B 8672-2:2011
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義··················································································································· 2
4 図記号及び単位················································································································ 2
5 試験装置························································································································· 2
5.1 基本試験装置 ················································································································ 2
5.2 出力ポートの容器容積 ···································································································· 4
5.3 供給管路の推奨配管サイズ ······························································································ 5
5.4 複数のパイロット操作切換弁の同時作動 ············································································ 5
6 試験条件························································································································· 5
6.1 一般試験条件 ················································································································ 5
6.2 作動頻度 ······················································································································ 5
7 測定期間························································································································· 6
7.1 確認及び測定時期(タイミング) ····················································································· 6
7.2 機能確認 ······················································································································ 6
8 測定条件························································································································· 6
8.1 漏れ測定 ······················································································································ 6
8.2 切換圧力の測定 ············································································································· 7
8.3 放置後の切換圧力の測定 ································································································· 8
9 しきい値レベル················································································································ 8
9.1 一般 ···························································································································· 8
9.2 機能故障 ······················································································································ 8
9.3 漏れに関連する故障 ······································································································· 8
9.4 切換圧力に関連する故障 ································································································· 9
10 データの解析 ················································································································· 9
11 試験報告書 ···················································································································· 9
12 規格準拠表示 ················································································································· 9
附属書A(参考)漏れ量のしきい値の決定 ··············································································· 10
附属書JA(参考)試験データシート ······················································································· 13
附属書JB(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 16
B 8672-2:2011
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本フルードパワー工業会(JFPA)
及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があ
り,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権願に関わる確認について,責任はもたない。
JIS B 8672(空気圧−試験による機器の信頼性評価)の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS B 8672-1 第1部:通則
JIS B 8672-2 第2部:方向制御弁
JIS B 8672-4 第4部:減圧弁
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日本工業規格 JIS
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空気圧−試験による機器の信頼性評価−
第2部:方向制御弁
Pneumatic fluid power-Assessment of component reliability by testing-
Part 2: Directional control valves
序文
この規格は,2007年に第1版として発行されたISO 19973-2を基とし,国内市場に適合させるため,技
術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JBに示す。また,附属書JAは対応国際規格にはない事項であ
る。
1
適用範囲
この規格は,空気圧用方向制御弁の信頼度を決定するための試験方法及び結果報告方法について規定す
る。
空気圧用方向制御弁の寿命時間は,通常繰返し回数で示す。このため,この規格で時間という用語は,
繰返し回数として使用する。
また,この規格は,空気圧用方向制御弁の信頼度を決定するための試験装置及び故障判定基準(しきい
値)についても規定する。
なお,一般的な試験条件及び解析方法は,JIS B 8672-1に規定する。JIS B 8672-1に規定する方法は,未
修理の初回故障に至るまでの寿命に適用する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 19973-2:2007,Pneumatic fluid power−Assessment of component reliability by testing−Part 2:
Directional control valves(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0125-1 油圧・空気圧システム及び機器−図記号及び回路図−第1部:図記号
注記 対応国際規格:ISO 1219-1,Fluid power systems and components−Graphic symbols and circuit
diagrams−Part 1: Graphic symbols for conventional use and data-processing applications(MOD)
JIS B 0142 油圧・空気圧システム及び機器−用語
2
B 8672-2:2011
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注記 対応国際規格:ISO 5598,Fluid power systems and components−Vocabulary(MOD)
JIS B 8390 空気圧−圧縮性流体用機器−流量特性の試験方法
注記 対応国際規格:ISO 6358,Pneumatic fluid power−Components using compressible fluids−
Determination of flow-rate characteristics(IDT)
JIS B 8393 空気圧−標準参考空気
注記 対応国際規格:ISO 8778,Pneumatic fluid power−Standard reference atmosphere(IDT)
JIS B 8672-1 空気圧−試験による機器の信頼性評価−第1部:通則
注記 対応国際規格:ISO 19973-1,Pneumatic fluid power−Assessment of component reliability by
testing−Part 1: General procedures(MOD)
JIS Z 8115 ディペンダビリティ(信頼性)用語
注記 対応国際規格:IEC 60050-191,International Electrotechnical Vocabulary. Chapter 191:
