2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 8346-1991
送風機及び圧縮機
−騒音レベル測定方法
Fans, blowers and compressors−Determination of
A-weighted sound pressure level
1. 適用範囲 この規格は,あらゆる形式の送風機・圧縮機から放射される定常的な騒音(1)の騒音レベル
を測定する方法について規定する。
注(1) 少なくとも30秒以上にわたって,ほぼ定常的に継続する音。
備考1. バンド音圧レベルの測定方法及び音響パワーレベルの測定方法は,それぞれ参考1,参考2及
び参考4に示してある。
2. この規格の引用規格を,付表3に示す。
3. この規格の対応国際規格を,付表4に示す。
2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS Z 8106によるほか,次による。
(1) 音圧レベル 音圧の実効値の二乗と,基準の音圧の二乗との比の常用対数の10倍。基準の音圧は20μPa。
単位はデシベル,単位記号はdB,量記号はLp。
(2) 騒音レベル JIS C 1502又はJIS C 1505に規定されるA特性で重みづけられた音圧の実効値の二乗と,
基準音圧(20μPa)の二乗との比の常用対数の10倍。単位はデシベル,単位記号はdB(2),量記号は
LpA。
注(2) dB (A) と表すこともある。
(3) バンド音圧レベル ある周波数帯域内に含まれる音の音圧レベル。その周波数帯域の幅が1オクター
ブ又は31オクターブである場合には,それぞれオクターブバンド音圧レベル又は31オクターブバンド音
圧レベルという。単位はデシベル,単位記号はdB。
(4) 音響パワーレベル(3) 音源から放射される全音響パワー(4)と基準の音響パワーとの比の常用対数の
10倍。基準の音響パワーは1pW。単位はデシベル,単位記号はdB。
注(3) 音響パワーレベルともいう。特に混同のおそれがない場合,単にパワーレベルと呼んでもよい。
(4) 音響出力ともいう。
(5) 暗騒音レベル 騒音測定中に測定対象物(送風機・圧縮機)以外から放射される音の,測定点におけ
る騒音レベル,音圧レベル,又はバンド音圧レベル。
(6) 基準音源 測定周波数範囲において,十分でかつ安定した出力,平たんな周波数特性及び良好な全指
向性をもつ小形の広帯域雑音性音源で,JIS Z 8732によって反射面上に設置したときの音響パワーレ
ベルが校正されているもの(5)。この音源の音響パワーレベルを基準音源の校正音響パワーレベルとい
う。
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注(5) 音場の倍距離減衰特性の測定だけに使用する場合には,音響パワーレベルは校正されていなく
てもよい。
(7) 代表長さ 騒音レベル測定点までの距離に関係する量で,吸込口,吐出し口からの放射音を対象にす
る場合,その羽根車径又は1mのうち大きい方の長さをとる。ケーシングからの放射音を対象にする
場合には1mをとる。
(8) 測定値 読取値に暗騒音の影響に対する補正を行った値。
3. 測定項目 4.2の運転条件において送風機・圧縮機の周囲の所定の点における騒音レベルを測定する。
備考1. バンド音圧レベルが必要な場合には,参考1に示す方法を参照し測定する。
2. 送風機・圧縮機本体から放射される音響パワーレベルが必要な場合には,参考2に示す方法
を参照し測定する。
3. 送風機からダクト内へ放射される音響パワーレベルが必要な場合には,参考4に示す方法を
参照し測定する。
4. 測定条件
4.1
測定環境
4.1.1
測定場所 測定場所は,床面以外のものからの音の反射が少なく,また,次のいずれかの条件を満
足していなければならない。
(1) 供試送風機又は供試圧縮機の運転状態で,次の点から代表長さ離れた点における騒音レベルと2倍の
代表長さ離れた点における騒音レベルとの差が5dB以上あること。
(a) 吸込口中心軸上,吸込口中央(吸込口からの放射音を測定する場合)
(b) 吐出し口中央軸と45°の方向で吐出し口中央(吐出し口からの放射音を測定する場合)
(c) 電動機と反対側の一方向でケーシング表面(ケーシングからの放射音を測定する場合)
(2) 基準音源を供試送風機又は供試圧縮機の据付け場所又はその近傍に置き,基準音源から,6.2に示す測
定点までの距離の1倍と2倍離れた点における騒音レベルとの差,又は21倍と1倍離れた点における
騒音レベルとの差が5dB以上あること。
このような条件を満足しない場合は,測定場所の状態(室内寸法,装置の寸法,配置,音場測定結
果など)を特記する。
4.1.2
暗騒音 測定点における暗騒音レベルは,対象音源の読取値から10dB以上小さいことが望ましい。
ただし,この条件が得られない場合,読取値の差が4〜9dBの範囲にある場合に限り,対象音源の騒音レ
ベルの読取値を補正して使用することができる。補正値は表1による。
表1 暗騒音の影響に対する補正値
単位dB
送風機・圧縮機が作動しているときと,
停止させたときとの騒音レベルの差
4
5
6
7
8
9
補正値
−2
−1
4.2
運転条件 騒音の測定は,規定回転速度(6),規定空気量で行う。やむを得ず規定の条件以外で測定
する場合には,受渡当事者間で協定を行い,その運転条件を明記する。
注(6) 規定回転速度の設定許容値は5%以内とする。
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5. 測定器及び試験装置
5.1
測定器 測定器はJIS C 1502に規定の普通騒音計若しくはJIS C 1505に規定の精密騒音計又はこれ
と同等以上の性能をもつ測定器(以下,騒音計という。)でなければならない。
5.2
試験装置 送風機・圧縮機の試験装置は,該当する試験方法に関する日本工業規格(7)による。
なお,次の各点に注意して設置する。
注(7) JIS B 8330,JIS B 8340,JIS B 8341,JIS B 8345
(1) 供試送風機・供試圧縮機の振動による床面その他からの放射音ができるだけ小さくなるよう注意する。
必要がある場合,防振支持,音響的遮へいその他の対策を行う。
(2) 電動機の発生騒音が大きい場合,防音処置を施す。ただし,小さな装置で電動機が装置の一部とみな
せる場合は,この限りでない。
また,大きな電動機などで,防音処置が容易でない場合は,受渡当事者間の協定による。
(3) 供試圧縮機の吸込み,吐出し配管からの放射音が著しい場合には,防音処置を施すなどして,配管か
らの音が測定値に影響を与えないようにする。ただし,そのような条件が満たし得ない場合は受渡当
事者間の協定による。
なお,通常吸込口が本体近くで開放で使用されているような圧縮機についてはこの項を適用せず,
吸込口から放射する騒音も含めて圧縮機の騒音とする。
(4) 圧力調整弁,流量計など附属装置の取付けは,日本工業規格(7)によるが,発生騒音については,でき
るだけその影響を除く。
(5) 試験装置の状態を図示し,周辺装置に対する騒音対策の有無及びその状況を記すとともに,特に測定
結果に影響を与えると思われる騒音源については,その近くの騒音レベルを付記することが望ましい。
6. 騒音レベルの測定
6.1
測定点
6.1.1
送風機 送風機の測定点は,次による。
