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日本工業規格          JIS 

 

B 9220-1993 

 

 

農業機械−安全通則 

Agricultural machinery−General requirement for safety 

 

 

1. 適用範囲 この規格は,農業機械(以下,機械という。)を通常に使用中又は保守点検・整備中に発生

する事故を防止するため,機体本体及びその周辺に装備される防護設備に関する一般的事項について規定

する。 

備考 この規格の対応国際規格を付表1に示す。 

 

2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。 

(1) 農業機械 動力で駆動され,農業に用いられるもの。 

(2) 動力 内燃機関,電動機などの原動機の動力,液圧又は気体圧利用の動力,トラクタの動力取出軸か

らの駆動力などをいい,接地輪からの駆動力を含む。 

(3) 人 運転者,作業者及び補助作業者(着衣,手袋などの装身具を含む。)。 

(4) 作用部分 機械が本来の作業目的に沿って運転されているとき,その機能を果たす部分。 

 

3. 外観 外観は,次による。 

(1) 機体外周には,必要最小限の作用部分を除いて,鋭い突起があってはならない。 

(2) 機体には,作用部分を除いて,障害の原因となるような鋭いりょう角,縁端部又は粗い表面があって

はならない。 

 

4. 危険な可動部分の防護 

4.1 

一般 必要最小限の作用部分を除く危険な可動部分は,人が接触しないよう4.2に規定する防護装置

によって防護されていなければならない。 

備考 危険な可動部分とは,動力で駆動されるものであって,次のものをいう。 

(1) 回転軸(接続部,軸端及びクランク軸を含む。ただし,車軸を除く。),キー及びキー溝。

ただし,軸端面に切欠き,突起がなく,平滑で,かつ,その周囲の面から突出していない

ものは危険とみなさない。 

(2) プーリ,フライホイール,スプロケット及びギヤ類 

(3) ベルト,チェーン及びケーブル 

(4) クラッチ及びカップリング 

(5) つめ(爪),刃及びファン 

(6) 取付ボルト,グリースニップルなど可動部分から突出しているもの。ただし,明らかに危

険がないとみなされるものを除く。 

(7) 挟圧,切断及び打撃の可能性がある部分 


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(8) 運転席,作業者席及びプラットホームに近接した接地輪又は履帯 

4.2 

防護装置 

4.2.1 

一般 防護装置は,可動部と身体・衣服などとの接触を防ぐためのもので,次による。 

(1) シールド又はカバー 

図1 

 

(2) ケーシング 可動部をすべての面で覆う防護装置。 

図2 

 

(3) 囲い(枠) 可動部に人が近づくことを防ぐために必要な安全距離を確保するための防護装置。 

4.2.2 

防護装置の構造 防護装置の構造は,次による。 

(1) 防護装置は,き裂又は変形を起こすことがなく,かつ,十分な強度をもっていること。 

(2) 防護装置を兼ねるように設けられたプラットホーム及びステップは,それぞれに必要な強度をもって

いること。 

(3) ステップとして使用される可能性がある防護装置は,1 200Nの垂直荷重に耐える強度をもっているこ

と。 

(4) 防護装置は,しっかりと固定され,鋭いエッジがなく,耐久性をもっていること。 

(5) 防護装置は,機械の運転及び整備が容易に行える構造であること。 

(6) 防護装置は,機械に永久的に取り付ける。 

備考1. 永久的に取り付ける手段には,ねじ部品,割りピン,又は通常の手工具で取外しができる他

の手段を含む。 

2. 開閉できるものでは,ある種の方法,例えば,ヒンジ,リンケージ若しくは他の適した方法

で機械から外れないように,又は閉じた状態を保持するための確実な手段を備える。 

(7) 防護装置は,網又は格子で構成してもよい。許容される開口部の寸法は,6.に規定するとおり,防護

装置と可動部の距離によって定められる。 

また,防護装置の設計において開口部のサイズと距離との関係が6.の規制値を超えないようにする

ため,通常の使用中においては,網,格子は変形してはならない。 

 

5. 安全距離 


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5.1 

危険な可動部からの安全距離 人が運転,整備,検査などを行うために必要な位置から測定した距

離をいう。 

(1) 上方への到達 人が直立し,手を伸ばして届く高さは,2 500mmとする。 

(2) 障壁の下からの到達 安全障壁の下から手を伸ばせるところは,安全距離は規定しない。ただし,す

き間が指,手又は腕の接触だけを考慮すればよいほど小さい場合は,(6)の要件を満たしていなければ

ならない。 

(3) 障壁を越えての到達 障壁の高さは,1 000mm以上とし,障壁を越えて到達する側方又は下方に対す

る安全距離は,表1(図3参照)のとおりとする。 

 

