B 8614:2018
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 試験の準備 ······················································································································ 2
5 試験条件························································································································· 2
5.1 試験空気温度 ················································································································ 2
5.2 圧縮機回転数 ················································································································ 2
5.3 送風機用電動機端子電圧 ································································································· 2
5.4 低圧配管長 ··················································································································· 3
6 試験装置及び計測器 ·········································································································· 3
6.1 試験装置 ······················································································································ 3
6.2 計測器 ························································································································· 3
7 測定方法························································································································· 5
7.1 一般 ···························································································································· 5
7.2 熱量計の断熱性能 ·········································································································· 5
7.3 冷凍ユニットの冷凍能力 ································································································· 5
8 試験成績の記録 ················································································································ 6
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
冷凍空調工業会(JRAIA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規
格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規
格である。
これによって,JIS B 8614:2007 は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
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輸送用機械式冷凍ユニット−冷凍能力試験方法
Mechanical transport refrigeration units-Test method of cooling capacity
序文
この規格は,1981年に制定され,その後3回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は2007年に
行われたが,その後の圧縮機回転数の見直し,低圧配管長の規定化など技術的内容の変更に対応するため
に改正した。
なお,対応国際規格は,現時点で制定されていない。
1
適用範囲
この規格は,貨物を定温で輸送する冷蔵・冷凍自動車に架装する冷凍ユニットのうち,送風機を併設す
る蒸発器によって,保冷車体内の冷却を行う輸送用機械式冷凍ユニット(以下,冷凍ユニットという。)の
冷凍能力試験方法について規定する。
2
引用規格
対象となる引用規格はない。
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
冷凍ユニット
車両の保冷車体内を冷凍(冷蔵を含む。)するため,圧縮機,駆動装置,凝縮器,蒸発器,冷媒配管,制
御装置,電気配線などで構成し,車両に架装することができるもの。
3.2
駆動装置
圧縮機を駆動させるための動力装置。
3.3
主原動機駆動式冷凍ユニット
車両走行用発動機の駆動力で圧縮機を駆動する冷凍ユニット。
3.4
補助原動機駆動式冷凍ユニット
冷凍機専用発動機の駆動力で圧縮機を駆動する冷凍ユニット。
2
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3.5
電動機駆動式冷凍ユニット
外部電源によって圧縮機又は駆動装置を駆動する冷凍ユニット。
3.6
熱量計
熱量計内の試験空気温度を維持するために必要な加熱機の電熱量と,熱量計内外の温度差によって侵入
する熱量とで,冷凍ユニットの冷凍能力を測定する装置。
4
試験の準備
試験の準備は,次による。
a) 試験を行う冷凍ユニットには,構成部品を全て取り付ける。
b) 冷媒の種類及び充塡量は,冷凍ユニット製造業者の指定による。
5
試験条件
5.1
試験空気温度
試験空気温度は,蒸発器入口側及び凝縮器入口側の空気温度とし,表1による。
表1−試験空気温度
単位 ℃
項目
低温
(フローズン帯)
中温
(チルド帯)
高温
(クーリング帯)
蒸発器入口側
−18±1
0±1
10±1
凝縮器入口側
35±1
5.2
圧縮機回転数
圧縮機回転数は,表2による。
表2−圧縮機回転数
単位 min−1
形式
圧縮機回転数a)
主原動機駆動式b)
1 800×[145(mm)/圧縮機クラッチ径(mm)]
補助原動機駆動式
表示回転数
電動機駆動式
外部電源の定格電圧及び定格周波数による回転数
注a) 試験を行うときの圧縮機の回転数の変動は,±5 %以内とする。
b) 主原動機駆動式の冷凍能力試験時は,駆動装置を用いて圧縮機を回転させる。
5.3
送風機用電動機端子電圧
送風機用電動機端子電圧は,表3による。ただし,補助原動機駆動式冷凍ユニット及び電動機駆動式冷
凍ユニットの場合は,定格運転時の端子電圧とする。
3
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表3−送風機用電動機端子電圧
単位 V
電圧区分
端子電圧
12
13.5
24
27
5.4
低圧配管長
低圧配管長とは蒸発器を含むユニット出口から,圧縮機までの接続配管長とし,4 m以上とする。
低圧配管の形状及び直径は,冷凍ユニット製造業者の指定による。
ただし,圧縮機と蒸発器とが同一ユニット内の場合には適用しない。
6
試験装置及び計測器
6.1
試験装置
6.1.1
試験室
試験室は,外気温度の影響を受けにくい断熱構造とし,次による。
a) 試験室は,7.3の条件を満足する広さとする。
b) 凝縮器入口側の空気状態を表1に示す温度に保つことができる能力をもつ空気調和機を備える。
c) 空気調和機吹出口及び吸込口は,測定を妨げない配置とする。
6.1.2
熱量計
冷凍能力の測定に用いる熱量計は,図1による。
a) 熱量計内外温度差によって熱量計に侵入する熱量は,測定する冷凍ユニットの表示冷凍能力の30 %以
下とする。
b) 蒸発器入口側の空気状態を,表1に示す温度に保つことができる加熱機を備える。
c) 熱量計の内部及び周囲には,空気温度が均一になるように,空気かくはん機を適切な位置に備える。
d) 冷凍ユニット取付け用の開口部には,熱量計と同じ断熱性能をもつ止め蓋を備える。
e) 内部空気温度のばらつきを取り除くために,隔壁を付けることができる。
6.1.3
直流電源
直流電源は,整流器を使用する。
6.2
計測器
試験に用いる計測器の形式及び精度は,表4による。
表4に示す以外の計測器を使用する場合は,これと同等以上の精度をもつ計測器とする。
表4−計測器
区分
形式
精度
温度計
熱電対
±0.5 ℃
回転計
ストロボ回転計
パルス式回転計
±2 %
電気計器
電圧計
電力計
積算電力計
±1 %
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単位 mm
注記 1 ●印 t11〜t17は,熱量計内部温度測定位置を示す。
注記 2 〇印 t1〜t6は,熱量計周囲温度測定位置を示す。
注記 3 t18及び t19は,蒸発器の入口空気温度測定位置を示す。
注記 4 t7及び t8は,凝縮器の入口空気温度測定位置を示す。
注記 5 L 及び H は,冷凍ユニットの幅及び高さを示す。
注記 6 測定位置が構造その他によって熱の影響を受ける場合には,位置をずらしてもよい。
注記 7 蒸発器及び凝縮器の形状が図と異なる場合は,車両架装状態に準じた配置で測定を行う。
図1−冷凍ユニットの冷凍能力測定設備
5
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7
測定方法
7.1
一般
冷凍ユニットの測定には,図1に示す熱量計を使用し,測定方法は,次による。
7.2
熱量計の断熱性能
7.2.1
