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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 8318-1994 

深井戸用電気井戸ポンプ 

Electric deep well pumps 

1. 適用範囲 この規格は,呼び出力400W以下の電動機とポンプとを共通軸で組み合わせた,遠心形自

動式電気井戸ポンプ(以下,ポンプという。)で,ジェット部を附属し,主に家庭用深井戸(1)に用いるもの

について規定する。 

注(1) ここでいう深井戸とは,ポンプを運転したとき,地表から最低動水位までの距離が,8mを超え

るものをいう。 

備考1. この規格の引用規格を,付表1に示す。 

2. この規格の中で,{ }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,

参考として併記したものである。 

2. 種類 ポンプの種類は,電動機の呼び出力及び表示吸上げ高さとの組合せによって分け,次による。 

(1) 電動機の呼び出力 電動機の呼び出力は,次による。 

150W, 200W, 250W, 300W, 400W 

(2) 表示吸上げ高さ(2) 表示吸上げ高さは,次による。 

12 m, 18m, 24m, 30m 

注(2) 表示吸上げ高さとは,遠心ポンプの羽根車中心からジェット部上端までの距離をいう。 

3. 定格 電動機の定格電圧は,単相交流100V及び三相交流200V,定格周波数は50Hz又は60Hzとす

る。 

4. 性能 

4.1 

締切り全揚程 ポンプの締切り全揚程は,8.2によって試験を行い,次の値以上とする。 

(

)

{

}

1

0

1

0

10

1.1

1.1

p

H

H

g

p

H

H

s

s

ここに, 

H0: 締切り全揚程 (m)  

Hs: 表示吸上げ高さ (m)  

p1: 圧力開閉器が開くゲージ圧力 (kPa) {kgf/cm2}  

g: 自由落下の加速度 (m/s2)  

4.2 

揚水量 ポンプの揚水量は,8.3によって試験を行い,表1のとおりとする。 

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B 8318-1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1 揚水量の最小値 

