サイトトップへこのカテゴリの一覧へ

B 8741-1:2019 (ISO 20480-1:2017) 

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

附属書A(参考)ファインバブル及びウルトラファインバブルの用語の使い方 ································· 4 

参考文献 ····························································································································· 6 

B 8741-1:2019 (ISO 20480-1:2017) 

(2) 

まえがき 

この規格は,産業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人ファインバブル産業会(FBIA)

及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を制定すべきとの申出

があり,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本産業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

注記 工業標準化法に基づき行われた申出,日本工業標準調査会の審議等の手続は,不正競争防止法

等の一部を改正する法律附則第9条により,産業標準化法第12条第1項の申出,日本産業標準

調査会の審議等の手続を経たものとみなされる。 

background image

日本産業規格          JIS 

B 8741-1:2019 

(ISO 20480-1:2017) 

ファインバブル技術−ファインバブルの使用及び 

測定に関する一般原則−第1部:用語 

Fine bubble technology-General principles for usage and measurement of 

fine bubbles-Part 1: Terminology 

序文 

この規格は,2017年に第1版として発行されたISO 20480-1を基に,技術的内容及び構成を変更するこ

となく作成した日本産業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。 

適用範囲 

この規格は,ファインバブル技術に関する用語及び定義について規定する。この規格の用語は,一般原

則,測定及びファインバブル技術の個々の応用分野に適用できる。 

注記1 “ファインバブル”及び“ウルトラファインバブル”は,商標登録されている。以下,登録

商標の記号は,省略する。 

注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 20480-1:2017,Fine bubble technology−General principles for usage and measurement of fine 

bubbles−Part 1: Terminology(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”

ことを示す。 

引用規格 

この規格には,引用規格はない。 

用語及び定義 

この規格で規定する用語及び定義は,次による。 

なお,対応英語を参考として示す。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3.1 

バブル 

界面で囲まれた媒体中の気体。 

bubble 

3.2 

ファインバブル 

体積相当の直径(3.8)が100 µm未満のバブル(3.1)。 
注記1 100 µmは,1×10−4 mでも表される。 
注記2 附属書Aに,“ファインバブル”及び“ウルトラファインバ

ブル”の用語を使用する際の注意事項を示す。 

fine bubble 

background image

B 8741-1:2019 (ISO 20480-1:2017) 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3.3 

ウルトラファイ

ンバブル 

体積相当の直径(3.8)が1 µm未満のファインバブル(3.2)。 
注記 実際の応用分野における水中のウルトラファインバブルの粒

子特性評価方法による測定例では,100 nm〜200 nmの範囲に
あるものが多い。測定結果には,ウルトラファインバブルばか
りでなく,不純物なども含まれる。 

ultrafine bubble 

3.4 

マイクロバブル 

体積相当の直径(3.8)が1 µm以上100 µm未満の範囲のファインバ
ブル(3.2)。 
注記 図1は,バブル(3.1),ファインバブル(3.2),ウルトラファ

インバブル(3.3)及びマイクロバブルのサイズ範囲を示す。 

単位 μm 

バブル 

ファインバブル 

ウルトラファインバブル 

マイクロバブル 

図1−バブルの直径の大小関係を示す図 

microbubble 

3.5 

固相の媒体 

バブル(3.1)が分散している固相物質。 
注記 固相の媒体は,バブルを含む凝固した,又は化学的に固定化し

た(固体化した)流体であってもよい。その結果,バブルは固
定化されるか又は移動度が制限される。 

solid medium 

3.6 

液相の媒体 

バブル(3.1)が分散している液相物質。 

liquid medium 

3.7 

バブル個数濃度 

単位体積当たりのバブル(3.1)の数。 
注記 媒体は,固相の媒体(3.5)又は液相の媒体(3.6)のいずれで

あってもよい。 

bubble number 

concentration 

3.8 

体積相当の直径, 

deq 

球形を前提としたバブルの体積に基づいて導き出される直径。 

3

b

eq

π

6V

d =

ここに,Vb:該当するバブルの体積 

volume equivalent 

diameter,  

deq 

3.9 

バブル体積 

球形(又はその他の形状)のバブル(3.1)の体積。 
注記 バブルシェル(3.10)で覆われたバブルの場合は,バブルシェ

ルの体積を含める方がよい。 

bubble volume 

3.10 

バブルシェル 

バブル(3.1)表面をほぼ完全に覆う物体又はその物体の集合体。 

bubble shell 

3.11 

バブル温度 

特定の圧力において,バブルを形成するごく微量の気体が隣接する大
量の液体と平衡状態にある温度。 

bubble temperature 

3.12 

バブルポイント

の圧力 

特定の操作温度で気体のバブルが形成されるが,液体中で気体のバブ
ル(3.1)が形成される圧力。 

bubble-point 

pressure 

3.13 

合体 

懸濁した媒体中でバブル(3.1)が結合することによって大きなバブ
ルを形成するときの動作。 

coalescence 

3.14 

バブルの安定時

間 

与えられた温度及び圧力の条件下で,分散液中のバブルの総体積が2
倍に増加するか又は半分に減少するまでの時間。 

bubble stability 

3.15 

バブルサイズの

安定時間 

与えられた温度及び圧力の条件下で,バブル(3.1)の体積相当の直
径(3.8)が2倍に増加するか又は半分に減少するまでの時間。 

bubble size stability 

3.16 

バブル数の安定

時間 

与えられた温度及び圧力条件下で,バブルの数が2倍に増加するか又
は半分に減少するまでの時間。 

bubble number 

stability 

background image

B 8741-1:2019 (ISO 20480-1:2017) 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3.17 

