B 8672-4:2011 (ISO 19973-4:2007)
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 記号及び単位 ··················································································································· 2
5 試験装置························································································································· 2
5.1 基本試験装置 ················································································································ 2
5.2 方向制御弁 ··················································································································· 3
5.3 接続配管 ······················································································································ 3
6 試験条件························································································································· 3
6.1 一般試験条件 ················································································································ 3
6.2 入口圧力及び出口圧力 ···································································································· 3
6.3 耐久性試験の圧力周期 ···································································································· 3
7 試験手順························································································································· 4
7.1 供試減圧弁の選定 ·········································································································· 4
7.2 確認及び測定の時期 ······································································································· 4
7.3 確認及び測定の種類及び項目 ··························································································· 4
7.4 耐久性試験 ··················································································································· 4
8 しきい値························································································································· 5
8.1 一般 ···························································································································· 5
8.2 機能故障 ······················································································································ 5
8.3 漏れに関連する故障 ······································································································· 5
8.4 圧力に関連する故障 ······································································································· 6
9 データの解析 ··················································································································· 6
10 試験報告 ······················································································································· 6
11 規格準拠表示 ················································································································· 6
附属書A(参考)この規格に規定している試験手順説明フローチャート ·········································· 7
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まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本フルードパワー工業会(JFPA)
