使用される。限

定子フラグが0に設定されている場合,保留NAMEに対応するフィールドは,NAME管理メッセージの

対応指令パラメータの値に設定されるものとする。限定子フラグが1に設定される場合は,対応するフィ

ールドは変更してはならない。 

NM制御モードの指示値がモード4“NAME NACK”に設定され,エラーコードが1又は2である場合,

そのとき限定子フラグは,禁止アイテムを示すために使用される。ターゲットCFは,対応するパラメー

タがエラーを起こした場合は限定子フラグを1に,それがエラーを起こさなかった場合は0に設定しなけ

ればならない。エラーコードが1及び2以外の場合,この限定子フラグは1にセットしなければならない。 

NM制御モードの指示値がモード8“NAMEアドレス要求依頼”に設定されている場合,限定子フラグ

は,指令したパラメータが現在のNAMEと適合するように,ターゲットCFによって使用されるべきかど

うかを示すために使用される。フラグが0に設定されている場合は,対応する指令パラメータはNAME

一致で使用されなければならない。限定子フラグが1に設定されている場合,対応する指令パラメータは

NAME一致で使用してはならない。 

他の全てのNM制御モードでは,限定子フラグが適用されず,全て1に設定しなければならない。 

データ長: 

1ビット 

分解能: 

1ビット 

データ範囲: 

0〜1 

タイプ: 

指令(Command) 

15 

B 9225-5:2015 (ISO 11783-5:2011) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

サスペクトパラメータ番号: 

表3参照 

4.4.3.3.3 

NM制御モードの指示値 

4.4.3.3.3.1 

一般 

この4ビットのパラメータは,4.4.3.3.3.2〜4.4.3.3.3.11で規定するように,NMメッセージの目的を定義

するために使用する。 

データ長: 

4ビット 

分解能: 

1ビット 

データ範囲: 

0〜15 

タイプ:  

指令(Command) 

サスペクトパラメータ番号: 

5666 

4.4.3.3.3.2 

モード0 − 保留NAME設定 

この形式のメッセージは,メッセージに含まれる保留NAMEを変更するために,CAN識別子内の宛先

アドレスのターゲットCFへ命令を行うものである。メッセージの全データ・フィールドが要求される。 

“指令”パラメータフィールドは,新しい(つまり指令された)NAMEフィールドの値である。これら

は,限定子フラグで限定しなければならない。限定子フラグの0の値は,関連フィールドが,メッセージ

内の対応するパラメータフィールドの値に変更しなければならないことを示している。1の値は,関連フ

ィールドが変わらないことを示している。 

NAMEチェックサムバイトは,ターゲットCFの元NAME 8バイト合計値の下位8ビットの値でなけれ

ばならない。これは,コマンドメッセージが正しいCFで受信されていることを確認するためのチェック

として使用される。このチェックは,アドレス調停プロセスを通じSAが変更されることを防止する。 

4.4.3.3.3.3 

モード1 − 保留NAME 

この形式のメッセージは,ターゲットCFによって送信され,“保留NAMEクレーム”に対する応答で

ある。CFの保留NAMEは,“指令された”パラメータフィールドに含まれる。NAMEの全て“指令され

た”パラメータフィールドが必要である。限定子フラグ及びNAMEチェックサムが使用されていないので,

限定子フラグは1に設定しなければならない。そしてチェックサムは全て1に設定しなければならない。

保留NAMEが設定されていないか有効になっていない場合は,メッセージのこの形式に代わり,NACK

メッセージ(モード4)を送信しなければならない。 

4.4.3.3.3.4 

モード2 − 現行NAME 

この形式のメッセージは,ターゲットCFによって送信され,“現行NAMEクレーム”への応答である。

CFの現行NAMEは,“指令”パラメータフィールドに含まれている。NAMEの全フィールドが必要であ

る。限定子フラグ及びNAMEチェックサムは使用しないで,全て1に設定しなければならない。 

4.4.3.3.3.5 

モード3 − NAME ACK 

この形式のメッセージは,一番最近に受信した“保留NAME設定”指令が正常に履行されたことを示す

ために,ターゲットCFによって送信される。CFの保留NAMEは,“指令した”パラメータフィールドに

含まれる。NAMEの全“指令した”パラメータフィールドが必要である。限定子フラグ及びNAMEチェ

ックサムは使用しないで,全て1に設定しなければならない。 

4.4.3.3.3.6 

モード4 − NAME NACK 

この形式のメッセージは,一番最近に受信した“保留NAME設定”指令,又は“保留NAME要求”指

令が正常に完了しなかったことを示すために,ターゲットCFによって送信される。NMの制御モードの

指示値,エラーコード及び限定子フラグは,このメッセージの形でだけ有効なフィールドである。他の全

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B 9225-5:2015 (ISO 11783-5:2011) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

