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B 8433-1

:2007 (ISO 10218-1:2006)

(1)

目  次

ページ

序文

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

2

3

  用語及び定義

3

4

  危険源同定及びリスクアセスメント

7

5

  設計要求事項及び保護方策

7

5.1

  一般

7

5.2

  一般要求事項

8

5.3

  作動制御装置

9

5.4

  安全関連制御システム性能(ハードウェア及びソフトウェア)

9

5.5

  ロボット停止機能

10

5.6

  減速制御

11

5.7

  運転モード

11

5.8

  ペンダント制御装置

12

5.9

  同時動作制御

14

5.10

  協働運転要求事項

14

5.11

  特異点保護

15

5.12

  軸制限

15

5.13

  駆動用動力なしの移動

17

5.14

  つり上げ対策

17

5.15

  電気コネクタ

17

6

  使用上の情報

17

6.1

  一般

17

6.2

  取扱説明書

17

6.3

  表示

18

附属書 A(規定)重要危険源リスト

19

附属書 B(規定)停止時間及び停止距離の測定方法

21

附属書 C(参考)ポジションイネーブル装置の機能的特徴

23

附属書 D(参考)任意選択の機能

24

附属書 E(参考)モードのラベル化の手法

25

参考文献

26


B 8433-1

:2007 (ISO 10218-1:2006)

(2)

著作権法により無断での複製,転載等は禁止されております。

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本ロボット工業会 (JARA) 及び

財団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日

本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。


日本工業規格

JIS

 B

8433-1

:2007

(ISO 10218-1

:2006

)

産業用ロボット−安全要求事項−第 1 部:ロボット

Robots for industrial environments

−Safety requirements−Part 1: Robot

序文

この規格は,2006 年に第 1 版として発行された ISO 10218-1 を基に,技術的内容及び対応国際規格の構

成を変更することなく作成した日本工業規格である。

この規格は,産業用ロボット及び産業用ロボットシステムに現れる特定の危険源を認識して作成したも

のである。関連する機械,危険源,危険状態,及び危険事象の範囲は,この規格の適用範囲に示す。

この規格は,JIS B 9700-1 で規定するタイプ C 規格である。このタイプ C 規格の規定がタイプ A 規格又

はタイプ B 規格の規定と異なる場合は,タイプ C 規格の規定が優先する。

ロボットに関連する危険源は十分に認識されているが,危険源は,それぞれのロボットシステムに特有

のものであることが多い。危険源の数及び種類は,自動化プロセスの特性及び設置の複雑さに直接関係す

る。これらの危険源に関連したリスクは,使用するロボットの種類及び用途,並びに設置方法,プログラ

ム方法,操作方法,保全方法によって変わる。

注記 1  この規格で同定するすべての危険源は,どのロボットにも適用できるものではなく,また,

所定の危険状態に関連するリスクレベルはロボットごとに異なる。その結果として,安全要

求事項及び/又は保護方策がこの規格の規定とは異なることになるかもしれない。保護方策

の決定のためにはリスクアセスメントを実施するのがよい。

この規格は,ロボットの設計及び製造時における安全性を保証するための指針を提供する。

注記 2  騒音は工業環境に関連した危険源であると一般に考えられるが,3.18 で定義するロボットは

最終の機械ではないので,むしろ 3.20 で定義するロボットシステムについて騒音を考慮すべ

きである。

この規格は,この規格の制定日以前に製造されたロボットには適用しない。

1

適用範囲

この規格は,箇条 で定義する産業用ロボットの本質的安全設計,保護方策,及び使用上の情報のため

の安全要求事項並びに指針について規定する。

この規格は,

ロボットに関連する基本的な危険源を規定し,

これらの危険源にかかわるリスクを除去又は適切に低減するための要求事項について規定する。

潜在的な危険源としての騒音については,この規格では取り扱わない。

この規格は非産業用ロボットには適用しないが,この規格で規定する安全原則は非産業用ロボットにも

有用である。非産業用ロボットの例としては,水中ロボット,軍用ロボット,宇宙ロボット,遠隔操作マ

ニピュレータ,身体障害者用補装具・補助器具,マイクロロボット(変位 1 mm 未満)

,手術ロボット,健

康管理ロボット,サービスロボット,消費者製品などがあるが,これらに限定しない。

注記 1  特定の用途(例えば,溶接,レーザ切断,機械加工)によっては,さらなる危険源が発生す


2

B 8433-1

:2007 (ISO 10218-1:2006)

ることがある。これらの危険源は,ロボット設計時に考慮するのがよい。

注記 2  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 10218-1:2006

,Robots for industrial environments−Safety requirements−Part 1: Robot (IDT)

なお,対応の程度を表す記号(IDT)は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,一致していることを示

す。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

には適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 8432:1999

  産業用マニピュレーティングロボット−性能項目及び試験方法

注記  対応国際規格:ISO 9283:1998,Manipulating industrial robots−Performance criteria and related

test methods (IDT)

JIS B 9700-1:2004

  機械類の安全性−設計のための基本概念,一般原則−第 1 部:基本用語,方法論

注記  対応国際規格:ISO 12100-1:2003,Safety of machinery−Basic concepts, general principles for

design

−Part 1: Basic terminology, methodology (IDT)

JIS B 9700-2:2004

  機械類の安全性−設計のための基本概念,一般原則−第 2 部:技術原則

注記  対応国際規格:ISO 12100-2:2003,Safety of machinery−Basic concepts, general principles for

design

−Part 2: Technical principles (IDT)

JIS B 9702:2000

  機械類の安全性−リスクアセスメントの原則

注記  対応国際規格:ISO 14121:1999,Safety of machinery−Principles of risk assessment (IDT)

JIS B 9703

  機械類の安全性−非常停止−設計原則

注記  対応国際規格:ISO 13850:1996,Safety of machinery−Emergency stop−Principles for design

(IDT)

JIS B 9705-1:2000

  機械類の安全性−制御システムの安全関連部−第 1 部:設計のための一般原則

注記  対応国際規格:ISO 13849-1:1999,Safety of machinery−Safety-related parts of control systems−

Part 1: General principles for design (IDT)

JIS B 9715

  機械類の安全性−人体部位の接近速度に基づく保護設備の位置決め

注記  対応国際規格:ISO 13855,Safety of machinery−Positioning of protective equipment with respect

to the approach speeds of parts of the human body (IDT)

JIS B 9960-1:1999

  機械類の安全性−機械の電気装置−第 1 部:一般要求事項

注記  対応国際規格:IEC 60204-1:1997,Safety of machinery−Electrical equipment of machines−Part 1:

General requirements (MOD)

JIS C 61000-6-2

  電磁両立性−第 6 部:共通規格−第 2 節:工業環境におけるイミュニティ

注記  対応国際規格:IEC 61000-6-2,Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 6-2: Generic standards

−Immunity for industrial environments (MOD)

IEC 61000-6-4

,Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 6-4: Generic standards−Emission standard for

industrial environments


3

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:2007 (ISO 10218-1:2006)

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 9700-1 によるほか,次による。

3.1

作動制御器  (actuating control)

a)

制御装置内の機械的機構

接点を開くロッド

b)

施錠(開錠)シーケンスを始動する装置

特殊キー

3.2

自動モード  (automatic mode)

設定したタスクプログラムに従ってロボット制御装置を作動させる運転モード(JIS B 0134:1998,定義

5681

参照)