(1) 吸込口が大気に解放されている場合は,吸込口から放射する騒音を,吸込口中心軸上吸込み口中央か
ら代表長さ離れた点で測定する(図1-1測定点S)。
(2) 吐出し口が大気に解放されている場合は,吐出し口から放射する騒音を,吐出し口中心軸と45°をな
す方向に吐出し口中央から代表長さ離れた点で測定する(図1-2測定点D)。ただし,吐出し気流の影
響を受ける場合は,その方向に,その影響が無くなる所まで離れ,その点を明記する。
(3) 吸込口,吐出し口ともダクトにつながれているような場合は,本体ケーシングからの放射音を軸水平
面内で,羽根車の幾何学的中心に向かった直線上,ケーシング表面から1m離れた点で測定する(図
1-3測定点C-1,C-2,…,M-1,M-2…)。
なお,図1-3で電動機側の測定点M-1, M-2の測定値は参考値とする。
また,ダクト開口部が近くにある場合など,開口部から放射する騒音が無視できない場合は,開口
部から放射する騒音の測定を(1),(2)に準じる点で追加する。その場合,開口部の寸法,羽根車との位
置関係,測定点を明記する。
(4) 吸込口,吐出し口とも大気に解放されている場合は,吸込口,吐出し口から放射する騒音のいずれか
を測定する。測定点は(1),(2)に準じる。
なお,上記のすべてにおいて,吸込口,吐出し口中心又はケーシング表面の中心の高さは1m以上
とするのが望ましい。これが困難な場合には,測定点の高さを1mとし,吸込口,吐出し口中心又は
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ケーシング表面までの距離が代表長さとなるようにする。
図1-1 送風機の騒音レベル測定点(吸込口が大気に解放されている場合)
図1-2 送風機の騒音レベル測定点(吐出し口が大気に解放されている場合)
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図1-3 送風機の騒音レベル測定点(吸込口,吐出し口ともダクトにつながれている場合)
6.1.2
圧縮機 圧縮機の測定点は,次による。
(1) パッケージタイプなどで電動機と圧縮機本体とが一体となっている場合は,装置表面(8)から周囲4方
向に1m離れた点で測定する。測定点の高さは,圧縮機本体のほぼ21とする。ただし,その高さが床面
から1m未満の場合は1mの高さで測定する(図2-1,測定点C-1,C-2,…)。
注(8) 装置の騒音にそれほど影響を与えると思えない表面の個々の突起物を無視して,装置表面の形
を簡単化して考える。
(2) タンクマウントタイプなどで電動機と圧縮機本体とが一体となっている場合は,装置表面から周囲4
方向に1m離れた点で測定する。測定点の高さは,装置の回転軸心の高さとする。ただし,その高さ
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が床面から1m未満の場合は1mの高さで測定する(図2-2,測定点C-1,C-2…)。
(3) 電動機と圧縮機本体とが一体となっていない場合は,圧縮機本体の周囲4方向において本体表面から
1m離れた点で測定する。
なお,本体の長さや幅が2mを超え,4m以下の場合はその方向に対し2か所,4mを超え,6m以下
の場合は3か所(以下,これに準じる。)とし,横形の場合は,回転軸心又は行程軸心を含む水平面上,
立形の場合は,回転軸心又は行程軸心を含む垂直面上で高さのほぼ21とする。ただし,その高さが床
面から2m未満の場合は1mの高さで測定する(図2-3,図2-4測定点C-1,C-2,…,M-1,M-2…)。
なお,電動機側の測定点M-1, M-2の測定値は参考値とする。
6.2
測定方法 騒音の測定方法は,次による。
(1) 騒音計の周波数補正回路 騒音計の周波数補正回路は,A特性を使用する。
(2) 騒音計の向き 騒音計のマイクロホンを音源の方向に向ける。
(3) 騒音計の動特性 騒音計の動特性は,遅い動特性 (SLOW) を使用する。
(4) 暗騒音レベルの読取り 騒音レベルの測定に先立ち,暗騒音レベルを測定する。値は,指示値に最も
近い整数値とする。
(5) 騒音レベルの読取り 騒音レベルの読取値は,指示値に最も近い整数値とする。
なお,指示値が変動する場合は,その平均値に最も近い整数値とする。
(6) 暗騒音の補正 各測定点の騒音レベルの読取値について,4.1.2の暗騒音の影響に対する補正を行って,
測定値を求める。
備考1. 騒音計は,測定の前後に校正を行う。
2. 測定に当たっては,床面以外の測定者自身も含むすべての表面からの反射の影響をできるだ
け少なくするように注意する。
7. 代表騒音レベルの算出方法 代表騒音レベル
pA
L
(dB) は各測定点の測定値(9)のエネルギー平均とし
て,次の式によって求め,これに最も近い整数値とする。
=
∑
=
10
/
10
10
1
1
log
10
pAi
L
pA
i
N
N
L
···················································· (1)
ここに,
LpAi: i番目の測定点における騒音レベルの測定値 (dB)
N: 測定値の数
注(9) 各測定点の読取値について,4.1.2の暗騒音の影響に対する補正を行っておく。
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図2-1 圧縮機の騒音レベル測定点(パッケージタイプなどの場合)
図2-2 圧縮機の騒音レベル測定点(タンクマウントタイプなどの場合)
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図2-3 圧縮機の騒音レベル測定点
備考
は,圧縮機の騒音レベル測定点及びマイクロホンの方向を示す。
は,電動機の周囲の騒音レベルの測定点及びマイクロホンの方向を示す。
図2-4 圧縮機の騒音レベル測定点(回転,遠心又は軸流式)
備考
は,圧縮機の騒音レベル測定点及びマイクロホンの方向を示す。
は,電動機の周囲の騒音レベルの測定点及びマイクロホンの方向を示す。
8. 記録資料及び記録様式
8.1
記録資料 試験報告書には,各測定点における騒音レベルの測定値及びこれから算出した測定対象
音源の代表騒音レベルのほかに,測定装置図及び測定点,送風機・圧縮機の名称,形式,口径,製造業者
名などの主な諸元,試験条件及び使用測定器,試験音場条件も記録・表示する。必要があれば,送風機・
圧縮機の試験前後の性能試験結果を記録・表示する。
8.2
記録様式 測定結果は,試験条件とともに,付表1又は付表2に準じて記録する。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
備考 試験条件がこの規格に定める音場条件や暗騒音に対する条件を満足していない場合,又は運転
条件が許容変動値を満足していない場合には,騒音レベルの測定結果は参考値であることを備
考欄などに明記する。
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付表1 送風機騒音測定記録
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付表2 圧縮機騒音測定記録
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付表3 引用規格
JIS B 8330 送風機の試験及び検査方法
