B 9224:2013
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 用語及び定義 ··················································································································· 1
3 種類······························································································································· 1
4 形状・寸法 ······················································································································ 2
4.1 標準オートヒッチ ·········································································································· 2
4.2 特殊オートヒッチ ·········································································································· 4
5 必要空間························································································································· 6
5.1 標準オートヒッチ ·········································································································· 6
5.2 特殊オートヒッチ ·········································································································· 9
附属書A(参考)農業用車輪トラクタの3点支持装置 ································································ 13
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(2)
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まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本農業機械工業会(JFMMA)
及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,団体規格(JFMMAS 0001:1997及びJFMMAS 0002:1997)
を基に作成した工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の
審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
B 9224:2013
農業用トラクタ−
オートヒッチと作業機との取付寸法
Agricultural tractors-
Mounting dimensions of automatic hitch and implements
1
適用範囲
この規格は,農業用トラクタと作業機の着脱を,乗車したまま行う時に用いるオートヒッチと作業機と
の取付寸法について規定する。
2
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
2.1
オートヒッチ
農業用トラクタの3点支持装置における作業機の着脱を,乗車したまま行える装置。
注記 通常,トラクタの3点支持装置側は,オートヒッチフレームで連結し,作業機の着脱をトラク
タに乗りながら行う。
2.2
3点支持装置
作業機の装着機構で,1本のトップリンクと2本のロワーリンクとによって作業機に取り付ける構造の
装置。
注記 農業用トラクタの3点支持装置については,附属書A参照。
2.3
PTO,パワーテイクオフ(power take off)
作業機を駆動するためにトラクタ動力を出力する機構。
2.4
PIC,パワーインテイクコネクション(power intake connection)
作業機を駆動するためにトラクタ動力を入力する機構。
3
種類
オートヒッチは,3点支持装置のリンクモーションの違いによって次の2種類に区分する。
a) 標準オートヒッチ 標準3点支持装置を装備したトラクタに装着する。
b) 特殊オートヒッチ 特殊3点支持装置を装備したトラクタに装着する。
2
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4
形状・寸法
4.1
標準オートヒッチ
標準オートヒッチの形状・寸法は,図1,図2及び表1による。
図1−作業機側
図2−オートヒッチフレーム側
3
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表1−標準オートヒッチの寸法
単位 mm
機器
項目
作業機側の区分
備考
0−I兼用(Sカプラ)
I−II兼用(Lカプラ)
オートヒッチフレーム区分a)
A
B
C
作
業
機
側
A1
外565±2
外683±2
A2(最小)
250
250
B
2
1
410+−
2
1
460+−
E
2
0
45+
2
0
54+
図5参照
F0
70±1
70±1
G0
100±1
100±1
d1
0
21
.0
22−
0
21
.0
22−
又は
0
21
.0
28−
d2
21
.0
03.
19
+
21
.0
03.
19
+
d2,d3の左右は問わ
ない。
d3
21
.0
03.
19
+
21
.0
03.
19
+
又は
21
.0
0
7.
25
+
d4
(12)
(12)
d5
0
21
.0
40−
0
21
.0
40−
d6
0
21
.0
34−
0
21
.0
34−
L
52±1
52±1
m
0
1
18−
0
1
18−
s
60〜70
60〜70
R1(最小)
70
70
R2(最小)
70
70
θ0 (゜)
5±1
5±1
Y
38
38
F1(最小)
50
50
F2(最小)
150
150
F3(最小)
140
140
F4(最小)
130
115
オ
ー
ト
ヒ
ッ
チ
フ
レ
ー
ム
側
a
内 565(最大)
外 683(最大)
内 565(最大)
外 683(最大)
内 683(最大)
外 825(最大)
b
0
1
408−
0
1
408−
0
1
458−
d1
0
21
.0
22−
0
21
.0
22−
0
21
.0
22−
又は
0
21
.0
28−
d2
21
.0
03.
19
+
21
.0
03.
19
+
21
.0
03.
