B 8650:2006
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本産業
機械工業会(JSIM)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきと
の申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS B 8650:1997は改正され,この規格に置き換えられる。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
B 8650:2006
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 用語の分類 ····················································································································· 1
3. 用語及び定義 ·················································································································· 1
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 8650:2006
プラスチック加工機械−用語
Plastics moulding machinery-Vocabulary
1. 適用範囲 この規格は,プラスチックを成形加工するプラスチック加工機械のうち,押出成形機(1),
射出成形機(2),ブロー成形機(3)について,主としてカタログ・仕様書などに用いる用語及びその定義につ
いて規定する。ただし,押出成形機については,成形品によって成形機部分の構成が多様となるため,押
出機本体及びそれに接続されるダイに限定して規定する。
注(1) 加熱した成形材料をダイから押し出して成形する機械。
(2) 加熱した成形材料を金型に射出して成形する機械。
(3) 押出成形又は射出成形で筒状又は管状の成形材料を作り,これに気体を吹き込み膨張成形する
機械。
2. 用語の分類 用語の分類は,次による。
a) 押出成形機
b) 射出成形機
c) ブロー成形機
3. 用語及び定義 用語及び定義は,次による。
なお,参考のために対応英語を示す。
備考 用語欄で,用語の下の( )書はその読み方を示す。
2
B 8650:2006
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
a) 押出成形機
番号
用語
定義
単位
対応英語(参考)
101
押出機
バレル内において,回転するスクリューに
よって成形材料を移動させながら可塑
化・混練し,定量で押し出すプラスチック
加工機械。一般に押出機にはスクリューが
1本である単軸押出機とスクリューが2本
ある二軸押出機とがある。
備考 可塑化とは,加熱及び機械的作
用によって可塑性プラスチック
スを軟化すること。
extruder
102
二軸押出機
スクリューが2本の押出機。2本のスクリ
ューの回転方向は,同方向のものと異方向
のものとがある。スクリューの形状は,か
み合い形,非かみ合い形及び不完全かみ合
い形がある。
twin screw extruder
103
コンパウンディング
ポリマーに各種添加材料を混合・分散させ
て,ペレット状,か(顆)粒状,粉体状な
どの成形材料にすること。
compounding
104
混合
対象原料の凝集物の破砕作用を積極的に
求めない作用で,材料相互の位置の交換を
行うことにより,均一に,かつ,微細に入
り組んだ状態を作り出す操作。この操作形
態は,分配(distribution)とも呼ばれる。
blending
105
混練
材料相互の位置の交換(混合)を行うだけ
でなく,凝集物の引離しを目的とした破砕
作用を積極的に求める操作。この操作形態
は,分散(dispersion)とも呼ばれる。
mixing
106
比エネルギー
原料に対し押出機で行った仕事を単位押
出質量当たりで表した値。電動機効率及び
機械効率を加味した押出機電動機消費電
力量を押出質量で除して求める。混練・混
合の目安として用いられる。
kWh/kg
ESP ,
specific energy consumption
107
押出圧力
成形材料を押し出すときの,スクリュー先
端部の圧力。
MPa
extrusion pressure
108
押出質量
単位時間に押出機から押し出される成形
材料の質量。
kg/h
throughput rate
109
温度制御ゾーン
バレル,ヘッド及びダイの温度制御領域。
temperature control zone
110
バレル
成形材料を入れ,加熱,冷却するための筒
状のハウジング。
備考1. 回転するスクリューを内蔵す
る。
2. 外部から加熱又は冷却できる
構造になっている。
3. シリンダともいう。
barrel ,
cylinder
111
バレル加熱方式
バレルを電気,油などによって加熱する方
式。
barrel heating system
112
