B 8663:2010
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 記号······························································································································· 2
5 ウェアリングの形状 ·········································································································· 2
6 一般······························································································································· 3
6.1 面取り ························································································································· 3
6.2 表面性状 ······················································································································ 3
6.3 ハウジング呼び寸法 ······································································································· 3
7 ウェアリングのハウジング寸法 ··························································································· 3
7.1 ピストン用ウェアリングのハウジング寸法 ·········································································· 3
7.2 ロッド用ウェアリングのハウジング寸法············································································· 4
8 許容差···························································································································· 7
9 はみ出しすきま ················································································································ 7
10 規格準拠表示 ················································································································· 7
参考文献 ····························································································································· 8
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 9
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(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本フル
ードパワー工業会(JFPA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格
を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格
である。
これによって,JIS B 8663:2001は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責
任はもたない。
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日本工業規格 JIS
B 8663:2010
油圧−シリンダ−ピストン及び
ロッド用ウェアリングのハウジング寸法
Hydraulic fluid power-Cylinders-Housing dimensions for
rectangular-section-cut bearing rings for pistons and rods
序文
この規格は,2006年に第2版として発行されたISO 10766を基に,対応する部分については対応国際規
格を翻訳し,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格であるが,対応国際規格には規定され
ていない規定項目を日本工業規格として追加している。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は対応国際規格にはない事項又は変更している事項であ
る。変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,次の寸法範囲のシリンダ用ピストン及びロッドに使用するウェアリング(図1に示す)の
ハウジング寸法及びその許容差について規定する。
− シリンダ内径 16 mm〜500 mm
− ロッド径 12 mm〜360 mm
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 10766:2006,Hydraulic fluid power−Cylinders−Housing dimensions for rectangular-section-cut
bearing rings for pistons and rods(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)
は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0142:1994 油圧及び空気圧用語