3.3

自動運転  (automatic operation)

ロボットがタスクプログラムを実行している状態(JIS B 0134:1998,定義 5670 参照)

3.4

協働運転  (collaborative operation)

特別の目的で設計したロボットが,定義した作業空間内で人間と直接協働して動く状態。

3.5

協働作業空間  (collaborative workspace)

ロボット作業セルの安全防護空間内の,生産作業中にロボットと人間とが同時に作業を遂行できる作業

空間。

3.6

協調動作  (coordinated motion)

ロボットの各軸が滑らかな運動を示しつつ各々の終端点に同時に到着するような,かつ,ツールセンタ

ポイント (TCP) が指令された経路(直線,円など)に沿って動くような各軸の運動の制御。

3.7

サイクル  (cycle)

タスクプログラム実行の一回分(JIS B 0134:1998,定義 6280 参照)

3.8

駆動用動力  (drive power)

ロボットアクチュエータ用の単一の又は複数のエネルギー源。

3.9

エンドエフェクタ  (end-effector)

ロボットがタスクを行えるように特別に設計されたメカニカルインタフェースに取り付けられる装置。

例  把持部,ナット締め具,溶接ガン,スプレーガン(JIS B 0134:1998,定義 3120 参照)。

3.10  

エネルギー源  (energy source

電気的,機械的,液圧,空気圧,化学的,熱的,位置エネルギー,運動エネルギー,又はその他の動力

源。


4

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3.11

危険な動作  (hazardous motion)

人間に肉体的危害又は健康被害を引き起こす可能性のあるあらゆる動作。

3.12

制限装置  (limiting device)

ロボットのすべての動作を直接的/間接的に止めることによって最大空間を制限し,かつ,制御プログ

ラム及びタスクプログラムから独立している装置。

3.13

局所制御  (local control)

個々の機械の制御パネル又はペンダントだけによってシステム及びシステムの一部が操作されている状

態。

3.14

手動モード  (manual mode)

位置データ点の生成,記憶,及び再生ができる制御状態(JIS B 0134:1998,定義 5682 の定義を修正)

3.15

ペンダント  (pendant)

教示ペンダント  (teach pendant)

制御装置に接続して,ロボットにプログラムを教示,又はロボットを動作させることのできる手持ちの

ユニット(JIS B 0134:1998,定義 5710 の定義を修正)

3.16

プログラム  (Programme)

3.16.1

制御プログラム  (control programme)

ロボットシステムの能力,動作及び応答を規定する固有のプログラム(JIS B 0134:1998,定義 5120 の定

義の表現を修正)

注記  制御プログラムは固定であり,通常ロボットの使用者は変更しない。

3.16.2

タスクプログラム  (task programme)

ロボットシステムの所期のタスクを規定する動作及び補助機能のプログラム

JIS B 0134:1998,

定義 5110

の定義の表現を修正)

注記 1  通常,このプログラムは使用者が作成する。

注記 2  用途とは作業の一般領域であり,タスクとは用途の中のある限定された作業のことである。

3.16.3

タスクプログラミング  (task programming)

タスクプログラム  (3.16.2)  を作成する行為(JIS B 0134:1998,定義 5210 参照)。

3.16.4

プログラマ  (programmer)

タスクプログラムを作成するために指定された人(JIS B 0134:1998,定義 1210 の定義の表現を修正)

3.16.5

プログラム経路  (programme path)


5

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タスクプログラム実行中に TCP がたどる経路。

3.16.6

プログラム検証  (programme verification)

ロボットの経路及びプロセス性能を確認するためのタスクプログラムの実行。

注記  検証は全プログラム経路又は経路の一部を含む。プログラムの命令は単一命令ごとに,又は連

続した一連の命令で実行される。検証は,新しい用途及び既存の用途の詳細な調整・編集に用

いる。

3.17

保護停止  (protective stop)

安全防護目的で動作を規則正しく中断し,再起動を容易にするためにプログラム論理を保持する運転中

止。

3.18

ロボット  (robot)

産業用ロボット  (industrial robot)

産業オートメーション用途に用いるため,位置が固定又は移動し,3 軸以上がプログラム可能で,自動

制御され,再プログラム可能な多用途マニピュレータ(JIS B 0134:1998,定義 1130 の定義を修正)

注記 1  ロボットは,次を含む。

−  マニピュレータ(アクチュエータを含む)

−  教示ペンダントを含む制御システム,及び通信インタフェース(ハードウェア及びソフト

ウェア)

注記 2  ロボットは,ロボットコントローラによって制御されるあらゆる追加軸を含む。

注記 3  この規格では,次の装置は産業用ロボットとみなす。

a)

ハンドガイドロボット

b)

移動ロボットのマニピュレータ部分

c)

協働ロボット

3.19

ロボットアクチュエータ  (robot actuator)

電気エネルギー,液圧エネルギー又は空気圧エネルギーを運動に変換する動力機構。

3.20

ロボットシステム  (robot system)

産業用ロボットシステム  (industrial robot system)

システムは,次を含む(JIS B 0134:1998,定義 1180 の定義を修正)

−  ロボット

−  エンドエフェクタ

−  ロボットがタスクを行うために必要なあらゆる設備,装置又はセンサ。

3.21

同時動作  (simultaneous motion)

単一制御ステーションの制御下における 2 台以上のロボットの同時動作。これは,協調動作又は共通の

数学的関連をもつ同期の場合がある。

例 1  単一制御ステーションの例には教示ペンダントがある。


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例 2  協調は,マスタスレーブ方式として実行することが可能である。

3.22

単一制御点  (single point of control)

ロボット動作の始動が一つの制御源からだけ可能で,かつ,他の源から優先して始動しないようにロボ

ットを運転できること。

3.23

特異点  (singularity)

ロボットの 2 軸以上が同一直線上に並ぶことによって,予測できないロボット動作及び速度を生じる条

件。

3.24

減速制御  (reduced speed control)

低速制御  (slow speed control)

人間がロボットの危険な動作から退避するか,

又はロボットを停止するのに十分な時間を与えるように,

速度が 250 mm/s 以下のロボット動作制御のモード。

3.25

空間  (space)

ロボットの全部分の全軸の動きを取り囲む三次元体積。

3.25.1

最大空間  (maximum space)

製造業者が定めたロボット可動部が届く空間に,

エンドエフェクタ及びワークが届く空間を加えた空間

JIS B 0134:1998,定義 4420 の表現を修正)

3.25.2

制限空間  (restricted space)

最大空間の一部であり,超えてはならない限度を設定する制限装置によって制限する空間(JIS B 

0134:1998

,定義 4430 の定義を修正)

3.25.3

操作空間  (operating space)

運転空間  (operational space)

制限空間の一部であり,タスクプログラムに従ったすべての運動を実行中に,実際に使用できる空間(JIS 

B 0134:1998

,定義 4440 参照)

3.25.4

安全防護空間  (safeguarded space)

周囲の安全防護装置で限定した空間。

3.26

教示(プログラミング)[teach (programming)]

次のいずれかによって行われるプログラミング(JIS B 0134:1998,定義 5230 の定義を修正)

a)

ロボットのエンドエフェクタを手動で導く。

b)

機械的なシミュレーション装置を手動で導く。

c)

教示ペンダントを使ってロボットに所望の動作をさせる。

3.27


7

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教示者  (teacher)