てのフィールドは,全て1に設定しなければならない。 

4.4.3.3.3.7 

モード5 − 保留NAME要求 

この形式のメッセージは,指令CFで送信され,その“保留”NAMEで応答するターゲットCFのため

の要求である。制御モードパラメータは,メッセージのこの形でだけ有効なフィールドである。他の全て

のフィールドは,全て1に設定しなければならない。 

4.4.3.3.3.8 

モード6 − 現行NAME要求 

この形式のメッセージは,指令CFで送信され,その“現行”NAMEで応答するためのターゲットCF

の要求である。制御モードパラメータは,メッセージのこの形でだけ有効なフィールドである。他の全て

のフィールドは,全て1に設定しなければならない。 

4.4.3.3.3.9 

モード7 − 保留NAME採用 

この形式のメッセージは,指令CFで送信され,現行NAMEとしてその保留NAMEを採用し,そして

この新しいNAMEでアドレス要求の手続きを開始するターゲットCF(又はグローバルアドレスに送信さ

れた場合,保留NAMEの全てのCF)への“トリガ”指令である。制御モードパラメータは,メッセージ

のこの形でだけ有効なフィールドである。他の全てのフィールドは,全て1に設定される。メッセージの

この形式は,特定SA又はグローバルアドレスへ送信してもよい。 

4.4.3.3.3.10 モード8 − NAMEアドレス要求依頼 

この形式のメッセージは,リクエスタにSAを知られていないCFが,アドレス要求依頼メッセージの送

信を要求するために使用され,リクエスタがCFのSAを特定することができる。NAMEの一部又は全て

は,限定子フラグを使用した要求で特定することができる。メッセージのこの形式は,グローバルアドレ

スへ送信しなければならない。 

CFがこの要求を受信し,指定された限定子フィールドが現行NAMEと一致している場合,現行NAME

を使用してアドレス要求を送信しなければならない。CFがこの要求を受け取り,それが現行NAMEの指

定フィールドと一致しない場合は,アドレス要求を送信してはならず,NAME管理メッセージのNACK

形式を送信してはならない。 

4.4.3.3.3.11 モード9-15 − 将来使用のための予約 

これらのモードは,将来使用のためにISOで予約されている。 

4.4.3.3.4 

パラメータ指令 

4.4.3.3.4.1 

一般 

指令されたパラメータ(SPN 5667〜5674)(表3参照)の使用は,NM制御モードの指示値による。 

NM制御モードの指示値がモード0の“保留NAME設定”に設定され,指令されたパラメータに対応す

る限定子フラグが0に設定される場合は,指令するCFは,指令パラメータを要求の値に設定しなければ

ならない。ターゲットCFは,その保留NAMEに対応するフィールドの指令値を使用しなければならない。

指令CFが1に限定子フラグを設定する場合,対応する指令パラメータは全て1に設定しなければならず,

ターゲットCFはその保留NAMEに対応するフィールドを変更してはならない。 

限定子フラグが指令CFで1に設定されている場合,ターゲットCFは,その保留NAMEに対応するフ

ィールドを変更してはならない。 

NM制御モードの指示値がモード1“保留NAME”に設定されている場合,ターゲットCFは,その保

留NAMEの対応フィールドに指令パラメータを追加しなければならない。 

NM制御モードの指示値がモード2“現行NAME”に設定されている場合,ターゲットCFは,その現

行NAMEの対応フィールドに指令パラメータを追加しなければならない。 

17 

B 9225-5:2015 (ISO 11783-5:2011) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

NM制御モードの指示値がモード3“NAME ACK”に設定されている場合,ターゲットCFは,その保

留NAMEの対応するフィールドに指令パラメータを追加しなければならない。 

NM制御モードの指示値がモード8“NAMEアドレス要求依頼”に設定されて,対応する限定子フラグ

が0に設定される場合,指令CFは,ターゲットCFの現行NAMEに一致を望む値へ,指令パラメータを

設定する。ターゲットCFは,その現行NAMEに対する合致判定でこの値を使用する。指令CFが限定子

フラグを1に設定した場合は,相当する指令パラメータの全てを1に設定しなければならず,NAMEが一

致したターゲットCFは,指令パラメータを無視しなければならない。 

その他全てのモードでは,指令パラメータは,指令CF及びターゲットCFによって,全て1に設定しな

ければならない。 

4.4.3.3.4.2 

指令製造業者コード 

製造業者コードの定義は,表1を参照。 

データ長: 

