B 8372-1:2003 (ISO 6953-1:2000)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本フル
ードパワー工業会(JFPA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正す
べきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS B 8372-1:2000は改正され,この規格に置き換えられる。
改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 6953-1:2000,Pneumatic fluid power
−Compressed air pressure regulators and filter-regulators−Part 1: Main characteristics to be included in literature
from suppliers and product-making requirementsを基礎として用いた。
JIS B 8372-1には,次に示す附属書がある。
附属書A(参考)参考文献
JIS B 8372の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS B 8372-1 第1部:供給者の文書に表示する主要特性及び製品表示要求事項
JIS B 8372-2 第2部:供給者の書に表示する主要特性の試験方法
B 8372-1:2003 (ISO 6953-1:2000)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 2
3. 定義 ······························································································································ 2
3.1 定格圧力(rated pressure) ······························································································ 2
3.2 空気圧用減圧弁(compressed air pressure regulator) ···························································· 2
3.3 リリーフ付減圧弁(reliving pressure regulator)··································································· 2
3.4 フィルタ付減圧弁(filter-regulator) ················································································· 2
3.5 流量特性曲線(forward flow characteristics curve) ······························································· 2
3.6 圧力特性曲線(pressure regulation characteristics curve) ······················································· 2
3.7 リリーフ流量特性曲線(relief flow characteristics curve) ······················································· 2
4. 技術的要求事項 ··············································································································· 3
4.1 一般 ···························································································································· 3
4.2 一般特性 ······················································································································ 3
4.3 特別要求事項 ················································································································ 4
5. 操作及び保守 ·················································································································· 5
6. 表示 ······························································································································ 5
7. 規格適合表示 ·················································································································· 5
附属書A(参考)参考文献 ····································································································· 8
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 8372-1:2003
(ISO 6953-1:2000)
空気圧−空気圧用減圧弁及びフィルタ付減圧弁−
第1部:供給者の文書に表示する主要特性
及び製品表示要求事項
Pneumatic fluid power−Compressed air pressure regulators and
filter-regulators−Part 1: Main characteristics to be included in literature from
suppliers and product-making requirements
序文 この規格は,2000年に第2版として発行されたISO 6953-1,Pneumatic fluid power−Compressed air
pressure regulators and filter-regulators−Part 1: Main characteristics to be included in literature from suppliers and
product-making requirementsを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業
規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。