単位 l/mm 

電動機呼び出力 

150W 

200W 

250W 

300W 

400W 

基準押上げ高さ 

6m 

6m 

10m 

10m 

11m 

表示吸上げ高さ 

12m 

13以上 

16以上 20以上 

22以上 

28以上 

18m 

− 

10以上 13.5以上 16以上 

21以上 

24m 

− 

− 

8以上 

10以上 

13以上 

30m 

− 

− 

− 

− 

6以上 

備考 表1の揚水量は,パラレルパイプジェットとの組合せによる値を示す。

インナーパイプジェット又はシングルパイプジェットの場合は,表1の
値の70%以上とする。 

4.3 

消費電力 ポンプの消費電力は,8.4によって試験を行い,表2のとおりとする。 

なお,消費電力の許容差は,定格消費電力(表示した消費電力)に対し,±20%とする。 

表2 電動機の呼び出力と消費電力 

電動機の呼び出力 

150W 

200W 

250W 

300W 

400W 

消費電力 W 

460以下 560以下 660以下 790以下 1 000以下 

4.4 

使用電圧の変化 ポンプは,8.5によって試験を行い,実用上差し支えなく使えるものとする。 

4.5 

始動 ポンプの始動は,8.6によって試験を行い,異常なく始動しなければならない。 

なお,始動電流は,単相のものでは37A以下とする。 

4.6 

耐水圧 ポンプの耐水圧は,8.7によって試験を行い,軸封装置を除き,各部に水漏れがあってはな

らない。 

4.7 

圧力開閉器 ポンプに使用する圧力開閉器は,次による。 

(1) 8.8(1)によって試験を行い,作動が確実であること。 

また,この場合の作動圧力の許容値は,表示圧力が0.1MPa {1kgf/cm2} 以下のものは±10kPa 

{0.1kgf/cm2},表示圧力が0.1MPa {1kgf/cm2} を超え0.2MPa {2kgf/cm2} 以下のものは±20kPa 

{0.2kgf/cm2},表示圧力が0.2MPa {2kgf/cm2} を超えるものは±15%であること。 

(2) 8.8(2)によって連続試験を行い,各部に支障を生じてはならない。 

また,試験直後の,開閉接触部の温度上昇は,銅又は銅合金のものでは40℃以下,銀又は銀合金の

ものでは65℃以下でなければならない。 

(3) 8.8(3)によって耐久性試験を行い,各部に支障を生じてはならない。 

4.8 

電動機の温度上昇 電動機の温度上昇は,8.9によって試験を行い,表3の値でなければならない。 

表3 電動機の温度上昇限度 

単位 ℃ 

電動機絶縁巻線 

温度計法 

抵抗法 

全閉形 全閉形以外 

E種絶縁のもの 70以下 

65以下 

75以下 

4.9 

絶縁抵抗 ポンプの絶縁抵抗は,8.10によって試験を行い,1MΩ以上とする。 

4.10 耐電圧 ポンプの耐電圧は,8.11によって試験を行い,規定の電圧に1分間耐えなければならない。 

5. 構造 ポンプの構造は,付図1に示すように,ポンプ本体,圧力タンク,圧力開閉器,電動機及びジ

ェット部の主構成部分からなり,次の各項目に適合するものとする。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(1) 構造一般 構造に関する一般的事項は,次による 

(a) ポンプ圧力が加わる部分は,十分な強さをもつこと。 

(b) 水が通る部分は,衛生上有害な材料を使用しないこと。 

(c) 各部は,容易に機械的又は電気的な故障を起こさないこと。 

(d) 使用中著しい振動及び騒音がなく,正常に運転できるものであること。 

(e) 充電部は露出しないで,容易に水がかからないこと。 

また,軸封装置から漏水が生じたときに,電動機内部に水が入らないように,電動機軸に水切り

つばなどの対策を施すこと。 

(f) 極性が異なる充電部間,充電部と非充電金属部との間及び充電部と人が触れるおそれがある非金属

部との間の空間距離(沿面距離を含む。)は,表4に示す値であること。 

表4 空間距離の最小値 

単位 mm 

定格電圧 

100V 

200V 




沿





電源電線の
取付部 

使用者が接続する端子部間 

 6 

以上  6 

以上 

使用者が接続する端子部と接地するおそれがある非充電
金属部又は人が触れるおそれがある非金属部の表面との
間 

 6 

以上  6 

以上 

製造業者が接続する端子部間 

 3 

以上  4 

以上 

製造業者が接続する端子部と接地するおそれがある非充
電金属部又は人が触れるおそれがある非金属部の表面と
の間 

 2.5 以上  3 

以上 

出力側電線
の取付部 

使用者が接続する端子部間 

 6 

以上  6 

以上 

使用者が接続する端子部と接地するおそれがある非充電
金属部又は人が触れるおそれがある非金属部の表面との
間 

 6 

以上  6 

以上 

製造業者が接続する端子部間及び使用者が接続器によっ
て接続する端子部間 

 3 

以上  4 

以上 

製造業者が接続する端子部及び使用者が接続器によって
接続する端子部と接地するおそれがある非充電金属部又
は人が触れるおそれがある非金属部の表面との間 

 2.5 以上  3 

以上 

その他の部
分 

極性が異なる充電部間(開
閉機構をもつものの電線
取付端子部を含む。) 

固定している部分であって,じ
んあいが侵入しにくく,かつ,
金属粉が付着し難い箇所 

 1.5 以上 
(1.5 以上) 

 2 

以上 

(2 以上) 

その他の箇所 

 2.5 以上 
(2 以上) 

 3 

以上 

(2.5 以上) 

充電部と接地するおそれ
がある非充電金属部又は
人が触れるおそれがある
非金属部の表面との間 

固定している部分であって,じ
んあいが侵入しにくく,かつ,
金属粉が付着し難い箇所 

 1.5 以上 
(1.5 以上) 

 2 

以上 

(2 以上) 

その他の箇所 

 2 

以上 

(1.5 以上) 

 2.5 以上 
(2 以上) 

備考 括弧内の数値は,附属コンデンサの端子部に適用する。 

(g) 温度上昇によって危険が生じるおそれがあるものは,温度過昇防止装置(温度ヒューズを含む。)を,

過電流,過負荷などによって危険が生じるおそれがあるものは,過負荷保護装置を取り付けること。 

なお,温度過昇防止装置及び過負荷保護装置は,十分な耐久性をもつこと。 

(h) 電源電線の口出部は,電源電線が傷まないような構造であるか,又は電源電線が保護されているこ

と。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(i) 水が通る部分は,低温時の凍結を防止する装置が,容易に取り付けられる構造であること。 

