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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 8411-1989 

空気予熱器性能試験方法 

Testing Methods for Air Preheaters 

1. 適用範囲 この規格は,固体,液体及び気体燃料を使用する工業用燃焼設備に使用される排熱回収装

置で,伝熱面が金属で構成される空気予熱器の性能を試験する方法について規定する。 

なお,この規格では,次の条件を満足するものを対象とする。 

(1) 空気予熱器の形式は,換熱式とする。 

(2) 熱源流体は,燃料を燃焼させた場合に生成する排ガス成分だけで構成し,ダスト,腐食成分が外部か

ら混入していないものとする。 

備考1. 熱源流体は,工業用燃焼設備からの燃焼排ガスなので,空気予熱器入口温度は,通常300〜1 

500℃程度である。 

2. 受熱流体である空気は,通常燃焼用空気として使用されるので,空気予熱器入口圧力は,最

大20kPa {2 000mmAq} 程度である。 

3. 伝熱面が金属で構成されていても,蓄熱式(回転再生式,切換式など)は適用外とする。 

4. この規格の中で{ }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,

参考として併記したものである。 

引用規格:14ページに示す。 

2. 用語の意味 この規格で用いる主な用語の意味は,次による。 

(1) 排ガス入口熱量 空気予熱器の排ガス入口部における排ガスの保有する熱量。単位は,kJ/h {kcal/h} で

表す。 

(2) 排ガス出口熱量 空気予熱器の排ガス出口部における排ガスの保有する熱量。単位は,kJ/h {kcal/h} で

表す。 

(3) 空気側受熱量 試験状態において空気が得た熱量。単位は,kJ/h {kcal/h} で表す。 

(4) 排ガス側圧力損失 試験状態において計測した空気予熱器の排ガス側出入口間の静圧の差。単位は,

Pa {mmAq} で表す。 

(5) 空気側圧力損失 試験状態において計測した空気予熱器の空気側出入口間の静圧の差。単位は,Pa 

{mmAq} で表す。 

3. 試験項目 試験は,次の項目について行う。 

(1) 熱交換性能(空気予熱器の熱効率で示す。) 

(2) 排ガス側圧力損失 

(3) 空気側圧力損失 

(4) 排ガス分析 

B 8411-1989  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4. 試験方法 試験しようとする空気予熱器は,あらかじめ各部分を点検し,異状のないことを確認する。 

また,空気配管,排ガス煙道などにも,異状のないことを確認する。 

試験は,工業用燃焼設備が,定常運転になり,熱的に安定状態になった後に行い,原則として1時間以

上の運転結果による。 

なお,計測項目は,次のとおりとする。 

(1) 燃焼設備出口排ガス温度 (t5) 

(2) 空気予熱器入口排ガス温度 (t1) 

(3) 空気予熱器出口排ガス温度 (t2)  

(4) 空気予熱器入口空気温度 (t3)  

(5) 空気予熱器出口空気温度 (t4)  

(6) 燃焼設備入口空気温度 (t6)  

(7) 空気予熱器入口排ガス圧力(静圧) (p1)  

(8) 空気予熱器出口排ガス圧力(静圧) (p2)  

(9) 空気予熱器入口空気圧力(静圧) (p3)  

(10) 空気予熱器出口空気圧力(静圧) (p4)  

(11) 燃料流量 (F)  

(12) 空気流量 (Va)  

(13) 燃焼排ガス流量 (Vf)  

(14) 燃焼設備出口排ガス成分 

(15) 空気予熱器入口排ガス成分 

(16) 空気予熱器出口排ガス成分 

(17) 外気温度 (t0)  

5. 測定方法 

5.1 

燃料 

5.1.1 

燃料流量の測定 燃料流量の測定は,次による。 

(1) 液体燃料は,体積式流量計で量り,密度を乗じて質量に換算する。 

(2) 気体燃料は,体積式又はオリフィス式流量計で計測し,標準状態0℃,1 013mbar {760mmHg} の体積

m3に換算する。 

5.1.2 

試料の測定方法 使用燃料の試料の採取,試験,分析及び発熱量の測定は,原則として次の日本工

業規格によるか,又は規格合格品の成績証明書で代用する。 

JIS K 2249(原油及び石油製品の密度試験方法並びに密度・質量・容量換算表) 

JIS K 2251(原油及び石油製品試料採取方法) 

JIS K 2270[原油及び石油製品残留炭素分試験方法(コンラドソン法)] 

