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B 8830 : 2001 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日

本工業規格である 

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために, 

ISO 4302 : 1981, Cranes−Wind load assessmentを基礎として用いた。 

JIS B 8830には,次に示す附属書がある。 

附属書(参考) JISと対応する国際規格との対比表 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 8830 : 2001 

クレーン−風荷重の評価 

Cranes−Wind load assessment 

序文 この規格は,1981年に第1版として発行されたISO 4302, Cranes−Wind load assessmentを翻訳し,

一部技術的内容を変更して作成した日本工業規格とした。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変更の一覧表

をその説明を付けて附属書(参考)に示す。 

1. 適用範囲 この規格はクレーンの風荷重に関するものである。風荷重の計算は,単純化した計算方法

で行うよう規定してある。風は,あらゆる方向から水平に,一定の速度で吹き,クレーンの構造部分には

静的な荷重として作用するものとする。 

備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。 

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD

(修正している),NEQ(同等でない)とする。 

ISO 4302 : 1981, Cranes−Wind load assessment (MOD) 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構

成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その

最新版(追補を含む)を適用する。 

JIS B 0146-1 クレーン用語 第1部:一般 

備考 ISO 4306-1 : 1986, Cranes−Vocabulary−Part 1: Generalからの引用事項は,この規格の該当事

項と同等である。 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS B 0146-1によるほか,次による。 

風 速 (wind speed) 

計算の根拠として使用される風速。 

速度圧 (wind pressure) 

単位面積当たりの風荷重。 

風力係数 (force coefficient) 構造物の形状に応じて決まる係数。 

受圧面積 (load area) 

風の方向に垂直な面への投影面積。 

充実率 (solidity ratio) 

風を受ける面の輪郭で囲まれる面積に対する投影面積の比。 

間隔率 (spacing ratio) 

相対する面間の距離と風の正面を向いた部材の幅との比。 

4. 風荷重 

4.1 

風荷重の計算 クレーンに作用する風荷重は,次の式により計算する。 

background image

B 8830 : 2001  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

F=CqA 

ここに, F: 風荷重 (N) 
 

C: 風力係数 

q: 速度圧 (N/m2) 

A: 受圧面積 (m2) 

4.2 

速度圧 速度圧は,次の式により求める 

作動時 

(

)

2

4

m

N

83

h

q=

停止時 

(

)

2

4

m

N

980

h

q=

ここに, 

h: 地上からの高さ (m)。ただし,最小16mとする。 

備考 作動時風速は16m/s,停止時風速は55m/sとして,上記速度圧の算定式を導いている。 

4.3 

風力係数 風力係数は,構造物の形状に応じ,表1の値をとる。ただし,風洞実験,又は実物大模

型試験によって得た値を使用してもよい。 

表1 風力係数 C 

風を受ける面の種類 

φ又は寸法比 

型鋼のトラス 

φ 

 φ<0.1 

2.0 

0.1≦ φ<0.3 

1.8 

0.3≦ φ<0.9 

1.6 

0.9≦ φ 

2.0 

板けた又は箱形けた 

l/h 

 l/h<5 

1.2 

5≦ l/h<10 

1.3 

10≦ l/h<15 

1.4 

15≦ l/h<25 

1.6 

25≦ l/h<50 

1.7 

50≦ l/h<100 1.8 

100≦ l/h 

1.9 

円筒材及び円筒材のト
ラス 

q

d

0.3

<

q

d

1.2 

q

d

0.3

0.7 

ここに, 

φ: 充実率 

l: 板けた又は箱形けたの長さ (m) 

h: 風の方向から見た板けた又は箱形けたの高さ (m) 

d: 円筒の直径 (m) 

q: 速度圧 (N/m2) 

4.4 

受圧面積 受圧面積は,クレーンの風を受ける面の風の方向に直角な面に対する投影面積とするが,

クレーンの風を受ける面が風の方向に対して重なっているときは,図1に示す低減率ηを乗じて計算する

ものとする。ここで,b/hは間隔率で,相対する面間の距離bと風の正面を向いた部材幅hの比を示す。 

background image

B 8830 : 2001  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図1 低減率ηと充実率φの関係図 

4.5 

つり荷への風荷重 作業中のクレーンは,つり荷の形状が想定できる場合,つり荷への風荷重を考

慮する。ただし,つり荷の形状が想定できない25t以下の質量で,風荷重の考慮が必要な場合は,表2の

値を目安とすることができる。 

表2 つり荷の受圧面積 

つり荷の質量 

受圧面積 

5t未満 つり荷1tについて1m2 

5t以上25t以下 (5m2)+(5tを超える質量1tにつき0.5m2) 

備考 つり荷に対する風力係数は,C=1.0とする。 

B 8830 : 2001  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS B 8830(クレーン−風荷重の評価)原案作成委員会 構成表(平成12年3月現在) 

氏名 

所属 

(委員長) 

石 川 義 雄 

埼玉大学名誉教授 

(委員) 

中 嶋   誠 

通商産業省機械情報産業局 

穐 山 貞 治 

通商産業省工業技術院 

木 村 嘉 勝 

労働省労働基準局 

坂 田 和 俊 

運輸省港湾局 

河 原 直 行 

住友重機械工業株式会社 

山 村 修 蔵 

財団法人日本規格協会 

村 松 史 朗 

社団法人港湾荷役機械化協会 

今 中 成 和 

新日本製鐵株式会社 

後 藤   誠 

株式会社大林組 

鈴 木   肇 

鹿島建設株式会社 

井 元 富美夫 

川崎製鉄株式会社 

村 田 好 正 

株式会社日通総合研究所 

春 田   靖 

三菱重工業株式会社 

島 村 信太郎 

石川島播磨重工業株式会社 

斎 藤   透 

日立機電工業株式会社 

高 橋 信 人 

株式会社日本起重機製作所 

神 内 鉱 典 

株式会社神内電機製作所 

後 藤 晋 司 

コベルコ建設株式会社 

長 嶋 靖 夫 

株式会社加藤製作所 

鈴 木 政 男 

株式会社日本起重機製作所 

大 内 征 紀 

社団法人日本クレーン協会 

(事務局) 

森 本 忠 三 

社団法人日本クレーン協会 

(分科会委員) 

(主査) 

高 橋 信 人 

株式会社日本起重機製作所 

坂 井 善 毅 

通商産業省工業技術院 

山 村 修 蔵 

財団法人日本規格協会 

河 原 直 行 

住友重機械工業株式会社 

村 松 史 朗 

社団法人港湾荷役機械化協会 

春 田   靖 

三菱重工業株式会社 

島 村 信太郎 

石川島播磨重工業株式会社 

斎 藤   透 

日立機電工業株式会社 

鈴 木 政 男 

株式会社日本起重機製作所 

横 山 俊 輔 

コベルコ建設株式会社 

鶴 岡 憲 明 

株式会社加藤製作所 

小 野   出 

株式会社キトー 

小 俣 定 一 

石川島建機株式会社 

大 内 征 紀 

社団法人日本クレーン協会 

(事務局) 

森 本 忠 三 

社団法人日本クレーン協会