(j) 溶接などによってつなぎ合わせられた電動機の軸は,十分な寸法精度及び強さをもつこと。 

(k) 電動機又はそれに接続する金属部には,接地線を確実に取り付けることができる接地用端子を設け

ること。接地用端子のねじの呼びはM4以上とし,ねじの材質は,銅,銅合金又はステンレスを使

用する。 

(l) ポンプの吸込口,吐出し口及び圧力水口の口径は,配管が容易に接続でき,配管の口径は原則とし

て表5による。ただし,管の呼び21B未満のものを使用してはならない。 

また,ポンプ吸込口及び吐出し口の大きさは,配管内径にほぼ等しくする。 

表5 配管口径 

電動機の呼び出力 

口径(3) 

備考 

150W, 200W, 250W 

4

3B, 1B, 14

3B 

ポンプとジェット部を接続す
る配管は,原則として継手を
介して合成樹脂(4)を用いる。 

300W, 400W 

1B, 14

1B, 12

1B 

注(3) 口径は,JIS G 3452による。 

(4) 配管は,原則としてJIS K 6741を使用する。 

(m) プラグ,コック又は管をねじ込む部分のねじは,JIS B 0202又はJIS B 0203を使用する。 

(n) ポンプの回転方向は,電動機側から見て,原則として時計回りとする。 

(2) ポンプ本体 ポンプ本体は,次による。 

(a) 各部品は互換性をもち,部品の交換によって性能に著しい変化が生じないこと。 

(b) ケーシング及びケーシングカバーは,一部に肉薄のところがないこと。 

(c) 羽根車には,ひけ,偏肉がないこと。 

(d) 羽根車ボスの長さは,穴径以上とする。 

(e) 容易に腐食又はさびを生じるおそれがある接水部には,塗装又は表面処理を施すこと。ただし,塗

装の場合には,水道法第四条第一項に掲げられた水銀,シアンなど飲料水として不適当な有害物質

を溶出させないこと。 

(f) 軸の径は,表6による。ただし,伝動に関係がない部分は,それ以下でもよい。 

表6 電動機の軸径 

単位 mm 

電動機の呼び出力 

軸の径 

150W, 200W, 250W 

8以上 

300W, 400W 

9以上 

(g) 軸封装置は,容易に摩耗しないで,漏水が少なく,長時間の使用に耐え,摩耗しやすい部分は,容

易に交換可能なこと。 

(3) 電動機 ポンプには,JIS C 4203又はJIS C 4210の規定を満足する品質の単相誘導電動機又は三相誘

導電動機を使用すること。 

(4) 圧力タンク 圧力タンクは,次による。 

(a) 圧力タンクの内部には,十分なさび止め処理を施す。 

(b) 圧力タンクの有効利用容積は,次の式によって算出し,その容積は表7のとおりとする。ただし,

タンクの空気減少を確実に防止する装置又は自動空気補給装置を使用するものでは,表7の値の21

以上あればよい。 

また,水栓の開度及びその開閉頻度に関係がなく,電動機及びポンプに支障を及ぼさない装置を

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もつものは,この限りでない。 

(

)

(

)(

)

(

)

(

)(

)

2

1

2

1

2

1

2

1

1

1

100

100

100

P

P

P

P

V

V

P

P

P

P

V

V

ここに, 

V: 有効利用容積(圧力開閉器の1回の開閉でタンクに蓄積され

る水の量) (l)  

V': 圧力タンクの有効全容積(有効全容積とは,タンクのドレン

抜き穴から上の容積) (l)  

P1: 圧力開閉器が開くゲージ圧力(上限圧力) (kPa) {kgf/cm2}  

P2: 圧力開閉器が閉じるゲージ圧力(下限圧力) (kPa) {kgf/cm2}  

表7 圧力タンクの有効利用容積 

単位 l 

電動機の呼び出力 有効利用容積の最小値 

150W 

1.75以上 

200W 

2.20以上 

250W 

2.70以上 

300W 

3.15以上 

400W 

4.10以上 

(5) 自動空気補給装置 圧力タンクには,空気を補給するのに必要な自動空気補給装置を付ける。ただし,

使用上,自動空気補給装置の必要がないものでは,空気補給口だけを付ければよい。 

(6) 呼び水口 ポンプ本体又はその他の適当な箇所に,呼び水口を設け,容易に呼び水ができること。 

(7) ジェット部 ジェット部は,次による。 

(a) 容易に腐食又はさびを生じるおそれがある接水部には,塗装又は表面処理を施す。 

(b) ジェット部の厚さは,8.7の耐水圧試験に耐える厚さとしなければならない。 

(c) ジェット部は,容易にポンプと配管で接続でき,井戸に容易に挿入設置ができること。挿入井戸の

配管の呼びは,原則として表8による。 

表8 挿入井戸の配管の呼び 

種類 

挿入井戸の配管の呼び(5) 