JIS B 8340 ターボ形ブロワ・圧縮機の試験及び検査方法
JIS B 8341 容積形圧縮機の試験及び検査方法
JIS B 8345 ターボ形ガス用ブロワ・圧縮機の閉回路による試験及び検査方法
JIS C 1502 普通騒音計
JIS C 1505 精密騒音計
JIS Z 8106 音響用語(一般)
JIS Z 8732 無響室又は半無響室における音響パワーレベル測定方法
JIS Z 8733 一般の音場における音響パワーレベル測定方法
付表4 対応国際規格
ISO 3744-1981 Acoustics−Determination of sound power levels of noise sources−Engineering
methods for free-field conditions over a reflecting plane
ISO 3746-1979 Acoustics−Determination of sound power levels of noise sources−Survey method
関連規格 JIS A 1409 残響室法吸音率の測定方法
JIS C 1513 オクターブ及び31オクターブバンド分析器
JIS Z 8731 騒音レベル測定方法
JIS Z 8734 残響室における音響パワーレベル測定方法
ISO 3740-1980 Acoustics−Determination of sound power levels of noise sources−Guidelines for the
use of basic standards and for the preparation of noise test codes
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参考1 送風機・圧縮機のバンド音圧レベルの測定方法
この参考1は,送風機・圧縮機から放射される騒音のバンド音圧レベルを測定する方法について記述す
るもので,規定の一部ではない。
備考 オクターブバンド音圧レベルを測定する場合の中心周波数は63〜8 000Hz,31オクターブバンド
音圧レベルを測定する場合の中心周波数は50〜10 000Hzとする。
1. 運転条件及び試験装置 本体4.2及び5.2による。
2. 測定器 本体5.1で規定する騒音計及びJIS C 1513に規定する周波数分析器とする。
3. 測定点 本体6.1による。代表的な1点でよい。
4. 測定方法
(1) 騒音計の周波数補正回路 平たん特性又はC特性を使用する。
(2) 騒音計の動特性 原則として遅い動特性 (SLOW) を使用する。バンド音圧レベルの観測時間は,中
心周波数が160Hz以下のバンドについては30秒以上,200Hz以上のバンドについては10秒以上とし,
指針の振れの平均値に最も近い整数値を読取値とする。
(3) 暗騒音 測定点における暗騒音の音圧レベルは,対象音源の読取値から10dB以上小さいことが望ま
しい。ただし,この条件が得られない場合,読取値の差が4〜9dBの範囲にある場合に限り,対象音
源の音圧レベルの読取値を補正して使用することができる。補正値は参考1表1による。
参考1表1 暗騒音の影響に対する補正値
単位dB
送風機・圧縮機が作動しているときと,停止
させたときとのバンド音圧レベルの差
4
5
6
7
8
9
補正値
−2
−1
5. 記録資料及び記録様式
5.1
記録資料 試験報告書には,測定点における測定対象音源のバンド音圧レベルの測定値のほかに,
供試送風機・圧縮機の形式及び主な諸元,試験条件及び使用測定器,試験音場条件も記録・表示する。必
要があれば,供試送風機・圧縮機の試験前後の性能試験結果を記録・表示する。
5.2
記録様式 測定結果は,試験条件とともに,参考1表2及び参考1表3に準じて記録する。
備考 図で表示する場合には,横軸に1オクターブ当たり15mmになるように中心周波数を取り,縦
軸には10dBが20mmになるようにバンド音圧レベルを取る。
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参考1表2 送風機のバンド音圧レベル測定記録
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参考1表3 圧縮機のバンド音圧レベル測定記録
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参考2 送風機・圧縮機の本体から放射される
騒音の音響パワーレベルの測定方法
この参考2は,送風機・圧縮機本体から放射される騒音の音響パワーレベルを測定する方法について記
述するもので,規定の一部ではない。ダクト内へ放射される騒音の音響パワーレベルを測定する方法につ
いては参考4による。
備考1. JIS Z 8733に規定される実用半自由音場法(A法)及び簡易半自由音場法(B法)の直方体面
上の測定点による場合を一例として示す。実用半自由音場法は響きが少ない大きな室内,屋
外など,実用的にみて半自由音場とみなせる音場において,JIS Z 8732などに規定する精密
測定方法に準じる精度で音響パワーレベルを測定する場合に適用し,簡易半自由音場法は前
記のほかに通常の室内などで,反射音の影響がかなり大きいが測定点の配置を半自由音場法
の原理に従って行うことができる音場において,音響パワーレベルの概略の値を簡易に測定
する場合に適用する。このほかに,同じくJIS Z 8733に規定される半球面上の測定点,コン
フォーマル面上の測定点又はJIS Z 8732,JIS Z 8734による方法を用いることができる。
なお,JIS Z 8733では使用する騒音計をJIS C 1505と同等以上としているが,この参考で
は,簡易半自由音場法(B法)の場合にはJIS C 1502と同等以上としているなどの相違があ
る。
2. オクターブバンド音響パワーレベルを測定する場合には,対象とする中心周波数は,63〜8
000Hz,31オクターブバンド音響パワーレベルを測定する場合には,対象とする中心周波数は
50〜10 000Hzとする。31オクターブバンド音響パワーレベルを測定する場合には実用半自由
音場法による。
3. A特性音響パワーレベルは,オクターブ又は31オクターブバンド音響パワーレベルの測定結
果から参考2の4.に示す方法によって算出する。
1. 実用半自由音場法
1.1
測定環境
1.1.1
測定場所
(1) 音場補正値 バンド音圧レベルを測定するために設定する測定直方体面における音場補正値は,測定
を行うすべての周波数帯域において±2dB以内でなければならない。音場補正値は参考3に示す方法
によって測定する(1)。
注(1) 周囲が十分に開けた屋外又は壁・天井などが十分な吸音性に仕上げられている室内で,逆二乗
則(JIS Z 8732の附属書1参照)がなり立つことがあらかじめ確認されている領域で測定を行う
場合は,音場補正値は0dBとしてよい。
(2) 反射面 送風機・圧縮機を設置する床面は,測定周波数範囲にわたって音響的に十分な反射性をもち,
その大きさは,その上に設定される測定面の床面を含む大きさ以上とする。
1.1.2
暗騒音 測定点における暗騒音レベルは,対象音源の音圧レベルより11dB以上小さいことが望ま
しい。ただし,この条件が得られない場合,音圧レベルの差が6〜10dBの範囲にある場合に限り,対象音
源の音圧レベルの読取値を補正して使用することができる。補正値は参考2表1による。
