B 8472:2008
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1 適用範囲 ························································································································· 1
2 引用規格 ························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 種類······························································································································· 2
5 性能······························································································································· 3
6 構造······························································································································· 3
7 外観······························································································································· 5
8 材料······························································································································· 5
9 試験方法 ························································································································· 5
9.1 作動試験 ······················································································································ 5
9.2 耐圧試験 ······················································································································ 5
9.3 内部漏れ試験 ················································································································ 5
9.4 流量特性試験 ················································································································ 5
9.5 許容最高温度試験 ·········································································································· 5
9.6 絶縁抵抗試験 ················································································································ 5
9.7 耐電圧試験 ··················································································································· 5
9.8 耐久試験 ······················································································································ 6
10 検査方法 ······················································································································· 6
10.1 形式検査 ····················································································································· 6
10.2 受渡検査 ····················································································································· 6
11 包装 ····························································································································· 7
12 製品の呼び ···················································································································· 7
13 表示 ····························································································································· 7
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(2)
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本自動機器工業
会 (JAC) 及び財団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの
申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS B 8472 : 1994は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は
もたない。
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日本工業規格 JIS
B 8472:2008
蒸気用電磁弁
Steam pipe line-Solenoid valves
1
適用範囲
この規格は,蒸気を流す管路に使用し,開閉機能をもつ,次の仕様の蒸気用電磁弁(以下,電磁弁とい
う。)について規定する。
a) 作動圧力差
0〜1.0 MPaの範囲の間にあるもの。
b) 最高許容圧力 1.0 MPa以下
c) 周囲温度
5〜50 ℃
d) 許容流体温度 184 ℃以下
注記 圧力の値は,ゲージ圧とする。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0100 バルブ用語
JIS B 0203 管用テーパねじ
JIS B 2005-2-3 工業プロセス用調節弁−第2部:流れの容量−第3節:試験手順
JIS B 2220 鋼製管フランジ
JIS B 2239 鋳鉄製管フランジ
JIS B 2240 銅合金製管フランジ
JIS C 1302 絶縁抵抗計
JIS C 4003 電気絶縁の耐熱クラス及び耐熱性評価
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 0100によるほか,次による。
3.1
蒸気
水蒸気であって,飽和蒸気及び過熱蒸気。
3.2
作動圧力差
電磁弁が作動し得る入口側圧力と出口側圧力との差。
3.3
作動圧力差範囲
2
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作動圧力差の上限と下限との範囲。
4
種類
電磁弁の種類は,作動方式,電源,口径の呼び及び接続方法によって表1,表2及び表3のとおり区分
する。
表1−作動方式による種類
種類
区分内容
直動式
電磁力によって直接弁体を開閉する方式(図1参照)。
パイロット
作動式
電磁力によってパイロット弁を作動し,弁体上部圧力と入口側
圧力との圧力差で弁体を開閉する方式(図2参照)。
表2−電源による種類
定格電圧
交流24 V,100 V,110 V,200 V,220 V
定格周波数
50 Hz専用形,60 Hz専用形,50/60 Hz共用形,50/60 Hz選択形
表3−口径の呼び及び接続方法による種類
口径の呼び
接続方法
ねじ継手
フランジ継手
8A
Rc ¼
−
10A
Rc ⅜
−
15A
Rc ½
15A
20A
Rc ¾
20A
25A
Rc 1
25A
32A
Rc 1¼
32A
40A
Rc 1½
40A
50A
Rc 2
50A
3
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5
性能
電磁弁の性能は,箇条9に規定する試験を行ったとき,表4の規定に適合しなければならない。
表4−性能
項目
性能
試験方法
作動
円滑に作動し,異常音が生じてはならない。
9.1
耐圧
破壊,き裂,外部漏れ又は異常な変形が生じてはならない。
9.2
内部漏れ
口径の呼び
空気漏れ量L/min (ANR) a)
9.3
8A〜20A
0.6 以下
25A
1.2 以下
32A,40A
2.5 以下
50A
3.7 以下
流量特性
受渡当事者間の協定による値を満足しなければならない。ただし,その値は,
KV値又はCV値による。
9.4
許容最高温度
電気絶縁部の耐熱クラスb)
許容最高温度 (℃)
9.5
F
155
H
180
絶縁抵抗
5 MΩ以上でなければならない。
9.6
耐電圧
1分間耐えなければならない。
9.7
耐久
10万回の開閉動作を行った後,上記の全項目を満足しなければならない。
9.8
注記1 KV値とは, 容量係数の一つで,特定のトラベルにおいて圧力差が105 Pa (1 bar) のときバルブを流れる5〜
40 ℃の温度の水の流量をm3/hで表す数値をいう。
注記2 CV値とは,容量係数の一つで,特定のトラベルにおいて圧力差が1 lbf/in2のときバルブを流れる40〜100 °F
の温度の水の流量をUSgal/minで表す数値をいう。
注a) 標準参考空気の状態(温度20 ℃,絶対圧100 kPa,相対湿度65 %の空気の状態)を示す。
b) 電気絶縁部の耐熱クラスは,JIS C 4003による。
6
構造
電磁弁は,図1及び図2に示すような構造で,かつ,次による。
a) 電源の接続が容易な構造でなければならない。
b) 充電部と非充電金属部とは,十分に絶縁されていなければならない。また,裸の充電部分は,カバー
などで人体から保護しなければならない。
c) 通常の工具で,電磁コイルの交換並びに弁体及び弁座の分解点検ができ,かつ,リサイクルがしやす
い構造でなければならない。
d) 電磁弁の弁箱に使用するねじ継手のねじはJIS B 0203,フランジ継手のフランジはJIS B 2220,JIS B
2239又はJIS B 2240による。
4
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番号
名称
番号
名称
1
弁箱
5
プランジャ
2
弁座
6
電磁コイル
3
弁体
7
ハウジング
4
上ぶた
図1−直動式(例)
番号
名称
番号
名称
1
弁箱
6
電磁コイル
2
弁座
7
ハウジング
3
弁体
8
パイロット弁座
4
上ぶた
9
パイロット弁
5
プランジャ
図2−パイロット作動式(例)
5
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7
外観
電磁弁の仕上がりは良好で,きず,割れ,鋳巣,ばりなどがあってはならない。
8
材料
電磁弁に使用する材料は,その使用状態において,箇条5を満足するものでなければならない。また,
さびが生じるおそれがある材料には,用途に応じたさび止め処理を施さなければならない。
なお,人体に悪影響を及ぼす有害物質を含まない材料を選定することが望ましい。
9
試験方法
9.1
作動試験
電磁弁の出口側を開放にして,入口側にその電磁弁の最高及び最低作動圧力差に等しい圧力の蒸気を加