JIS K 2272(原油及び石油製品の灰分並びに硫酸灰分試験方法) 

JIS K 2275(原油及び石油製品水分試験方法) 

JIS K 2279(原油及び燃料油発熱量試験方法) 

JIS K 2301(燃料ガス及び天燃ガスの分析・試験方法) 

JIS K 2541(原油及び石油製品硫黄分試験方法) 

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5.2 

燃焼用空気 

5.2.1 

空気流量の測定 空気流量は,オリフィス流量計,ピトー管などを用いて,空気予熱器の入口又は

出口で測定する。測定できない場合は,燃料及び燃焼排ガス組成から算出する[JIS B 8330(送風機の試

験及び検査方法)参照]。 

5.2.2 

空気温度の測定 空気温度は,空気予熱器の入口,空気予熱器の出口及び燃焼設備入口空気管(燃

焼機器部)で測定する。測定位置は,原則としてダクトの断面の中心又は流路囲壁内面から300mm以上

離れた流れが比較的一様に整流された位置を選ぶ。 

なお,正確を期す場合には,吸引温度計又はなるべく細い熱電対を使用し,測定誤差を生じないよう配

慮するとともに適切な比較校正を行う[JIS Z 8704(温度の電気的測定方法),JIS Z 8705(ガラス製温度

計による温度測定方法),JIS Z 8710(温度測定方法通則)参照]。 

5.2.3 

外気温度 試験時における外気の平均温度とする。 

5.3 

燃焼排ガス 

5.3.1 

燃焼排ガス流量の測定 燃焼排ガス流量の測定は,5.2.1の測定に準じる。 

5.3.2 

燃焼排ガス温度の測定 燃焼排ガス温度は,燃焼設備出口,空気予熱器の入口及び空気予熱器の出

口で測定する。測定位置は,5.2.2の測定に準じる。 

5.3.3 

燃焼排ガスの試料採取及び分析 燃焼排ガスの試料採取位置は,燃焼設備出口,空気予熱器の入口

及び空気予熱器の出口で,温度測定位置とする。 

燃焼排ガス成分の分析は,原則としてオルザット分析器,ヘンペル分析器又はガスクロマトグラフを用

いる。電気式又は機械式分析器を使用する場合は,適宜オルザット分析器,ヘンペル分析器,ガスクロマ

トグラフ又は標準ガスによって補正を行う[JIS K 0095(排ガス試料採取方法)参照]。 

5.4 

圧力測定 

5.4.1 

空気圧力の測定 空気圧力は,U字管又はその他の液柱計を用い,空気予熱器の入口及び出口で測

定する。必要に応じて送風機出口,バーナ空気箱などでも測定する。 

測定は,空気流量測定点で比較的一様に整流された位置で行う。 

液柱計の液体には,水又はあらかじめ比重を測定したアルコールを用いる。 

液柱計と比べて校正することができる他の圧力計を用いてもよい。 

静圧を測定する際は,静圧管又は管壁に直角にあけた直径2〜6mmの静圧孔(1)を用い,その内面及び円

周面は十分滑らかにする。 

注(1) 静圧孔を用いて静圧を測定する場合には,管壁の左右2か所に静圧孔を開け,各々別に測り,こ

れの平均値を取る。左右の差が甚だしく相違する場合は,その誤差を生じる原因を確かめるか,

又は別に静圧孔を開けて比較する(JIS B 8330参照)。 

5.4.2 

燃焼排ガスの圧力測定 燃焼排ガスの圧力は,5.4.1に準じ空気予熱器の入口及び出口で測定する。 

5.5 

測定時間間隔 燃料試料の採取,空気及び燃焼排ガスの流量,圧力及び温度の測定は,記録式計器

を用いて連続的に行う場合以外は,それぞれ15〜30分ごとに行う。 

6. 計算方法 

6.1 

全般 試験結果から,排ガスの入口熱量及び出口熱量が算出され,また,空気の受熱量も算出され

る。この算出された値から,空気予熱器の熱効率及び外部熱損失が算出される。 

また,圧力試験の結果から,排ガス側及び空気側の圧力損失が算出される。その計算方法を6.2〜6.12

に示す。 

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6.2 

燃料の組成 計算に用いる燃料の組成は,使用時の燃料の組成とし,次によって求める。 

(1) 固体燃料の場合 JIS M 8801(石炭類の試験方法),JIS M 8810(石炭類及びコークス類のサンプリン

グ,分析並びに試験方法の通則),JIS M 8811(石炭類及びコークス類のサンプリング方法並びに全水

分・湿分測定方法),JIS M 8812(石炭類及びコークス類の工業分析方法)及びJIS M 8813(石炭類

及びコークス類の元素分析方法)によって,使用時燃料の全水分(使用時ベース),工業分析成分(恒

湿ベース)及び元素分析成分(無水ベース)を求め,ベース転換によって使用時ベースの含有率質量%

を算出する。 

全水分(使用時ベース)をw%,工業分析(恒湿ベース)による水分をw1%,灰分をa1%,元素分

析(無水ベース)による炭素,水素,燃焼性硫黄,窒素をそれぞれc0%,h0%,s0%,n0%とすれば,

