2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 9113-1989
動力噴霧機
Power Sprayers
1. 適用範囲 この規格は,往復ポンプ形の農業用及び防疫用の動力噴霧機(以下,噴霧機という。)につ
いて規定する。ただし,原動機は含まない。
備考 この規格の中で { } を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,参
考として併記したものである。
引用規格及び関連規格:4ページに示す。
2. 性能
2.1
体積効率及びポンプ効率 表示常用圧力及び表示回転速度における噴霧機の効率は,次のとおりと
する。
(1) 表示容量(1)が6l/mim以上の場合 体積効率は93%以上とし,ポンプ効率は63%以上とする。
なお,体積効率及びポンプ効率は,次の式によって求める。
100
0
×
V
Vn
v=
η
100
60
1
×
×BP
Vn
p=
η
}
100
450
{
×
B
P
Vn
p=
η
ここに,
ηυ: 体積効率 (%)
ηp: ポンプ効率 (%)
V0: 表示回転速度における計算吐出し量 (l/min)
3
2
0
10
4
−
×
n
Ln
D
V
t
π
=
D: ポンプシリンダ径 (cm)
L: 実際の行程長さ (cm)
nt: 表示回転速度 (min−1) {rpm}
n: ポンプシリンダ数
Vn: 表示常用圧力,表示回転速度における吐出し量 (l/min)
P: 吐出し圧力 (MPa) {kgf/cm2}
B: 軸馬力 (kW) {PS}
(2) 表示容量(1)が6l/mim未満の場合 体積効率は88%以上とし,ポンプ効率は50%以上とする。
注(1) 容量とは,表示回転速度における計算吐出し量の小数点以下を切り捨てたものをいう。ただし,
20l/min未満の場合には小数点第2位以下を切り捨てたものとしてよい。
2
B 9113-1989
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2.2
運転状熊 噴霧機の運転状態は,次のとおりとする。
(1) 噴霧機を1時間連続運転したとき,異常な発熱・振動・騒音がなく,使用上支障がある水漏れがあっ
てはならない。
(2) 附属部品を装備した場合には,接続部分に水漏れがなく,噴霧状態が良好で使用上支障があってはな
らない。
3. 構造・形状・寸法
3.1
構造 噴霧機は,十分な強さをもち,表示最高圧力時の最高回転速度で運転した場合に,ひずみが
ほとんど認められないものでなければならない。
また,圧力の調整・操作が容易で,かつ正確に行える構造でなければならない。
3.2
形状 噴霧機の形状は,原則として付図による。
3.3
シリンダ・空気室・調圧弁 噴霧機のシリンダ・空気室・調圧弁は,次による。
(1) シリンダは,表示最高圧力の2倍(表示最高圧力の2倍が6MPa {60kgf/cm2} 未満の場合は6MPa
{60kgf/cm2})の水圧を30秒間加えたときに異常があってはならない。
(2) 空気室は,表示最高圧力の3倍(表示最高圧力の3倍が7MPa {70kgf/cm2} 未満の場合は7MPa
{70kgf/cm2})の水圧を30秒間加えたときに異常があってはならない。
(3) 調圧弁は,機能が確実で,常に表示最高圧力の1.2倍以上の圧力に上がってはならない。
3.4
回転軸 噴霧機の入力軸の軸径は,JIS B 0901(軸の直径)による。
3.5
附属部品 附属部品を取り付ける場合には,次による。
(1) 噴霧管(ノズル及びノズル管)は,噴霧圧に十分に耐え,水漏れがあってはならない。
(2) ホース継手及びつなぎは,JIS B 9119(噴霧機用ホス継手及びホースつなぎ)による。
(3) コックは,JIS B 9121(噴霧機用コック)による。
(4) 噴霧機用ホースは,JIS K 6339(農業用噴霧機ホース)若しくはJIS K 6765(噴霧機用ポリエチレン
ホース)又は品質がこれらと同等以上のものとする。
4. 外観 噴霧機の仕上げ及び塗装は,良好で,使用上有害なきず,割れ,さび,まくれ,鋳巣などの欠
点があってはならない。
5. 材料 噴霧機の主要部品の材料は,表に示すもの又は品質がこれらと同等以上のものとする。
表材料
部品名
材料
クランク軸
JIS G 3201(炭素鋼鍛鋼品)のSF 40
JIS G 4051(機械構造用炭素鋼鋼材)のS 48 C
JIS G 4105(クロムモリブデン鋼鋼材)のSCM 435
JIS G 5502(球状黒鉛鋳鉄品)のFCD 450
連接棒
JIS G 3201のSF 40
JIS G 5702(黒心可鍛鋳鉄品)のFCMB 340
JIS H 3250(銅及び銅合金棒)のC 3771 BE・BD
JIS H 5111(青銅鋳物)のBC 2,BC 3又はBC 6
JIS H 5202(アルミニウム合金鋳物)のAC 5 A
JIS H 5301(亜鉛合金ダイカスト)のZDC 1又はZDC 2
JIS H 5302(アルミニウム合金ダイカスト)のADC 12
3
B 9113-1989
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
部品名
材料