図3 防護装置から危険部 

までの安全距離 

 

a: 地面から危険部までの距離(腕を基準) 
b: 防護装置の高さ 
c: 危険部と防護装置の水平距離 

表1 下方及び側方の安全距離 

単位mm 

2 400 2 200 2 000 1 800 1 600 1 400 1 200 1 000 

2 400 

− 

100 

100 

100 

100 

100 

 100  100 

2 200 

− 

250 

350 

400 

500 

500 

 600  600 

2 000 

− 

− 

350 

500 

600 

700 

 900 1 100 

1 800 

− 

− 

− 

600 

900 

900 

1 000 1 100 

1 600 

− 

− 

− 

500 

900 

900 

1 000 1 300 

1 400 

− 

− 

− 

100 

800 

900 

1 000 1 300 

1 200 

− 

− 

− 

− 

500 

900 

1 000 1 400 

1 000 

− 

− 

− 

− 

300 

900 

1 000 1 400 

 800 

− 

− 

− 

− 

− 

600 

 900 1 300 

 600 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

 500 1 200 

 400 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

 300 1 200 

 200 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

 200 1 100 

 

(4) 回り込んでの到達 表2は,開口部と他の障害物からの距離を考慮したときの到達範囲を示す。 


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表2 到達範囲 

単位mm 

身体部分 

図 

安全距離 

指の付け根から指先 

 

r>120 

手首から指先 

 

r>230 

ひじから指先 

 

r>550 

肩から指先 

 

r>850 

(5) 防護装置の間げき(隙)を通しての到達 安全距離は,開口部の形状による。 

(6) 開口部 開口部の大きさ及び安全距離は,表3及び表4による。 


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表3 長方形又は細長の開口部の場合の到達寸法 

単位mm 

身体部分 

図 

すき間の幅 

安全距離 

指先 

− 

4<a<8 

b>15 

指 

 

 

 

8<a<20 

b>120 

手首 

 

 

 

20<a<30 

b>200 

腕 

 

 

 

30<a<135(1) 

b>850 

注(1) 幅が135mm以上の場合の安全距離は,5.2のとおりとする。 

 


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表4 網又は格子の場合の到達寸法 

単位mm 

身体部分 

図 

すき間の幅 

(円形の場合は直径) 

安全距離 

指先 

− 

4<a<8 

b>15 

指 

 

 

 

8<a<25 

b>120 

手 

 

 

 

25<a<40 

b>200 

腕 

 

 

 

40<a<250 

b>850 

(7) 多角形の開口部 多角形の開口部で,最大内接円の直径が最も離れた二つの頂点間距離の2分の1以

上である場合のa寸法は,その内接円の直径とする。 

なお,その他の多角形は,細長の開口部とみなす。 

5.2 

狭圧部 狭圧部とは,適切な最小必要すき間が保持されない場合,表5に示すように身体の一部に

危険を及ぼすとみなされる部分をいう。機械は最小必要すき間に応じて表5に示した身体部分より大きい

部分が入らない構造になっていなければならない。 


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表5 狭圧部の最小必要すき間 

単位 mm 

身体部分 

図 

最小必要すき間 身体部分 

図 

最小必要すき間 

指 

 

 

 

 25 

足 

 

 

 

120 

手 
手首 
こぶし 

 

 

 

100 

脚 

 

 

 

180 

腕 

 

 

 

120 

身体 

 

 

 

500 

 

6. 運転席及び操作装置 運転席及び操作装置は,次による。 

6.1 

握り及びステップ 運転者又は作業者が乗る必要がある機械には,人が安全,かつ,容易に乗り降

りできるように,握り及びステップを装備しなければならない。ただし,握り及びステップは,形状及び

位置が適当であれば,機械の一部であってもよい。 

また,ステップは,例えばタイヤの一部が足に接触する可能性のある場合は,適切な防護装置が施され

ていなければならない。 

なお,ステップの寸法は,図4のとおりとする。 


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図4 ステップの許容範囲 

 

