B 8396:2018
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 2
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 記号······························································································································· 3
5 ハウジング ······················································································································ 3
5.1 一般 ···························································································································· 3
5.2 ハウジング幅 ················································································································ 3
5.3 ハウジング深さ ············································································································· 3
6 寸法及び許容差 ················································································································ 3
6.1 ピストンシールのハウジング寸法······················································································ 4
6.2 ロッドシールのハウジング寸法 ························································································ 7
6.3 ハウジング深さの寸法許容差 ·························································································· 11
6.4 ハウジング幅 ··············································································································· 12
7 はみ出し隙間 ·················································································································· 12
8 表面性状························································································································ 12
8.1 一般 ··························································································································· 12
8.2 しゅう動部及び固定部の表面性状····················································································· 12
9 装着用面取り部 ··············································································································· 13
10 規格適合表示 ················································································································ 13
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 15
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(2)
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
フルードパワー工業会(JFPA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本
工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本
工業規格である。
これによって,JIS B 8396:2000は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
B 8396:2018
油圧−シリンダ−往復動用ピストン及び
ロッドシールのハウジング−寸法及び許容差
Hydraulic fluid power-Cylinders-Dimensions and tolerances of housings
for single-acting piston and rod seals in reciprocating applications
序文
この規格は,2010年に第2版として発行されたISO 5597を基に作成した日本工業規格であるが,既に
国内で使用されているハウジングへの適用も可能とするため,技術的内容を変更して作成した日本工業規
格である。
なお,この規格で側線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一覧表に
その説明を付けて,附属書JAに示す。
油圧システムにおいて動力は閉回路内の油圧油を通して伝達され,制御される。密封装置は,例えば,
油圧シリンダのように直線運動する部分をもつ要素機器の圧力流体を漏らさないため使用される。これら