11ビット 

分解能: 

1ビット 

データ範囲: 

0〜2 047 

タイプ: 

指令 

サスペクトパラメータ番号: 

5667 

4.4.3.3.4.3 

指令機能インスタンス 

機能インスタンスの定義は,表1を参照。 

データ長: 

5ビット 

分解能: 

1ビット 

データ範囲: 

0〜31 

タイプ: 

指令 

サスペクトパラメータ番号: 

5669 

4.4.3.3.4.4 

指令ECUインスタンス 

ECUインスタンスの定義は,表1を参照。 

データ長: 

3ビット 

分解能: 

1ビット 

データ範囲: 

0〜7 

タイプ: 

指令 

サスペクトパラメータ番号: 

5668 

4.4.3.3.4.5 

指令機能 

機能の定義は,表1を参照。 

データ長: 

8ビット 

分解能: 

1ビット 

データ範囲: 

0〜254 

タイプ: 

指令 

サスペクトパラメータ番号: 

5670 

4.4.3.3.4.6 

指令デバイスクラス 

デバイスクラスの定義は,表1を参照。 

データ長: 

7ビット 

18 

B 9225-5:2015 (ISO 11783-5:2011) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

分解能: 

1ビット 

データ範囲: 

0〜126 

タイプ: 

指令 

サスペクトパラメータ番号: 

5671 

4.4.3.3.4.7 

指令自己設定可能アドレス 

自己設定可能アドレスの定義は,表1を参照。 

データ長: 

1ビット 

分解能: 

1ビット 

データ範囲: 

0〜1 

タイプ: 

指令 

サスペクトパラメータ番号: 

5674 

4.4.3.3.4.8 

指令製造業区分 

製造業区分の定義は,表1を参照。 

データ長: 

3ビット 

分解能: 

1ビット 

データ範囲: 

0〜7 

タイプ: 

指令 

サスペクトパラメータ番号: 

5673 

4.4.3.3.4.9 

指令デバイスクラスインスタンス 

デバイスクラスインスタンスの定義は,表1を参照。 

データ長: 

4ビット 

分解能: 

1ビット 

データ範囲: 

0〜15 

タイプ: 

指令 

サスペクトパラメータ番号: 

5672 

4.4.3.4 

NAME管理手順 

4.4.3.4.1 

NAME管理メッセージサポート 

CFがNMメッセージをサポートしているかどうかを判断するために,指令CFは,NMメッセージ要求

(PGN 59904)を送信してもよい。JIS B 9225-3に指定されるように,要求されたメッセージをサポートし

ないCFは,適切なNACK制御バイトの応答確認メッセージPGN 59392で応答しなければならない。 

ターゲットCFがNMメッセージをサポートしている場合は,要求されたときNMメッセージを送信し

なければならない。有効な保留NAMEをもつ場合は,モード指示値を“保留NAME”に設定し,バイト3

からバイト8を保留NAMEのそれに設定しなければならない。有効な保留NAMEをもっていない場合は,

モード指示値を“現行NAME”に設定し,バイト3〜バイト8を現行NAMEのそれに設定しなければなら

ない。これはNMメッセージのサポートと,現行又は保留NAMEとの照会方法を与える。これは複数の

デバイスを構成しようとするECU又はサービスツールに役立てられる。 

NAMEが正常に変更された場合,ターゲットCFは“保留中”NAMEをもつ。この保留の状態にある間,

ターゲットCFは,まだその現行NAMEを使用してメッセージを送信することができる。ネットワーク構

成を担当するユニットが,モード指示値を“保留NAME採用”に設定し,NMメッセージを送信するまで,

保留NAMEは有効にはならない。このメッセージを受信すると,ターゲットCFは,新しいNAMEでア

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B 9225-5:2015 (ISO 11783-5:2011) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ドレス要求を再び出し,ネットワーク上で伝送を発信又は再開する前に,そのNAMEでアドレス要求を成

