B 8627-1
:2006
(1)
目 次
ページ
1
適用範囲
1
2
引用規格
1
3
定義
2
3.1
方式,構成に関する用語
2
3.2
冷房性能及び暖房性能に関する用語
3
3.3
期間消費エネルギー量の算出に関する用語
5
3.4
その他の用語
6
4
種類
7
5
ガス種,定格電圧及び定格周波数
7
5.1
ガス種
7
5.2
定格電圧及び定格周波数
8
6
性能
8
6.1
直吹き形ガスヒートポンプ
8
6.2
ダクト接続形ガスヒートポンプ
10
6.3
耐衝撃電圧
11
6.4
温度
11
6.5
散水時の性能
12
6.6
騒音
12
6.7
エンジン性能
13
6.8
ガス通路の気密
13
6.9
電源異常
13
6.10
電気安全性能
13
6.11
異常
13
7
構造
13
7.1
一般
13
7.2
各部の構造
14
7.3
電気部の構造
15
7.4
冷媒設備
15
7.5
冷凍機油
15
8
材料
15
8.1
一般
15
8.2
ガス通路
15
8.3
燃焼ガス通路
15
8.4
断熱材等
15
8.5
防振材
15
B 8627-1
:2006
(2)
9
試験
15
9.1
直吹き形ガスヒートポンプ
15
9.2
ダクト接続形ガスヒートポンプ
16
9.3
絶縁抵抗試験
17
9.4
耐衝撃電圧試験
17
9.5
温度試験
17
9.6
散水時性能試験
17
9.7
騒音試験
17
9.8
エンジン始動試験
17
9.9
CO 濃度試験
17
9.10
NOx 濃度試験
17
9.11
ガス通路気密試験
17
9.12
電源異常試験
17
9.13
異常試験
17
10
検査
17
10.1
形式検査
17
10.2
受渡検査
18
11
表示
19
11.1
本体への表示
19
11.2
技術資料等での公表
20
12
取扱説明書
21
附属書 A (規定) 期間消費エネルギー量算出基準
23
附属書 B (規定) 電気安全に関する材料,構造及び性能
48
附属書 C (規定) 耐衝撃電圧試験方法
61
附属書 D (規定) 温度試験方法
62
附属書 E (規定) 散水時性能試験方法
64
附属書 F (規定) 騒音試験方法
65
附属書 G (規定) エンジン始動試験方法
69
附属書 H (規定) CO 濃度試験方法
70
附属書 I (規定) NOx 濃度試験方法
72
附属書 J (規定) ガス通路気密試験方法
85
附属書 K (規定) 電源異常試験方法
86
附属書 L (規定) 異常試験方法
87
B 8627-1
:2006
(3)
まえがき
この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人 日本冷
凍空調工業会(JRAIA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標
準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS B 8627-1:2000 は改正され,この規格に置き換えられる。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS B 8627-1
には,次に示す附属書がある。
附属書 A(規定)期間消費エネルギー量算出基準
附属書 B(規定)電気安全に関する材料,構造及び性能
附属書 C(規定)耐衝撃電圧試験方法
附属書 D(規定)温度試験方法
附属書 E(規定)散水時性能試験方法
附属書 F(規定)騒音試験方法
附属書 G(規定)エンジン始動試験方法
附属書 H(規定)CO 濃度試験方法
附属書 I(規定)NO
x
濃度試験方法
附属書 J(規定)ガス通路気密試験方法
附属書 K(規定)電源異常試験方法
附属書 L(規定)異常試験方法
JIS B 8627
の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS B 8627-1
第1部:一般要求事項
JIS B 8627-2
第2部:直吹き形ガスヒートポンプ冷暖房機−定格性能及び運転性能試験
JIS B 8627-3
第3部:ダクト接続形ガスヒートポンプ冷暖房機−定格性能及び運転性能試験
日本工業規格
JIS
B
8627-1
:2006
ガスヒートポンプ冷暖房機−
第 1 部:一般要求事項
Gas engine driven heat pump air conditioners
−
Part 1 : General requirements
1
適用範囲
この規格は,室内の快適な空気調和を目的として,都市ガス又は液化石油ガスを燃料とするガスエンジ
ン(以下,エンジンという。
)によって,蒸気圧縮冷凍サイクルの圧縮機を駆動し,かつ暖房時にエンジン
排熱を回収利用するヒートポンプ式の冷暖房機(以下,ガスヒートポンプという。
)であって定格冷房能力
が 85kW 以下のものについて規定する。
なお,次に掲げるものは含まない。
a)
冷房専用のもの。
b)
冷房時の凝縮器の冷却方式が水冷式のもの。
c)
電気ヒータ又は補助電気ヒータによる暖房機能をもつもの。
d)
吸込み空気等の温度条件が特殊なもの
1)
。
e)
機械類,食料品に対する空気調和を主目的としたもの。
f)
外気だけを室内へ導入して空気調和をはかることを主目的としたもの。
g)
車両内の空気調和をはかることを主目的としたもの。
h)
その他,特殊な用途に使用することを目的としたもの。
i)
室外機を複数台組合せて使用するもの。
j)
同時に冷房,暖房できるもの。
k)
発電機を付加したもの。
注
1)
例えば,電算機室用,オールフレッシュ形など。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。
)を適用する。
JIS B 0203
管用テーパねじ
JIS B 7951
大気中の一酸化炭素自動計測器
JIS B 7982
排ガス中の窒素酸化物自動計測システム及び自動計測器
JIS B 8620
小形冷凍装置の安全基準
JIS B 8627-2
ガスヒートポンプ冷暖房機−第 2 部:直吹き形ガスヒートポンプ冷暖房機−定格性能及
び運転性能試験
JIS B 8627-3
ガスヒートポンプ冷暖房機−第 3 部:ダクト接続形ガスヒートポンプ冷暖房機−定格性
2
B 8627-1
:2006
能及び運転性能試験
JIS C 1509-1
電気音響−サウンドレベルメータ(騒音計)−第 1 部:仕様
JIS C 1509-2
電気音響−サウンドレベルメータ(騒音計)−第 2 部:型式評価試験
JIS C 3306
ビニルコード
JIS C 9335-1
家庭用及びこれに類する電気機器の安全性−第 1 部:一般要求事項
JIS C 9335-2-40
家庭用及びこれに類する電気機器の安全性−第 2-40 部:エアコンディショナ及び除
湿機の個別要求事項
JIS K 0151
赤外線ガス分析計
JIS K 2211
冷凍機油
JIS K 5600-5-4
塗料一般試験方法−第 5 部:塗膜の機械的性質−第 4 部:引っかき硬度(鉛筆法)
JIS K 8116
塩化アンモニウム(試薬)
JIS S 2093
家庭用ガス燃焼機器の試験方法
JIS S 2145
ガス用金属フレキシブルホース
JIS S 6006
鉛筆,色鉛筆及びそれらに用いるしん
JIS Z 8731
環境騒音の表示・測定方法
JIS Z 9211
エネルギー管理用語(その1)
3
定義
この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
3.1
方式,構成に関する用語
3.1.1
直吹き形
専ら室内に直接空気を吹き出して使用するもの。
3.1.2
ダクト接続形
専らダクトを接続して使用するもの。
3.1.3
複数組合せ形
一つの室外機に対し接続可能な室内機との組合せを複数もつもの。
3.1.4
代表組合せ
複数組合せ形ガスヒートポンプの室内機の代表的組合せをいい,その室内機の形態は使用上最適なもの
とし,四方向吹出し天井埋込みカセット形(以下,四方向カセット形という。
)を原則とする。
3.1.5
マルチ形
1
台の室外機に 2 台以上の室内機を接続し,かつ,室内機を個別に制御するもの。
3.1.6
標準組合せ
マルチ形ガスヒートポンプの室内機との標準的組合せをいい,次の条件を満たすものをいう。
−室内機の形態は,使用上最適なものとし,四方向カセット形を原則とする。
3
B 8627-1
:2006
−室内機の台数は,室外機に室内機ごとの接続口がある場合はその口数,個別の接続口がない場合には
同一室内機最小台数(2 台以上)を原則とする。ただし,その組合せは市場性を考慮したものでなけ
ればならない。
−室内機の能力は,その冷房能力の合計と室外機の冷房能力の比が 1(1 となる組合せがないものは最も
近いもの)となるものを選定する。
3.2
冷房性能及び暖房性能に関する用語
3.2.1
定格冷房能力
JIS B 8627-2
及び JIS B 8627-3 の 4.2 に規定する冷房能力試験条件において,ガスヒートポンプ室内から
除去する熱量を装置銘板にキロワット(kW)で表示したもの。
3.2.2
定格冷房顕熱比(SHF)
ガスヒートポンプが定格冷房能力を発揮する運転時における JIS B 8627-2 及び JIS B 8627-3 の 3.14 に規
定する顕熱比。
3.2.3
定格冷房ガス消費量
JIS B 8627-2
及び JIS B 8627-3 の 4.2 に規定する冷房能力試験条件において,ガスヒートポンプが消費す
るガス量を装置銘板にキロワット(kW)で表示したもの。
3.2.4
定格冷房消費電力
JIS B 8627-2
及び JIS B 8627-3 の 4.2 に規定する冷房能力試験条件において,ガスヒートポンプが消費す
る実効消費電力を装置銘板にキロワット(kW)で表示したもの。
3.2.5
中間冷房能力
ガスヒートポンプが箇条 9 に規定した冷房定格性能試験条件において,定格冷房能力の 1/2 の能力を発
揮する設定で測定したときに室内から除去する熱量で,キロワット(kW)で表したもの。
注記 中間冷房能力は,定格冷房能力の 50 %±5 %の範囲で 0.1 kW 単位とする。ただし,機器の最
小能力が定格冷房能力の 55 %を超える場合は,その時の値をもって中間能力とする。
3.2.6
中間冷房ガス消費量
ガスヒートポンプが箇条 9 に規定した冷房定格性能試験条件において,定格冷房能力の 1/2 の能力を発
揮する設定で測定したときに消費するガス消費量で,キロワット(kW)で表示したもの。
注記 中間冷房ガス消費量の表示値は,キロワット(kW)表示し,0.1 kW 単位とする。ただし,機
器の最小冷房能力が定格冷房能力の 55 %を超える場合は,その時の値をもって中間冷房ガス
消費量とする。
3.2.7
定格暖房標準能力
JIS B 8627-2
及び JIS B 8627-3 の 5.2 に規定する暖房能力試験条件(標準)において,ガスヒートポンプ
が室内へ加える熱量を装置銘板にキロワット(kW)で表示したもの。
3.2.8
4
B 8627-1
:2006
定格暖房標準ガス消費量
JIS B 8627-2
及び JIS B 8627-3 の 5.2 に規定する暖房能力試験条件(標準)において,ガスヒートポンプ
が消費するガス量を装置銘板にキロワット(kW)で表示したもの。
3.2.9
定格暖房標準消費電力
JIS B 8627-2
及び JIS B 8627-3 の 5.2 に規定する暖房能力試験条件(標準)において,ガスヒートポンプ
が消費する実効消費電力の合計を装置銘板にキロワット(kW)で表示したもの。
3.2.10
中間暖房標準能力
ガスヒートポンプが箇条 9 に規定した暖房定格性能試験条件において,定格暖房標準能力の 1/2 の能力
を発揮する設定で測定したときに室内に加える熱量で,キロワット(kW)で表示したもの。
注記 中間暖房標準能力は,定格暖房標準能力の 50 %±5 %の範囲で 0.1 kW 単位とする。ただし,
機器の最小暖房能力が定格暖房標準能力の 55 %を超える場合は,その時の値をもって中間暖
房能力とする。
3.2.11
中間暖房標準ガス消費量
ガスヒートポンプが箇条 9 に規定した暖房定格性能試験条件において,定格暖房標準能力の 1/2 の能力
を発揮する設定で測定したときに消費するガス消費量で,キロワット(kW)で表示したもの。
注記 中間暖房ガス消費量の表示値はキロワット(kW)で表示し,0.1 kW 単位とする。ただし,機
器の最小暖房能力が定格暖房標準能力の 55 %を超える場合は,その時の値をもって中間暖房
ガス消費量とする。
3.2.12
定格暖房低温能力
JIS B 8627-2
及び JIS B 8627-3 の 5.2 に規定する暖房能力試験条件(低温)において,ガスヒートポンプ
が室内へ加える熱量を装置銘板にキロワット(kW)で表示したもの。
3.2.13
定格暖房低温ガス消費量
JIS B 8627-2
及び JIS B 8627-3 の 5.2 に規定する暖房能力試験条件(低温)において,ガスヒートポンプ
が消費するガス量を取扱説明書にキロワット(kW)で表示したもの。
3.2.14
定格暖房低温消費電力
JIS B 8627-2
及び JIS B 8627-3 の 5.2 に規定する暖房能力試験条件(低温)において,ガスヒートポンプ
が消費する実効消費電力の合計を取扱説明書にキロワット(kW)で表示したもの。
3.2.15
定格暖房極低温能力
JIS B 8627-2
及び JIS B 8627-3 の 5.2 に規定する暖房能力試験条件(極低温)において,ガスヒートポン
プが室内へ加える熱量を装置銘板にキロワット(kW)で表示したもの。
3.2.16
定格暖房能力
定格暖房標準能力,定格暖房低温能力及び定格暖房極低温能力の総称。
5
B 8627-1
:2006
3.2.17
実効消費電力
規定の時間内の機器への平均電気入力。電気入力とは,機器のすべての制御装置及び安全装置への電気
入力並びに機器内の熱搬送装置(例えば,送風機,ポンプ)への電気入力。
3.2.18
冷房成績係数
定格冷房能力を定格冷房ガス消費量と定格冷房消費電力の和で除した値。
3.2.19
暖房成績係数
定格暖房標準能力を定格暖房標準ガス消費量と定格暖房標準消費電力の和で除した値。
3.3
期間消費エネルギー量の算出に関する用語
3.3.1
冷房期間積算ガス消費量
冷房期間中にガスヒートポンプを冷房運転したことによって消費されたガスの和。
注記 附属書 A によって算定した冷房期間積算ガス消費量をいう。
3.3.2
暖房期間積算ガス消費量
暖房期間中にガスヒートポンプを暖房運転したことによって消費されたガスの和。
注記 附属書 A によって算定した暖房期間積算ガス消費量をいう。
3.3.3
冷房期間消費電力量
冷房期間中にガスヒートポンプを冷房運転したことによって消費された電力の和。
注記 附属書 A によって算定した冷房期間消費電力量をいう。
3.3.4
暖房期間消費電力量
暖房期間中にガスヒートポンプを暖房運転したことによって消費された電力の和。
注記 附属書 A によって算定した暖房期間消費電力量をいう。
3.3.5
期間積算ガス消費量
冷房期間積算ガス消費量と暖房期間積算ガス消費量の和。
注記 附属書 A によって算定した期間積算ガス消費量をいう。
3.3.6
期間消費電力量
冷房期間消費電力量と暖房期間消費電力量の和。
注記 附属書 A によって算定した期間消費電力量をいう。
3.3.7
期間消費エネルギー量
期間積算ガス消費量と期間消費電力量の和。
注記 附属書 A によって算定した期間消費エネルギー量をいう。
3.3.8
6
B 8627-1
:2006
冷房期間成績係数(CSPF:Cooling Seasonal Performance Factor)
冷房期間中にガスヒートポンプを冷房運転したことによって室内から除去できた熱量の和を消費された
積算ガス消費量と消費電力量の和で除した値。
注記 附属書 A によって算定した冷房期間成績係数で,代表値として,東京地区の外気温度発生時間
に基づき,ガスヒートポンプの種類に応じて,戸建て店舗又は事務所での負荷を想定して算出
した値を用いる。
3.3.9
暖房期間成績係数(HSPF:Heating Seasonal Performance Factor)
暖房期間中にガスヒートポンプを暖房運転したことによって室内に加えられた熱量の和を消費された積
算ガス消費量と消費電力量の和で除した値。
注記 附属書 A によって算定した暖房期間成績係数で,代表値として,東京地区の外気温度発生時間
に基づき,ガスヒートポンプの種類に応じて,戸建て店舗又は事務所での負荷を想定して算出
した値を用いる。
3.3.10
期間成績係数(APF:Annual Performance Factor)
ガスヒートポンプが,冷房期間及び暖房期間を通じて室内側空気から除去する熱量及び室内側空気に加
える熱量の総和を期間消費エネルギー量で除した値。
注記 附属書 A によって算定した期間成績係数で,代表値として,東京地区の外気温度発生時間に基
づき,ガスヒートポンプの種類に応じて,戸建て店舗又は事務所での負荷を想定して算出した
値を用いる。
3.4
その他の用語
3.4.1
都市ガス
都市の家庭や工場に配管によって供給される燃料ガス。
(JIS Z 9211 参照)
。
3.4.2
液化石油ガス
主成分として炭素数 3 及び 4 の炭化水素の加圧又は冷却によって液化したもの。
(JIS Z 9211 参照)
。
3.4.3
基準風量
温度 20 ℃で標準大気圧 101.325 kPa の乾き空気(密度 1.204 kg/m
3
)に換算した風量。
3.4.4
定格風量
ダクト接続形ガスヒートポンプを定格機外静圧で送風運転したときの製造業者が指定した風量で,基準
風量に換算したもの。
3.4.5
定格機外静圧
ダクト接続形ガスヒートポンプの製造業者が指定した機外静圧。
3.4.6
NO
x
12
モード値
年間を通して標準的な運転を行った場合に,ガスヒートポンプが排出する燃焼ガス中の NO
x
の平均濃度
7
B 8627-1
:2006
で,9.10 に規定する方法によって求められた値。
注記 ガス消費量は,すべてその高位発熱量に基づく。
3.4.7
冷媒設備
圧縮機,凝縮器,蒸発器などの冷媒が通り圧力がかかる部分。冷媒の圧力を受ける潤滑油系統を含む。
4
種類
ガスヒートポンプの種類は,次による。
a)
ユニットの構成による分類
1)
複数組合せ形
2)
マルチ形
b)
送風方式による分類
1)
直吹き形
2)
ダクト接続形
c)
定格冷房能力及び定格暖房能力による分類 定格冷房能力及び定格暖房能力による分類は,表 1 によ
る。
表 1−定格冷房能力及び定格暖房能力
単位 kW
能力
1.0 1.1 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0 2.2 2.5 2.8
− 3.2 − 3.6
− 4.0 − 4.5 − 5.0 − 5.6 − 6.3 − 7.1 − 8.0
− 9.0 − 10.0 − 11.2
− 12.5
− 14.0
− 16.0 − 18.0
− 20.0 − 22.4 − 25.0
− 28.0
− 31.5
− 35.5 − 40.0
定 格 冷 房
能力
− 45.0 − 50.0 − 56.0
60.0
63.0
67.0
71.0
75.0 80.0 85.0
1.6 1.8 2.0 2.2 2.5 2.8 3.0 3.2 3.4 3.6
3.8 4.0 4.2 4.5 4.8 5.0 5.3 5.6 6.0 6.3 6.7 7.1 7.5 8.0
8.5 9.0 9.5 10.0 10.6
11.2
11.8
12.5
13.2
14.0
15.0 16.0 17.0
18.0
19.0 20.0 21.2 22.4 23.6
25.0
26.5
28.0
30.0
31.5
33.5 35.5 37.5
40.0
42.5 45.0 47.5 50.0 53.0
56.0
60.0
63.0
67.0
71.0
75.0 80.0 85.0
90.0
定 格 暖 房
標準能力
95.0
100
106
112
118
125
定 格 暖 房
低 温 能 力
及 び 定 格
暖 房 極 低
温能力
0.1kW
単位とする
5
ガス種,定格電圧及び定格周波数
5.1
ガス種
エンジンの燃料として使用するガス種は,次による。
a)
都市ガス 都市ガスの種類は,表 2 に示すガスグループのガスとし,その発熱量及びガス圧力は,次
による。
1)
発熱量 ガス事業者のガス供給規程に規定する発熱量とする。
2)
ガス圧力 ガス事業者のガス供給規程に規定する圧力とし,表 2 による。
8
B 8627-1
:2006
表 2−ガスグループ及びガス圧力
単位 kPa
ガスグループ 13A,12A 6A
L1
(5B
,6C,7C) L2 (5A,5AN,5B) L3 (4A,4B,4C) 5C
最高圧力 2.5
2.2
2.0
最低圧力 1.0
0.7
0.5
b)
液化石油ガス 液化石油ガスの種類は,い号液化石油ガス,ろ号石油ガス及びは号液化石油ガスとし,
ガス圧力は最低圧力 2.0 kPa,最高圧力 3.3 kPa とする。
注記 液化石油ガスの種類は,液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則で
規定された種類をいう。
5.2
定格電圧及び定格周波数
ガスヒートポンプの定格電圧は,単相交流 100 V,単相交流 200 V 又は三相交流 200 V とし,定格周波
数は,50 Hz 専用,60 Hz 専用,又は 50 Hz・60 Hz 共用とする。
6
性能
6.1
直吹き形ガスヒートポンプ
6.1.1
冷媒設備各部の耐圧,気密性能
冷媒設備各部は,9.1.1 によって試験を行ったとき,JIS B 8620 の 10.の規定に適合しなければならない。
注記 JIS B 8620 の適用範囲外の冷媒設備は,高圧ガス保安法の対象となる。
6.1.2
冷房性能
a)
冷房性能 冷房性能は,9.1.2 の a) によって試験を行ったとき,表 3 に示す各条件を満足しなければ
ならない。
表 3−冷房性能
能力
ガス消費量
消費電力
定格冷房能力の値の 95%以
上
定格冷房ガス消費量の値の
105%
以下
定 格 冷 房 消 費 電 力 の 値 の
105%
以下
b)
中間冷房性能 冷房中間性能は,次による。
1)
中間冷房能力 中間冷房能力は,9.1.2 の a) によって試験を行い,中間冷房能力の値の 95 %以上
でなければならない。
2)
中間冷房ガス消費量 中間冷房ガス消費量は,9.1.2 の a) によって試験を行い,中間冷房ガス消費
量の値の 105 %以下でなければならない。
c)
冷房過負荷性能 冷房過負荷性能は,9.1.2 の b) によって試験を行ったとき,次の条件を満足しなけ
ればならない。
1)
一連の試験を行う間,ガスヒートポンプは異常なく運転できる。
2)
最初の 1 時間,ガスヒートポンプのエンジンの停止又は電動機過負荷保護装置の作動がなく,連続
運転できる。
3)
3
分間の停止後,運転を再開したとき,最初の 5 分間はエンジンの停止又は電動機過負荷保護装置
の作動があってもよいが,その後 1 時間は連続運転できる。
9
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4)
運転再開後 5 分間以内にエンジンの停止又は電動機過負荷保護装置の作動があり,その同じ 5 分間
にそれらが復帰しないように設計されている場合は,30 分間運転できなくてもよいが,その後の 1
時間は連続運転できる。
d)
冷房低温性能 冷房低温性能は,9.1.2 の c) によって試験を行ったとき,次の条件を満足しなければ
ならない。
1)
保護装置が作動しないで 4 時間運転できる。
なお,圧縮機の自動復帰による発停は,保護装置の作動とはみなさない。
2)
4
時間の運転終了時に,蒸発器への霜又は氷の蓄積は蒸発器の室内側表面積(コイル正面面積)の
50%
以下とする。ただし,目視確認が困難な場合は,室内側吹出し風量の初期風量からの低下が 25%
以下であればよい。
e)
露付き及び凝縮水排出性能 露付き及び凝縮水排出性能は,9.1.2 の d) によって試験を行ったとき,
ガスヒートポンプから凝縮水の滴下,漏れ又は飛散があってはならない。
f)
氷結性能 氷結性能は,9.1.2 の e) によって試験を行ったとき,次の条件を満足しなければならない。
1)
通風妨害試験において,4 時間の冷房運転終了時に,蒸発器への霜又は氷の蓄積は蒸発器の室内側
表面積(コイル正面面積)の 50 %以下とする。ただし,目視確認が困難な場合は,室内側吹出し風