バレル冷却方式
バレルを空気,油,水などの冷媒によって
冷却する方式。
barrel cooling system
113
バレルヒータ電力
バレル部のヒータ電力。
kW
heating capacity of barrel
3
B 8650:2006
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
単位
対応英語(参考)
114
脱揮
原料中に含まれるガス及びモノマー,空気
及び水分を取り除く操作。
degassing ,
devolatizing
115
ベント口
脱揮のためにバレルに設けられた開口部。
vent
116
ホッパ体積
ホッパの全体積。
l
hopper capacity
117
フィーダ
押出機のスクリューに,成形材料を連続的
に一定量供給する装置。
feeder
118
スクリュー
押出機のバレル内で回転することによっ
て,成形材料を移送,溶融,混練,脱揮な
どをする溝をもつ軸。
screw
119
スクリュー有効長さ
スクリューの溝の軸方向長さ。
mm
effective length of screw
120
スクリュー直径
スクリューの呼び外径寸法。
mm
screw diameter
121
スクリューL/D
(─えるばいでぃー)
スクリューの有効長さ(L)とスクリュー直
径(D)との比。
screw L/D ratio
122
スクリュー圧縮比
スクリューにおける供給部の1リードねじ
溝の構成する空間体積(V2)と計量部の1リ
ードねじ溝の構成する空間体積(V1)との比
(V2/V1)。
screw compression ratio
123
スクリュー回転速度
スクリューの毎分回転数。
min−1
screw speed
124
スクリュートルク
スクリューを回転させるトルク。
N・m
screw torque
125
スクリュー回転方向
スクリューがスクリュー機能を発揮する
ための回転方向。
備考1. 回転方向は,ねじのねじれ方
向によって決まる。
2. 二軸押出機の場合は,同方向
のものと,異方向のものとが
ある。
screw rotating direction
126
スクリュー中心高さ
床面からスクリュー軸中心までの高さ。
mm
screw center height
127
スクリュー冷却方式
スクリュー表面を,スクリュー内部から空
気,油,水などの冷媒を送って冷却する方
式。
screw cooling system
128
スクリュー駆動方式
スクリュー回転の駆動方式。
備考 電動機と減速機との直結駆動,
電動機と減速機とのベルト駆
動,油圧モータ直結駆動,油圧
モータと減速機との直結駆動な
どの方式がある。
screw driving system
129
スクリュー駆動電動機
スクリューを駆動するための電動機。
備考 定格容量及び形式で示す。
screw driving motor
130
ヘッド
バレルの先端に位置する部分。
備考 そのヘッドは,ダイの一部であ
ってもよい。
head
131
スクリーンパック
溶融材料をろ過するために押出機の先端
に設ける金網。
screen pack
132
ブレーカプレート
押出機において,スクリーンパックを支え
る穴あき板。
breaker plate
133
アダプタ
ヘッドとダイとをつなぐ部分。
adapter
4
B 8650:2006
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
単位
対応英語(参考)
134
ダイ
連続的に一定形状に成形するために押出
機の出口に取り付ける金属製の型。
die
135
ダイヒータ電力
ダイ部のヒータ電力。
kW
heating capacity of die
136
ランド
ダイ内部の成形材料の流れに平行な面。
land
137
造粒
溶融樹脂(ポリマー)を粒状の成形材料(ペ
レット)にカット成形すること。
備考 水中カット,ホットカット,ス
トランドカットなどの方式があ
る。
pelletizing
138
水中カット
カッターブレードをダイの前面に接して
回転させ,押し出されるストランドを水中
で切断すること。
underwater cut
139
ホットカット
カッターブレードをダイの前面に接して
回転させ,押し出されるストランドを空中
で切断すること。
hot cut
140
ストランドカット
ダイから溶融樹脂を細いひも(紐)状に押
し出し,水槽へ引き込み冷却し,その後切
断すること。
strand cut
b) 射出成形機
番号
用語
定義
単位
対応英語(参考)
201
射出成形機
成形材料の供給,加熱可塑化,金型への射
出,冷却固化,型開き,成形品突出し,型
閉じの一連の作動を行うプラスチック加
工機械。
備考 大別して,型締装置,射出装置,
駆動装置及び制御装置からな
る。
injection molding machine
202
射出装置
成形材料を可塑化し,射出する装置。
備考1. 可塑化 成形材料を軟化さ
せ,流動しやすくすること。
2. 射出 可塑化させた成形材料
をあらかじめ閉じられた金型
に設定した速度・圧力で流し
込むこと。
injection unit
203
射出方式
射出装置の方式をいう。射出装置の方式に
は,インラインスクリュー式,スクリュー