及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があ
り,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS B 8672(空気圧−試験による機器の信頼性評価)の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS B 8672-1 第1部:通則
JIS B 8672-2 第2部:方向制御弁(予定)
JIS B 8672-4 第4部:減圧弁
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日本工業規格
JIS
B 8672-4:2011
(ISO 19973-4:2007)
空気圧−試験による機器の信頼性評価−
第4部:減圧弁
Pneumatic fluid power-Assessment of component reliability by testing-
Part 4:Pressure regulators
序文
この規格は,2007年に第1版として発行されたISO 19973-4を基に,技術的内容及び構成を変更するこ
となく作成した日本工業規格である。
1
適用範囲
この規格は,空気圧用減圧弁の信頼度を決定するための試験方法及び結果報告方法について規定する。
一般的な試験条件及び解析方法は,JIS B 8672-1に規定する。JIS B 8672-1に規定する方法は,未修理の機
器が初回故障に至るまでの寿命に適用する。
空気圧用減圧弁の寿命時間は,通常繰返し回数で示す。このため,この規格で使用する時間という用語
は,繰返し回数を意味する。
この規格は,リリーフ付及びノンリリーフ両方の直動形及び外部パイロット形減圧弁に適用する。
この規格は,ブリード形の減圧弁には適用しない。
また,この規格は,空気圧用減圧弁の信頼度を決定するための供試減圧弁及び故障の基準(しきい値)
も規定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 19973-4:2007,Pneumatic fluid power−Assessment of component reliability by testing−Part 4:
Pressure regulators(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ
とを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0125-1 油圧・空気圧システム及び機器−図記号及び回路図−第1部:図記号
注記 対応国際規格:ISO 1219-1,Fluid power systems and components−Graphic symbols and circuit
diagrams−Part 1:Graphic symbols for conventional use and data-processing applications(MOD)
JIS B 0142 油圧・空気圧システム及び機器−用語
注記 対応国際規格:ISO 5598,Fluid power systems and components−Vocabulary(MOD)
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JIS B 8372-1 空気圧−空気圧用減圧弁及びフィルタ付減圧弁−第1部:供給者の文書に表示する主要
特性及び製品表示要求事項
注記 対応国際規格:ISO 6953-1,Pneumatic fluid power−Compressed air pressure regulators and
filter-regulators−Part 1:Main characteristics to be included in literature from suppliers and
product-marking requirements(IDT)
JIS B 8672-1 空気圧−試験による機器の信頼性評価−第1部:通則
注記 対応国際規格:ISO 19973-1,Pneumatic fluid power−Assessment of component reliability by
testing−Part 1: General procedures(MOD)
JIS Z 8115 ディペンダビリティ(信頼性)用語
注記 対応国際規格:IEC 60050-191,International Electrotechnical Vocabulary. Chapter 191:
Dependability and quality of service(MOD)
JIS Z 8203 国際単位系(SI)及びその使い方
注記 対応国際規格:ISO 1000,SI units and recommendations for the use of their multiples and of certain
other units(IDT)
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 0142,JIS B 8372-1,JIS B 8672-1及びJIS Z 8115による
ほか,次による。
3.1
ボディサイズ(body size)
減圧弁のボディサイズは,主要ポートのねじサイズとする。減圧弁が2種類の主要ポートサイズをもつ
場合,ボディサイズは,大きいポートサイズを適用する。3種類の主要ポートサイズをもつ場合,ボディ
サイズは,中間のポートサイズを適用する。
4
記号及び単位
4.1 単位は,JIS Z 8203による。
4.2 この規格で用いる図記号は,JIS B 0125-1による。
5
試験装置
5.1
基本試験装置
5.1.1 供試減圧弁は,図1に示す試験回路に設置する。複数の供試減圧弁の試験装置に同じ空気圧源を用
いてもよいが,各試験回路の構成機器は,同一にしなければならない。
注記 図1に示す試験回路は,構成部品の故障発生による損傷を回避するための安全装置を組み込ん
でいない。試験実施責任者は,作業者及び装置の両方の安全に十分考慮することが必要である。
3
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記号
1
空気圧源
2
圧力p1測定用圧力計
3
5ポート方向制御弁
4
圧力p3測定用圧力計及びシャットオフ弁
5
供試減圧弁
6
圧力p2測定用圧力計及びシャットオフ弁
図1−試験回路
5.1.2 供試減圧弁は,どの方向に取り付けてもよい。
5.1.3 シャットオフ弁を使用して,試験回路に圧力計又は圧力記録装置を取り付ける(図1の4及び6
参照)。
5.2
方向制御弁
外部パイロット形又は直動形の方向制御弁を試験回路に使用する。使用する方向制御弁の音速コンダク