量の初期風量からの低下が 25 %以下であればよい。
2)
滴下試験において,ガスヒートポンプから室内側に氷の落下,凝縮水の滴下又は飛散があってはな
らない。
6.1.3
暖房性能
a)
暖房性能 暖房性能は,9.1.3 の a) によって試験を行ったとき,表 4 に示す各条件を満足しなければ
ならない。
表 4−暖房性能
能力
ガス消費量
消費電力
標準条件
定 格 暖 房 標 準 能 力 の 値 の
95 %
以上
定格暖房標準ガス消費量の
値の 105 %以下
定格暖房標準消費電力の値
の 105 %以下
低温条件
定 格 暖 房 低 温 能 力 の 値 の
95 %
以上
定格暖房低温ガス消費量の
値の 105 %以下
定格暖房低温消費電力の値
の 105 %以下
b)
中間暖房性能 暖房中間性能は次による。
1)
中間暖房標準能力 中間暖房標準能力は,9.1.3 の a) によって試験を行い,中間暖房標準能力の値
の 95 %以上でなければならない。
2)
中間暖房標準ガス消費量 中間暖房標準ガス消費量は,9.1.3 の a) によって試験を行い,中間暖房
標準ガス消費量の値の 105 %以下でなければならない。
c)
暖房極低温能力 暖房極低温能力は,9.1.3 の a) によって試験を行ったとき,定格暖房極低温能力の
95 %
以上でなければならない。
d)
暖房過負荷性能 暖房過負荷性能は,9.1.3 の b) によって試験を行ったとき,次の条件を満足しなけ
ればならない。
1)
一連の試験を行う間,ガスヒートポンプは異常なく運転できる。
2)
最初の 1 時間,ガスヒートポンプのエンジンの停止又は電動機過負荷保護装置の作動がなく,連続
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運転できる。
3)
3
分間の停止後,運転を再開したとき,最初の 5 分間はエンジンの停止又は電動機過負荷保護装置
の作動があってもよいが,その後 1 時間は連続運転できる。
4)
再開後 5 分間以内にエンジンの停止又は電動機過負荷保護装置の作動があり,その同じ 5 分間にそ
れらが復帰しないように設計されている場合は,30 分間運転できなくてもよいが,その後 1 時間は
連続運転できる。
e)
自動除霜性能 9.1.3 の c) によって試験を行ったとき,除霜運転中,室内側吹出し空気温度は,1 分
間以上 18 ℃以下になってはならない。
6.2
ダクト接続形ガスヒートポンプ
6.2.1
冷媒設備各部の耐圧,気密性能
冷媒設備各部は,9.2.1 の試験を行ったとき,JIS B 8620 の 10.の規定に適合しなければならない。
注記 JIS B 8620 の適用範囲外の冷媒設備は,高圧ガス保安法の対象となる。
6.2.2
冷房性能
a)
冷房性能 冷房性能は,9.2.2 の a) によって試験を行ったとき,表 5 に示す各条件を満足しなければ
ならない。
表 5−冷房性能
能力
ガス消費量
消費電力
定格冷房能力の値の 95 %
以上
定格冷房ガス消費量の値の
105 %
以下
定 格 冷 房 消 費 電 力 の 値 の
105 %
以下
b)
中間冷房性能 冷房中間性能は次による。
1)
中間冷房能力 中間冷房能力は,9.2.2 の a) によって試験を行い,中間冷房能力の値の 95 %以上
でなければならない。
2)
中間冷房ガス消費量 中間冷房ガス消費量は,9.2.2 の a) によって試験を行い,中間冷房ガス消費
量の値の 105 %以下でなければならない。
c)
冷房過負荷性能 冷房過負荷性能は,9.2.2 の b) によって試験を行ったとき,次の条件を満足しなけ
ればならない。
1)
一連の試験を行う間,ガスヒートポンプは異常なく運転できる。
2)
最初の 1 時間,ガスヒートポンプのエンジンの停止又は電動機過負荷保護装置の作動がなく,連続
運転できる。
3)
3
分間の停止後,運転を再開したとき,最初の 5 分間はエンジンの停止又は電動機過負荷保護装置
の作動があってもよいが,その後 1 時間は連続運転できる。
4)
運転再開後 5 分間以内にエンジンの停止又は電動機過負荷保護装置の作動があり,その同じ 5 分間
にそれらが復帰しないように設計されている場合は,30 分間運転できなくてもよいが,その後 1 時
間は連続運転できる。
d)
冷房低温性能 冷房低温性能は,9.2.2 の c) によって試験を行ったとき,次の条件を満足しなければ
ならない。
1)
保護装置が作動しないで 4 時間運転できる。
なお,圧縮機の自動復帰による発停は,保護装置の作動とはみなさない。
2)
4
時間の運転終了時に,蒸発器への霜又は氷の蓄積は蒸発器の室内側表面積(コイル正面面積)の
50 %
以下とする。ただし,目視確認が困難な場合は,室内側吹出し風量の初期風量からの低下が 25 %
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以下であればよい。
e)
露付き及び凝縮水排出性能 露付き及び凝縮水排出性能は,9.2.2 の d) によって試験を行ったとき,
ガスヒートポンプから凝縮水の滴下,漏れ又は飛散があってはならない。
6.2.3
暖房性能
a)
暖房性能 暖房性能は 9.2.3 の a) によって試験を行ったとき,表 6 に示す各条件を満足しなければな
らない。
表 6−暖房性能
能力
ガス消費量
消費電力
標準条件
定 格 暖 房 標 準 能 力 の 値 の
95 %
以上
定格暖房標準ガス消費量の
値の 105 %以下
定格暖房標準消費電力の値
の 105 %以下
低温条件
定 格 暖 房 低 温 能 力 の 値 の
95 %
以上
定格暖房低温ガス消費量の
値の 105 %以下
定格暖房低温消費電力の値
の 105 %以下
b)
暖房中間性能 暖房中間性能は次による。
1)
中間暖房標準能力 中間暖房標準能力は,9.2.3 の a) によって試験を行い,中間暖房標準能力の値
の 95 %以上でなければならない。
2)
中間暖房標準ガス消費量 中間暖房標準ガス消費量は,9.2.3 の a) によって試験を行い,中間暖房
標準ガス消費量の値の 105 %以下でなければならない。
c)
暖房極低温能力 暖房極低温能力は,9.2.3 の a) によって試験を行ったとき,定格暖房極低温能力の
値の 95 %以上でなければならない。
d)
暖房過負荷性能 暖房過負荷性能は,9.2.3 の b) によって試験を行ったとき,次の条件を満足しなけ
ればならない。
1)
一連の試験を行う間,ガスヒートポンプは異常なく運転できる。
2)
最初の 1 時間,ガスヒートポンプのエンジンの停止又は電動機過負荷保護装置の作動がなく,連続
運転できる。
3)
3
分間の停止後,運転を再開したとき,最初の 5 分間はエンジンの停止又は電動機過負荷保護装置
の作動があってもよいが,その後 1 時間は連続運転できる。
4)
運転再開後 5 分間以内にエンジンの停止又は電動機過負荷保護装置の作動があり,その同じ 5 分間
にそれらが復帰しないように設計されている場合は,30 分間運転できなくてもよいが,その後 1 時
間は連続運転できる。
e)
自動除霜性能 9.2.3 の c) によって試験を行ったとき,除霜運転中,室内側吹出し空気温度は,1 分
間以上 18 ℃以下になってはならない。
6.2.4
風量
風量は,9.2.4 によって試験を行ったとき,その結果を基準風量に換算した値が,定格風量の 90 %以上
でなければならない。
6.3
耐衝撃電圧
耐衝撃電圧性能は,9.4 によって試験を行ったとき,これに耐えなければならない。
6.4
温度
冷房運転時及び暖房運転時における各部の温度は,9.5 によって試験を行ったとき,
表 7 に示す温度以下
で,かつ,その他の箇所においても異常な高温が生じてはならない。
12
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表 7−各部の温度の上限
単位 ℃
金属製のもの,陶磁器製のもの及びガラス製のもの 55
人が触れて使用するもの
その他のもの 70
金属製のもの,陶磁器製のもの及びガラス製のもの 85
外
郭
人が容易に触れるおそれがあるもの。ただし,
発熱部の保護枠及び温風出口を除く。
その他のもの 100
ガス閉止弁本体のガスの通る部分の外表面 85
a)
ゼロガバナのガスの通る部分の外表面
70
b)
機器後面・側面・上方天井面の木壁の表面及び機器下面の木台の表面 100
燃焼ガス温度
260
注
a)
85
℃を超えた場合は,JIS S 2093 に規定する機能部品の耐熱試験によってガス通路の気密の項に適合し,かつ操
作に異常のないことを確認しなければならない。
b)
70
℃を超えた場合は,JIS S 2093 に規定する機能部品の耐熱試験によってガス通路の気密の項に適合し,かつ,
調整圧力に異常のないことを確認しなければならない。
6.5
散水時の性能
散水時の性能は,ガスヒートポンプの室外側の部分について,9.6 によって試験を行ったとき,次の条件
を満足しなければならない。
a)
散水中にエンジン停止などの異常が発生しない。
b)
散水終了後に運転操作を 3 回行ったとき,毎回異常なく始動し,かつ,始動時,運転中及び停止時に
バックファイヤを生じない。
c)
散水終了後,絶縁抵抗の値が 1 MΩ以上でなければならない。耐電圧は JIS C 9335-1 の規定に適合す
るか,又は
附属書 B に適合しなければならない。
6.6
騒音
騒音は,9.7 によって試験を行ったとき,
表 8 に示す値以下でなければならない。
表 8−騒音の上限
単位 dB
定格冷房能力
室内側
室外側
2.5
以下 50
50
2.5
を超え 4.0 以下 55
55
4.0
を超え 10.0 以下 60
60
10.0
を超え 16.0 以下 63
65
16.0
を超え 85.0 以下 66
68
13
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6.7
エンジン性能
エンジン性能は,次の各項目を満足しなければならない。ただし,試験ガスの条件は,JIS B 8627-2 の
附属書 1 の 4.による。
a)
エンジン始動性能は,9.8 によって試験を行ったとき,3 回の運転操作においてすべて 1 回目の始動用
電動機の駆動によって始動でき,かつ始動時,運転中及び停止時にバックファイヤを生じない。
b)
理論乾燥燃焼ガス中の CO 濃度(体積%)は,9.9 によって試験を行ったとき,0.28 %以下である。
c) NO
x
12
モード値は 9.10 によって試験を行う。
6.8
ガス通路の気密
ガス通路の気密は,9.11 によって試験を行ったとき,次の各項目に適合しなければならない。
a)
運転を停止している状態において,閉止弁を通して漏れる内部漏れ量は 0.07L/h 以下である。
b)
ガス接続口からエンジン入口まで外部漏れがない。
6.9
電源異常
電源異常は,次による。
a)
停電 9.12 によって停電試験を行ったとき,安全性に支障があってはならない。
b)
電圧降下 9.12 によって電圧降下試験を行ったとき,安全性に支障があってはならない。
c)
電源雑音 9.12 によって電源雑音試験を行ったとき,安全性に支障があってはならない。
6.10
電気安全性能
電気安全性能は,JIS C 9335-2-40 の規定に適合するか,又は
附属書 B に適合しなければならない。
6.11
異常
9.13
によって試験を行ったとき,安全性を損なうような機械的損傷がなく,試験後の絶縁抵抗の値が 0.1
M
Ω以上で,かつ耐電圧は 6.10 の規定に適合しなければならない。このときの送風機用電動機の表面温度
は 150 ℃以下で,かつ巻線の温度が
表 9 に示す値以下でなければならない。
表 9−異常試験における温度上限
単位 ℃
巻線の絶縁階級
送風機用電動機の保護装置の種類
A E B F H
インピーダンス保護の場合 150
165
175
190
210
最初の 1 時間(最大値)
200
215
225
240
260
1
時間以後(最大値) 175
190
200
215
235
保 護 装 置 が 付
いている場合
1
時間以後(相加平均値) 150
165
175
190
210
7
構造
7.1
一般
機器の構造は,安全性及び耐久性に配慮し,次の条件を満たさなければならない。
a)
使用中又は保守点検の際に手を触れる部分の端部は,十分に滑らかである。
b)
制御部及び電気部は,気象条件によって影響を受けない。
c)
断熱材等は,通常の使用状態において,はく離又は脱落を生じない。
d)
送風機等の可動部分は,通常の使用状態において人体が容易に接触しない。
e)
電装部の近傍(50 mm 未満)に使用する断熱材などは,難燃性のものとする。ただし,その断熱材な
どが仮に燃焼しても,感電,火災などの危険が生じるおそれがない場合は,この限りでない。
14
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f)
凝縮水の排水確認が容易にできる。
g)
冷媒回収のための接続口などをもつ。
h)
冷媒回路は,異常な圧力上昇に対して安全である。
7.2
各部の構造
7.2.1
ガス接続口
ガス取入れ部は,次による。
a)
ガス接続口は,通常,外部に露出しているか,又は外部から容易に視認できる位置にする。
b)
ガス接続口のねじは,JIS B 0203 に規定するものを使用する。
7.2.2
閉止弁
閉止弁は,次による。
a)
エンジンへのガス通路は,エンジン停止時に,直列に設けた 2 個以上の閉止弁によって閉ざされなけ
ればならない。
b)
それぞれの閉止弁は,独立した機能をもつものとする。
7.2.3
ガス導管
ガス導管は,次による。
a)
負圧となる部分に使用されるガス導管は,負圧に対して十分な強度をもつものとする。通常の運転状
態において,ガス入口側のガス栓が閉じてエンジンが停止するまでの間,ガス導管の各部に変形など
の異常があってはならない。
b)
ガス導管に使用される内径 2 mm 以下の銅管の内面には,すずめっきなどの表面処理が施されていな
ければならない。
7.2.4
燃焼ガス通路
燃焼ガス通路は,次による。
a)
燃焼ガス通路は,燃焼ガスの温度,エンジンの振動などに十分耐える構造とする。
b)
燃焼ガス排出口の開口部は,直径 16 mm の鋼球が入らず,鳥などが侵入できない構造とする。
c)
燃焼ガス通路は,ドレンを容易に排出できる構造とする。
7.2.5
ケーシング
ケーシングは,次による。
a)
燃焼用空気を取り入れるケーシングの開口部は,直径 16 mm の鋼球が入らず,鳥などが侵入できない
構造とする。
b)
点検及び保守用のパネルは,取付け,取外しの繰返し使用に耐える構造とする。
7.2.6
エンジン始動用電動機
エンジン始動用電動機は,過熱を防止する機能をもたなければならない。
7.2.7
エンジン点火装置
エンジン点火装置によって発生する雑音放射(電波雑音)が,他の機器に障害を与えない構造とする。
7.2.8
エンジン保護装置
エンジン保護装置は,次による。
a)
エンジン回転数が製造業者の指定する回転数を超えたとき,エンジンが停止し,ガス通路が自動的に
閉じる機能をもたなければならない。
b)
エンジンオイルが製造業者の指定する状態にまで減少したとき,エンジンが停止し,ガス通路が自動
的に閉じる機能をもたなければならない。
15
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c)
エンジン冷却水(不凍液)が製造業者の指定する温度を超えたとき,エンジンが停止し,ガス通路が
自動的に閉じる機能をもたなければならない。
7.3
電気部の構造
電気部の構造は,JIS C 9335-2-40 の規定に適合するか,又は
附属書 B に適合しなければならない。
7.4
冷媒設備
冷媒設備の各部の強さは,JIS B 8620 の 7.の規定に適合しなければならない。
注記 JIS B 8620 の適用範囲外の冷媒設備は,高圧ガス保安法の対象となる。
7.5
冷凍機油
冷凍機油は,JIS K 2211 に規定するもの又はそれと同等以上の品質のものを用いる。
8
材料
8.1
一般
ガスヒートポンプに用いる材料は,JIS C 9335-2-40 の規定に適合するか,又は
附属書 B に適合しなけれ
ばならない。
8.2
ガス通路
ガスを内包する部分に使用する材料は,次による。
a)
金属材料は,耐食性のある材料,又は表面に耐食処理を施した材料とする。
b)
ゴムホースは,燃料ガスの圧力及び成分に十分耐える品質とする。
c)
金属フレキシブルホースは,JIS S 2145 に適合するもの又はそれと同等以上のものとする。
d)
ゼロガバナより下流のガス圧力が負圧となる部分のガス通路は,その負圧に十分耐える材料とする。
8.3
燃焼ガス通路
燃焼ガス通路に使用する材料は,次による。
a)
金属材料は,耐食性のある材料,又は表面に耐食処理を施した材料とする。
b)
金属以外の材料は,燃焼ガス及びドレンに耐える材料とする。
8.4
断熱材等
エンジン周囲の断熱材,吸音材などは,燃焼しないもの又は燃焼したときに 10 秒以内に自然に消火する
ものを使用する。
8.5
防振材
エンジンを支持する防振材は,耐久性のある材料を用いる。
9
試験方法
9.1
直吹き形ガスヒートポンプ
9.1.1
圧力試験
圧力試験は,JIS B 8620 の箇条 11 に規定された試験を実施しなければならない。
注記 JIS B 8620 の適用範囲外の冷媒設備は,高圧ガス保安法の対象となる。
9.1.2
冷房試験
冷房試験は,次による。
a)
冷房能力,冷房ガス消費量,冷房消費電力及び冷房成績係数試験 冷房能力,冷房ガス消費量,冷房
消費電力及び冷房成績係数の試験方法は,JIS B 8627-2 の 4.2 による。冷房中間性能試験は,定格冷房
能力の 1/2 の能力を発揮する設定で,JIS B 8627-2 の 4.2 の条件によって,冷房能力と冷房ガス消費量
16
B 8627-1
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を測定する。ただし,機器の最小能力が定格能力の 55 %を超える場合でもその設定で,JIS B 8627-2
の 4.2 の条件によって測定する。
b)
冷房過負荷試験 冷房過負荷試験方法は,JIS B 8627-2 の 4.3 による。
c)
冷房低温試験 冷房低温試験方法は,JIS B 8627-2 の 4.4 による。
d)
露付き及び凝縮水排水試験 露付き及び凝縮水排水試験方法は,JIS B 8627-2 の 4.5 による。
e)
氷結試験 氷結試験方法は,JIS B 8627-2 の 4.6 による。
9.1.3
暖房試験
暖房試験は,次による。
a)
暖房能力,暖房ガス消費量,暖房消費電力及び暖房成績係数試験 暖房標準能力,暖房低温能力,暖
房極低温能力,暖房標準ガス消費量,暖房低温ガス消費量,暖房極低温ガス消費量,暖房標準消費電力,
暖房低温消費電力,暖房極低温消費電力及び暖房成績係数の試験方法は,JIS B 8627-2 の 5.2 による。
暖房中間性能試験は,定格暖房標準能力の 1/2 の能力を発揮する設定で,JIS B 8627-2 の 5.2 の条件に
よって,暖房能力と暖房ガス消費量を測定する。ただし,機器の最小能力が定格能力の 55 %を超え
る場合でもその設定で,JIS B 8627-2 の 5.2 の条件によって測定する。
b)
暖房過負荷試験 暖房過負荷試験方法は,JIS B 8627-2 の 5.3 による。
c)
自動除霜試験 自動除霜試験方法は,JIS B 8627-2 の 5.4 による。
9.2
ダクト接続形ガスヒートポンプ
9.2.1
圧力試験
圧力試験は,JIS B 8620 の箇条 11 に規定された試験を実施しなければならない。
注記 JIS B 8620 の適用範囲外の冷媒設備は,高圧ガス保安法の対象となる。
9.2.2
冷房試験
冷房試験は,次による。
a)
冷房能力,冷房ガス消費量,冷房消費電力及び冷房成績係数試験 冷房能力,冷房ガス消費量,冷房
消費電力及び冷房成績係数の試験方法は,JIS B 8627-3 の 4.2 による。冷房中間性能試験は,定格冷房
能力の 1/2 の能力を発揮する設定で,JIS B 8627-3 の 4.2 の条件によって,冷房能力と冷房ガス消費量
を測定する。ただし,機器の最小能力が定格能力の 55 %を超える場合でもその設定で,JIS B 8627-3
の 4.2 の条件によって測定する。
b)
冷房過負荷試験 冷房過負荷試験方法は,JIS B 8627-3 の 4.3 による。
c)
冷房低温試験 冷房低温試験方法は,JIS B 8627-3 の 4.4 による。
d)
露付き及び凝縮水排水試験 露付き及び凝縮水排水試験方法は,JIS B 8627-3 の 4.5 による。
9.2.3
暖房試験
暖房試験は,次による。
a)
暖房能力,暖房ガス消費量,暖房消費電力及び暖房成績係数試験 暖房標準能力,暖房低温能力,暖
房極低温能力,暖房標準ガス消費量,暖房低温ガス消費量,暖房極低温ガス消費量,暖房標準消費電
力,暖房低温消費電力,暖房極低温消費電力及び暖房成績係数の試験方法は,JIS B 8627-3 の 5.2 によ
る。暖房中間性能試験は,定格暖房標準能力の 1/2 の能力を発揮する設定で,JIS B 8627-3 の 5.2 の条
件によって,暖房能力と暖房ガス消費量を測定する。ただし,機器の最小能力が定格能力の 55 %を
超える場合でもその設定で,JIS B 8627-3 の 5.2 の条件によって測定する。
b)
暖房過負荷試験 暖房過負荷試験方法は,JIS B 8627-3 の 5.3 による。
c)
自動除霜試験 自動除霜試験方法は,JIS B 8627-3 の 5.4 による。
17
B 8627-1
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9.2.4
風量試験
風量試験方法は,JIS B 8627-3 の
附属書 1 による。
9.3
絶縁抵抗試験
絶縁抵抗試験は,B.5.1 による
。
9.4
耐衝撃電圧試験
耐衝撃電圧試験方法は,
附属書 C による。
9.5
温度試験
温度試験方法は,
附属書 D による。
9.6
散水時性能試験
散水時性能試験方法は,
附属書 E による。
9.7
騒音試験
騒音試験方法は,
附属書 F による。
9.8
エンジン始動試験
エンジン始動試験方法は,
附属書 G による。
9.9
CO
濃度試験
CO
濃度試験方法は,
附属書 H による。
9.10 NO
x
濃度試験
NO
x
濃度試験方法は,
附属書 I による。
9.11
ガス通路気密試験
ガス通路気密試験方法は,
附属書 J よる。
9.12
電源異常試験
電源異常試験方法は,
附属書 K による。
9.13
異常試験
異常試験方法は,
附属書 L による。
注記 CO 濃度試験と NO
x
濃度試験とは,同時に行うことができる。
10
検査
10.1
形式検査
形式検査は,箇条 9 に規定する方法によって行い,次の各項目が箇条 6,箇条 7 及び箇条 8 の規定に適
合しなければならない。
a)
構造及び材料
b)
冷媒設備各部の耐圧,気密
c)
定格冷房能力
d)
定格冷房ガス消費量
e)
定格冷房消費電力
f)
冷房成績係数
g)
中間冷房能力
h)
中間冷房ガス消費量
i)
定格暖房標準能力
j)
定格暖房標準ガス消費量
18
B 8627-1
:2006
k)
定格暖房標準消費電力
l)
暖房成績係数
m)
中間暖房標準能力
n)
中間暖房標準ガス消費量
o)
定格暖房低温能力
p)
定格暖房低温ガス消費量
q)
定格暖房低温消費電力
r)
定格暖房極低温能力
s)
定格暖房極低温ガス消費量
t)
定格暖房極低温消費電力
u)
風量(ダクト接続形ガスヒートポンプの場合)
v)
冷房過負荷性能
w)
暖房過負荷性能
x)
氷結性能(直吹き形ガスヒートポンプの場合)
y)
自動除霜性能
z)
冷房低温性能
aa)
露付き及び凝縮水排出性能
ab)
絶縁抵抗
ac)
耐電圧
ad)
耐衝撃電圧
ae)
温度
af)
散水時性能
ag)
騒音
ah)
エンジン始動性能
ai) CO
濃度
aj) NO
x
濃度
ak)
ガス通路気密
al)
電源異常
am)
異常
注記 形式検査とは,製品の品質が設計で示した品質項目を満足するか否かを判定するための検査
をいう。
10.2
受渡検査
受渡検査は,次の各項目について実施し,箇条 6 の規定に適合しなければならない。
なお,a)∼m),p),及び q) は抜取り検査によって行い,n),o) 及び r) については全数検査による。