鋼管 

塩化ビニル管 

パラレルパイプジェット  

3B, 4B 

75, 100 

インナーパイプジェット  

2B, 3B 

50, 75 

シングルパイプジェット  

2

1

1B, 2B 

40, 50 

注(5) 井戸の配管の呼びは,JIS G 3452及びJIS K 6741

のVP管による。 

(d) ジェット部各部には,性能に悪影響を与えるような巣,ばりなどがないこと。 

(8) フート弁 ポンプにはフート弁を附属し,フート弁の機能は,確実で,長時間の使用に耐えること。 

(9) 電源電線 電源電線は,次による。 

(a) 電源電線を附属する場合には,JIS C 3312若しくはJIS C 3327に規定する電線又はこれらと品質が

同等以上のものとする。その導体の断面積は,0.75mm2以上(単相で定格消費電力が600W以上の

場合は1.25mm2)とし,有効長さは,原則として2mとする。 

(b) 電源電線の電源側接続端に差込プラグを用いる場合は,JIS C 8303に規定する差込プラグを付ける。 

6. 外面 ポンプ及びジェット部の外面には,耐食性の材料を使用している場合以外には,すべて塗装又

はめっきを施し,各部の仕上がりは良好で,著しいさび,きずその他有害な欠点があってはならない。 

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7. 材料 ポンプ各部に使用する材料は,表9に示すもの又はこれと品質が同等以上のものとする。 

表9 ポンプ各部に使用する材料 

部品名 

材料 

ケーシング及び 
ケーシングカバー 

JIS G 5501のFC 150,JIS H 5111による青銅鋳物,JIS H 3250のC 3604 
BE−F若しくはC 3771 BE−F,JIS H 5101のYBSC 2又は合成樹脂 

羽根車 

JIS G 5501のFC 150,JIS H 3250のC 3771 BE−F,JIS H 5101のYBsC 
3,JIS H 5111による青銅鋳物,JIS G 4304のSUS 403,JIS G 4305の
SUS 403又は合成樹脂 

軸(6) 

JIS G 4303のSUS 410 

圧力タンク 

JIS G 3131のSPHC又はJIS G 3141のSPCC(7) 

ジェット部 

JIS H 5111による青銅鋳物,JIS H 5101のYBsC 3,JIS G 5501のFC 
150(8)又は合成樹脂 

フート弁 

JIS H 5111による青銅鋳物,JIS H 3250のC 3604 BE−F若しくはC 3771 
BE−F,JIS G 5501のFC 150(8)又は合成樹脂 