功させなければならない。 

NAME管理メッセージは,複数の用途がある。これらの用途は,メッセージ内のモード指示値のパラメ

ータによって識別される(4.4.3.3.3参照)。 

4.4.3.4.2 

保留NAME設定 

ターゲットCFは,宛先アドレスとして“保留NAME設定”モード及び独自の送信元アドレスでNAME

管理メッセージを受信すると,次の二つの方法のいずれかで応答しなければならない。 

− ターゲットCFは,NAMEフィールドへの指令変更を受け入れることができる。これらのNAMEへの

変更は,NAMEの変更されていない部分とともに,保留NAMEとなる。ターゲットCFは,適切な

ACKモード指示値のNMメッセージ送信によって応答しなければならない(4.4.3.3.3モード定義を参

照)。応答はバイト3〜バイト8の保留NAMEを含めるものとし,指令CFのSAに送信される。この

メッセージを送信するときに,ターゲットCFは現行SA(クレームして取得した最新のアドレス)を

使用しなければならない。 

− ターゲットCFは,最も適切な値に設定されたエラーコードフィールド及びNACKモード指示値の

NMメッセージ送信によって,NAMEへの指令変更を拒否する(エラー値は,4.4.3.3.1参照)ことが

できる。エラー値が“アイテム不許可”又は“アイテム衝突”の場合,バイト2の限定子フラグは,

変更可能なフィールドは0,変更不可のフィールドは1に設定しなければならない。メッセージのそ

の他データバイトは,全て1に設定しなければならない。 

4.4.3.4.3 

保留NAME採用 

コマンドCFが全てのコマンドNAME変更を完了し,“保留NAME採用”モード指示値でNMメッセー

ジを送信するまで,ターゲットCFは,そのコマンドNAME変更を一時的に保持しなければならない。一

時的に(保留)NAMEを保持しているターゲットCFは,保留NAMEを採用して,新しいNAMEでのア

ドレス要求メッセージ送信を含む,CFの必要な“リセット”を実行しなければならない。“保留NAME採

用”モード指示値付でNMメッセージが,グローバルアドレスに送信されることがあるので注意する。こ

れは,コマンドCFが複数CFを設定し,同時に全てのNAME変更を有効にできる。 

4.4.3.4.4 

NAME送信元アドレス確認 

変更されるCF及びその送信元アドレスの確認は,NMメッセージを送信する前に確認しなければなら

ない。ターゲットCFはいつでもアドレス要求プロセスを通じて,新しいSAを取得することができる。こ

のイベントのタイミングは,“保留NAME設定”モード指示値をもつNMメッセージを送信するコマンド

CFと比較して同期されないので,新たにSAを取得したCFが,新しいNAMEに間違って変更されない方

法が必要である。 

SAとNAME間のこの不整合を防ぐために,NMのメッセージの“保留NAME設定”モードは,新しい

NAME受信対象者の元NAME全8バイトのチェックサムを含む(4.4.3.3.1参照)。 

4.4.3.4.5 

NMメッセージ使用規則 

ターゲットCFは,変更を受け入れる前に,変更を指示された各フィールドをチェックして,指示され

た動作を提供できるようにしなければならならない。 

このメッセージがサポートされている場合,それは,最低限としてECUインスタンス及び機能インスタ

ンスの変更を許可しなければならない。 

ターゲットCFは,どんなCFからの“保留設定”指令を受け入れてよい。 

ターゲットCFは,“NAME採用”指令を送信したCFが,ターゲットCFが受け入れた最新の“保留NAME

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B 9225-5:2015 (ISO 11783-5:2011) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