注(2) 最小のクリアランスであって踏面の寸法ではない。 

(3) 寸法は,最大タイヤ装着時にも適用する。 
(4) ステップ間の垂直距離は,等しいこと(許容差±20mm)。 

6.2 

運転位置及び作業位置 プラットホームは,人が転落しないような構造であること。機械の運転中

に人が立って作業をする必要がある場合は,プラットホームは水平で表面が滑らない構造で,つま先板が

施されていなければならない。つま先板は,すべての縁周りにプラットホームの外側から50mm以内に取

り付け,その高さは床面から75mm以上とする。 

また,プラットホームから高さ1 000mm以上1 100mm未満の位置にガードレールを備え,その中間に

500mmを超えない間隔でガードレールが取り付けられていなければならない。ただし,次の場合は,作業

場所につま先板又はガードレールを取り付ける必要はない。 

(1) 機械自体にそれらに相当するものがあって,少なくとも,つま先板及びガードレールと同様の防護が


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可能な場合。 

(2) 人が接近したり,物を動かす必要がある場所で,機械を運転中に接触,接近することを防ぐガードレ

ール又はチェーンが備わっている場合。 

6.3 

座席 座席は,運転者が座る必要がある機械に備える。座席は,運転時に運転者を適切に支えるこ

とができ,運転者が滑り落ちないような構造であり,足を適切,かつ,快適に保持する装置が取り付けら

れていなければならない。 

6.4 

運転制御装置 運転制御装置は,操向ハンドル又はレバー,変速レバー,クランク,ペダル,スイ

ッチなどが運転者の通常の運転位置で安全,かつ,容易に操作できるよう配置されていなければならない。 

(1) 始動安全装置 人が乗る自走式機械で,動力始動装置をもつものは,変速位置を中立にするか,主ク

ラッチを切らないと始動装置が作動しない構造でなければならない。 

(2) かじ取り機構 かじ取り機構は,走行車輪の反作用のため,かじ取りハンドル又はレバーが急激に働

く力を減少できる構造でなければならない。 

(3) 昇降装置 昇降装置は,危険な動きの原因となる誤操作を防止する装置が施されているか,又は誤操

作を防止できるような位置に取り付けられていること。 

(4) 主クラッチ 手動式のものでは,手前又は運転者側に引くことによって動力が遮断する構造であるこ

と。 

(5) 動力源の停止装置 すべての動力源には,迅速に停止する装置を備えていなければならない。この装

置は,停止させるため持続した操作力を必要とせず,かつ,いったん停止した後は,再び操作しない

限り始動しない構造であること。 

なお,動力源の停止装置は,次による。 

(a) 人が乗る機械では,通常の運転位置で運転者から容易に手が届く位置にあること。 

(b) 人が乗らない機械では,動力源又はその近く若しくは運転位置付近にあり,容易に操作できるもの

であること。 

(c) 操作方法が明示されていること。 

また,操作部は赤色とし,付近の機体色や他の制御装置の色と対照をなしていること。 

(6) バルブ,栓及びスイッチ 手動式のバルブ,栓及びスイッチ類,又は空気圧・油圧,電気系統などの

制御装置が取り付けられている場合,安全上必要な場合には,それぞれの位置に,その装置の機能及

び効果を明確に表示しなければならない。 

(7) ペダル ペダル類は,大きさ及び形状が適当なものであり,運転者が足を踏み外すことがないよう表

面に滑り止めを施したものであること。 

(8) デフロック 作動装置をロックするための操作装置は,ロックされていることを運転者に明確に表示

する構造になっていることが望ましい。 

また,不意にロックしないような構造であること。 

 

7. 動力伝達 

7.1 

動力取出装置 動力取出装置 (PTO) は,次に示すように防護されていなければならない。 

(1) 使用時には,カバーが装備されているか,又は必要な場合はPTOの側面を防護するケーシングが施さ

れていること。 

(2) カバー若しくはケーシングが所定の位置にない場合,又はPTOを使用しない場合のために,もう一つ

の回転しないケーシングが装備されていること。 


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なお,このケーシングは,機体に取り付けられる構造であること。 

(3) 防護装置は,4.2.2の要求条件を満たしていること。 

7.2 

動力入力部 動力入力部 (PIC) は,次に示すように防護されていなければならない。 

(1) PICを安全に囲い,かつ,軸(又は,カップリング,クラッチ)の一部が露出しないようにPTO伝動

軸カバーとオーバーラップするようなケーシングが備えられていること。 

(2) 防護装置は,4.2.2の要求条件を満たしていること。 

7.3 

PTO伝動軸 PTO伝動軸は,次に示すように防護されていなければならない。 

(1) PTO伝動軸のカバーは,回転しない構造のもので,軸は,その全長(機械をけん引,又は半搭載した

いずれの場合も。)にわたって覆われていること。 

(2) 防護装置は,確実に取り付けられていて,工具を使わないと取り外せない構造であること。 

(3) 防護装置は,4.2.2の要求条件を満たしていること。 

 

8. 注意書き又は警告マーク 危険,警告,注意などを促す必要がある箇所には,その旨を表す標識を付

けなければならない。 

 