注(6) 軸の材料は,水に接している部分について規定するもので,水に接しない部分又は

接しない構造のものは,この限りでない。 

(7) 引張強さ280MPa {28kgf/mm2} 以上,伸び30%以上のものとする。 
(8) 井戸の水面下に没する部分には,なるべく用いない。 

8. 試験方法 

8.1 

試験方法一般 試験に関する共通的事項は,次による。 

(1) 揚液は,常温(9)の清水とする。 

(2) 吸上げ高さは,表示吸上げ高さの実高さで行う(図1参照)。 

(3) ポンプの押上げ高さは,揚程に相当する圧力をJIS B 7505に規定する1.6級の圧力計によって測定す

る。 

注(9) 常温とは,5〜35℃をいう。 

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図1 ポンプの試験揚程 

8.2 

締切り全揚程 ポンプの締切り全揚程は,圧力開閉器を作動させないで,吐出し側バルブを締め切

って測定する。 

8.3 

揚水量 表示吸上げ高さで,基準押上げ高さにおける揚水量をJIS B 8302の容器による方法に準じ

て測定する。ただし,十分に校正された計器(10)によってもよい。 

注(10) 十分に校正された計器とは,容器によって校正された精度が±2.5%のものをいう。 

8.4 

消費電力 表示吸上げ高さで,圧力開閉器が閉じるゲージ圧力の相当水頭における電動機の消費電

力を求める。 

8.5 

使用電圧の変化 表示吸上げ高さで,圧力開閉器が閉じるゲージ圧力の相当水頭において定格電圧

を±10%変化させて行う。 

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8.6 

始動 表示吸上げ高さで,圧力開閉器が閉じるゲージ圧力の相当水頭で試験し,定格周波数におい

て定格電圧の90%の電圧で,始動するかどうかを調べる。 

8.7 

耐水圧 ポンプ本体には圧力開閉器が開くゲージ圧力の2倍の圧力を,圧力タンクには3倍の圧力

を,ジェット部には表示吸上げ高さに相当するゲージ圧力と圧力開閉器が開くゲージ圧力の和の1.5倍の

圧力を,それぞれ3分間加えて試験を行い,軸封装置を除き各部の水漏れの有無を調べる。 

なお,試験圧力の最低は,0.2MPa {2kgf/cm2} とする。 

また,圧力タンクは水圧試験の代わりに,1分間の空気圧試験を行ってもよい。その場合は,危険防止

のための十分な設備を設ける。 

8.8 

圧力開閉器 ポンプの圧力開閉器試験は,次による。 

なお,(2)及び(3)の試験は,形式試験の際に行う。 

(1) 圧力開閉器は,表示された開く圧力,閉じる圧力によって完全に作動するかどうかを少なくとも5回

以上試験し,その作動が確実なことを確認する。 

(2) 圧力開閉器は,表10に示す条件で連続試験を行い,各部の支障の有無を調べる。 

また,項目2の試験後,開閉器にポンプの最大負荷電流(11)を通じ,各部の温度上昇がそれぞれほぼ

一定となったとき,熱電温度計法によって開閉接触部の温度上昇を測定する。 

注(11) ポンプにその定格電圧を加え,表示吸上げ高さと圧力開閉器の閉圧力に相当する高さとの和を

揚程するときの負荷状態での電流値。 

表10 圧力開閉器の連続試験条件 

項目 

試験電圧 

試験電流 

力率 

開閉の頻度 

開閉回数 

定格電圧 

最大負荷電流 0.75〜0.8  毎分約 20回  連続 5 000回 

定格電圧の1.2倍 

(12) 

(12) 

 毎分約 4回  連続 

5回 

注(12) 電動機の回転子を拘束し,電動機の定格周波数に等しい周波数の定格電圧の

1.2倍に等しい電圧を加えたとき,開閉器に通じる電流及びこの場合の力率。 

(3) 圧力開閉器は,表11に示す条件で耐久性試験を行い,各部の支障の有無を調べる。 

表11 圧力開閉器の耐久性試験条件 

試験電圧 

試験電流 

力率 

開閉の頻度 

開閉回数 

定格電圧 

最大負荷電流 

0.75〜0.8 

毎分約10回 

30 000回 

8.9 

電動機の温度上昇 表示吸上げ高さと圧力開閉器の閉じる圧力の相当水頭との和の全揚程で,定格

電圧,定格周波数の下に連続運転し,温度上昇がほぼ一定となったとき,抵抗法又は温度計法によってそ

の温度を測定する。 

なお,周囲温度は,40℃以下とする。 

8.10 絶縁抵抗 ポンプの絶縁抵抗は,8.8の試験の後,直ちに500Vの絶縁抵抗計で,充電部と非充電部

との間の絶縁抵抗を測定する。 

8.11 耐量圧 ポンプの耐電圧は,周波数50Hz又は60Hzの正弦波に近い1 000V(三相誘導電動機の場合

は1 500V)の電圧を1分間加える。ただし,多量生産のポンプは,試験電圧の120%の電圧を1秒間加え

て,これに代えることができる。 

参考 ポンプの試験方法は,ポンプ,圧力タンク及びジェット部を組み合わせて図1によるが,多量

生産する場合は,ポンプ本体とジェット部とを別々に試験し,それらを総合して性能の判定が

できるので,次の個別の試験方法を参考にして試験してもよい。 

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B 8318-1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(1) ポンプ本体の個別試験は,JIS B 8301及びJIS B 8302に準じる。その性能の判定は,あらかじめジェ