Dependability and quality of service(MOD)
JIS Z 8203 国際単位系(SI)及びその使い方
注記 対応国際規格:ISO 1000,SI units and recommendations for the use of their multiples and of certain
other units(IDT)
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 0142,JIS B 8672-1及びJIS Z 8115による。
なお,これら3規格において用語の定義に違いがある場合には,その優先順位は,JIS B 8672-1,JIS B 0142,
JIS Z 8115の順である。
4
図記号及び単位
4.1
単位は,JIS Z 8203による。
4.2
この規格で用いる図記号は,JIS B 0125-1による。
5
試験装置
5.1
基本試験装置
基本試験装置は,図1の基本回路に従い,表1に示す要求事項に適合しなければならない。
排気ポートに使用する消音器は,バルブの流量を絞らないようにする。
図1に示す基本回路は,構成部品の故障発生による損傷を回避するための安全装置を組み込んでいない。
試験実施責任者は,作業者及び装置の両方の安全に十分考慮することが必要である。
3
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a) 2位置弁(自己保持)
b) 2位置弁(スプリングリターン又はプレッシャリターン)
図1−基本回路
4
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c) 3位置弁
記号
1〜5 ポート
9 供試品
6 制御機構:電気又は空気
10 出力ポートの容器
7 スプリングリターン又はプレッシャリターン
11 入口ポートへの空気源
8 ノーマル位置への復帰
図1−基本回路(続き)
パイロット供給は8.3に規定する性能を維持できる限りにおいては,内部パイロット又は外部パイロッ
トどちらでも可能である。
5.2
出力ポートの容器容積
出力ポートの容器容積は,JIS B 8390で規定するバルブの音速コンダクタンスC値による。容積は,表
1に示す最小値又はその値以上とする。
注記 試験中,出力ポートの容器部が高温になることがあるため,作業者の安全保護に注意する。
表1−バルブの音速コンダクタンスに基づく出力ポートの最小容積
音速コンダクタンス
C
dm3/(s・MPa)
出力ポートの最小容積
mL
C≦4
2
4<C≦40
10
40<C≦120
25
120<C≦200
50
200<C≦400
100
400<C
200
5
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5.3
供給管路の推奨配管サイズ
5.3.1
流路が絞られないよう配慮し,供試品の出力ポートに対して,直接又は配管を用いて容器を接続す
る。
5.3.2
規定の時間内に容器圧力が充塡・放出するように,接続管路での配管の長さはできるだけ短くする。
5.4
複数のパイロット操作切換弁の同時作動
パイロット操作切換弁を試験する場合,数台の供試品を1台の制御弁で同時に作動させるときは,6.2.1
に規定する供給圧力を全供試品に供給しなければならない。
6
試験条件
6.1
一般試験条件
一般試験条件は,JIS B 8672-1に適合しなければならない。
6.2
作動頻度
6.2.1
出力ポートの容器圧力が,供給圧力の充塡時90 %以上,放出時10 %未満になるように,供試品を
作動させなければならない。
6.2.2
ON時間とOFF時間との比は,1:1とする。
6.2.3
2位置弁(スプリングリターン又はプレッシャリターン)の場合,制御信号は図2に従う。
記号 nT 1サイクル
tms 時間
図2−2位置弁(スプリングリターン又はプレッシャリターン)の制御信号
6.2.4
2位置弁(自己保持)又は3位置弁の場合,制御信号は図3に従う。
6
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記号 nT 1サイクル
tms 時間
図3−2位置弁(自己保持)又は3位置弁の制御信号
7
測定期間
7.1
確認及び測定時期(タイミング)
7.1.1
次に示す確認及び測定を,耐久試験の試験前後及び試験中に実施する。
− 7.2による機能確認
− 8.1による漏れ測定
− 8.2及び8.3による切換圧力の測定
7.1.2
測定間隔は,JIS B 8672-1に従って決定する。
7.2
機能確認
供試品は,それらの弁制御が試験条件の下で正確に作動しているかどうか,聴覚,視覚及び触覚によっ
て確認しなければならない。機能確認は,切換不良,固着,出力の充塡不足,又は感知・可聴できる漏れ
が発生しているかを確認する。際立った変化は記録しなければならない。
測定間隔の間で故障した場合,寿命サイクル数はJIS B 8672-1に従って決定する。
8
測定条件
8.1
漏れ測定
8.1.1
内部及び外部の漏れ量の合計は入口ポートに圧力を印加し,全ての弁位置において測定する。
8.1.2
さらに,次のバルブについては,指示された漏れ量を測定しなければならない。
− パイロット操作切換弁の場合 入口ポートに圧力を印加せずにパイロット圧を印加して,全てのパイ
ロット管路及びパイロット室からの漏れ量を測定する。
− 外部パイロット形操作切換弁の場合 入口ポートに圧力を印加せずに外部パイロット圧を印加して,
全ての弁切換位置において,全てのパイロット管路からの漏れ量を測定する。
− 3位置弁(クローズドセンタ)の場合 入口ポートに圧力を印加して,ノーマル位置において出力ポ
7
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ートからの漏れ量を測定する。次に,圧力を出力ポートに印加し,排気ポートからの漏れ量を測定す
る。
− ほかのタイプのノーマル位置を備えた3位置弁の場合 ノーマル位置において入口ポートに圧力を印
加して,排気ポートからの漏れ量を測定する。
− 2位置弁(自己保持電磁弁)の場合 電気制御された2位置弁(自己保持)については,ソレノイド