a)
冷媒設備の気密
b)
定格冷房能力
c)
定格冷房ガス消費量
d)
定格冷房消費電力
e)
冷房成績係数
f)
中間冷房能力
19
B 8627-1
:2006
g)
中間冷房ガス消費量
h)
定格暖房標準能力
i)
定格暖房標準ガス消費量
j)
定格暖房標準消費電力
k)
暖房成績係数
l)
中間暖房標準能力
m)
中間暖房標準ガス消費量
n)
絶縁抵抗
o)
耐電圧
p)
温度
q)
騒音
r)
ガス通路気密
注記 受渡検査とは,既に形式検査に合格したものと同じ設計・製造に係る製品の受渡しに際して,
必要と認められる品質項目を満足するか否かを判定するための検査をいう。
11
表示
11.1
本体への表示
a)
ガスヒートポンプには,b) に示す表示項目を容易に消えない方法で表示した装置銘板を,通常の据付
け状態で見やすい位置
2)
に取り付けなければならない。
注
2)
外郭表面,又は工具などを使用せずに容易に開閉できる,ふたで覆われた外郭内部の表面。
b)
表示項目は,次による。
1)
規格名称
3)
2)
形式
3)
ガス種
4)
4)
定格電圧(V)
5)
5)
相数(単相又は三相)
6)
定格周波数(Hz)
5)
7)
定格冷房能力(kW)
6)
8)
定格冷房ガス消費量(kW)
6)
9)
定格冷房消費電力
(kW)
5)
6)
7)
10)
定格暖房標準能力(kW)
6)
11)
定格暖房標準ガス消費量(kW)
6)
12)
定格暖房標準消費電力(kW)
5)
6)
7)
13)
冷媒名又はその記号及び冷媒封入量(kg)
7)
14)
冷凍機油名
15)
設計圧力(高圧部,低圧部)
(MPa)
8)
16) IP
コード
9)
17)
製造業者名又はその記号
18)
製造年,製造番号又はロット番号
19)
総質量[大略の質量(kg)
]
7)
20
B 8627-1
:2006
20)
定格風量(m
3
/min
)
(ダクト接続形ヒートポンプだけ)
10)
21)
定格機外静圧(Pa)
(ダクト接続形ヒートポンプだけ)
10)
注
3)
規格名称は,単にガスヒートポンプエアコンとしてもよい。
4)
都市ガス用は,例えば“都市ガス 13 A 用”
,
“都市ガス L1(6B,6C,7C)用”など。液化
石油ガス用は,
“LP ガス用(い号プロパン)
”など。
5)
50
Hz
・60 Hz 共用のものは,それぞれの周波数について表示する。
6)
複数組合せ形のものは,代表組合せのときの値の表示でよい。また,マルチ形のものは標
準組合せのときの値を表示する。
7)
消費電力の単位及び質量の単位は,数値が 1 000 未満の場合は,ワット(W)及びグラム
(g)の単位を用いてもよい。
8)
設計圧力は DP,高圧部は H,低圧部は L と表示してもよい。
9)
電気安全性能を JIS C 9335-2-40 によるものについて表示する。
10)
ダクト接続形ヒートポンプについては,容易に消えない方法で製品に表示する。なお,
ダクト接続形ヒートポンプの場合,試験を実施した機外静圧を仕様書に記載してある機
器の成績係数は,その機外静圧を与えて測定した冷房能力,暖房能力,ガス消費量及び
消費電力の値から算出してもよい。
11.2
技術資料等での公表
a)
ガスヒートポンプの技術資料等には,b) に示す項目について,適切に公表されなければならない。
b)
技術資料等での公表項目は,次による。
1)
規格名称
11)
2)
形式
3)
ガス種
12)
4)
定格電圧(V)
13)
5)
相数(単相又は三相)
6)
定格周波数(Hz)
13)
7)
定格冷房能力(kW)
8)
定格冷房時の顕熱比
9)
定格冷房ガス消費量(kW)
10)
定格冷房消費電力(kW)
13)
14)
11)
冷房成績係数
15)
16)
12)
中間冷房能力(kW)
13)
中間冷房ガス消費量(kW)
14)
冷房期間成績係数
16)
15)
定格暖房標準能力(kW)
16)
定格暖房標準ガス消費量(kW)
17)
定格暖房標準消費電力(kW)
13)
14)
18)
暖房成績係数
16)
17)
19)
中間暖房標準能力(kW)
20)
中間暖房標準ガス消費量(kW)
21)
暖房期間成績係数
16)
21
B 8627-1
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22)
期間成績係数
16)
23)
定格暖房低温能力(kW)
24)
定格暖房低温ガス消費量(kW)
25)
定格暖房極低温能力(kW)
18)
26)
期間消費エネルギー量(kW)
27)
冷媒名又はその記号及び冷媒封入量(kg)
14)
28)
冷凍機油名
29)
設計圧力(高圧部,低圧部)
(MPa)
19)
30) IP
コード
20)
31)
総質量[大略の質量(kg)
]
14)
32)
定格風量(m
3
/min
)
(ダクト接続形ヒートポンプだけ)
21)
33)
定格機外静圧(Pa)
(ダクト接続形ヒートポンプだけ)
21)
注
11)
規格名称は,ガスヒートポンプエアコンとするか,又はこの規格を適用している範囲の製
品であることを示す製造業者固有の名称を用いてもよい。
12)
都市ガス用は,例えば“都市ガス 13 A 用”
,
“都市ガス L1(6B,6C,7C)用”など。液化
石油ガス用は,
“LP ガス用(い号プロパン)
”など。
13)
50
Hz
・60 Hz 共用のものは,それぞれの周波数について表示する。
14)
消費電力の単位及び質量の単位は,数値が 1 000 未満の場合は,ワット(W)及びグラム
(g)の単位を用いてもよい。
15)
定格冷房能力を定格冷房ガス消費量 と定格冷房消費電力の和で除した値を表示する。冷
房成績係数は“冷房 COP”の名称を用いてもよい。
16)
成績係数は,0.05 単位とするが,0.01 単位としてもよい。
17)
定格暖房標準能力を定格暖房標準ガス消費量と定格暖房標準消費能力の和で除した値を
表示する。暖房成績係数は“暖房 COP”の名称を用いてもよい。
18)
使用範囲として極低温条件以下の温度での連続運転が可能であると仕様書,取扱説明書な
どに表示している機器について表示する。
19)
設計圧力は DP,高圧部は H,低圧部は L と表示してもよい。
20)
電気安全性能を JIS C 9335-2-40 によるものについて表示する。
21)
ダクト接続形ヒートポンプについては,容易に消えない方法で製品に表示する。なお,
ダクト接続形ヒートポンプの場合,試験を実施した機外静圧を仕様書に記載してある機
器の成績係数は,その機外静圧を与えて測定した冷房能力,暖房能力,ガス消費量及び
消費電力の値から算出してもよい。
12
取扱説明書
ガスヒートポンプには,次の事項を記載した説明書などを添付しなければならない。
a)
取扱いに関する注意事項
1)
ガスヒートポンプの取扱いに関する事項
2)
日常の点検,掃除及び定期点検に関する事項
3)
故障,異常の際の見分け方及びその措置方法,連絡先に関する事項
4)
ガスヒートポンプを安全に使用する上での注意事項
22
B 8627-1
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5)
仕様
注記 仕様には,定格暖房低温ガス消費量,定格暖房低温消費電力を記載する。
b)
工事に関する注意事項
1)
設置場所に関する事項
2)
設置要領に関する事項
3)
試運転に関する事項
4)
工事上の安全に関する事項
23
B 8627-1
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附属書 A
(規定)
期間消費エネルギー量算出基準
A.1
適用範囲
この附属書は,
本体に規定するガスヒートポンプの期間消費エネルギー量の算出方法について規定する。
A.2
用語及び定義
A.2.1
冷房ガス成績係数
冷房能力を冷房ガス消費量で除した値。
A.2.2
暖房ガス成績係数
暖房能力を暖房ガス消費量で除した値。
A.2.3
排熱併用ヒートポンプ運転
暖房運転において暖房ガス成績係数が 1 以上の運転領域を指す(以下,排熱併用 HP 運転という。
)
。
A.2.4
排熱単独ヒートポンプ運転
暖房運転において暖房ガス成績係数が 1 未満の運転領域を指す(以下,排熱単独 HP 運転という。
)
。
A.2.5
部分負荷率(PLF:Part Load Factor)
同一温湿度条件の下で,断続運転を行ったときの成績係数と連続運転を行ったときの成績係数との比。
A.2.6
効率低下係数(C
D
:Degradation Coefficient)
断続運転を行うことによって生じる成績係数の低下を表す係数。
A.3
期間消費エネルギー量を算出する組合せ
ガスヒートポンプの期間消費エネルギー量の算出を行う室外機と室内機の組合せは,複数組合せ形につ
いては代表組合せ,マルチ形については標準組合せとする。
A.4
建物負荷,運転時間及び発生時間
A.4.1
建物負荷
ガスヒートポンプの期間消費エネルギー量を算出する想定建物負荷は,戸建て店舗,テナント店舗及び
事務所の 3 種類とし,その冷房時,暖房時の負荷は次による。技術資料等で公表すべき代表負荷は,戸建
て店舗とする。ただし,マルチ形ガスヒートポンプ,室内機が床置形でダクト接続形のもの及びこれに類す
るものについては事務所とする。
a)
戸建て店舗
1)
冷房時 定格冷房能力の値を外気温度 35 ℃における負荷点とし,外気温度 21 ℃を冷房負荷がなく
なる点として,この 2 点を結んだ直線で示される負荷を冷房時の建物負荷とする。このときの室内
温度は 27 ℃とする。
2)
暖房時 定格冷房能力に 1.11 を乗じた値を外気温度 0 ℃の暖房負荷とし,外気温度 15 ℃を暖房負
荷がなくなる点として,この 2 点を結んだ直線で示される負荷を暖房時の建物負荷とする。このと
きの室内温度は 20 ℃とする。
b)
テナント店舗
24
B 8627-1
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1)
冷房時 定格冷房能力の値を外気温度 35 ℃における負荷点とし,外気温度 19 ℃を冷房負荷がなく
なる点として,この 2 点を結んだ直線で示される負荷を冷房時の建物負荷とする。このときの室内
温度は 27 ℃とする。
2)
暖房時 定格冷房能力に 0.86 を乗じた値を外気温度 0 ℃の暖房負荷とし,外気温度 13 ℃を暖房負
荷がなくなる点として,この 2 点を結んだ直線で示される負荷を暖房時の建物負荷とする。このと
きの室内温度は 20 ℃とする。
c)
事務所
1)
冷房時 定格冷房能力の値を外気温度 35 ℃における負荷点とし,外気温度 17 ℃を冷房負荷がなく
なる点として,この 2 点を結んだ直線で示される負荷を冷房時の建物負荷とする。このときの室内
温度は 27 ℃とする。
2)
暖房時 定格冷房能力に 0.55 を乗じた値を外気温度 0 ℃の暖房負荷とし,外気温度 11 ℃を暖房負
荷がなくなる点として,この 2 点を結んだ直線で示される負荷を暖房時の建物負荷とする。このと
きの室内温度は 20 ℃とする。
A.4.2
運転時間の設定
ガスヒートポンプの期間消費エネルギー量を算出する想定運転日数・想定運転時間は
表 A.1 に示すとお
りとする。
表 A.1−週間の運転日数・日間の運転時間
項目
戸建店舗
テナント店舗
事務所
週間の運転日数
7
日間
7
日間
6
日間
開始時刻
8
時
8
時
8
時
日間の
運転時間
終了時刻 21 時 21 時 20 時
注記 週間の運転日数とは 1 週間における運転日をいい,日間の運転時間とは 1 日間におけ
る運転時間をいう。
A.4.3
外気温度ごとの発生時間と代表地域
ガスヒートポンプを運転する期間中における外気温度ごとの発生時間は,各地域及び用途に対し,
表
A.13
∼表 A.18 のとおりとする。また,ガスヒートポンプの期間消費エネルギー量として技術資料等で公表すべき
代表地域は東京とする。
注記 1 冷房期間とは,ガスヒートポンプを冷房運転する期間をいい,その期間は標準気象データの
日平均気温が一定温度(戸建て店舗の場合 20 ℃,テナント店舗の場合 18 ℃,事務所の場合
16
℃)以上となる 3 回目の日から,日平均気温が一定温度以上である最終日より 3 回前の日
までとする。
空調負荷が発生する外気温度は戸建て店舗の場合 22 ℃,テナント店舗の場合 20 ℃,事務
所の場合 18 ℃とし,その温度未満では空調負荷がないため集計結果を 0 時間とする。
なお,発生時間の集計については日本における電力会社の料金体系が年間を通じて二つの
季節に別れているため,電気料金に換算する場合の便宜をはかり,夏季(7 月 1 日∼9 月 30
日)及びその他季(10 月 1 日∼6 月 30 日)の二つの区分に分離する。
注記 2 暖房期間とは,ガスヒートポンプを暖房運転する期間をいい,その期間は標準気象データの
日平均気温が一定温度(戸建て店舗の場合 12 ℃,テナント店舗の場合 10 ℃,事務所の場合
8
℃)以下となる 3 回目の日から,日平均気温が一定温度以下である最終日より 3 回前の日
25
B 8627-1
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までとする。
空調負荷が発生する外気温度は戸建て店舗の場合 14℃,テナント店舗の場合 12 ℃,事務
所の場合 10 ℃とし,
その温度を超える時には空調負荷がないため集計結果を 0 時間とする。
なお,発生時間の集計については日本におけるガス会社の料金体系が年間を通じて二つの
期間に別れており,ガス料金に換算する場合の便宜をはかるため,冬期(12 月 1 日∼3 月 31
日)とその他期(4 月 1 日∼11 月 30 日)の 2 つの区分に分離する。
札幌地区の建物負荷は,事務所だけを対象とする。
A.5
期間消費エネルギー量の算出
A.5.1
期間消費エネルギー量(冷房)の算出
A.5.1.1
冷房期間積算ガス消費量(CSGC:Cooling Seasonal Gas Consumption)の算出
冷房期間積算ガス消費量は,次による。
なお,算出に用いる数値は
表 A.2,表 A.3,表 A.4 による。
表 A.2−各試験条件における性能
冷房能力
冷房ガス消費量
Φ
cr
(定格冷房能力)
G
cr
(定格冷房ガス消費量)
Φ
cm
(中間冷房能力)
G
cm
(中間冷房ガス消費量)
表 A.3−能力及びガス消費量に対する外気温度補正係数
能力補正係数(℃
-1
)
ガス消費量補正係数(℃
-1
)
α
c
=−0.009
β
c
=0.011
表 A.4−建物の冷房負荷が 0 になる温度 T
c0
用途
戸建店舗
テナント店舗
事務所
T
c0
(℃) 21
19
17
算出に当たり使用する主な記号及び添字は,次による。
記号
Ф
: 能力(kW)
G:
ガス消費量(kW)
C: ガス成績係数
t: 外気温度(℃)
T: 外気温度(℃) ただし定数
BL: 建物負荷(kW)
α
: 能力補正係数(℃
-1
)
β
: ガス消費量補正係数(℃
-1
)
θ: 能力と建物負荷が一致する場合の温度(℃)
添字
c: 冷房
r: 定格性能
m: 中間性能
0
: 負荷が 0 となる点
外気温度 t のときの建物負荷は,次式による。
26
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0
0
35
)
(
c
c
cr
c
T
T
t
Φ
t
BL
−
−
×
=
(1.1.1)
a)
ガスヒートポンプが中間能力で連続運転する場合
cm
c
cm
Φ
t
α
t
Φ
×
−
×
+
=
)]
35
(
1
[
)
(
(1.1.2)
cm
c
cm
G
t
β
t
G
×
−
×
+
=
)]
35
(
1
[
)
(
(1.1.3)
)
(
)
(
)
(
t
G
t
Φ
t
C
cm
cm
cm
=
(1.1.4)
ここに,
Ф
cm
(t)
: 外気温度 t において中間能力で冷房運転したときの能力
(kW)
G
cm
(t)
: 外気温度 t において中間能力で冷房運転したときのガス消
費量(kW)
C
cm
(t)
: 外気温度 t において中間能力で冷房運転したときの冷房ガ
ス成績係数
b)
ガスヒートポンプが定格能力で連続運転する場合
cr
c
cr
Φ
t
α
t
Φ
×
−
×
+
=
)]
35
(
1
[
)
(
(1.1.5)
cr
cr
G
t
t
G
×
−
×
+
=
]
)
35
(
1
[
)
(
c
β
(1.1.6)
)
(
)
(
)
(
t
G
t
Φ
t
C
cr
cr
cr
=
(1.1.7)
ここに,
Ф
cr
(t)
: 外気温度 t において定格能力で冷房運転したときの能力
(kW)
G
cr
(t)
: 外気温度 t において定格能力で冷房運転したときのガス消
費量(kW)
C
cr
(t)
: 外気温度 t において定格能力で冷房運転したときの冷房ガ
ス成績係数
c)
ガスヒートポンプが中間能力未満で建物負荷に応じて連続可変運転する
(T
c0
≦t<θ
cm
)場合
)
(
)
(
)
(
)
(
)
(
0
0
0
0
c
c
cm
c
cm
cm
cm
c
cm
c
T
t
T
θ
T
C
θ
C
T
C
t
C
−
×
−
−
+
=
(1.1.8)
cm
c
c
cr
cm
c
c
cr
c
cm
Φ
α
T
Φ
Φ
α
−
T
Φ
T
θ
×
−
−
×
×
+
−
×
=
0
0
0
35
)
35
1
(
35
(1.1.9)
ここに,
C
c
(t)
: ガスヒートポンプが外気温度 t において建物負荷に応じた
能力で運転したときの冷房ガス成績係数
θ
cm
: 建物負荷と中間能力がつり合う外気温度(℃)
また,ガスヒートポンプの冷房能力可変幅の下限値が,中間能力以下にならない場合は,その下限値
27
B 8627-1
:2006
を以って中間能力とみなし,次式による。
)
(
)
(
)
(
)
(
)
(
)
(
0
0
0
0
t
PLF
T
t
T
T
C
C
T
C
t
C
c
c
c
cm
c
cm
cm
cm
c
cm
c
×
ú
û
ù
ê
ë
é
−
×
−
−
+
=
θ
θ
(1.1.8)
’
ここに,
PLF
c
(t)
: 外気温度 t における断続運転を行ったときのエネルギー消
費効率と中間能力で連続運転するときのエネルギー消費
効率の比で,次式から求める。ここで,C
D
値は固定とし,
常に C
D
=0.25 を用いる。
[
]
)
(
1
1
)
(
t
X
C
t
PLF
c
D
c
−
−
=
(1.1.10)
)
(
)
(
)
(
t
t
BL
t
X
cm
c
c
φ
=
(1.1.11)
X
c
(t)
: 外気温度 t のときの建物負荷と外気温度 t で中間能力で運
転するときの冷房能力の比
d)
ガスヒートポンプが中間能力以上定格能力未満で建物負荷に応じた能力で連続可変運転する(θ
cm
≦t
<35)場合
)
(
35
)
(
)
35
(
)
(
)
(
cm
cm
cm
cm
cr
cm
cm
c
θ
t
θ
θ
C
C
θ
C
t
C
−
×
−
−
+
=
(1.1.12)
ガスヒートポンプが外気温度 t において建物負荷に応じた能力で運転したときの冷房ガス消費量は,
次式による。
)
(
)
(
)
(
t
C
t
BL
t
G
c
c
c
=
(1.1.13)
ここに,
G
c
(t)
: ガスヒートポンプが外気温度 t において建物負荷に応じた
能力で冷房運転したときのガス消費量(kW)
ガスヒートポンプが建物負荷に応じた冷房能力で運転した際に,それぞれの負荷条件及び温度条件に
対し,ガス成績係数の算出に用いる式を,
表 A.5 に示す。
表 A.5−建物負荷に応じた冷房能力で運転した場合におけるガス成績係数の算出式
負荷条件
温度条件
ガス成績係数
中間能力未満
BL
c
(t)
<Φ
cm
(t)
T
c0
≦t<θ
cm
(1.1.8)
(1.1.8)
’
中間能力以上定格能力未満
Φ
cm
(t)
≦BL
c
(t)
<Φ
cr
(t)
θ
cm
≦t<35
(1.1.12)
冷房期間総合負荷(CSTL:Cooling Seasonal Total Load)は,次式による。
j
j
j
cr
j
j
j
c
n
t
Φ
n
t
BL
CSTL
×
å
å
=
=
+
×
=
21
19
18
1
)
(
)
(
(1.1.14)
ここに,
t
j
: 冷房期間冷房を必要とする各温度(℃)で,算出する都市
28
B 8627-1
:2006
と建物用途によって
表 A.13∼表 A.15 より選択する。
n
j
: 冷房期間中冷房を必要とする各温度発生時間で,算出する
都市と建物用途によって
表 A.13∼表 A.15 より選択する。
j: 温度区分で,次のとおりである。
j=1,2,3・・・・・・19,20,21
Φ
cr
(t
j
)
: 冷房期間中に発生する温度 t
j
において,ガスヒートポンプ
が定格能力運転で冷房するために要した熱量(kW)であ
り,外気温度 35℃以上においてはこれを負荷とみなす。
ガスヒートポンプの冷房期間積算ガス消費量は,次式による。
j
j
j
cr
j
j
j
c
n
t
G
n
t
G
CSGC
×
+
×
=
å
å
=
=
21
19
18
1
)
(
)
(
(1.1.15)
冷房時の外気温度に対する建物負荷,冷房能力及び冷房ガス成績係数を
図 A.1 に示す。
29
B 8627-1
:2006
図 A.1−建物負荷と冷房能力,冷房ガス成績係数
A.5.1.2
冷房期間消費電力量(CSPC:Cooling Seasonal Power Consumption)
冷房期間消費電力量は,次による。
なお,算出に用いる数値は
表 A.6 による。
表 A.6−冷房消費電力
室外機消費電力
室内機消費電力
定格運転
P
co
(定格冷房消費電力)
P
ci
(消費電力×室内機台数)
外気温度(℃)
冷房能
力(
kW)
T
c0
35
Φ
cm
Φ
cr
C
cr
(35)
C
cm
(T
c0
)
BL
c
(t)
表示値
計算値
冷房ガ
ス成
績係
数
)
(
cm
cm
θ
C
Φ
cr
(t)
Φ
cm
(t)
θ
cm
30
B 8627-1
:2006
a)
ガスヒートポンプが定格能力未満で建物負荷に応じた能力で連続可変運転する(T
c0
≦t<35)場合
0
0
35
)
(
)
(
c
c
ci
co
c
T
T
t
P
P
t
P
−
−
×
+
=
(1.2.1)
ここに,
P
c
(t)
: 定格能力未満の運転において,ガスヒートポンプが外気温
度 t において建物負荷に応じた能力で連続可変運転したと
きの冷房消費電力(kW)
また,ガスヒートポンプの冷房能力可変幅の下限値が中間能力以下にならない場合は,その下限値を
以って中間能力とみなし,中間能力以下の領域(T
c0
≦t<θ
cm
)における冷房消費電力は次式による。
)
(
35
)
(
)
(
0
0
t
PLF
T
T
t
P
P
t
P
c
c
c
ci
co
c
−
−
×
+
=
(1.2.1)
’
b)
ガスヒートポンプが定格能力で連続運転する(35≦t)の場合
)
(
)
(
ci
co
cr
P
P
t
P
+
=
(1.2.2)
ここに,
P
cr
(t)
: 温度温度 t において定格能力で冷房運転したときの消費電
力(kW)
冷房時の外気温度に対する冷房消費電力を
図 A.2 に示す。
図 A.2−外気温度と冷房消費電力
ガスヒートポンプの冷房期間消費電力量は,次式による。
j
j
cr
j
j
j
c
n
t
P
n
t
P
CSPC
×
+
×
=
å
å
=
21
19
18
1
)
(
)
(
(1.2.3)
A.5.2
期間消費エネルギー量(暖房)の算出
A.5.2.1
暖房期間積算ガス消費量(HSGC:Heating Seasonal Gas Consumption)の算出
暖房期間積算ガス消費量は,次による。
T
c0
35
外気温度(℃)
P
co
+P
ci
冷房消費電力(
k
W
)
31
B 8627-1
:2006
なお,算出に用いる数値は
表 A.7,表 A.8,表 A.9,表 A.10 による。
表 A.7−各試験条件における性能
暖房能力(kW)
暖房ガス消費量(kW)
Φ
hr
(定格暖房標準能力)
G
hr
(定格暖房標準ガス消費量)
Φ
hm
(中間暖房標準能力)
G
hm
(中間暖房標準ガス消費量)
Φ
hr2
(定格暖房低温能力)
G
hr2
(定格暖房低温ガス消費量)
表 A.8−能力及びガス消費量に対する外気温度補正係数
運転領域
能力補正係数(℃
-1
)
ガス消費量補正係数(℃
-1
)
排熱併用 HP 運転
035
0.
