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B 8481: 1999

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによって JIS B 8481: 1980 は改正され,この規格に置き換えられる。


日本工業規格

JIS

 B

8481

: 1999

室内温度調節器

Room thermostats

1.

適用範囲  この規格は,主に人の居住する室内の壁面に単独に取り付けて,室内温度を検出し,空調

機器を制御するもので,機械的な変位により電気接点の開閉を行う機構を内蔵した室内温度調節器  (1)

(以下,調節器という。

)について規定する。

(

1

)

ルームサーモスタットともいう。

備考  この規格の引用規格を付表 に示す。

2.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

a)

温度設定点  室温制御の目標値となる温度であって,調節器の温度設定目盛に設定ダイヤル,設定ノ

ブなどを用いて設定する温度値。

b)

固有入り切り温度差  設定ダイヤル,設定ノブなどを手動によって操作したときに,接点が開状態に

なるときの温度目盛値と,接点が閉状態になるときの温度目盛値との差。

c)

作動加速加熱器  検出部周辺の温度を室内温度より速く上昇させることにより,調節器の作動を加速

する目的で調節器内に組み込む加熱器。

3.

種類及び記号  調節器の種類及び記号は,定格電圧,定格電流,用途・温度目盛の最小範囲,温度設

定点及び作動加速加熱器の有無によって区分し,次による。

a)

定格電圧による区分  定格電圧による区分は,表 による。

なお,定格周波数は 50 Hz 及び 60 Hz 共用とする。

表 1  定格電圧による区分

単位  V

記号

定格電圧

24V 24

125V 125

250V 250

b)

定格電流による区分  定格電流による区分は,表 による。


2

B 8481: 1999

表 2  定格電流による区分

単位  A

記号

定格電流  (

2

)

1A 1

1.5A 1.5

2A 2

2.5A 2.5

3A 3

5A 5

6A 6

10A 10

(

2

)

定格電流は,負荷が誘導負荷の場合の
接点の電流をいう。

c)

用途・温度目盛の最小範囲による区分  用途・温度目盛の最小範囲による区分は,表 による。

表 3  用途・温度目盛の最小範囲による区分

単位  ℃

記号

用途

温度目盛の最小範囲

H

暖房専用 15∼25

L

冷房専用 20∼30

C

暖房・冷房兼用 15∼30

S

暖房・冷房切換用 15∼30

d)

温度設定点による区分  温度設定点による区分は,表 による。

表 4  温度設定点による区分

記号

温度設定点

U

温度変化を与えたときの入り切り温度差
の高温側を設定点とするもの。

D

温度変化を与えたときの入り切り温度差
の低温側を設定点とするもの。

e)

作動加速加熱器の有無による区分  作動加速加熱器の有無による区分は,表 による。

表 5  作動加速加熱器の有無による区分

記号

作動加速加熱器の有無

A

あり

N

なし


3

B 8481: 1999

4.

性能  調節器の生能は,10.の規定によって試験し,表 に適合しなければならない。

表 6  性能

項目

性能

試験方法

設定精度

±2.5  ℃であること  (

3

)

10.3.2

固有入り切り温度差 2

℃以内であること  (

3

)

10.3.3

24 10

M

Ω以上であること。

絶縁抵抗

定格電圧

V

125,  250

50 M

Ω以上であること。

10.4

耐電圧

規定電圧に耐えること。

10.5

異状がないこと。

精度変化

変化が 3  ℃以下であること。

絶縁抵抗 10

M

Ω以上であること。

耐熱性

耐電圧

規定電圧に耐えること。

10.6

異状がないこと。

精度変化

変化が 3  ℃以下であること。

絶縁抵抗 10

M

Ω以上であること。

耐寒性

耐電圧

規定電圧に耐えること。

10.7

絶縁抵抗 10

M

Ω以上であること。

耐湿性

耐電圧

規定電圧に耐えること。

10.8

異状がないこと。

精度変化

変化が 3  ℃以下であること。

絶縁抵抗 10

M

Ω以上であること。

耐振性

耐電圧

規定電圧に耐えること。

10.9

異状がないこと。

精度変化

変化が 3  ℃以下であること。

絶縁抵抗 10

M

Ω以上であること。

耐衝撃性

耐電圧

規定電圧に耐えること。

10.10

支障が生じていないこと。

精度変化

変化が 4  ℃以下であること。

絶縁抵抗 10

M

Ω以上であること。

耐久性

耐電圧

規定電圧に耐えること。

10.11

銀又は銀合金 65

℃以下であること  (

4

)