空気圧システムの動力は,回路中の圧縮空気を介して伝達され制御される。空気圧用減圧弁及びフィル
タ付減圧弁は,装置の最適性能を確保するために必要な一定の圧力を保持するための機器である。
1. 適用範囲 この規格は,空気圧用減圧弁及びフィルタ付減圧弁(以下,特に表示しない場合は共に減
圧弁という。)の供給者の文書に表示する主要特性を規定し,また,製品表示に対する要求事項について規
定する。
この規格は,材質にアルミニウムなどの軽合金,亜鉛ダイカスト合金,黄銅,鋼及びプラスチックを使
用し,最高使用温度80℃以下,入口の定格圧力2.5 MPa以下及び最高設定圧力1.6 MPa以下の減圧弁に適
用する。また,入口の定格圧力1.6 MPa以下及び最高設定圧力1.6 MPa以下で,主要な汚染物質を機械的
な方法で除去するフィルタ付減圧弁にも適用する。
定格圧力は,ISO 2944に規定されている圧力から選択することが望ましい。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 6953-1:2000,Pneumatic fluid power−Compressed air pressure regulators and filter-regulators−
Part 1: Main characteristics to be included in literature from suppliers and product-making
requirements (IDT)
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B 8372-1:2003 (ISO 6953-1:2000)
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2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格のうちで,発効年(又は発行年)を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの
規格の規定を構成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない引
用規格は,その最新版(追補を含む)を適用する。
JIS B 0142 油圧及び空気圧用語
備考 ISO 5598:1985 Fluid power systems and components−Vocabularyからの引用事項は,この規格
の該当事項と同等である。
JIS B 8371-2:2000 空気圧−空気圧フィルタ−第2部:供給者の文書に表示する主要特性の試験方法
備考 ISO 5782-2:1997 Pneumatic fluid power−Compressed air filters−Part 2: Test methods to
determine the main characteristics to be included in supplier's literatureが,この規格と一致してい
る。
JIS B 8372-2:2003 空気圧−空気圧減圧弁及びフィルタ付減圧弁−第2部:供給者の文書に表示する
主要特性の試験方法
備考 ISO 6953-2:2000 Pneumatic fluid power−Compressed air pressure regulators and filter-regulators
−Part 2: Test methods to determine the main characteristics to be included in literature from
suppliersが,この規格と一致している。
ISO 2944:2000 Fluid power systems and components−Nominal pressures
ISO 11727:1999 Pneumatic fluid power−Identification of port and control mechanism of control valves and
other components
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS B 0142によるほか,次による。
3.1
定格圧力(rated pressure) 適当な作動寿命を保証するために十分な,繰り返し回数を作動するよ
うに設計し,試験によって確認した機器又は配管の圧力。
3.2
空気圧用減圧弁(compressed air pressure regulator) 使用流量及び入口圧力の変動によらず,回路
内で空気圧力をほぼ一定に維持する機器。
3.3
リリーフ付減圧弁(reliving pressure regulator) 出口圧力が設定圧力を超えた場合に,過剰な圧力
を大気へ排気するリリーフ機構を備えた減圧弁。リリーフ出口圧力が設定圧力を十分に超えた場合に作動
し,限られた流量を排出する。
参考 JIS B 8370:2000(空気圧システム通則)にはリリーフ能力について,“リリーフ式減圧弁は,安
全装置ではなく,リリーフ能力が不十分な場合,これだけを過剰な圧力を防止するための装置
にしてはならない。”と規定されている。
3.4
フィルタ付減圧弁(filter-regulator) フィルタと減圧弁を一つの本体で結合し,単独ユニットとし
た機器。
一般的に,フィルタは減圧弁の上流側にある。
3.5
流量特性曲線(forward flow characteristics curve) 入口圧力を一定に保持し,空気流量を変化させ
たときの出口圧力の変化を表すグラフ。
3.6
圧力特性曲線(pressure regulation characteristics curve) 空気流量をほぼ一定に保持し,入口圧力
を変化させたときの出口圧力の変化を表すグラフ。
3.7
リリーフ流量特性曲線(relief flow characteristics curve) 入口圧力を一定に保持し,設定圧力以上
に加えた出口圧力とリリーフ流量の関係を表すグラフ。
3
B 8372-1:2003 (ISO 6953-1:2000)
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4. 技術的要求事項
4.1
一般 減圧弁にかかわる説明文書には,次の特性の表示を含まなければならない。
4.2
一般特性
4.2.1
主要寸法 図1の寸法は,ミリメートル(mm)で表示する。
ポートの形式については4.2.2を参照。
記号
A:最大幅
B:ポートのセンターラインからの下部最大高さ
C:圧力計を除いた最大奥行き
D:ポート接続面(入口/出口)の間の距離
E:ポートのセンターラインからの上部最大高さ
F(1):ポートのセンターラインからの最大奥行き
G:ハンドルの最大寸法
H:取外しのためのポートのセンターラインからの最小高さ
J(2):取付穴の距離
K(2):ポートのセンターラインと取付穴の距離
L(2):取付穴の最小径,又は推奨取付ボルト
M:パネル取付けの場合の取付寸法
N:ポートのセンターラインからのパネル取付高さ
P:最大パネル厚さ
V:ドレン排出口の種類
W:ポートの種類
X:パイロットポートの種類
Y:圧力計ポートの種類
注(1) 取付金具にも適用する。
(2) 寸法J,K及びLは,本体の取付けが可能な場合に表示しなければならない。
図 1 空気圧用減圧弁及びフィルタ付減圧弁の寸法
4
B 8372-1:2003 (ISO 6953-1:2000)
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4.2.2
