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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 8814 - 1992 

ベルトコンベヤ用プーリ 

Pulleys for belt conveyors 

1. 適用範囲 この規格は,主としてばら物(鉱石,土砂,石炭,セメント,穀類など)を運搬するため

に用いる定置式ベルトコンベヤ用のプーリ(以下,プーリという。)について規定する。ただし,モータプ

ーリ,マグネットプーリなどは除く。 

備考1. この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS B 0140 コンベヤ用語(その1 コンベヤの種類) 

JIS B 0141 コンベヤ用語(その2 コンベヤの部品及び附属機器) 

2. この規格の対応国際規格を,次に示す。 

ISO 1536-1975 Continuous mechanical handling equipment for loose bulk materials−Troughed belt 

conveyors (other than portable conveyors)−Belt pulleys 

2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS B 0140及びJIS B 0141によるほか,次による。 

(1) ベルト巻付角度 コンベヤベルト(以下,ベルトという。)がプーリと接触している区間のプーリ心に

対する角度。 

(2) プーリ外径の振れ プーリ軸心に対する外径の回転振れ。平行度もこれに包含する。 

(3) プーリ外径の差 プーリ外筒がテーパ状となった場合に生じる左右の外径差。 

(4) 軸受心間距離 左右の軸受取付心の距離。 

3. 等級 プーリの等級は,プーリ外径の差及びプーリ外径の揺れによってA及びBの2等級とし,表1

による。 

表1 プーリの等級 

ベルトの種類 

巻付角度 

等級 

帆布強度 

15kN/cm以上及びス

チールコード 

120°以上 

すべての速度 

− 

60°以上120°未満 

速度4.17m/s以上 

速度4.17m/s未満 

60°未満 

− 

すべての速度 

帆布強度 

15kN/cm未満 

120°以上 

速度4.17m/s以上 

速度4.17m/s未満 

60°以上120°未満 

− 

すべての速度 

60°未満 

− 

すべての速度 

4. 品質 プーリの外筒部は,有害な偏心,偏肉があってはならない。 

また,軸受に支持された場合の性能は,プーリの回転が円滑で,その釣合い及び真円度は良好でなけれ

ばならない。 

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B 8814 - 1992  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5. 形状及び構造 プーリは,ベルトに対し巻付角度をもってベルトの駆動及び誘導を行う円筒形のもの