タスクを実行する特定のプログラムをロボットに供給する人間[

プログラマ  (3.16.4)  参照]。

3.28

ツールセンタポイント  (tool center pointTCP)

与えられた用途のためにメカニカルインタフェース座標系において定めたエンドエフェクタの代表点

JIS B 0134:1998,定義 4200)

3.29

使用者  (user)

ロボットを使用し,ロボットの運転に関連する要員に対して責任をもつ者。

4

危険源同定及びリスクアセスメント

附属書 は,ロボットにあり得る危険源リストを示す。危険源分析では,将来発生する可能性のあるあ

らゆる危険源の同定を行わなければならない。

リスクアセスメントは,同定したそれらの危険源について行わなければならない。このリスクアセスメ

ントでは,次の事項を考慮しなければならない。

a)

教示,保全,設定及び掃除を含むロボットの所期の運転

b)

予期しない起動

c)

全方向からの要員の接近

d)

合理的に予見可能なロボットの誤使用

e)

制御システムの故障の影響

f)

必要な場合は,特定のロボット用途に関連した危険源

  リスクは,最初は設計又は代替によって,次に,安全防護及び他の付加方策によって除去又は低減しな

ければならない。あらゆる残留リスクは,他の方策(例えば,警告,標識,訓練など)によって低減しな

ければならない。

箇条 の要求事項は,

附属書 に規定する危険源に対して,JIS B 9700-1:2004 の図 1,図 及び JIS B 

9700-2:2004

に規定する安全防護方策を繰り返し適用することによって得られたものである。

注記  JIS B 9700 及び JIS B 9702 は,危険源の同定及びリスク低減を実行する場合の要求事項並びに

指針を与える。

5

設計要求事項及び保護方策

5.1

一般

ロボットは,関連する危険源に対して JIS B 9700-1 に従って設計しなければならない。ただし,重要な

危険源ではあるが鋭利なエッジのような危険源については,この規格で扱わない。

ロボット及びロボットシステムは,5.25.15 の要求事項に適合するように設計・製作しなければならな

い。

注記 1  この箇条の要求事項は,次の方法又はその他の方法によって満足しているか検証が行われる。

−  A:目視検査

−  B:実用試験

−  C:測定

−  D:運転中の観察


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−  E:回路図の分析

注記 2  この箇条の中の様々な要求事項の推奨される検証方法は,上記 A∼E の検証方法に対応させ

て(検証方法例:A,B,C…)の形で各々の細分箇条の最後に記載する。

5.2

一般要求事項

5.2.1

動力伝達構成品

モータ軸,歯車,駆動ベルト又はリンクのような構成品に起因する危険源の暴露は,固定又は可動ガー

ドによって防止しなければならない。

可動ガードは,

危険源に接触する前に危険な動作が停止するように,

危険な動作に対してインタロックをしなければならない。インタロックシステムの安全関連性能は,5.4

の要求事項に適合しなければならない。

注記  (検証方法例:A,B,C)

5.2.2

動力の消失又は変化

動力の消失又は変化が,危険源となってはならない。

動力の再始動は,いかなる動作も引き起こしてはならない。

エンドエフェクタは,電気,液圧,空気圧又は真空圧の消失又は変化が危険源とならないように設計・

製作しなければならない。それが実行できない場合は,危険源に対して保護するために他の安全防護の方

法を備えなければならない。

ツール交換システムは,ツールが所定位置にあってその解放が危険源とならないときだけ,ツールの解

放を許可するよう設計・設置しなければならない。

注記 1  電源の要求事項は,JIS B 9960-1 を参照。

注記 2  (検証方法例:B,E)

5.2.3

構成品の機能不良

ロボットの構成品は,破損,緩み,又は蓄積エネルギーの放出によって生じる危険源を最小にするよう

に,設計・製作し,固定し,又は内蔵しなければならない。

注記  (検証方法例:A,B,D)

5.2.4

エネルギー源

電気的,機械的,液圧,空気圧,化学的,熱的,位置エネルギー,運動エネルギ− ,又はその他の危険

なエネルギー源をロボットから遮断するための方法を備えなければならない。この方法は,ロックするか

又はエネルギーが遮断された位置で安全を確保する能力を備えなければならない。

注記  (検証方法例:A,B,C,E)

5.2.5

蓄積エネルギー

蓄積された危険なエネルギーを制御下で放出する方法を備えなければならない。蓄積エネルギーの危険

源を同定するために,ラベルを張り付けなければならない。

注記 1  蓄積エネルギーは,空気アキュムレータ及び液圧アキュムレータ,キャパシタ,バッテリ,

ばね,カウンタバランス,フライホイールなどがある。

注記 2  (検証方法例:B,D,E)

5.2.6

電磁両立性  (EMC)

ロボットの設計・製作は,電磁妨害 (EMI),無線周波妨害 (RFI),及び静電気放電 (ESD)の影響による

危険な動作又は状態を防止するために,IEC 61000 に従って行わなければならない。

注記 1  JIS C 61000-6-2 及び IEC 61000-6-4 を参照。

注記 2  (検証方法例:A,B,C,E)


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5.2.7

電気設備

ロボットの電気設備は,JIS B 9960-1 の関連要求事項に従って設計・製作しなければならない。

注記  (検証方法例:A,B,E)

5.3

作動制御装置

5.3.1

一般

動力又は動作を始動する作動制御装置は,5.3.25.3.5 に規定する性能基準を満たすように設計・製作し

なければならない。

5.3.2

意図しない操作からの保護

作動制御装置は,意図しない操作を防止するように製作又は配置しなければならない。例えば,適切な

場所に設置したガード付き押しボタン又はキー選択スイッチを用いてもよい。

注記  (検証方法例:A,B)

5.3.3

状態表示

作動制御装置の状態は,例えば,

“動力‘入’

“障害検出”

“自動運転”のように表示しなければなら

ない。

注記  (検証方法例:A,B,D)

5.3.4

ラベル付け

作動制御装置には,その機能を明確に示すためにラベルを張り付けなければならない。

注記  (検証方法例:A)

5.3.5

単一制御点

ロボット制御システムは,ロボットがペンダント又はその他の教示装置の制御下にある場合には,他の

制御元からのロボット動作の始動又は局所制御の選択変更を防止するように設計・製作しなければならな

い。

注記  (検証方法例:B,D,E)

5.4

安全関連制御システム性能(ハードウェア及びソフトウェア)

5.4.1

一般

安全関連制御システム(電気,液圧,空気圧,及びソフトウェア)は,リスクアセスメントの結果が 5.4.3

の他の性能基準に対して適切であると決定しない限り,最低限 5.4.2 に掲げる性能基準に適合しなければ

ならない。設備の一部が該当する安全関連制御システムの性能は,設備に用意される使用上の情報に明確

に記載しなければならない。

この規格のため,安全関連制御システム性能は JIS B 9705-1:2000 に規定するカテゴリとして扱う。制御

信頼性,性能レベル (performance level) 及び安全度水準  (safety integrity level)  のような代替性能要求事項

を規定する他の規格も用いてもよい。

これらの規格を安全関連制御システムの設計のために用いる場合は,

同等なリスク低減レベルの達成を保証するよう留意すべきである。

5.4.2

性能要求事項

安全関連制御システムが必要な場合,安全関連部品は,次のように設計しなければならない。

a)