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1.2
運転条件 本体4.2による。
1.3
測定器及び試験装置
1.3.1
測定器 JIS C 1505で規定する性能と同等以上の性能をもつ騒音計及びJIS C 1513に規定するII
形(オクターブバンド),又はIII形(31オクターブバンド)周波数分析器とする。
1.3.2
試験装置 本体5.2による。
1.4
測定点
(1) 基準直方体の設定 音圧レベル測定点を設定するための基準として,まず送風機・圧縮機に外接する
基準直方体(2)を参考2図1又は参考2図2のように設定する。その場合,送風機・圧縮機に接続され
たダクト・配管は無視する。
注(2) 送風機・圧縮機の形状及び寸法を代表するために設定する直方体で,その底面は反射面と一致
する。
参考2図1 送風機の基準直方体と測定直方体面(吸込口,吐出し口ともダクトにつながれている場合)
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参考2図2 圧縮機の基準直方体と測定直方体面
(2) 測定直方体面の設定 参考2図3のように,送風機・圧縮機を取り囲む測定直方体面を設定する。そ
の各面は,それぞれ基準直方体の五つの面から等しい距離dだけ離れ,それらに平行になるようにと
る。距離dは原則として1mとし,少なくとも0.25mとする。このようにして設定された測定直方体
面の面積Sを次の式によって求める。
S=4 (ab+bc+ca) ······································································ (1)
ここに, a=0.5l1+d
b=0.5l2+d
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c=l3+d
l1, l2, l3は,それぞれ基準直方体の縦,横,高さの寸法(単位:m)
参考2図3 測定直方体面上の測定点(実用半自由音場法)
(3) 測定直方体面上の測定点の設定 基本測定点と追加測定点とからなり(3),次による。追加測定点は,
(4)に述べるような条件の場合に,基本測定点に追加して設定する測定点である。
注(3) 気流雑音の影響を受けやすい吐出し口付近には測定点を設定しないようにする。やむを得ず設
定する場合には,マイクロホンにウインドスクリーンを装着するなどして気流雑音の影響を防
ぐ。
(a) 基本測定点 基本測定点は,参考2図3に示す○印で9点(4)とする。ただし,参考2図3に示すh
は,原則として測定直方体面の高さcの21(5)とし,少なくとも0.15mとする。
注(4) 直上点における測定に困難を伴う場合には,この点を省略してもよい。ただし,それによって
測定結果に1dB以上の差が生じないことをあらかじめ確認しておく必要がある。
(5) それ以外に1.2m,基準直方体の高さの21又は軸の高さとしてもよい。
(b) 追加測定点 測定直方体面上の追加測定点は,参考2図3に・印で示す8点とする。
(4) 測定点の追加 基本測定点において測定された音圧レベルの最大値と最小値の差が10dBを超える場
合には,基本測定点のほかに追加測定点を設定する。
(5) 測定点の省略 対称的な音の放射特性をもつ送風機・圧縮機については,対称性を考慮して測定点の
20
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一部を省略してもよい。ただし,それによって測定結果に1dB以上の誤差を生じないことをあらかじ
め確認しておく必要がある。
1.5
音圧レベルの測定 各測定点において,オクターブ又は31オクターブバンドごとの音圧レベルを測定
する。その場合,騒音計の周波数補正回路は平たん特性又はC特性,動特性は遅い特性 (SLOW) を用い,
観測時間内における指示値の平均値を読み取る(6)。
上記の方法によって測定した各測定点における音圧レベル(7)から,測定直方体面上の平均音圧レベルを
次の式によって求める。
=
∑
=
10
/
10
10
1
1
log
10
Pi
L
P
i
N
N
L
······················································ (2)
ここに,
Ρ
L: 測定半球面上の平均音圧レベル (dB)
Lpi: i番目の測定点において測定された音圧レベル (dB)
N: 測定点の総数
注(6) 音圧レベルの観測時間は,中心周波数が160Hz以下のバンドについては30秒以上,200Hz以上
のバンドについては10秒以上とする。
(7) それぞれの測定点において,送風機・圧縮機が作動しているときと,それを停止させたときと
の音圧レベルの差が6dBから10dBの間である場合には,送風機・圧縮機が作動している状態
で測定された音圧レベルに,参考2表1に示す暗騒音の影響に対する補正を行う。その差が10dB
を超える場合には,暗騒音の影響は無視できる。その差が6dB未満の場合には,そのバンドに
ついて測定不能とし,参考値としてしか使用してはならない。
参考2表1 暗騒音の影響に対する補正値
単位dB
送風機・圧縮機が作動しているときと,停
止させたときとのバンド音圧レベルの差
6
7
8
9
10
補正値
−1.5
−1.0
−0.5
2. 簡易半自由音場法
2.1
測定環境
2.1.1
測定場所
(1) 音場補正値 バンド音圧レベルを測定するために設定する測定面における音場補正値は,測定を行う
すべての周波数帯域において7dB以下でなければならない。音場補正値は参考3に示す方法によって
測定する(1)。
(2) 反射面 1.1.1(2)による。
2.1.2
暗騒音 測定点における暗騒音レベルは,対象音源の音圧レベルより10dB以上小さいことが望ま
しい。ただし,この条件が得られない場合,音圧レベルの差が3〜9dBの範囲にある場合に限り,対象音
源の音圧レベルの読取値を補正して使用することができる。補正値は参考2表2による。
2.2
運転条件 本体4.2による。
2.3
測定器及び試験装置
2.3.1
測定器 JIS C 1502で規定する性能と同等以上の性能をもつ騒音計及びJIS C 1513に規定するII
形周波数分析器(オクターブバンド)とする。
2.3.2
試験装置 本体5.2による。
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2.4
測定点
(1) 基準直方体の設定 基準直方体の設定は1.4による。
(2) 測定直方体面の設定 参考2図4のように,送風機・圧縮機を取り囲む測定直方体面を設定する。そ
の各面は,それぞれ基準直方体の五つの面から等しい距離dだけ離れ,それらに平行になるようにと
る。距離dは原則として1mとし,少なくとも0.5mとする。このようにして設定された測定直方体面
の面積Sを式(3)によって求める。
参考2図4 測定直方体面上の測定点(簡易半自由音場法)
(3) 予備測定 測定直方体面上で,参考2図4に示す高さhの水平方形経路上で,騒音レベルが最大とな
る点を求める。ただし,hは2cで,少なくとも0.15mとする。基準直方体の高さが2.5mを超える場合
には,更にcの高さの水平経路上についても同様の予備測定を行う。
(4) 測定直方体面上の測定点の設定 基本測定点と追加測定点とからなり(3),次による。追加測定点は,