注記 対応国際規格:ISO 5598:1985,Fluid power systems and components−Vocabulary(NEQ)
JIS B 0401-2 寸法公差及びはめあいの方式−第2部:穴及び軸の公差等級並びに寸法許容差の表
注記 対応国際規格:ISO 286-2,ISO system of limits and fits−Part 2:Tables of standard tolerance grades
and limit deviations for holes and shafts(IDT)
JIS B 0601 製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラメ
ータ
2
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注記 対応国際規格:ISO 4287,Geometrical Product Specifications (GPS)−Surface texture: Profile
method−Terms, definitions and surface texture parameters(IDT)
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 0142によるほか,次による。
3.1 ハウジング
シールを取り付ける溝。
4
記号
この規格で用いる記号は,次による。
AL1):シリンダ内径(図2参照)
d1:ハウジング溝径(ピストン用)(図2参照)
d3:ピストン径(図2参照)
d4:ロッドはめあい部内径(図3参照)
D1:ハウジング溝径(ロッド用)(図3参照)
MM 1):ロッド径(図3参照)
L:ハウジング幅(図2及び図3参照)
S:ハウジング深さ(図2及び図3参照)
2
1d
AL
S
−
=
:ピストン用(図2参照)
2
1MM
D
S
−
=
:ロッド用(図3参照)
注1) JIS B 8366-5による。
5
ウェアリングの形状
ウェアリングの形状例を図1に示す。
図1−ウェアリングの形状例
3
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6
一般
6.1
面取り
ハウジングなどのウェアリングに関係する面の角部には,鋭い角及びばりがあってはならない。丸みを
つけるなど面取りをしなければならない。
6.2
表面性状
ウェアリングのハウジングの表面仕上げは,3.2 µmRa及び16 µmRz(JIS B 0601による。)が望ましい。
ウェアリングが作用する相手面(シリンダ内径,ロッド径)の表面仕上げは,併用するシールの要求事項
によって,0.6 µmRa及び2.4 µmRz(JIS B 0601による。)が望ましい。
注記 表面性状を測定する場合は,JIS B 0651の使用を推奨する。
6.3
ハウジング呼び寸法
ウェアリングのハウジング呼び寸法は,表1による。
表1−ハウジング呼び寸法
単位 mm
ハウジング幅 L
4
5.6
9.7
15
25
ハウジング深さ S
1.55
2.5
2.5
2.5
2.5
4
7
ウェアリングのハウジング寸法
7.1
ピストン用ウェアリングのハウジング寸法
ピストン用ハウジング寸法は,図2及び表2による。許容差は,箇条8による。必要な場合は,いくつ
かのウェアリングを複数のハウジングに入れて,必要幅に合わせることもできる。
単位 mm
注a) 箇条9参照
図2−ピストン用ウェアリングのハウジング
4
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表2−ピストン用ウェアリングのハウジング寸法
単位 mm
シリンダ
内径 AL
ハウジング
溝径 d1
ハウジング
幅 L
ハウジング
深さ S
シリンダ
内径 AL
ハウジング
溝径 d1
ハウジング
幅 L
ハウジング
深さ S
16
11
5.6
2.5
200
195
9.7
2.5
12.9
4
1.55
15
20
15
5.6
2.5
220
215
9.7
16.9
4
1.55
15
25
20
5.6
2.5
250
245
9.7
21.9
4
1.55
15
32
27
5.6
2.5
280
275
15
28.9
4
1.55
25
40
35
5.6
2.5
272
25
4
36.9
4
1.55
320
315
15
2.5
50
45
5.6
2.5
25
46.9
4
1.55
312
25
4
63
58
5.6
2.5
360
355
15
2.5
9.7
25
80
75
5.6
352
25
4
9.7
400
395
15
2.5
100
95
5.6
25
9.7
392
25
4
125
120
5.6
450
445
15
2.5
9.7
25
140
135
9.7
442
25
4
15
500
495
15
2.5
160
155
9.7
25
15
492
25
4
180
175
9.7
15
7.2
ロッド用ウェアリングのハウジング寸法
ロッド用ハウジング寸法は,図3及び表3による。許容差は,箇条8による。必要な場合は,いくつか
のウェアリングを複数の溝に入れて,必要幅に合わせることもできる。
5
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単位 mm
注a) 箇条9参照
図3−ロッド用ウェアリングのハウジング
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表3−ロッド用ウェアリングのハウジング寸法
単位 mm
ロッド径
MM
ハウジング
溝径 D1
ハウジング
幅 L
ハウジング
深さ S
ロッド径
MM
ハウジング
溝径 D1
ハウジング
幅 L
ハウジング
深さ S
12
15.1
4
1.55
100
105
9.7
2.5
14
17.1
15
16
19.1
110
115
9.7
18
21.1
15
20
23.1
125
130
9.7
22
25.1
15
25
28.1
140
145
9.7
30
5.6
2.5
15
28
31.1
4
1.55
160
165
9.7
33
5.6
2.5
15
32
37
5.6
180
185
9.7
9.7
15
36
41
5.6
200
205
15
9.7
25
40
45
5.6
220
225
15
9.7
25
45
50
5.6
250
225
15
9.7
25
50
55
5.6
280
285
15
9.7
25
56
61
5.6
288
25
4
9.7
320
325
15
2.5
63
68
5.6
25
9.7
328
25
4
70
75
5.6
360
365
15
2.5
9.7
25
80
85
9.7
368
25
4
15
90
95
9.7
15
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許容差