で,外筒,鏡板及び軸によって構成される。 

プーリは,プーリにかかるベルトの張力及び駆動トルクに対し堅ろうで十分使用に耐えるものとする。 

構造の一例を図1に示す。 

図1 プーリの構造 

6. 寸法 

6.1 

プーリ外径 プーリ外径の寸法は,表2による。 

表2 プーリ外径 

単位mm 

200, 

250, 

315, 

400, 

500, 

600, 

630, 

700, 

800, 

900, 1 000, 1 100, 1 200, 1 250, 1 400, 1 600 

備考1. プーリ表面にラギングを施す場合は,表2寸法にラギン

グ厚みを加算する。 

2. プーリ外筒に,パイプを使用してもよい。パイプを使

用する場合は,表2寸法に近いものを使用する。 

3. ベルト速度及び設備取合上の関係で,表2以外のプー

リ外径を使用する場合は,受渡当事者間の協定による。 

6.2 

プーリ外径の許容差 プーリ外径の許容差は,プーリ外径に対して,それぞれ表3による。 

表3 プーリ外径の許容差 

単位mm 

プーリ外径 

許容差 

315以下 

±3.0 

315を超え 700以下 

±4.0 

700を超え1600以下 

±5.0 

備考 ラギングプーリについての許容

差は,表3の値にそれぞれ1mm
を加算する。 

6.3 

プーリ幅 プーリ幅及びその許容差は,それぞれのベルト幅に対し,表4による。 

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表4 プーリ幅及びその許容差  

単位mm 

ベルト幅 

プーリ幅 

許容差 

ベルト幅 

プーリ幅 

許容差 

ベルト幅 

プーリ幅 

許容差 

400 

500 

±2.0 

1 200 

1 400 

±2.0 

2 200 

2 450 

±3.0 

500 

600 

1 400 

1 600 

2 400 

2 650 

650 

750 

1 600 

1 800 

2 600 

2 900 

800 

950 

1 800 

2 000 

1 000 

1 150 

2 000 

2 200 

6.4 

軸受心間距離及びプーリ中心のずれ 軸受心間距離及びその許容差は,表5による。ただし,軸受

心間距離は,表5の値にベルト幅を加算した値とする。 

また,軸受間の中心とプーリ幅の中心のずれとは,図2のCの値をいい,その許容差は表6による。 

図2 プーリの寸法 

表5 軸受心間距離及びその許容差 

単位mm 

軸受径 

種別 

ベルト幅 

400〜650 

800, 1 000 

1 200〜1 600 

1 800, 2 000 

2 200, 2 400 

2 600 

 40を超え

100以下 

駆動プーリ 

500 

±2.0 

550 

±2.0 

600 

±2.0 

700 

±3.0 

750 

±3.0 

800 

±4.0 

従動プーリ(1) 

400 

450 

500 

600 

650 

700 

100を超え

140以下 

駆動プーリ 

550 

600 

650 

750 

800 

850 

従動プーリ(1) 

450 

500 

550 

650 

700 

750 

140を超え

220以下 

駆動プーリ 

650 

700 

750 

850 

900 

950 

従動プーリ(1) 

550 

600 

650 

750 

800 

850 

220を超え

300以下 

駆動プーリ 

750 

800 

850 

950 

1 000 

1 050 

従動プーリ(1) 

650 

700 

750 

850 

900 

950 

注(1) シュート付き従動プーリの場合は,駆動プーリを適用する。 

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表6 プーリ中心のずれCの許容差  

単位mm 

ベルト幅 

許容差 

ベルト幅 

許容差 

ベルト幅 

許容差 

450 

2.0 

1 200 

3.0 

2 200 

4.0 

500 

1 410 

2 400 

650 

1 600 

2 600 

5.0 

800 

2.5 

1 800 

3.5 

1 000 

2 000 

6.5 

プーリ外径の振れ A級プーリのプーリ外径の振れの許容値は,それぞれのプーリ外径に対し,表7

による。 

表7 プーリ外径の振れの許容値 

単位mm 

プーリ外径 

許容値 

500以下 

1.0 

500を超え800以下 

1.5 

800を超えるもの 

2.0 

備考1. ラギングプーリについてはラギ

ング外径に対して適用し,許容値
は表7の値にそれぞれ0.5mmを加
算する。 

2. 外筒巻き加工による継ぎ部のへ

こみ及び鏡板の外側部について
は,表7の適用を除外する。 

6.6 

プーリ外径の差 A級プーリのプーリ外径の差の許容値は,表8による。 

表8 プーリ外径の差の許容値 

単位mm 

種類 

プーリ外径 

ベルト幅 

400〜650 

800, 1000 

1 200〜2 000 

2 200〜2 600 

ラギングなしプーリ 500以下 

500を超えるもの 

1.0 

1.5 

1.5 

2.0 

2.0 

2.5 

2.5 

3.0 

ラギングプーリ 

500以下 

500を超えるもの 

1.5 

2.0 

2.0 

2.5 

2.5 

3.0 

3.0 

3.5 

7. 試験方法 

7.1 

プーリ外径 プーリ外径は,全幅に対し3か所以上を測定する。 

7.2 

軸受心間距離 軸受心間距離は,プーリ外筒端面と軸受取付心との長さを測定した値にプーリ幅を

加算して求めてもよい。 

7.3 

プーリ外径の振れ プーリ外径の振れは,全幅に対し3か所以上を測定する。 

8. 検査 検査は,プーリの等級に応じて,それぞれ表9の項目について行い,4.及び6.の規定を満足し

なければならない。 

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表9 検査項目 

等級 

項目 

品質・寸法(プーリ外径・プーリ幅・軸受心間距離・プーリ外径の振れ・
プーリ外径の差) 

品質・寸法(プーリ外径・プーリ幅・軸受心間距離) 

9. 製品の呼び方 製品の呼び方は,規格番号,記号,プーリ形式(2)及び呼び(3)による。 

A級プーリの場合に限り,規格番号の後にAを付ける。 

例1. ベルト幅800mm,プーリ外径1 000mm,鏡板部軸径135mm,軸受径100mmの従動プーリ 

JIS B 8814 P○○○-80・100-135・100 

例2. ベルト幅1 200mm,プーリ外径1 400mm,鏡板部軸径150mm,軸受径140mmの駆動プーリで右

回転でA級プーリの場合 

JIS B 8814 A P○○○-120・140-150・140−R 

注(2) Pの記号はプーリを表し,プーリ形式は製造業者側で定めた形式とする。 

(3) 呼びはベルト幅,プーリ外径,鏡板部軸径及び軸受径からなる。 

備考1. 呼びの単位は,ベルト幅とプーリ外径に対してはcm単位で,軸径に対してはmm

単位でそれぞれ表す。 

2. 