(4.2)に述べるような条件の場合に,基本測定点に追加して設定する測定点である。
(4.1) 基本測定点 基本測定点は,参考2図4に○印で示す5点(4),及び◎印で示す(3)の予備測定で求め
た騒音レベルが最大となる点の合計6点とする。
(4.2) 追加測定点 次の場合には,基本測定点のほかに追加測定点を設定する。
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(a) 音源の寸法が大きい場合 六つの基本測定点における音圧レベルの最大値と最小値との差が5dBを
超える場合又は基準直方体の縦又は横の寸法が1m以上である場合には,参考2図4に・印で示す
水平方形経路上の角の四つの測定点を追加する。基準直方体の縦又は横の寸法が5mを超える場合
には,それらの4点に加えて,更に参考2図4に×印で示すような中間の測定点を追加する。これ
らの中間の追加測定点は,基本測定点と角の追加測定点の間を等分するように設定する。これらの
測定点間の距離は,dが1m以下の場合には2m以下,またdが1mを超える場合には,2d以下とな
るようにする。
(b) 音源の高さが大きい場合 基準直方体の高さが2.5mを超える場合には,hの高さにおける五つの基
本測定点に加えて,cの高さにおいても同様に五つの測定点を追加する。すなわち,この場合の測
定点の総数は,直上の点を含めて合計11となる。
2.5
音圧レベルの測定 各測定点において,オクターブごとの音圧レベルを測定する。その場合,騒音
計の周波数補正回路は平たん特性又はC特性,動特性は遅い特性 (SLOW) を用い,観測時間内における
指示値の平均値を読み取る(6)。
上記の方法によって測定した各測定点における音圧レベル(8)から,測定直方体面上の平均音圧レベルを
式(3)によって求める。
注(8) それぞれの測定点において,送風機・圧縮機が作動しているときと,それを停止させたときと
の音圧レベルの差が3dBから9dBの間である場合には,送風機・圧縮機が作動している状態で
測定された音圧レベルに,参考2表2に示す暗騒音の影響に対する補正を行う。その差が9dBを
超える場合には,暗騒音の影響は無視できる。その差が3dB未満の場合には,そのバンドにつ
いて測定不能とし,参考値としてしか使用してはならない。
参考2表2 暗騒音の影響に対する補正値
単位dB
送風機・圧縮機が作動しているときと,停
止させたときとのバンド音圧レベルの差
3
4
5
6
7
8
9
補正値
−3
−2
−1
3. 音響パワーレベルの算出方法 測定直方体面上のオクターブ又は31オクターブバンドごとの平均音圧
レベルから,次の式によって送風機・圧縮機のオクターブ又は31オクターブバンド音響パワーレベルを算
出する。
Lw=
Ρ
L+10log10 (S/So) -K ····························································· (3)
ここに,
Lw: 送風機・圧縮機の音響パワーレベル (dB)
Ρ
L: 測定直方体面上の平均音圧レベル (dB)
S: 測定直方体面の面積 (m2)
So: 1m2
K: 音場補正値 (dB) (参考3に示す。)
4. A特性音響パワーレベルの算出方法 A特性音響パワーレベルは,オクターブ又は31オクターブバン
ド音響パワーレベルと参考2表3又は参考2表4でそれぞれ与えられるオクターブ又は31オクターブバン
ドごとのA特性補正値から,次の式によって求める。
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(
)
∑
+
10
/
10
10
1
log
10
f
WjC
L
WA
j
N
L
=
=
···················································· (4)
ここに, LWA: A特性音響パワーレベル (dB)
N: 8(オクターブバンドの場合)又は24(31オクターブバンド
の場合)
Lwj: j番目の帯域のオクターブバンド又は31オクターブバンド音
響パワーレベル (dB)
Cj: オクターブバンド又は31オクターブバンドごとのA特性補
正値 (dB)
5. 記録資料及び記録様式
5.1
記録資料 試験報告書には,各測定点におけるバンド音圧レベルの測定値及びこれから算出した測
定対象音源の音響パワーレベルのほかに,送風機・圧縮機の形式及び主な諸元,試験条件及び使用測定器,
試験音場条件も記録・表示する。必要があれば,送風機・圧縮機の試験前後の性能試験結果を記録・表示
する。
5.2
記緑様式 測定結果は,試験条件とともに,参考2表5〜7に準じて記録する。
備考1. 音響パワーレベルの数値は,最も近い整数値に整理する。
2. 図で表示する場合には,横軸に1オクターブ当たり15mmになるように中心周波数をとり,
縦軸には10dBが20mmになるようにバンド音響パワーレベルをとる。
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参考2表3 A特性補正値Cj
(オクターブバンドの場合)
参考2表4 A特性補正値Cj
(31オクターブバンドの場合)
j オクターブバンド
中心周波数 (Hz)
Cj
(dB)
j
3
1オクターブバンド
中心周波数 (Hz)
Cj
(dB)
1
63
−26.0
1
50
−30.0
2
125
−16.0
2
63
−26.0
3
250
−8.5
3
80
−22.5
4
500
−3.0
4
100
−19.0
5
1 000
0.0
5
125
−16.0
6
2 000
1.0
6
160
−13.5
7
4 000
1.0
7
200
−11.0
8
8 000
−1.0
8
250
−8.5
9
315
−6.5
10
400
−5.0
11
500
−3.0
12
630
−2.0
13
800
−1.0
14
1 000
0.0
15
1 250
0.5
16
1 600
1.0
17
2 000
1.0
18
2 500
1.5
19
3 150
1.0
20
4 000
1.0
21
5 000
0.5
22
6 300
0.0
23
8 000
−1.0
24
10 000
−2.5
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参考2表5 送風機の音響パワーレベル測定記録
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参考2表6 圧縮機の音響パワーレベル測定記録
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参考2表7 送風機・圧縮機バンド音圧レベル測定記録
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参考3 音場補正値の求め方
この参考3は,送風機・圧縮機の音響パワーレベルを参考2に基づいて測定する際に必要な音場補正値
の求め方について記述するもので,規定の一部ではない。
1. 用語の定義 この参考3で用いる主な用語の定義は,次による。
(1) 残響時間 定常状態にある室内の平均音響エネルギー密度が音源を停止してから,定常状態のときの
1/106 (−60dB) に減衰するまで時間。単位は秒,単位記号はs。
(2) 室内等価吸音面積 室内の吸音性の程度を表す値。吸音力ともいう。単位は平方メートル,単位記号
