B 8823-4 : 2001
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本クレーン協会 (JCA)/財団法人
日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標
準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,
ISO 7752-4: 1989 Cranes−Layout and characteristics−Part 4: Jib cranesを基礎として用いた。
JIS B 8823-4には,次に示す附属書がある。
附属書(参考) JISと対応する国際規格との対比表
JIS B 8823-4には,次に示す部編成がある。
JIS B 8823-1 クレーン−操作装置−操作レバー等の配置及び操作方法−第1部:一般
JIS B 8823-2 クレーン−操作装置−操作レバー等の配置及び操作方法−第2部:移動式クレーン
JIS B 8823-3 クレーン−操作装置−操作レバー等の配置及び操作方法−第3部:タワークレーン
JIS B 8823-5 クレーン−操作装置−操作レバー等の配置及び操作方法−第5部:天井走行クレーン及
び橋形クレーン
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 8823-4 : 2001
クレーン−操作装置−
操作レバー等の配置及び操作方法−
第4部:ジブクレーン
Cranes−Controls−Layout and characteristics−
Part 4 : Jib cranes
序文 この規格は,1989年に第1版として発行されたISO 7752-4, Cranes−Controls−Layout and
characteristics−Part 4: Jib cranesを翻訳し,技術的内容を追加・変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。追加・変更の一覧表
とその説明を付けて附属書に示す。
この規格の制定目的は,ジブクレーンの運転者が,さまざまな型式のクレーンを運転する場合,運転者の
混乱又は緊急時の誤操作をなくするために,クレーン作業中に使用される操作装置に関する基本的な配置
及び操作方法について定めることにある。
1. 適用範囲 この規格は,JIS B 0146-1で定義されたタワークレーン,移動式クレーン及び鉄道クレー
ンを除くジブクレーンの荷の巻上げ巻下げ,走行,旋回,起伏,グラブバケットの開閉についての操作装
置の基本的な要求事項,配置及び操作方向について規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 7752-4 : 1989 Cranes−Controls−Layout and characteristics−Part4 : Jib cranes (MOD)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格のうちで,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構
成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その
最新版(追補を含む)を適用する。
JIS B 0146-1 クレーン用語−第1部:一般
備考 ISO 4306-1 : 1986, Cranes−Vocabulary−Part 1 : Generalからの引用事項は,この規格の該当事
項と同等である。
JIS B 8823-1 クレーン−操作装置−操作レバー等の配置及び操作方法−第1部:一般
備考 ISO 7752-1 : 1983, Lifting appliances−Controls−Layout and characteristics−Part 1 : General
principlesの一部がこの規格に対応する。
2
B 8823-4 : 2001
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義はJIS B 0146-1によるほか,次による。
二方向操作レバー:前後又は左右方向だけに操作するレバー。
多方向操作レバー:多方向に操作して二種類の操作を行うレバー。
4. 一般要求事項 ジブクレーンに対する基本的な操作装置は,JIS B 8823-1に準拠するが,操作に必要
な力は,下記の数値を超えないものとする。
操作ハンドル及びレバー :100 N
足踏みペダル
:200 N
5. 操作レバーなどの配置 操作レバーなどの基本的な配置及び操作方向を,図1及び図2に示す。
5.1
二方向操作レバーの場合 二方向操作レバー方式の場合は,クレーンの動作に対するレバーの操作
方向は,表1による。
表1 二方向操作レバー−クレーンの動作とレバーの操作方向の関係
クレーンの動作
レバーの操作方向
巻上
巻上げ
運転者に向かう方向(後方へ操作)
巻下げ
運転者から離れる方向(前方へ操作)
走行
明記された方向へ操作(前後方向操作レバーの場合),
又は運転者の左側又は右側へ操作(左右方向のレバー
操作の場合)
旋回
右旋回
反ジブ方向
(運転者の位置がジブに
向かって右側の場合)
運転者に向かう方向(後方へ操作)
ジブ方向
(運転者の位置がジブに
向かって左側又は中央の
場合)
運転者から離れる方向(前方へ操作)
−
運転者の右側へ操作(左右方向のレバー操作の場合)
左旋回
ジブ方向
(運転者の位置がジブに
向かって右側の場合)
運転者から離れる方向(前方へ操作)
反ジブ方向
(運転者の位置がジブに
向かって左側又は中央の
場合)
運転者に向かう方向(後方へ操作)
−
運転者の左側へ操作(左右方向のレバー操作の場合)
起伏
起こし又は引込み
運転者に向かう方向(後方へ操作)
伏せ又は押出し
運転者から離れる方向(前方へ操作)
停止
巻上げ/巻下げ