え,定格電圧の90 %及び110 %の電圧で電磁弁の開閉作動を行い,円滑に作動するかどうか,また,異常
音が生じないかどうかを調べる。
なお,電源電圧を降下させたとき,定格電圧の10 %の電圧に到達する前に,電磁弁は自動的に閉まらな
ければならない。
9.2
耐圧試験
電磁弁を開の状態で適切に保持し,空気が残らないように弁箱内に水を満たしてから,その電磁弁の最
高許容圧力の1.5倍の圧力を15秒間以上加えたとき,破壊,き裂,外部漏れ又は異常な変形が生じないか
どうかを調べる。
9.3
内部漏れ試験
電磁弁を閉の状態で出口側を開放し,入口側に0.05 MPa以上で,その電磁弁の最高作動圧力差以下の空
気を加えたときの漏れ量を調べる。
なお,実際の作動圧力差が0.05 MPa未満の場合の漏れ量は,受渡当事者間の協定による。
9.4
流量特性試験
電磁弁を全開の状態にし,入口側と出口側との圧力差及び流量を測定して,流量特性を求める。試験方
法は,JIS B 2005-2-3による。
9.5
許容最高温度試験
電磁弁を配管に取り付けた状態で,許容流体温度の蒸気を流し,定格電圧,定格周波数で連続通電する。
電磁コイル温度がほぼ一定の状態に達したとき,抵抗法によって電磁コイルの温度上昇値を測定し,その
値に周囲温度の最高値 (50 ℃) を加え,最高温度を算出する。
なお,試験に影響を与える気流があってはならない。
9.6
絶縁抵抗試験
JIS C 1302に規定された500 V絶縁抵抗計によって,充電部と非充電金属部との間の絶縁抵抗を測定す
る。
9.7
耐電圧試験
9.6の試験後,充電部と非充電金属部との間に,表5に示す50 Hz又は60 Hzの正弦波の電圧を連続して
1分間加え,これに耐えるかどうかを調べる。
6
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表5−試験電圧
単位 V
定格電圧
試験電圧
30以下
500
30を超え 125以下
1 000
125を超え 250以下
1 500
9.8
耐久試験
電磁弁に最高作動圧力差の蒸気を加え,定格電圧で10万回の開閉を行った後,9.1〜9.7の試験を行う。
10 検査方法
10.1 形式検査
形式検査は,新規の設計又は大幅な設計変更とみなされるものについて,次の各項目について検査を行
い,箇条5〜箇条8の規定に適合すれば合格とする。
なお,検査項目d)〜k) については,箇条9の試験方法によって検査を行う。
a) 構造
b) 外観
c) 材料
d) 作動
e) 耐圧
f)
内部漏れ
g) 流量特性
h) 許容最高温度
i)
絶縁抵抗
j)
耐電圧
k) 耐久
10.2 受渡検査
10.2.1 一般
受渡検査は,10.2.2の各項目の中で購入者の指定する項目について,全数検査又は抜取検査を行い,箇
条5及び箇条7の規定に適合すれば合格とする。
なお,抜取検査方式は,受渡当事者間の協定による。
10.2.2 検査項目
a) 外観
b) 作動
c) 耐圧
d) 内部漏れ
e) 絶縁抵抗
f)
耐電圧
注記1 蒸気及び水を用いて試験を行った電磁弁と同一設計の電磁弁であれば,10.2.2 b) 及びc) の
検査は,空気又は窒素で行ってもよい。この場合,試験条件及び判定基準については,受渡
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当事者間の協定による。ただし,10.2.2 c) の検査については,最高許容圧力を超えない圧力
で行う。
注記2 耐電圧の検査は,表5の120 %の電圧を1秒間加える方法で行ってもよい。
11 包装
電磁弁には,出入口に防じん処置を施し,輸送に適した包装をしなければならない。
なお,包装材料の選定に当たってはリサイクル性のある材料を選定することが望ましい。
12 製品の呼び
電磁弁の呼びは,規格番号又は規格の名称,口径の呼び,最高許容圧力,定格電圧及び定格周波数の順
による。
例 JIS B 8472,15A,0.5 MPa,AC100 V,50 Hz
13 表示
電磁弁には,次の項目を容易に消えない方法で表示しなければならない。ただし,表示が困難な場合は,
d),e),g) 及びh) は省略してもよい。
a) 製造業者名又はその略号
b) 製品の呼び(ただし,記載の順番は問わない。)
c) 製造年月又はその略号
d) 作動圧力差範囲 (MPa)
e) 消費電力 (W) 又は定格電流 (A)
f)
流れの方向を示す矢印又は記号(例 入口側“IN”,出口側“OUT”)
g) 許容流体温度 (℃)
h) 流体名又はその略号
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参考文献
JIS B 2001 バルブの呼び径及び口径
JIS B 2003 バルブの検査通則
JIS B 2005-1 工業プロセス用調節弁−第1部:調節弁用語及び一般的必要条件
注記 対応国際規格:IEC 60534-1,Industrial-process control valves−Part 1 : Control valve terminology and
general considerations (IDT)
JIS B 8471 水用電磁弁
JIS B 8473 燃料油用電磁弁
JIS C 0704 制御機器の絶縁距離・絶縁抵抗及び耐電圧
注記1 対応国際規格:IEC 60439-1,Low-voltage switchgear and controlgear assemblies−Part 1 :
Type-tested and partially type-tested assemblies (MOD)
注記2 対応国際規格:IEC 60947-5-1,Low-voltage switchgear and controlgear−Part 5-1 : Control circuit
devices and switching elements−Electromechanical control circuit devices (MOD)
IEC 60534-4,Industrial-process control valves−Part 4 : Inspection and routine testing
IEC 60730-2-19,Automatic electrical controls for household and similar use−Part 2-19 : Particular requirements
for electrically operated oil valves, including mechanical requirements