これらのどの部品の単一の障害でも,安全機能の消失に至らない。

b)

合理的に実行可能な場合は,常に,単一の障害が安全機能の次の要求時又はその前に検出されなけれ

ばならない。

c)

単一の障害発生時に,安全機能が常に実行され,検出された障害が修復されるまで安全状態が維持さ

れなければならない。


10

B 8433-1

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d)

合理的に予見可能な障害は,すべて検出されなければならない。

この要求事項は,JIS B 9705-1:2000 に規定するカテゴリ 3 に該当する。

注記 1  この単一の障害検出の要求事項は,障害がすべて検出されることを意味しない。その結果と

して,未検出の障害の蓄積は,機械の意図しない出力及び危険状態の原因となり得る。障害

検出のための一般的に実行可能な方策例は,リレー接点の連結動作(直接開放作用)又は冗

長電気出力の監視である。合理的に予見可能なすべての障害を考慮するため,最適な故障モ

ード解析を実施すべきである。

注記 2  (検証方法例:B,D,E)

5.4.3

他の制御システム性能基準

ロボット及びその意図した用途に対して行われる包括的リスクアセスメントの結果によっては,その用

途についてはカテゴリ 3 以外の安全関連制御システム性能(すなわち,カテゴリ 2 又は 4)が保証される

と決めてよい。他の性能基準を JIS B 9705-1:2000 に示す。

これらの他の安全関連性能基準の一つを選択することは特別に明らかにしなければならない。さらに,

適切な制限と注意事項とを影響を受ける設備に付随して提供される使用上の情報に含まなければならない。

注記  (検証方法例:B,D,E)

5.5

ロボット停止機能

5.5.1

一般

すべてのロボットは,保護停止機能及び独立した非常停止機能をもたなければならない。これらの機能

は,外部保護装置への信号接続を備えなければならない。

附属書 に基づいて,非常停止出力信号を任意

選択で供給してもよい。

表 に非常停止と保護停止との機能の比較を示す。

表 1−非常停止及び保護停止の比較

非常停止

保護停止

場所

オペレータは迅速に妨害なく接近

安全距離公式によって決定

開始

手動

自動又は手動

安全システム性能

JIS B 9705-1:2000

のカテゴリ 3 又はリスクア

セスメントによって決定

JIS B 9705-1:2000

のカテゴリ 3 又はリスクア

セスメントによって決定

リセット

手動だけ

手動又は自動

使用頻度

まれに,非常時だけ

可変,サイクルごとからまれに

効果

すべての危険源へのエネルギー源を除去

安全防護された危険源を制御

注記  (検証方法例:B,D,E)

5.5.2

非常停止機能

ロボット動作を開始,又は他の危険な状態を始動することのできる各制御ステーションは,手動で始動

できる次の非常停止機能をもたなければならない。

a)  5.4

及び JIS B 9960-1:1999 の 9.2.5.4.2 に適合する。

b)

ロボットの他のすべての制御に優先する。

c)

すべての危険源を停止する。

d)

ロボットアクチュエータから駆動用動力を除去する。

e)

ロボットによって制御される他の危険源を除去する。

f)

この機能はリセットされるまで維持する。


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B 8433-1

:2007 (ISO 10218-1:2006)

g)

手動動作によってだけリセットされ,リセット後は再起動を引き起こしてはならない。リセットは,

再起動を許可することだけでなければならない。

機能として停止カテゴリ 0 か 1 の選択は,JIS B 9960-1:1999 の 9.2.2 に従ってリスクアセスメントから決

定しなければならない。

非常停止出力信号を供給する場合は,次のいずれかによる。

−  出力信号は,ロボット動力が除去されても機能し続けるか,又は,

−  ロボットの動力供給が除去された時に出力信号の機能が継続しないときは,非常停止信号を生成しな

ければならない。

非常停止装置は,JIS B 9960-1:1999 の 10.7 及び JIS B 9703 に適合しなければならない。

注記  (検証方法例:A,B,D,E)

5.5.3

保護停止

ロボットは,外部保護装置に接続するために設計された一つ以上の保護停止回路(JIS B 9960-1:1999 の

9.2.2

に規定した停止カテゴリ 0 又は 1)をもたなければならない。

注記  (検証方法例:B,D,E)

この停止回路は,すべてのロボット動作を停止し,ロボット駆動用アクチュエータから動力を除去し,

ロボットシステムによって制御される他のあらゆる危険源を停止させることによって,安全防護された危

険源を制御しなければならない。この停止は,手動又は制御論理によって始動してよい。

保護停止機能の性能は,5.4 に適合しなければならない。

注記  (検証方法例:B,D,E)

5.6

減速制御

減速制御下の運転時に,エンドエフェクタ取付けフランジ(以下,メカニカルインタフェースという。

及びツールセンタポイント(以下,TCP という。

)の速度が 250 mm/s 以下でなければならない。250 mm/s

より低い速度が選択可能でなければならない。

減速制御は,合理的に予見可能な単一機能不良が発生した場合に,メカニカルインタフェース及び TCP

の速度が減速速度の限界を超えないように設計・製作しなければならない。

TCP

の速度を調整するために,オフセット機能を備えなければならない。

注記  (検証方法例:B,C)

5.7

運転モード

5.7.1

モード選択

運転モードは,選択されたモードだけを可能とする安全手段,例えば,キー操作スイッチ又は同等の安

全性をもつ他の手段(監視制御)によって選択しなければならない。

これらの手段は,

a)

選択された運転モードを明確に表示しなければならず,さらに,

b)

それら自体によって,ロボット動作又は他の危険源を生じてはならない。

選択されたモードを表示するために任意選択で出力信号を供給してよい。安全目的の供給であるとき,

出力信号は 5.4 の要求事項に適合しなければならない(

附属書 参照)。

注記 1  モードのラベル化の方法は,附属書 に図示する。

注記 2  (検証方法例:B,D,E)

5.7.2

自動モード

自動モードでは,ロボットはタスクプログラムを実行しなければならない。ロボットコントローラは手


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:2007 (ISO 10218-1:2006)

動モードであってはならない。また安全防護方策が機能していなければならない。

自動運転は,停止条件が検出された場合,停止しなければならない。

このモードから切り替えた場合は,運転停止に至らなければならない。

注記  (検証方法例:A,D,E)

5.7.3

手動減速モード

手動減速モードでは,5.3.4 及び 5.6 の規定に適合し,人間の介入によってロボットが運転されることを

確認しなければならない。このモードでは,自動モードは禁止される。このモードは,ロボットのジョグ,

教示,プログラミング又はプログラム検証のために利用し,また,保全作業の実行時に用いる場合がある。

使用上の情報には,適切な指示と警告,すなわち,できる限りすべての人が安全防護空間の外側で手動

運転モードを実行すべきことを含まなければならない。自動モード選択の前に,停止されたあらゆる安全

防護物はすべての機能を回復しなければならない。

注記 1  このモードは,T1 又は教示モードとして知られていた。

注記 2  (検証方法例:B,C,D,E)

5.7.4

手動高速モード

このモードがある場合は,250 mm/s を超える速度が実行できる。この場合,ロボットは次の事項を備え

なければならない。

a)

意図的な動作(例えば,ロボット制御パネル上のキースイッチ)及び追加の確認動作を必要とする手

動高速モードの選択手段を備える。

b)