バブル発生シス

テム 

液相の媒体(3.6)中に,バブル(3.1)を生成するためのシステム。 bubble generating 

system 

3.18 

ファインバブル

発生システム 

液相の媒体(3.6)中に,ファインバブル(3.2)を生成するためのシ
ステム。 

fine bubble 

generating system 

3.19 

ウルトラファイ

ンバブル発生
システム 

液相の媒体(3.6)中に,ウルトラファインバブル(3.3)を生成する
ためのシステム。 

ultrafine bubble 

generating system 

3.20 

個数濃度インデ

ックス 

工業的に利用可能で,かつ,合意された方法で測定された,ファイン
バブル分散媒体中の対象物の濃度に代わる量。 
注記 実際にはファインバブルの分散は,ファインバブルだけでな

く,用途に応じた特定の機能をもつ他の成分も含まれることが
多い。 

number 

concentration 
index 

3.21 

サイズインデッ

クス 

工業的に利用可能で,かつ,合意された方法で測定された,ファイン
バブル分散媒体中の対象物のサイズ(直径)に代わる量。 
注記 実際にはファインバブルの分散は,ファインバブルだけでな

く,用途に応じた特定の機能をもつ他の成分も含まれることが
多い。 

size index 

B 8741-1:2019 (ISO 20480-1:2017) 

附属書A 

(参考) 

ファインバブル及びウルトラファインバブルの用語の使い方 

この規格では,“ウルトラファインバブル”という用語の定義を規定したが,一方では,“ナノバブル”

という用語が“ウルトラファインバブル”を意味するものとして広く使用されていることも,ISO/TC 281

(“ファインバブル技術”に関するISOの専門委員会)は認識している。しかし,“ナノバブル”は明確に

定義されているわけではなく,“ウルトラファインバブル”の方が幅広く使われている。 

ウルトラファインバブルは,目には見えないが,最近の技術進歩によって,比較的容易に測定及び評価

することができるようになった。この規格では,ウルトラファインバブルは,1 μm未満の大きさ(直径)

の物として定義した。ウルトラファインバブルの大きさの最小値は,ガスを含む分子の最小の数に依存す

る。図A.1では,ファインバブル及びウルトラファインバブルのほか,ISO/TS 80004-1で定義しているナ

ノレベルの物体(バブルを含む。)の大きさの範囲を直線で示す。ナノレベルの物体は,その直径が100 nm

又はそれ以下であることを示している。 

ナノレベルの測定技術の進歩によって,目に見えない非常に微細なバブルが,長期間液体中に安定して

存在することが分かってきた。ISO/TC 281での審議の主題となっているウルトラファインバブルの水中で

測定される直径は,およそ100 nmから200 nmまでの範囲のものが多い。 

100 nmより小さい大きさのナノレベルの物を取り扱うISO/TC 229(“ナノテクノロジー”に関するISO

の専門委員会)は,ISO/TS 80004-1によって,ナノレベルの物体を100 nm又はそれ以下であると規定し

たが,100 nmを境としてウルトラファインバブルに物理的な現象の違いがあるという科学的な根拠がある

わけではなく,また,それを説明する証拠が存在しているわけでもない。 

そのため,ISO/TC 281は,今後作成するファインバブルに関する文書では,“ナノバブル”という用語

を使用しないで,その代わり,産業,市場及び国際標準化活動における混乱を避けるために,“ファインバ

ブル”及び“ウルトラファインバブル”を使用することとした。 

上記説明のとおり,ISO/TC 281は“ナノバブル”を使用しないこととしたが,この附属書では,“ナノ

バブル”という用語をなぜ使用しないかという理由を説明するために,例外的に“ナノバブル”という用

語を用いたものである。 

background image

B 8741-1:2019 (ISO 20480-1:2017) 

1 a) 

2 b) 

3 c) 

ファインバブル 

ウルトラファインバブル 

ナノレベルの物体 

注a) ISO/TC 281で定義されている。 

b) ナノバブルはウルトラファインバブルの大きさの範囲内に収まる大きさである。 

c) ISO/TS 80004-1で定義されている。 

図A.1−ウルトラファインバブル及びファインバブルのナノレベルの物体の大きさの範囲 

B 8741-1:2019 (ISO 20480-1:2017) 

参考文献 

[1] ISO 15156-2:2015,Petroleum and natural gas industries−Materials for use in H2S-containing environments in 

oil and gas production−Part 2: Cracking-resistant carbon and low-alloy steels, and the use of cast irons 

[2] ISO 20765-2:2015,Natural gas−Calculation of thermodynamic properties−Part 2: Single-phase properties 

(gas, liquid, and dense fluid) for extended ranges of application 

[3] ISO 29464:2011,Cleaning equipment for air and other gases−Terminology 

[4] ISO/TS 80004-1,Nanotechnologies−Vocabulary−Part 1: Core terms