α
HP
=
010
0.
β
HP
=
定格暖房運転
排熱単独 HP 運転
005
0.
α
W
=
001
0.
β
W
=
排熱併用 HP 運転
−
050
0
2
.
β
HP
r
−
=
最大暖房運転
排熱単独 HP 運転
−
004
0
2
.
β
W
r
−
=
表 A.9−建物の暖房負荷が 0 になる温度 T
h0
用途
戸建店舗
テナント店舗
事務所
T
h0
(℃) 15
13
11
表 A.10−建物の冷房負荷と暖房負荷の比 blr
用途
戸建店舗
テナント店舗
事務所
blr 1.11 0.86 0.55
また,算出に当たり使用する主な記号及び添字は次による。
記号
Ф
: 能力(kW)
G:
ガス消費量(kW)
C: ガス成績係数
t: 外気温度(℃)
T: 外気温度(℃) ただし定数
BL: 建物負荷(kW)
α
: 能力補正係数(℃
-1
)
β
: ガス消費量補正係数(℃
-1
)
θ: 能力と建物負荷が一致する場合の温度(℃)
添字
h: 暖房
r: 定格標準性能
m: 中間標準性能
r2: 定格低温性能
HP: 排熱併用 HP 運転領域
W: 排熱単独 HP 運転領域
CP: 暖房ガス成績係数=1となる点
0
: 負荷が 0 となる点
RH: 補助暖房機
32
B 8627-1
:2006
外気温度 t のときの建物負荷は,次式による。
cr
h
h
h
Φ
T
t
T
blr
t
BL
×
−
×
=
0
0
)
(
(2.1.1)
a)
ガスヒートポンプが中間能力で連続運転する場合
1)
排熱併用 HP 運転する領域(T
mCP
≦t)の場合
hm
HP
hm
Φ
t
t
Φ
×
−
×
+
=
)]
7
(
1
[
)
(
α
(2.1.2)
hm
HP
hm
G
t
t
G
×
×
+
=
]
7)
(
1
[
)
(
−
β
(2.1.3)
)
(
)
(
)
(
t
G
t
Φ
t
C
hm
hm
hm
=
(2.1.4)
hm
HP
hm
HP
hm
HP
hm
HP
mCP
G
β
Φ
α
G
β
Φ
α
T
×
−
×
×
−
×
−
×
−
×
=
)
1
7
(
)
1
7
(
(2.1.5)
blr
Φ
T
Φ
α
T
Φ
α
blr
Φ
θ
cr
h
hm
HP
h
hm
HP
cr
mHP
×
+
×
×
×
×
−
×
+
×
=
0
0
]
)
1
7
(
[
(2.1.6)
ここに,
Ф
hm
(t)
: 外気温度 t において中間能力で暖房運転したときの能力
(kW)
G
hm
(t)
: 外気温度 t において中間能力で暖房運転したときのガス消
費量(kW)
C
hm
(t)
: 外気温度 t において中間能力で暖房運転したときの暖房ガ
ス成績係数
T
mCP
: 排熱併用 HP 運転と排熱単独 HP 運転が切り替わる(暖房
ガス成績係数が 1 となる)外気温度(℃)
θ
mHP
: 排熱併用 HP 運転で建物負荷と中間能力がつりあう場合の
外気温度(℃)
2)
排熱単独 HP 運転する領域(t<T
mCP
)の場合
)
(
)]
(
1
[
)
(
mCP
hm
mCP
W
hm
T
Φ
T
t
t
Φ
×
−
×
+
=
α
(2.1.7)
)
(
)]
(
1
[
)
(
mCP
hm
mCP
W
hm
T
G
T
t
β
t
G
×
−
×
+
=
(2.1.8)
)
(
)
(
)
(
t
G
t
Φ
t
C
hm
hm
hm
=
(2.1.9)
[
]
blr
Φ
T
T
Φ
α
T
T
Φ
α
T
blr
Φ
cr
h
mCP
hm
W
h
mCP
hm
W
mCP
cr
mW
×
+
×
×
×
×
−
×
+
×
=
0
0
)
(
)
(
)
1
(
θ
(2.1.10)
ここに,
θ
mW
: 排熱単独 HP 運転で建物負荷と中間能力がつり合う場合の
外気温度(℃)
33
B 8627-1
:2006
b)
ガスヒートポンプが定格能力で連続運転する場合
1)
排熱併用 HP 運転する領域(T
rCP
≦t)の場合
hr
HP
hr
Φ
t
α
t
Φ
×
−
×
+
=
)]
7
(
1
[
)
(
(2.1.11)
hr
HP
hr
G
t
β
t
G
×
−
×
+
=
)]
7
(
1
[
)
(
(2.1.12)
)
(
)
(
)
(
t
G
t
Φ
t
C
hr
hr
hr
=
(2.1.13)
hr
HP
hr
HP
hr
HP
hr
HP
rCP
G
β
Φ
α
G
β
Φ
α
T
×
−
×
×
−
×
−
×
−
×
=
)
1
7
(
)
1
7
(
(2.1.14)
blr
Φ
T
Φ
α
T
Φ
α
blr
Φ
cr
h
hr
HP
h
hr
HP
cr
rHP
×
+
×
×
×
×
−
×
+
×
=
0
0
]
)
1
7
(
[
θ
(2.1.15)
ここに,
Ф
hr
(t)
: 外気温度 t において定格能力で暖房運転したときの能力
(kW)
G
hr
(t)
: 外気温度 t において定格能力で暖房運転したときのガス消
費量(kW)
C
hr
(t)
: 外気温度 t において定格能力で暖房運転したときの暖房ガ
ス成績係数
T
rCP
: 排熱併用 HP 運転と排熱単独 HP 運転が切り替わる(暖房
ガス成績係数が1となる)外気温度(℃)
θ
rHP
: 排熱併用 HP 運転で建物負荷と定格能力がつりあう場合の
外気温度(℃)
2)
排熱単独 HP 運転する領域(t<T
rCP
)の場合
)
(
)]
(
1
[
)
(
rCP
hr
rCP
W
hr
T
Φ
T
t
α
t
Φ
×
−
×
+
=
(2.1.16)
)
(
)]
(
1
[
)
(
rCP
hr
rCP
W
hr
T
G
T
t
β
t
G
×
−
×
+
=
(2.1.17)
)
(
)
(
)
(
t
G
t
Φ
t
C
hr
hr
hr
=
(2.1.18)
blr
Φ
T
T
Φ
α
T
T
Φ
α
T
blr
Φ
θ
cr
h
rCP
hr
W
h
rCP
hr
W
rCP
cr
rW
×
+
×
×
×
×
−
×
+
×
=
0
0
)
(
)]
(
)
1
(
[
(2.1.19)
θ
rW
: 排熱単独 HP 運転で建物負荷と定格能力がつりあう場合の
外気温度(℃)
c)
ガスヒートポンプが最大能力で連続運転する場合
1)
排熱併用 HP 運転する領域(T
r2CP
≦t)の場合
2
2
)
(
hr
hr
Φ
t
Φ
=
(2.1.20)
34
B 8627-1
:2006
2
2
2
]
2)
-
(
1
[
)
(
hr
HP
r
hr
G
t
t
G
×
×
+
=
β
(2.1.21)
)
(
)
(
)
(
2
2
2
t
G
t
Φ
t
C
hr
hr
hr
=
(2.1.22)
2
2
2
2
2
2
)
1
2
(
hr
HP
r
hr
HP
r
hr
CP
r
G
β
G
β
Φ
T
×
×
−
×
+
=
(2.1.23)
blr
Φ
T
Φ
T
θ
cr
h
hr
h
HP
r
×
×
−
=
0
2
0
2
(2.1.24)
ここに,
Ф
hr2
(t)
: 外気温度 t において最大能力で暖房運転したときの能力
(kW)
G
hr2
(t)
: 外気温度 t において最大能力で暖房運転したときのガス消
費量(kW)
C
hr2
(t)
: 外気温度 t において最大能力で暖房運転したときの暖房ガ
ス成績係数
T
r2CP
: 排熱併用 HP 運転と排熱単独 HP 運転が切り替わる(暖房
ガス成績係数が 1 となる)外気温度(℃)
θ
r2HP
: 排熱併用 HP 運転で建物負荷と最大能力がつりあう場合の
外気温度(℃)
なお,暖房能力よりも建物負荷が大きい場合,ガスヒートポンプは最大能力で運転し,能力の足りな
い部分を補助暖房機で補うものとする。補助暖房機の能力は,次式による。
)
(
)
(
)
(
2
t
Φ
t
BL
t
G
hr
h
RH
−
=
(2.1.25)
ここに,
G
RH
(t)
: 外気温度 t において補助暖房機で暖房運転したときのガス
消費量(kW)
2)
排熱単独 HP 運転する領域(t<T
r2CP
)の場合
2
2
)
(
hr
hr
Φ
t
Φ
=
(2.1.26)
)
(
)]
(
1
[
)
(
2
2
2
2
2
CP
r
hr
CP
r
W
r
hr
T
G
T
t
β
t
G
×
−
×
+
=
(2.1.27)
)
(
)
(
)
(
2
2
2
t
G
t
Φ
t
C
hr
hr
hr
=
(2.1.28)
blr
Φ
T
Φ
T
θ
cr
h
hr
h
W
r
×
×
−
=
0
2
0
2
(2.1.29)
ここに,
θ
r2W
: 排熱単独 HP 運転で建物負荷と最大能力がつり合う場合の
外気温度(℃)
35
B 8627-1
:2006
なお,暖房能力よりも建物負荷が大きい場合,ガスヒートポンプは最大能力で運転し,能力の足りな
い部分を補助暖房機で補うものとする。補助暖房機の能力は,次式による。
)
(
)
(
)
(
2
t
Φ
t
BL
t
G
hr
h
RH
−
=
(2.1.30)
暖房時の建物負荷及びガスヒートポンプの特性を
図 A.3 に示す。
図 A.3−建物負荷とガスヒートポンプの特性
d)
ガスヒートポンプが中間能力未満で建物負荷に応じて連続可変運転する場合
1)
T
mCP
≦ θ
mHP
の場合
外気温度範囲は,θ
mHP
<t≦T
h0
である。また,運転モードは排熱併用 HP 運転モードである。
)
(
)
(
)
(
)
(
)
(
0
0
mHP
mHP
h
mHP
hm
h
hm
mHP
hm
h
θ
t
θ
T
θ
C
T
C
θ
C
t
C
−
×
−
−
+
=
(2.1.31)
ここに,
C
h
(t)
: ガスヒートポンプが外気温度 t において建物負荷に応じた
能力で運転したときの暖房ガス成績係数
ただし,ガスヒートポンプの暖房能力可変幅の下限値が,中間能力以下にならない場合は,その下限
値を以って中間能力とみなし,次式を用いる。
外気温度(℃)
7
排熱併用 HP 運転
2
Φ
hr2
Φ
hr
BL
h
(t)
T
h0
排熱単独 HP 運転
Φ
hm
Φ
hr
(t)
Φ
hr2
(t)
Φ
hm
(t)
T
r2CP
T
mCP
T
rCP
0
blr×Φ
cr
表示値
計算値
36
B 8627-1
:2006
)
(
)
(
)
(
)
(
)
(
)
(
0
0
t
PLF
t
T
C
T
C
C
t
C
h
mHP
mHP
h
mHP
hm
h
hm
mHP
hm
h
×
ú
û
ù
ê
ë
é
−
×
−
−
+
=
θ
θ
θ
θ
(2.1.31)
’
ここに,
PLF
h
(t)
: 外気温度 t における断続運転を行ったときのエネルギー消
費効率と中間能力で連続運転するときのエネルギー消費
効率の比で,次により求める。ここに,C
D
値は固定とし,
常に C
D
=0.25 を用いる。
[
]
)
(
1
1
)
(
t
Xh
C
t
PLF
D
h
−
−
=
(2.1.32)
)
(
)
(
)
(
t
t
BLh
t
X
hm
h
φ
=
(2.1.33)
X
h
(t)
:
外気温度 t のときの建物負荷と外気温度 t で中間能力で運
転するときの能力の比
2)
θ
mHP
<T
mCP
の場合
)
(
)
(
)
(
)
(
1
0
0
mHP
h
mHP
hm
h
hm
mHP
hm
mHP
CP
θ
T
θ
C
T
C
θ
C
θ
T
−
×
−
−
+
=
···
(2.1.34)
ここに,
T
CP
: ガスヒートポンプが建物負荷に応じた能力で運転し,暖房
ガス成績係数が 1 となる場合の外気温度(℃)
2.1)
排熱併用 HP 運転する領域(T
CP
≦t≦T
h0
)の場合
)
(
1
)
(
1
)
(
0
0
CP
CP
h
h
hm
h
T
t
T
T
T
C
t
C
−
×
−
−
+
=
(2.1.35)
ただし,ガスヒートポンプの暖房能力可変幅の下限値が,中間能力以下にならない場合は,その下限
値を以って中間能力とみなし,次式を用いる。
)
(
)
(
1
)
(
1
)
(
0
0
t
PLF
T
t
T
T
T
C
t
C
CP
CP
h
h
hm
h
×
ú
û
ù
ê
ë
é
−
×
−
−
+
=
(2.1.35)
’
2.2)
排熱単独 HP 運転する領域(θ
mW
< t<T
CP
)の場合
)
(
)
(
1
)
(
)
(
mW
mW
CP
mW
hm
mW
hm
h
θ
t
θ
T
θ
C
θ
C
t
C
−
×
−
−
+
=
(2.1.36)
ただし,ガスヒートポンプの暖房能力可変幅の下限値が,中間能力以下にならない場合は,その下限
値を以って中間能力とみなし,次式を用いる。
)
(
)
(
)
(
1
)
(
)
(
t
PLF
t
T
C
C
t
C
h
mW
mW
CP
mW
hm
mW
hm
h
×
ú
û
ù
ê
ë
é
−
×
−
−
+
=
θ
θ
θ
θ
(2.1.36)
’
37
B 8627-1
:2006
e)
ガスヒートポンプが中間能力と定格能力の間で建物負荷に応じて連続可変する場合
1)
T
rCP
≦θ
rHP
の場合,
外気温度範囲は,θ
rHP
<t≦θ
mHP
である。また,運転モードは排熱併用 HP 運転モードである。
)
(
(
)
(
)
(
)
(
rHP
rHP
mHP
rHP
hr
mHP
hm
rHP
hr
h
θ
t
θ
θ
)
θ
C
θ
C
θ
C
t
C
−
×
−
−
+
=
(2.1.37)
2)
θ
rHP
<T
rCP
かつ T
mCP
≦θ
mHP
の場合
)
(
)
(
)
(
)
(
1
rHP
mHP
rHP
hr
mHP
hm
rHP
hr
rHP
CP
θ
θ
θ
C
θ
C
θ
C
θ
T
−
×
−
−
+
=
(2.1.38)
2.1)
排熱併用 HP 運転する領域(T
CP
≦t≦θ
mHP
)の場合,
)
(
1
)
(
1
)
(
CP
CP
mHP
mHP
hm
h
T
t
T
θ
θ
C
t
C
−
×
−
−
+
=
(2.1.39)
2.2)
排熱単独 HP 運転する領域(θ
rW
<t<T
CP
)の場合,
)
(
)
(
1
)
(
)
(
rW
rW
CP
rW
hr
rW
hr
h
θ
t
θ
T
θ
C
θ
C
t
C
−
×
−
−
+
=
(2.1.40)
3)
θ
rHP
<T
rCP
かつ θ
mHP
<
T
mCP
の場合,
外気温度範囲は,θ
rW
<t≦θ
mW
である。また,運転モードは排熱単独 HP 運転モードである。
)
(
)
(
)
(
)
(
)
(
rW
rW
mW
rW
hr
mW
hm
rW
hr
h
θ
t
θ
θ
θ
C
θ
C
θ
C
t
C
−
×
−
−
+
=
(2.1.41)
f)
ガスヒートポンプが定格能力と最大能力の間で建物負荷に応じて連続可変運転する場合
1)
T
r2CP
≦θ
r2HP
の場合
外気温度範囲は,θ
r2HP
<t≦θ
rHP
である。また,運転モードは排熱併用 HP 運転モードである。
CP
r
CP
T
T
2
=
(2.1.42)
)
(
)
(
)
(
)
(
)
(
2
2
2
2
2
2
HP
r
HP
r
rHP
HP
r
hr
rHP
hr
HP
r
hr
h
θ
t
θ
θ
θ
C
θ
C
θ
C
t
C
−
×
−
−
+
=
(2.1.43)
38
B 8627-1
:2006
2)
θ
r2HP
<T
r2CP
かつ T
rCP
≦θ
rHP
の場合
)
(
)
(
)
(
)
(
1
2
2
2
2
2
2
HP
r
rHP
HP
r
hr
rHP
hr
HP
r
hr
HP
r
CP
θ
θ
θ
C
θ
C
θ
C
θ
T
−
×
−
−
+
=
(2.1.44)
2.1)
排熱併用 HP 運転する領域(T
CP
≦t≦θ
rHP
)の場合
)
(
1
)
(
1
)
(
CP
CP
rHP
rHP
hr
h
T
t
T
θ
θ
C
t
C
−
×
−
−
+
=
(2.1.45)
2.2)
排熱単独 HP 運転する領域(θ
r2W
<t<T
CP
)の場合
)
(
)
(
1
)
(
)
(
2
2
2
2
2
2
W
r
W
r
CP
W
r
hr
W
r
hr
h
θ
t
θ
T
θ
C
θ
C
t
C
−
×
−
−
+
=
(2.1.46)
3)
θ
r2HP
<T
r2CP
かつ θ
rHP
<T
rCP
の場合
外気温度範囲は,θ
r2W
<t≦θ
rW
である。また,運転モードは排熱単独 HP 運転モードである。
)
(
)
(
)
(
)
(
)
(
2
2
2
2
2
2
W
r
W
r
rW
W
r
hr
rW
hr
W
r
hr
h
θ
t
θ
θ
θ
C
θ
C
θ
C
t
C
−
×
−
−
+
=
(2.1.47)
ガスヒートポンプが建物負荷に応じた暖房能力で運転した際に,それぞれの負荷条件及び温度条件に
対しガス成績係数の算出に用いる式を,
表 A.11 に記す。
表 A.11−建物負荷に応じた暖房能力で運転した場合におけるガス成績係数の算出式
負荷条件
温度条件
運転モード
ガス成績係数
T
CP
T
mCP
≦θ
mHP
θ
mHP
<t≦T
h0
排熱併用 HP 運転
(2.1.31)
(2.1.31)’
T
CP
≦t≦T
h0
排熱併用 HP 運転
(2.1.35)
(2.1.35)’
中間能力未満
BL
h
(t)
<Φ
hm
(t)
θ
mHP
<T
mCP
θ
mW
<t<T
CP
排熱単独 HP 運転
(2.1.36)
(2.1.36)’
(2.1.34)
T
rCP
≦θ
rHP
θ
rHP
<t≦θ
mHP
排熱併用 HP 運転
(2.1.37)
T
CP
≦t≦θ
mHP
排熱併用 HP 運転
(2.1.39)
θ
rHP
<T
rCP
かつ
T
mCP
≦θ
mHP
θ
rW
<t<T
CP
排熱単独 HP 運転
(2.1.40)
(2.1.38)
中間能力以上定格能力未満
Φ
hm
(t)
≦BL
h
(t)
<Φ
hr
(t)
θ
rHP
<T
rCP
かつ
θ
mHP
<T
mCP
θ
rW
<t≦θ
mW
排熱単独 HP 運転
(2.1.41)
T
r2CP
≦θ
r2HP
θ
r2HP
<t≦θ
rHP
排熱併用 HP 運転
(2.1.43)
T
CP
≦t≦θ
rHP
排熱併用 HP 運転
(2.1.45)
θ
r2HP
<T
r2CP
かつ
T
rCP
≦θ
rHP
θ
r2W
<t<T
CP
排熱単独 HP 運転
(2.1.46)
(2.1.44)
定格能力以上最大能力未満
Φ
hr
(t)
<BL
h
(t)
≦Φ
hr2
(t)
θ
r2HP
<T
r2CP
かつ
θ
rHP
<T
rCP
θ
r2W
<t≦θ
rW
排熱単独 HP 運転
(2.1.47)
39
B 8627-1
:2006
ガスヒートポンプが外気温度 t において建物負荷に応じた能力で運転したときの暖房ガス消費量は,
次式による。
)
(
)
(
)
(
t
C
t
BL
t
G
h
h
h
=
(2.1.48)
ここに,
G
h
(t)
: ガスヒートポンプが外気温度 t において建物負荷に応じた
能力で連続可変運転したときの暖房ガス消費量(kW)
暖房時の外気温度に対する建物負荷,暖房能力及び暖房ガス成績係数を
図 A.4 に示す。
図 A.4−建物負荷と暖房能力,暖房ガス成績係数
表示値
計算値
排熱併用 HP 運転
BL
h
(t)
T
h0
排熱単独 HP 運転
Φ
hr
(t)
Φ
hr2
(t)
Φ
hm
(t)
外気温度(℃)
C
hm
(T
h0
)
C
hm
(θ
mHP
)
C
hr
(θ
rHP
)
1
C
hr2
(θ
r2W
)
暖房ガ
ス成
績係
数
暖房能
力(
kW)
T
CP
θ
r2W
θ
mHP
θ
rHP
40
B 8627-1
:2006
暖房期間総合負荷(HSTL:Heating Seasonal Total Load)は,次式による。
j
j
j
h
n
t
BL
HSTL
×
=
å
=
31
1
)
(
(2.1.49)
ここに,
t
j
: 暖房期間中,暖房を必要とする各温度(℃)で,算出する
都市と建物用途によって
表 A.16∼表 A.18 より選択する。
n
j
: 暖房期間中,暖房を必要とする各温度発生時間で,算出す
る都市と建物用途によって
表 A.16∼表 A.18 より選択する。
j : 温度区分で,次のとおりである。
j=1,2,3・・・・・・29,30,31
ガスヒートポンプの暖房期間積算ガス消費量は,次式による。
j
j
j
RH
k
j
j
j
hr
j
k
j
j
h
n
t
G
n
t
G
n
t
G
HSGC
×
+
×
+
×
=
å
å
å
=
+
=
=
31
1
31
1
2
1
)
(
)
(
)
(
(2.1.50)
ここに,
t
k
: ガスヒートポンプの最大能力と建物暖房負荷が一致する
温度以上で,これに最も近い温度を t
k
とする。
A.5.2.2
暖房期間消費電力量(HSPC:Heating Seasonal Power Consumption)
暖房期間消費電力量は,次による。
なお,算出に用いる数値は
表 A.12 による。
表 A.12−暖房消費電力
室外機消費電力
室内機消費電力
定格運転
P
ho
(定格暖房消費電力)
P
hi
(消費電力×室内機台数)
排熱単独 HP 運転
μ×(P
ho
+P
hi
)
μ:ガスヒートポンプが排熱単独 HP 運転を行うときの暖房消費電力を算出するために用いる係
数。ここにμ値は固定とし,常にμ=0.6 を用いる。
a)
ガスヒートポンプが建物負荷に合わせてヒートポンプ運転領域で運転する場合(T
CP
≦t≦T
h0
)
(
)
0
0
)
(
h
CP
h
hi
ho
h
T
T
T
t
P
P
t
P
−
−
×
+
=
(2.2.1)
ここに,
P
h
(t)
: ガスヒートポンプが外気温度 t において建物負荷に応じた
能力で暖房運転したときの消費電力(kW)
