B 8371-2 : 2000 (ISO 5782-2 : 1997)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本フルードパワー工業会 (JFPA) /
財団法人日本規格協会 (JSA) から工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本
工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日本工業規格である。これによって,JIS B 8371 :
1993は廃止され,JIS B 8371のこの第2部及び第1部に置き換えられる。
JIS B 8371-2には,次に示す附属書がある。
附属書A(参考) 参考文献
JIS B 8371は,次の2部で構成される。
第1部:供給者の文書に表示する主要特性及び製品表示要求事項
第2部:供給者の文書に表示する主要特性の試験方法
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 8371-2 : 2000
(ISO 5782-2 : 1997)
空気圧−空気圧フィルタ−
第2部:供給者の文書に表示する
主要特性の試験方法
Pneumatic fluid power−Compressed air filters−Part 2 : Test methods to
determine the main characteristics to be included in supplier's literature
序文 この規格は,1997年に第1版として発行されたISO 5782-2, Pneumatic fluid power−Compressed air
filters−Part 2 : Test methods to determine the main characteristics to be included insupplier's literatureを翻訳し,
技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある参考は,原国際規格にはない事項である。
空気圧システムの動力は,回路中の圧縮空気を介して伝達され制御される。空気圧フィルタ(以下,フィ
ルタという。)は,機械的ろ過が要求される場合に,圧縮空気から固体及び液体汚染物質を除去するための
機器である。
1. 適用範囲 この規格は,JIS B 8371-1に規定するフィルタの供給者の文書に表示する主要な特性を決
定するパラメータに関する試験,手順及び試験結果の表示方法について規定する。
この規格の適用範囲は,
− 試験方法と試験データの表示方法を規格化することによってフィルタの比較を容易にし,
− 圧縮空気システムにおけるフィルタの適切な適用を補助する。
ここで規定する試験は,異なる種類のフィルタの比較を可能にすることを意図しており,生産するフィ
ルタごとに行う製造試験ではない。
備考 この規格の中で{ }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,参
考として併記したものである。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格のうちで,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構
成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その
最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0142 油圧及び空気圧用語
備考 ISO 5598 : 1985 (Fluid power systems and components−Vocabulary) からの引用事項は,この規
格の該当事項と同等である。
JIS B 8371-1 空気圧−空気圧フィルタ−第1部 : 供給者の文書に表示する主要特性及び製品表示要
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B 8371-2 : 2000 (ISO 5782-2 : 1997)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
求事項
備考 ISO 5782-1 : 1997 (Pneumatic fluid power−Compressed air filters−Part 1 : Main characteristics to
be included in supplier's literature and product-marking requirements) が,この規格と一致して
いる。
JIS K 2001 工業用潤滑油−ISO粘度分類
備考 ISO 3448 : 1992 (Industrial liquid lubricants−ISO viscosity classification) からの引用事項は,こ
の規格の該当事項と同等である。
JIS Z 8601 標準数
備考 ISO 3 : 1973 (Preferred numbers−Series of preferred numbers) からの引用事項は,この規格の該
当事項と同等である。
ISO 2944 : 1974 Fluid power systems and components−Nominal pressures
ISO 6358 : 1989 Pneumatic fluid power−Components using compressible fluids−Determination of
flowrate characteristics
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS B 0142及びJIS B 8371-1による。
4. 単位 空気圧システムでは,一般にJIS Z 8203によるSI単位が用いられ,特に次の単位が用いられる。
圧力(ゲージ):メガパスカル (MPa) {バール (bar)}
温度:セルシウス温度 (℃)
流量:リットル毎分 (l/min) (ANR)
参考 ISO 8778 : 1990 (Pneumatic fluid power−Standard reference atmosphere) では,ANRを温度20℃,
絶対圧0.1 MPa,相対湿度65%の標準状態の空気と定義している。
5. 試験条件
5.1
温度 処理空気,装置及び周囲の空気温度は,すべての試験で25℃±10℃を保持しなければならな
い。
5.2
圧力 規定された圧力は,±2%以内に保持しなければならない。優先する試験圧力は,JIS B 8371-1
の4.2.1又はISO 2944に示す。他の試験圧力が要求される場合は,JIS Z 8601の標準数R5から選択しなけ
ればならない。
6. 定格圧力の確認試験手順
6.1
定格圧力を表示しているフィルタについて,三つの任意のサンプルを選び,この試験を実施する。
6.2
この試験では,構造部で破損が起こるように,漏れを防ぐための製品のシール方法を変更してもよ
いが,変更によって圧力容器の構造強度を上げてはならない。
6.3
JIS K 2001による粘度がISO VG32を超えない液体をサンプルに満たし,サンプルを5.1の温度環境
に置く。
6.4