接点温度上昇

接点材料

その他 40

℃以下であること。

10.12

(

3

)

作動加速加熱器付きのものにあっては,この数値は受渡当事者間の協定による。

(

4

)

接点材料が銀又は銀合金で異種の金属にはり合せなどを行ったもので,銀又は銀合金の厚さが 0.3 mm
以上のものに適用する。

5.

構造

5.1

構造一般  調節器の構造は,次による。

a)

接点は,開閉作動が円滑で,かつ,電気的接触が完全であること。

b)

端子部は,電線との接続が容易に行えるものであること。

c)

温度設定機構は,円滑に作動し,かつ,振動及び衝撃によって設定位置が容易に移動しないこと。

d)

ねじ,リベットなどで締め付けて電流を通す接続部分は,電気的接続が確実であること。

e)

接地するおそれがある金属部のうち,接点が開閉したときアークの達するおそれがある部分には,耐

アーク性の電気絶縁物が使用してあること。

f)

端子記号は,容易に消えない方法で表示すること。ただし,暖房専用及び冷房専用のものにあっては,

端子記号を表示しなくてもよい。


4

B 8481: 1999

g)

機能上有害なさびが発生しやすい部分には,適切なさび止めが施してあること。

h)

接地端子を設けるものにあっては,黄銅製の呼び M4 以上の端子ねじが使用してあること。かつ,そ

の近傍に図記号

又は文字記号 PE を表示すること。

i)

外郭の電線引込口は,電線の絶縁物を損傷するおそれがない形状及び構造であること。

j)

壁面又は JIS C 8336 に規定するスイッチボックス,ボックスカバーなどへの取付けが,容易,かつ,

確実に行えるものであること。

k)

調節器は,取り付けられた状態で,外部から

図 に示す試験指を差し込んでも,充電金属部に容易に

触れられない構造であること。

また,ドライバーなどの工具を使用しないでカバーを着脱できるものでは,カバーを取り外した状

態で充電金属部に容易に触れられない構造であること。ただし,定格電圧が 24 V のものは,この限り

でない。

図 1  試験指

l)

電線の接続に端子ねじを使用するものにあっては,端子ねじの呼びは,定格電流との関係を考慮し

7

に示す値とする。ただし,定格電圧が 24 V のものは,この限りでない。

表 7  端子ねじの呼び

定格電流 A

呼び

                  7

以下 M3.5 以上

(M3 以上)

7

を超え 10 以下 M3.5 以上

備考1.  括弧内の数値は,コードを接続するものに

適用する。

2.

ねじの呼びは,JIS B 0123 による。

m)

電線の接続に端子ねじを使用するものにあっては,端子ねじの作用している山数が 2 山以上であるこ

と。

n)

器体の外被の材料が絶縁体を兼ねる場合には,絶縁物の厚さは,0.8 mm 以上であること。ただし,壁

面などに取り付けた状態で,容易に人が触れるおそれがない取付面側に設ける外郭に用いる絶縁物の

厚さは,0.5 mm 以上とする。


5

B 8481: 1999

o)

室内温度を検出する方法は,以下のとおりとする。

1)

ガスをシールドベローズに封入して,ガスの圧力変化によって温度を検出するシールドベローズ形

2)

ガスをダイアフラムに封入して,ガスの圧力変化によって温度を検出するダイアフラム形

3)