また,ガスヒートポンプの暖房能力可変幅の下限値が中間能力以下にならない場合は,その下限値を
以って中間能力とみなし,中間能力以下の領域(θ
mHP
<t≦T
h0
)における暖房消費電力は次式による。
(
)
)
(
)
(
0
0
t
PLF
T
T
T
t
P
P
t
P
h
h
CP
h
hi
ho
h
−
−
×
+
=
(2.2.1)
’
b)
ガスヒートポンプが建物負荷に合わせて排熱単独 HP 運転領域で運転する場合(t<T
CP
)
41
B 8627-1
:2006
(
)
hi
ho
j
h
P
P
t
P
+
×
=
µ
)
(
(2.2.2)
暖房時の外気温度に対する暖房消費電力を
図 A.5 に示す。
図 A.5−外気温度と暖房消費電力
ガスヒートポンプの暖房期間消費電力量は,次式による。
j
j
j
h
n
t
P
HSPC
×
=
å
=
31
1
)
(
(2.2.3)
A.5.3
期間消費エネルギー量(AEC:Annual Energy Consumption)
ガスヒートポンプの期間消費エネルギー量 AEC は,次式による。
AEC=CSGC+CSPC+HSGC+HSPC (3.1)
A.5.4
期間成績係数(APF:Annual Performance Factor)
ガスヒートポンプの期間成績係数 APF は次による。
冷房期間成績係数 CSPF は,次式による。
PC
CS
GC
CS
CSTL
F
P
CS
+
=
(4.1)
暖房期間成績係数 HSPF は,次式による。
PC
HS
GC
HS
HSTL
F
P
HS
+
=
(4.2)
期間成績係数 APF は,次式による。
AEC
HSTL
CSTL
F
P
A
+
=
(4.3)
T
h0
T
CP
(P
ho
+P
hi
)
µ×(P
ho
+P
hi
)
外気温度(℃)
暖房消
費電
力(
kW)
42
B 8627-1
:2006
(単
位
外気温度
:℃,発生時間
:
h
)
43
B 8627-1
:2006
(単
位
外気温度
:℃,発生時間
:
h
)
44
B 8627-1
:2006
(単
位
外気温度
:℃,発生時間
:
h
)
45
B 8627-1
:2006
(単
位
外気温度
:℃,発生時間
:
h
)
46
B 8627-1
:2006
(単
位
外気温度
:℃,発生時間
:
h
)
47
B 8627-1
:2006
(単
位
外気温度
:℃,発生時間
:
h
)
48
B 8627-1
:2006
附属書 B
(規定)
電気安全に関する材料,構造及び性能
B.1
適用範囲
この附属書は,本体に規定するガスヒートポンプのうち,JIS C 9335-2-40 の規定を適用しないものの電
気安全に関する材料,構造及び性能について規定する。
B.2
材料
a)
材料一般 ガスヒートポンプに用いる材料は,次の各項に適合しなければならない。
1)
主要な部分は,金属その他の適切な材料で作られ,耐久性が大きいこととする。
2)
各部の材料は,通常の使用状態における温度に耐えるものでなければならない。
3)
電気絶縁物及び熱絶縁物は,これに接触又は近接する部分の温度に十分に耐え,かつ,吸湿性が少
ないものでなければならない。ただし,吸湿性の熱絶縁物であって通常の使用状態において危険が
生じるおそれがないものは,この限りでない。
4)
アークが達するおそれがある部分に使用する電気絶縁物は,アークによって有害な変形,有害な絶
縁低下等の変質が生じないものでなければならない。
5)
鉄及び鋼(ステンレス鋼を除く。
)には,めっき,塗装,油焼きその他の適切なさび止めをしなけれ
ばならない。ただし,酸化することにより,危険が生じるおそれがない部分に使用するものにあっ
ては,この限りでない。
6)
屋外(屋側を含む。
)で使用する外郭の材料は,さびにくい金属,さび止めを施した金属,合成ゴム,
陶磁器など,又は温度 80±3 ℃の空気中に 1 時間放置した後に自然冷却したとき,膨れ,ひび,割
れ,その他の異状が生じない合成樹脂とする。ただし,構造上直接日光にさらされず,かつ,雨水
が浸入するおそれがない外郭にあっては,この限りではない。
7)
電源電線用端子ねじの材料は,銅,銅合金,ステンレス鋼,又は次の試験をしたとき,これに適合
するめっきを施した鉄又は鋼(ステンレス鋼を除く。
)でなければならない。
7.1)
適切な溶剤中に 10 分間浸せきして油分をすべて取り除く。
7.2) 7.1)
の後,JIS K 8116 に規定する塩化アンモニウムの 10 %水溶液(温度 20±5 ℃)に 10 分間浸
せきした後に取り出し,乾燥せずに水滴を振り切ってから温度 20±5 ℃の飽和水蒸気を含む容器
中に 10 分間入れる。
7.3) 7.2)
の後,100±5 ℃の温度の空気中で 10 分間乾燥させたとき,その表面に腐食の徴候がないこ
ととする。
8)
接地用端子の材料は,銅若しくは銅合金,ステンレス鋼又はこれらと同等以上の機械的強度をもつ
さびにくいものでなければならない。
9)
器体又はその部分の材料は,人体に有害なものでないこととする。
10)
電熱装置の周囲に使用する断熱材又は吸音材は,難燃性のものでなければならない。
b)
導電材料 導電材料は,次に適合しなければならない。
1)
接続器及び開閉器の刃及び刃受けの部分は,銅又は銅合金でなければならない。
2) 1
)
以外の部分にあっては,銅,銅合金,ステンレス鋼又は,B.2 a) 7) に規定する試験を行ったと
49
B 8627-1
:2006
き,これに適合するめっきを施した鉄若しくは鋼(ステンレス鋼を除く。
)又はこれらと同等以上の
電気的,熱的及び機械的な安定性をもつものでなければならない。ただし,めっきを施さない鉄若
しくは鋼又は弾性を必要とする部分,その他の構造上やむを得ない部分に使用するものであって,
危険が生じるおそれがないときはこの限りではない。
c)
ヒューズ及びヒューズ取付部 ヒューズ及びヒューズ取付部は,次に適合しなければならない。
1)
可溶体の材料は,容易に変質しないものでなければならない。
2)
取付端子の材料は,取付けに支障がない硬さをもつものでなければならない。
B.3
構造
a)
一般 ガスヒートポンプの構造は,次の各項に適合しなければならない。
1)
通常の使用状況において危険が生じるおそれがないものであって,形状が正しく,組立てが良好で,
かつ,作動が円滑であることとする。
2)
遠隔操作機構をもつものにあっては,器体スイッチ,コントローラなどの操作以外によっては,電
源回路の閉路を行えないものでなければならない。ただし,危険が生じるおそれのないものにあっ
てはこの限りでない。
3)
据付工事又は配管工事を伴わず床に置いて使用するもので,かつ,器体の質量が 40 kg 以下のもの
は,通常の使用状況において 10°(電熱装置を備えているものは 15°)の角度で傾斜させたときに
転倒しないこととする。ただし,器体の質量が 40 kg を超え,器体のあらゆる位置(底面を除く。
)
から 100 N の力を加えたときに転倒しないものはこの限りではない。
4)
造営材に取り付けて使用するものにあっては,容易に,かつ,堅固に取り付けることができること
とする。
5)
金属製のふた又は箱のうち,スイッチが開閉したときアークが達するおそれがある部分には,耐ア
ーク性の電気絶縁を施してあることとする。
6)
吸湿することによって,部品の燃焼,充電部の露出などの危険が生じるおそれがある部分にあって
は,防湿処理を施してあることとする。
7)
通常の使用状態で,人が触れるおそれがある可動部分は,容易に触れるおそれがないように適切な
保護枠又は保護網を取り付けてあることとする。ただし,機能上可動部分を露出して使用すること
がやむを得ないものの可動部分,及び可動部分に触れたときに感電,傷害などの危険が生じるおそ
れがないものは,この限りでない。
8)
器体の一部を取り付け又は取り外すものは,その作業が容易,確実にかつ,安全にできることとす
る。
9)
使用者が操作するスイッチには,スイッチの開閉操作又は開閉状態を,文字,記号又は色によって
見やすい箇所に表示することとする。ただし,表示することが困難なものは,この限りでない。
10)
外郭は,
質量が 0.25 kg で,
ロックウェル硬度 R100 の硬さに表面をポリアミド加工した半径が 10 mm
の球面をもつおもりを 20 cm の高さから垂直に 1 回落としたとき,又は
図 B.1 に示す衝撃試験機で
0.5
+0.05 Nm の衝撃力を 1 回加えたとき,感電,火災などの危険が生じるおそれがあるひび,割れ,
その他の異状が生じていないこととする。ただし,器体の外面に露出している表示灯,ヒューズホ
ルダ,その他これらに類するもの及びそれらの保護カバーであって表面積が 4 cm
2
以下であり,か
つ,器体の外郭の表面から 10 mm 以上突き出していないものにあってはこの限りでない。
11)
器体から分離されているコントローラ(通常の使用状態で壁,柱などに固定するものを除く。
)は,
50
B 8627-1
:2006
コンクリートの床上に置いた厚さが 30 mm の表面が平らなラワン板の中央部に 70 cm の高さから 3
回落としたとき,感電,火災などの危険が生じるおそれがないこととする。
12)
極性が異なる充電部相互間又は充電部と人が触れるおそれがある非充電金属部との間のピーク電圧
が 600 V を超える部分は,その近傍又は外郭の見やすい箇所に容易に消えない方法で“高電圧注意”
などの表示をしなければならない。
13)
合成樹脂製の外郭(透光性又は透視性を必要とするもの及び機能上可とう性,機械的強度などを必
要とするものを除く。
)
をもつものは,
その外郭の外面の 9 cm
2
以上の正方形の平面部分
(外郭に 9 cm
2
以上の正方形の平面部分をもたないものは,原厚のまま一辺の長さが 3 cm の正方形に切り取った試
験片)を水平面に対して約 45°に傾斜させた状態で,その平面部分の中央部に,ノズルの内径が 0.5
mm
のガスバーナの空気口を閉じた状態で燃焼させた長さ約 20 mm の炎の先端を,垂直下から 5 秒
間当て,炎を取り去ったとき,燃焼しないものでなければならない。
14)
半導体素子を用いて温度,回転速度等を制御するものにあっては,それらの半導体素子が制御能力
を失ったとき,次に適合することとする。
14.1)
制御回路に接続された部品は,燃焼しないものでなければならない。ただし,当該回路に接続さ
れている一の部品が燃焼した場合において他の部品が燃焼するおそれのない物にあっては,この
限りではない。
14.2)
接地するおそれのある非充電金属部分又は露出する充電部は,次のいずれかに適合することとす
る。
14.2.1)
対地電圧及び線間電圧が交流にあっては 30 V 以下,直流にあっては 45 V 以下でなければならな
い。
14.2.2)
1k
Ωの抵抗を大地との間及び線間並びに非充電金属部と充電部との間に接続したとき当該抵抗
に流れる電流は,商用周波数以上の周波数において感電の危険が生じるおそれのない場合を除き,
1mA
以下でなければならない。
14.2.3)
試験の後に 500 ボルト絶縁抵抗計によって測定した充電部[
(対地電圧及び線間電圧が交流にあ
っては 30 V 以下,直流にあっては 45 V 以下のもの並びに 1 kΩの抵抗を大地との間及び線間に
接続した場合に当該抵抗に流れる電流が 1 mA 以下(商用周波数以上の周波数において,感電の
危険が生じるおそれのない場合は,1 mA 以下であることを要しない。
)のものを除く。
)
]と器体
の表面との間の絶縁抵抗は,0.1 MΩ以上でなければならない。
15)
電子管,コンデンサ,半導体素子,抵抗器等をもつ絶縁変圧器の 2 次側の回路,整流後の回路にあ
っては次の試験を行ったとき,その回路に接続された部分が燃焼しないこととする。ただし,その
回路に接続されている一つの部品が燃焼した場合に,他の部品が燃焼するおそれがないものは,こ
の限りでない。
15.1)
電子管,表示灯などは,ヒータ又はフィラメント端子を開放するとともに,その他の端子相互間
を短絡する B.3 b) 2) の規定に適合する場合を除く(以下,15.2)∼15.5) においても同じ。
)
。
15.2)
コンデンサ,半導体素子(正特性サーミスタを除く。
),変圧器,コイル,その他これらに類する
ものは,端子相互間を短絡し,又は開放する。
15.3) 15.1)
及び 15.2) に掲げるものであって金属ケースに納めたものにあっては,端子と金属ケースと
の間を短絡する。ただし,部品内部で端子に接続された部分と金属ケースとが接触するおそれの
ないものにあってはこの限りでない。
15.4)
抵抗器及び正特性サーミスタは,端子間を開放するとともに,端子相互間のピーク電圧が 2.5 kV
51
B 8627-1
:2006
を超えるものは端子間を短絡する。
15.5) 15.1)
~ 15.4)
の試験で短絡又は開放したとき,500 V 絶縁抵抗計によって測定した充電部と地絡す
るおそれのある非充電金属部,又は人が触れるおそれがある非金属部との表面の絶縁抵抗は,0.1
M
Ω以上でなければならない。ただし,対地電圧及び線間電圧が交流の場合は 30 V 以下,直流の
場合は 45 V 以下の充電部,並びに 1 kΩの抵抗を大地との間及び線間に接続した場合にその抵抗
に流れる電流が 1 mA 以下(商用周波数以上の周波数で感電の危険が生じるおそれがない場合はこ
の限りではない。
)の充電部との間の絶縁抵抗はこの限りではない。
16)
器体の内部から湯気等を生じるものにあっては,器体に附属するスイッチ,接続器,コード等,通
常の使用状態において湯気等により生じるしずくがかかるおそれのない構造でなければならない。
ただし,それらの部分が防水構造その他感電,火災等の危険が生じるおそれのない構造のものにあ
ってはこの限りでない。
17)
使用中著しい振動・騒音がなく,安全に作動することとする。
18)
定格出力が 0.2 kW を超える電動機には,電動機燃損防止用の過負荷保護装置を付けなければならな
い。
19)
電熱装置によって加湿を行うものは,送風機回路が開路の状態で,電熱装置回路を閉路することが
できない構造であるか,又は送風機と電熱装置とのスイッチが同時に開閉できる構造でなければな
らない。ただし,自動的時間遅れ機構をもつもの,及び送風機回路が開路の状態で電熱装置に通電
したとき温度上昇によって火災などの危険が生じるおそれがないものは,この限りでない。また,
加湿装置の容器に水が入っていない状態で,電熱装置の回路を閉路することができない構造でなけ
ればならない。ただし,容器に水が入っていない状態で電熱装置に通電したとき温度上昇によって
火災などの危険が生じるおそれがないものは,この限りでない。
20)
温度上昇によって危険が生じるおそれがあるものは,危険が生じる前に確実に動作する温度過昇防
止装置,過電流,過負荷により危険が生じるおそれがあるものは,過負荷保護装置などを取付けな
ければならない。この場合,これらの装置は,通常の使用状態で作動してはならない。
21)
コンデンサをもつもので,差込刃によって電源に接続するものは,差込刃を刃受けから引き抜いた
時,差込刃間の電圧は 1 秒後において,45V 以下とする。ただし,差込刃側から見た回路の総合静
電容量が 0.1μF 以下であるものにあっては,この限りではない。
22)
電池を使用するものは,電池の液漏れによって変形,絶縁劣化などの変質が生じないこととする。
23)
定格周波数を切り換える機構をもつ二重定格のものにあっては,切り換えられている定格周波数が
容易に識別でき,不用意な切り換えができない構造で,かつ,定格周波数を誤って切り換えたとき
危険が生じるおそれがないこととする。
24)
電動機を使用するものにあっては,通常の使用状態において電動機の回転が妨げられない構造でな
ければならない。ただし,電動機の回転が妨げられた場合において危険が生じる恐れのない場合は
除く。
b)
充電部 充電部は,次の各項に適合しなければならない。
1)
充電部には,次によるものを除き,容易に取り外すことができる部分を取り外した状態で,
図 B.2
に示す試験指が触れないこととする。
この場合,試験指に加える力は,30 N とする。ただし,卓上形のものの底面,床上形のもの(据
置形のものに限る。
)の裏面及び底面(機体の質量が 40 kg を超えるもので,床面から機体の底面ま
での高さが 5 cm 以下のものは,その高さの 2 倍の長さを底面の外縁から内側に及ぼした範囲)並び
52
B 8627-1
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に天井取付形(容易に人が触れるおそれがない場所に取り付けるものを含む。
)のものの外面及び開
口部には 10 N とする。
1.1)
取り付けた状態で容易に人が触れるおそれがない取付面の充電部。
1.2)
質量が 40 kg を超える器体の底面の開口部から 40 cm 以上離れている充電部。
1.3)
構造上,充電部を露出することがやむを得ない器具の露出する充電部であって,絶縁変圧器に接
続された 2 次側の回路の対地電圧及び線間電圧が,交流の場合は 30 V 以下,直流にあっては 45 V
以下のもの,並びに 1 kΩの抵抗を大地との間及び線間に接続した場合にその抵抗に流れる電流が,
商用周波数以上の周波数で感電の危険が生じるおそれがない場合を除き,1 mA 以下でなければな
らない。
2)
極性が異なる充電部相互間,充電部と接地するおそれのある非充電金属部との間,及び充電部と人
が触れるおそれのある非金属部の表面との間の空間距離(沿面距離を含む。
)は,
表 B.1,表 B.2 及
び
,表 B.3 に規定する値以上でなければならない。
なお,構造上やむを得ない部分で,次の試験を行ったとき,これに適合するものはこの限りでは
ない。
2.1)
その回路に接続されている一つの部品が燃焼した場合に,他の部品が燃焼してはならない。
2.2)
極性が異なる充電部相互間,充電部と接地するおそれのある非充電金属部との間,及び充電部と
人が触れるおそれのある非金属部の表面との間を接続した場合に,その非充電金属部又は露出す
る充電部が次のいずれかに適合しなければならない。
2.2.1)
非金属部対地電圧及び線間電圧が交流の場合は 30 V 以下,直流の場合は 45 V 以下でなければな
らない。
2.2.2)
1 k
Ωの抵抗を大地との間及び線間並びに非充電金属部と充電部との間に接続したとき,その抵
抗に流れる電流が商用周波数以上の周波数で感電の危険が生じるおそれがない場合を除き,1
mA
以下でなければならない。
2.3) 2.2)
の試験の後に 500 V 絶縁抵抗計によって測定した充電部[対地電圧及び線間電圧が交流の場
合は 30 V 以下,直流の場合は 45 V 以下のもの,並びに 1 kΩの抵抗を大地との間及び線間に接続
した場合に,その抵抗に流れる電流が 1 mA 以下(商用周波数以上の周波数において感電の危険が
生じるおそれがない場合は,1 mA 以下であることを要しない。
)のものを除く。
]と器体の表面と
の間の絶縁抵抗は,0.1 MΩ以上でなければならない。
2.4)
極性が異なる充電部相互間及び充電部と接地するおそれのある非充電金属部との間を短絡した場
合で,その短絡回路に接続された部分が燃焼しない電動機の整流子部であって,その定格電圧が
交流の場合にあっては 30 V 以下,直流の場合にあっては 45 V 以下のものの空間距離(沿面距離
を含む。
)は
表 B.3 に規定する値(電動機に定格出力の表示がないものにあっては,通常の使用状
態における入力の 65 %を定格出力とした場合の表以上の値)以上でなければならない。
3)
充電部相互又は充電部と非充電部との接続部分は,通常の使用状態で,緩みが生じず,かつ,温度
に耐えなければならない。
53
B 8627-1
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表 B.1−空間距離(その 1)
単位 mm
空間距離(沿面距離を含む。
)
電源電線の取付け部
その他の部分
極性が異なる充電部
間
充電部と接地するお
それがある非充電部
金属部又は人が触れ
るおそれがある非金
属部の表面との間
線間電圧又
は対地電圧
(V)
使用者が接
続する端子
部間
使用者が接
続する端子
部と接地す
るおそれが
ある非充電
金属部分又
は人が触れ
るおそれが
ある非金属
部の表面と
の間
製造者が接
続する端子
部間
製 造 者 が 接
続 す る 端 子
部 と 接 地 す
る お そ れ が
あ る 非 充 電
金 属 部 又 は
人 が 触 れ る
お そ れ が あ
る 非 金 属 部
の 表 面 と の
間
固 定 し て
い る 部 分
で , じ ん
あ い が 侵
入 し 難
く,かつ,
金 属 粉 が
付 着 し に
くい箇所
そ の 他
の箇所
固定して
いる部分
で,じん
あいが侵
入 し 難
く,かつ,
金属粉が
付着しに
くい箇所
そ の 他
の箇所
50
以下
−
−
−
− 1.2
1.5
1.2
1.2
50
を 超 え
150
以下
6 6 3 2.5
1.5
2.5
1.5
2
150
を超え
300
以下
6 6 4 3 2
3
2
2.5
300
を超え
600
以下
−
−
−
− 4
5
4
5
600
を超え
1000
以下
−
−
−
− 6
7
6
7
1000
を超え
3000
以下
−
−
−
− 20
20
20
20
3000
を超え
7000
以下
−
−
−
− 30
30
30
30
7000
を超え
12000
以下
−
−
−
− 40
40
40
40
12000
を 超
えるもの
−
−
−
− 50
50
50
50
表 B.2−空間距離(その 2)
単位 mm