プリプラ式などがある。
備考1. インラインスクリュー式 ス
クリューで成形材料 を可塑
化させるとともにスクリュー
を前進させて射出もする方
式。
2. スクリュープリプラ方式 可
塑化専用スクリューで成形材
料を可塑化させ,これをプラ
ンジャ前部へ送り込んだ後プ
ランジャを前進させて射出す
る方式。
injection system
5
B 8650:2006
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
単位
対応英語(参考)
204
射出ストローク
成形材料を射出するときのスクリュー又
はプランジャの移動距離。
mm
injection stroke
205
射出圧力
成形材料を射出するときのスクリュー又
はプランジャの先端圧力。
MPa
injection pressure
206
保圧
金型に成形材料を射出充てん(填)後,成
形品の収縮を補うためのスクリュー又は
プランジャの先端圧力。
MPa
holding pressure
207
射出速度
スクリュー又はプランジャの前進速度。
mm/s
injection speed
208
理論射出体積
スクリュー又はプランジャの先端断面積
とそのストロークとの積。
cm3
calculated injection volume
209
射出率
単位時間当たりの理論射出体積。
備考 スクリュー又はプランジャの断
面積と射出速度との積。
cm3/s
injection rate
210
射出質量
1ショットで射出される成形材料の質量。
g
injection weight
211
可塑化能力
単位時間内に可塑化できる成形材料の質
量。
kg/h
plasticizing capacity
212
加熱シリンダ
成形材料を入れ,加熱するための筒状のハ
ウジング。
備考1. 回転するスクリューを内蔵す
る。
2. 外部からバンドヒータなどで
加熱できる構造になってい
る。
3. バレル,加熱筒ともいう。
barrel ,
heating cylinder
213
ヒータ電力
加熱シリンダ及びノズル部の合計ヒータ
電力。
kW
heating capacity
214
温度制御ゾーン
加熱シリンダ及びノズルなどの温度制御
領域。
temperature control zone
215
ホッパ体積
ホッパの全体積
l
hopper capacity
216
フィーダ
射出成形機のスクリューに成形材料を連
続的に一定量供給する装置。
feeder
217
スクリュー
射出成形機の加熱シリンダ内で回転する
ことによって,成形材料を移送,溶融,混
練するら(螺)旋状の溝をもつ軸。
備考 一般的には供給部,圧縮部,計
量部の3ゾーンから成ってい
る。
screw
218
スクリューヘッド
スクリューの先端に取り付けて,主に成形
材料の逆流を防止する部品。逆流防止タイ
プ,ストレートタイプなど種々の形式があ
る。
screw head
219
スクリュー有効長さ
スクリューの溝の軸方向長さ。
mm
effective length of screw
220
スクリュー直径
スクリューの呼び外径寸法。
mm
screw diameter
221
スクリューL/D
(─えるばいでぃー)
スクリュー有効長さ(L)とスクリュー直径
(D)との比。
screw L/D ratio
6
B 8650:2006
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
単位
対応英語(参考)
222
スクリュー圧縮比
スクリューにおける供給部の1リードねじ
溝の構成する空間体積(V2)と計量部の1リ
ードねじ溝の構成する空間体積(V1)との比
(V2/V1)。
screw compression ratio
223
スクリュー回転速度
スクリューの毎分回転数。
min-1
screw speed
224
スクリュートルク
スクリューを回転させるトルク。
N・m
screw torque
225
背圧
成形材料を可塑化するときのスクリュー
又はプランジャの先端圧力。
MPa
back pressure
226
プランジャ
成形材料を金型に射出する棒状ピストン。
plunger
227
ノズル
加熱シリンダの先端に取り付ける口金で,
可塑化した成形材料を金型に導く通路を
形成する。
nozzle
228
ノズル寸法
ノズル先端部の寸法。
備考 一般的には,球面半径(r)及び口
径(d)で示す。
mm
nozzle dimension
229
ノズルタッチ力
ノズルを金型のスプルーブッシュ面に押
し付ける力。
kN
nozzle touch force
230
ノズル突出寸法
固定盤の金型取付面から突き出るノズル
の寸法。
mm
nozzle projection
231
型締装置
金型を開閉させ,型締力を加える装置。
mould clamping unit
232
型締方式
型締装置の方式をいう。型締装置の方式に
は直圧式,トグル式,複合式などがある。
備考1. 直圧式 油圧シリンダ,電動
機などの動力源で発生する力
を型締力とする方式。
2. トグル式 油圧シリンダ,電
動機などの動力源で発生する
力をトグル機構で拡大して型
締力とする方式。
3. 複合式 型締力の発生と型開