固体燃料の使用時ベースにおける炭素,水素,燃焼性硫黄,窒素,灰分及び酸素の含有率(質量%)

c%,h%,s%,n%,a%及びo%は,それぞれ次の式で求められる。 

%

100

100

0c

w

c

=

, 

%

100

100

0

h

w

h

=

, 

%

100

100

0s

w

s

=

, 

%

100

100

0

n

w

n

=

, 

%

100

100

1

1

a

w

w

a

=

, 

)%

(

100

w

a

n

s

h

c

o

+

+

+

+

+

=

(2) 液体燃料の場合 JIS K 2251,JIS K 2270,JIS K 2272,JIS K 2275及びJIS K 2541によって測定した

炭素,水素,硫黄,窒素,灰分,酸素及び水分の含有率質量%をそれぞれ,c%,h%,s%,n%,a%,

o%及びw%で表す。 

(3) 気体燃料の場合 使用時燃料の成分ガス含有率(容積%)を求め,水素,一酸化炭素,各種炭化水素,

二酸化炭素(炭酸ガス),窒素,酸素及び水蒸気分をそれぞれ,h2%,co%,cxhy%(ch4,c2h4,c2h8,

c3h6,c3h8,c4h8,c4h10などの%),co2%,n2%,o2%及びw%で表す。 

6.3 

理論空気量及び空気比 理論空気量及び空気比は,燃料の種類に応じて,次によって求める。 

(1) 固体及び液体燃料の場合 

燃料

  

kg

/

]

33

.3

8

7.

26

89

.8[

100

1

3

1

0

R

m

s

o

h

c

A

+

+

=

=

)

(

)

(5.0

)

(

79

21

21

2

2

N

CO

O

m

ここに, 

m: 空気比=(実際使用空気量/理論空気量) 

A0: 理論(乾燥)空気量mn3/kg (mn3) 燃料 

(CO2),(CO),(O2) 及び (N2) =100− [(CO2) + (CO) + (O2)] はそれぞれ,乾き燃焼ガス中の二

酸化炭素(炭酸ガス),一酸化炭素,酸素及び窒素の各体積%を表す。 

また, 

c1:c−c2=実際に燃焼した炭素分% 

c2:au/ (100−u) =未燃炭素分% 

a:使用燃料中の灰分% 

u:燃え殻中の平均未燃炭素分% 

液体燃料の場合は,c2=oすなわちc1=cとすることができる。 

備考 ガス分析試料は,なるべく燃焼室に近い所から採る。オルザット分析で求める (CO2) 中には,

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排ガス中の (SO2) も一緒に吸収されて含まれている。 

(2) 気体燃料の場合 

燃料

  

3

3

2

2

0

/

]

4

2

1

2

1[

21

1

n

n

y

x

m

m

o

h

c

y

x

h

co

A

+

+

+

=

×

+

×

=

0

2

2

2

2

2

21

)

(

)

(

1

)

(

)

(5.0

)

(

79

21

21

A

n

N

O

N

CO

O

m

ここに, n2は,燃料ガスの窒素含有量 (%)  

備考1. 燃料の発熱量から理論空気量A0を概算することができる。 

石炭の場合 

燃料

kg

/

000

1

2300

241

.0

3

0

n

l

m

H

A

+

=

=

+

=

燃料

kg

/

000

1

550

01

.1

3

0

0

n

l

m

A

'

H

'

A

JIS M 8814(石炭類及びコークス類の発熱量測定方法)によって,恒湿試料で測定された

高発熱量をH0 {H0'} とし, 

使用時燃料の高発熱量 

燃料

kg

/

kJ

100

100

0

1

H

w

w

Hh

=

=

燃料

kg

/

kcal

100

100

0

1

H

w

w

'

Hh

使用時燃料の低発熱量 Hl=Hh−25 (9h+w) kJ/kg燃料 

{Hl'=Hh'−6 (9h+w) kcal/kg燃料} 

元素分析を行わない場合は 

%

w

w

a

w

h

1

1

1

100

100

100

)

(

100

7.5

×

+

=

とすることができる。ここで係数5.7は,我が国の石炭の平均水素含有率%(無水無灰ベ

ース)である。 

重油の場合 

燃料

kg

/

000

10

600

4

96

.2

3

0

n

l

m

H

A

=

=

=

燃料

kg

/

000

10

100

1

38

.

