2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 9204-1994
農業機械用フィードチェーン
Agricultural machinery−Feed chains
1. 適用範囲 この規格は,定置式又は自走式自動脱穀機及びコンバインに用いるフィードチェーン(以
下,チェーンという。)について規定する。
備考1. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS B 7721 引張試験機
JIS B 7725 ビッカース硬さ試験機
JIS B 7726 ロックウェル硬さ試験機
JIS Z 2241 金属材料引張試験方法
JIS Z 2244 ビッカース硬さ試験方法
JIS Z 2245 ロックウェル硬さ試験方法
2. この規格の中で{ }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,
参考として併記したものである。
2. 種類
2.1
呼び番号 チェーンの呼び番号は,ピッチ及び内リンク内幅によって,表3に示す20種類とする。
2.2
形式 チェーンは,その中に含まれるプレートの形式によって,A形,C形,C′形及びC″形の4
種類に区分する。
3. 性能
3.1
長さの許容差 長さの許容差は,基準の長さの±0.4%とする。ただし,基準の長さは,次の式によ
る。
K=P×R
ここに,
K: 基準の長さ (mm)
P: ピッチ (mm)
R: リンク数
3.2
破断荷重 破断荷重の測定は,6.2によって行い,破断荷重は,表1による。
表1 破断荷重
プレート厚さ
破断荷重(最小)
外プレート厚さ 1.2mmの場合 15.7kN {1 600kgf}
その他の場合
19.6kN {2 000kgf}
3.3
硬さ 各部品の硬さの測定は,6.3によって行い,表2による。
2
B 9204-1994
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表2 硬さ
部品の名称
硬さHRC (HRA)
プレート
30以上(65以上)
ピン
39以上(70以上)
ローラ
26以上(63以上)
3.4
外観 チェーンの外観は,有害なきず,さび,ばり,その他の有害な欠点があってはならない。
3.5
運転機能 チェーンは,図1に示すローラに180°巻き付けて動かしたとき,リンク相互の動きが円
滑でなければならない。
図1 運転機能検査用ローラ
4. 構成部品の名称 構成部品の名称は,図2による。
図2 構成部品の名称
5. 構造及び寸法
5.1
チェーンの構造及び寸法 チェーンの構造及び寸法は,表3による。
3
B 9204-1994
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表3 チェーンの構造及び寸法
単位 mm
呼び番号
ピッチ
P
内リンク
内幅
W
ローラ外径
D1
ピン外径
D2
プレート厚さ
内プレート
T1
外プレート
T2
S3058
30
5.00
58+
10±0.1
007
.0
7−
1.6±0.17
2.0±0.2
1.2±0.1
1.6±0.17
2.0±0.2
(S3318)
33
5.00
18+
S3320
5.00
20+
(S3322)
5.00
22+
S3325
5.00
25+
S3330
5.00
30+
S3335
5.00
35+
S3340
5.00
40+
S3350
5.00
50+
S3355
5.00
55+
S3358
5.00
58+
S3540
35
5.00
40+
S3550
5.00
50+
S3558
5.00
58+
3350
33
5.00
50+
12.7±0.1
0
07
.0
5.9
−
1.6±0.17
2.0±0.2
1.6±0.17
2.0±0.2
3355
5.00
55+
3358
5.00
58+
3550
35
5.00
50+
3558
5.00
58+
3568
5.00
68+
備考 呼び番号に括弧を付けたものはできるだけ用いない。
4
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5.2
プレートの厚さの組合せ 内プレート及び外プレート厚さの組合せは,表4による。
表4 内プレート及び外プレート厚さの組合せ
単位 mm
ローラ外径
D1
プレート厚さ
内プレート T1
外プレート T2
10
1.6
1.2
1.6
2.0
2.0
12.7
1.6
2.0
2.0
1.6
5.3
プレートの形式及び寸法 プレートの形式及び寸法は,表5による。
5
B 9204-1994
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表5 プレートの形式及び寸法