温度が安定した後,表示された定格圧力の1.5倍までゆっくりと加圧する。この圧力で2分間保持し,
漏れ及び破損(6.6で定義)がないかを確認する。
6.5
漏れ及び破損がなければ,更に表示された定格圧力の約半分の圧力を上げる。この圧力で2分間保
持し,漏れ及び破損(6.6で定義)がないかを確認する。
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B 8371-2 : 2000 (ISO 5782-2 : 1997)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
漏れ及び破損がない場合,次のいずれかに従う。
a) 軽合金,黄銅及び鋼鉄で構成される製品
表示された定格圧力の4倍に達するまで,前述の圧力増加を続ける。
b) 亜鉛ダイカスト合金又はプラスチックで構成される製品
− 使用温度50℃以下
表示された定格圧力の4倍に達するまで,前述の圧力増加を続ける。
− 使用温度50℃を超え80℃以下
表示された定格圧力の5倍に達するまで,前述の圧力増加を続ける。
6.6
破損の基準は,破断,部品の離脱又はき裂,若しくは圧力容器の外側を十分ぬらす,すべての液体
の漏れ現象である。ポートのねじ部からの漏れは,ねじ部の破断や割れによって発生するもの以外は破損
とみなさなくてもよい。
6.7
表示された定格圧力は,三つのすべてのサンプルが試験仕様を満足した場合に合格とする。
6.8
部品又はサブアセンブリ部分(例えば,ケース/目視窓)が異なった材料で構成される場合,材料
に対する最も高い方の適当な係数を使用することが望ましい。試験圧力は,異なる材料からなる部品のイ
ンタフェース面では,制限される場合がある。
6.9
圧力封入部の設計に,使用国の圧力容器の法規が適用される場合,その法規の要求事項がこの規格
の要求事項よりも優先する。
7. 流量試験
7.1
試験回路は,ISO 6358 : 1989の図1,表3,5.3及び5.4に完全に対応していなければならない。
7.2
圧力測定管は,ISO 6358 : 1989の図3,表4及び5.5に完全に対応していなければならない。
7.3
規定の試験条件で得られたそれぞれの一連の試験結果は,それぞれの状態が一定になった直後に記
録しなければならない。記録は定常状態で起こるドリフトの影響を避けるため,注意して,また状態の変
化が十分に緩やかになったときに行わなければならない。測定機器の圧力取入口が,固体又は液体の粒子
によってふさがれていないことを確認するため,定期的に点検しなければならない。
7.4
定格圧力が1.0 MPa {10 bar} の場合,入口圧力を0.25 MPa {2.5 bar},0.63 MPa {6.3 bar},1.0 MPa {10
bar} の試験標準圧力に,また,定格圧力が1.0 MPa {10 bar} と異なる場合は,定格圧力に設定する。流量
試験中は入口圧力を一定に保つ調整を行う。
7.5
試験回路に空気を流し始め,0.08MPa {0.8bar} 又は入口圧力の20%のいずれか小さい方を最大圧力
降下として流量を増し,この間の流量及び圧力降下を記録する。
7.6
試験結果は,JIS B 8371-1,4.2.1に従って,図2にポートサイズ及びフィルタエレメントの種類を記
録し,又は,圧力降下が入口圧力の5%のときの流量を表で示す表1に従って表示しなければならない。
8. ケースの有効容量の測定
8.1
この試験は,手動式ドレン弁をもつフィルタケースの容量を決定する。また,半自動式のドレン弁
にも適用する。
8.2
通常の生産単位から,ケース及びエレメントの各サイズごとに,任意に三つのフィルタの完成品を
サンプルとして選択する。
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B 8371-2 : 2000 (ISO 5782-2 : 1997)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
8.3
フィルタを完全に組み立てた状態でドレン弁を閉じ,液体をケース内のバッフルの最底部に触れる
ところまで満たす。このとき,必要な液体の量を測定する。バッフルがない場合は,最高液面高さの位置
及びその最高液面高さを満たすのに必要な液体の量をケースに表示しなければならない。
8.4
サンプルの各群ごとに有効容量の平均を決定する。これが,所定のケースとエレメントを組み合わ
せた各サイズにおけるケースの定格容量になる。
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B 8371-2 : 2000 (ISO 5782-2 : 1997)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書A(参考) 参考文献
1) JIS Z 8203 国際単位系 (SI) 及びその使い方
備考 ISO 1000 : 1992, SI units and recommendations for the use of their multiples and of certain other units
からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
JIS原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
竹 中 俊 夫
東京工業大学名誉教授
(委員)
香 川 利 春
東京工業大学
藤 田 昌 宏
通商産業省
八 田 勲
工業技術院
橋 本 進
財団法人日本規格協会
村 井 孝 宣
財団法人機械振興協会
小 林 隆 博
株式会社神戸製鋼所
渡 並 直
トヨタ自動車株式会社
荒 木 義 昭
株式会社日平トヤマ
岡 安 英 雄
社団法人日本工作機械工業会
黒 部 昌 徳
東芝機械株式会社
藤 田 勝
石川島汎用機械株式会社
美濃越 昌 二
日本電気株式会社
久々湊 哲 夫
SMC株式会社
二 見 安 亮
CKD株式会社
木 原 和 幸
株式会社トキメック
梅 田 時 彦
川崎重工業株式会社
小曽戸 博
内田油圧機器工業株式会社
中 西 康 二
黒田精工株式会社
長 岐 忠 則
黒田精工株式会社
千 葉 誠
カヤバ工業株式会社
門 泰 一
太陽鉄工株式会社
石 井 進
内田油圧機器工業株式会社
山 崎 一 彦
山信工業株式会社
高 橋 克 彰
SMC株式会社
萩 原 正 治
SMC株式会社
根 本 圭 介
三菱電線工業株式会社
小 池 一 夫
イハラサイエンス株式会社
伊 藤 三 郎
株式会社コガネイ
竹 内 俊 一
オリオン機械株式会社
(事務局)
三 浦 吉 成
社団法人日本フルードパワー工業会
堀 切 俊 彦
社団法人日本フルードパワー工業会
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B 8371-2 : 2000 (ISO 5782-2 : 1997)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
調質機器分科会 構成表
氏名
所属
(主査)
高 橋 克 彰
SMC株式会社
(副主査)
高 橋 隆 通
甲南電機株式会社
(幹事)
小 松 隆
株式会社コガネイ
(委員)
押 木 謙 一
TACO株式会社
塚 本 俊 治
CKD株式会社
辻 光 雄
日本精機株式会社
田 中 伸 幸
クロダワッツ株式会社
(事務局)
三 浦 吉 成
社団法人日本フルードパワー工業会
(文責 高橋 克彰)