12

3

0

0

n

l

m

A

'

H

'

A

JIS K 2279によって測定した高発熱量Hh {Hh'} から,低発熱量Hl {Hl'} を次の式で求める。 

Hl=Hh−25 (9h+w) kJ/kg燃料 

{Hl'=Hh'−6 (9h+w) kcal/kg燃料} 

元素分析を行わない場合は,h (%) は,次の値とし,A重油13%,B重油12%,C重油11% 

w=0として上の式でHl {Hl'} を概算することができる。 

気体燃料の場合[Hl>14 650kJ/mn3 {Hl'>3 500kcal/mn3} の場合] 

=

+

=

+

=

燃料

燃料

3

3

0

0

3

3

0

/

2.0

000

10

05

.

11

/

2.0

000

10

64

.2

n

n

l

n

n

l

m

m

A

'

H

'

A

m

m

H

A

JIS K 2301によって高発熱量Hh {Hh'} を測定し,低発熱量Hl {Hl'} は,次の式で求める。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

成分分析を行わない場合は,高発熱量測定の際に熱量計の排気ドレンDkgを計量すれば 

Hl=Hh−2 500D/Gf kJ/mn3燃料 

{Hl'=Hh'−600D/Gf kcal/mn3燃料} 

ここに,Gf (mn3) は,Dkgを測定した時間中に燃焼した燃料ガス量である。 

備考2. 空気比mを略算する場合は,固体,液体及び気体 (n2<20%) 燃料に対して,次の式によるこ

とができる。 

)

(

)

(

)

(

21

21

2

2

2

CO

CO

O

m

最大

=

=

ここに, (CO2),(CO2) 最大は,乾き燃焼ガス中の二酸化炭素の含有量及びその最大含有

量%で, (CO2) 最大の値は,次のとおりとすることができる。 

石炭18.5%,重油15.7%,都市ガス13%,天然ガス12%,L. P. G 14.5% 

background image

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図 空気の絶対湿度 

z(絶対湿度)=kg(水蒸気)/kg(乾き空気) 

参考 

(乾き空気)

乾き空気の比容積

水蒸気の比容積

大気中の水蒸気量=

3

3

3

3

/

61

.1

kg

/

kg

/

n

n

n

n

m

m

z

z

m

m

=

×

6.4 

実際排ガス量 燃料1kg (mn3) 当たりの実際排ガス量Gは,燃料の成分から次の式によって求める。 

(1) 固体及び液体燃料の場合 

G=G0+Gw+ (m−1) A0+Gw1 

ここに, 

G0: 理論乾き排ガス量 

background image

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

燃料

kg

/

80

.0

33

.3

8

1.

21

89

.8

100

1

3

1

n

m

n

s

o

h

c

+

+

+

=

Gw: 燃料によって生じる水蒸気及び燃料中の水分による水蒸気量 

[

]

燃料

kg

/

)

9(

244

1

100

1

3n

m

w

h

.

+

=

Gw1: 燃焼用空気中の湿分による水蒸気量 

 =1.61zmA0 mn3/kg燃料 

 ここに,z: 空気の絶対湿度 kg(水蒸気)/kg(乾き空気)

(図から求める。) 

A0, c1及びmは,6.3(1)並びに6.3(2)の備考1.及び備考2.による。 

よって, 

燃料

kg

/

)

61

1

1(

)

244

.1

80

.0

70

.0

60

.5(

100

1

3

0

n

m

mA

z

w

n

o

h

G

+

+

+

+

×

+

=

略算には,z=0としてもよい。別法として 

燃料

kg

/

)

(

)

(

70

.0

867

.1

3

1

2

1

n

w

w

m

G

G

CO

CO

s

c

G

+

+

+

+

=

としてもよい[c1及び (CO2),(CO) については6.3(1)参照]。 

燃料の元素分析を行わない場合には,水蒸気を含む理論燃焼ガス量G1=G0+Gwを燃料の発熱量Hl 

{Hl'} から略算してもよい。 

石炭の場合 

燃料

kg

/

17

.1

000

1

300

2

216

.0

3

1

n

l

m

H

G

+

+

=

=

+

+

=

燃料

kg

/

17

.1

000

1

550

905

.0

3

1

1

n

l

m

G

'

H

'

G

重油の場合 

燃料

kg

/

18

.2

000

1

600

4

76

.3

3

1

n

l

m

H

G

=

=

+

=

燃料

kg

/

18

.2

000

10

100

1

75

.