ット部と組み合わせて基準の性能を満足したポンプの本体との性能曲線で比較する。ポンプ本体の試

験は,圧力水口を閉じて測定した通常の遠心ポンプの試験方法で行う。 

(2) ジェット部の個別試験は,次による。 

(a) 配管図 配管図は,参考図1による。 

参考図1 配管図 

備考1 

この配管図は,ジェット部の個別試験のための一例を示すものであって,配管を規定するも
のではない。 

2. 給水ポンプは,原則としてジェット部と組み合わせるポンプを用いる。 
3. バイパス弁は,給水ポンプ水量又は揚程が大き過ぎる場合に取り付ける。 
4. 流量計1及び流量計2は,振動の少ない場所にテーパ管の中心軸が鉛直になるように取り付

け,流量計の接続部から上流側に管径の5倍以上,下流側に3倍以上の直線管路を設けるこ
と。 

5. 記号の説明は,次による。 

Q1:供給量 (l/min)  
Q2:揚水量=Qd−Q1 (l/min)  
Qd:吐出し量 (l/min)  
H1:基準水面に換算した駆動水頭 (m)  
Hd:基準水面に換算した吐出し水頭 (m)  

(b) 試験方法 参考図1のような配管で,給水ポンプ(原則としてジェット部と組み合わせるポンプ)

と同じ水量で,揚程は次に示すH1以上のポンプとジェット部を接続し,Hdを表示吸上げ高さと表

示押上げ高さの和の圧力になるようにバルブV1で調節しておき,流量Q1を測定する。次にバルブ

V2を調整することによって吐出し量Qdを変え,何点かのQdについて,そのときのH1及びHdを測

定する。 

なお,その他の測定方法は,JIS B 8301及びJIS B 8302に準じて行う。 

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10 

B 8318-1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(c) 効率の算出 ジェット部の特性は,供給水量Q1に対する揚水量Q2の比(水量比:M)と正味の駆

動水頭 (H1−Hd) に対する吐出し水頭Hdの比(水頭比:N)で表し,効率はこの両者の積で示す。 

水量比 

1

2

Q

Q

M=

水頭比 

d

d

H

H

H

N

1

ジェット部の効率 

η=M・N×100 (%) 

(d) 特性曲線 特性曲線は,参考図2の例のように表す。 

図1の試験で合格したジェット部のM−N,M−η曲線と比較して合否を決定する。 

参考図2 特性曲線の例 

9. 製品の呼び方 ポンプの呼び方は,規格番号又は規格名称,電動機の呼び出力,相数(定格電圧が125V

を超える場合に限る。),定格電圧,定格消費電力,定格周波数及び表示吸上げ高さによる。 

例1. JIS B 8318 200W 100V 200W 50Hz 12m 

例2. 深井戸用電気井戸ポンプ 400W 三相200V 400W 50Hz 12m 

10. 表示 

10.1 ポンプ本体 ポンプには,見やすいところに,容易に消えない方法で,次の事項を表示する。 

(1) 名称(深井戸用電気井戸ポンプ)(13)  

(2) 電動機の呼び出力 

(3) 相数(定格電圧が125Vを超える場合に限る。) 

(4) 定格電圧 (V)  

(5) 定格消費電力 (W)  

(6) 定格周波数 (Hz)  

(7) ポンプの回転方向 

(8) 吸上げ高さ (m)  

(9) 押上げ高さ(給水栓取付最高位置) (m)  

(10) 圧力開閉器の開閉圧力 (MPa) (14) {kgf/cm2}  

(11) 揚水量(15)(吸上げ高さと押上げ高さの和を全揚程とするときの揚水量。) (l/min)  

(12) パラレルパイプジェット,インナーパイプジェット及びシングルパイプジェットの別又はそれを表す

記号(ジェット部を附属品として出荷する場合に記載する。) 

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B 8318-1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(13) 吸込管の呼び 