の密封装置は,通常シリンダのピストン及びロッド用ハウジングの双方に使用されている。この規格は,
ハウジングの寸法及び許容差に関する規格のシリーズの一つである。
製造業者によってシールの構造形式が異なるのでシール設計については規定していない。シールの設計,
材料及びバックアップリングは,温度及び圧力のような条件によって決められる。
この規格に従って製造した製品は,規格の寸法基準に適用しているだけで,シールの機能性は規定して
いない。
1
適用範囲
この規格は,油圧往復動用のシリンダに使用されるピストン及びロッドシールのハウジング寸法及び許
容差について規定する。寸法の範囲は,次とする。
シリンダ内径寸法:16 mm〜500 mm
ロッド径寸法:6 mm〜360 mm
この規格は,次の四つのタイプのハウジングに適用する。
− Aタイプ
弾性体のシールを保持するために,溝加工をするか又は押さえ板を使用するピストンシールのハウ
ジング(図1及び表1参照)。
− Bタイプ
弾性体のシールを保持するために,溝加工をしたはめ込み形(コンパクトシリーズ JIS B 8367-2)
ピストンシールのハウジング(図2及び表2参照)。
− Cタイプ
弾性体のシールを保持するために,溝加工をするか又は押さえ板を使用するロッドシールのハウジ
2
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ング(図3及び表3参照)。
− Dタイプ
弾性体のシールを保持するために,溝加工をしたはめ込み形(コンパクトシリーズ JIS B 8367-2)
ロッドシールのハウジング(図4及び表4参照)
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 5597:2010,Hydraulic fluid power−Cylinders−Dimensions and tolerances of housings for
single-acting piston and rod seals in reciprocating applications(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0031 製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状の図示方法
注記 対応国際規格:ISO 1302,Geometrical Product Specifications (GPS)−Indication of surface texture
in technical product documentation
JIS B 0051 製図−部品のエッジ−用語及び指示方法
注記 対応国際規格:ISO 13715,Technical drawings−Edges of undefined shape−Vocabulary and
indications
JIS B 0142 油圧・空気圧システム及び機器−用語
注記 対応国際規格:ISO 5598,Fluid power systems and components−Vocabulary
JIS B 0651 製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−触針式表面粗さ測定機の特性
注記 対応国際規格:ISO 3274,Geometrical Product Specifications (GPS)−Surface texture: Profile
method−Nominal characteristics of contact (stylus) instruments
JIS B 4121 刃先交換チップ
注記 対応国際規格:ISO 883,Indexable hardmetal (carbide) inserts with rounded corners, without fixing
hole−Dimensions
JIS B 8366-1 油圧・空気圧システム及び機器−シリンダ−構成要素及び識別記号−第1部:シリンダ
内径及びピストンロッド径
注記 対応国際規格:ISO 3320,Fluid power systems and components−Cylinder bores and piston rod
diameters and area ratios−Metric series
JIS B 8367-2 油圧シリンダ取付寸法−第2部:片ロッド−16 MPaシリーズ−角カバー形−タイロッ
ド締付式(内径25 mm〜200 mm)
注記 対応国際規格:ISO 6020-2,Hydraulic fluid power−Mounting dimensions for single rod cylinders,
16 MPa (160 bar) series−Part 2: Compact series
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 0142による。
3
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4
記号
この規格で用いる記号は,次による。
a:ハウジング側面の表面性状
b:ハウジング底面の表面性状
C:装着用面取り長さ
D:ハウジング径(ロッドシール)及びシリンダ内径
d:ハウジング径(ピストンシール)及びロッド径
d3:ピストン径
d4:ロッドはめあい部内径(非加圧側)
d5:ロッドはめあい部内径(加圧側)
e:ロッド及びシリンダ内面の表面性状
f:装着面取り部の表面性状
L:ハウジング幅
r:ハウジング底の丸み
S:ハウジング深さ S=(D−d) / 2
A,B:データム軸直線
T1,T2:最大円周振れ公差
5
ハウジング
5.1
一般
5.1.1
この規格のロッド及びピストンシールのハウジング例を,図1〜図4に示す。
注記 この図は,特殊な用途のハウジング設計の推奨を示したものではない。
5.1.2
ハウジングの角は,かえり,及びばりは取り除かなければならない。ただし,このハウジングの角
の加工は,はみ出しに影響するので注意する。
5.1.3
この規格に規定していないハウジングの設計は,製造業者に相談することが望ましい。
5.2
ハウジング幅
ハウジング幅(L)は,表1〜表4による。Aタイプ及びCタイプは,表1及び表3のようにハウジング
幅が選択できる。
注記 この規格は,ピストン径及びロッド径についてハウジング幅の選定ができるが,Bタイプ及び
Dタイプを適用する油圧シリンダの場合は,一種類の寸法だけである(箇条1,表2及び表4
参照)。
5.3
ハウジング深さ
ハウジング深さ(S)は,表1〜表4による。Aタイプ及びCタイプは,表1及び表3のようにハウジン
グ深さが選択できる。
