B 8824 : 2001
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本クレーン協会 (JCA) /財団法
人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業
標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,
ISO 7296-1 : 1986, Cranes−Graphic symbols−Part 1 : Generalを基礎として用いた。
JIS B 8824には,次に示す附属書がある。
附属書(参考) JISと対応する国際規格との対比表
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 8824 : 2001
クレーン−図記号
Cranes−Graphical symbols
序文 この規格は,1986年に第1版として発行されたISO 7296-1, Cranes−Graphic symbols−Part 1 : General
を翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。追加・変更の一覧表
を,その説明を付けて附属書に示す。
1. 適用範囲 この規格は,クレーンの制御に使用される一般的な図記号を規定する。
また,制御用押しボタンと表示ランプに使用する色を規定する。
備考 この規格の国際対応規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 7296-1 : 1986, Cranes−Graphic symbols−Part 1 : General (MOD)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格のうちで,発行年を付けてあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構成
するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。
ISO 7000 : 1989 Graphical symbols for use on equipment−Index and synopsis
IEC 60417 : 1973 Graphical symbols for use on equipment Index, survey and compilation of the single sheets
3. 定義 図記号は,5.1,5.2,5.3に示すように次のグループに分類した。
運動の基本的な方向及びオン・オフ位置を示す図記号
運転制御のための図記号
情報のための図記号
4. 一般的要求 図記号は,5.1,5.2,5.3に示すものでなければならない。
制御用の図記号は,それらの背景とよいコントラストをもたなければならない。(できれば,暗い背景に
明るい図記号とするのが望ましい。)
図記号は,説明するコントローラの上又はその近くに取り付けなければならない。
一つ以上の図記号を必要とする場合(例えばオン・オフ,右行き・左行きのような場合),図記号は,そ
れによって示された機器の動きが制御運転の感覚に暗示を与えるような制御機器に関係した位置に取り付
けなければならない。
図記号は,運転士が運転をする範囲で容易に見られる位置に取り付けなければならない。
2
B 8824 : 2001
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
コントロールレバーの動く方向を示す図記号は,レバーの動きを明示する図記号と一緒に使用される。
図記号は,それが示す動きに従って,要求された位置の制御盤に取り付けなければならない。
5. 制御に関する図記号
5.1
運動の基本的な方向とオン・オフ位置を示す図記号
番号
図記号
説明
001
一方方向の移動
002
二方向のコントロールレバーの動き
003
回転,時計回り
004
回転,反時計回り
005
両方向回転,ロックなし
006
両方向回転,ロックあ
固定されたところを示す追加された図記号がついている矢印は,運動の方向(例えば全回転クレーンの
走行)の変更とともに運転室が動くような場合に適用される
番号
図記号
説明
007
右回転
008
左回転
009
左右回転
010
オン
011
オフ
012
オン−オフ
3
B 8824 : 2001
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
図記号
説明
013
押しボタンだけによるオン
5.2
運転制御のための図記号
番号
図記号
説明
020
つり具:巻上げ
021
つり具:巻下げ
022
起伏上げ
023
起伏下げ
024
ジブ伸縮:伸ばし
025
ジブ伸縮:縮め
026
クラブ横行:右行き,左行き
027
走行:前進
4
B 8824 : 2001
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
図記号
説明
028
走行:後進
029
走行:両方向
030
クライミングクレーン:クライミング上げ
031
クライミングクレーン:クライミング下げ
040
リフティングマグネット:オン
041
リフティングマグネット:オフ
042
レールクランプ:オン
043
レールクランプ:オフ
044
2段式操作ボタン
5.3
情報のための記号図
番号
図記号
説明
050
可変制御:回転
5
B 8824 : 2001
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
