B 8601 : 2001
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本冷凍
空調学会 (JSRAE) /財団法人日本規格協会 (JSA) から工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべ
きとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。こ
れによって,JIS B 8601 : 1989は改正され、この規格に置き換えられる。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 8601 : 2001
冷凍用図記号
Graphical symbols for refrigerating systems
1. 適用範囲 この規格は,冷凍装置に関する計画図・設計図・系統図・計装図などの図面に,機器,配
管,計装及びそれらの附属品を簡略化された方法で図示する場合の共通,かつ,基本的な図記号について
規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0011-1 製図−配管の簡略図示方法−第1部:通則及び正投影図
3. 管の図記号 管又は配管を簡略化された方法で図示する場合には,次による。ただし,この規格に規
定していない事柄は,JIS B 0011-1によるのがよい。
3.1
管の表し方 管などを表す流れ線は,原則として1本の実線で表し,同一図面内では一種類の太さ
の線を用いる。ただし,管の系統,管内を流れる流体の種類,状態,目的又は管の太さを表すために線の
種類(実線・破線・鎖線・2本の平行線など,及びそれらの太さ)を変えて図示してもよい。この場合に
は,それぞれの線の種類の意味を図面上の見やすい位置に明示する。
なお,管を破断して示す場合には,図1のように破断線を用いて表す。
図1 管を破断した表し方
3.2
管の太さ・種類の表し方 管の太さ及び種類を図示する場合には,管を表す線の上側に沿って図面
の下辺又は右辺から読めるように,管の太さ及び種類を表す文字・文字記号を記入する[図2 a),b)]。
ただし,複雑な図面などで誤解を招くおそれがあるときには,それぞれ引出し線を用いてもよい[図2 c)]。
また,文字,文字記号の意味は,図面上の見やすい位置に記入する。
図2 管の太さ・種類の表し方
2
B 8601 : 2001
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3.3
流体の種類・状態・目的の表し方 管内を流れる流体の種類・状態・目的を示す場合には,管を表
す線の上側に沿わせて図面の下辺又は右辺から読めるように文字・文字記号[図3 a),c),d)]を記入す
る。ただし,複雑な図面などで誤解を招くおそれがあるときには,それぞれ引出し線を用いて記入しても
よい。
なお,流体の種類を表す文字記号は,表1の記号を用いる。ただし,これらの種類の詳細を示す必要の
ある場合[図3 b)]には,これによらなくてもよい。また,文字記号の意味は,図面上の見やすい位置に
明示する。
図3 流体の種類・状態・目的の表し方
表1 流体の種類と文字記号
備考 往き管と返り管を区別する必要
がある場合には,文字記号(往
きにS,返りにR)を付記しても
よい。
3.4
流体の流れ方向の表し方
3.4.1
管内の流れ方向 管内の流れ方向は,管を表す線に付けた矢印の向きで指示する(図4)。
図4 管内の流れ方向の表し方
3.4.2
配管系の附属品,部品,構成品及び機器内の流れ方向 配管系の附属品・機器内の流れ方向を特に
指示する必要がある場合には,その図記号に沿わせた矢印で指示するか,又は配管を示す線上に矢印で指
示する(図5)。
図5 配管系の附属品,部品,構成部品及び機器内の流れ方向の表し方
3
B 8601 : 2001
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3.4.3
運転条件によって方向が変わる場合の流体の流れ方向の表し方 ヒートポンプ装置のように,運転
条件によって流体の流れ方向が変わる場合には,図6のように配管又は配管系内の機器に沿わせた矢印で
流れの方向を指示する。
この場合には,原則として冷房運転時は実線の矢印,また,暖房運転時は破線の矢印とする。
図6 流れ方向の変わる場合の流れ方向の表し方
4. 管の交差部及び接続部の表し方 管を表す線が交差している場合には,表2の表し方によってそれぞ
れの管が接続しているか,接続していないかをホす。
表2 管の接続状態の表し方
管の接続状態
図示方法
接続していないとき
接続して
いるとき
交差
分岐
備考 接続していないことを表す線の切れ目の幅は実線の太さの5倍以上,接続していることを
表す黒丸の直径は実線の太さの5倍以上とする。
5. 管の結合方式の表し方 管の結合方式は,表3の図記号によって表す。
表3 管の結合方式の表し方
結合方式の種類
図記号
備考
一般
継手の種類を明示する場合には,その
名称を付記する。
溶接式
−
フランジ式
インロー結合方式のめす
“F”,おす“M”の区別
は,次による。
受口式
−
ユニオン式
−
フレア式
−
クイックジョ
イント式
−
6. 管継手の表し方 固定式管継手は,表4の図記号によって表す。
4
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表4 固定式管継手の表し方
管継手の種類
図記号
備考
エルボ
及び
ベンド
結合方法を表す図記号と組み合わせて
用いる。
径違いの表示を必要とする場合には,そ
の呼び径は引出線を用いて記入する。
T
クロス
レジューサ
ディストリビュータ
たわみ管継手
例 ゴムホース,フレキシブルチ