注記 この規格は,ピストン径及びロッド径についてハウジング深さの選定ができるが,Bタイプ及
びDタイプを適用する油圧シリンダの場合は,ピストン及びロッド径が一種類の寸法だけであ
る(箇条1,表2及び表4参照)。
6
寸法及び許容差
JIS B 8366-1及びISO 4394-1参照。
4
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6.1
ピストンシールのハウジング寸法
6.1.1
Aタイプのハウジング例を,図1に示す。ここでは,ハウジングのピストンとパッキン押さえとは
分割形であるが,一体形でもよい。
6.1.2
Aタイプのハウジング寸法は,表1による。
1
シリンダチューブ
2
ピストン
3
パッキン押さえ
注a) かえりがなく,滑らかにする。
b) 最大円周振れ公差 T1=0.05
c) a,b,e及びfの値は,表6参照
d) Cの値は表7参照
e) d,D,S,L及びrの値は,表1参照
f) 一体形又は分割形のいずれでも使用可能である。
図1−Aタイプのハウジング例
5
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表1−Aタイプのハウジング寸法
単位 mm
シリンダ内径a)
D
ハウジング
深さ S
ハウジング径
d
ハウジング幅b)L
ハウジング
底の丸みr
(最大)
小
中
大
16
4
8
5
6.3
−
0.4
20
12
25
17
5
15
6.3
8
16
32
4
24
5
6.3
−
5
22
6.3
8
16
40
4
32
5
6.3
−
5
30
6.3
8
16
50
40
7.5
35
9.5
12.5
25
0.4
63
5
53
6.3
8
16
0.4
7.5
48
9.5
12.5
25
0.4
80
65
10
60
12.5
16
32
0.6
90
7.5
75
9.5
12.5
25
0.4
10
70
12.5
16
32
0.6
100
7.5
85
9.5
12.5
25
0.4
10
80
12.5
16
32
0.6
110
7.5
95
9.5
12.5
25
0.4
10
90
12.5
16
32
0.6
125
105
12.5
100
16
20
40
0.8
140
10
120
12.5
16
32
0.6
12.5
115
16
20
40
0.8
160
10
140
12.5
16
32
0.6
12.5
135
16
20
40
0.8
180
10
160
12.5
16
32
0.6
12.5
155
16
20
40
0.8
200
175
15
170
20
25
50
220
12.5
195
16
20
40
15
190
20
25
50
250
12.5
225
16
20
40
15
220
20
25
50
280
250
320
290
360
330
400
20
360
25
32
63
1
450
410
500
460
注a) JIS B 8366-1参照。
b) ハウジング幅の大,中及び小は,使用条件によって選択する。
6
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6.1.3
Bタイプのハウジング例を図2に示す。ここでは,ハウジングのピストンは一体形であるが,分割
形でもよい。
6.1.4
Bタイプのハウジング寸法は,表2による。
1
シリンダチューブ
2
ピストン
注a) かえりがなく,滑らかにする。
b) 最大円周振れ公差 T1=0.05
c) a,b,e及びfの値は,表6参照
d) Cの値は表7参照
e) d,D,S,L及びrの値は,表2参照
f) 一体形又は分割形のいずれでも使用可能である。
図2−Bタイプのハウジング例
表2−Bタイプのハウジング寸法
単位 mm
シリンダ内径a)
D
ハウジング
深さS
ハウジング径
d
ハウジング幅
L
ハウジング
底の丸みr b)
(最大)
25
3.5
18
5.6
0.5
32
25
40
4
32
6.3
50
42
63
55
80
5
70
7.5
100
90
125
7.5
110
10.6
160
145
200
185
注a) JIS B 8367-2参照。
b) この特定寸法は,JIS B 4121による工具を用いた結果であってもよい。
7
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6.2
ロッドシールのハウジング寸法
6.2.1
Cタイプのハウジング例を,図3に示す。ここでは,ハウジングのグランドとパッキン押さえは分
割形であるが,一体形でもよい。
6.2.2
Cタイプのハウジング寸法は,表3による。
1
ロッド
2
グランド
3
パッキン押さえ
注a) かえりがなく,滑らかにする。
b) グランドの円周振れ公差 T1=0.05
c) パッキン押さえの円周振れ公差 T2=0.05
d) a,b,e及びfの値は,表6参照
e) Cの値は表7参照
f) d,D,S,L及びrの値は,表3参照
g) 一体形又は分割形のいずれでも使用可能である。
図3−Cタイプのハウジング例
8
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表3−Cタイプのハウジング寸法
単位 mm
ロッド径a)
d
ハウジング
深さS
ハウジング径
D
ハウジング幅b)L
ハウジング
底の丸み r
(最大)
小
中
大
6
4
14
5
6.3
14.5
0.4
8
16
10
18
5
20
−
8
16
12
4
5
6.3
14.5
5
22
−
8
16
14
4
5
6.3
14.5
5
24
−
8
16
16
4
5
6.3
14.5
5
26
−
8
16
18
4
5
6.3
14.5
5
28
−
8
16
20
4
5
6.3
14.5
5
30
−
8
16
22
4
5
6.3
14.5
5
32
−
8
16
25
4
33
5
6.3
14.5
5
35
−
8
16
28
38
6.3
7.5
43
−
12.5
25
32
5
42
6.3
8
16
7.5
47
−
12.5
25
36
5
46
6.3
8
16
7.5
51
−
12.5
25
40
5
50
6.3
8
16
7.5
55
−
12.5
25
45
5
55
6.3
8
16
7.5
60
−
12.5
25
50
5
60
6.3
8
16
7.5
65
−
12.5
25
56
71
9.5
10
76
−
16
32
0.6
63
7.5
78
9.5
12.5
25
0.4
10
83
−
16
32
0.6
70
7.5
85
9.5
12.5
25
0.4
10
90
−
16
32
0.6
80
7.5
95
9.5
12.5
25
0.4
10
100
−
16
32
0.6
90