閉動作を別々のアクチュエー
タ (油圧シリンダ,電動機な
ど)によって作動させ,その動
作を切り替えるための装置を
備えている方式。
mould clamping system
233
安全扉
射出成形機の金型開閉機構部に設けられ
る扉状の安全装置。この扉が開かれている
間は,型閉じが行われないよう,電気的,
機械的,油圧的などで型締装置に連動して
いる。
safety door ,
safety gate
234
型締力
充てん時の成形材料の圧力に抵抗して,金
型を閉じておくために金型に加える力。
kN
mould clamping force
235
型開力
成形品を金型から離型させるために金型
を開く力。
kN
mould opening force
236
型開閉ストローク
成形品を取り出すために金型を開く可動
盤の移動距離。
mm
mould opening stroke
237
型閉速度
型閉時の可動盤の移動速度
mm/s
mould closing speed
238
型開速度
型開時の可動盤の移動速度
mm/s
mould opening speed
7
B 8650:2006
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
単位
対応英語(参考)
239
タイバー
型締力を受ける部材。
tie bar ,
tie rod
240
タイバー間隔
射出成形機のタイバー間の内のり。
備考 水平及び垂直それぞれの寸法で
示す。
mm
distance between tie bars
241
金型
成形材料を一定の形状に成形するための
金属製の型。
mould
242
固定盤
金型の固定側を取り付ける取付盤
fixed plate
243
可動盤
金型の可動側を取り付ける取付盤
moving plate
244
金型取付盤寸法
固定盤又は可動盤の金型取付面の外側寸
法。
mm
plate size
245
最大金型厚さ
射出成形機に取付けできる金型の最大厚
さ。
mm
max. mould height
246
最小金型厚さ
射出成形機に取付けできる金型の最小厚
さ。
mm
min. mould height ;
closed daylight
247
デーライト
射出成形機の可動盤を最大に開いたとき
の可動盤と固定盤との距離。
mm
daylight
248
ロケートリング径
固定盤又は可動盤に設けた金型ロケート
リングに対応する穴の径。
mm
locate ring diameter
249
エジェクタ
金型から成形品を取り出すために突き出
す作動装置。
ejector
250
エジェクタストローク
エジェクタの移動距離
mm
ejector stroke
251
エジェクタ力
成形品を突き出すための力
kN
ejector force
252
ドライサイクルタイム
成形材料を供給せずに射出成形機を基本
的な動作で空運転した場合の,1サイクル
に要する最小作動時間。
s
dry cycle time
8
B 8650:2006
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
c) ブロー成形機
番号
用語
定義
単位
対応英語(参考)
301
ブロー成形機
押出機,射出装置などによって溶融・形成
されたパリソン又はプリフォームを金型
内に挟み込み,その内側に気体を吹き込
み,その圧力で金型の内面にパリソン又は
プリフォームの外面を押しつけて中空体
を成形するプラスチック加工機械。
備考 ブロー成形機は,次のように大
別される。
a) 押出ブロー成形機(ダイレクト
ブロー) 押出機及びヘッドに
よって金型内にパリソンが供給
され,ブロー成形される。
b) 射出ブロー成形機(インジェク
ションブロー)
射出装置及びブロー機構によっ
て構成される1台の成形機で,
プリフォームを成形し,更に直
接ブロー成形するシステム。
(プリフォームを離型し,延伸
機能を付加した射出ストレッチ
ブロー成形機もある。)
c) 2段ブロー成形機
加熱装置をもつ金型に,プリフ
ォームを供給・再加熱して,中
空体の製品をブロー成形するも
ので,押出機及び射出装置をも
っていない。
blow moulding machine
a) extrusion blow moulding
machine
b) injection blow moulding
machine
(injection stretch blow
moulding machine )
c) two-stage blow moulding
machine
302
押出機
シリンダ内において,回転するスクリュー
によって成形材料を移動させながら,可塑
化・混練した成形材料を安定して押し出す
機械装置。
extruder
303
射出装置
成形材料を可塑化し射出する装置。
備考1. 可塑化 成形材料を軟化さ
せ,流動しやすくすること。
2. 射出 可塑化させた成形材料
をあらかじめ閉じられた金型
に速度・圧力をかけて流し込
むこと。
injection unit
304
ヘッド
押出機から押し出される成形材料を,パリ
ソンに形成する部位。連続的にパリソンを
形成する連続ヘッドと,間欠的にパリソン
を形成するアキュムレータヘッドに大別
される。取付が可能なダイの最大口径でそ