タンスCは,7.4.1 b)を満たさなければならない。
5.3
接続配管
減圧弁の出口配管容積は,可能な限り小さくすることが望ましい。
6
試験条件
6.1
一般試験条件
一般試験条件は,JIS B 8672-1による。
6.2
入口圧力及び出口圧力
試験する減圧弁の入口圧力は,800 kPa±40 kPaとする。
出口圧力の設定値は,入口圧力の80 %±5 %又は製造業者の定める最高出口圧力の80 %±5 %のいずれ
か小さい値とする。
注記 初期変動を補正する手段として,試験開始前24時間以内の試運転を行い,必要であれば減圧弁
の設定値を調整してもよい。
6.3
耐久性試験の圧力周期
耐久性試験中の最低出口圧力は設定圧力の10 %未満であり,最高出口圧力(オーバシュートを除く。)
は,設定圧力の90 %以上となる周期で減圧弁を作動させる(図2参照)。
4
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7
試験手順
7.1
供試減圧弁の選定
共通部品を使用した減圧弁サイズが複数ある場合は,作動時に最も条件が厳しい供試減圧弁を選定する。
各シリーズの制御ばねは,作動圧力で経験上,最大応力が加わるものを試験する。減圧弁のボディが一つ
以上のポートサイズをもつ場合(例 一つのボディにポートサイズ1/4,3/8及び1/2がある場合),一つの
ポートサイズを試験すればよい。
注記 試験手順を説明したフローチャートは,附属書Aを参照。
7.2
確認及び測定の時期
7.2.1 次に示す確認及び測定は,耐久性試験前,耐久性試験中及び耐久性試験後に行わなければならない。
a) 7.3.1による機能確認。
b) 7.3.2による漏れ測定。
7.2.2 耐久性試験中の測定間隔は,JIS B 8672-1による。
7.3
確認及び測定の種類及び項目
7.3.1
機能確認
供試減圧弁は,供試減圧弁,及びそれらを制御するバルブが試験条件の下で正確に作動していることを
聴覚,視覚及び触覚によって確認しなければならない。機能確認は,切換不良,固着,2分間以上保持し
たときの減圧弁出口異常圧力値,又は感知及び可聴できる漏れが発生しているかを確認する。際立った変
化は記録しなければならない。
7.3.2
漏れ測定
総漏れ量(内部漏れ及び外部漏れ)は,入口ポートに試験圧力を2分以上保持して測定しなければなら
ない。
7.4
耐久性試験
7.4.1 次に示す頻度で方向制御弁を作動させなければならない。
a) 試験開始時に,圧力周期中の減圧弁出口側の最高圧力及び最低圧力を記録する(図2,p3参照)。
b) 減圧弁の最高出口圧力は,設定圧力の90 %以上であり,最低出口圧力は,設定圧力の10 %未満でな
ければならない。
c) b)の条件を満たすように方向制御弁の作動頻度を調整する。
d) 試験中は,c)の作動頻度を維持する。
図2に,耐久性試験の圧力−周期波形例を示す。
7.4.2 減圧弁を連続作動させる。供試減圧弁及び方向制御弁が正常に作動していることを定期的に確認し
なければならない。
7.4.3 測定間隔ごとに方向制御弁を通電状態にする。設定圧力を記録して,7.3.2に規定した漏れ測定を
行う。減圧弁の圧力設定は,この段階で再調整してはならない。
5
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記号
0
方向制御弁の非通電時間
1
方向制御弁の通電時間
2
予期できるオーバシュート量
p1 入口供給圧力
p2 試験中の減圧弁入口圧力波形
p3 試験中の減圧弁出口圧力波形
ps 試験中の減圧弁設定圧力
図2−耐久性試験の圧力−周期波形例
8
しきい値
8.1
一般
供試減圧弁は,8.2〜8.4に示す故障基準,又はしきい値のいずれか一方に達したときに故障したとする。
8.2
機能故障
供試減圧弁は,7.3.1に示す機能が損なわれたとき,故障したとする。
8.3
漏れに関連する故障
供試減圧弁は,7.3.2で測定された総漏れ量が,表1に示す各ボディサイズで規定した総漏れ量のしきい
値を超えた場合,故障したとする。
6
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表1−ボディサイズと総漏れ量のしきい値との関係
ボディサイズa)
総漏れ量のしきい値
dm3/h (ANR)
M3,M5及びM7
2.2
1/8
3.2
1/4
4.3
3/8
5.4
1/2
8.1
3/4
11
1
14
1 1/4
17
1 1/2
22
2
27
注a) ボディサイズの定義は,3.1参照。
8.4
圧力に関連する故障
供試減圧弁は,設定圧力が試験開始初期値から±7 %,又は±10 kPaのいずれか大きい値以内に維持さ
れない場合は,故障したとする。
9
データの解析
試験データは,JIS B 8672-1に従って解析しなければならない。
10 試験報告
データは,JIS B 8672-1に従って報告しなければならない。
11 規格準拠表示
この規格に準拠しているとき,試験報告,カタログ及び販売資料に,次の文を記載する。
“空気圧用減圧弁の信頼性及び寿命時間は,JIS B 8672-4(空気圧−試験による機器の信頼性評価−第4
部:減圧弁)に準拠する。”
7
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附属書A
(参考)
この規格に規定している試験手順説明フローチャート
注記 このフローチャートは,各供試減圧弁に適用される。
試験回路の構成(箇条5による。)
作動圧力(6.2による。),試験周期(6.3による。)及び測定間隔(7.2.2による。)の決定
供試減圧弁の初期特性の確認試験
耐久性試験開始
6.3によって決めた周期で試験する。
7.2.2によって決めた測定間隔で試験停止する。
箇条8に定義した評価試験
いいえ
はい
試験終了
しきい値に達したか?
試験結果の記録
8
B 8672-4:2011 (ISO 19973-4:2007)
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参考文献
[1] JIS B 8372-2 空気圧−空気圧用減圧弁及びフィルタ付減圧弁−第2部:供給者の文書に表示する
主要特性の試験方法
注記 対応国際規格:ISO 6953-2,Pneumatic fluid power−Compressed air pressure regulators and
filter-regulators−Part 2:Test methods to determine the main characteristics to be included in
literature from suppliers(IDT)
[2] JIS B 8393 空気圧−標準参考空気
注記 対応国際規格:ISO 8778,Pneumatic fluid power−Standard reference atmosphere(IDT)