単位 mm
プレート
の形式
プレートの高さ
プレートの
高さ記号
H1
H2
H3
H4
A
10
10
0
−
01000
6
01006
10
01010
15
01015
18
01018
25
01025
30
01030
45
01045
50
01050
60
01060
C
10
18
15
−
01815
18
01818
20
01820
12
16
10
−
21610
13
15
10
−
31510
15
13
10
−
51310
27
51327
C′
10
13
10
−
01310
13
10
0
−
31000
15
31015
20
31020
25
31025
30
31030
20
15
−
32015
15
10
10
−
51010
15
51015
18
15
−
51815
18
15
81515
C″
12
−
−
36
236
13
−
−
33
333
備考 プレートの高さ記号の表し方
(1) 形式A, C, C′の場合,H1の数値の1位の数字,H2, H3の数値を並べて表
す。
(2) 形式C″の場合,H1の数値の1位の数字,H4の数値を並べて表す。
5.4
内プレートに施すバーリング部の寸法 バーリング部の寸法は,一般に表6による。
なお,バーリングとは,穴の周縁に加工した輪状の突起をいう。
6
B 9204-1994
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表6 バーリング部の寸法
6. 試験方法
6.1
長さ チェーンの長さの測定は,15リンク以上の長さの塗油していないものを用い,チェーンの一
端を固定し,他端に175N {17.84kgf} の荷重を加えた状態で測定する。
製品の全長を直接測定できない場合は,15リンク以上の長さの測定値を基準に換算してもよい。
6.2
破断荷重 破断荷重の測定は,5リンク以上のチェーンを試験片とし,その両端部ピン位置に図3
に示すような測定ジグのB部を装着する。それをJIS B 7721に適合する引張試験機に取り付けて試験を行
う。その場合の試験方法は,JIS Z 2241に準じて行う。
図3 測定ジグ
備考1. A部は,引張試験機のつかみ部を示すが,必ずしも図3のような形状
でなくてもよい。
2. Wは,試験片の内幅寸法をいう。
6.3
硬さ チェーンの硬さは,JIS B 7726に規定する試験機を用いて,JIS Z 2245に規定する試験方法に
よって測定する。
また,JIS B 7725に規定する試験機を用い,JIS Z 2244に規定する試験方法によって測定し,HRC又は
HRAに換算してもよい。
7. 検査 チェーンの検査は,性能及び寸法について行い,3.〜6.の規定に適合しなければならない。
7
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
8. 製品の呼び チェーンの呼び方は,規格番号,呼び番号,プレートの形式,プレートの高さ記号,内
プレートの厚さ,外プレートの厚さ及びチェーン中に含まれるリンク数による。ただし,内プレートにバ
ーリング加工を施したものは,プレートの形式の後にbを付ける。
例1.
例2. JIS B 9204 S3550A 01006-1.6-2.0-50
例3. JIS B 9204 S3550Cb 01815-2.0-2.0-50(バーリング加工を施した場合)
9. 表示 チェーンは,包装容器に次の事項を表示する。
(1) 呼び番号
例 S3550
(2) 製造業者名又はその略号
JIT B 9204改正原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
田 原 虎 次
東京農工大学名誉教授
藍 房 和
東京農工大学農学部
林 清 輝
通商産業省機械情報産業局
桐 山 和 臣
工業技術院標準部
波 川 鎮 男
農林水産省農蚕園芸局
安 食 恵 治
生物系特定産業技術研究推進機構安全試験室
船 曳 英 夫
社団法人日本農業機械化協会
渡 邊 崇
社団法人全国農業機械商業協同組合連合会
谷田部 勝 男
全国農業協同組合連合会
波 多 幸 夫
株式会社クボタ作業機技術部
福 永 喜 一
井関農機株式会社技術管理部
安 田 国 昭
ヤンマー農機株式会社中央技術研究所技術管理部
辻 章
三菱農機株式会社管理部(東京)
佐 藤 文 男
石川島芝浦機械株式会社トラクタ技術部
木 内 渥
株式会社丸山製作所研究開発本部管理部
井之川 明 嗣
本田技研工業株式会社朝霞東研究所
太 田 万 喜
小橋工業株式会社開発部
平 松 献 三
株式会社共立技術本部
苫米地 眞
株式会社佐竹製作所調製機事業部
(事務局)
栗 原 靖 一
社団法人日本農業機械工業会
天 野 謙
社団法人日本農業機械工業会