手動高速モード選択時は,250 mm/s 以下の速度をデフォルトに設定する。

c)

5.8

に適合し,ロボット動作を継続できるようにするため,このモード専用のホールド・ツウ・ラン装

置を付加したペンダントを備える。

d)

ペンダントは,速度をデフォルト値からプログラムされる最大速度まで調整する手段を備える。

e)

ペンダントは,調整された速度の表示を備える(例えば,ペンダント表示のハイライトによって)

注記 1  この任意選択される手動高速モードは,以前は T2 又は高速プログラム検証モードとして知

られていた。

注記 2  (検証方法例:B,C,D,E)

5.8

ペンダント制御装置

5.8.1

一般

ペンダント制御装置又は他の制御装置が安全防護空間内からロボットを制御できる場合,5.8.25.8.7 

要求事項を適用する。

注記  この条項は,駆動用動力がロボットのいずれかの軸に与えられるときは,安全防護空間内から

ロボットを制御するために用いるあらゆる装置に適用する。さらに,ロボット搭載の手動制御

器又は主/副教示制御装置のいずれを用いるかにかかわらず,動力供給下で教示を行うロボット

を含む。

5.8.2

動作制御

ペンダント又は教示制御装置によって始動するロボットの動作は,

5.6

に規定する減速制御下になければ

ならない。ペンダントがより高速の選択が可能な場合は,ロボットシステムは 5.7.4 を満足しなければな

らない。ロボット動作を行うペンダント上のすべてのボタン及び他の装置から手を放したときは,動作は

停止しなければならない。

注記  (検証方法例:B,D,E)


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5.8.3

イネーブル装置

ペンダント又は教示制御装置は,JIS B 9960-1:1999 の 10.9 に規定する 3 ポジションスイッチを装備しな

ければならない。これは,中央のイネーブル位置に連続的に保持するときだけ,ロボット動作及びロボッ

トによって制御される他の危険源の動作を許可する。イネーブル装置は,次の性能特性をもつことが立証

されなければならない。

a)

イネーブル装置は,ペンダント制御装置に組み込まれるか又は物理的に分離(例えば,グリップ形イ

ネーブル装置)していてもよいが,その他の動作制御機能又は装置から独立して動作しなければなら

ない。

b)

装置を放すか又は中央イネーブル位置を越えて押し込むことによって,5.4 に従って危険源(例えば,

ロボットの動作)を停止しなければならない。

c)

単一のイネーブル装置に 2 個以上のイネーブルスイッチ(すなわち,右手/左手に持ち替えることが可

能)を用いる場合は,いずれかのスイッチを完全に押し下げると,他のスイッチの制御に優先して保

護停止しなければならない。

d) 2

台以上のイネーブル装置を使用中(すなわち,2 人以上の人間がイネーブル装置を持って安全防護空

間内にいるとき)

,各装置が中央(イネーブル)位置に同時に保持されているときだけ動作が可能でな

ければならない。

e)

イネーブル装置の落下によって,動作可能となるような故障に至ってはならない。

f)

イネーブル出力信号がある場合は,安全システムの電源が切れるときに停止条件の信号を出力し,そ

の出力信号は 5.4 に適合しなければならない。

注記 1  イネーブル装置の設計・設置においては,持続活動に関する人間工学的議論を参考にする

のがよい。

注記 2  イネーブル装置に関する追加情報を,附属書 に示す。

注記 3  (検証方法例:B,D,E)

5.8.4

ペンダントの非常停止機能

ペンダント又は教示制御装置は,5.5.2 に適合した停止機能をもたなければならない。装置の体裁は,JIS 

B 9703

で規定する非常停止装置でなければならない。

注記  (検証方法例:A,E)

5.8.5

自動運転の始動

ペンダント又は教示制御装置だけの使用で,ロボットの自動運転が可能となってはならない。自動モー

ドの作動の前に,安全防護空間の外側での確認が別途必要でなければならない。

注記  (検証方法例:B,D,E)

5.8.6

ケーブルレス教示制御装置

ペンダント又は他の教示制御装置とロボット制御装置との接続にケーブルがない場合には,次による。

a)

ペンダントが有効であることを示す視覚表示(例えば,教示ペンダントのディスプレイ)をもたなけ

ればならない。

b)

手動減速又は手動高速モード時に,通信の喪失があればすべてのロボットを保護停止にしなければな

らない。通信が回復しても,独立した意図的な動作なしにロボット動作を再起動させてはならない。

c)

データ通信(エラー訂正を含む)及び通信喪失に対する最大応答時間は,使用上の情報に記載しなけ

ればならない。

d)

適切な保管及び設計,使用上の情報を提供することによって,有効な非常停止装置と無効の非常停止


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B 8433-1

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装置との混乱を避けるよう注意しなければならない。

注記  (検証方法例:A,C,D,E)

5.8.7

複数ロボットの制御

ペンダント制御装置が複数のロボットを制御できる場合は,5.9 の要求事項を適用しなければならない。

注記  (検証方法例:A,B,E)

5.9

同時動作制御

5.9.1

単一ペンダント制御

1

台以上のロボット制御装置を単一の教示ペンダントに接続することができる。そのような構成の場合,

教示ペンダントは 1 台以上のロボットを独立に又は同時に動作させる能力をもたなければならない。手動

運転モードでは,ロボットシステムのすべての機能が一つのペンダントの制御下になければならない。

注記  (検証方法例:A,B,E)

5.9.2

安全設計要求事項

各ロボットは作動可能となる前に個別に選択しなければならない。選択のためには,すべてのロボット

が同じ運転モード(例えば,手動減速モード)でなければならない。選択されているロボットの選択箇所

(例えば,ペンダント,制御キャビネット,又はロボット上)に選択されていることを表示しなければな

らない。

選択されたロボットだけが作動しなければならない。作動するロボットには,安全防護空間内からはっ

きりと見ることができる表示を備えなければならない。

作動していないどのロボットも,予期しない起動を防止しなければならない。この機能は 5.4 の要求事

項に適合しなければならない。

ロボットシステムは,危険状態を引き起こす可能性があるいかなる遠隔指令又は遠隔状態にも反応して

はならない。

注記  (検証方法例:A,B,D,E)

5.10

協働運転要求事項

5.10.1

一般

協働運転のために設計されたロボットは,協働運転時を示す視覚表示を備えなければならず,更に 5.10.2

5.10.6 の一つ以上の要求事項に適合しなければならない。

5.10.2

停止

人間が協働作業空間内に存在するときは,ロボットは停止しなければならない。停止機能は,5.4 及び

5.5.3

に適合しなければならない。人間が協働作業空間から離れると,ロボットは自動運転に復帰してよい。

5.10.3

ハンドガイド

ハンドガイド装置がある場合,エンドエフェクタの近くに配置し,次の機能又は装置をもたなければな

らない。

a)  5.5.2

及び 5.8.4 に適合する非常停止

b)  5.8.3

に適合するイネーブル装置

ロボットはリスクアセスメントによって決定した 250 mm/s 以下の減速度で運転しなければならない。減

速機能は,5.4 に適合しなければならない。

減速度を超過したときには保護停止しなければならない。

注記  (検証方法例:A,C,D,E)

5.10.4

速度及び位置の監視


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B 8433-1

:2007 (ISO 10218-1:2006)