部分
沿面距離
線間電圧又は対地電圧が 15V 以下の充電部間
(使
用者が接続するねじ止め端子部を除く。
)
耐湿性の絶縁被膜をもつもの
0.5
以上
その他のもの
1
以上
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表 B.3−空間距離(その 3)
単位 mm
定格出力が 0.25 kW
以下のもの
定格出力が 0.25 kW を超
え 0.75 kW 以下のもの
定格出力が 0.75 kW
を超えるもの
定格電圧
(V)
箇所
沿面距離
空間距離
沿面距離
空間距離
沿面距離
空間距離
整流子部 1.6 1.6 1.6 1.6 4.8
(2.4)
3.2
(2.4)
125
以下
整流子部
以外の箇所
1.6 1.6 2.4 2.4 6.4
(2.4)
3.2
(2.4)
整流子部 1.6 1.6 1.6 1.6 4.8
(2.4)
4.8
(2.4)
125
を 超
え 250
以下
整流子部
以外の箇所
2.4 2.4 2.4 2.4 6.4
(2.4)
6.4
(2.4)
整流子部 6.4 6.4 6.4 6.4 9.5 6.4
250
を 超
えるもの
整流子部
以外の箇所
6.4 6.4 6.4 6.4 9.5 9.5
注記 1
かっこ内の数値は,反発指導誘導電動機及び整流子電動機に適用する。
注記 2 定格出力が 0.75 kW を超えるもの又は定格電圧が 250 V を超えるものであって巻線がテープ,ワニス等
で確実に固定されるものにあっては,表の数値にかかわらず,整流子部以外の箇所の沿面距離及び空間
距離は 2.4 mm 以上とする。
c)
電気絶縁物 電気絶縁物の厚さは,次の各項に適合しなければならない。ただし,B.3 b)の規定を満
足するものは,この限りではない。
1)
機体の外被の材料が絶縁体を兼ねる場合にあっては,0.8 mm 以上であり,かつ,ピンホールがない
ものでなければならない。ただし,質量が 0.25 kg で,ロックウェル硬度 R100 の硬さに表面をポリ
アミド加工した半径が 10 mm の球面をもつおもりを 20 cm の高さから垂直に 3 回落としたとき,又
は
図 B.1 に示す衝撃試験機で 0.5±0.05 Nm の衝撃力を 3 回加えたとき,感電,火災などの危険が生
じる恐れがあるひび,割れ,その他の異状が生じないものであって,かつピンホールのないものに
あっては,この限りではない。
2) 1)
以外の部分に用いる絶縁物の厚さは 0.3 mm 以上であって,かつ,ピンホールのないものでなけ
ればならない。ただし,次の各項目を満足し,かつ,ピンホールのないものにあっては,この限り
ではない。
2.1)
外傷を受ける恐れがある部分に用いる絶縁物は,
表 B.4 の左欄に規定する絶縁物が使用される電
圧の区分ごとに,それぞれ同表の右欄に規定する交流電圧を加えたとき,連続して 1 分間これに
耐え,かつ,JIS S 6006 に規定する濃度記号が 8H の鉛筆で JIS K 5600-5-4 に規定する鉛筆引っか
き試験を行ったとき,絶縁物の破れが金属部に届いてはならない。
2.2)
外傷を受けるおそれがない部分に用いる絶縁物(変圧器に規定周波数の 2 倍以上の周波数で定格 1
次電圧の 2 倍に等しい電圧を連続して 5 分加えたとき,これに耐える変圧器のコイル部とコイル
の立ち上がり引出線との間の部分及び電動機のコイル部とコイルの立ち上がり引出線との間の部
分を除く。
)は,
表 B.4 の左欄に規定する絶縁物が使用される電圧の区分ごとに,それぞれ同表の
55
B 8627-1
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右欄に規定する交流電圧を加えたとき連続して 1 分間これに耐えなければならない。
表 B.4−絶縁物の耐電圧値
単位 V
絶縁物が使用される電圧の区分
交流電圧
30
以下 500
30
を超え 150 以下 1
000
150
を超え 300 以下 1
500
300
を超え 1 000 以下
絶縁物が使用される電圧の
2
倍に 1 000 V を加えた値
d)
配線 配線は,次による。
1)
器体の内部配線は,次に適合しなければならない。
1.1)
2 N
の力を加えた場合に高温部に接触するおそれがあるものにあっては,接触したときに異状が生
じるおそれがあってはならない。
1.2)
2 N
の力を加えたときに,可動部に接触するおそれがあってはならない。ただし,危険が生じるお
それがない場合は,この限りではない。
1.3)
被覆された電線を固定する場合,貫通孔を通す場合,又は 2 N の力を電線に加えたときに他の部
分に接触する場合は,被覆を損傷しないようしなければならない。ただし,危険が生じるおそれ
がない場合は,この限りではない。
1.4)
接続器によって接続したものは,抜き差しを 5 回行った後,5 N の力を接続した部分に加えたとき
外れてはならない。ただし,2 N 以上 5 N 未満の力を加え,外れた場合に危険が生じるおそれがな
い部分にあっては,この限りではない。
2)
電源電線(口出し線を含む。以下同じ。
)
,器具間を接続する電線,及び機能上やむを得ず器体の外
部に露出する電線(以下,電源電線などという。
)の貫通孔は,保護スプリング,保護ブッシング,
その他適切な保護装置を用いてある場合を除き,電源電線などを損傷するおそれがないように面取
り,その他の適切な保護加工を施さなければならない。ただし,貫通部が金属以外のものにであっ
て,その部分が滑らかであり,かつ,電源電線などを損傷するおそれがないものにあっては,この
限りでない。
3)
電源電線など(固定して使用するもの又は取り付けた状態で外部に露出しないものを除く。
)は,器
体の外方に向かって 100 N
(リモートコントロール側は 30 N)
の張力を連続して 15 秒間加えたとき,
及び器体の内部に向かって電源電線などの機器側から 5 cm の箇所を保持して押し込んだとき,電源
電線などと内部端子との接続部に張力が加わらず,ブッシングが外れてはならない。
4)
がい管に収めた導電部が金属部を貫通する箇所は,導電部が金属部に触れてはならない。
5)
接地回路以外の回路に緑と黄との配色の電線を用いてはならない。
6)
電線の取付部は,電線を確実に取り付けることができる構造にしなければならない。
7)
2
本以上の電線を一つの取付部に締め付ける場合は,それぞれの電線の間にナット又は座金を用い
なければならない。ただし,圧着端子その他の器具によって確実に取り付けることができるものに
あっては,この限りでない。
8)
電源電線の取付端子のねじは,電源電線以外のものの取り付けに兼用してはならない。ただし,電
源電線を取り付け又は取り外した場合に,電源電線以外のものが脱落するおそれがないものは,こ
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の限りでない。
e)
ヒューズ及びヒューズ取付部 ヒューズ及びヒューズ取付部は,次の各項に適合しなければならない。
1)
ヒューズが溶断することによって,その回路を完全に遮断しなければならない。
2)
ヒューズが溶断する場合において,アークによって短絡せず,また,接地するおそれがあってはな
らない。
3)
ヒューズが溶断する場合において,ヒューズを収めているふた,箱又は台が損傷してはならない。
4)
ヒューズの取付端子は,ヒューズを容易に,かつ,確実に取り付けることができるものであって,
締め付けるときヒューズのつめが回ってはならない。
5)
皿形座金を使用するものにあっては,ヒューズ取付面の大きさが,皿形座金の底面の大きさ以上で
なければならない。
6)
非包装ヒューズを取り付けるものにあっては,ヒューズと器体との間の空間距離は 4 mm 以上でな
ければならない。
7)
ヒューズの取付端子のねじは,ヒューズ以外の部品の取付けに兼用してはならない。ただし,ヒュ
ーズを取り付け又は取り外した場合において,ヒューズ以外の部品の取付けが緩むおそれがないも
のは,この限りでない。
8)
銘板又はヒューズの取付部に,電流ヒューズにあっては定格電流を,温度ヒューズは定格動作温度
を,それぞれ容易に消えない方法で表示しなければならない。ただし,取り替えることができない
ヒューズにあっては,この限りでない。
f)
電熱装置 電熱装置は,次の各項に適合しなければならない。
1)
発熱体は,堅ろうに取り付け,かつ,発熱線が断線した場合に,人が容易に触れるおそれのある非
充電金属部又はこれと電気的に接続している非充電金属部に触れるおそれがないように取り付けて
いなければならない。ただし,非充電金属部に発熱体が触れて接地した場合に,電源回路を遮断す
る漏電遮断器,又はこれと同等以上の性能の装置が取り付けてある場合は,この限りでない。
2)
発熱体の取付面は,重力又は振動によって容易に動いてはならない。
3)
温度上昇によって危険が生じるおそれがあるものは,温度過昇防止装置(温度ヒューズを含む。
)を
取り付けていなければならない。
g)
接地機構 次の各項に適合する接地機構を設けなければならない。
1)
定格電圧が 150 V を超えるものにあっては,接地線(接地用口出し線及び接地極の刃又は刃受けに
接続する線芯を含む。
)又は接地用端子によって接地できる構造でなければならない。ただし,次に
掲げるものにあっては,この限りでない。
1.1)
二重絶縁又は,強化絶縁によって充電部から絶縁されている非充電金属部。
1.2)
外郭の材料が耐水性の合成樹脂,その他これに類する絶縁物であって,その厚さが一層で構成さ
れるものにあっては 1 mm 以上,二層以上で構成されるものにあっては 0.8 mm 以上であり,かつ
次に適合するものでなければならない。
1.2.1)
外郭は,機械器具に組み込まれるもの以外の場合にあっては,質量が 250 g で,ロックウェル硬
度 R100 の硬さに表面をポリアミド加工した半径が 10 mm の球面をもつおもりを
表 B.5 に示す高
さから垂直に落としたとき,又はこれと同等の衝撃力をロックウエル硬度 R100 の硬さに表面を
ポリアミド加工した半径が 10 mm の球面をもつ衝撃片によって加えた時,感電,火災等の危険
を生じるおそれのあるひび,割れその他の異常が生じてはならない。ただし,器体の外面に露出
している表示灯,ヒューズホルダーその他これらに類するもの及びそれらの保護カバーであって,
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表面積が 4 cm
2
以下であり,かつ,器体の外郭の表面から 10 mm 以上突出していないものにあっ
てはこの限りではない。
表 B. 5−落下高さ
単位 cm
種類
高さ
天井取り付け用器具 14
その他のもの 20
1.2.2)
500 V
絶縁抵抗計によって測定した充電部と人が触れる恐れのある器体の外面との間の絶縁抵抗
が 3 MΩ以上でなければならない。
1.2.3)
充電部と人が触れる恐れがある器体の外面との間に 4 000 V 交流電圧を加えた時,連続して 1 分
間これに耐えなければならない。
2)
次の各項に適合する接地機構を設けなければならない。
2.1)
接地線(接地用口出し線及び接地極の刃又は刃受けに接続する線心を含む。
)又は接地用端子によ
って接地できる構造でなければならない。
2.2)
外郭の見やすい箇所(固定して使用するものであって,接地用の配線が外部に露出しない構造の
ものにあっては,器体の内部)に接地用端子又は接地線を設けなければならない。ただし,電源
プラグの接地の刃で接地できる構造のものにあっては,この限りでない。
2.3)
接地機構は,人が触れるおそれがある金属部と電気的に完全に接続してあり,かつ,容易に緩ま
ないよう堅固に取り付けていなければならない。ただし,二重絶縁又は強化絶縁によって充電部
から絶縁されている部分又は接地機構に接続された金属の外側の部分にあっては,この限りでな
い。
3)
接地用端子は,次に適合しなければならない。
3.1)
接地線を容易に,かつ,確実に取り付けることができなければならない。
3.2)
端子ねじの呼び径は,4 mm 以上(溝付き六角頭ねじ,大頭丸平小ねじ及び押締めねじ形のものは
3.5 mm
以上。
)でなければならない。
3.3)
接地線以外のものの取付けに兼用してはならない。ただし,危険が生じるおそれのない場合にあ
っては,この限りでない。
4)
接地線は,次のいずれかでなければならない。
4.1)
直径が 1.6 mm の軟銅線又はこれと同等以上の強さ及び太さをもつ,容易に腐食し難い金属線。
4.2)
断面積が 1.25 mm
2
以上の単心コード又は単心キャブタイヤケーブル。
4.3)
断面積が 0.75 mm
2
以上の 2 心コードであって,その 2 本の導体を両端でより合わせ,かつ,ろう
付け又は圧着したもの。
4.4)
断面積が 0.75 mm
2
以上の多心コード(より合わせコードを除く。
)又は多心キャブタイヤケーブル
の線心の一つ。
5)
接地機構の表示は,次に適合しなければならない。
5.1)
接地線には,そのもの又はその近傍に容易に消えない方法で接地用である旨の表示を付けてなけ
ればならない。ただし,接地線に緑と黄の配色を施した電線にあっては,この限りではない。
5.2)
接地用端子には,そのもの(容易に取り外せる端子ねじを除く。
)又はその近傍に容易に消えない方
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法で接地用である旨の表示を付けなければならない。ただし,器体の内部にある端子であって,接
地線を取り換えることができないものにあっては,この限りではない。
h)
電源電線 電源電線は,JIS C 3306 に規定するビニルコード又はこれと同等以上の品質のものを用い,
その公称断面積は 0.75 mm
2
以上とし,かつ,次の各項に適合しなければならない。
1)
電源電線の許容電流は,その電源電線に接続する負荷の最大使用電流以上でなければならない。
2)
高温部に触れるおそれがある電源電線には,接触したときに異常が生じるおそれがない絶縁物を使
用しなければならない。
3)
器体内部の電源電線の被覆の温度が,その被覆の材料の温度限度を超える場合には,有効な耐熱保
護を施してなければならない。
B.4
性能
B.4.1
絶縁抵抗 絶縁抵抗は,B.5.1 の方法で試験を行ったとき,その値は,1 MΩ以上でなければならな
い。
B.4.2
耐電圧 耐電圧は,B.5.2 の方法で試験を行ったとき,これに耐えなければならない。
B.4.3
温度 冷房運転,ヒートポンプ暖房運転における各部の温度は,B.5.3 の方法で試験を行ったとき,
表 B.6 に示す値以下で,かつ,その他の箇所に異常な熱が生じてはならない。
表 B.6−温度試験における温度上限
単位 ℃
測定箇所
温度
合成樹脂絶縁のもの
135
全密閉形圧縮機用電動機
その他のもの
125
A
種絶縁のもの
100
E
種絶縁のもの
115
B
種絶縁のもの
125
(120)
F
種絶縁のもの
150
(140)
巻線
その他のもの
H
種絶縁のもの
170
(165)
電動機の外郭
150
セレン製のもの
75
ゲルマニウム製のもの
60
整流体(電源回路に使用するものに限る。
)
シリコン製のもの
135
ヒューズクリップとヒューズとの接触部
90
金属製のもの,陶磁器製のもの及びガラス製のもの 55
使用中に人が操作する取っ手
その他のもの
70
金属製のもの,陶磁器製のもの及びガラス製のもの 60
スイッチなどのつまみ及び押しボタン
その他のもの
75
注記 括弧内の数値は,回転機の巻線に適用する。
B.5
試験
B.5.1
絶縁抵抗試験 絶縁抵抗試験は,B.5.3 の試験の前と直後とに,500 V 絶縁抵抗計で充電部と接地す
るおそれがある非充電金属部との間の絶縁抵抗を測定する。
B.5.2
耐電圧試験 耐電圧試験は,B.5.3 の試験に引き続いて行う。試験は定格電圧が 150 V 以下の供試
機では 1 000 V,定格電圧が 150 V を超え,300 V 以下の供試機では 1 500 V 周波数 50 Hz 又は 60 Hz
59
B 8627-1
:2006
の正弦波に近い電圧を充電部と接地するおそれがある非充電金属部との間に連続して 1 分間加える。
対地電圧が 30 V 以下の部分は 500 V とする。
なお,同一設計の製品を多数試験する場合で疑義を生じない場合は,上記試験電圧の 120 %の電圧
を 1 秒間加え,これに代えることができる。
B.5.3
温度試験 温度試験は,冷房運転,暖房運転時に,それぞれ次によって行う。
a)
冷房運転における温度試験は,供試機の操作スイッチなどを,冷房能力が最大となる状態にして,
定格電圧・定格周波数の下に JIS B 8627-2 の 4.3 及び JIS B 8627-3 の 4.3
に規定する冷房過負荷試験
条件で運転を行い,各部の温度がそれぞれほぼ一定になるまで運転を行う。この場合,速度調節装
置をもつものは,その速度調節装置のノッチを最高速度及び最低速度にセットし,それぞれ試験を
行う。
なお,最高速度又は最低速度にセットしたとき,温度スイッチなどによって送風機の速度が変わ
るものは,その送風機の速度が変わらない冷房過負荷試験条件に最も近い条件で送風機を運転させ
たときの試験も行う。
b)
暖房運転における温度試験は,供試機の操作スイッチなどを暖房能力が最大となる状態にして,定
格電圧・定格周波数の下に JIS B 8627-2 の 5.3 及び JIS B 8627-3 の 5.3 に規定する暖房過負荷試験条
件で運転を行い,各部の温度がそれぞれほぼ一定になるまで運転を行う。この場合,速度調節装置
をもつものは,その速度調節装置のノッチを最高速度及び最低速度にセットし,それぞれ試験を行
う。
なお,最高速度又は最低速度にセットしたとき,温度スイッチなどによって送風機の速度が変わ
るものは,その送風機の速度が変わらない暖房過負荷試験条件に最も近い条件で送風機を運転させ
たときの試験も行う。
図 B.1−衝撃試験機
60
B 8627-1
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図 B.2−試験指
61
B 8627-1
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附属書 C
(規定)
耐衝撃電圧試験方法
C.1
適用範囲
この附属書は,ガスヒートポンプの耐衝撃電圧試験方法について規定する。
C.2
試験方法
運転中のガスヒートポンプとインパルス試験機との間にサージインピーダンスとして 100 Ωの抵抗を
直列に接続し,
表 C.1 に示すインパルスをガスヒートポンプの電源線路間及び電源電線とケーシングとの
間に印加する。ただし,短時間に連続して印加してはならない。
表 C.1−耐衝撃電圧試験の条件
電源線路間 5
kV
波高値
電源線路−ケーシング間 10
kV
波頭長 1.2
µs
波尾長 50
µs
電圧の極性
正及び負
印加回数
各 3 回
62
B 8627-1
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附属書 D
(規定)
温度試験方法
D.1
適用範囲
この附属書は,ガスヒートポンプの冷房運転及び暖房運転時における室外機及びその周囲の各部の表面
温度の測定試験方法について規定する。
D.2
測定装置及び設置位置
表面温度の測定装置及び測定位置は
,図 D.1 に示す。表面温度測定装置上に,室外機と木壁との対面距
離が製造業者の指定する可燃物からの離隔距離の下限値になるように室外機を設置する。
D.3
試験方法
試験方法は,次による。
a)
冷房運転の場合,ガスヒートポンプの制御装置を,冷房能力が最大となる状態に設定し,定格電圧・
定格周波数のもとに JIS B 8627-2 及び JIS B 8627-3 の 4.3.2 の冷房過負荷試験温度条件で,各測定部の
温度がそれぞれほぼ一定になるまで運転を行う。このとき,制御装置によって送風機の変速が可能な
ものは,そのノッチを最高速度及び最低速度に設定し,それぞれ試験を行う。
なお,最高速度又は最低速度に設定したとき,温度スイッチなどによって送風機の速度が変わるも
のは,JIS B 8627-2 及び JIS B 8627-3 の 4.3.2 の試験温度条件に最も近く,かつ送風機の速度が変わら
ない状態での試験も行う。
b)
暖房運転の場合,ガスヒートポンプの制御装置を暖房能力が最大となる状態に設定し,定格電圧・定
格周波数のもとに JIS B 8627-2 及び JIS B 8627-3 の 5.3.2 の暖房過負荷試験温度条件で,各測定部の温
度がそれぞれほぼ一定になるまで運転を行う。このとき,制御装置によって送風機の変速が可能なも
のは,そのノッチを最高速度及び最低速度に設定し,それぞれ試験を行う。
なお,最高速度又は最低速度に設定したとき,温度スイッチなどによって送風機の速度が変わるも
のは,JIS B 8627-2 及び JIS B 8627-3 の 5.3.2 の試験温度条件に最も近く,かつ送風機の速度が変わら
ない状態での試験も行う。
63
B 8627-1
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熱電対部詳細
注記 1 木台及び木壁の材料は,特殊合板の日本農林規格(昭和 44 年農林省告示 1373 号)に適合するもの,
又はそれと同等のもので,十分に乾燥した 5∼7 枚合板を用い,木台の表面はワニス仕上げ,木壁
の表面は,つやがない黒ペイント仕上げとする。
注記 2 木壁及び木台の大きさは,機器に対して十分な大きさとする。