を通電及び非通電した状態で,各弁位置における漏れ量を測定する。
8.2
切換圧力の測定
8.2.1
切換確認
供試品が正確に切り換わっていることを確認するために,供試品の出力ポートに圧力計又は圧力変換器
を取り付け,漏れのない状態で完全に上昇又は下降していることを確認する(図4参照)。
記号
1〜5 ポート
6 制御機構:電気又は空気
図4−測定回路
8.2.2
2位置弁(スプリングリターン又はプレッシャリターン)の測定
8.2.2.1
電磁弁の切換圧力(最低作動圧力の確認)
内部パイロット弁の測定は,電気制御信号を定格電圧で,ON,OFF交互に印加して,正確に切り換わ
るまで入口ポートの圧力を連続的に上昇させる。
外部パイロット弁の測定は,使用圧力(0.63 MPa)を入口ポートに印加し電気制御信号を定格電圧で,
ON,OFF交互に印加して,正確に切り換わるまでパイロットポートの圧力を連続的に上昇させる。
8.2.2.2
パイロット操作切換弁の切換圧力
使用圧力(0.63 MPa)を入口ポートに印加し,制御弁によってパイロットポートの圧力をON,OFF交
互に印加して,正確に切り換わるまでパイロットポートの圧力を連続的に上昇させる。
8
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8.2.3
2位置弁(自己保持)及び3位置弁の測定
8.2.3.1
電磁弁の切換圧力(最低作動圧力の確認)
内部パイロット弁の測定は,各ソレノイドに電気制御信号を定格電圧で交互に印加して,全ての弁位置
へ切り換わるまで,入口ポートの圧力を連続的に上昇させる。
外部パイロット弁の測定は,使用圧力(0.63 MPa)を入口ポートに印加し,電気制御信号を定格電圧で
交互に印加して全ての弁位置へ切り換わるまで,パイロットポートの圧力を連続的に上昇させる。
8.2.3.2
パイロット操作切換弁の切換圧力
入口ポートに使用圧力(0.63 MPa)を印加し,制御弁によってパイロットポートの交互に圧力を印加し
て,全ての弁位置へ切り換わるまでパイロットポートの圧力を連続的に上昇させる。
8.2.4
報告するデータ
正確に切り換わる圧力を切換圧力として記録し,報告しなければならない。
8.3
放置後の切換圧力の測定
試験が行われるごとに,供試品が加圧された状態で24時間放置後,8.2に規定する試験を行う。
2位置弁(スプリングリターン又はプレッシャリターン)は,次の切換がより高い切換力を要求する位
置に保持する。
入口ポートに連続的に使用圧力を印加したまま,パイロット圧力をバルブが切り換わるまで上昇又は下
降させ,バルブが最初に切り換わるパイロット圧力を記録する。
供試品が内部パイロット式である場合は,パイロット排気ポートを使用し,外部パイロット式である場
合は,外部パイロット圧力を上昇下降させて試験する。
必要ならば,供試品のパイロット管路を,測定可能なように変更してもよい。
9
しきい値レベル
9.1
一般
供試品は,9.2〜9.4に規定するしきい値レベル又は故障判定基準のうちのいずれかの一つに達した場合,
故障したとみなす。
9.2
機能故障
供試品が7.2に規定する機能を満足しない場合,故障したとみなす。
9.3
漏れに関連する故障
9.3.1
試験前の供試品の漏れは,製造業者の記載する仕様書の数値を超えてはならない。
9.3.2
供試品は,8.1に従って測定した任意の位置での漏れの合計が,表2の値を超えた場合,故障した
とみなす。
9
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表2−漏れ量のしきい値
音速コンダクタンス
C
dm3/(s・MPa)
最大漏れ量
dm3/h (ANR) a)
ラバーシール
[クラス1.5 b)]
メタルシール
[クラス2.5 b)]
C≦10
6.0
60
10<C≦16
8.0
80
16<C≦28
11.0
110
28<C≦46
14.0
140
46<C≦80
18.0
180
80<C≦130
23.0
230
130<C≦220
30.0
300
220<C≦360
38.0
380
360<C≦600
50.0
500
600<C≦1 000
63.0
630
注a) JIS B 8393による。
b) 附属書A参照。
9.4
切換圧力に関連する故障
供試品は,8.2及び8.3に従って測定された電磁弁又はパイロット操作切換弁に関して,切換圧力が製造
業者の試験データシート又は製品仕様上の最低作動圧力を超えた場合,故障したとみなす。
10 データの解析
試験データは,JIS B 8672-1に従って解析しなければならない。
試験データシートの一例を,附属書JAに示す。
11 試験報告書
データは,JIS B 8672-1に従って報告しなければならない。
12 規格準拠表示
この規格に準拠しているとき,試験報告,カタログ及び販売資料に,次の文言を使用する。
“この方向制御弁の信頼性と寿命時間は,JIS B 8672-2(空気圧−試験による機器の信頼性評価−第2
部:方向制御弁)に準拠する。”
10
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附属書A
(参考)
漏れ量のしきい値の決定
A.1 序文
表2の漏れ量のしきい値は,この附属書に記載されている方法に従って決定した。この方法は,空気圧
機器のしきい値を体系的に決定するものである。この附属書の式は,物理的相関又は物理的法則を示すも
のではなく,しきい値の計算だけに使用される。
A.2 記号
この附属書では,表A.1の記号を使用している。
表A.1−記号リスト
記号a)
内容
SI単位
C
音速コンダクタンス
dm3/(s・MPa)
c
しきい値,サイズなどの境界値を表す下付文字記号
−
S
機器サイズ
ピストン径,呼び径などの代表的な寸法又は性能データ
mm
K
漏れ値水準を表す係数
n
mm
)
ANR
(h/
dm3
m
しきい値のクラス(上付文字)
しきい値クラス係数を使用することで,空気圧機器のクループを異な
ったしきい値レベルに割り当てることができる。異なった品質クラス
又は設計原理を考慮するために必要となる。
−
n
傾斜指数(上付文字)
−
pabs
絶対作動圧力
MPa
q
しきい値
dm3/h (ANR)
注a) 他の文書では他の記号を使用してよい。
A.3 漏れしきい値のモデリング
