B 8377-1:2002
(1)
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本フルードパワー工業会(JFPA)
/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日
本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 10099,Pneumatic fluid power─
Cylinders─Final examination and acceptance criteriaを基礎として用いた。
JIS B 8377-1には,次に示す附属書がある。
附属書1(参考)関連規格
附属書2(参考)JISと国際規格との対比表
JIS B 8377の規格群には,次に示す部編成がある。
第1部:空気圧シリンダ受渡検査
第2部:油圧シリンダ受渡検査
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B 8377-1:2002
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目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 定義 ······························································································································ 1
4. 仕様確認 ························································································································ 2
5. 作動検査 ························································································································ 2
5.1 検査条件 ······················································································································ 2
5.2 検査 ···························································································································· 2
6. 空気漏れ検査 ·················································································································· 2
7. クッション検査 ··············································································································· 3
8. 規格適合表示 ·················································································································· 3
附属書1(参考)関連規格 ······································································································ 4
附属書2(参考)JISと国際規格との対比表 ··············································································· 5
解 説 ································································································································ 6
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日本工業規格 JIS
B 8377-1:2002
油圧・空気圧システム及び機器─シリンダの試験・
検査─第1部:空気圧シリンダ受渡検査
Fluid power systems and components─Inspection and test of cylinders─
Part 1:Acceptance tests for pneumatic cylinders
序文 この規格は,2001年に第2版として発行されたISO 10099,Pneumatic fluid power─Cylinders─Final
examination and acceptance criteriaを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日
本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。
1. 適用範囲 この規格は,空気圧シリンダの受渡検査について規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide21に基づき,IDT(一致している),MOD(修
正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 10099 Pneumatic fluid power ─ Cylinders─Final examination and acceptance criteria(MOD)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0142 油圧及び空気圧用語
備考 ISO 5598:1985,Fluid power systems and components─Vocabularyからの引用事項は,この規格
の該当事項と同等である。
JIS B 8393 空気圧─標準参考空気
備考 ISO 8778:1990,Pneumatic fluid power ─ Standard reference atmospheresがこの規格と一致してい
る。
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS 0142によるほか,次による。
a) ロッド側 ピストンロッドが出ている側。
参考 JIS B 0142(ISO 5598の対応規格)では“ヘッド側”(“head end”)という用語を用いているが,
現在国内で使用している用語をこの規格では用いた。
b) キャップ側 ピストンロッドが出ていない側。
参考 JIS B 0142(ISO 5598の対応規格)で用いている“キャップ側”(“cap end”)という用語が,現在
国内ではヘッド側とされているので注意を要する。
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B 8377-1:2002
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4. 仕様確認 次の項目は,品質保証の意味で, 最終組立又は製造工程の早い時期に確認し,記録を残す
のがよい。
a) 取付形式
b) ストローク
c) 全長
d) 銘板
e) 内径
f)
ロッド径
g) シリンダ本体から出ているピストンロッドの長さ(ピストンロッドが入りきった状態)及びロッド先端
形状
h) スイッチの動作又はその磁力(スイッチ付きシリンダの場合)
i)
取付寸法
j)
クッションの有無
k) ポートの種類,大きさ,ポート間の寸法及び位置
5. 作動検査 作動検査は次による。
5.1
検査条件
a) 検査圧力は,0.15 MPa以下とする。
b) 作動検査は,シリンダの往復運動中に行う(クッション調整は全開とする。)。
c) 検査は,シリンダを水平に置いて行う。
5.2
検査
a) ピストンは,ロッド側及びキャップ側の両端面まで動かなければならない。
b) ピストンロッドは,シリンダ本体から出る方向又は入る方向共に,止まったり,振動などの異常現象