膨張率の異なる 2 枚の金属板を張り合わせて,金属板の変位で温度を検出するバイメタル形

各々の代表的な構造例を

参考図 1,  参考図 2,  参考図 に示す。

5.2

絶縁距離  充電部と非充電金属部との間の絶縁距離は,表 の値以上でなければならない。ただし,

定格電圧が 24 V のもので,構造上やむをえないものは,この限りでない。

表 8  絶縁距離

単位 mm

定格電圧 V

24

125

250

固定している部分であって,じんあいが侵入

し難く,かつ,金属粉が付着し難い箇所

 1.2

 1.5

2

電線取付端子部

その他の箇所

 1.5

 2.5

3

固定している部分であって,じんあいが侵入
し難く,かつ,金属粉が付着し難い箇所

 1.2

 1.5

2

充電部と接地するおそれがある非充電金属部 
又は人が触れるおそれがある非金属部の表面
との間

その他の箇所

 1.2

2

 2.5

使用者が接続する端子部間

3 6

6.

外形寸法  調節器の外形寸法は,取付基板及び温度設定ダイヤル又はレバーを含む最大寸法で,図 2

及び

図 に示す値以下であること。

図 2  角形 


6

B 8481: 1999

図 3  丸形

7.

外観  調節器の外観は,各部の仕上げが良好で,割れ,使用上有害なきず,さび,ばりなどの欠点が

あってはならない。

なお,使用上有害なさびが発生するおそれがある材料には,適切なさび止めを施さなければならない。

8.

材料  調節器の材料は,次による。

a)

通常の使用状態で十分な機械的強度をもち,かつ,使用温度に十分耐えるものであること。

b)

鉄及び鋼(ステンレス鋼を除く。

)には,めっき,塗装,油焼きなどのさび止めを施してあること。た

だし,酸化することにより性能に支障を及ぼすことがない部分に使用するものにあっては,この限り

でない。

c)

電気絶縁物は,これに近接又は接触した部分の温度に十分耐え,かつ,吸湿性の少ないものであるこ

と。

d)

接点には,銀,銀合金,銅,銅合金若しくはこれらと同等以上の材料又は水銀を使用すること。

e)

導電部分は,銅,銅合金又はこれと同等以上の電気的,機械的及び熱的な安定性をもつものであるこ

と。ただし,機能上やむをえない部分であって,危険が生じるおそれがない部分はこの限りでない。

f)

室内温度を検出する部分には,機械的及び熱的な安定性をもつものを使用すること。

g)

室内温度を検出する部分にシールドベローズ又はダイアフラムを用い,それに封入されたガスの圧力

変化又は体積変化によって温度変化を検出するものでは,その封入ガス体は,熱的な安定性をもつも

のであること。

h)

作動加速加熱器に使用する発熱体は,電気的及び熱的な安定性をもつものでなければならない。

9.

附属品  調節器に取付基板が附属するものにあっては,取付基板の取付穴間隔及び取付穴径は,JIS C 

8336

に適合するものであること。

なお,取付基板は仕上げが良好で,割れ,使用上有害なさび,ばりなどの欠点がないものとし,かつ,

材料が金属であって有害なさびが発生するおそれがあるものには,適切なさび止めを施さなければならな

い。

10.

試験


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B 8481: 1999

10.1

試験一般

10.1.1

試験条件  調節器の試験条件は,別に規定する場合を除き,次による。

a)

周囲温度は,15∼35  ℃とする。

b)

相対湿度は,25∼75 %とする。

c)

基準大気圧は,101.3 kPa とする。

d)

電源は,定格電圧及び定格周波数とする。

10.1.2

供試調節器の試験の区分  供試調節器の試験の区分は,表 による。各区分ごとに同一の供試調節

器について共通項目と特定項目の試験を行う。

表 9  供試調節器の試験の区分

区分

共通項目

特定項目

1

耐熱性,耐寒性,耐湿性

2

耐振性,耐衝撃性

3

設定精度, 
固有入り切り温度差, 
絶縁抵抗,耐電圧

耐久性,接点温度上昇

備考  特定項目の性能は,各試験ごとにその前後の変化で評価する。

10.1.3

試験前の準備作動  供試調節器の設定精度試験,固有入り切り温度差試験などを行う場合には,供

試調節器の温度設定機構を手動により操作し,接点を数回開閉させる。

10.2

温度試験装置  温度試験装置は,次による。

a)