図記号
説明
051
可変制御:直線制御
052
風速
053
風向
054
ブレーキオン
055
ブレーキオフ
056
クラッチオン
057
クラッチオフ
058
警報
059
温度
060
ベンチレーション
061
運転室内照明灯
062
照明灯
6
B 8824 : 2001
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
図記号
説明
063
スポットライト
064
ワイパー
065
ヒータ
066
エアコンディショナー
067
窓ガラスヒータ
068
回転数
069
潤滑油
070
空気口
071
電源
072
エンジンオイル
073
主開閉器
074
プラグ・ソケット
075
蒸気
7
B 8824 : 2001
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
図記号
説明
076
グリース
077
インターロック オン
078
イン夕日ロック オフ
6. 制御押しボタンと表示ランプのための色
6.1
制御押しボタンの色
番号
色
目的
適用例
3.1.1 赤
非常停止又は電源切のときの
行動
非常停止ボタン
停止又は電源切断
−全てのシステムの停止
−1又はそれ以上のモータ
3.1.2 赤,黄を除くすべての
色
動きの制限のない機能
他の運転制御
6.2
表示ランプの色
番号
色
目的
適用例
3.2.1 赤
非常時の行動
危険な状態又は非常時
直ちに介入を必要とする場合
非常停止
過荷重
危険な突風
3.2.2 黄
危険状態に接近したことの警告
定格荷重のつり具
3.2.3 緑
安全,運転状態
運転状態
運転開始
8
8
B
8
8
2
4
:
2
0
0
1
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書(参考) JISと対応する国際規格との対比表
JIS B 8824 : 2001 クレーン−図記号
ISO 7296-1 : 1991 クレーン−図記号 第1部:一般
(I) JISの規定
(II) 国際規
格番号
(III) 国際規格の規
定
(IV) JISと国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容
表示箇所:
表示方法:
(V) JISと国際規格との技術
的差異の理由及び今後の
対策
項目番号
内容
項目番号
内容
項目ごとの評価
技術的差異の内容
第1章 一般
1. 適用範囲
クレーンの制御に関する一般的
な図記号について規定する
ISO 7296-1
第1章
1
JISに同じ
IDT
−
2. 引用規格
ISO 7000 : 1989
IEC 60417 : 1973
2
JISに同じ
IDT
−
3. 定義
図記号のグループ分けを述べて
いる。
ISO 7296-1
3
JISに同じ
IDT
−
−
4. 一般的要求
図記号に関する一般的な要求を
規定。
ISO 7296-1
4
JISに同じ
IDT
−
−
第2章
制御に関する図記号
図記号を規定
ISO 7296-1
第2章
JISに同じ
MOD/追加
二段式操作ボタンとイン
ターロックを追加した。
ISO見直し時に提案する
第3章 色
ボタン,ランプの色を規定
ISO 7296-1
第3章
JISに同じ
IDT
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
−IDT………………… 技術的差異がない。
−MOD/追加……… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
−MOD……………… 国際規格を修正している。
9
B 8824 : 2001
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS B 8824(クレーン図記号)原案作成委員会 構成表(平成12年3月現在)
氏名
所属
(委員長)
石 川 義 雄
埼玉大学名誉教授
(委員)
中 嶋 誠
通商産業省機械情報産業局
穐 山 貞 治
通商産業省工業技術院
木 村 嘉 勝
労働省労働基準局
坂 田 和 俊
運輸省港湾局
河 原 直 行
住友重機械工業株式会社
山 村 修 蔵
財団法人日本規格協会
村 松 史 朗
社団法人港湾荷役機械化協会
今 中 成 和
新日本製鐵株式会社
後 藤 誠
株式会社大林組
鈴 木 馨
鹿島建設株式会社
井 元 富美夫
川崎製鉄株式会社
村 田 好 正
株式会社日通総合研究所
春 田 靖
三菱重工業株式会社
島 村 信太郎
石川島播磨重工業株式会社
斎 藤 透
日立機電工業株式会社
高 橋 信 人
株式会社日本起重機製作所
神 内 紘 典
株式会社神内電機製作所
後 藤 晋 司
コベルコ建機株式会社
長 嶋 靖 夫
株式会社加藤製作所
鈴 木 政 男
株式会社日本起重機製作所
大 内 征 紀
社団法人日本クレーン協会
(事務局)
森 本 忠 三
社団法人日本クレーン協会
(分科会委員)
(主査)
高 橋 信 人
株式会社日本起重機製作所
坂 井 善 毅
通商産業省工業技術院
山 村 修 蔵
財団法人日本規格協会
河 原 直 行
住友重機械工業株式会社
村 松 史 朗
社団法人港湾荷役機械化協会
春 田 靖
三菱重工業株式会社
島 村 信太郎
石川島播磨重工業株式会社
斎 藤 透
日立機電工業株式会社
鈴 木 政 男
株式会社日本起重機製作所
横 山 俊 輔
コベルコ建機株式会社
鶴 岡 憲 明
株式会社加藤製作所
小 野 出
株式会社キトー
小 俣 定 一
石川島建機株式会社
大 内 征 紀
社団法人日本クレーン協会
(事務局)
森 本 忠 三
社団法人日本クレーン協会