の大きさを表す。
head
305
パリソン
筒状又は管状の形状で溶融状態の成形材
料。押出ブローでは,これを直接金型に挟
み込んで成形する。
parison
9
B 8650:2006
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
単位
対応英語(参考)
306
プリフォーム
あらかじめ,有底の筒状に成形された予備
成形品。射出ブロー成形機では,次工程で
ブロー成形される。2段ブロー成形機では,
プリフォームを再加熱してブロー成形さ
れる。
preform
307
押出質量
単位時間に押出機から押し出される成形
材料の質量。
kg/h
throughput rate
308
可塑化能力
単位時間内に可塑化できる成形材料の質
量。
kg/h
plasticizing capacity
309
シリンダ
成形材料を入れ,加熱,冷却するための筒
状のハウジング。
備考1. 回転するスクリューを内蔵す
る。
2. 外部から加熱,冷却できる構
造になっている。
3. バレルともいう。
cylinder,
barrel
310
シリンダ加熱方式
シリンダを電気などによって加熱する方
式。
cylinder heating system
311
シリンダ冷却方式
シリンダを空気,水などの冷媒によって冷
却する方式。
cylinder cooling system
312
シリンダヒータ電力
シリンダ部のヒータ電力。
kW
heating capacity of cylinder
313
温度制御ゾーン
シリンダ,ヘッドなどの温度制御領域。
temperature control zone
314
スクリュー
ブロー成形機のシリンダ内で回転するこ
とによって,成形材料を移送,溶融,混練
などをする溝をもつ軸。
screw
315
スクリュー有効長さ
スクリューの溝の軸方向長さ。
mm
effective length of screw
316
スクリュー直径
スクリューの呼び外径寸法。
mm
screw diameter
317
スクリューL/D
(─えるばいでぃー)
スクリューの有効長さ(L)とスクリュー直
径(D)との比。
screw L/D ratio
318
スクリュー圧縮比
スクリューにおける供給部の1リードねじ
溝の構成する空間体積(V2)と計量部の1リ
ードねじ溝の構成する空間体積(V1)との比
(V2/V1)。
screw compression ratio
319
スクリュー回転速度
スクリューの毎分回転数。
min−1
screw speed
320
スクリュートルク
スクリューを回転させるトルク。
N・m
screw torque
321
スクリュー冷却方式
スクリュー表面を,スクリュー軸内部から
空気,油,水などの冷媒を送って冷却する
方式。
screw cooling system
322
スクリュー駆動方式
スクリュー回転の駆動方式。
備考 電動機と減速機との直結伝動,
電動機と減速機とのベルト伝
動,油圧モータ直結伝動,油圧
モータと減速機との直結伝動な
どの方式がある。
screw driving system
323
ブレーカプレート
押出機において,スクリーンパックを支え
る穴あき板。
breaker plate
10
B 8650:2006
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
単位
対応英語(参考)
324
スクリーンパック
溶融材料をろ過するために押出機の先端
に設ける金網。
screen pack
325
押出圧力
成形材料を押し出すときの,スクリュー先
端部の圧力。
MPa
extrusion pressure
326
アダプタ
押出機とヘッドをつなぐ部分。
adapter
327
連続ヘッド
パリソンを連続的に形成させる部位。押出
機から押し出される成形材料を通過させ
ることで,円筒状のパリソンを形成する。
各種の流路形状による方式がある。また,
複数のパリソンを形成できる多頭ヘッド
や複数の成形材料による多層パリソンを
形成する多層ヘッド等がある。
備考 クロスヘッドともいう。
continuous head ;
crosshead
328
多層ヘッド
複数の成形材料による多層構成のパリソ
ンを形成するヘッド。成形材料の種類と層
数により,“〇種〇層”と表現する。
multi-layer head
329
頭数
1本のパリソンで成形するものを,単頭ヘ
ッドと称し,2本以上のパリソンで同時に
成形する多頭ヘッドでは,そのパリソンの
数に相当する。
number of head
330
ヘッドピッチ
多頭ヘッドにおける各パリソン間の中心
距離。
mm
head center distance
331
ダイ・コア
ヘッド先端(パリソン吐出部)に取り付け
られ,パリソンの外径及び肉厚を規制する
部品。ダイは外側にあって,その出口径が
パリソンの外径に影響を与える。コアは内
側にあって,パリソンの肉厚及び内径に影
響を与える。
die and core
332
ダイギャップ
ダイの内径とコアの外径によって生じる,
パリソン吐出し部のすきま。パリソンの肉
厚を規制する。通常コアを上下させること
でこのすきまを変化させることができる。
die gap
333