ロボットは,オペレータからの距離を保たなければならない。この距離は JIS B 9715 に準拠しなければ

ならない。距離の維持に失敗したときは,保護停止しなければならない。これらは,5.4 及び 5.5.3 に適合

しなければならない。

ロボットは 250 mm/s 以下の減速度で運転し,その位置を監視しなければならない。

減速度及び位置の監視機能は,5.4 に適合しなければならない。

注記 1  安全距離を計算する場合,オペレータとロボットとの相対速度を考慮するのがよい。

注記 2  (検証方法例:A,B,C,D,E)

5.10.5

本質的設計による動力及び力の制限

ロボットは,メカニカルインタフェース又は TCP において最大動力 80 W,又は最大静的力 150 N(リス

クアセスメントに基づいていずれかを決める)を保証するように設計しなければならない。ロボットの設

計は,これらの値を超えないことを保証しなければならない。

注記 1  この特性の有効性は,追加危険源(例えば,挟圧箇所,せん断危険源)への暴露によって限

界があるかもしれない。

注記 2  (検証方法例:B,C,E)

5.10.6

制御システムによる動力及び力の制限

制御機能を 5.10.5 における動力と力との最大値を超えないように利用する場合は,その機能は 5.4 に適

合しなければならない。

最大値を超える場合は,保護停止しなければならない。

注記  (検証方法例:B,C,E)

5.11

特異点保護

手動減速モードのとき,ロボット制御は,次のいずれかによる。

a)

教示ペンダントから始動した協調動作中に,ロボットが特異点を通過する,又は軌道修正する前に,

ロボットの動作を停止して教示者に警告しなければならない。

b)

聴覚又は視覚による警告信号を発信し,各軸の最大速度を 250 mm/s に制限して特異点の通過を継続し

なければならない。

注記  (検証方法例:B,D,E)

5.12

軸制限

5.12.1

一般

制限装置を用いることによって,ロボット周囲の制限空間を設定する手段をもたなければならない。ロ

ボットの 1 次軸(最大移動範囲をもつ軸)の動作を制限するために,調整可能な機械的ストッパの設置手

段を設けなければならない。製造業者は,5.12.2 又は 5.12.3 のいずれか,又は両者に従わなければならな

い。

5.12.2

機械的及び電気機械的軸制限装置

2

次軸及び 3 次軸(2 番目,3 番目に大きい移動範囲をもつ軸)は,調整可能な機械的制限装置又は非機

械的制限装置をもたなければならない。

機械的ストッパは,定格負荷において最大速度状態で,かつ,最大伸張時及び最小伸張時の位置でロボ

ット動作を停止できなければならない。機械的ストッパの試験は,いかなる停止の補助もない状態で実行

しなければならない。

動作範囲の制限を行う代替手段は,機械的ストッパと同等の安全レベルを実現するように設計・製作・

設置する場合だけ備えることができる。


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:2007 (ISO 10218-1:2006)

電気機械的制限装置の制御回路性能は,5.4 の要求事項に適合しなければならない。ロボット制御プログ

ラム及びタスクプログラムは,電気機械的制限装置の設定を変えてはならない。

注記 1  非機械的制限装置の例は,電気,空気圧及び液圧によって位置決めされるストッパ,及びロ

ボットの移動を制限して制限空間を定めるために用いるリミットスイッチ,ライトカーテン,

レーザスキャン装置,引きひも(プルコード)のような装置を含む。

注記 2  使用者は,調整可能な装置によって,制限空間の大きさを最小にできる。調整範囲は,6.2

で規定する使用上の情報に含めることが望ましい。

注記 3  機械的ストッパは,調整後に留め具で固定する機械的ストッパを含む。

注記 4  (検証方法例:B,C,D)

5.12.3

軸及び空間の安全性が決定されたソフト制限

ソフト制限とは,自動モード又は減速度を超える速度を用いるモードにおいて,ロボット動作をソフト

ウェアで定義する制限方法である。軸制限はロボットの制限空間を定義するために用いる。空間制限は,

除外区域となる幾何学的形状を定義し,定義された空間内でロボット動作を制限するか,ロボットが定義

された空間内へ進入することを防ぐかのいずれかに用いる。

安全性が決定されたソフト制限は,最大定格負荷及び最大定格速度においてロボットが停止できる条件

で,制限空間を定義して,この空間を縮小するための手段として用いてよい。制限範囲は,停止距離を考

慮して予測される実際の停止位置として定義しなければならない。製造業者は使用上の情報にその能力を

記載し,この能力がなければ安全性が決定されたソフト制限を使用できないようにしなければならない。

ソフト制限を用いる制御システムは,5.4 に適合しなければならず,使用者が変更できてはならない。安

全性が決定されたソフト制限の違反があれば,保護停止が始動しなければならない。

使用上の情報には,ソフト制限として監視時間を含む最大速度における最悪の停止時間,及び完全に停

止するまでの最悪の移動距離についての情報を含まなければならない。追加情報は,

附属書 に示す。

動的制限空間の用途に用いるための,安全性が決定された区域にロボットが存在することを示す出力信

号は,5.4 に適合しなければならない。信号出力のハードウェア構成は,使用上の情報に記載しなければな

らない。

安全性が決定されたソフト制限は,システム電源投入時の条件以外では変えられない固定区域として設

定し,動的に変わってはならない。安全性が決定されたソフト制限を変更する権限は,パスワード保護さ

れて安全でなければならない。一度設定されれば,安全性が決定されたソフト制限は,電源投入で常に作

動しなければならない。

注記 1  軸のソフト制限は,5.12.2 に規定する制限装置をもたない追加軸の動作制御で特に有効とな

る。

注記 2  空間のソフト制限は,不規則形状をした作業領域内の動作制御,又は障害物による挟圧箇所

に対する防止に特に有効となる。

注記 3  (検証方法例:B,C,D,E)

5.12.4

動的制限装置

動的制限とは,ロボットシステムのサイクルの一部において,ロボットの制限空間が自動制御されて変

更することである。カム駆動のリミットスイッチ,ライトカーテン又は伸縮制御される機械的ストッパな

どのような制御装置は,制限空間内でタスクプログラムを実行中のロボットの動作を更に制限するために

用いる。このため,この制御装置及び関連する制御装置は,定格負荷及び定格速度の条件下でロボット動

作を停止させる能力をもたなければならない。関連する安全制御装置は,リスクアセスメントの実施によ


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って別のカテゴリが要求されない限り,JIS B 9705-1:2000 のカテゴリ 3 に適合しなければならない。

注記  (検証方法例:B,C,D)

5.13

駆動用動力なしの移動

ロボットは,非常時又は異常状態で,駆動用動力なしで軸が動かせるように設計しなければならない。

実行可能な場合は,1 人で軸を動かすようにしなければならない。制御装置には容易に接近できなければ

ならないが,意図しない操作からは防護しなければならない。このための指示事項は,非常時又は異常状

態に対応する要員を訓練するための勧告とともに使用上の情報に含めなければならない。

使用者への指示事項には,重力及びブレーキ装置の解放が更に危険源を発生するという警告を含めなけ

ればならない。

注記  (検証方法例:B,D,E)

5.14

つり上げ対策

ロボット及びその附属構成品をつり上げるための対策を準備し,かつ,予測される負荷を扱うのに十分

な対策でなければならない。例として,つり上げフック,アイボルト,ねじ穴,フォークポケットがある。

注記  (検証方法例:A,B,D)