19
+
d2,d3の左右は問わ
ない。
d3
21
.0
03.
19
+
21
.0
03.
19
+
21
.0
03.
19
+
又は
21
.0
0
7.
25
+
d4
12
12
12
e
2
0
45+
2
0
45+
2
0
54+
h
500
500
−
j
50
50
−
k
110
110
−
l
52±1
52±1
56±1
p
569±1
605±1
723±1
D3
0
0
−
R3
11±0.5
18±0.5
18±0.5
R4
12±0.5
21±0.5
21±0.5
注記1 m,s,d5及びd6は,ガイドカラー装着の場合の寸法を示す。
注記2 R1及びR2は,必要空間を定義するための半径を示す(図5及び図7参照)。
注記3 d2及びd3は穴径,d6は外径を示す。
注記4 h,j,k,D3は,二つ以上の位置を設けてもよいが,必ず一つ標準寸法を確保できるよう設ける。
注記5 作業機側のd4の括弧内の寸法は,推奨値である。
注a) 区分Aは,ガイドカラーを使用しない場合,区分B及び区分Cは,ガイドカラーを使用する場合に
適用する。区分AのSカプラのピン径は,
0
084
.0
19−
を使用することができる。
4
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4.2
特殊オートヒッチ
特殊オートヒッチの形状・寸法は,図3,図4及び表2による。
図3−作業機側
図4−オートヒッチフレーム側
5
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表2−特殊オートヒッチの寸法
単位 mm
機器
項目
オートヒッチフレームの区分
備考
A−I形
A−II形
B形
作
業
機
側
A1
465±2
465±2
565±2
A2(最小)
250
250
250
B
2
1
340+−
2
1
340+−
2
1
340+−
D2
50±1
50±1
50±1
E
2
0
45+
2
0
45+
2
0
45+
d1
0
21
.0
22−
0
21
.0
22−
0
21
.0
22−
d2
21
.0
0
3.
19
+
21
.0
0
3.
19
+
21
.0
0
3.
19
+
d3 a)
0
084
.0
19−
0
084
.0
19−
0
084
.0
19−
d4
(12)
(12)
−
L
55
55
40
l
(42±1)
(42±1)
−
R1(最小)
70
70
70
R2(最小)
70
70
70
R5(最小)
60
60
60
Y(最大)
38
38
38
Z
0
0
0
X−Y
100±1
50±1
100±1
F1(最小)
20
20
20
F2(最小)
150
150
150
F3(最小)
140
140
140
F4(最小)
130
130
130
オ
ー
ト
ヒ
ッ
チ
フ
レ
ー
ム
側
b
(340)
(340)
(340)
相手側は作業機
側のB
D2
50±1
50±1
50±1
e
2
3
45+−
2
3
45+−
2
3
45+−
d1
0
21
.0
22−
0
21
.0
22−
0
21
.0
22−
d2
21
.0
03.
19
+
21
.0
03.
19
+
21
.0
03.