試験装置は,

図 に示すような温度試験室又は温度試験槽とする。

図 4  試験装置

b)

試験室又は試験槽内の温度は,試験に支障がないように維持されること。

c)

供試調節器の近傍の温度は,供試調節器の試験温度に維持され,かつ,1 時間に±1  ℃以上変動しな

いものとする。

d)

供試調節器の近傍の気流の速度は,0.5 m/s 以下とする。

e)

温度計は,最小目盛値が 0.1  ℃以下のものを使用する。

f)

気流の速度は,JIS T 8202 の最大目盛値が 2 m/s 以下のもの,又はそれと同等以上のものを用いて測

定する。

g)

温度計と供試調節器とは,試験に支障がない程度で,垂直方向,水平方向ともに近接させる。

10.3

温度試験


8

B 8481: 1999

10.3.1

温度試験条件  温度試験は,10.2 に示す温度試験装置内で供試調節器の試験温度を,当該供試調節

器の調節温度目盛範囲の中央部分の値に設定して,供試調節器の検出部の温度が周囲の空気温度とほぼ等

しくなるまで放置した後,手動で温度設定機構を操作して行う。また,試験に際しては,供試調節器に体

温の影響を与えないように留意する。

10.3.2

設定精度試験  設定精度試験は,10.3.1 の方法により接点が開状態又は閉状態となるときの設定目

盛の温度値を読み取り,その値と温度計の指示値との差を調べる。

10.3.3

固有入り切り温度差試験  固有入り切り温度差試験は,10.3.2 の方法によって接点が開状態になる

ときの設定目盛の温度値と,閉状態になるときの設定目盛の温度値との差を調べる。

10.4

絶縁抵抗試験  絶縁抵抗試験は,JIS C 1302 に規定する 500 V 絶縁抵抗計によって,充電部と非充

電金属部との間の絶縁抵抗を測定する。

10.5

耐電圧試験  耐電圧試験は,充電部と非充電金属部との間に表 10 に示す試験電圧の 50 Hz 又は 60 Hz

の正弦波に近い電圧を 1 分間連続して加え,これに耐えるかどうかを調べる。ただし,多数個のときは,

表 10 に示す試験電圧の値の 120 %の電圧を 1 秒間加えることによって,これに代えることができる。

表 10  試験電圧

単位  V

定格電圧

試験電圧

24 500

125 1

000

250 1

500

10.6

耐熱性試験  耐熱性試験は,供試調節器を 50±2  ℃の恒温槽内に 48 時間放置した後,取り出し,

10.1.1

のふん囲気中に 1 時間放置後,割れ,ふくれ,変形などの異状の有無を調べ,かつ,10.3.2 の試験を

行い,精度の変化を調べ,更に 10.4 及び 10.5 の試験を行う。

10.7

耐寒性試験  耐寒性試験は,供試調節器を−20±2  ℃の恒温槽内に 48 時間放置した後,取り出し,

10.1.1

のふん囲気中に 1 時間放置後,割れ,ふくれ,変形などの異状の有無を調べ,かつ,10.3.2 の試験を

行い,精度の変化を調べ,更に 10.4 及び 10.5 の試験を行う。

10.8

耐湿性試験  耐湿性試験は,供試調節器を周囲温度 40±3  ℃,相対湿度 90∼95 %の槽内に 48 時間

放置した後,取り出し,通風の良好な場所で 10.1.1 のふん囲気中に 1 時間放置後,10.4 及び 10.5 の試験を

行う。

10.9

耐振性試験  耐振性試験は,機械的に十分な強度をもつ水平な取付板に,供試調節器を輸送中と同

等の包装状態のままで,又は受渡当事者間で取り決めた条件に従って固定し,JIS C 0040 に規定する振動

を上下方向,左右方向及び前後方向にそれぞれ 1 時間加えた後,機能上支障がある割れ,変形及び締付部

のゆるみなどの異状の有無を調べ,かつ,10.3.2 の試験を行い,精度の変化を調べ,更に 10.4 及び 10.5 

試験を行う。

10.10

耐衝撃性試験  耐衝撃性試験は,供試調節器を輸送中と同等の包装状態のままで,又は受渡当事者