設定”指令を送信したCFと同じであることを,検証しなければならない。 

4.4.4 

ネットワークエラー管理 

4.4.4.1 

一般 

ネットワークエラー管理は,例えば,アドレス確保失敗のような,ある種のアドレス指定エラーの検出

を示すアドレス要求又はNAMEの重複のような他のアドレス指定エラーは,アドレス要求依頼メッセージ

を使用して診断ツールによって検出することができる。 

4.4.4.2 

アドレス要求不可 

SAをクレームしようとしてCFが失敗した場合,4.4.2.4で規定されているようにSAクレーム不可メッ

セージを送信し,4.5.5に従って動作を続けなければならない。 

4.4.4.3 

アドレス違反 

アドレス違反は,二つのCFが同じSAを使用しているときに発生する。 

CFが,アドレス要求メッセージ以外で,CF自身のSAを使用するメッセージを受信する場合,CFは,

次による。 

− グローバルアドレスにアドレス要求メッセージを送信しなければならない。 

− また,SPN=2 000+SAとFMI=31とで診断トラブルコードを発しなければならない(診断トラブル

コードに関しては,ISO 11783-12参照)。 

注記 これらは,この規格での新しい要件である。 

4.5 

ネットワークの初期化 

4.5.1 

固有アドレスの取得 

電源投入後他の通信を開始する前に,CFはネットワーク上で固有アドレスを取得しなければならない。 

自己設定可能アドレスをもつCFは,アドレスを取得するために,次のいずれかのシーケンスを使用し

なければならない。 

a) 次のように,アドレス表を作り上げる。 

1) グローバルアドレスに,アドレス要求依頼メッセージを送信する。 

2) 少なくとも250 ms+RT×D(ランダム送信遅延)待つ。 

3) 待機中に,受信した全てのアドレス要求メッセージのSAを保持する。 

4) 未使用のアドレスをクレームするアドレス要求メッセージを送信する。 

別のCFによって既にクレームされていなければ,CFは自身の初期アドレスをクレームしなければ

ならない。初期アドレスが既にクレームされている場合は,CFは別の未使用アドレスのクレームを試

みなければならない。 

b) 次のように,単一のアドレスを問い合わせる。 

1) 宛先特定のアドレス要求依頼メッセージをCFの初期アドレスに送信する。 

2) 少なくとも250 ms+RT×D(ランダム送信遅延)待つ。 

待機時間の終了前に,初期アドレスをクレームするアドレス要求メッセージを受信したCFは,新

しい初期アドレスを選択して,1) を繰り返さなければならない。 

3) 初期アドレスをクレームするアドレス要求メッセージを送信する。 

注記1 これらは,アドレスを取得するために,この規格で追加された要件である。 

注記2 a) 及びb) のシーケンスは,二つのCFが同じアドレスをクレームするリスクを最小限にす

るが,このリスクを完全に排除するものではない。4.5.2及び4.5.3に規定する要件は,有効

アドレスだけが使用されていることを保証する。 

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B 9225-5:2015 (ISO 11783-5:2011) 

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注記3 ISO 11783-5:2001では,待機時間250 msの代わりに1.25 sを規定した。起動時間が重要では

ない場合は,250 msより長い待機時間を実装するのがよいとみなされる。 

別の初期アドレスを選択するためのアルゴリズムは,CF独自のものである。しかし,新しいアドレスは

CFのプリファード・アドレス又は128〜247の範囲内のアドレスでなければならない。 

自己設定可能アドレスでないCFは,上記で与えられたシーケンスから,アドレス要求依頼を省略する

こともできる。しかし,他の通信を開始する前に,アドレス要求メッセージは送信しなければならない。 

アドレスをクレームする前には,CFがアドレス要求依頼を必ず送信することが望ましい。 

4.5.2 

アドレス要求要件 

次のリストは,初期化時のアドレス重複を検出し排除するための,及び競合を回避するための主な要件

で構成されている。 

a) CFは,初期化するとき,及び自身のNAME又はアドレスを変更する指令に応答するときに,それ自

身のアドレスをクレームしなければならない(後者の場合は,アドレス指令メッセージの受諾確認に

おいて)。これは各CFが有効アドレスを取得するための役割を担い,そのクレームが別のCFによっ

てまだ受信されていない場合,正しくアドレスを調停することを保証する。 

b) アドレス要求メッセージの宛先アドレスは,送信CFのクレームがネットワーク上の他の全CFに通知

されるために,グローバルアドレス(255)でなければならない(これは,JIS B 9225-3の要件の例外

であることに留意する。)。 

c) CFは,他のCFから受信したアドレス要求メッセージと,それ自身が送信したものとを区別できなけ

ればならない。 

d) CFは,アドレスを正しくクレームした後の250 msまで,ネットワーク上での送信開始又は再開して

はならない(図4参照)。これは,アドレス要求依頼に応答するときは適用されない。 

4.5.3 

初期化のその他の基本的要件 

CFは,グローバルアドレス宛へのアドレス要求依頼メッセージに対しては,アドレス要求メッセージ,

又はクレームが失敗した場合はSAクレーム不可メッセージで,応答しなければならない。 

CFは,アドレス要求が行われていないとき,アドレス要求依頼メッセージ(上記で要求されたように)

に応答してはならない。 

CFは,宛先アドレスが自身のアドレスと同じときは,アドレス要求依頼メッセージに応答しなければな

らず,グローバルアドレス(255)への応答を送信しなければならない。 

CFは,自身のSAと一致したSAでアドレス要求メッセージを受信した場合で,かつ,自身のNAME

が受信したクレームより高い(低い値)優先度の場合は,アドレス要求を送信しなければならない。 

CFのNAMEが,受信したアドレス要求メッセージでのNAMEよりも低い(より大きい値)優先度をも

つ場合,そのアドレスの使用を停止しなければならない。その後,SAクレーム不可メッセージを送信す

るか,別のアドレスでクレームを試みなければならない(4.5.1参照)。 

特定アドレスを使用できない設定不可,サービス設定可能,又はコマンド設定可能なアドレスのCFは,

SAクレーム不可メッセージを送信しなければならない。 

クレームしようとしている特定アドレスを使用できない自己設定可能アドレスCFは,別のアドレスを

選択しクレームを試みなければならない(4.5.1参照)。 

特定アドレスをクレームできない別のCFと通信したことがあるCFは,クレームを妨げた優先度の高い

CFのアドレス要求メッセージと同じように,SAクレーム不可メッセージを受信することによって,他の

CFが“無効”になってることを検出できなければならない。 

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22 

B 9225-5:2015 (ISO 11783-5:2011) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