15

3

1

1

n

l

m

G

'

H

'

G

ここに,Hl, Hl'については,6.3(2)の備考1.による。 

(2) 気体燃料の場合 G=G0+Gw+ (m−1) A0+Gw1において 

燃料

燃料

燃料

3

3

0

1

3

3

2

3

3

2

2

3

2

0

/

61

.1

/

2

1

100

1

/

]

76

.3

)

94

.0

76

.4(

88

.1

88

.2[

100

1

n

n

w

n

n

y

x

w

n

n

y

x

m

m

zmA

G

m

m

w

h

yc

h

G

m

m

o

co

n

h

c

y

x

h

co

G

=

+

+

=

×

+

+

+

+

+

=

よって, 

燃料

3

3

0

2

2

2

2

/

)

61

.1

1(

4

1

2

1

2

1

100

1

n

n

y

x

m

m

mA

z

w

n

o

co

h

yc

h

co

G

+

+

+

+

+

+

+

+

=

ここにA0, mは,6.3(2)及び6.3(2)の備考2.によって求める。 

別法として,次の式によってもよい。 

燃料

3

3

1

2

2

/

)

(

)

(

n

n

w

w

y

x

m

m

G

G

CO

CO

CO

h

xc

CO

G

+

+

+

+

+

=

background image

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

zは,6.3の図によって求めるが,略算には,z=0としてもよい。 

燃料の成分分析を行わない場合は,G1=G0+GwをHl {Hl'} から略算することができる。ただし,

Hl>14 650kJ/mn3 {Hl'>3 500kcal/mn3} の場合とする。 

=

+

=

+

=

燃料

燃料

3

3

1

1

3

3

1

/

5.0

000

10

9.

11

/

5.0

000

10

84

.2

n

n

l

n

n

l

m

m

G

H

'

G

m

m

H

G

ここに,Hl, Hl'については,6.3(2)の備考1.による。 

備考1. 高発熱量基準の場合は,排ガス熱損失として上記L1l {L1l'} の代わりに,燃焼によって生じた

水蒸気の蒸発熱を含めたL1h {L1h'} を用いる。すなわち, 

固体・液体燃料の場合 L1h=L1l+25 (9h+w) kJ/kg燃料 

          {L1h'=L1l'+6 (9h+w) kcal/kg燃料} 

気体燃料の場合 

燃料

3

2

1

1

/

kJ

2

1

20

n

y

x

l

h

m

w

h

c

h

L

L

+

+

+

=

+

+

+

=

燃料

3

2

1

1

/

kcal

2

1

8.4

n

y

x

l

h

m

w

h

c

h

'

L

'

L

2. 空気予熱器で排ガス側へ空気の漏れがある場合は,L1l {L1l'} に適当な補正をする。 

6.5 

排ガス及び空気の比熱 排ガスの平均定圧比熱は,その成分から計算によって求める。 

+

+

+

+

=

)

(

)

(

)

(

)

(

)

(

100

1

2

2

2

2

2

2

2

2

i

C

O

H

C

N

C

CO

co

C

O

C

C

i

pi

O

pH

pn

p

po

pf

ガス

ここに, (O2), (CO2), (N2), (H2O),(ガスi)は,排ガス中の酸素,二酸化炭素(炭酸ガス),窒素,

水蒸気及びその他のガスを加算したものの各体積%を表す。 

なお, (O2), (CO2), (N2) は,排ガス分析によって測定した乾きガスの分析値 (%) を用いて,燃焼排

ガス中に水蒸気が存在するとして補正した組成[湿りガス組成 (%)]を使用しなければならない。計算と

しては,6.4の(1)又は(2)に示すG,G0,Gw,Gw1などを用いて,次のように行う。 

100

)

(

)

(

)1

(

)

(

)

(

)

(

)1

(

)

(

)

(

)

(

)1

(

)

(

)

(

)