断熱性能の測定手順
熱量計の断熱性能の測定手順は,次による。
a) 積算電力計を用いる場合
1) 熱量計の開口部は,止め蓋で塞ぐ。
2) 図1に示す熱量計の内部 7 点(t11〜t17)及び周囲 6 点(t1〜t6)の計 13 点の温度を測定する。
3) 熱量計の内部と周囲との温度差が 20 ℃以上となるように加熱機で加温する。
4) 同一測定時の熱量計の内部空気温度及び周囲空気温度のばらつき幅は,3 ℃以内とする。
5) 熱量計の内部空気温度及び周囲空気温度の各測定時の平均温度の変化幅は,試験中を通じて2 ℃以
内とする。
6) 熱量算出のための測定は,熱量計の内部空気温度及び周囲空気温度が安定してから2時間行う。
7) 熱量算出に用いる温度は,測定温度変化が4)及び5)に示す温度範囲内の連続した2時間の測定値の
平均とする。
b) 積算電力計を用いない場合 a)の 1)〜5)によるほか,次による。
1) 熱量算出のための測定は,熱量計の内部空気温度及び周囲空気温度が安定してから30分ごとに5
回行う。
2) 熱量算出に用いる温度は,測定温度変化がa)の4)及び5)に示す温度範囲内の連続した5回の測定値
の平均とする。
3) 試験中の熱量計への電力の変動幅が,4 %を超えてはならない。
7.2.2
熱量計の断熱性能
熱量計の断熱性能は,次による。
c1
c2
c2
c1
c
θ
θ−
+
=
W
W
U
ここに,
Uc: 熱量計の断熱性能(W/K)
Wc1: 熱量計内の加熱機への平均入力(W)
Wc2: 熱量計内の空気かくはん機などへの平均入力(W)
θc1: 熱量計の周囲空気の平均温度(℃)
θc2: 熱量計の内部空気の平均温度(℃)
7.3
冷凍ユニットの冷凍能力
7.3.1
冷凍能力の測定手順
冷凍ユニットの冷凍能力の測定手順は,次による。
a) 積算電力計を用いる場合
1) 図1に示す熱量計の内部 9 点(t11〜t19)及び周囲 8 点(t1〜t8)の計 17 点の温度を測定する。
2) 冷凍ユニットを運転し,熱量計の内部空気温度及び周囲空気温度を,加熱機を用いて定格試験条件
に維持する。
3) 試験中の周囲空気温度及び熱量計の内部空気温度の各測定時の平均温度の変化は,規定値の±2 ℃
とする。
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4) 測定時の熱量計の内部空気温度のばらつき幅は,6 ℃以内とする。
5) 測定時の熱量計の周囲空気温度のばらつき幅は,6 ℃以内とする。
6) 熱量算出のための測定は,熱量計の内部空気温度及び周囲空気温度が安定してから,2時間行う。
7) 熱量算出に用いる温度は,測定温度変化が3)〜5)に示す温度範囲内にある連続した 2時間の測定値
の平均とする。
b) 積算電力計を用いない場合 a)の 1)〜5)によるほか,次による。
1) 熱量算出のための測定は,熱量計の内部空気温度及び周囲空気温度が安定してから30分ごとに5
回行う。
2) 熱量算出に用いる温度は,測定温度変化がa)の3)〜5) に示す温度範囲内の連続した5 回の測定値の
平均とする。
3) 試験中の熱量計への電力の変動幅が,4 %を超えてはならない。
7.3.2
冷凍ユニットの冷凍能力
冷凍ユニットの冷凍能力は,次による。
(
)
2
1
e
2
1
e
θ
θ−
+
+
=
U
W
W
Q
2/)
(
1
2/)
(
1
c2
c1
2
1
c
e
θ
θ
θ
θ
+
+
+
+
=
m
m
U
U
ここに,
Qe: 冷凍ユニットの冷凍能力(W)
W1: 熱量計内の加熱機への平均入力(W)
W2: 熱量計内の空気かくはん機などへの平均入力(W)
Ue: 能力試験中の熱量計の断熱性能(W/K)
θ1: 熱量計の周囲空気の平均温度(℃)
θ2: 熱量計の内部空気の平均温度(℃)
m: 熱量計の壁を構成する断熱材などの熱伝導率に関する
温度係数(1/℃)
8
試験成績の記録
冷凍能力の測定によって得られた値は,冷凍ユニット冷凍能力試験成績表に記入する。
冷凍ユニット冷凍能力試験成績表の参考例を表5に示す。
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表5−冷凍ユニット冷凍能力試験成績表
[諸 元]
納 入 先
蒸発器入口温度
℃
製 造 業 者 名
表示冷凍能力
W
形 式 名 称
定 格 電 圧
V
製 造 番 号
冷媒の種類
圧縮機駆動装置
冷媒充塡量
kg
駆 動 方 式
圧縮機形式
試験年月日
定格回転数
min−1 圧縮機回転数
min−1 試験場所
定 格 出 力
kW 蒸発器形式
試験担当者
電 源 定 格
V
Hz 凝縮器形式
大 気 圧
hPa
項目
単位
1
2
3
4
5
平均
圧縮機回転数又は圧縮機駆動装置電源電圧
min−1
V
送風機用電動機端子電圧
蒸発器
V
凝縮器
V
凝縮器入口空気平均温度
℃
蒸発器入口空気平均温度
℃
熱量計の周囲空気平均温度(θ1)
℃
熱量計の内部空気平均温度(θ2)
℃
侵入する熱量[Ue×(θ1−θ2)]
W
加熱機入力(W1)
W
かくはん機入力(W2)
W
冷凍能力(Qe)
W
注記 積算電力計を用いる場合は,平均だけを記載する。
参考文献 JIS C 1102-2:1997 直動式指示電気計器 第2部:電流計及び電圧計に対する要求事項
JIS C 1102-3:1997 直動式指示電気計器 第3部:電力計及び無効電力計に対する要求事項
JIS C 1602:2015 熱電対
JIS M 7606:1994 鉱山用熱式風速計(携帯形)