サービスツール及び特定のシステムにおけるブリッジは,アドレス要求の失敗を検出し解決することが

求められる。そのようなツールは,SAクレーム不可メッセージを監視し,そのオペレータに問題を報告

できなければならない。 

4.5.4 

メッセージ・シーケンス 

4.5.4.1 

競合なしの初期化 

他のCFがクレームしていないアドレスをクレームするCFの初期化シーケンスを,図4に示す。 

図4−競合なしでSAをクレームするCFの初期化 

二つの自己設定可能CFが同じ初期アドレスをもつ場合,次の三つのシナリオのいずれかが初期化中に

発生する。 

a) 一つのCFが,他より先に250 ms+RT×Dを完了する。 

b) 両方のCFが同時に250 ms+RT×Dを完了するが,一つが他よりも僅かに早くアドレス要求を送信す

る。 

c) 両方のCFは同時に250 ms+RT×Dを完了し,アドレス要求を同時に送信する。 

ケース1では,図5に示すように,アドレスが競合せずに決定される。 

ケース2では,アドレス要求の優先順位によってアドレスが決定される(4.5.4.2参照)。 

ケース3では,CANエラーが生成される。これは,4.5.4.3で示すように解決される。 

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B 9225-5:2015 (ISO 11783-5:2011) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図5−競合なしの初期アドレスの解決 

4.5.4.2 

アドレス要求優先順位 

単一のアドレスが二つのCFで競合する場合には,NAMEの数値が低い,優先順位の高いCFに優先権

が与えられなければならない。このNAMEは,最上位ビットすなわち自己設定可能アドレスビットから始

まる8バイト値として扱われ,その数値を決定しなければならない。競合するCFのそれぞれのアドレス

要求メッセージのデータフィールドの8バイトNAMEの比較が必要で,これはアドレス要求プロセスから

の曖昧さを取り除く。 

例 同じ機能をもつ二つのCF(CF A及びCF B)は,同じアドレスをクレームする。CF Aは機能イ

ンスタンス0であり,したがって,それは絶対値が低いNAMEをもち,そのアドレスを取得する。 

アドレス競合を解決するメッセージ・シーケンスは,関与するCFのアドレス設定能力に依存する。次

の図は,二つの自己設定可能アドレスCF(図6参照),一つの設定不可能と一つの自己設定可能アドレス

CF(図7参照)及び二つの設定不可能アドレスCF(図8参照)の間での,アドレス競合を解決するため

のシーケンスを示す。 

 
 

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24 

B 9225-5:2015 (ISO 11783-5:2011) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図6−二つの自己設定可能アドレスCF間のアドレス競合の解決 

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25 

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注記 自己設定可能ビットのために,設定不可能NAMEの値は,常に自己設定可能NAMEの値よりも低くなる。 

図7−設定不可能アドレスCFと自己設定可能アドレスCF間でのアドレス競合の解決 

図8−二つの設定不可能アドレスCF間のアドレス競合の解決 

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26 

B 9225-5:2015 (ISO 11783-5:2011) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.5.4.3 

同一の識別子 

アドレス要求依頼,アドレス要求又はSAクレーム不可のメッセージが使用されるとき,同一識別子の

ネットワークメッセージが異なるCFによって生成されることがある(図9参照)。 

二つのCFから,共にNULLアドレス(254)で,同時に送信されるアドレス要求依頼メッセージによっ

て生成された同一のIDの場合は,両方のメッセージのデータフィールドは同じになるので問題はない。

ただし,同じアドレスで競合する複数CFによって,同時にアドレス要求メッセージが送信された場合は,

NAMEの各データフィールド間の違いに起因して,バスの衝突が発生する。同じ理由から,複数CFから

NULLアドレスで同時に送信されるSAクレーム不可メッセージは,また,バスの衝突の原因となる。 

次の手順によって,この問題を対処することができる。アドレス要求メッセージを送信した後に,送信

CFはエラーコード情報を監視し,この情報がバスエラーの発生を示す場合,CAN周辺機器による可能な

あらゆる自動再送信は全てキャンセルされる。クレームメッセージの再送信は,RT×Dの後に再設定され

る。 

図9−クレームが同期され,同じアドレスで競合する二つのCFでの初期化 

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27 

B 9225-5:2015 (ISO 11783-5:2011) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.5.5 