19
+
d4
(12)
(12)
(12)
l
42±1
42±1
42±1
R4
(11)
(11)
(11)
相手側ピン径は
作業機側のd1
t
(19)
(19)
(19)
相手側ピン径は
作業機側のd3
u
(9.5)
(9.5)
(9.5)
注記1 R1,R2及びR5は,必要空間を定義するための半径を示す(図11及び図13参照)。
注記2 R5は,サポートパイプとの必要空間寸法を示す。
注記3 d2は,取外し可能時の穴径を示す。
注記4 作業機側のd4及びlは括弧表示とし,穴を適用する場合の寸法を示す。
注記5 オートヒッチフレーム側のd4,R4,t及びuの括弧内の寸法は,参考値である。
注a) d3は,トップリンクピンの径を示し,取外し及び溶接構造はどちらでも可能とする。
6
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5
必要空間
5.1
標準オートヒッチ
図1,図2及び表1に規定する標準オートヒッチの必要空間の寸法は,次のa)〜f) 及び図5〜図10に示
すとおりとし,オートヒッチと作業機との連結作業に支障があってはならない。
なお,図は,PICが前下がり5°の状態を想定している。ただし,図10は,作業機を装着するときの姿
勢を想定している。
a) トップマスト周りのオートヒッチフレーム側必要空間は,図5に示すように,作業機で幅(E)の範
囲に適用し,斜線部の範囲にはトップリンクに関わる部品を除き,作業機側に構造物があってはなら
ない。
なお,必要空間の範囲(斜線部)は,オートヒッチフレーム側にR1接線で全域の寸法と,下方(垂
直から20°)方向にR1の接線で全域の寸法とで求める。
単位 mm
図5−トップマスト周りのオートヒッチフレーム側必要空間
b) 幅(E)の外側のトップマスト周りの作業機側必要空間は,図6に示す斜線部の範囲とし,斜線部内
(作業機のトップマスト域)にはオートヒッチフレーム側の構造物があってはならない。
7
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単位 mm
図6−トップマスト周りの作業機側必要空間
c) ロワーリンク周りのオートヒッチフレーム側必要空間の寸法は,図7に示すように,作業機側で幅(m
+s)の範囲に適用し,斜線部の範囲にはロワーリンクピンに関わる部品を除き,作業機側に構造物が
あってはならない。
なお,必要空間の範囲(斜線部)は,オートヒッチフレーム側にR2の接線で全域の寸法と,下方向
にR2の接線で地上に対し60°(最大)線とで求める。
単位 mm
図7−ロワーリンク周りのオートヒッチフレーム側必要空間
8
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d) 幅方向A5のロワーリンク周りの作業機側必要空間は,図8に示す斜線部の範囲とし,斜線部内にはオ
ートヒッチフレーム側の構造物があってはならない。
単位 mm
図8−ロワーリンク周りの作業機側必要空間
e) PIC周りの必要空間の寸法F1,F2,F3及びF4は,図9に示すように,作業機側で幅方向A2の範囲に
適用し,斜線部の範囲にはPIC及び安全カバーを除き作業機側に構造物があってはならない。
単位 mm
図9−PIC周りの必要空間
9
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f)
スタンドなどによって全体をかさ(嵩)上げ及び傾きを規制しないと着脱できないことがあるため,
装着姿勢については図10の寸法とするのがよい。
単位 mm
図10−装着姿勢
5.2
特殊オートヒッチ
図3,図4及び表2に規定する特殊オートヒッチの必要空間の寸法は,次のa)〜g) 及び図11〜図17に
示すとおりとし,オートヒッチと作業機との連結作業に支障があってはならない。
図においてPICの位置は水平を想定している。ただし,図17は作業機を装着するときの姿勢を想定し
ている。
a) トップマスト周りのオートヒッチフレーム側必要空間は,図11に示すように,作業機で幅(E)の範
囲に適用し,斜線部の範囲にはトップリンクに関わる部品を除き,作業機側に構造物があってはなら
ない。
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単位 mm
図11−トップマスト周りのオートヒッチフレーム側必要空間
b) 幅(E)の外側のトップマスト周りの作業機側必要空間は,図12に示す斜線部の範囲とし,斜線部内
(作業機のトップマスト域)にはオートヒッチフレーム側の構造物があってはならない。
単位 mm
図12−トップマスト周りの作業機側必要空間
c) ロワーリンク周りのオートヒッチフレーム側必要空間の寸法R2及びR5は,図13に示すように作業機
側で幅(L)の範囲に適用し,斜線部の範囲にはロワーリンクピンに関わる部品を除き,作業機側に
構造物があってはならない。
11