必要な場合は,回転方向を明示する。この場合,駆動部品取付側から見て時計方向

回転をR(右回転)とし,反時計方向回転をL(左回転)とする。 

10. 表示 プーリには,適切な箇所に次の事項を表示する。 

(1) 等級(A級プーリに限る。) 

(2) 製造業者名又はその略号 

関連規格 JIS B 8803 ベルトコンベヤ用ローラ 

JIS K 6322 布層コンベヤゴムベルト 

JIS K 6369 スチールコードコンベヤゴムベルト 

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参考 寸法 

この参考は,本体の規定に関連する事柄を補足するもので,規格の部ではない。 

1. プーリ幅 プーリ幅及びその許容差は,参考表1による。 

参考表1 プーリ幅及びその許容差 

単位mm

ベルト幅 

プーリ幅 

許容差 

450 

550 

±2.0 

600 

700 

750 

900 

900 

1 050 

1 050 

1 200 

2. 軸受心間距離及びプーリ中心のずれ 軸受心間距離及びその許容差は,参考表2による。ただし,軸

受心間距離は,参考表2の値にベルト幅を加算した値とする。 

また,軸受間の中心とプーリ幅の中心のずれとは,本体図2のCの値をいい,その許容差は参考表3に

よる。 

参考表2 軸受心間距離及びその許容差 

単位mm 

軸受径 

種別 

ベルト幅 

450, 600 

750, 900, 1 050 

 40を超え

100以下 

駆動プーリ 

500 

±2.0 

550 

±20 

従動プーリ(1) 

400 

450 

100を超え

140以下 

駆動プーリ 

550 

600 

従動プーリ(1) 

450 

500 

140を超え

220以下 

駆動プーリ 

650 

700 

従動プーリ(1) 

550 

600 

220を超え

300以下 

駆動プーリ 

750 

800 

従動プーリ(1) 

650 

700 

注(1) シュート付き従動プーリの場合は,駆動プーリを適用する。 

参考表3 プーリ中心のずれCの許容差 

単位mm 

ベルト幅 

許容差 

450, 600 

2.0 

750, 900, 1 050 

2.5 

3. 外径の差 A級プーリの外径の差の許容値は,参考表4による。 

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参考表4 プーリ外径の差の許容値 

単位mm 

種類 

プーリ外径 

ベルト幅 

450, 600 

750, 900, 1 050 

ラギングなしプーリ 

500以下 
500を超えるもの 

1.0 
1.5 

1.5 
2.0 

ラギングプーリ 

500以下 
500を超えるもの 

1.5 
2.0 

2.0 
2.5 

JIS B 8814改正原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

鈴 木   震 

物流技術研究所 

(委員) 

喜 田 勝治郎 

通商産業省機械情報産業局 

伊 東   厚 

工業技術院標準部運輸航空規格室 

梅 井   勲 

労働省労働基準局 

林     悠 

社団法人港湾荷役機械化協会 

小 柳 邦 彦 

日本セメント株式会社エンジニアリング事業部 

城 戸   仁 

宇部興産株式会社機械事業部営業本部 

青 葉 秀 樹 

日本鋼管株式会社生産設備部 

中 上 雄 吾 

川崎重工業株式会社土木技術部 

今 里 省 三 

三菱重工業株式会社広島製作所 

設 楽   元 

株式会社日立製作所機電事業本部 

○ 金 子 一 男 

三機工業株式会社産業設備本部 

○ 佐々木 明 夫 

日本コンベヤ株式会社コンベヤ事業部 

○ 山 口 幸 弘 

株式会社三井三池製作所技術部 

○ 寺 本 勝 成 

石川島輸送機株式会社コンベヤ設計部 

○ 古谷野 春 紀 

古河機械金属株式会社機械設計課 

○ 志 水   勇 

住友重機械工業株式会社搬送物流システム事業部 

(事務局) 

○ 加 藤   宏 

社団法人日本産業機械工業会 

(上記以外の分科会委員) 

○ 石 黒 高 行 

三機工業株式会社産業設備本部業務部 

○ 鶴 戸 哲 夫 

富士コンベヤ株式会社技術部 

備考 ○印は分科会委員