アドレス獲得不可CF(コントロールファンクション) 

アドレス要求できないCF(図10参照)は,次以外のどんなメッセージも送信してはならない。 

− アドレス要求依頼メッセージに応答するSAクレーム不可メッセージ 

− 指令アドレスメッセージへの応答 

CFは,電源が再投入されたときに,アドレス要求を行うことができる。 

SAクレーム不可メッセージの衝突が発生した場合には,4.5.4.3で説明した手順を使用しなければなら

ない。 

図10−アドレス獲得不可CF 

4.6 

物理的要件 

4.6.1 

電源電圧外乱に対する反応 

ネットワーク上のECUは,次の要件に応じて,電圧過渡及び中断に対処できなければならない。 

ECU̲PWRは10 ms以内に復元されなければならない。中断が少なくとも100 msの間隔となった場合は,

次による。 

− 正常なネットワーク通信又は処理中メッセージの損失なし。 

− プロセッサ再起動なし。 

− ネットワーク設定情報又はネットワークを介した処理中のメッセージなどの,揮発性メモリ内のデー

タの損失なし。 

正常な電源が1 s以内に復元されない場合は,ECUは電源投入リセットを実行しなければならない。 

電源が10 msを超えて1 s未満中断された場合,ECUの内部要件としてリセットが必要かどうかを決定

しなければならない。 

4.6.2 

電源投入,接続又は切断時のネットワーク妨害 

ECUの電源投入,接続又は切断時には,ネットワークへの制御されていないビットストリームの送信な

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B 9225-5:2015 (ISO 11783-5:2011) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

どで,ネットワーク通信を妨害してはならない。 

background image

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B 9225-5:2015 (ISO 11783-5:2011) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A 

(参考) 

NAMEの作成例 

A.1 単一エンジン・トラクタのエンジンのECU 

表A.1は,この例に適用されるNAME付与プロセスを,命名の取決めに従って2進数で示している。

NAMEは,ISO 11783-1の附属書B〜附属書Gの表を使用して構成される。製造業区分(グローバル)の

コードは0である(他の製造業区分は,ファンクション0から127をエンジンに適用可能である。)。デバ

イスクラス(トラクタ)のコードは1である。最初のインスタンス(ここでは1台目のエンジン)は,デ

バイスクラスインスタンスが0である。エンジンのファンクションコードは0であり,この例は単一エン

ジン車両を扱っているので,機能インスタンス・フィールドも,0に設定される。ECUは一つだけなので,

ECUのインスタンス・フィールドは,また0である。また,製造業者コード及び識別番号ビットは包括的

に示されている。 

表A.1−単一エンジン・トラクタのエンジンのECUのNAME付与 

フィール

ド 

自己設定 

可能 

アドレス 

製造
業区

分 

デバイス 

クラス 
インス 
タンス 

デバイス

クラス 

予約 

機能 

機能イン
スタンス 

ECU 

インス
タンス 

製造 
業者 

コード 

識別 
番号 

ビット数 

11 

21 

NAME 

000 

0000 

0000001 

00000000 

00000 

000 

mm..m 

ii..i 

A.2 道路走行する大型けん(牽)引車で,第一番目トレーラのABSの自己設定不可ECU 

表A.2は,この例に適用されるNAME付与プロセスを,命名の取決めに従って2進数で示している。 

NAMEは,ISO 11783-1の附属書B〜附属書Gの表を使用して構成される。製造業区分(オンハイウェ

イ)のコードは1である。デバイスクラス(トレーラ)のコードは2である。最初のインスタンスなので,

デバイスクラスインスタンスは0である。トレーラ上のアンチロック・ブレーキシステム(ABS)ユニッ

トはファンクションコードは129であり,これはトレーラ上で唯一のABSユニットであると想定し,機能

インスタンス・フィールドは0に設定されている。ECUは一つしかないので,ECUインスタンス・フィー

ルドも0である。また,製造業者コード及び識別番号ビットは一般的包括的に示されている。 

表A.2−道路走行する大型けん(牽)引車で,第一番目トレーラのABSの 

自己設定不可ECUのNAME付与 

フィール

ド 

自己設定 

可能 

アドレス 

製造
業区

分 

デバイス 

クラス 
インス 
タンス 

デバイス 

クラス 

予約 

機能 

機能イン
スタンス 

ECU 

インス
タンス 

製造 
業者 

コード 

識別 
番号 

ビット数 

11 

21 

NAME 

000 

0000 

0000010 

10000001 

00000 

000 

mm..m 

ii..i 

background image

30 

B 9225-5:2015 (ISO 11783-5:2011) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