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単位 mm
図13−ロワーリンク周りのオートヒッチフレーム側必要空間
d) 幅方向A3のロワーリンク周りの作業機側必要空間は,図14に示す斜線部の範囲とし,斜線部内には
オートヒッチフレーム側の構造物があってはならない。
単位 mm
図14−ロワーリンク周りの作業機側必要空間
e) PIC周りの必要空間の寸法Fl,F2,F3及びF4は,図15に示すように作業機側で幅方向A2の範囲に適
用し,斜線部の範囲にはPIC及び安全カバーを除き,作業機側に構造物があってはならない。
12
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 mm
図15−PIC周りの必要空間
f)
PIC有効スプライン長さを,図16に示す(JIS D 6702のPTO軸を参照)。
単位 mm
図16−PIC有効スプライン長さ
g) スタンドなどによって全体をかさ(嵩)上げ及び傾きを規制しないと着脱できないことがあるため,
装着姿勢については図17の寸法とするのがよい。
単位 mm
図17−装着姿勢
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附属書A
(参考)
農業用車輪トラクタの3点支持装置
この附属書は,JIS D 6703に規定する農業用車輪トラクタの3点支持装置の主要寸法について記載する。
3点支持装置の主要寸法は表A.1に,各部の名称は図A.1に示す。
表A.1−3点支持装置の主要寸法
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表A.1−3点支持装置の主要寸法(続き)
単位 mm
項目
種類
0形
1N形
1形
2形
3形
トラクタの出
力(kW)(参考)
15以下
35以下
10〜44
30〜75
70以上
A
0
084
.0
19−
0
084
.0
19−
0
084
.0
19−
0
13
.0
4.
25
−
0
25
.0
75
.
31
−
B
21
.0
0
3.
19
+
21
.0
0
3.
19
+
21
.0
0
3.
19
+
21
.0
0
7.
25
+
25
.0
0
32+
C(最大)
44
44
44
51
51
D(最小)
76
76
76
93
102
E(最大)
69
69
69
86
95
F(最小)
44.5
44.5
44.5
52
52
G
0
21
.0
22−
0
21
.0
22−
0
21
.0
22−
0
21
.0
28−
0
2.0
6.
36
−
H
33
.0
0
4.
22
+
33
.0
0
4.
22
+
33
.0
0
4.
22
+
33
.0
0
7.
28
+
35
.0
0
4.
37
+
J
0
2.0
35−
0
2.0
35−
0
2.0
35−
0
2.0
45−
0
2.0
45−
K(最小)a)
39 (51)
39 (51)
39 (51)
49 (61)
52 (64)
L
12
12
12
12
12
L'
12
12
12
12
17
M(最小)b)
410
360
460
510
560
N b)
565±1.5
(465±1.5)
400±1.5
683±1.5
825±1.5
965±1.5
P b)
300 (250)
218
359
435
505
R(最小)
−
60
100
125
125
S(最小)c)
75
75
100
100
125
U(最小)b), d)
500
600
820 (780)
890 (800)
1 016
V(最大)b), e)
200
200
200
200
230
W(最小)f)
300
420
560 (550)
600
680
X(最小)b)
100
100
100
100
100
Y
(最小)
−
300
500
500
500
(最大)
−
375
575
575
575
注記 括弧内の寸法は,なるべく使用しない。
注a) Kの括弧内は,ロワーリンクの振止めを外側に取り付ける場合に適用する。
b) M,N,Pの数値は,特殊な作業機の場合,この数値を変更することができる。また,U,V,Xの数
値は,推奨値とする。
c) Sは,片側のロワーリンクヒッチ点に適用する。
d) Uは,ロワーリンクを最高に上げたときのロワーヒッチ点の地上高(リフトロッド長さ,取付位置な
どを調節してもよい。)を示す。
e) Vは,ロワーリンクを最低に下げたときのロワーヒッチ点の地上高(リフトロッド長さ,取付位置な
どを調節してもよい。)を示す。
f) Wは,リンクの調節なしに,ロワーヒッチ点が移動する垂直方向の範囲を示す。
15
B 9224:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図A.1−3点支持装置の各部の名称
参考文献 JIS D 6702 農業用トラクタの動力取出軸
JIS D 6703 農業用車輪トラクタの3点支持装置の主要寸法