間で取り決めた条件に従い,JIS Z 0200 に規定するレベル II の試験を行った後,機能上支障がある割れ,

変形,その他の異状の有無を調べ,かつ,10.3.2 の試験を行い,精度の変化を調べ,更に 10.4 及び 10.5 

試験を行う。ただし,受渡当事者間の協定により,包装を除去して試験を行うものは,490 m/s

2

の衝撃を

上下,左右,前後方向にそれぞれ 1 回加える。

衝撃試験機を用いて行う場合は,JIS C 0041 による。


9

B 8481: 1999

10.11

耐久性試験  耐久性試験は,供試調節器を表 11 に示す順序及び条件で接点の開閉作動を行い,割れ,

変形,ふくれなど機械的異状及び接点の開閉など電気的異状の有無を調べ,かつ,10.3.2 の試験を行い,

精度の変化を調べ,更に 10.4 及び 10.5 の試験を行う。

なお,開閉作動は,空気圧,カムなどを用いた機械的な方法によってもよい。

突入電流は,

表 12 による。ただし,受渡当事者間の協定により,表 13 の条件 1 又は 2 で試験を行って

もよい。

表 11  耐久性試験

試験条件

開閉作動

順序

電流

負荷の力率

回数

速度

閉作動時間

1

突入 0.4∼0.5 200 回

2

定格 0.7∼0.8 30

000

約 6 回/分以下

約 1 秒

表 12  突入電流

定格電流 A

突入電流

                  6

以下

定格の 6 倍

6

を超え 10 以下

定格の 5 倍

表 13  耐久性試験(受渡当事者間の協定による場合)

開閉作動

条件

負荷

電流

突入電流

負荷の力率

回数

速度

1

誘導

定格の 6 倍

0.6

2

抵抗

定格

− 1

30 000

6

回/分以下

10.12

接点温度上昇試験  接点温度上昇試験は,10.11 の耐久性試験後,接続端子に表 14 の電線を接続し,

定格電流に等しい電流を連続通電して,各部の温度かほぼ一定となったときの接点部の温度を JIS C 1602

に規定する素線径 0.32 mm の階級 0.75 級の熱電対を用い,JIS Z 8704 に規定する C 級測定方式によって測

定する。

なお,

接点に水銀を使用しているものは,

水銀を封入してあるガラス管の導体引出部の温度を測定する。

表 14  接点温度上昇試験の電線

試験電流 A

6

以下 10 以下

導体径  mm 1.0  1.2

接続電線の太さ

公称断面積  mm

2

 0.75

1.25

JIS C 3307

接続電線の種類

JIS C 3316

11.

検査

11.1

形式検査  調節器の形式検査は,次の各項目の検査を行ったとき,4.,  5.及び 7.の規定に適合しなけ

ればならない。

a)

外観

b)

構造

c)

設定精度

d)

固有入り切り温度差

e)

絶縁抵抗

f)

耐電圧


10

B 8481: 1999

g)

耐熱性

h)

耐寒性

i)

耐湿性

j)

耐振性

k)

耐衝撃性

l)

耐久性

m)

接点温度上昇

11.2

受渡検査  調節器の受渡検査は,形式検査に合格し,性能が確認された調節器と同種類のものにつ

いて次の各項目の検査を行ったとき,4.及び 7.の規定に適合しなけれなばならない。

なお,受渡当事者間の協定により,検査項目を変更又は省略してもよい。

a)

外観

b)

設定精度

c)

絶縁抵抗

d)

耐電圧

12.

包装  調節器は,保存中及び輸送中に機能上有害な振動,衝撃が調節器に加わらないように包装する。

13.

製品の呼び方  調節器の呼び方は,規格番号,定格電圧,定格電流,用途・温度目盛の最小範囲,温

度設定点,作動加速加熱器の有無の記号の順で表す。

  :暖房専用の場合

暖房・冷房兼用の場合

暖房・冷房切換の場合


11

B 8481: 1999

14.