A.3 それぞれ二つのECUをもつ,8畝の独立した個別畝ガイダンス・システムに接続された2台の農業

用移植機 

表A.3は,この例に適用されるNAME付与プロセスを,命名の取決めに従って2進数で示している。 

NAMEは,ISO 11783-1の附属書B〜附属書Gの表を使用して構成される。製造業区分(農業設備)の

コードは2である。デバイスクラス(移植機)のコードは4である。移植機は農業用作業機なので,自己

設定アドレスとみなされ,対応するアドレスビットを1とする。 

移植機は2台あるので,移植機1のデバイスクラスインスタンスは0で,移植機2は1に設定される。

畝ガイドは機能であり,ファンクションコードは未定義なので,包括的に表されている。機能インスタン

ス・フィールドは,各移植機に0〜7の値が割り当てられる。各畝当たり2台のECUがあるので,八つの

ファンクションそれぞれに0及び1のECUインスタンスがある。最後に,製造業者コード及び識別番号ビ

ットは一般的包括的に示されている。 

表A.3−独立畝ガイダンスをもつ2台の接続された農業移植機のNAME付与 

フィールド 自己設定

可能アド

レス 

製造
業区

分 

デバイス 

クラス 
インス 
タンス 

デバイス 

クラス 

予約 

機能 

機能イン
スタンス 

ECU 

インスタ

ンス 

製造 
業者 

コード 

識別 
番号 

ビット数 

11 

21 

NAME 

010 

No. 

種まき機 

畝ガイド 

No. 

No. 

mm...m 

製造業
者割り

当て 

種まき機1,
畝1,ECU1 

010 

0000 

000100 

ff...f 

00000 

000 

mm...m 

ii...i 

種まき機1,
畝1,ECU2 

010 

0000 

000100 

ff...f 

00000 

000 

mm...m 

ii...i+n 

種まき機1,
畝2,ECU1 

010 

0000 

000100 

ff...f 

00000 

000 

mm...m 

ii...i+p 

種まき機1,
畝2,ECU2 

010 

0000 

000100 

ff...f 

00000 

000 

mm...m 

ii...i+q 

… 

… 

… 

… 

… 

… 

… 

… 

… 

… 

… 

種まき機2,
畝8,ECU1 

010 

0001 

000100 

ff...f 

00111 

000 

mm...m 

ii...i+r 

種まき機2,
畝8,ECU2 

010 

0001 

000100 

ff...f 

00111 

001 

mm...m 

ii...i+s 

A.4 アドレスからNAMEへの対応表 

特定又はグローバルアドレスのいずれかに送信されるアドレス要求依頼メッセージは,アドレスから

NAMEの対応表を構築するために使用することができ,重要なファンクションの対応を確認するために特

定のCFによって使用される。 

例 アドレスからNAMEへの対応表は,パワートレイン・エンジンがアドレス0に配置されているこ

とを確認する。それによって,トランスミッションからのトルク/速度制御メッセージが,正し

い宛先に送信されることを確実にする。 

アドレスNAME対応を少ししか必要としないCFに対しては,特定アドレスに対してメッセージを送れ

ばよい。一方,ネットワーク上の全てのCFに適用する診断ツールの場合,メッセージはグローバルアド

31 

B 9225-5:2015 (ISO 11783-5:2011) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

レスに送ればよい。 

参考文献  

[1] ISO 11783-4,Tractors and machinery for agriculture and forestry−Serial control and communications data 

network−Part 4: Network layer 

[2] ISO 11783-7,Tractors and machinery for agriculture and forestry−Serial control and communications data 

network−Part 7: Implement messages application layer 

[3] ISO 11783-12,Tractors and machinery for agriculture and forestry−Serial control and communications data 

network−Part 12: Diagnostics services 

[4] ISO 11898-1,Road vehicles−Controller area network (CAN)−Part 1: Data link layer and physical signalling 

[5] ISO 11898-2,Road vehicles−Controller area network (CAN)−Part 2: High-speed medium access unit 

[6] SAE J1939,Recommended Practice for a Serial Control and Communications Vehicle Network 

[7] SAE J1939/81,Recommended Practice for a Serial Control and Communications Vehicle Network−Part 81: 

Network Management 

[8] ISO 3339-0,Tractors and machinery for agriculture and forestry−Classification and terminology−Part 0: 

Classification system and classification