(14) 圧力水管の呼び 

(15) 吐出し管の呼び 

(16) 製造業者名又は登録商標 

(17) 製造年又は製造番号 

注(13) この規格を満足している深井戸用電気井戸ポンプであることが分かれば他の名称を用いてもよ

い。 

(14) (MPa) は,必ずしも本体に表示する必要はない。 

(15) 揚水量は,パラレルパイプジェットの場合を示す。インナーパイプジェット又はシングルパイ

プジェットに対する揚水量を併記する必要がある場合は,その揚水量とパラレルパイプジェッ

トの揚水量と二段表示の形式で明確にしておく。 

10.2 ジェット部 ジェット部のこん(梱)包には,見やすいところに次の事項を表示する。ただし,ポ

ンプ本体にジェット部が附属されているものにあっては,この限りでない。 

(1) パラレルパイプジェット,インナーパイプジェット及びシングルパイプジェットの別又はそれを表す

記号(パラレルパイプジェットの場合は,特に表示する必要はない。) 

(2) 電動機の呼び出力 

(3) 吸上げ高さ (m)  

(4) 吸込管の呼び 

(5) 圧力水管の呼び 

(6) 製造業者名又は登録商標 

(7) 製造年又は製造番号 

備考 深井戸・浅井戸用ポンプ 深井戸・浅井戸兼用ポンプは,この規格に適合するポンプ本体とジ

ェット部でそのジェット部をポンプ本体の近傍に取り付け,浅井戸用としても使用できるポン

プで,この場合,深・浅井戸兼用であることが分かる名称を表示し,深井戸用の諸項目のほか

浅井戸用の諸項目を併記する。 

11. 添付文書及び附属品 

11.1 ポンプには,製品の取扱い,据付け時の注意及び凍結を防止する旨の注意を記載した取扱説明書及

び据付工事説明書を添付する。 

11.2 ポンプには,フート弁を附属する。 

付表1 引用規格 

JIS B 0202 管用平行ねじ 

JIS B 0203 管用テーパねじ 

JIS B 7505 ブルドン管圧力計 

JIS B 8301 遠心ポンプ,斜流ポンプ及び軸流ポンプの試験及び検査方法 

JIS B 8302 ポンプ吐出し量測定方法 

JIS C 3312 600Vビニル絶縁ビニルキャブタイヤケーブル 

JIS C 3327 600Vゴムキャブタイヤケーブル 

JIS C 4203 一般用単相誘導電動機 

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B 8318-1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS C 4210 一般用低圧三相かご形誘導電動機 

JIS C 8303 配線用差込接続器 

JIS G 3131 熱間圧延軟鋼板及び鋼帯 

JIS G 3141 冷間圧延鋼板及び鋼帯 

JIS G 3452 配管用炭素鋼鋼管 

JIS G 4303 ステンレス鋼棒 

JIS G 4304 熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯 

JIS G 4305 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯 

JIS G 5501 ねずみ鋳鉄品 

JIS H 3250 銅及び銅合金棒 

JIS H 5101 黄銅鋳物 

JIS H 5111 青銅鋳物 

JIS K 6741 硬質塩化ビニル管 

関連規格 JIS B 8314 浅井戸用電気井戸ポンプ 

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B 8318-1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

付図1 構造(一例) 

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B 8318-1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS B 8318 深井戸用遠心形電気井戸ポンプ 

JIS改正原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

中 條 徳三郎 

社団法人日本産業機械工業会 

中 田 哲 雄 

通商産業省機械情報産業局 

鈴 木 茂 光 

工業技術院標準部 

池 田 順 一 

財団法人日本規格協会 

富 沢 一 行 

財団法人日本電気用品試験所 

舘 野 良 幸 

財団法人日本消費者協会 

井之上 幸 造 

社団法人日本電機工業会家電部 

佐々木   巌 

佐々木工業株式会社 

藤 本   孝 

東京電力株式会社営業部 

三ケ田 謙 三 

株式会社日立製作所ポンプ設計グループ 

船 越 明 夫 

九州松下電器株式会社第一事業部 

中 務 幸 正 

株式会社荏原製作所汎用機器開発部藤沢工場 

村 川 博 美 

株式会社川本製作所技術部 

加 瀬 充 男 

大平洋機工株式会社タカサゴPAMグループ 

山 本 作 衛 

三菱電機株式会社福岡製作所 

田 上 正 隆 

三洋精機工業株式会社技術部 

井 上 龍 雄 

株式会社芝浦製作所小浜工場 

土 居   誠 

株式会社極東機械製作所技術部 

(事務局) 

重 森 典 久 

社団法人日本産業機械工業会 

佐 野 博 章 

社団法人日本産業機械工業会