7.5
105
9.5
12.5
25
0.4
10
110
−
16
32
0.6
100
120
12.5
12.5
125
−
20
40
0.8
9
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表3−Cタイプのハウジング寸法(続き)
単位 mm
ロッド径a)
d
ハウジング
深さS
ハウジング径
D
ハウジング幅b)L
ハウジング
底の丸み r
(最大)
小
中
大
110
10
130
12.5
16
32
0.6
12.5
135
−
20
40
0.8
125
10
145
12.5
16
32
0.6
12.5
150
−
20
40
0.8
140
10
160
12.5
16
32
0.6
12.5
165
−
20
40
0.8
160
185
16
15
190
−
25
50
180
12.5
205
16
20
40
15
210
−
25
50
200
12.5
225
16
20
40
15
230
−
25
50
220
250
20
250
280
280
310
320
20
360
25
32
63
1
360
400
注a) JIS B 8366-1参照。
b) ハウジング幅の大,中及び小は,使用条件によって選択する。
10
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6.2.3
Dタイプのハウジング例を,図4に示す。ここでは,ハウジングのグランドは一体形であるが,分
割形でもよい。
6.2.4
Dタイプのハウジング寸法は,表4による。
1
ロッド
2
グランド
注a) かえりがなく,滑らかにする。
b) 最大円周振れ公差 T1=0.05
c) a,b,e及びfの値は,表6参照
d) Cの値は表7参照
e) d,D,S,L及びrの値は,表4参照
f) 一体形又は分割形のいずれでも使用可能である。
図4−Dタイプのハウジング例
11
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表4−Dタイプのハウジング寸法
単位 mm
ロッド径a)
d
ハウジング
深さS
ハウジング径
D
ハウジング幅
L
ハウジング
底の丸みr b)
(最大)
12
3.5
19
5.6
0.5
14
21
18
25
22
29
28
4.5
36
6.3
36
44
45
53
56
5
66
7.5
70
80
90
100
110
7.5
125
10.6
140
155
注a) JIS B 8367-2参照。
b) この特定寸法は,JIS B 4121による工具を用いた結果であってもよい。
6.3
ハウジング深さの寸法許容差
6.3.1
ハウジング深さの寸法許容差は,表5による。
6.3.2
表5の注記1及び注記2にd(図1及び図2を参照)及びD(図3及び図4を参照)から求める許
容寸法の計算式を示す。
注記1 一般に,表5に示されている式及び値は,JIS B 0401-2によって次のように使用する。
ピストンの場合:DのH9とd3のf8
ロッドの場合:dのf8とd5のH9
ほとんどdはh10,DはH10の範囲内との結果となる。
注記2 注記1の例で与えられた許容差がピストン用はD及びd3,ロッド用はd及びd5を選び,表5
の式を使用した場合にはハウジング深さが,許容差内に入る必要がある。
例えば,ハウジング径で緩い許容差を選べば,他方の径は厳しい許容差で補うことになる。
表5−ハウジング深さの許容差
単位 mm
ハウジング深さ S
許容差
3.5
+0.15
−0.05
4
+0.15
−0.05
5
+0.15
−0.10
7.5
+0.20
−0.10
10
+0.25
−0.10
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B 8396:2018
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表5−ハウジング深さの許容差(続き)
単位 mm
ハウジング深さ S
許容差
12.5
+0.30
−0.15
15
+0.35
−0.20
20
+0.40
−0.20
注記1 ピストン用
ハウジング径d(図1及び図2参照)の許容寸法は,次の式によって計算する。
dmin=2Dmax−d3, min−2Smax
dmax=d3, min−2Smin
注記2 ロッド用
ハウジング径D(図3及び図4参照)の許容寸法は,次の式によって計算する。
Dmin=d5, max+2Smin
Dmax=2dmin−d5, max+2Smax
6.4
ハウジング幅
ハウジング幅は,寸法許容差025
.0
+
mmを使用する。
7
はみ出し隙間
はみ出し隙間は,シールの後側の金属構成部品の直径(d4又はd3)によって決定される。
d3(図1及び図2参照)及びd4(図3及び図4参照)の詳細については,受渡当事者間の協議によるこ
とが望ましい。
注記1 最大のはみ出し隙間は,ピストン又はピストンロッドがそれぞれシリンダ及びウェアリング
の一方の側に片寄りする場合に起こる。
注記2 ピストンシールのはみ出しは,内圧によるシリンダの膨らみによって大きくなる。
8
表面性状
8.1
一般
シールと接する構成部品の表面性状は,シールの寿命及び密封性能に大きな影響を与える。
表面性状の測定は,JIS B 0651に対応した装置を用いて測定することが望ましい。
8.2
しゅう動部及び固定部の表面性状
8.2.1
別に定める場合を除き,表面性状は表6による。
8.2.2
あまり滑らかすぎるとシールとして適正な潤滑を維持できないので,しゅう動面の表面性状は,最
小Ra 0.1 μmとする。
8.2.3
特別な場合,表面性状は受渡当事者間で協定することができる。
8.2.4
シール部品が接する全ての面は,シール方向に沿ったツールマーク及びきずがないようにする。
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B 8396:2018
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表6−ピストンとロッドハウジングの表面性状 a)
単位 μm
表面性状b) c)
運動部d)
e
固定部d)
b
ハウジング側面部
a
面取り部
f
Ra 0.4
Rz 1.6
Ra 1.6
Rz 6.3
Ra 1.6
Rz 6.3
Ra 4
Rz 16
注a) 表面性状の指示記号は,JIS B 0031による。
b) 図示のない形状及びエッジは,JIS B 0051参照。
c) 特殊な事例は,異なる表面性状値を設定できる。
d) 目視で表面欠陥がないようにする。
9
装着用面取り部
9.1
装着用面取り部の位置は,図1〜図4による。
9.2