(

1

2

0

0

2

0

0

2

0

0

2

×

+

=

=

+

×

=

=

+

×

=

=

+

×

=

=

G

G

G

O

H

G

A

m

G

N

G

A

m

G

CO

G

A

m

G

O

w

w

湿りガスの水蒸気組成

乾きガスの窒素組成

湿りガスの窒素組成

組成

乾きガスの二酸化炭素

組成

湿りガスの二酸化炭素

乾きガスの酸素組成

湿りガスの酸素組成

また,Cpo2,Cpco2,Cpn2,CpH2O,∑

iCpiは,酸素,二酸化炭素(炭酸ガス),窒素,水蒸気及びその他の

ガスを加算したものの各ガスの平均定圧比熱を表し,表1から求める。 

なお,∑

iCpi(ガスi)は,各成分ガスの量が小さい場合は,実用上無視して差し支えない。 

空気の平均定圧比熱は,表1から求める。 

background image

 
 

1

0

B

 8

4

11

-1

9

8

9

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1 ガスの平均定圧比熱 kJ/mn3℃ {kcal/mn3℃}  

温度 

t℃ 

H2 

N2 

空気中の 

N2 

O2 

CO 

H2O 

H2S 

CO2 

SO2 

空気 

CH4 

C2H4 

C2H6 

0 1.277{0.305} 1.302{0.311} 1.293{0.309} 1.306{0.312} 1.302{0.311} 1.427{0.341} 1.532{0.366} 1.620{0.387} 1.775{0.424} 1.298{0.310} 1.549{0.370} 1.884{0.450} 1.913{0.457} 

100 1.285{0.307} 1.302{0.311} 1.298{0.310} 1.319{0.315} 1.306{0.312} 1.440{0.344} 1.561{0.373} 1.725{0.412} 1.863{0.445} 1.302{0.311} 1.658{0.396} 2.122{0.507} 2.076{0.496} 

200 1.293{0.309} 1.306{0.312} 1.302{0.311} 1.340{0.320} 1.310{0.313} 1.457{0.348} 1.595{0.381} 1.808{0.432} 1.942{0.464} 1.306{0.312} 1.771{0.423} 2.344{0.560} 2.206{0.527} 

300 1.293{0.309} 1.310{0.313} 1.306{0.312} 1.360{0.325} 1.319{0.315} 1.473{0.352} 1.628{0.389} 1.884{0.450} 2.013{0.481} 1.319{0.315} 1.896{0.453} 2.549{0.609} 2.315{0.553} 

400 1.298{0.310} 1.323{0.316} 1.319{0.315} 1.381{0.330} 1.331{0.318} 1.494{0.357} 1.666{0.398} 1.951{0.466} 2.068{0.494} 1.331{0.318} 2.022{0.483} 2.742{0.655} 2.399{0.573} 

500 1.302{0.311} 1.335{0.319} 1.327{0.317} 1.398{0.334} 1.344{0.321} 1.520{0.363} 1.700{0.406} 2.009{0.480} 2.122{0.507} 1.344{0.321} 2.147{0.513} 2.913{0.696} 2.474{0.591} 

600 1.306{0.312} 1.344{0.321} 1.340{0.320} 1.419{0.339} 1.360{0.325} 1.545{0.369} 1.741{0.416} 2.064{0.493} 2.168{0.518} 1.356{0.324} 2.269{0.542} 3.073{0.734} 2.545{0.608} 

700 1.310{0.313} 1.360{0.325} 1.356{0.324} 1.436{0.343} 1.377{0.329} 1.570{0.375} 1.779{0.425} 2.110{0.504} 2.206{0.527} 1.373{0.328} 2.386{0.570} 3.215{0.768} 2.608{0.623} 

800 1.314{0.314} 1.377{0.329} 1.369{0.327} 1.453{0.347} 1.390{0.332} 1.595{0.381} 1.817{0.434} 2.156{0.515} 2.240{0.535} 1.386{0.331} 2.495{0.596} 3.370{0.805} 2.667{0.637} 

900 1.323{0.316} 1.386{0.331} 1.381{0.330} 1.469{0.351} 1.402{0.335} 1.620{0.387} 1.850{0.442} 2.189{0.523} 2.269{0.542} 1.398{0.334} 2.595{0.620} 3.474{0.830} 2.721{0.650} 

1 000 1.327{0.317} 1.398{0.334} 1.394{0.333} 1.482{0.354} 1.415{0.338} 1.645{0.393} 1.884{0.450} 2.227{0.532} 2.294{0.548} 1.415{0.338} 2.696{0.644} 3.592{0.858} 2.771{0.662} 