ウェアリングのハウジング寸法の許容差は,表4による。
表4−ウェアリングのハウジング寸法の許容差
単位 mm
寸法
許容差
AL
H10(JIS B 0401-2による。)
d3
箇条9参照
d4
箇条9参照
d1
100以下
0
−0.05
100を超え
0
−0.08
D1
115以下
+0.05
0
115を超え
+0.08
0
L
+0.2
0
MM
シール要求事項による。
通常はf8〜h9(JIS B 0401-2による)の
範囲でよく使用される。
S
呼び寸法だけ
9
はみ出しすきま
直径ALと直径d3との差がピストン用途でのはみ出しすきまになる(図2参照)。さらに内圧によるシリ
ンダの膨らみも加わる。直径d4と直径MMとの差がロッド用途でのはみ出しすきまになる(図3参照)。
はみ出しすきまは,ピストン用及びロッド用に使用するシールの要求事項によって決める。直径d3又は
直径d4の詳細については,ウェアリング材料と使用条件に関係するので,受渡当事者間で協議するのがよ
い。
10 規格準拠表示
この規格に準拠していることを,試験報告書,カタログ及び販売資料に表示する場合は,次の文を記載
しなければならない。
“ピストン及びロッド用ウェアリングのハウジング寸法は,JIS B 8663(油圧−シリンダ−ピストン及
びロッド用ウェアリングのハウジング寸法)に準拠する。”
8
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参考文献
[1] JIS B 0401-1 寸法公差及びはめあいの方式−第1部:公差,寸法差及びはめあいの基礎
注記 対応国際規格:ISO 286-1:1988,ISO system of limits and fits−Part 1: Bases of tolerances,
deviations and fits(IDT)
[2] JIS B 0633 製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−表面性状評価の方式及び手順
注記 対応国際規格:ISO 4288:1996,Geometrical Product Specifications (GPS)−Surface texture : Profile
method−Rules and procedures for the assessment of surface texture(IDT)
[3] JIS B 0651 製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−触針式表面粗さ測定機の特性
注記 対応国際規格:ISO 3274:1996,Geometrical Product Specifications (GPS)−Surface texture : Profile
method−Nominal characteristics of contact (stylus) instruments(IDT)
[4] JIS B 8366-1 油圧・空気圧システム及び機器−シリンダ−構成要素及び識別記号−第1部:シリンダ
内径及びピストンロッド径
注記 対応国際規格:ISO 3320:1987,Fluid power systems and components−Cylinder bores and piston
rod diameters−Metric series(IDT)
[5] JIS B 8366-5 油圧・空気圧システム及び機器−シリンダ−構成要素及び識別記号−第5部:識別記号
注記 対応国際規格:ISO 6099:2001,Fluid power systems and components−Cylinders−Identification
code for mounting dimensions and mounting types(IDT)
[6] JIS B 8367-1 油圧シリンダ取付寸法−第1部:片ロッド−16 MPaシリーズ−丸カバー形−溶接フラ
ンジ式及びねじ込みフランジ式(内径25 mm〜500 mm)
注記 対応国際規格:ISO 6020-1:2007,Hydraulic fluid power−Mounting dimensions for single rod
cylinders, 16 MPa (160 bar) series−Part 1: Medium series(MOD)
[7] JIS B 8367-4 油圧シリンダ取付寸法−第4部:片ロッド−25MPaシリーズ−丸カバー形−溶接又はね
じ込みフランジ式(内径50 mmから320 mmまで)
注記 対応国際規格:ISO 6022:2006,Hydraulic fluid power−Mounting dimensions for single rod
cylinders, 25 MPa (250 bar) series(MOD)
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS B 8663:2010 油圧−シリンダ−ピストン及びロッド用ウェアリン
グのハウジング寸法
ISO 10766:2006,Hydraulic fluid power−Cylinders−Housing dimensions for rectangular-section-cut
bearing rings for pistons and rods
(I)JISの規定
(II)
国際規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの
評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
3.1 ハウ
ジング
ハウジングの定
義
−
−
追加
国際規格にない規定項目を追加して
いる。
“ハウジング”という用語が,分かりに
くいので定義を追加した。
我が国独自の内容とするが,ISO見直し
時に提案を検討する。
4 記号
この規格で用い
る記号
4
JISと同じ
変更
国際規格の記号を変更している。
G →d4,P→d3
我が国で常用している記号に合わせた。
8 許容差 ウェアリングの
ハウジング寸法
の許容差を表4
に規定
8
技術的な差異はない。
我が国独自の内容とするが,ISO見直し
時に提案を検討する。
9 はみ出
しすきま
はみ出しすきま
について規定
9
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 10766:2006,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD…………… 国際規格を修正している。
2
B
8
6
6
3
:
2
0
1
0
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。