装着用面取り部の角度は,図1〜図4による。
9.3
装着用面取り部の長さは,表7による。
表7−装着用面取り部の長さ
単位 mm
ハウジング深さ:S
3.5
4
5
7.5
10
12.5
15
20
装着用面取り部の長さ:C(最小)
2
2
2.5
4
5
6.5
7.5
10
10 規格適合表示
この規格に適合していることを試験報告書,カタログ及び販売資料に記載する場合は,次の文言を用い
る。
“ピストンシール及びロッドシールのハウジングは,JIS B 8396(油圧−シリンダ−往復動用ピストン
及びロッドシールのハウジング−寸法及び許容差)に適合する。”
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
参考文献 JIS B 0024 製図−公差表示方式の基本原則
注記 対応国際規格:ISO 8015,Geometrical product specifications (GPS)−Fundamentals−
Concepts, principles and rules
JIS B 0401-1 製品の幾何特性仕様(GPS)−長さに関わるサイズ公差のISOコード方式−第1
部:サイズ公差,サイズ差及びはめあいの基礎
注記 対応国際規格:ISO 286-1,Geometrical product specifications (GPS)−ISO code system for
tolerances on linear sizes−Part 1: Basis of tolerances, deviations and fits
JIS B 0401-2 製品の幾何特性仕様(GPS)−長さに関わるサイズ公差のISOコード方式−第2
部:穴及び軸の許容差並びに基本サイズ公差クラスの表
注記 対応国際規格:ISO 286-2,Geometrical product specifications (GPS)−ISO code system for
tolerances on linear sizes−Part 2: Tables of standard tolerance classes and limit deviations for
holes and shafts
JIS B 0601 製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状
パラメータ
注記 対応国際規格:ISO 4287,Geometrical Product Specifications (GPS)−Surface texture:Profile
method−Terms, definitions and surface texture parameters
JIS B 0621 幾何偏差の定義及び表示
注記 対応国際規格:ISO 1101,Geometrical Product Specifications (GPS)−Geometrical
tolerancing−Tolerances of form, orientation, location and run-out
JIS B 2401-2 Oリング−第2部:ハウジングの形状・寸法
注記 対応国際規格:ISO 3601-2,Fluid power systems−O-rings−Part 2: Housing dimensions for
general applications
ISO 4394-1,Fluid power systems and component−Cylinder barrels−Part 1: Requirements for steel
tubes with specially finished bores
ISO 8785,Geometrical Product Specification (GPS)−Surface imperfections−Terms, definitions and
parameters
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附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS B 8396:2018 油圧−シリンダ−往復動用ピストン及びロッドシールのハウ
ジング−寸法及び許容差
ISO 5597:2010,Hydraulic fluid power−Cylinders−Dimensions and tolerances of
housings for single-acting piston and rod seals in reciprocating applications
(I)JISの規定
(II)国際
規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範囲 ピストン及びロッド
シールのハウジング
の寸法及び許容差に
ついての規定
1
変更
シリンダのタイプが不明確であっ
たので,便宜的に四つのタイプに分
類した。
技術的差異はない。
4 記号
4
JISとほぼ同じ
削除
次の二つの記号を削除した。
C0,Rδc
技術的差異はない。
5 ハウジン
グ
5.1.3
5.1.3
JISとほぼ同じ
変更
詳細設計は,製造事業者と相談する
ことが望ましいと,推奨にした。
技術的差異はない。
6 寸法及び
許容差
6.2.3 ハウジングの
例(図4)
6.2.1
JISとほぼ同じ
削除
図中のハウジングの最大実体公差
を削除した。
我が国の実情と合わないため。
実情を踏まえ,今後,ISOへ提案
をしていく予定である。
8 表面性状 8.2.1 しゅう動部及
び固定部の表面性状
8.2.1
JISとほぼ同じ
削除
最小評価長さを削除した。
我が国の実情と合わないため。
実情を踏まえ,今後,ISOへ提案
をしていく予定である。
8.2.2
表面性状パラメータ
“Rmr”の規定
削除
表面性状パラメータ“Rmr”を削除
した。
我が国の実情と合わないため。
実情を踏まえ,今後,ISOへ提案
をしていく予定である。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 5597:2010,MOD
3
B
8
3
9
6
:
2
0
1
8
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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B 8396:2018
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
3
B
8
3
9
6
:
2
0
1
8
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。