レバーの中立位置,又は足踏みペダル(配置されてい
る場合)の解放
起伏
レバーの中立位置
走行
レバーの中立位置
旋回の自由又は停止
レバーの中立位置,又は足踏みペダル(配置されてい
る場合)の解放
5.2
多方向操作レバーの場合 多方向操作レバー方式の場合は,クレーンの動作に対するレバーの操作
方向は,表2による。
3
B 8823-4 : 2001
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表2 多方向操作レバー−クレーンの動作とレバーの操作方向の関係
クレーンの動作
レバーの操作方向
巻上
巻上げ
運転者に向かう方向(後方へ操作)
巻下げ
運転者から離れる方向(前方へ操作)
走行
運転者の左側又は右側へ操作,又は明記された方向
へ操作
旋回
右旋回
運転者の右側へ操作
左旋回
運転者の左側へ操作
起伏
起こし又は引込み
運転者に向かう方向(後方へ操作)
伏せ又は押出し
運転者から離れる方向(前方へ操作)
グラブ
バケット
開き
運転者の右側へ操作
閉じ
運転者の左側へ操作
停止
巻上げ/巻下げ
レバーの中立位置,又は足踏みペダル(配置されて
いる場合)の解放
走行
レバーの中立位置
起伏
レバーの中立位置
グラブバケット開閉
レバーの中立位置
旋回の自由又は停止
レバーの中立位置,又は足踏みペダル(配置されて
いる場合)の解放
注(1) 表1を参照
図1 操作レバー等の配置(二方向操作レバー)
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B 8823-4 : 2001
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図2 操作レバー等の配置(多方向操作レバー)
5
B
8
8
2
3
-4
:
2
0
0
1
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附属書(参考) JISと対応する国際規格との対比表
JIS B 8823-4:クレーン−操作装置−操作レバー等の配置及び操作方法 第4部:ジブクレーン ISO 7752-4 : 1983 クレーン−操作装置−配置及び特性 第4部:ジ
ブクレーン
(I) JISの規定
(II) 国際規
格番号
(III) 国際規格の規定
(IV) JISと国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容
表示箇所:
表示方法:
(V) JISと国際規格との技
術的差異の理由及び今後の
対策
項目番号
内容
項目番号
内容
項目ごとの評価
技術的差異の内容
序文
制定の目的について規定
1. 適用範囲
ジブクレーンの操作装置につ
いて規定
ISO 7752-4
1.
JISに同じ
IDT
−
−
2. 引用規格
JIS B 0146-1
JIS B 0146-2
同上
2.
ISO 4306-1 : 1990,
ISO 7752-1 : 1983
IDT
−
−
3. 定義
この規格で使用する用語を定
義
同上
なし
MOD/追加
二方向操作レバーと多
方向操作レバーを追加
した。
関連JISとの整合化をとっ
た
4. 一般要求事
項
基本的要求事項と操作に必要
な力を規定
同上
3.
IDT
5. 操作レバー
等の配置
操作レバーなどの配列及び操
作方向を規定
同上
4.
JISに同じ
MOD/変更
配置図を参考例とし
た。
国内の実情に合わないため
配置図を参考例とした
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
− IDT……………………技術的差異がない。
− MOD/追加…………国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− MOD/変更…………国際規格の規定内容を変更している。
2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
− MOD…………………国際規格を修正している。
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B 8823-4 : 2001
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JIS B 8823-4(クレーン−操作装置−操作レバー等の配置及び操作方法 第4部:ジブクレーン)
改正原案作成本委員会 構成表(平成12年3月現在)
氏名
所属
(委員長)
石 川 義 雄
埼玉大学名誉教授
(委員)
中 嶋 誠
通商産業省機械情報産業局
穐 山 貞 治
通商産業省工業技術院
木 村 嘉 勝
労働省労働基準局
坂 田 和 俊
運輸省港湾局
河 原 直 行
住友重機械工業株式会社
山 村 修 蔵
財団法人日本規格協会
村 松 史 朗
社団法人港湾荷役機械化協会
今 中 成 和
新日本製鐵株式会社
後 藤 誠
株式会社大林組
鈴 木 馨
鹿島建設株式会社
井 元 富美夫
川崎製鉄株式会社
村 田 好 正
株式会社日通総合研究所
春 田 靖
三菱重工業株式会社
島 村 信太郎
石川島播磨重工業株式会社
斎 藤 透
日立機電工業株式会社
高 橋 信 人
株式会社日本起重機製作所
神 内 紘 典
株式会社神内電機製作所
後 藤 晋 司
コベルコ建機株式会社
長 嶋 靖 夫
株式会社加藤製作所
鈴 木 政 男
株式会社日本起重機製作所
大 内 征 紀
社団法人日本クレーン協会
(事務局)
森 本 忠 三
社団法人日本クレーン協会
(分科会委員)
(主査)
田 中 正 清
労働省産業安全研究所
迫 田 国 昭
三菱重工業株式会社
鈴 木 大 助
石川島播磨重工業株式会社
河 原 直 行
住友重機械工業株式会社
平 野 正 美
株式会社日本起重機製作所
井 伊 浩 行
株式会社神内電気製作所
西 坂 明比古
日本鋼管株式会社
坪 川 正 勝
株式会社キトー
(事務局)
福 田 侑 二
社団法人日本クレーン協会