パリソンコントロール
ダイとコアとのすきまを変化させて行う
パリソン流れ方向の肉厚制御。
parison control
334
アキュムレータヘッド
間欠的にパリソンを形成するヘッド。
必要量の成形材料を貯蔵計量し,これを油
圧力などによって短時間に吐き出し,パリ
ソンを形成する。計量中は,パリソンが出
てこないため,連続ヘッドと異なり成形中
に金型が移動する必要がない。
備考 大形のパリソンや溶融強度の弱
い樹脂に対応できる。
accumulator head
335
貯蔵容量
アキュムレータヘッドが貯蔵できる成形
材料の量及び最大体積で表示される。
l
accumulated capacity
336
射出質量
a) アキュムレータヘッドが1ショットで
吐き出せる成形材料の質量。
b) 射出ブロー成形機では,1ショットで
射出される成形材料の質量。
kg
g
injection weight
injection weight
11
B 8650:2006
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
単位
対応英語(参考)
337
射出圧力
a) アキュムレータヘッドでパリソンを吐
き出す(射出する)ための油圧源圧力。
b) 射出ブロー成形機では,成形材料を射
出するときのスクリューの先端圧力。
MPa
MPa
hydraulic pressure
injection pressure
338
射出率
a) アキュムレータヘッドから射出される
単位時間当たりの成形材料の質量。
b) 射出ブロー成形機では,単位時間当た
りの理論射出体積。
g/s
(kg/s)
cm3/s
injection rate
injection rate
339
プリピンチ
パリソンの下部をつまんで袋状にする装
置。
備考 プリクランプともいう。
pre-pinch,
pre-clamp
340
吹込圧力
成形時の吹込エアの圧力。
MPa
blowing pressure
341
吹込ノズル
成形時の吹込エアをパリソン内に導くた
めの穴あきの棒状部品。
備考 ブローピンともいう。
blowing nozzle,
blow pin
342
カッティングスリーブ
吹込ノズルに取り付けられ,ボトル口部の
端面を成形するとともに金型側カウンタ
プレートに当てることで口部のばりを切
るための部品。
cutting sleeve
343
吹込針
金型内に設置され,パリソンを突き破って
吹込エアを吹き込む針。
blowing needle
344
型締装置
金型を開閉させ,型締力を加える装置。
mould clamping unit
345
金型
成形材料を一定の形状に成形するための
金属製の型。
a) 押出ブロー成形機では,開いた状態か
らパリソンを挟み込んで成形する。
b) 射出ブロー成形機では,プリフォ
ームを成形する金型とブロー金型
の2種類がある。
mould
346
カウンタプレート
ボトル用金型の口部を成形し,カッティン
グスリーブを当てることで口部のばりを
切るための部品。
counter plate
347
型締力
吹込圧力又は充てん時の圧力に抵抗して
金型を閉じておくために金型に加える力。
kN
mould clamping force
348
金型取付盤
金型を取り付ける取付盤。
備考 プラテンともいう。
plate,platen
349
金型取付盤寸法
金型取付面の高さと幅の寸法。
mm
plate size,
platen size
350
デーライト
成形機の金型取付盤を最大に開いたとき
の金型取付盤間の距離。
mm
daylight
351
型開閉ストローク
成形品を取り出すために金型を開く金型
取付盤の移動距離。
mm
mould opening stroke
352
型閉速度
型閉時の金型取付盤の移動速度
mould closing speed
353
型開速度
型開時の金型取付盤の移動速度
mould opening speed
354
最小金型厚さ
成形機に取付けできる金型の最小厚さ。
mm
min. mould thickness
12
B 8650:2006
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
単位
対応英語(参考)
355
最大金型高さ
成形機に取付けできる金型の最大高さ。
mm
max. mould height
356
最大金型幅
成形機に取付けできる金型の最大幅。
mm
max. mould width
357
最大金型質量
成形機に取付けできる金型の最大質量。
kg
max. mould weight
358
金型移動ストローク
a) 連続ヘッドでは,金型がパリソンをつ
かむ位置と成形する位置との移動距
離。
b) アキュムレータヘッドでは,金型交換
等メンテナンス用の金型移動距離。
mm
mould traveling distance
359
安全扉
成形機の金型開閉機構部に設けられる扉
状の安全装置。
この扉が開かれている間は,型閉じが行わ
れないよう,電気的,機械的,油圧的など
で型締装置に連動している。
safety door
360
ドライサイクルタイム
成形材料を供給せずに成形機を空運転し
た場合の,1サイクルに要する最小作動時
間。
s
dry cycle time