5.15

電気コネクタ

分離時又は切断時に危険源の原因となる電気コネクタは,意図しない分離を防止するよう設計・製作し

なければならない。

コネクタには誤接続を防止する手段を備えなければならない。

注記  (検証方法例:A,B)

6

使用上の情報

6.1

一般

表示(例えば,標識,記号)及び指示資料(例えば,運転及び保全のマニュアル)は,JIS B 9700-1JIS 

B 9700-2

,及び JIS B 9960-1:1999 に従って,製造業者が提供しなければならない。

機械の警告装置(例えば,聴覚及び視覚の信号)を備える場合は,JIS B 9700-2 及び JIS B 9960-1 に適

合しなければならない。

6.2

取扱説明書

各ロボット及びロボットシステムには,6.1 の要求事項に加えて,次の事項を含む取扱説明書又は適切な

メディアを附属しなければならない。

a)

製造業者又は供給者の名前,住所及び必要な連絡情報

b)

ユーティリティ要求,床荷重,環境条件などのような設置要求事項を含む立ち上げ,プログラミング

及び再起動手順の指示事項

c)

最初の使用及び生産に投入する前に,ロボット及びその防護システムの初期試験並びに検査をどのよ

うに行うかについての指示事項(減速制御の機能的試験を含む。

d)  5.5.2

の非常停止出力信号及び 5.8.3 d)  の共通イネーブル回路を含む安全機能が作用するロボットに対

して,構成品の変更又は任意選択の設備(ハードウェアとソフトウェアともに)の追加後に必要な試

験又は検査のための指示事項

e)

安全運転,並びに設定及び保全のための指示事項(安全作業の実践,危険なエネルギーの制御手順,

及び設備を運転する要員に必要な技術レベル達成のための訓練を含む。

f)

すべての制御システムの配置及び機能についての指示事項(設定及び設置に必要な電気システム,液


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B 8433-1

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圧システム及び空気圧システムのインタフェース回路図を含む。

注記  これにはロボット又は他の制御装置,構成品及び所有資産の図は含まない。

g)

ペンダントを用いる高速制御モードの選択性能についての情報

h)

制限装置の設置についての情報(機械的制限機能の数,位置及び調整範囲,すべての非機械的制限装

置の数・位置及び実装についての指示事項,動的制限装置を含む場合はその機能,安全性が決定され

たソフト制限を用いるときは停止距離を考慮して予測される実際の停止位置を含む。

i)

イネーブル装置の数及び操作についての情報,並びに追加装置の設置についての指示事項

j)

最大変位の 3 軸について停止信号開始からの停止時間及び停止距離,又は角度の情報(

附属書 の測

定方法による)

k)  5.4

で決定されるロボットの安全制御システム性能

l)

ロボット内部の潤滑,制動又は伝動システムに用いる流体及び潤滑剤の仕様(プロセスに固有の消耗

品の正しい選択,準備,適用及び保全についての指針を含む。

m)

機械部分によって,又はその内部に捕そく(捉)された人間を解放する手段についての指針

n)

動作範囲及び負荷容量の限界を定義する情報(ワーク及びその保持器具の最大質量並びに重心位置を

含む。

o)

補助機械及び自動ツールマガジンシステムから供給されるツールに必要な最大質量,最大慣性モーメ

ント,最大傾斜モーメント並びに最大空間の限界を定義する情報

p)

機械の保全中の取付けエラーを防止する手順

q)

ロボットに適用する関連規格情報(第三者によって承認されたすべてのものも含む。

r)

ケーブルレスペンダントの通信喪失の検出のための応答時間

製造業者が提供した適用情報の変更又は追加は,ロボットシステムの変更又は追加を行う関係者によっ

て行われなければならない。

6.3

表示

各ロボットには,明確で読みやすく耐久性のある方法で,次の表示を行わなければならない。

a)

製造業者名及び住所,形番号及び製品番号,並びに製造年月

b)

機械質量

c)

電気システム,該当する場合は液圧システム,及び空気圧システムについての供給データ(例えば,

最低及び最高空気圧力)

d)

該当する場合は,輸送及び設置のためのつり上げ箇所

e)

可動範囲及び可搬質量

ガード及び保護装置,並びにロボットの一部であるが装着されない他の部品は,それらの目的を明示し

なければならない。装着のために必要な他の情報も提供しなければならない。


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B 8433-1

:2007 (ISO 10218-1:2006)

附属書 A

規定)

重要危険源リスト

序文

この附属書は,ロボットの重要危険源リストについて規定する。

表 A.1−重要危険源リスト(JIS B 9702:2000  附属書 を引用)

No

種類

関連する危険状態の例

関連する危険区域

参照箇条

1

機械的危険源

1.1

押しつぶし

ロボットアーム又は追加軸の各部の動作(正

常又は特異点)

制限空間

5.11

5.12

1.2

せん断

追加軸の動作

附属設備の周囲

5.3 

1.3

切傷又は切断

挟み動作を生じる動作又は回転

制限空間

5.3 

1.4

巻込み

エンドエフェクタ又は追加軸の回転

制限空間

5.8.3 

1.5

引込み又は捕そく(捉)

ロボットアームと固定物との間

制限空間に近接した
固定物周辺

5.12 

1.6

衝撃

ロボットアーム各部の動作(正常又は特異
点)

制限空間

5.11

5.12

2

電気的危険源

2.1

充電部に人間が接触(直接
接触)

充電部又は接続部との接触

機械の電気キャビネ
ット,端子ボックス,
制御パネル

5.2 

8

設計時に人間工学的原則の無視から起こる危険源

8.1

不自然 な姿 勢又 は過 剰努

力(反復性ストレス)

不適切な設計の教示ペンダント

教示ペンダント

5.8 

8.2

手−腕 又は 足− 脚に つい

ての不 適切 な解 剖学 的考

制御装置の不適切な配置

ワーク着脱位置,及び

ツールの固定又は設
定位置

5.3 

8.7

手動制 御器 の不 適切 な設
計,配置又は同定

制御装置の不注意な操作

ロボットセル又は近

5.3 

8.8

視覚表 示装 置の 不適 切な

設計又は配置

表示情報に対する誤解

ロボットセル又は近

5.3

5.8 

10

予期しない始動,予期しない超過走行/超過速度

10.1

エネルギー源の故障/不調

ロボット追加軸に関連する機械的危険源

ロボットセル又は近

5.2.2 

10.2

エネル ギー 供給 の中 断後
の回復

ロボット又は追加軸の予期しない動作

ロボットセル又は近

5.2.2 

10.3

電気設 備に 対す る外 部影

電磁妨害による電子制御装置の予期しない
挙動

ロボットセル又は近

5.2.6 

13

動力供給の故障(外部動力
源)

ロボットアームブレーキの解放を引き起こ
す制御機能不全。ブレーキの解放は,残留力
(慣性力,重力,ばね及びエネルギー蓄積手

段)によってロボット要素を動作させる。

ロボット要素が,動力
又は流体圧力の供給
によって安全条件下

で保持されるロボッ
トセル又は近辺

5.2.2 

14

制御回路の故障(ハードウ
ェア又はソフトウェア)

ロボット又は追加軸の予期しない動作

ロボットセル又は近

5.3.2 


20

B 8433-1

:2007 (ISO 10218-1:2006)