注記 3 熱電対の数は,できるだけ多く,碁盤目上に等間隔に埋め込み,その任意の箇所の温度を測定でき
るようにする。
注記 4 熱電対は,木台及び木壁の表面から約 1 mm の深さに埋め込む。
図 D.1−表面温度測定装置
64
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附属書 E
(規定)
散水時性能試験方法
E.1
適用範囲
この附属書は,ガスヒートポンプの室外機の散水時の性能試験方法について規定する。
E.2
試験方法
通常の据付け状態でガスヒートポンプ(以下,供試機という。
)を運転しながら,
図 E.1 の a) に示すよ
うに室外機の前後左右の斜め上方 4 方向から室外機に向けてそれぞれ 5 分間散水した後,
附属書 B に規定
した耐電圧試験及び 9.3 に規定した絶縁抵抗試験を行う。
注記 散水器具は,b) に示す方法で散水量を測定したときに,全受水器への平均散水量が 3±0.5mm/min で,かつ各
受水器への散水量の平均に対する偏差が±30%以内のものとする。
図 E.1−散水時性能試験
65
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附属書 F
(規定)
騒音試験方法
F.1
適用範囲
この附属書は,ガスヒートポンプの室内機及び室外機の騒音試験方法について規定する。
F.2
定義
この附属書で用いる用語の定義は,次による。
a)
供試機 試験を行うガスヒートポンプ。
F.3
試験場所
試験場所はできるだけ平たんで,反射音の影響が十分小さく,かつ測定対象音と暗騒音との差が 8dB 以
上の場所とする。
F.4
測定計器
騒音レベルの測定に使用する計器は,JIS C 1509-1 及び JIS C 1509-2 に規定された騒音計又はそれと同
等以上の計器(以下,騒音計という。
)とする。
F.5
運転条件
供試機の室内機及び室外機を F.3 に規定する試験場所のしっかりした台の上に据え付け,
表 F.1 の温度
条件で,供試機の制御装置を冷房能力又は暖房能力が最大となる状態に設定し,運転する。制御装置によ
って送風機の変速が可能なものは,それぞれのノッチで運転する。
なお,室内機側の騒音レベルを測定する場合,冷媒循環音の影響が無視できるときは,送風機だけの運
転でもよい。
表 F.1−騒音試験温度条件
単位 ℃
試験温度条件
室内側吸込み空気温度
室内側吸込み空気温度
乾球温度
湿球温度
乾球温度
湿球温度
冷房運転 27 19 35 −
暖房運転 20 − 7 6
F.6
測定位置
測定装置は,次による。
a)
室内機 室内機の測定位置は,図 F.1∼図 F.6 に示す位置で騒音レベルが最大となる点とする。
66
B 8627-1
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注記 ダクト接続の場合は,吹出し口に 2m のダンパ付ダクトを接続
し,定格機外静圧を与える。
図 F.1−床置形
図 F.2−天井つり形
図 F.3−壁掛形
図 F.4−天井埋込形(直吹き形カセット式)
67
B 8627-1
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注記 供試機には,吸込みパネル,吸込みダクトな
どを取り付けた状態で,吹出し口からの吹出
し音の影響がないような短いダクトを接続
し,定格機外静圧を吹出しダクトに与える。
注記 供試機には吹出し口に長さ 2m,吸込み口に
長さ 1m の補助ダクトを静圧調整による影響
がない状態で接続し,定格機外静圧を吹出し
ダクトに与える。
図 F.5−天井埋込形(ビルトイン形) 図 F.6−天井埋込形(ダクト接続形)
b)
室外機 室外機の測定位置は,供試機の側面
1)
から 1 m 離れた垂直面
2)
で騒音レベルが最大となる
点とする。
注
1)
消音ダクトなどを接続するように設計したもの又は形状が複雑なものは,それらを囲う仮想
直方体の側面とする。
2)
通常は
図 F.7 に示す,一点鎖線上の位置とする。
68
B 8627-1
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図 F.7−平面図及び立面図
F.7
測定方法
測定方法は,次による。
a)
F.5
及び F.6 に規定するそれぞれの条件及び位置で,JIS Z 8731 に規定された方法によって騒音レベル
(A 特性)を測定する。
b)
測定は F.4 に規定する計器によって冷房運転及び暖房運転がなされた各ノッチで行う。
c)
風の影響を受ける場合は,吹出し風圧によって騒音値が影響を受けないように測定する。
69
B 8627-1
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附属書 G
(規定)
エンジン始動試験方法
G.1
適用範囲
この附属書は,ガスヒートポンプのエンジン始動時の性能試験方法について規定する。
G.2
試験条件
電源及び試験ガスの条件は,次による。
G.2.1
電源
電源電圧は試験するガスヒートポンプ(以下,供試機という。
)の定格電圧の 90%及び 110%とする。周
波数は,供試機の定格周波数とし,二重定格周波数の場合は,50Hz とする。
G.2.2
試験ガス
供試するガスは,供試機の装置銘板に表示されたガス種とし,そのガス圧力は,箇条 5 による最高圧力
及び最低圧力とする。
G.3
試験方法
G.3.1
始動試験
供試機を始動し通常の使用状態で 1 分間以上運転した後停止し,常温まで冷却した後,再び始動する運
転操作を 3 回続けて行う。
G.3.2
バックファイヤ等確認試験
G.3.1
の試験を通してバックファイヤなどの異常発生の有無を確認する。
70
B 8627-1
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附属書 H
(規定)
CO
濃度試験方法
H.1
適用範囲
この附属書は,ガスヒートポンプの燃焼ガス中の一酸化炭素(CO)の濃度を求めるための試験方法につ
いて規定する。
H.2
定義
この附属書で用いる主な用語の定義は,次による。
a)
供試機 試験を行うガスヒートポンプ。
b)
CO
濃度 年間を通して標準的な運転をした場合に供試機が排出する燃焼ガス中の CO の最高濃度。
H.3
試験条件
試験条件は,次による。
a)
CO
濃度測定点は,I.4 及び I.5 によって決定される冷房運転 6 点(
表 I.3 参照)及び暖房運転 6 点(表
I.4
参照)の NO
x
濃度測定点と同一条件の合計 12 点とする。
b)
測定装置は,
図 H.1 による。
c)
燃焼ガス採取管は,SUS304 製のものを使用し,燃焼ガス排気管の中に 600 mm 以上挿入する。ただし,
600 mm
以上挿入できない場合には,排気管の延長管を用いてもよいが,その際には空気の漏入が生
じないようにする。
なお,燃焼ガス採取管の挿入が燃焼ガスの円滑な排出に影響を及ぼさないようにする。
d)
燃焼ガス採取管から計測器までの経路は,ふっ素樹脂チューブを使用する。ただし,燃焼ガス採取管
などとの接続部にはシリコンチューブを用いてもよい。
e)
燃焼ガス採取管から計測器までの距離は,5 m 以内とする。ただし,試験室の状況によって 5 m を超
える場合は,できる限り短くする。
f)
計測器は,JIS B 7951 又は JIS K 0151 に規定された計器を使用する。
g)
計測器の使用レンジは,測定値がほぼ中間になるレンジを使用する。
h)
計測器の調整は,測定値に近い濃度のスパンガスを用いて行う。
なお,スパンガスの等級は,通常等級のものでよい。
71
B 8627-1
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図 H.1−測定装置
H.4
試験方法
試験方法は,次による。
a)
各 CO 濃度測定点において,供試機の運転状態が定常状態に達してから 15 分後に測定を開始し,5 分
間継続して CO 濃度及び O
2
濃度の測定を行い,その間の測定値の平均を各 CO 濃度及び O
2
濃度の測
定点における測定値とする。
b)
除霜運転に入った場合,除霜運転が終了してから 15 分後に測定を開始し,5 分間継続して CO 濃度及
び O2 濃度の測定を行い,その間の測定値の平均を各 CO 濃度及び O
2
濃度の測定点における測定値と
する。
c)
CO
濃度は,上記 a) 又は b) によって得た冷房運転 6 点の各測定値及び暖房運転 6 点の各測定値から
各々理論乾燥燃焼ガス中の濃度(O
2
=0 %換算値)を算出し,その中の最大値とする。
72
B 8627-1
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附属書 I
(規定)
NO
x
濃度試験方法
I.1
適用範囲
この附属書は,ガスヒートポンプの燃焼ガス中の窒素酸化物(NO
x
)の濃度を求めるための試験方法に
ついて規定する。
I.2
定義
この附属書で用いる主な用語の定義は,次による。
a)
供試機 試験を行うガスヒートポンプ。
b)
エンジン最高回転数 供試機を冷房能力試験条件又は暖房能力試験条件(標準)で運転するときのエ
ンジン回転数。
c)
エンジン最低回転数 供試機のエンジン回転数の運転下限値。
d)
NO
x
12
モード値 標準的な運転をした場合に供試機が排出する燃焼ガス中の NO
x
の年間平均濃度。
注記 NO
x
12
モード値は,供試機の能力試験の結果と,冷房運転,暖房運転各 6 点,合計 12 点の NO
x
濃度測定試験の結果を用いた年間運転シミュレーションにより算出する。運転シミュレーショ
ンとは,一定の試験条件による試験結果から,一定の仮定に基づいて,ある外気温度における
供試機の運転状態(エンジン回転数,冷房能力,暖房能力,ガス消費量,NO
x
濃度など)を求
める計算をいう。
I.3
試験方法の手順
試験方法の手順は,次による。
a)
能力試験
b)
NO
x
濃度測定点の決定
c)
NO
x
濃度測定試験
d)
NO
x
12
モード値の算出
I.4
能力試験
I.4.1
試験の種類
試験の種類は,
表 I.1 に示す 8 種類とする。このうち,冷房低湿試験,冷房断続試験及び暖房断続試験
は,省略することができる。
I.4.2
試験条件
試験条件は,次による。
a)
各試験の温度条件は,
表 I.1 による。
b)
供試機の据付けは,JIS B 8627-2
附属書 1 の 2. による。
c)
供試機は,定格周波数・定格電圧(許容変動幅は,それぞれ±2 %とする。
)で運転する。
d)
試験ガスの条件は,JIS B 8627-2
附属書 1 の 4. に規定する試験ガスのうち,都市ガス 13 A の S の 2
(標準圧力)
,又は液化石油ガスの S の 2(標準圧力)とする。
73
B 8627-1
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I.4.3
試験方法
試験は
表 I.1 の各温度条件において,表 I.2 に示す各項目の測定を行う。
a)
冷房標準試験 表 I.1 の冷房標準試験条件において,エンジンを最高回転数及び最低回転数で運転し,
平衡に達してから 1 時間以上運転した後 5 分間ごとに 30 分間,冷房能力及びガス消費量を測定し,7
回の測定の平均値を求める。
b)
冷房低外気温試験 表 I.1 の冷房低外気温試験条件において,エンジンを最高回転数及び最低回転数
で運転し,平衡に達してから 1 時間以上運転した後 5 分間ごとに 30 分間,冷房能力及びガス消費量を
測定し,7 回の測定の平均値を求める。
c)
冷房低温試験 表 I.1 の冷房低湿試験条件において,エンジンを最低回転数で運転し,平衡に達して
から 1 時間以上運転した後 5 分間ごとに 30 分間,冷房能力及びガス消費量を測定し,7 回の測定の平
均値を求める。
d)
冷房断続試験 表 I.1 の冷房断続試験条件において,エンジン最低回転数断続運転時の冷房能力及び
ガス消費量を,次の条件に基づいて求める。
1)
室内側の吸込み検知部サーミスタの抵抗値を切り換えるなどの方法によって,断続運転を 1 時間以
上繰り返し,平衡に達した後,断続運転 3 サイクルの冷房能力及びガス消費量を連続して測定し,
その測定値を 1 時間当たりに換算する。
2)
断続運転の時間は,運転 7 分・停止 5 分とし,断続運転 1 サイクルは,運転開始から次の運転を開
始するまでとする。
3)
冷房能力の測定間隔は 10 秒以内,ガス消費量の測定は運転中の積算値とする。
e)
暖房標準試験 表 I.1 の暖房標準試験条件において,エンジンを最高回転数及び最低回転数で運転し,
平衡に達してから 1 時間以上運転した後,5 分間ごとに 30 分間,暖房能力及びガス消費量を測定し,
7
回の測定の平均値を求める。
f)
暖房断続試験 表 I.1 の暖房断続試験条件において,エンジン最低回転数断続運転時の暖房能力及び
ガス消費量を,次の条件に基づいて求める。
1)
室内側の吸込み検知部のサーミスタの抵抗値を切り換えるなどの方法によって,断続運転を 1 時間
以上繰り返し,平衡に達した後,
断続運転 3 サイクルの暖房能力及びガス消費量を連続して測定し,
その測定値を 1 時間当たりに換算する。
2)
断続運転の時間は,運転 5 分・停止 3 分とし,断続運転 1 サイクルは,運転開始から次の運転を開
始するまでとする。
3)
暖房能力の測定間隔は 10 秒以内,ガス消費量の測定は運転中の積算値とする。
g)
暖房低温試験 表 I.1 の暖房低温試験条件において,エンジン最高回転数運転時の暖房能力及びガス
消費量を,次の条件に基づいて求める。
1)
3
時間運転し,室内側及び室外側の吹出し空気乾球温度の最大変動幅が±1.0 ℃以内であれば,室外
側の熱交換器に霜なしとする。この場合,暖房低温試験は省略してもよい。
2)
試験中,3 時間以内に除霜に入った場合,又は室内側及び室外側の吹出し空気乾球温度の最大変動
幅が±1.0 ℃を超えた場合の除霜を伴う暖房低温試験は,
JIS B 8627-2
の 5.2 又は JIS B 8627-3 の 5.2
による。
3)
除霜を伴う場合の測定時間は,連続 3 除霜サイクル(1 除霜サイクルとは,暖房運転に入ったとき
から除霜運転が停止し,次の暖房に入るまでをいう。
)とする。ただし,1 除霜サイクルが 3 時間を
超える場合は,1 除霜サイクルとする。暖房能力の測定間隔は 10 秒以内,ガス消費量の測定は運転
74
B 8627-1
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中の積算値とし,それぞれ測定値を 1 時間当たりに換算する。
4)
除霜機能がない場合の測定時間は,6 時間とする。測定間隔は 10 分以内とし,暖房能力及びガス消
費量の値を 1 時間当たりに換算する。
h)
暖房低外気温試験 表 I.1 の暖房極低外気温試験条件において,エンジンを最高回転数及び最低回転
数で運転し,平衡に達してから 30 分以上運転した後,20 分間暖房能力及びガス消費量を測定する。
暖房能力の測定間隔は 10 秒以内,ガス消費量の測定は運転中の積算値とし,それぞれ測定値を 1 時間
当たりに換算する。
表 I.1−能力試験の種類及び温度条件
単位 ℃
室内側吸込み空気温度
室外側吸込み空気温度
試験の種類
乾球温度
湿球温度
乾球温度
湿球温度
冷房標準試験 27
a)
19
a)
35
a)
−
冷房低外気温試験 27±1.0 19±0.5 29±1.0
−
冷房低湿試験 27±1.0 16 以下
b)
29
±1.0
−
冷房断続試験 27±1.5 16 以下
b)
29
±1.5
−
暖房標準試験 20
a)
−
7
a)
6
a)
暖房断続試験 20±1.5
−
7
±1.5 6±1.0
暖房低温試験 20
a)
15
以下
c)
2
a)
1
a)
暖房極低外気温試験 20±2.0 15 以下
c)
−8.5±2.0
−9.5±1.0
d)
注
a)
許容偏差は,JIS B 8627-2 の
表 11 又は JIS B 8627-3 の表 10 による。
b)
16
℃以下とは,室内側熱交換器に結露しない温度を指す。
c)
湿球温度が室内側熱交換器に影響を与えるものに適用する。
d)
湿球温度は,同等の相対湿度又は露点温度としてもよい。
75
B 8627-1
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表 I.2−能力試験の測定項目
試験の種類
測定項目
測定値
エンジン最高回転数で運転したときの冷房能力(kW)
a)
Φ
c1
上記運転におけるガス消費量(kW)
a)
G
c1
エンジン最低回転数で運転したときの冷房能力(kW)
Φ
c2
冷房標準試験
上記運転におけるガス消費量(kW)
G
c2
エンジン最高回転数で運転したときの冷房能力(kW)
Φ
c3
上記運転におけるガス消費量(kW)
G
c3
エンジン最低回転数で運転したときの冷房能力(kW)
Φ
c4
冷房低外気温試験
上記運転におけるガス消費量(kW)
G
c4
エンジン最低回転数で運転したときの冷房能力(kW)
Φ
c5
冷房低湿試験
上記運転におけるガス消費量(kW)
G
c5
エンジン最低回転数で断続運転したときの冷房能力(kW)
Φ
c6
冷房断続試験
上記運転におけるガス消費量(kW)
G
c6
エンジン最高回転数で運転したときの暖房能力(kW)
a)
Φ
h1
上記運転におけるガス消費量(kW)
a)
G
h1
エンジン最低回転数で運転したときの暖房能力(kW)
Φ
h2
暖房標準試験
上記運転におけるガス消費量(kW)
G
h2
エンジン最低回転数で断続運転したときの暖房能力(kW)
Φ
h3
暖房断続試験
上記運転におけるガス消費量(kW)
G
h3
エンジン最高回転数で運転したときの暖房能力 (kW)
a)
Φ
h4
上記運転におけるガス消費量(kW)
a)
G
h4
暖房低温試験
室外側熱交換器への着霜の有無判定
エンジン最高回転数で運転したときの暖房能力 (kW)
Φ
h5
上記運転におけるガス消費量 (kW)
G
h5
エンジン最低回転数で運転したときの暖房能力 (kW)
Φ
h6
暖房極低外気温試験
上記運転におけるガス消費量 (kW)
G
h6
注
a)
本体 10.1 の形式検査の結果を用いてもよい。
I.5
NO
x
濃度測定点の決定
NO
x
濃度測定点の決定は,次による。
a)
NO
x
濃度測定点は,
表 I.3 に示す冷房運転 6 点及び表 I.4 に示す暖房運転 6 点の合計 12 点とする。
76
B 8627-1
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表 I.3−冷房運転での NOx 濃度測定点
室内側吸込み空気温度
室外側吸込み空気温度
測定点
乾球温度
湿球温度
乾球温度
湿球温度
エンジン回転数
(s
−
1
)
測定値
(ppm)
① 27±1.0 ℃ 19±0.5 ℃ 35±1.0 ℃ 24±0.5 ℃
最高回転数 R
cmax
NO
xc1
② 27±1.0 ℃ 19±0.5 ℃ 33±1.0 ℃
a)
最高回転数 R
cmax
NO
xc2
③ 27±1.0 ℃ 19±0.5 ℃ t
c3
±1.0 ℃
a)
中間回転数 R
c3
NO
xc3
④ 27±1.0 ℃ 19±0.5 ℃ t
c4
±1.0 ℃
a)
中間回転数 R
c4
NO
xc4
⑤ 27±1.0 ℃ 19±0.5 ℃ t
c5
±1.0 ℃
a)
最低回転数 R
cmin
NO
xc5
⑥ 27±1.0 ℃ 19±0.5 ℃ 23±1.0 ℃
a)
最低回転数 R
cmin
NO
xc6
注
a)
相対湿度が 40±5%となる湿球温度とする。
表 I.4−暖房運転での NOx 濃度測定点
室内側吸込み空気温度
室外側吸込み空気温度
測定点
乾球温度
湿球温度
乾球温度
湿球温度
エンジン回転数
(s
−
1
)
測定値
(ppm)
① 20±1.0 ℃
−
−5±1.0 ℃
a)
最高回転数 R
hmax
NO
xh1
② 20±1.0 ℃
−
t
h2
±1.0 ℃
a)
最高回転数 R
hmax
NO
xh2
③ 20±1.0 ℃
−
t
h3
±1.0 ℃
a)
中間回転数 R
h3
NO
xh3
④ 20±1.0 ℃
−
t
h4
±1.0 ℃
a)
中間回転数 R
h4
NO
xh4
⑤ 20±1.0 ℃
−
t
h5
±1.0 ℃
a)
最低回転数 R
hmin
NO
xh5
⑥ 20±1.0 ℃
− 14±1.0 ℃
a)
最低回転数 R
hmin
NO
xh6
注
a)
相対湿度が 85 %となる湿球温度が望ましい。
b)
表 I.3 中の t
c3
,t
c4
,t
c5
,R
c3
,R
c4
の値は,次の計算式によって求める。その場合,t
cmax
=33 ℃とし,t
cmin
の値は,冷房標準試験及び冷房低外気温試験の測定値(
表 I.2)を用いて,表 I.5 中の計算式によって
求める。
t
c3
= (2t
cmax
+t
cmin
) /3
に最も近い整数の温度
t
c4
= (t
cmax
+2t
cmin
) /3
に最も近い整数の温度
t
c5
=t
cmin
以下で t
cmin
に最も近い整数の温度
R
c3
=R
cmin
+ (R
cmax
−R
cmin
)
cmin
cmax
cmin
c
t
t
t
t
−
−
3
R
c4
=R
cmin
+ (R
cmax
−R
cmin
)
cmin
cmax
cmin
c
t
t
t
t
−
−
4
77
B 8627-1
:2006
表 I.5−冷房能力及びガス消費量の計算式
運転条件
計算式
Φ
cmax