9. その他 

9.1 

排気管 排気管は,機体上部に排気する場合,開口部は運転者の頭の上,又はキャブの空気取入口

より高くするなどして,人が排気ガスにさら(曝)されることがないようになっていなければならない。 

9.2 

高温部 高温部は,トラクタ及び機械の乗降時・運転時に接触するおそれのある場合には,火傷し

ないよう防護されていなければならない。 

9.3 

バッテリ バッテリは,電解液などによる運転者への危険を最小にするよう配置されていなければ

ならない。 


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付表1 対応国際規格 

ISO 4254-1 : 1989 Tractors and machinery for agriculture and forestry−Technical means for ensuring 

safety-Part 1 : General 

ISO 500 : 1979 Agricultural tractors−Power take-off and drawbar−Specification 

ISO 3600 : 1981 Tractors and machinery for agriculture and forestry−Operator manuals and technical 

publications−Presentation 

ISO 3767-1 : 1982 Tractors, machinery for agriculture and forestry, powered lawn and garden 

equipment−Symbols for operator controls and other displays−Part 1 : Common symbols 

ISO 3767-2 : 1982 Tractors, machinery for agriculture and forestry, powered lawn and garden 

equipment−Symbols for operator controls and other displays−Part 2 : Symbols for agricultural 

tractors and machinery 

ISO 3767-3 : 1988 Tractors, machinery for agriculture and forestry, powered lawn and garden 

equipment−Symbols for operator controls and other displays−Part 3 : Symbols for powered lawn 

and garden equipment 

ISO DIS 3767-4 Tractors, machinery for agriculture and forestry, powered lawn and garden equipment

−Symbols for operator controls and other displays−Part 4 : Symbols for forestry machinery 

ISO/TR 3778 : 1987 Agricultural tractors−Maximum actuating forces required to operate controls 

ISO 3789-1 : 1982 Tractors, machinery for agriculture and forestry, powered lawn and garden 

equipment−Location and method of operation of operator controls−Part 1 : Common controls 

ISO 3789-2 : 1982 Tractors, machinery for agriculture and forestry, powered lawn and garden 

equipment−Location and method of operation of operator controls−Part 2 : Controls for 

agricultural tractors and machinery 

ISO 3789-3 : 1982 Tractors, machinery for agriculture and forestry, powered lawn and garden 

equipment−Location and method of operation of operator controls−Part 3 : Controls for powered 

lawn and garden equipment 

ISO 3864 : 1984 Safety colours and safety signs 

ISO 5673 : 1980 Agricultural tractors−Power take-off drive shafts for machines and implements 

ISO 5674 : 1982 Tractors and machinery for agriculture and forestry−Guards for power take-off drive 

shafts−Test methods 

ISO 5692 : 1979 Agricultural vehicles−Mechanical connections on towed vehicles−Hitch-rings−

Specifications 

ISO 6489-1 : 1980 Agricultural vehicles−Mechanical connections on towing vehicles−Part 1 : Hook 

type−Dimensions 

ISO 6489-2 : 1980 Agricultural vehicles−Mechanical connections on towing vehicles−Part 2 : 

Clevis type−Dimensions 

ISO 6815 : 1983 Machinery for forestry−Hitches−Dimensions 


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JIS改正原案作成委員会 構成表 

 

 

氏名 

所属 

(委員長) 

 

田 原 虎 次 

東京農工大学 

 

 

藍   房 和 

東京農工大学 

 

 

辻     武 

通商産業省機械情報産業局 

 

 

桐 山 和 臣 

工業技術院標準部 

 

 

川 口   尚 

農林水産省農蚕園芸局 

 

 

安 食 恵 治 

生物系特定産業技術研究推進機構 

 

 

船 曳 英 夫 

社団法人日本農業機械機械化協会 

 

 

渡 邊   崇 

社団法人全国農業機械商業協同連合会 

 

 

谷田部 勝 男 

全国農業協同組合連合会 

 

 

波 多 幸 夫 

株式会社クボタ 

 

 

福 永 喜 一 

井関農機株式会社 

 

 

安 田 国 昭 

ヤンマー農機株式会社 

 

 

辻     章 

三菱農機株式会社 

 

 

佐 藤 文 男 

石川島芝浦機械株式会社 

 

 

木 内   渥 

株式会社丸山製作所 

 

 

井之川 明 嗣 

本田技研工業株式会社 

 

 

太 田 万 喜 

小橋工業株式会社 

 

 

平 松 献 三 

株式会社共立 

 

 

苫米地   眞 

株式会社佐竹製作所 

(事務局) 

 

栗 原 靖 一 

社団法人日本農業機械工業会 

 

 

天 野   謙 

社団法人日本農業機械工業会