を起こさずに作動しなければならない。
6. 空気漏れ検査 検査は,ヘッド側加圧とロッド側加圧と分けて行い,加圧する圧力は,0.15 MPaと
0.63 MPaの2種類の圧力とする。
6.1
キャップ側に加圧する場合は,ロッド側ポートは開放する。
漏れ量は漏れの合計量(漏れの可能性がある,すべての箇所の合計値)とし,測定に適した確認方法及び
測定器を使用する。
次の箇所からの合計漏れ量は,表1を超えてはならない。
a) ロッド側ポート(ピストンパッキンからの漏れ量)
b) キャップ側カバーとチューブの組合せ部
c) キャップ側クッション調整周辺部,チェック弁がある場合は,その周辺部
d) キャップ側カバーの鋳巣
e) その他外部に漏れが発生する可能性がある箇所
6.2
ロッド側に加圧する場合は,キャップ側ポートは開放とする。
漏れ量は漏れの合計量(漏れの可能性がある,すべての箇所の合計値)とし,測定に適した確認方法及び
測定器を使用する。
次の箇所からの合計漏れ量は,表1を超えてはならない。
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a) キャップ側ポート(ピストンパッキンからの漏れ量)
b) ロッド側カバーとチューブの組合せ部
c) ロッド側クッション調整周辺部,チェック弁がある場合は,その周辺部
d) ロッド側カバーの鋳巣
e) ピストンロッドパッキン周辺
f)
その他外部に漏れの発生する可能性がある場所
6.3
特別な漏れの値が要求される場合は,漏れ量と検査方法は受渡当事者間の協定による。
表 1 供試シリンダの合計漏れ量の最大値
内径 mm
8,10,12
16,20,25
32,40,50
63,80,100 125,160,200
250,320
許容漏量 dm3/h ANR(1)
0.6
0.8
1.2
2
3
5
注(1) JIS B 8393:標準参考空気参照
7. クッション検査 クッション検査は,次による。
a) クッション検査は,0.63 MPaの圧力で行う。
b) ロッド側,キャップ側のいずれの方向共に,クッション調整によってピストンは減速され,緩くカバ
ー端面に当たらなければならない。
8. 規格適合表示 この規格に適合することを試験報告書,カタログ及び販売資料に記述する場合は,次
の文言を用いる。
“空気圧シリンダの受渡検査は,JIS B 8377-1(油圧・空気圧システム及び機器─シリンダの試験・検
査─第1部:空気圧シリンダ受渡検査)に適合する。”
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附属書1(参考)関連規格
JIS B 8368-1:2002 空気圧シリンダ取付寸法─第1部:片ロッド─1 MPa用角カバー形,タイロッド締
付(取付金具固定)式(内径25 mmから250 mmまで)
備考 ISO 6430:1992,Pneumatic fluid power─Single rod cylinders, 1 000 kPa (10 bar) series,with integral
mounting, bores form 32 mm to 250 mm─Mounting dimensionsからの引用事項は,この規格と同等
である。
JIS B 8368-2:2002 空気圧シリンダ取付寸法─第2部:片ロッド─1 MPa用角カバー形,タイロッド締
付(取付金具分離)式(内径32 mmから320 mmまで)
備考 ISO 6431:1992,Pneumatic fluid power─Single rod cylinders, 1 000 kPa (10 bar) series,with detachable
mounting bores form 32 mm to 320 mm─Mounting dimensions からの引用事項は,この規格と同等
である。
JIS B 8368-3:2002 空気圧シリンダ取付寸法─第3部:片ロッド─1 MPa用小内径,(取付金具固定又
は分離)式(内径8 mmから25 mmまで)
備考 ISO 6432:1985,Pneumatic fluid power─Single rod cylinders, 10 bar (1 000 kPa) series─Bores from 8
to 25 mm─Mounting dimensionsからの引用事項は,この規格と同等である。
JIS B 8368-4:2002 空気圧シリンダ取付寸法─第4部:片ロッド─1 MPa用薄形(内径20 mmから100
mmまで)
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附属書2(参考)JISと国際規格との対比表
JIS B 8377-1:2002
油圧・空気圧システム及び機器─シリンダの試験・検査
第1部:空気圧シリンダ受渡検査
ISO 10099
空気圧シリンダ─受渡検査及び許容基準
(Ⅰ)JISの規定
(Ⅱ)
国際規格番号
(Ⅲ)
国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の項目
ごとの評価及びその内容並びに技術的差異
の理由と今後の対策
項目
番号
内容
項
目
番
号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
1.
適用
範囲
片ロッド複動油圧シ
リンダの出荷検査及
び評価基準に適用
ISO 10099
1 JISの規定と一
致
IDT
2.
引用
規格
JIS B 0142 (ISO 559
8)
JIS B 8393 (ISO 877
8)
ISO 10099
2
JISの規定と一
致
IDT
3.
定義
JIS B 0142 (ISO 559
8)によるほか
(1)ロッド側
(2)キャップ側
ISO 10099
3 ISO 5598によ
る
(1)ヘッド側
(2)キャップ
側
MOD/変更
(1)ISOと異なるため。
(2) 国内で普及している用語
と異なるため規定した。ISO
5598の見直し後検討。
4.
仕様
確認
仕様及び品質確認を
必要とする箇所の規
定と記録の推奨
ISO 10099
4
MOD/追加 品質管理上必要なため“記録に
残すこと”を,また3か所補足
説明を追加。ISOの見直し時に,
追加提案予定。
5.
作動
検査
機能検査方法の規定
と判定の基準と記録
の推奨
ISO 10099
5 滑らかに動く IDT
具体的に“止まったり,振動を
起こすなど異常現象を起こさ
ない”に変更。
6.
空気漏
れ検査
空気漏れの検査方法
と判定基準の規定と
記録の推奨
ISO 10099
6
IDT
7.
クッショ
ン検査
クッション検査の方
法と判定の基準の規
定と記録の推奨
ISO 10099
7
IDT
8.
規格適
合表示
JIS B 8377-1に適合表
示
ISO 10099
8
ISO 10099に適
合表示
IDT
ISO規格名をJIS規格名の表示
に。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
− IDT ---------------- 技術的差異がない。
− MOD/追加 ------- 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− MOD/変更 ------- 国際規格の規定内容を変更している。
2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
− MOD -------------- 国際規格を修正している。
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B 8377-1:2002
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日本工業標準調査会標準部会 産業機械技術専門委員会 構成表
氏名
所属
(委員会長)
岡 村 弘 之
東京理科大学理工学部
(委員)
朝 田 泰 英
財団法人電力中央研究所
伊 藤 正 人
厚生労働省労働基準局
大 地 昭 生
日本内燃機関連合会(株式会社東芝電力システム社)
大 湯 孝 明
社団法人日本農業機械工業会
重 久 吉 弘
財団法人エンジニアリング振興協会
鈴 木 通 友
社団法人全国木工機械工業会
筒 井 康 賢
独立行政法人産業技術総合研究所
橋 元 和 夫
国土交通省総合政策局
平 野 正 明
社団法人日本機械工業連合会
藤 咲 浩 二
社団法人日本産業機械工業会
松 山 新一郎
株式会社豊田自動織機
吉 田 岳 志
農林水産省生産局
渡 邉 和 夫
社団法人日本建設機械化協会