A.3.1 dm3/h (ANR) で表されているしきい値qは,式(A.1)及び(A.2)を使用して算出する。
q=KS n ················································································· (A.1)
ここに,
S≧Sc
小形機器(境界値未満)のしきい値qは,一定の値に限定することができる。
n
KS
q
q
c
c=
=
·········································································· (A.2)
ここに,
S<Sc
K=0.06×10m pabs ···································································· (A.3)
A.3.2 図A.1は,しきい値と異なるパラメータの影響を表している。
11
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記号
n
傾斜指数:n=1及びn=2の例をグラフ中に図示
Sc
境界機器サイズ
qc
境界しきい値
a
漏れ水準Kとしきい値クラスmの影響[式(A.3)も参照]
図A.1−しきい値と異なるパラメータの影響を表した図
A.4 バルブの漏れしきい値
A.4.1 表2の漏れ量のしきい値は,式(A.1),式(A.2)及び式(A.3)を使用して算出する。
a) 式(A.4)を使用して,機器サイズSをバルブの音速コンダクタンスに関連付けをする。
C
S
45
.1
=
··········································································· (A.4)
注記 技術委員会ISO/TC 131/WG 4のエキスパートの経験に基づき,しきい値に合う係数1.45を選
定した。
b) バルブに対して二つのしきい値クラスを定義する。
1) クラス1.5,ラバーシールのバルブに使用
2) クラス2.5,メタルシールのバルブに使用
c) バルブの漏れは内部シール部品の長さに関係するため,傾斜指数nを1に設定する。
d) 0.73 MPaの絶対作動圧力pabsを使用する。
e) クラス1.5(ラバーシールのバルブ)には6 dm3/h,クラス2.5(メタルシールのバルブ)には60 dm3/h
の境界しきい値qcを設定する。
図A.2に結果を示す。
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記号
X
音速コンダクタンスC [dm3/(s・MPa)] で表現
Y
漏れ値q [dm3/h (ANR)] で表現
1
クラス1.5のしきい値
2
クラス2.5のしきい値
図A.2−バルブの漏れしきい値
A.4.2 表2の漏れしきい値は,図A.2(四捨五入)に準拠している。
13
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附属書JA
(参考)
試験データシート
ISO空気圧バルブの信頼性の試験データシートの一例を次に示す。
バルブ製造者
形式
ポートサイズ
供試品識別No.
サイクル試験データ
入口漏れ量−dm3/h
最低切換圧力
備考
温度
供給圧力 P0 露点温度
作動12
作動14
瞬時
24時間後
℃
MPa
℃
0.15 MPa
0.63 MPa
0.15 MPa
0.63 MPa
MPa
MPa
しきい値:
日付
回数
サイクル
6
B
8
6
7
2
-2
:
2
0
11
試験データシート
ISO空気圧バルブの信頼性試験
試験場所
試験No.
シート /
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
試験全体にわたって指摘項目がある場合,日付を入れて記録する。
バルブ製造者
形式
ポートサイズ
日付
回数
サイクル
指摘事項
6
B
8
6
7
2
-2
:
2
0
11
著
作
権
法
に
よ
り
無
断
で
の
複
製
,
転
載
等
は
禁
止
さ
れ
て
お
り
ま
す
。
試験データシート
ISO空気圧バルブの信頼性試験
試験場所
試験No.
シート /
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書JB
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS B 8672-2:2011 空気圧−試験による機器の信頼性評価−第2部:方向制御弁
ISO 19973-2:2007 Pneumatic fluid power−Assessment of component reliability by
testing−Part 2: Directional control valves
(I)JISの規定
(II)
国際規
格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇
条ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策
箇条番号及び
題名
内容
箇条番
号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
5 試験装置
図1
5
試験装置
変更
図記号を日本の市場でよく
用いられているものに変更。
日本の市場に適合させるため。
技術的差異はない。
8.2.1 切換確認 図4
8.2.1
図4
変更
図記号を日本の市場でよく
用いられているものに変更。
日本の市場に適合させるため。
技術的差異はない。
附属書JA
(参考)
追加
試験データシートの追加。
理解を助けるため。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 19973-2:2007,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD…………… 国際規格を修正している。
6
B
8
6
7
2
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:
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。