2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 8808-1995
ポータブルベルトコンベヤ
Portable belt conveyors
1. 適用範囲 この規格は,主として鉱石,土砂,石炭,セメント,穀類などのばら物の運搬に用いるポ
ータブルベルトコンベヤ(1)(以下,コンベヤという。)について規定する。
注(1) ここにいうポータブルベルトコンベヤとはモータプーリを使用し,ベルトがトラフ板上を走行
するものをいう。
備考1. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS C 3312 600Vビニル絶縁ビニルキャブタイヤケーブル
JIS C 3327 600Vゴムキャブタイヤケーブル
JIS C 4210 一般用低圧三相かご形誘導電動機
JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材
JIS G 3131 熱間圧延軟鋼板及び鋼帯
JIS G 3141 冷間圧延鋼板及び鋼帯
JIS G 3444 一般構造用炭素鋼管
JIS G 3452 配管用炭素鋼鋼管
JIS K 6322 布層コンベヤゴムベルト
2. この規格で{ }を付けて示してある単位及び数値は従来単位によるもので,参考として併
記したものである。
2. 品質
2.1
外観 各部の仕上がりは良好で,使用上有害な欠点がなく,適当なさび止め処理が施されていなけ
ればならない。
2.2
コンベヤの曲がり 図1に示すようにコンベヤの両端から糸を張り,フレームの曲がりδ1を測定す
る。その値は,6.3mm以下とする。
図1
2.3
ベルト ベルトは,次の各項による。
(1) 長さ 図2に示すようにab=cdの印をつけたベルトを平たんな場所に置き,ベルトを移動してac ,
bdを測定し,次の式によってベルトの厚さの中心における長さlbを算出する。
2
B 8808-1995
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その値は,13 550±50mmとする。
bd
ac
ab
lb
+
+
2
=
図2
(2) 曲がり ベルトを平たんな場所に置き,図3に示すようにベルト耳部に糸を張り,ベルトを移動して,
任意の位置でベルトの最大曲がりδ2を測定する。その値は25mm以下とする。
図3
(3) 外観,カバーゴムの厚さ,引張強さ及び伸びは,表1による。
表1
項目
範囲
外観
ベア(2)
深さ1mm×長さ20mm×幅20mm以下のものが長さ3m当たり(片面)3個以下
耳割れ(3) 深さ1mm×長さ100mm以下のものが長さ1m当たり(片側)2個以下
カバーゴム厚さ
1.6mm+規定しない
引張強さ
90kg以上(幅10mmに対し)
伸び(4)
幅10mmのものに荷重800N {80kgf} を加えたときの伸びは,20%以下とする。
注(2) ベアとは,型加硫において,空気残存,ゴムの流れ不良又はゴム生地の不足によって生じた表面
のくぼみをいう。
(3) 耳割れとは,ベルト耳部に長さ方向の割れ目を生じているものをいう。
(4) 試験方法はJIS K 6322による。
2.4
コンベヤの強さ コンベヤの強さは,図4に示すように静荷重W=1 000N {100kgf} を加えたとき,
最大たわみδ3=8mm以下とする。
なお,この荷重を取り除いたのち,フレームに異状がないものとする。
3
B 8808-1995
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図4
2.5
モータプーリ モータプーリの品質は,表2による。
なお,モータプーリに使用する電動機は,JIS C 4210に準じる。
表2
電動機出力
(kW)
モータプーリ周速(5)
(m/min)
減速機効率
定格電圧
(V)
定格
(h)
キャブタイヤケーブルの
アース線の色
1
50Hzのとき38±10%
60Hzのとき46±10%
70%以上
200
1
緑色
(4心アース付)
注(5) モータプーリの周速は,電動機定格出力時の状態による。
2.6
コネクタ コネクタは,表3による。
なお,キャブタイヤケーブルの挿入部には,防水処理を行う。
表3
極数
許容電圧
(V)
許容電流
(A)
4極
(1極はアース)
250
20以上
2.7
運搬能力 コンベヤを上り傾斜角度15°にし,湿った砂を図5の積載状態に乗せたときの運搬能力
は,18m3/h以上(36t/h以上)とする。この場合,湿った砂は,見掛け比重γ=2t/m3にしたものとする。
図5
4
B 8808-1995
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3. 各部の名称及び寸法
3.1
各部の名称は,図6による。
5
B
8
8
0
8
-1
9
9
5
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図6
6
B 8808-1995
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3.2
フレーム及びモータプーリの寸法は,次による。
(1) フレームの寸法は,表4による。
表4
単位mm
ベルト幅
B
寸法
トラフの深さ
h
テークアップ有
効移動距離
L
W
H1及びH2
350
7 000±10
475以下
425以下
50以上
150以上
(2) モータプーリの寸法は,表5による。
表5
単位mm
電動機出力
(kW)
寸法
キャブタイヤケーブル
D
ll
l2
l3
d
S
長さ
公称断面積
(mm2)
線心数
1
220
28
++
380
390
450
28±2
23
600±20
0.75以上
4心アース付
備考 許容差のない寸法は,基準寸法を示す。
4. 材料 材料は,表6又はこれと同等以上とする。
表6
部品名
材料
フレーム,トラフ板及びホッパ JIS G 3101のSS400
JIS G 3131によるもの
JIS G 3141によるもの
JIS G 3444によるもの
JIS G 3452によるもの
キャブタイヤケーブル
JIS C 3327によるもの
JIS C 3312によるもの
5. 検査 検査は,品質,寸法,材料及び運搬能力について行い,2.〜4.の規定に適合しなければならない。
6. 製品の呼び方 製品の呼び方は,規格番号及び名称による。
7
B 8808-1995
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例 JIS B 8808 ポータブルベルトコンベヤ
7. 表示 フレーム側面に,次の事項を表示する。
(1) 製造業者名又はその略号
(2) 製造年月
(3) 製品質量
(4) 重心位置
一般機械部会 ポータブルコンベヤ専門委員会 構成表(昭和42年10月1日制定のとき)
氏名
所属
(委員会長)
加 藤 竹 夫
三機工業株式会社
藤 吉 三 郎
建設省大臣官房
和 田 敏 信
通商産業省重工業局
吉 永 正 則
工業技術院標準部
高 橋 定 彦
日本砕石協会
江 原 栄太郎
石灰石鉱業協会
大 内 藤 郎
防衛庁技術研究本部
小 倉 寛
電興輸送機株式会社
芝 俊 雄
中国工業株式会社
大 芝 邦 雄
三鈴工機株式会社
西 村 忠
ゴムベルト工業会
樋 口 桜 五
日本ゴム協会
通 地 登
日本電機工業会
坂 本 武 男
日本産業機械工業会
高 松 良 夫
東洋火熱工業株式会杜
(専門委貝)
相 原 守
工業技術院標準部
(関係者)
釣 谷 栄一郎
三機工業株式会社
(事務局)
横 溝 眞一郎
工業技術院標準部機械規格課
(事務局)
松 川 東 一
工業技術院標準部機械規格課(昭和51年12月1日改正のとき)
矢 野 友三郎
工業技術院標準部機械規格課(昭和51年12月1日改正のとき)
(事務局)
坂 元 耕 三
工業技術院標準部機械規格課(平成7年11月1日改正のとき)