1 100 1.335{0.319} 1.415{0.338} 1.407{0.336} 1.490{0.356} 1.427{0.341} 1.674{0.400} 1.913{0.457} 2.260{0.540} 2.319{0.554} 1.423{0.340} 2.788{0.666}  

1 200 1.344{0.321} 1.423{0.340} 1.415{0.338} 1.503{0.359} 1.440{0.344} 1.700{0.406} 1.942{0.464} 2.290{0.547} 2.340{0.559} 1.436{0.343} 2.872{0.686}  

1 300 1.352{0.323} 1.432{0.342} 1.427{0.341} 1.515{0.362} 1.448{0.346} 1.720{0.411} 1.972{0.471} 2.315{0.553} 2.357{0.563} 1.444{0.345}  

1 400 1.360{0.325} 1.444{0.345} 1.440{0.344} 1.524{0.364} 1.457{0.348} 1.750{0.418} 1.993{0.476} 2.340{0.559} 2.373{0.567} 1.457{0.348}  

1 500 1.365{0.326} 1.453{0.347} 1.448{0.346} 1.532{0.366} 1.469{0.351} 1.771{0.423} 2.018{0.482} 2.365{0.565} 2.386{0.570} 1.465{0.350}  

1 600 1.373{0.328} 1.465{0.350} 1.457{0.348} 1.540{0.368} 1.478{0.353} 1.792{0.428} 2.043{0.488} 2.386{0.570} 2.399{0.573} 1.478{0.353}  

1 700 1.381{0.330} 1.469{0.351} 1.465{0.350} 1.549{0.370} 1.486{0.355} 1.813{0.433} 2.064{0.493} 2.407{0.575} 2.411{0.576} 1.482{0.354}  

1 800 1.390{0.332} 1.478{0.353} 1.473{0.352} 1.557{0.372} 1.494{0.357} 1.838{0.439} 2.085{0.498} 2.424{0.579} 2.424{0.579} 1.490{0.356}  

1 900 1.398{0.334} 1.482{0.354} 1.482{0.354} 1.566{0.374} 1.499{0.358} 1.854{0.443} 2.101{0.502} 2.440{0.583} 2.432{0.581} 1.499{0.358}  

2 000 1.407{0.336} 1.490{0.356} 1.486{0.355} 1.574{0.376} 1.507{0.360} 1.875{0.448} 2.118{0.506} 2.457{0.587} 2.440{0.583} 1.503{0.359}  

参考 表記の数値は,E. Schmidt : Einführung in der Technische Thermodynamik (1958) の0℃からt℃までの平均定圧比熱 (kcal/kmol deg) から換算したkcal/mn3℃の値をベ

ースとしたものである。 

11 

B 8411-1989  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6.6 

排ガス入口熱量 排ガス入口熱量は,次の式によって求める。 

Q1=Vf・Cp1 (t1−t0)  

ここに, 

Q1: 排ガス入口熱量 (kJ/h) {kcal/h}  

Vf: 単位時間に通過する排ガス流量 (mn3/h)  

Cp1: 温度t1〜t0℃間の排ガスの平均定圧比熱 (kJ/mn3℃) 

{kcal/mn3℃}  

t1: 空気予熱器入口排ガス温度 (℃)  

t0: 外気温度 (℃)  

Vfは,燃料の成分から次の式によって求める。 

Vf =G・F 

ここに, 

G: 燃料1kg (mn3) 当たりの水蒸気を含む実際排ガス量 [mn3/kg 

(mn3)]  

F: 毎時燃料使用量 [kg (mn3) /h]  

備考 表1から求められるCpfとCp1は,表1の基準温度と外気温度t0とでは多少の差はあるが,熱容

量計算に用いる場合Cp1に対してはCpfを用いても実用上差し支えない。 

6.7 

排ガス出口熱量 排ガス出口熱量は,次の式によって求める。 

Q2=Vf・Cp2 (t2−t0)  

ここに, 

Q2: 排ガス出口熱量 (kJ/h) {kcal/h} 

Cp2: 温度t2〜t0℃間の排ガスの平均定圧比熱 (kJ/mn3℃) 

{kcal/mn3℃}  

t2: 空気予熱器出口排ガス温度 (℃)  

備考 表1から求められるCpfは,6.6と同様にCp2の代わりに使用しても実用上差し支えない。 

6.8 

空気側受熱量 空気側受熱量は,次の式によって求める。 

Qa=Va・Cpa (t4−t3)  