ューブなど。
7. 管の末端部の表し方 管の末端部は,表5の図記号によって表す。
表5 管の末端部の表し方
末端部の種類
図記号
管端フランジ
又は
閉止フランジ
ねじ込み式キャップ
及び
ねじ込み式プラグ
溶接式キャップ
チェックジョイント
ピンチオフ
8. バルブの表し方 バルブは,表6の図記号によって表す。バルブと管との結合方式を,特に示したい
場合には,結合方式を表す図記号と組み合わせて用いる。ただし,バルブの機能を詳細に示す必要がある
場合には,これによらなくてもよい。
表6 バルブの表し方
バルブの種類
図記号
備考
バルブ一般
手動弁であることを示す必
要がある場合には,次の例
による。
例
バルブが閉じている状態を
示す場合には,次の例によ
る。
例
5
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バルブの種類
図記号
備考
三方弁
−
四方弁
−
アングル弁
−
玉形弁
−
逆止め弁
−
安全弁
−
仕切り弁
−
バタフライ弁
−
フート弁
−
ボールタップ
−
手動膨張弁
−
自
動
膨
張
弁
一般
−
温度式
(外部均圧形)
−
温度式
(内部均圧式)
−
定圧式
−
電子式
−
フロート式
−
フロート式
(遠心冷凍機用)
−
液噴射弁
−
キャピラリチューブ
−
操
作
弁
動力操作弁一般
−
ダイアフラム弁
−
ダイアフラム
三方弁
−
シリンダー式
−
6
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バルブの種類
図記号
備考
フロート式
−
電
動
弁
電動弁
−
電動三方弁
−
電動四方弁
−
電
磁
弁
電磁弁
−
電磁三方弁
−
電磁四方弁
−
調
整
弁
調整弁一般
−
蒸発圧力
−
吸入圧力
−
凝縮圧力
又は
定圧圧力
−
容量
−
油圧圧力
−
制水弁
(圧力式)
−
制水弁
(温度式)
−
9. コックの表し方 コックは,表7の図記号によって表す。コックと管の結合方式を,特に示したい場
合には,結合方式を表す図記号と組み合わせて用いる。
表7 コックの表し方
コックの種類
図記号
備考
コック
−
三方コック
−
7
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コックの種類
図記号
備考
四方コック
−
10. 配管附属品の表し方 配管附属品は,表8の図記号によって表す。
表8 配管附属品の表し方
附属品の種類
図記号
備考
ストレーナ
−
ドライヤ
−
フィルタドライヤ
−
サイトグラス
−
スプレー
−
11. 圧縮機の表し方 圧縮機は,表9の図記号によって表す。
表9 圧縮機の表し方
圧縮機の種類
図記号
備考
一般
必要がある場合には,種類を明記す
る。
密閉形一般
ロータリ形一般
スクリュー形
又は
遠心形
往復形
12. 熱交換器の表し方 熱交換器は,図7の図記号によって表す。
図7 熱交換器の表し方
8
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13. 圧力容器の表し方 圧力容器は,図8の図記号によって表す。
図8 圧力容器の表し方
14. 制御機器の表し方 制御機器は,表10の図記号によって表す。
表10 制御機器の表し方
制御機器の種類
図記号
備考
圧力スイッチ
−
高圧圧力スイッチ
−
低圧圧力スイッチ
−
高低圧圧力スイッチ
−
油圧保護圧力スイッチ
−
差圧圧力スイッチ
−
レベルスイッチ
−
フロースイッチ
−
サーモスタット
−
ヒュミディスタット
−
15. 計器の表し方 計器は,表11の図記号によって表す。ただし,機能などを詳細に表す必要がある場合
には,これによらなくてもよい。
表11 計器の表し方
計器の種類
図記号
備考
計
器
計器一般
−
現場取付け
現場取付けとパネル取付けとを区別
する必要がない場合には,すべて現
場取付けの図記号を用いる。
パネル取付け
セ
ン
サ
圧力センサ
−
温度センサ
−
流量センサ
−
9
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
計器の種類
図記号
備考
液面センサ
−
圧力計
−
温度計
−
流量計
−
液面計
−
圧力指示計
−
温度指示計
−
流量指示計
−
液面指示計
−
16. 破裂板及び溶栓の表し方 破裂板は図9,溶栓は図10の図記号によって表す。
図9 破裂板
図10 溶栓
17. 附属機器の表し方 附属機器は,表12の図記号によって表す。ただし,種類を明示する必要がある場
合には,その名称を付記する。
表12 附属機器の表し方
附属機器の種類
図記号
備考
ポンプ
−
送風機
−
10
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS B 8601(冷凍用図記号)改正原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
樋 口 金次郎
元東京農工大学工学部
(幹事)
五 島 正 雄
東京商船大学交通機械工学講座
穐 山 貞 治
工業技術院標準部
橋 本 進
財団法人日本規格協会技術部
栗 須 芳 孝
三菱電機株式会社住環境事業本部
岡 田 伴 雄
株式会社鷺宮製作所狭山開発センター
大 塚 五十志
株式会社東洋製作所品質保証室
安 達 晏 之
木下工業株式会社
辻 健 次
ダイキン工業株式会社汎用空調生産本部
堀 内 敬 一
三菱重工業株式会社エアコン製作所技術部
上 倉 正 教
株式会社日立空調システム清水生産本部
柴 田 稜威夫
三機工業株式会社業務統括室
大 田 睦 夫
高砂熱学工業株式会社東京本店設計2部
山 本 明 夫
三菱電機ビルテクノサービス株式会社技術本部
(事務局)
児 玉 岩 男
社団法人日本冷凍空調学会