はm2。
2. 音場補正値の求め方 2.1及び2.2に示すいずれかの方法によってオクターブ又は31オクターブバンド
ごとの音場補正値を求める。ただし,屋外又は残響時間が著しく短い室内で測定を行う場合には,2.2の方
法による。
備考
3
1オクターブバンドで測定を行う場合には,31オクターブバンドごとに,他の場合はオクターブ
バンドごとに求める。
2.1
残響時間の測定による方法
2.1.1
残響時間の測定 残響時間の測定は,次による。
(1) 測定装置 測定装置は,次による音源装置,受音装置及び記録装置で構成し,参考3図1に示すよう
に組み合わせて使用する。
(1.1) 音源装置 音源装置は,帯域雑音発生器並びに電力増幅器及び音源スピーカで構成され,それぞれ
次による。
(a) 帯域雑音発生器 JIS C 1513に規定する中心周波数のオクターブ又は31オクターブ帯域雑音を発生
する装置で,雑音発生器とオクターブバンドフィルタ(1)又は31オクターブバンドフィルタ(2)とを組
み合わせたものとする。
注(1) 減衰特性は,JIS C 1513に規定するI又はII型とする。
(2) 減衰特性は,JIS C 1513に規定するII又はIII型とする。
(b) 電力増幅器及び音源スピーカ 測定周波数範囲全体にわたって,十分な音響出力と高い安定性をも
つものとする。
(1.2) 受音装置 受音装置は,騒音計及びオクターブ又は31オクターブバンド分析器で構成され,音響パ
ワーレベルの測定を参考2の1.によって行う場合は参考2の1.3.1,参考2の2.によって行う場合は
参考2の2.3.1による。
(1.3) 記録装置 高速度レベルレコーダ,対数増幅器付ブラウン管オシロスコープなどで,40dB以上の記
録幅及び十分に速い応答特性をもつものを使用する。
(2) 測定方法 測定方法は,次による。
(a) 音源の設置 音源スピーカを室の隅に設置する。
(b) 測定点の設定 測定室内になるべく一様に分布した3点以上の測定点を設定する。これらの測定点
は,音源スピーカ及び測定室の壁・床・天井などの面に近接しないようにする。
(c) 残響減衰曲線の記録 各測定点において,定常状態のときと,音源停止後,残響が十分に減衰した
29
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ときとの音圧レベルの差が35dB以上となるように音源の出力を設定する。その条件で音源を駆動
させて室内が定常状態になった後にそれを停止させ,その後の残響減衰過程を記録する(3)。この記
録は,各測定点においてオクターブ又は31オクターブごとに行うが,その回数(各測定点での測定
回数の和)は,測定周波数帯域ごとに参考3表1に示す値以上となる。
参考3表1 残響時間の測定回数
オクターブ又は31オクターブ
バンド中心周波数 (Hz)
50〜160
200〜630
800以上
測定回数
12
9
6
注(3) 残響時間を高速度レベルレコーダによる残響減衰曲線の記録から読み取る場合には,その
傾きが30〜65°になるようにレベルレコーダの紙送り速度を調整し, (200/T) dB/s(Tは残
響時間,単位は秒)以上の適当な記録応答速度で記録する。
参考3図1 測定室内の残響時間の測定系統図
(d) 残響時間の読取り 音源停止前の定常状態の音圧レベルに対して−5dBの点から少なくとも−30dB
の点までの残響減衰記録の傾斜から残響時間を読み取る。このようにして測定された残響時間を全
測定回数にわたって平均し,測定室内の測定周波数ごとの残響時間とする。
2.1.2
室内等価吸音面積の算出 測定周波数帯域ごとの室内等価吸音面積は,残響時間の測定結果から,
次の式によって求める。
T
V
c
A
3.
55
=
··············································································· (1)
ここに, A: 室内等価吸音面積 (m2)
c: 空気中の音速 (m/s)
V: 測定室の容積 (m3)
T: 測定室内の残響時間 (s)
2.1.3
音場補正値の算出 室内等価吸音面積及び測定直方体面の面積から,次の式又は参考3図2によっ
て測定周波数帯域ごとの音場補正値を求める。
+
=
A
S
K
4
1
log
10
10
································································· (2)
ここに, K: 音場補正値 (dB)
S: 測定直方体面の面積 (m2)
A: 室内等価吸音面積 (m2)
30
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参考3図2 音場補正値K
2.2
基準音源を用いる方法
2.2.1
基準音源の設置 測定対象音源を移動し(4),基準直方体の底面の中心に基準音源を設置する。
注(4) 測定対象音源が移動不可能であるとき,その上面が反射性で基準音源を設置できる場合には,
その面の中央の1点に基準音源を設置する。それが不可能な場合には,基準直方体の底面の各辺
の中点4点の近傍に基準音源を順次設置する。
2.2.2
測定音場における基準音源の音響パワーレベルの測定 送風機・圧縮機の測定について,参考2
の1.4又は2.4によって設定した測定点において,参考2の1.5又は2.5の方法によって基準音源による測
定直方体面上の測定周波数ごとの平均音圧レベルを求める。その結果から,参考2の3.の式(4)でK=0とし
て測定周波数帯域ごとの測定音場における基準音源の音響パワーレベルを算出する。基準音源の設置位置
を4点として順次測定を行った場合には,測定音場における基準音源の音響パワーレベルを,次の式によ
って求める。
=
∑
=
′
10
/
10
10
1
4
1
log
10
wri
L
wr
i
N
L
······················································ (3)
ここに,
Lʼwr: 測定音場における基準音源の音響パワーレベル (dB)
Lʼwri: 基準音源をi番目の設置位置に置いたときの測定音場にお
ける基準音源の音響パワーレベル (dB)
2.2.3
音場補正値の算出 測定周波数ごとの音場補正値を,次の式によって求める。
K=Lʼwr−Lwr ··············································································· (4)
ここに,
K: 音場補正値 (dB)
Lʼwr: 測定音場における基準音源の音響パワーレベル (dB)
Lwr: 基準音源の校正音響パワーレベル (dB)
3. 記録資料及び記録様式
3.1
記録資料 音場補正値の算出記録には,その算出方法のほかに,算出条件及び使用測定器,試験音
場条件も記録・表示する。
31
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3.2
記録様式 算出結果は,音場条件とともに,残響時間の測定による方法では参考3表2,基準音源の
音響パワーの測定による方法では参考2表7,参考3表3に準じて記録する。
参考3表2 音場補正値算出表(残響時間の測定による方法)
32
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参考3表3 音場補正値算出表(基準音源を用いる方法)