ピストンピン又はプランジャピン
JIS G 4051のS 40 C
JIS G 4105のSCM 415
JIS G 4805(高炭素クロム軸受鋼鋼材)のSUJ 2又はSUJ 3
シリンダ
JIS G 3459(配管用ステンレス鋼鋼管)に規定するもの
JIS G 4305(冷間圧延ステンレス鋼板)に規定するもの
JIS H 3250のC 3771 BE・BD
JIS H 5101(黄銅鋳物)のYBsC 3
JIS H 5111のBC 1,BC 2,BC 3又はBC 6
JIS G 3459のSUS 304 TPにJIS H 8304(セラミック溶射)
の規定によって溶射したもの
セラミックス(2)
ピストン又はプランジャ
JIS G 3459に規定するもの
JIS G 4303(ステンレス鋼棒)めSUS 304
JIS G 4305に規定するもの
JIS H 3300(銅及び銅合金継目無管)のC 2600 T
JIS H 5111のBC 2
セラミックス(2)
弁及び弁座
JIS G 4303のSUS 304又はSUS 440 C
JIS G 4305に規定するもの
JIS H 3250のC 3771 BE・BD
JIS H 5111のBC 3
セラミックス(2)
空気室
JIS G 3141(冷間圧延鋼板及び鋼帯)のSPCC
JIS G 3454(圧力配管用炭素鋼鋼管)のSTPG 38
JIS G 3459に規定するもの
JIS G 4305に規定するもの
JIS H 3300のC 2600 T
JIS H 5101のYBsC 3
JIS H 5111のBC 2,BC 3又はBC 6
注(2) JIS H 8304(セラミック溶射)に規定する硬さが同等以上のもの
6. 検査 噴霧機の検査は,性能,構造・形状・寸法,外観及び材料について行い,2.〜5.の規定に適合し
なければならない。
7. 製品の呼び方 噴霧機の呼び方は,規格番号又は名称による。
8. 表示 噴霧機には,次の事項を表示する。
(1) 製造業者名又はその略号
(2) 製造年月又はその略号
(3) 所要動力 (kW) {PS}
(4) 最高圧力 (MPa) {kgf/cm2}
(5) 常用圧力 (MPa) {kgf/cm2}
(6) 回転速度 (min−1) {rpm}
(7) 容量(1) (l)
4
B 9113-1989
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
引用規格:
JIS B 0901 軸の直径
JIS B 9119 噴霧機用ホース継手及びホースつなぎ
JIS B 9121 噴霧機用コック
JIS G 3141 冷間圧延鋼板及び鋼帯
JIS G 3201 炭素鋼鍛鋼品
JIS G 3454 圧力配管用炭素鋼鋼管
JIS G 3459 配管用ステンレス鋼鋼管
JIS G 4051 機械構造用炭素鋼鋼材
JIS G 4105 クロムモリブデン鋼鋼材
JIS G 4303 ステンレス鋼棒
JIS G 4305 冷間圧延ステンレス鋼板
JIS G 4805 高炭素クロム軸受鋼鋼材
JIS G 5502 球状黒鉛鋳鉄品
JIS G 5702 黒心可鍛鋳鉄品
JIS H 3250 銅及び銅合金棒
JIS H 3300 銅及び銅合金継目無管
JIS H 5101 黄銅鋳物
JIS H 5111 青銅鋳物
JIS H 5202 アルミニウム合金鋳物
JIS H 5301 亜鉛合金ダイカスト
JIS H 5302 アルミニウム合金ダイカスト
JIS H 8304 セラミック溶射
JIS K 6339 農業用噴霧機ホース
JIS K 6765 噴霧機用ポリエチレンホース
関連規格 JIS B 8311 往復ポンプの試験及び検査方法
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B 9113-1989
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図 噴霧機の形状
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B 9113-1989
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
改正原案調査作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員会長)
田 原 虎 次
日本大学農獣医学部
藍 房 和
東京農工大学農学部
白 井 宏
通商産業省機械情報産業局
鈴 木 茂 光
工業技術院標準部
寺 本 忠 孝
農林水産省農蚕園芸局
戸 崎 紘 一
生物系特定産業技術研究推進機構
船 曵 英 夫
社団法人日本農業機械化協会
佐 藤 功
全国農業協同組合連合会
渡 辺 崇
全国農業機械商業協同組合連合会
木 内 渥
株式会社丸山製作所
平 松 献 三
株式会社共立
上 原 宏
有光工業株式会社
佐々木 春 夫
佐々木農機株式会社
三 宅 緑 治
株式会社マルナカ製作所
原 田 国 弘
富士ロビン株式会社
伊 東 秀 見
株式会社日東製作所
吉 田 隆 三
株式会社ダイシン
泉 歳 寛
オリンピア工業株式会社
(事務局)
長 崎 嗣 明
社団法人日本農業機械工業会
天 野 謙
社団法人日本農業機械工業会