18

機械の安定性の欠如,転倒  拘束されていないロボット又は追加軸(重力

で位置保持されているもの)の落下又は転倒

ロボットセル又は近

5.2.3

5.14 


21

B 8433-1

:2007 (ISO 10218-1:2006)

附属書 B

規定)

停止時間及び停止距離の測定方法

序文

この附属書は,停止時間及び停止距離の測定方法について規定する。

停止時間及び停止距離の測定方法

これは,すべての製造業者から標準化されたデータを確保するため,6.2 j)に規定する使用上の情報に記

載する測定法である。

この情報は,

安全防護装置を適用する場合に安全距離計算をするために必要である。

この情報を有効,かつ,実用的なものにするには,実際の動作条件を予想できるように測定を最大条件ま

で段階的に変えることが要求される。

これらの試験は,適用可能な限り JIS B 8432:1999 の 6.の性能試験条件に適合しなければならない。これ

には次のものを含む。

−  試験前にマニピュレータを暖機運転する。

−  製造業者の要求事項どおりにロボットを固定する。

−  動力,温度などの環境要求事項に適合する。

−  適切な試験手順を確立する。

−  測定方法を記述する。

試験点は各データ点で複数回測定して平均値をとらなければならない。

製造業者は,通常の使用による停止性能の劣化を予測し,いつロボットを改修すべきかを勧告しなけれ

ばならない。

データの要求事項

−  停止時間は,停止信号の始動からすべてのマニピュレータの動作が止まるまでの時間を測定する。

注記  このデータは,制御システムの特徴及び構成,すなわちケーブルレスペンダントに起因する遅

れ時間によって異なることがある。

停止距離は,停止信号始動後に移動した総距離として測定する。距離は,直線又は角度の適切な単位に

よって提示する。

停止カテゴリは,JIS B 9960-1:1999 に従って,最低限,停止カテゴリ 0 でなければならない。ロボット

が停止カテゴリ 1 の機能をもつときは,追加データ又は補正係数を提示しなければならない。

速度,荷重及び動作範囲(伸張)の値は,各々最大値の 33 %,66 %及び 100 %で測定する。

データは,最大変位の 3 軸について提示する。表現例を

図 B.1 に示す。


22

B 8433-1

:2007 (ISO 10218-1:2006)

凡例

X

  速度 (mm/s)

Y

  停止時間 (s)

a

  荷重  %

注記  カテゴリ 0 停止における軸 1 の速度及び荷重に対する停止時間

図 B.1−停止時間のグラフ例


23

B 8433-1

:2007 (ISO 10218-1:2006)

附属書 C 

参考)

3

ポジションイネーブル装置の機能的特徴

序文

この附属書は,本体及び附属書(規定)について補足するものであって,規定の一部ではない。

3

ポジションイネーブル装置の機能の特徴を,

図 C.1 に示す。

凡例

1

  ポジション 1

4

  オン (ON) の状態

7

  解放

2

  ポジション 2

5

  オフ (OFF) の状態

8

  軽く握る

3

  ポジション 3

6

  押す

9

  きつく握る

a

操作部をポジション 3 まで完全に押し込むと,接点は再び開く。

b

操作部がポジション 3 からポジション 1 まで戻るとき,接点はポジション 2 を機能的に通過せずに開いたままで
なければならない。

図 C.1ポジションイネーブル装置の機能的特徴


24

B 8433-1

:2007 (ISO 10218-1:2006)

附属書 D 

参考)

任意選択の機能

序文

この附属書は,本体及び附属書(規定)について補足するものであって,規定の一部ではない。

D.1

一般

この規格の要求事項は,ロボットの安全性を保証するための最低限のものである。安全性を高めるため

に,ロボットに多くの追加機能が付加できるが,従来必要とされる安全項目が必ずしも要求されるわけで

なく,JIS B 9705-1 又は他の規格による特定の安全性能基準を必要とするものではない。

次の任意選択の機能は,重要性又は必要性について特に順序があるわけではない。これらの機能が装備

されたロボットは,使用中及び再利用時に高い柔軟性及び潜在的に高い安全性能をもつ。

注記 1  ロボットが当初設計・製作された以外の用途で再使用される場合は,D.1D.2D.3 及び D.4

の機能が設置の柔軟性を得るために重要となる。

注記 2  D.5D.6 及び D.7 の機能は“安全”機能ではないが,ロボットシステムの安全性を高める。

D.2

非常停止信号出力機能

a)  5.5.1

の非常停止信号出力機能のための能力。これは共通非常停止(ロボットを非常停止させるととも

にシステムが非常停止となる)のためのものである。

b)  5.5.2

による,動力なしで機能する非常停止装置の能力。

D.3

イネーブル装置機能

a)

複数ロボット及び設備を制御する共通回路に,イネーブル装置を相互接続するイネーブル装置の信号

出力機能の能力。

b)

複数の追加イネーブル装置を一つのイネーブル回路に接続する能力。

D.4

モード選択

a)

モード選択状態の情報を安全制御システムに提供する能力。

b)

出力信号は 5.7.1 に適合しなければならない。

D.5

衝突防止検知

人間への危害防止に対して最も効果的であるため,ロボットは衝突が検知されたときに停止して警告信

号を発信し,オペレータの介入なしには他の位置へは移動すべきではない。

D.6

全速度にわたる経路精度の維持

これは,危険な位置からロボット動作を監視するという認識された必要性を小さくできるであろう。

D.7

安全性が決定されたソフト制限

5.12.3

に規定したように,この制限は除外空間の生成及び包含空間のプログラミング生成を可能とする。


25

B 8433-1

:2007 (ISO 10218-1:2006)

附属書 E

参考)

モードのラベル化の手法

序文

この附属書は,本体及び附属書(規定)について補足するものであって,規定の一部ではない。

モードのラベル化のための手法

表 E.1 は,5.7 で特定された運転モードを表示するために用いることができる図記号の例である。図記号

にはモード選択及び期待される性能の情報をできる限り明確に表示するため,追加の説明文を含んでもよ

い。

表 E.1−ロボット運転モードラベル

細分箇条番号

モード

図記号

ISO 7000

の対応図番

5.7.2

自動モード

0017

5.7.3

手動減速モード

0096

5.7.4

手動高速モード

0026

と 0096 との合成


26

B 8433-1

:2007 (ISO 10218-1:2006)

参考文献

[1]

JIS B 0134:1998

  産業用マニピュレーティングロボット−用語

[2]

JIS B 8431:1999

  産業用マニピュレーティングロボット−特性の表し方

[3]

JIS B 8436:2005

  産業用マニピュレーティングロボット−メカニカルインタフェース−フランジ形

[4]

JIS Z 8051:2004

  安全側面−規格への導入指針

[5]

ISO 7000

,Graphical symbols for use on equipment−Index and synopsis

[6]

ISO 13851

,Safety of machinery−Two-hand control devices−Functional aspects and design principles

[7]

ISO 14118

,Safety of machinery−Prevention of unexpected start-up

[8]

ISO 14119

,Safety of machinery−Interlocking devices associated with guards−Principles for design and

selection

[9]

ISO 14120

,Safety of machinery−Guards−General requirements for the design and construction of fixed and

movable guards

[10]

IEC 61496-2

,Safety of machinery−Electro-sensitive protective equipment−Part 2: Particular requirements

for equipment using active opto-electronic protective devices (AOPDs)