ここに, 

Qa: 空気側受熱量 (kJ/h) {kcal/h}  

Va: 単位時間に通過する空気流量 (mn3/h)  

Cpa: 温度t4〜t3℃間の空気の平均定圧比熱 (kJ/mn3℃) 

{kcal/mn3℃}  

t4: 空気予熱器出口空気温度 (℃)  

t3: 空気予熱器入口空気温度 (℃)  

6.9 

空気予熱器の熱効率 空気予熱器の熱効率は,次の式によって求める。 

100

1

×

=Q

Qa

η

ここに, 

η: 空気予熱器の熱効率 (%)  

備考1. 空気予熱器の温度効率 

空気予熱器の温度効率は,次の式によって求める。 

100

2

1

3

4

×

=

t

t

t

t

φ

ここに, 

φ: 空気予熱器の温度効率 (%)  

12 

B 8411-1989  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2. システム全体の排熱回収率 

100

×

=

'

Q

'

Q

R

a

φ

ここに, 

R: システム全体の排熱回収率 (%)  

 Q0=Vf・Cp0 (t5−t0)  

Q0: 燃焼設備出口の排ガスのもつ熱量 (kJ/h) {kcal/h}  

Cp0: 温度t5〜t0℃間の排ガスの平均定圧比熱 (kJ/mn3℃) 

{kcal/mn3℃}  

t5: 燃焼設備出口の排ガス温度 (℃)  

   Qa'=Va・Cpa' (t6−t0)  

Qa': 燃焼設備の燃焼機器入口の空気のもつ熱量 (kJ/h) {kcal/h}  

Cpa': 温度t6〜t0℃間の空気の平均定圧比熱 (kJ/mn3℃) 

{kcal/mn3℃}  

t6: 燃焼設備の燃焼機器入口の空気温度 (℃)  

6.10 空気予熱器の外部熱損失 空気予熱器の外部熱損失は,次の式によって求める。 

Ql=Q1−Q2−Qa 

ここに, 

Ql: 空気予熱器の外部熱損失 (kJ/h) {kcal/h}  

6.11 排ガス側圧力損失 空気予熱器の排ガス側圧力損失は,次の式によって求める。 

∆Pf=P1−P2 

ここに, 

∆Pf: 排ガス側圧力損失 (Pa) {mmAq} 

P1: 空気予熱器入口排ガス圧力(静圧) (Pa) {mmAq}  

P2: 空気予熱器出口排ガス圧力(静圧) (Pa) {mmAq}  

6.12 空気側圧力損失 空気予熱器の空気側圧力損失は,次の式によって求める。 

∆Pa=P3−P4 

ここに, 

∆Pa: 空気側圧力損失 (Pa) {mmAq}  

P3: 空気予熱器入口空気圧力(静圧) (Pa) {mmAq}  

P4: 空気予熱器出口空気圧力(静圧) (Pa) {mmAq}  

7. 試験成績の表示 試験の成績は表2の様式によって,空気予熱器性能試験記録表に記入する。 

background image

 
 

1

3

B

 8

4

11

-1

9

8

9

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表2 空気予熱器性能試験記録表 

14 

B 8411-1989  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

引用規格: 

JIS B 8330 送風機の試験及び検査方法 

JIS K 0095 排ガス試料採取方法 

JIS K 2249 原油及び石油製品の密度試験方法並びに密度・質量・容量換算表 

JIS K 2251 原油及び石油製品試料採取方法 

JIS K 2270 原油及び石油製品残留炭素分試験方法(コンラドソン法) 

JIS K 2272 原油及び石油製品の灰分並びに硫酸灰分試験方法 

JIS K 2275 原油及び石油製品水分試験方法 

JIS K 2279 原油及び燃料油発熱量試験方法 

JIS K 2301 燃料ガス及び天燃ガスの分析・試験方法 

JIS K 2541 原油及び石油製品硫黄分試験方法 

JIS M 8801 石炭類の試験方法 

JIS M 8810 石炭類及びコークス類のサンプリング,分析並びに試験方法の通則 

JIS M 8811 石炭類及びコークス類のサンプリング方法並びに全水分・湿分測定方法 

JIS M 8812 石炭類及びコークス類の工業分析方法 

JIS M 8813 石炭類及びコークス類の元素分析方法 

JIS M 8814 石炭類及びコークス類の発熱量測定方法 

JIS Z 8704 温度の電気的測定方法 

JIS Z 8705 ガラス製温度計による温度測定方法 

JIS Z 8710 温度測定方法通則