33
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参考4 送風機からダクト内へ放射される騒音の
音響パワーレベルの測定方法
この参考4は,送風機からダクト内へ放射される騒音の音響パワーレベルを測定する方法について記述
するもので,規定の一部ではない。送風機・圧縮機本体から放射される騒音の音響パワーレベルを測定す
る方法については参考2による。
備考1. この参考4は,空気調和・衛生工学会規格HASS 110に規定するダクト内法,準自由音場法,
準拡散音場法による進行波音響パワーレベルの測定方法に準じて示したものである。
2. 中心周波数63〜8 000Hzのオクターブバンド音響パワーレベルを測定する。
3. A特性音響パワーレベルは,オクターブバンド音響パワーレベルの測定結果から参考2の4.
に示す方法によって算出する。
4. 圧縮機の吸込側管路に放射される騒音の音響パワーレベルの測定についても適用できる。
1. 運転条件 本体4.2による。
2. 測定器及び試験装置
2.1
測定器 本体5.1による騒音計及びJIS C 1513に規定するII形(オクターブバンド)周波数分析器
とする。
2.2
測定用ダクト 鉄板製で,円形断面とし,気流による振動及び音響透過が無視できるように十分な
板厚をもつものとする。その長さは,直径の10倍以下とする。
2.3
試験装置 本体5.2による。
3. ダクト内法 測定用ダクト内の平均音圧レベルを測定し,これから送風機がこのダクト側に放射する
騒音の音響パワーレベルを求める。
3.1
測定用ダクトの取付け 参考4図1のように送風機に接続する。
34
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参考4図1 ダクト内法における音圧レベルの測定点
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3.2
測定点 参考4図1(d) に示すように,ダクト軸からダクト直径の41だけ離れた一直線上で,開口端
から0.25mの点を始点として1.5mを終点とする0.25m間隔の6点とする。マイクロホンは,その軸をダ
クト軸方向に一致させ,かつノーズコーンが風上側を向くようにし,ダクト壁の振動が伝わらないように,
また気流によって振動しないように支持する。この支持装置の大きさは,ダクト軸方向に見た投影面積が
ダクト断面積の101以下とする。
3.3
音圧レベルの測定 各測定点において,オクターブごとの音圧レベル(1)を測定する。その場合,騒
音計の周波数補正回路は平たん特性又はC特性,動特性は遅い特性 (SLOW) を用い,観測時間内におけ
る指示値の平均値を読み取る(2)(3)。
上記の方法によって測定した各測定点におけるバンド音圧レベルから,平均バンド音圧レベルを次の式
によって求める。
=
∑
=
Ρ
Ρ
10
/
10
10
1
1
log
10
i
L
i
N
N
L
······················································· (1)
ここに,
Ρ
L: 平均バンド音圧レベル (dB)
Lpi: i番目の測定点において測定されたバンド音圧レベル (dB)
N: 測定点の総数
注(1) 測定中心周波数は63〜8 000Hzとする。
(2) マイクロホンにはノーズコーンを装着する。参考4図2に示すウインドスクリーン,又は参考
4図3に示すサンプリングチューブを用いてもよい。
(3) 音圧レベルの観測時間は,中心周波数が125Hz以下のバンドについては30秒以上,250Hz以上
のバンドについては10秒以上とする。
36
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参考4図2 ウインドスクリーン
参考4図3 サンプリングチューブ
3.4
気流雑音などに対する補正 参考4の3.3によって算出した平均バンド音圧レベルに対して,参考5
によって,気流雑音に対する補正を行う。
3.5
音響パワーレベルの算出 気流雑音に対する補正を行ったオクターブごとの平均音圧レベルから,
オクターブバンド音響パワーレベルを次の式によって算出する。
Lw=
Ρ
L+10log10 (As/So)······························································· (2)
ここに,
Lw: オクターブバンド音響パワーレベル (dB)
Ρ
L: 平均バンド音圧レベル (dB)
As: 測定用ダクトの断面積 (m2)
So=1m2: 基準面積
4. 準自由音場法
4.1
一般 自由音場とみなせる音場において,送風機から測定用ダクトを介して放射される騒音につい
て,その開口端を含む閉曲面上の平均音圧レベルを測定し,これから送風機がこのダクト側に放射する騒
音の音響パワーレベルを求める。
4.2
測定音場 響きが少ない大きな室内,屋外など,自由音場とみなせる音場とする。測定用ダクト中
心軸上の,開口からダクト直径の2倍と4倍との点の音圧レベルの差が,すべての帯域において5dB以上
であることが望ましい。
4.3
測定用ダクトの取付け 測定用ダクトを参考4図4のように送風機に接続し,配置する。ダクト中
心軸の床面からの高さは,原則としてダクト直径の3倍(4)以上とする。
注(4) 大形送風機の場合には,受渡当事者間の協議によって,2倍としてもよい。
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参考4図4 準自由音場法における音圧レベルの測定点
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4.4
測定点 参考4図4(d) に示すように,ダクト開口端面の中央を中心とし,ダクト直径の3倍を半径
とする水平な円周上の6点とする。そのダクト中心軸となす角は,33°(又は30°),60°,80°,100°,
120°,147°(又は150°)とする。
4.5
音圧レベルの測定 各測定点において,オクターブごとの音圧レベル(1)を測定する。その場合,騒
音計の周波数補正回路は平たん特性又はC特性,動特性は遅い特性 (SLOW) を用い,観測時間内におけ
る指示値の平均値を読み取る(3)。
上記の方法によって測定した各測定点におけるバンド音圧レベルから,平均バンド音圧レベルを式(1)に
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よって求める。
4.6
暗騒音に対する補正 上記の方法によって算出した平均バンド音圧レベルに対して,参考1の4.(3)
によって,暗騒音に対する補正を行う。
4.7
音響パワーレベルの算出 暗騒音に対する補正を行ったオクターブごとの平均音圧レベルから,オ
クターブバンド音響パワーレベルを次の式によって算出する。
Lw=
Ρ
L+20log10 (R/Ro) +11+LE ·················································· (3)
ここに,
Lw: オクターブバンド音響パワーレベル (dB)
Ρ
L: 平均音圧レベル (dB)
R: 開口面中心から測定点までの距離 (m)
Ro=1m: 基準距離
LE: 開口端反射補正値 (dB) , 参考4図5による。
参考4図5 開口端反射補正値LE
5. 準拡散音場法
5.1
一般 拡散音場とみなされる音場において,送風機から測定用ダクトを介して放射される騒音によ
る拡散音場内の平均音圧レベルを測定し,音響パワーレベルが既知の基準音源による平均音圧レベルと比
較して,送風機がこのダクト側に放射する騒音の音響パワーレベルを求める。
5.2
測定音場 ある程度以上の残響がある室内で,以下によって求められる基準音源の補助測定点にお
ける平均バンド音圧レベルと5.6.2で求められる平均バンド音圧レベルとの差が3dB以下であること。
(1) 基準音源の設置 5.3によって基準音源を設置する。
(2) 補助測定点 参考4図6(d)のように基準音源の音響中心とマイクロホン移動経路を結ぶ直線の中点が
なす軌跡上に設定する。床からの高さは1m以上,マイクロホン移動経路の高さ以下とする。基準音
源の音響中心とマイクロホン移動経路の中間点を結ぶ直線の中点に直交する直線又は面内の円弧上に
設定してもよい。
(3) 補助測定点における平均音圧レベルの測定 5.6.2に準じて,補助測定点における基準音源の平均音圧
レベルを測定する。
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備考 室内の拡散性を確保するために,その周壁のすき間や吸音力が小さいことが要求されるが,吸
音力が小さい物品や給排気のための開口,2人までの測定者は室内にあってもよい。
参考4図6 準拡散音場法における音圧レベルの測定点
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5.3
測定用ダクトの取付け 測定用ダクトを参考4図6のように送風機に接続し,配置する。ダクト開
口と壁面との距離は,ダクト直径の4倍以上とする。
5.4
基準音源の設置 本体2.(6)を満たす音源を,ダクトなどの反射面から1m以上離れ,参考4図6(d)
のように,基準音源とマイクロホン移動経路の中間点との距離が,ダクト開口端面中央とマイクロホン移
動経路の中間点との距離に±0.6m以内で一致するように設置する。基準音源と2m以内にある反射面との
関係は基準音源の音響パワーレベルを校正した状態に一致させる。
5.5
測定点 参考4図6に示すように,マイクロホン移動経路上の等間隔な3点とする。マイクロホン
移動経路は次のように設定する。
(1) 基準音源の中心から2m以上離れ,壁,床,天井などの室内表面から1m以上離れていること。
(2) 長さは2m以上とする。
(3) 直線上又は平面上に設定する場合には,いずれの室表面とも10°以上の角度をなし,その延長線が室
の隅角部付近を指すこと。
(4) ダクト開口端中央からダクト軸の周り45°以内とならないこと。
5.6
音圧レベルの測定
5.6.1
測定対象送風機による音圧レベルの測定 各測定点において,測定対象送風機によるオクターブご
との音圧レベル(1)を測定する。その場合,騒音計の周波数補正回路は平たん特性又はC特性,動特性は遅
い特性 (SLOW) を用い,観測時間内における指示値の平均値を読み取る(3)。
上記の方法によって測定した各測定点における音圧レベルから,平均音圧レベルを式(1)によって求める。
備考 マイクロホンを連続移動して平均バンド音圧レベルを直接求めてもよい。この場合,JIS Z 8734
の附属書7による。
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5.6.2
基準音源による音圧レベルの測定 測定対象送風機を停止し,基準音源を作動した状態で,5.6.1
と同様にして,平均バンド音圧レベルを求める。
5.6.3
暗騒音に対する補正 5.6.1と5.6.2によって算出した平均バンド音圧レベルに対して,参考1の4.