表示  表示は,容易に消えない方法で,調節器のカバーを取り外したとき見やすい箇所に次の事項を

表示する。

a)

定格電圧

b)

定格電流

c)

用途・温度目盛の最小範囲

d)

温度設定点

e)

作動加速加熱器の有無

f)

製造業者名又はその略号

g)

製造年月日又はその略号

備考  a)から e)までは,13.の規定により表示する。

15.

取扱い上の注意事項  調節器の取付説明書,取扱説明書などのいずれかに,次の事項を明記する。

a)

調節器は,室温が適切に検出できる箇所に取り付けることとし,次の箇所に取り付けることは,でき

る限り避ける。

1)

冷暖房装置の吹き出し気流が直接当たる箇所。

2)

直射日光が当たる箇所。

3)

外気温度,直射日光などにより温度が変動しやすい壁体の表面。

4)

とびら,窓などの近くで室外空気に触れやすい箇所。

5)

とびら,窓などの開閉による振動及び衝撃を受けやすい箇所。

b)

取付状態に指定があるものは,その指定に準じる。

c)

温度設定目盛には,若干の許容差があるので,使用に際しては,室温を測定して設定点の修正を行う。

付表 1  引用規格

JIS B 0123

ねじの表し方

JIS C 0040 

環境試験方法−電気・電子−正弦波振動試験方法

JIS C 0041

環境試験方法−電気・電子−衝撃試験方法

JIS C 1302

絶縁抵抗計

JIS C 1602

熱電対

JIS C 3307 600

V

ビニル絶縁電線  (IV)

JIS C 3316

電気機器用ビニル絶縁電線

JIS C 8336

埋込配管用の附属品(電線管用)

(廃止)

JIS T 8202

一般用熱式風速計

JIS Z 0200

包装貨物−評価試験方法通則

JIS Z 8704

温度測定方法−電気的方法


12

B 8481: 1999

番号

名称

1

器体

2

カバー

3

設定ノブ

4

シールドベローズ

5

スイッチ

6

取付穴

7

設定軸

8

設定目盛

9

設定指針

参考図 1  シールドベローズ形の構造の一例


13

B 8481: 1999

番号

名称

1

器体

2

カバー

3

設定ダイヤル

4

ダイアフラム

5

スイッチ

6

作動レバー

7

作動レバー

8

ベースプレート

参考図 2  ダイアフラム形の構造の一例

番号

名称

1

器体

2

カバー

3

設定レバー

4

バイメタル

5

スイッチ

6

取付穴

7

作動加速加熱器

8

設定目盛

9

磁石

10

カバー止めみぞ

11

調整ねじ

参考図 3  バイメタル形の構造の一例


14

B 8481: 1999

JIS B 8481

(室内温度調節器)改正原案委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

竹  中  俊  夫

東京工業大学名誉教授

(副委員長)

村  田  和  彦

株式会社山武

(幹事)

高  木  幸  一

株式会社鷺宮製作所

新  見  清  勝

株式会社トキメックビルシステム

(委員)

小  谷  泰  久

通商産業省機械情報産業局素形材産業室

八  田      勲

工業技術院標準部

加  山  英  男

財団法人日本規格協会

飯  田  勝  久

社団法人日本冷凍空調工業会

山  本  次  郎

日本暖房機器工業会

花  田  雄  一

株式会社東芝

関          修

株式会社日立製作所

長  縄  博  之

松下精工株式会社

林          弘

伸和コントロールズ株式会社

田  中  彰  一

東洋ロバートショウ株式会社

鳴  海  眞  人

能美防災株式会社

田  辺      司

横河ジョンソンコントロールズ株式会社

井  上  隆  史

日電工業株式会社

檜  山  次  雄

日本ランコ株式会社

土  屋  松  男

株式会社不二工機

(事務局)

鈴  木  孝  雄

日本自動機器工業会

備考  ○印は,分科会委員も兼ねる。