(t)
=
Φ
c1
+ (
Φ
c3
−
Φ
c1
) (35
−t) /6
Φ
cmin
(t)
=
Φ
c2
+ (
Φ
c4
−
Φ
c2
) (35
−t) /6
Φ
cmid
(t) =BL
c
(t)
g
cmax
(t)
=G
c1
+ (G
c3
−G
c1
) (35
−t) /6
g
min
(t)
=G
c2
+ (G
c4
−G
c2
) (35
−t) /6
g
cmid
(t)
=g
cmin
(t
cmin
)
+ {g
cmax
(33)
−g
cmin
(t
cmin
)}
cmin
cmin
t
t
t
−
−
33
BL
c
(t)
=
Φ
cmax
(33)
・ (t−22) /11= (2
Φ
c1
+
Φ
c3
) (t
−22) /33
t
cmax
=33
c1
c3
c2
c4
c2
c4
cmin
Φ
Φ
Φ
Φ
Φ
Φ
t
4
2
)
(
11
)
7
13
(
11
22
+
+
−
−
+
−
冷房
ここに,
Φ
cmax
(t)
:
Φ
cmin
(t)
:
Φ
cmid
(t)
:
g
cmax
(t):
g
cmin
(t)
:
g
cmid
(t)
:
BL
c
(t)
:
t:
t
cmax
:
t
cmin
:
エンジン最高回転数で運転時の冷房能力(kW)
エンジン最低回転数で運転時の冷房能力(kW)
エンジン中間回転数で運転時の冷房能力(kW)
エンジン最高回転数で冷房運転時のガス消費量(kW)
エンジン最低回転数で冷房運転時のガス消費量(kW)
エンジン中間回転数で冷房運転時のガス消費量(kW)
建物の冷房負荷(kW)
外気温度又は室外側吸込み空気乾球温度(℃)
BL
c
(t)
と
Φ
cmax
(t)
とがつり合う外気温度(℃)
BL
c
(t)
と
Φ
cmin
(t)
とがつり合う外気温度(℃)
c)
表 I.4 中の t
h2
,t
h3
,t
h4
,t
h5
,R
h3
,R
h4
の値は,次の計算式によって求める。その場合,1) 暖房霜なし
条件,2) 暖房霜付き条件の適用は,暖房低温試験における判定結果による。t
hb
の値は,暖房標準試験
及び暖房極低外気温試験による測定値(
表 I.2)を用いて,表 I.6 中の計算式によって求める。また,
t
fa
,t
fb
の値は,暖房標準試験,暖房低温試験及び暖房極低外気温試験による測定値(
表 I.2)を用いて,
表 I.7 中の計算式によって求める。
t
h2
=t
hmax
以下で t
hmax
に最も近い整数の温度
t
h3
= (2t
hmax
+t
hmin
) /3
に最も近い整数の温度
t
h4
= (t
hmax
+2t
hmin
) /3
に最も近い整数の温度
t
h5
=t
hmin
以上で t
hmin
に最も近い整数の温度
R
h3
=R
hmin
+ (R
hmax
−R
hmin
)
hmin
hmax
hmin
h3
t
t
t
t
−
−
R
h4
=R
hmin
+ (R
hmax
−R
hmin
)
hmin
hmax
hmin
h4
t
t
t
t
−
−
1)
暖房霜なし条件の場合
t
hmax
=−2℃
t
hmin
=t
hb
2)
暖房霜付き条件の場合
t
hmax
=t
fa
t
hmin
=t
fb
ただし,t
fb
≧5.5℃の場合は,t
hmin
=5.5℃とする。
78
B 8627-1
:2006
表 I.6−暖房能力及びガス消費量の計算式(暖房霜なし条件)
運転条件
計算式
Φ
hmax
(t)
=
Φ
h5
+ (
Φ
h1
−
Φ
h5
) (t
+8.5) /15.5
Φ
hmin
(t)
=
Φ
h6
+ (
Φ
h2
−
Φ
h6
) (t
+8.5) /15.5
Φ
hmid
(t)
=BL
h
(t)
g
hmax
(t)
=G
h5
+ (G
h1
−G
h5
) (t
+8.5) /15.5
g
hmin
(t)
=G
h6
+ (G
h2
−G
h6
) (t
+8.5) /15.5
g
hmid
(t)
=g
hmax
(
−2) + {g
hmin
(t
hb
)
−g
hmax
(
−2)}
2
2
+
+
hb
t
t
BL
h
(t)
=
Φ
hmax
(
−2) ・ (15−t) /17= (225
Φ
h1
+302
Φ
h5
) (15
−t) /527
t
ha
=−2
h
h1
h6
h2
h6
h2
hb
Φ
Φ
Φ
Φ
Φ
Φ
t
18
13
)
(
34
)
16
47
(
17
15
+
+
−
−
−
=
暖房
霜なし
ここに,
Φ
hmax
(t)
:
Φ
hmin
(t)
:
Φ
hmid
(t)
:
g
hmax
(t)
:
g
hmin
(t)
:
g
hmid
(t)
:
BL
h
(t)
:
t:
t
ha
:
t
hb
:
エンジン最高回転数で運転時の暖房能力(kW)
エンジン最低回転数で運転時の暖房能力(kW)
エンジン中間回転数で運転時の暖房能力(kW)
エンジン最高回転数で暖房運転時のガス消費量(kW)
エンジン最低回転数で暖房運転時のガス消費量(kW)
エンジン中間回転数で暖房運転時のガス消費量(kW)
建物の暖房負荷(kW)
外気温度又は室外側吸込み空気乾球温度(℃)
BL
h
(t)
と
Φ
hmax
(t)
とがつり合う外気温度(℃)
BL
h
(t)
と
Φ
hmin
(t)
とがつり合う外気温度(℃)
表 I.7−暖房能力及びガス消費量の計算式(暖房霜付き条件)
運転条件
計算式
Φ
fmax
(t)
=
Φ
h5
+ (
Φ
h4
−
Φ
h5
) (t
+8.5) /10.5
Φ
fmin
(t)
=
Φ
h6
+ (C
Φ
・
Φ
h4
−
Φ
h6
) (t
+8.5) /10.5
Φ
fmid
(t)
=BL
h
(t)
g
fmax
(t)
=G
h5
+ (G
h4
−G
h5
) (t
+8.5) /10.5
g
fmin
(t)
=G
h6
+ (C
g
・G
h4
−G
h6
) (t
+8.5) /10.5
g
fmid
(t)
=g
fmax
(t
fa
)
+ {g
fmin
(t
fb
)
−g
fmax
(t
fa
)}
fa
fb
fa
t
t
t
t
−
−
BL
h
(t)
=
φ
hmax
(
−2) ・ (15−t) /17= (225
Φ
h1
+302
Φ
h5
) (15
−t) /527
C
φ
= (21
Φ
h2
+10
Φ
h6
) / (21
Φ
h1
+10
Φ
h5
)
C
g
= (21G
h2
+10G
h6
) / (21G
h1
+10G
h5
)
)
18
13
)(
31
/
21
(
)
(
34
)
26
47
(
17
15
h5
h1
h5
h4
h5
h4
fa
Φ
Φ
Φ
Φ
Φ
Φ
t
+
+
−
−
−
=
)
18
13
)(
31
/
21
(
)
(
34
)
26
47
(
17
15
h5
h1
h6
h4
Φ
h6
h4
Φ
fb
Φ
Φ
Φ
Φ
C
Φ
Φ
C
t
+
+
−
−
−
=
暖房
霜付き
ここに,
Φ
fmax
(t)
:
Φ
fmin
(t)
:
Φ
fmid
(t)
:
g
fmax
(t)
:
g
fmin
(t)
:
g
fmid
(t)
:
BL
h
(t)
:
t:
t
fa
:
t
fb
:
エンジン最高回転数で運転時の暖房能力(kW)
エンジン最低回転数で運転時の暖房能力(kW)
エンジン中間回転数で運転時の暖房能力(kW)
エンジン最高回転数で暖房運転時のガス消費量(kW)
エンジン最低回転数で暖房運転時のガス消費量(kW)
エンジン中間回転数で暖房運転時のガス消費量(kW)
建物の暖房負荷(kW)
外気温度又は室外側吸込み空気乾球温度(℃)
BL
h
(t)
と
Φ
fmax
(t)
とがつり合う外気温度(℃)
BL
h
(t)
と
Φ
fmin
(t) とがつり合う外気温度(℃)
79
B 8627-1
:2006
d)
供試機のエンジン回転数がステップ状に制御される場合,R
c3
,R
c4
,R
h3
,R
h4
は,それぞれ上記 b),c)
による計算値に最も近いエンジン回転数とする。
I.6
NO
x
濃度測定試験
I.6.1
試験条件
試験条件は,次による。
a)
NO
x
濃度測定点は,
表 I.3 及び表 I.4 による。
b)
測定装置は,
図 I.1 による。
c)
燃焼ガス採取管は,SUS304 製のものを使用し,燃焼ガス排気管の中に 600 mm 以上挿入する。ただし,
600 mm
以上挿入できない場合には,排気管の延長管を用いてもよいが,その際には空気の漏入が生
じないようにする。
なお,燃焼ガス採取管の挿入が燃焼ガスの円滑な排出に影響を及ぼさないようにする。
d)
燃焼ガス採取管から計測器までの経路は,ふつ素樹脂チューブを使用する。ただし,燃焼ガス採取管
などとの接続部にあってはシリコンチューブを用いてもよい。
e)
燃焼ガス採取管から計測器までの距離は,5 m 以内とする。ただし,試験室の状況によっては 5 m を
超えてもよいが,その場合は,できる限り短くする。
f)
計測器は,JIS B 7982 に規定された計器を使用する。
g)
計測器の使用レンジは,測定値がほぼ中間になるレンジを使用する。
h)
計測器の調整は,測定値に近い濃度のスパンガスを用いて行う。
なお,スパンガスの等級は,通常等級のものでよい。
I.6.2
試験方法
試験方法は,次による。
a)
NO
x
濃度測定点において,供試機の運転状態が定常状態に達してから 15 分後に測定を開始し,5 分間
継続して測定を行い,その間の測定値(O
2
=0 %換算値)の平均を各 NO
x
濃度測定点における測定値
とする。
b)
除霜運転に入った場合,
除霜運転が終了してから 15 分後に測定を開始し,
5
分間継続して測定を行い,
その間の測定値の平均を各 NO
x
濃度測定点における測定値とする。
80
B 8627-1
:2006
図 I.1−NO
x
濃度測定装置
I.7
NO
x
12
モード値の算出
I.7.1
算出方法
NO
x
12
モード値の算出方法は,次による。
a)
能力試験及び NO
x
濃度測定試験の結果を用いて,23 ℃から 1 ℃ごとに 38 ℃までの各外気温度にお
ける冷房運転のガス消費量及び NO
x
濃度(O
2
=0 %換算値)を,
表 I.5 中の計算式及び I.7.2,I.7.4 の
計算式によって求める。
b)
同じく,能力試験及び NO
x
濃度測定試験の結果を用いて,−12 ℃から 1 ℃ごとに 14 ℃までの各外
気温度における暖房運転のガス消費量及び NO
x
濃度(O
2
=0 %換算値)を,
表 I.6 又は表 I.7 中の計算
式と,の I.7.3,I.7.5 の計算式によって求める。
c)
上記 a),b) による計算値に対して,各外気温度の発生時間数による重み付けを行い,次の式によって
NO
x
12
モード値を算出する。その場合,n
c
(
t
)
,n
h
(
t
)
は,
表 I.8 及び表 I.9 中の値とする。
)
(
)
(
)
(
)
(
)
(
)
(
)
(
NO
)
(
)
(
)
(
NO
NO
h
h
14
12
c
38
23
h
h
xh
14
12
c
xc
38
23
x12
t
n
t
g
t
n
t
g
t
n
t
g
t
t
n
t
g
t
t
c
t
t
c
t
⋅
Σ
+
⋅
Σ
⋅
⋅
Σ
+
⋅
⋅
Σ
=
−
=
=
−
=
=
ここに, NO
x12
: NO
x12
モード値
NO
xc
(t)
: 外気温度 t における冷房運転時の NO
x
濃度(ppm)
(O
2
=0%
換算値)
NO
xh
(t)
: 外気温度 t における暖房運転時の NO
x
濃度(ppm)
(O
2
=0%
換算値)
g
c
(t): 外気温度 t における冷房運転時のガス消費量(kW)
g
h
(t)
: 外気温度 t における暖房運転時のガス消費量(kW)
n
c
(t)
: 冷房期間中に冷房を要する外気温度 t が発生する時間数(h)
n
h
(t)
: 暖房期間中に暖房を要する外気温度 t が発生する時間数(h)
I.7.2
冷房運転時のガス消費量の計算式
1)
t
≧33℃のとき
g
c
(t)
=g
cmax
(t)
NO
x
計測器
81
B 8627-1
:2006
2)
33
℃>t≧t
cmin
のとき
g
c
(t)
=g
cmid
(t)
3)
t
cmin
>t のとき
)
(
}
)
(
1
{
1
)
(
)
(
cmin
c
Dc
c
c
t
g
t
X
C
t
X
t
g
−
−
=
X
c
(t)
=
BL
c
(t) /(
cmin
(t)
c5
c6
c5
c5
c6
c6
Dc
/
1
/
/
1
Φ
Φ
G
Φ
G
Φ
C
−
−
=
ただし,
冷房低湿試験と冷房断続試験を省略した場合は,
C
Dc
=
0.25
とする。
ここに,
X
c
(t)
:
冷房断続運転時の実稼働率
C
Dc
:
冷房断続運転時の効率低下係数
I.7.3
暖房運転時のガス消費量の計算式
a)
暖房霜なし条件の場合
1)
t
≦−
2
℃のとき
g
h
(t)
=
g
hmax
(t)
2)
−
2
℃<
t
≦
t
hb
のとき
g
c
(t)
=
g
hmid
(t)
3)
t
hb
<
t
のとき
)
(
}
)
(
1
{
1
)
(
)
(
t
g
t
X
C
t
X
t
g
hmin
h
Dh
h
h
−
−
=
X
h
(t)
=
BL
h
(t) /
Φ
hmin
(t)
h2
h3
h2
h2
h3
h3
Dh
Φ
Φ
G
Φ
G
Φ
C
/
1
/
/
1
−
−
=
ただし,
暖房断続試験を省略した場合は,
G
Dh
=
0.25
とする。
ここに,
X
c
(t)
:
暖房霜なし条件における断続運転時の実稼働率
C
Dh
:
暖房断続運転時の効率低下係数
b)
暖房霜付き条件の場合
1)
t
≦−
8.5
℃のとき
g
h
(t)
=
g
hmax
(t)
2)
−
8.5
℃<
t
≦
tfa
のとき
g
h
(t)
=
g
fmax
(t)
3)
tfa
<
t
≦
tfb
,かつ,
t
<
5.5
℃のとき
82
B 8627-1
:2006
g
h
(t)
=
g
fmid
(t)
4)
tfb
<
t
<
5.5
℃のとき
)
(
}
)
(
1
{
1
)
(
)
(
t
g
t
X
C
t
X
t
g
fmin
f
Dh
f
h
−
−
=
X
f
(t)
=
BL
h
(t) /
Φ
fmin
(t)
h2
h3
h2
h2
h3
h3
Dh
Φ
Φ
G
Φ
G
Φ
C
/
1
/
/
1
−
−
=
ただし,
暖房断続試験を省略した場合は,
C
Dh
=
0.25
とする。
5)
5.5
℃≦
t
≦
t
hb
のとき
g
h
(t)
=
g
hmid
(t)
6)
5.5
℃≦
t
,かつ,
t
hb
<
t
のとき
)
(
}
)
(
1
{
1
)
(
)
(
t
g
t
X
C
t
X
t
g
hmin
h
Dh
h
h
−
−
=
ここに,
X
f
(t)
:
暖房霜付き条件における断続運転時の実稼働率
C
Dh
:
暖房断続運転による効率低下係数
I.7.4
冷房運転時の NO
x
濃度の計算式
冷房運転時の各外気温度における
NO
x
濃度は,
図 I.2 の近似方法を参考に,次の式によって算出する。
1)
t
≧
33
℃のとき
NO
xc
(t)
=
NO
xc2
+
(NO
xc1
−
NO
xc2
) (t
−
33) /2
2)
33
℃>
t
≧
t
c3
のとき
NO
xc
(t)
=
NO
xc3
+
(NO
xc2
−
NO
xc3
) (t
−
t
c3
) / (33
−
t
c3
)
3)
t
c3
>
t
≧
t
c4
のとき
NO
xc
(t)
=
NO
xc4
+
(NO
xc3
−
NO
xc4
) (t
−
t
c4
) / (t
c3
−
t
c4
)
4)
t
c4
>
t
≧
t
c5
のとき
NO
xc
(t)
=
NO
xc5
+
(NO
xc4
−
NO
xc5
) (t
−
t
cs
) / (t
c4
−
t
c5
)
5)
t
c5
>
t
のとき
NO
xc
(t)
=
NO
xc6
+
(NO
xc5
−
NO
xc6
) (t
−
23) / (t
c5
−
23)
83
B 8627-1
:2006
図 I.2−冷房運転時における NO
x
濃度の近似方法
I.7.5
暖房運転時の NO
x
濃度の計算式
暖房運転時の各外気温度における
NO
x
濃度は,
図 I.3 の近似方法を参考に,次の式によって算出する。
1)
t
<
t
h2
のとき
NO
xh
(t)
=
NO
xh1
+
(NO
xh2
−
NO
xh1
) (t
+
5) / (t
h2
+
5)
2)
t
h2
≦
t
<
t
h3
のとき
NO
xh
(t)
=
NO
xh2
+
(NO
xh3
−
NO
xh2
) (t
−
t
h2
) / (t
h3
−
t
h2
)
3)
t
h3
≦
t
<
t
h4
のとき
NO
xh
(t)
=
NO
xh3
+
(NO
xh4
−
NO
xh3
) (t
−
t
h3
) / (t
h4
−
t
h3
)
4)
t
h4
≦
t
<
t
h5
のとき
NO
xh
(t)
=
NO
xh4
+
(NO
xh5
−
NO
xh4
) (t
−
t
h4
) / (t
h5
−
t
h4
)
5)
t
h5
≦
t
のとき
NO
xh
(t)
=
NO
xh5
+
(NO
xh6
−
NO
xh5
) (t
−
t
h5
) / (14
−
t
h5
)
t
84
B 8627-1
:2006
図 I.3−暖房運転時における NO
x
濃度の近似方法
表 I.8−冷房期間中に冷房を必要とする外気温度 t
c
が発生する時間数
外気温度 t
c
(℃)
発生時間 n
c
(h)
外気温度 t
c
(℃)
発生時間 n
c
(h)
外気温度 t
c
(℃)
発生時間 n
c
(h)
23 141.2 29 86.3 35 5.6
24 137.2 30 80.7 36 1.5
25 130.1 31 72.9 37 0.7
26 121.2 32 48.5 38 0.1
27 118.7 33 26.0
28 102.7 34 13.9
計 1
087.3
表 I.9−暖房期間中に暖房を必要とする外気温度 t
h
が発生する時間数
外気温度 t
h
(℃)
発生時間 n
h
(h)
外気温度 t
h
(℃)
発生時間 n
h
(h)
外気温度 t
h
(℃)
発生時間 n
h
(h)
−12 0.1 −3
9.9
6
108.2
−11 0.1 −2 21.4 7 113.5
−10 0.1 −1 28.4
8 123.1
−9 0.3 0 49.1 9 117.7
−8 0.4 1 59.6 10 114.8
−7 0.8 2 66.6 11 115.1
−6 1.3 3 72.8 12 106.9
−5 2.8 4 86.3 13 107.1
−4 5.7 5 93.4 14
99.3
計 1
504.8
最高回転数
中間回転数
最低回転数
t
85
B 8627-1
:2006
附属書 J
(規定)
ガス通路気密試験方法
J.1
適用範囲
この附属書は,ガスヒートポンプのガス通路における気密試験について規定する。
J.2
試験方法
ガス閉止弁を閉じた状態で,ガスの取入れ部に精密ガス流量計を接続し,その入口側から
4.2kPa
の空気
圧を加えて漏れ量を測定し,その測定値から
1
時間当たりの漏れ量を算出する。さらに,試験ガスの圧力
を JIS B 8627-2 の
附属書 1 表 2 に規定する最高圧力として運転し,試験火などでガス接続口からエンジン
入口まで外部漏れのないことを確認する。
86
B 8627-1
:2006
附属書 K
(規定)
電源異常試験方法
K.1
適用範囲
この附属書は,ガスヒートポンプの電源異常(停電・電圧降下・電源雑音)の試験方法について規定す
る。
K.2
試験方法
電源異常の試験方法は,次による。
a)
停電試験 停電試験は,試験ガスの圧力を表 2 に規定する標準圧力として
15
分間運転した後,次に示
す時間だけ停電させ,再び通電する。
1)
0.05
秒間
2)
0.5
秒間
3)
2
分間
b)
電圧降下試験 電圧降下試験は,試験ガスの圧力を標準圧力として
15
分間運転した後,次に示す時間
だけ電源電圧を定格電圧の
50 %
に降下させ,定格電圧に復帰させる。
1)
0.2
秒間
2)
2
秒間
c)
電源雑音試験 電源雑音試験は,供試機の停止状態,待機状態及び始動から定常運転までの各状態で
それぞれ
表 K.1 に示すインパルスを供試機の電源線路間及び電源線路と接地間に印加する。
表 K.1−電源雑音試験のインパルスの条件
波高値 1.5
kV
(負荷抵抗 50
Ωのときの値)
パルス幅 1
µs
50 ns
(方形波)
a)
電圧の極性 正及び負
位相角
電源周波数に対し,パルス印加周波数を変えて(例
えば 70 Hz)位相角を自動移動させる。
試験回数
運転開始から定常運転状態に至るまでを 1 サイク
ルとし,10 サイクル繰り返す。
注
a)
デジタル回路をもたない機器については,省略できる。
87
B 8627-1
:2006
附属書 L
(規定)
異常試験方法
L.1
適用範囲
この附属書は,ガスヒートポンプの異常試験方法について規定する。
L.2
試験方法
異常試験は,ガスヒートポンプの制御装置を暖房能力が最大になる状態に設定し,室外機及び室内機送
風機用電動機を拘束して,周囲温度が
20
±
5
℃の条件で,定格電圧・定格周波数(
50 Hz
・
60 Hz
共用のも
のは,
50 Hz
又は
60 Hz
)で
72
時間運転する。ただし,保護装置によって回路が永久に開放される構造の
ものは,回路開放時までとし,手動復帰式保護装置によって回路が開放される構造のものは,それが
10
回動作するまで繰り返して運転を行う。