(3)によって,暗騒音に対する補正を行う。
5.7
音響パワーレベルの算出 5.6.3によって暗騒音に対する補正を行った測定対象送風機によるバンド
音圧レベルと基準音源によるバンド音圧レベルとから,オクターブバンド音響パワーレベルを次の式によ
って算出する。
Lw=LWR+ (
)
R
FL
L
Ρ
Ρ−
+LE ························································ (4)
ここに,
Lw: オクターブバンド音響パワーレベル (dB)
LWR: 基準音源のオクターブバンド校正音響パワーレベル (dB)
F
LΡ: 測定対象送風機による平均オクターブバンド音圧レベル
(dB)
R
LΡ: 基準音源による平均オクターブバンド音圧レベル (dB)
LE: 開口端反射補正値 (dB) ,参考4図5による。
6. A特性音響パワーレベルの算出 オクターブバンド音響パワーレベルからA特性音響パワーレベルを
参考2の4.によって算出する。
7. 記録様式 測定結果は,試験条件とともに,参考4表1に準じて記録する。
備考1. 音響パワーレベルの数値は,最も近い整数値に整理する。
2. 図で表示する場合には,横軸に1オクターブ当たり15mmになるように中心周波数をとり,
縦軸には10dBが20mmになるようにバンド音響パワーレベルをとる。
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参考4表1 送風機からダクト内へ放射される騒音の音響パワーレベル測定記録
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参考5 マイクロホンの気流雑音に対する補正
この参考5は,参考4の3.ダクト内法におけるマイクロホンの気流雑音に対する補正方法などについて
記述するもので,規定の一部ではない。
備考 空気調和・衛生工学会規格HASS 110の附属書1に準じ,マイクロホンの気流雑音に対して,
気流雑音の影響のないことの確認方法を1.に,気流雑音の影響の補正方法を2.に示す。
1. マイクロホンの製造業者による気流雑音測定値がない場合 以下の(1)から(3)までのいずれかによっ
て,マイクロホンの気流雑音の影響のないことを確認する。
(1) 平均バンド音圧レベルが,ノーズコーン付コンデンサマイクロホン(II形:21インチ)を使用する場
合には参考5図1に比較して,ウインドスクリーンを使用する場合には参考5図2に比較して10dB(1)
以上大きいこと。
注(1) 受渡当事者間の協議によっては6dBとしてもよい。
参考5図1 ノーズコーン付II形 (12.7mm) コンデンサマイクロホンの気流雑音
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参考5図2 ウインド・スクリーンの気流雑音
(2) 送風機の動作点を一定にして,測定ダクトの送風機と測定点との間に,測定ダクトと同内径で,長さ
1mのグラスウール直管ダクトを挿入したとき,これを挿入しないときに対して,ダクト内6点の平
均オクターブバンド音圧レベルが6dB以上小さくなること。
(3) 同一回転速度で測定送風機の動作点を最高効率点付近,解放風量点,及びその中間点の3点について
変化させたとき,測定ダクト内の6点の平均バンド音圧レベルと測定ダクト開口端近傍3点の平均バ
ンド音圧レベルとの差の変化が,中心周波数250Hzから2kHzの周波数帯域では3dB以下,その他の
帯域では6dB以下であること。
2. マイクロホンの製造業者による気流雑音測定値がある場合 測定対象送風機運転時の平均オクター
ブバンド音圧レベルと気流雑音のオクターブバンド音圧レベルとの差によって,次によって気流雑音の影
響を補正することができる。
(1) その差が9dBを超える場合には,気流雑音の影響は無視できる。
(2) その差が4dB以上,9dB以下である場合には,測定対象送風機運転時の平均オクターブバンド音圧レ
ベルに参考5表1に示す数値を加えることによって,気流雑音の影響に対する補正をする。
(3) その差が4dB未満の場合には,その帯域について測定不可能とする。
参考5表1 気流雑音の影響に対する補正値
単位dB
測定対象送風機運転時のバンド音圧レベ
ルと気流雑音のバンド音圧レベルとの差
4
5
6
7
8
9
補正値
−2
−1
47
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JIS B 8346改正原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
○ 鈴 木 昭 次
法政大学
(幹事)
○ 今 井 章 久
武蔵工業大学
○ 荒 井 洋 司
株式会社日立製作所
池 田 順 一
財団法人日本規格協会
○ 石 上 耀 一
荏原工機株式会社
○ 坂 本 守 正
日本大学
○ 岡 野 勝 夫
株式会社荏原製作所
川 原 孝 七
信和産業株式会社
○ 塩 崎 孝
株式会社電業社
○ 寺 西 照 雄
石川島播磨重工業株式会社
○ 西 村 正 治
三菱重工業株式会社
○ 東 山 三樹夫
日本電信電話株式会社
藤 本 悟
ダイキン工業株式会社
古 沢 章 良
千代田化工建設株式会社
堀 江 実
岩田塗装機工業株式会社
麦 倉 喬 治
鹿島建設株式会社
吉 田 藤 夫
工業技術院標準部
(事務局)
中 嶌 勉
社団法人日本機械学会
備考 ○印は分科会委員を兼ねる。