ポートの形式 ねじをもつポートの形式は,JIS B 0202及びJIS B 0203から選択することが望まし
い。フランジ取付けの場合,インターフェース面にOリングを装着するための座ぐりを設けてもよい。
なお,接続を確実にするために他のポートの形式を用いてもよい。
4.2.3
定格圧力 減圧弁は,ISO 2944に規定する定格圧力の値に従って,等級付けしなければならない。
定格圧力は,JIS B 8372-2の6.の試験手順によって確認しなければならない。
この圧力定格を確認する試験手順は,圧力容器の試験手順であり,ダイヤフラムについては含まない。
減圧弁のダイヤフラムは,設定圧力や感度によって幅広く使い分けられている。そのため,ダイヤフラム
の強度は,必要とする精度を実現するために制限されることがある。
4.2.4
使用温度範囲
4.2.4.1
減圧弁の材質及び作動を害することのない,温度範囲を表示しなければならない。
4.2.4.2
異なる定格のオプションが選定できる場合,それぞれの組合せに対し,圧力及び温度の定格を規
定しなければならない。
4.3
特別要求事項
4.3.1
一般 供給者の提供する資料は,使用者のそれぞれの用途における最適な減圧弁の選定に役立つも
のでなければならない。
4.3.2
設定圧力範囲 最高設定圧力は,次の区分の中から選択することが望ましい。
― 最大0.1 MPa
― 最大0.2 MPa
― 最大0.4 MPa
― 最大0.8 MPa
― 最大1.0 MPa
― 最大1.6 MPa
なお,特別な場合にはこれらと異なる範囲を用いてもよい。
4.3.3
流量特性
4.3.3.1
流量特性は,図2のグラフのような特性曲線によって表示しなければならない。各曲線は,図2
に示すように,所定の入口圧力及びポートサイズにおける出口圧力に対する空気流量を表す。
4.3.3.2
各グラフには,二つ以上の設定圧力に対する特性曲線を表示しなければならない。JIS B 8372-2
の7.3に従ってこれらの設定を選択し,試験を実施しなければならない。
4.3.3.3
図2に示す各特性曲線は,流量の増加及び減少の両方向について記録したデータをプロットした
ものである。
4.3.4
圧力特性
4.3.4.1
圧力特性は,図3のグラフに示すような特性曲線によって表示しなければならない。各曲線は,
図3に示すように,所定のポートサイズでのほぼ一定の流量における,入口圧力の変化に対する出口圧力
の変動を表す。
4.3.4.2
試験は,JIS B 8372-2の7.4に従って行い,4.3.3.2で選択した圧力を設定ポイントとして用いな
ければならない。
4.3.5
リリーフ流量特性
4.3.5.1
リリーフ付減圧弁の場合,図4のグラフに示すように,設定圧力を超えかつ出口圧力を増加させ
る状態でのリリーフ流量を表示しなければならない。
5
B 8372-1:2003 (ISO 6953-1:2000)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4.3.5.2
試験はJIS B 8372-2の7.5に従って行ない,各曲線は4.3.3.2と同一の設定圧力を用いなければな
らない。
4.3.5.3
リリーフ性能がポートサイズの影響を受ける場合,ポートサイズごとにリリーフ流量特性を表示
しなければならない。そうでない場合は,結果が適用できるすべてのポートサイズを明記しなければなら
ない。
4.3.6
ケースの有効容量
4.3.6.1
フィルタ付減圧弁の場合,4.3.6.2に規定するケースの有効容量を表示しなければならない。
4.3.6.2
ケースの有効容量は,フィルタケースの容量ごとに,JIS B 8371-2の8.に従い測定しなければな
らない。測定結果は,フィルタ付減圧弁に関する試験成績書又はその他の文書に表示しなければならない。
4.3.7
フィルタ付減圧弁のドレン装置 手動式,自動式及びその他のドレン排水器の形式を表示しなけれ
ばならない。
4.3.8
構成部品の材質 一般的な構造材料(例えば,本体,ボンネット,内部部品,エラストマ及びケー
スなど)の一覧を表示しなければならない。
5. 操作及び保守 適用,操作,試験及び保守に必要な,次を含む情報を提供しなければならない。
a) 調整条件
b) フィルタ付減圧弁の場合,フィルタエレメントの交換が必要な圧力降下の値及び誤作動が起こる可能
性がある圧力降下の値
c) フィルタ付減圧弁の部品(例:エレメント,ケースなど)に使用可能な洗浄剤の種類
d) 最低使用温度(必要により凝縮水の凍結に関する適切な警告を付す。)
e) フィルタ付減圧弁の場合,自動ドレン機構の最低作動圧力
f)
使用条件によるダイヤフラムの適用限度がある場合の定格圧力(4.2.3参照,JIS B 8372-2の試験で確
認された圧力より低い圧力。)
6. 表示
6.1
減圧弁には,次の情報を表示しなければならない。
a) 製造業者若しくは供給者の名称,又は商標
b) 製造業者若しくは供給者の形式,又は形式番号
c) 定格圧力(入口及び出口の定格圧力が異なる場合には,それぞれ入口の定格圧力及び最高設定圧力を
示す)
d) 最高使用温度
e) 製品の洗浄に関する警告
f)
流れの方向
g) 最大ドレンレベル(必要な場合)
h) 製造年月日を示す符号
6.2
減圧弁には,その他のデータを表示してもよい(例えば,設定圧力範囲)。
7. 規格適合表示 この規格に適合することを試験報告書,カタログ及び販売資料に記述する場合は,次
の文言を用いる。
“この空気圧用減圧弁(又はフィルタ付減圧弁)の特性と要求事項は,JIS B 8372-1空気圧−空気圧用
6
B 8372-1:2003 (ISO 6953-1:2000)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
減圧弁及びフィルタ付減圧弁−第1部:供給者の文書に表示する主要特性及び製品表示要求事項に適合す
る。”
ポートサイズ:
形式番号:
図 2 流量特性
ポートサイズ:
形式番号:
図 3 圧力特性
ポートサイズ:
形式番号:
図 4 リリーフ流量特性
出
口
圧
力
M
P
a
設定圧力: MPa
設定圧力: MPa
流量
L/min(ANR)
出
口
圧
力
M
P
a
流量: L/min(ANR)
流量: L/min(ANR)
流量: L/min(ANR)
入口圧力 MPa
設定圧力: MPa
設定圧力: MPa
出
口
圧
力
M
P
a
リリーフ流量 L/min
7
B 8372-1:2003 (ISO 6953-1:2000)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書A(参考)参考文献
この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
(1) JIS B 0202 管用平行ねじ
備考 ISO 228-1:1994,Pipe threads where pressure-tight joints are not made on the threads−Part 1:
Dimensions, tolerances and designationからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
(2) JIS B 0203 管用テーパねじ
備考 ISO 7-1:1994,Pipe threads where pressure-tight joint are made on the threads−Part 1: Dimensions,
tolerances and designationからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。