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B 8317-1 : 1999 (ISO 1608-1 : 1993) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。これによってJIS B 8317 : 1986は廃止され,JIS B 8317-1及びJIS B 8317-2に置き換

えられる。 

JIS B 8317は,主題を“蒸気噴射ポンプ−性能試験方法”として,次に示す各部によって構成される。 

第1部:体積流量(排気速度)の測定 

第2部:臨界背圧の測定

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 8317-1 : 1999 

(ISO 1608-1 : 1993)  

蒸気噴射真空ポンプ−性能試験方法− 

第1部:体積流量(排気速度)の測定 

Vapour vacuum pumps−Measurement of performance characteristics− 

Part 1 : Measurement of volume rate of flow (pumping speed)  

序文 この規格は,1993年に第1版として発行されたISO 1608-1, Vapour vacuum pumps−Measurement of 

performance characteristics−Part 1 : Measurement of volume rate of flow (pumping speed) を翻訳し,技術的内容

及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。 

1. 適用範囲 この規格は,蒸気噴射真空ポンプの排気速度の測定方法について規定する。 

対象となるポンプは,次に示す3種類の油及び水銀の蒸気噴射真空ポンプとする。 

− 拡散ポンプ 

− 蒸気ジェット真空ポンプ 

− 拡散エジェクタポンプ(このポンプは,分子流及び層流の両方の領域で動作し,拡散ポンプ又はエジ

ェクタポンプの特性を兼備したもの。) 

これらのポンプには,バッフル又はトラップがあってもなくてもよい。 

2. 定義 用語の定義は,次による。 

2.1 

体積流量(排気速度) (volume rate of flow ; pumping speed)  理想状態のもとで,単位時間当たり

にポンプの吸入口を通過する気体の体積。 

しかし,実際には,ある気体に対するポンプの排気速度Sは,便宜的にその気体の流量Qを,所定の運

転条件における規定したテストドームの所定の点での平衡圧力pで除して求める。 

すなわち, 

p

Q

S=

体積流量(排気速度)の単位は,m3/h又はl/sとする。蒸気噴射真空ポンプの場合には,体積流量(排

気速度)を表すこの式は,pが同じ真空計で測定された到達圧力p0の10倍以上に適用できる。 

2.2 

テストドーム(テストヘッダ) (test dome ; test header)  所定の形状・寸法の容器で,ポンプの吸

入口に取り付けることができる。測定する気体がその容器を通過してポンプで排気され,かつ,その容器

には圧力を測定するための測定器が取り付けられるようになっているもの。 

2.3 

到達圧力 (ultimate pressure)  気体導入弁を閉じた状態で,かつ,ポンプが通常の運転状態にある

ときの,テストドーム内の漸近的に到達する限界圧力。 

B 8317-1 : 1999 (ISO 1608-1 : 1993) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3. 装置 

3.1 

テストドーム 円筒形で,図1に示す形状のもの。テストドームの軸方向の長さは,内径Dの1.5

倍とし,気体吸入口の位置は,ポンプとの接続フランジ面から距離Dだけ離れた中心軸線上にあり,気体

吸入口は,ポンプ吸入口の反対方向を向いていなければならない。真空計取付口は,ポンプとの接続フラ

ンジ面から0.5D離れた位置で,テストドームの中心軸線と直角に取り付ける。テストドームの中心軸線は,

ポンプ吸入口のフランジ又は吸入口の面に対して直角でなければならない。 

テストドームの内径は,ポンプの吸入口の内径と同じとする。バッフル又はトラップを付けて試験する

場合には,バッフル又はトラップの吸入口の内径と同じでなければならない。 

備考1. ポンプの内部部品がポンプのフランジ又は吸入口の面を超えて突き出している場合には,参

照面は,これら内部部品の最も突き出た点を含むものとし,この面でのポンプの口径は,製

造業者の指定した値とする。 

3.2 

真空計 1Pa以上の圧力では,±5%,1Pa未満では±10%の精度で校正されたものとする。 

3.3 

試験気体 特に指定のないかぎり乾燥空気を用いる。 

3.4 

気体流量測定装置 要求される流量によって,測定方法を使い分ける。その測定装置の精度は,次

による。 

a) 9.9×10−1Pa・m3/s以上の場合には,±3% 

b) 9.9×10−1Pa・m3/s未満9.9×10−5Pa・m3/s以上の場合には,±5% 

c) それ以下の場合には,±10% 

備考2. 20℃の理想気体と仮定する。 

4. 試験方法 

4.1 

原理 採用した試験方法は,定圧法であり,測定中はポンプの吸入口の圧力を一定に保たなければ

ならない。実際には,テストドームで測定された圧力が一定であれば,この条件を十分に満足していると

みなす。 

4.2 

手順 排気速度を測定するために,3.に規定するテストドーム,真空計及び気体流量測定装置をポン

プに取り付ける。試験に際しては,ポンプは,製造業者の指定した等級及び量の作動油並びにヒータ容量

で運転する。周囲温度は,試験中,特に指定のないかぎり15〜25℃の間で常に変動幅±1℃に保たなけれ

ばならない。気体導入弁を閉じて1時間以上排気し,かつ,テストドームの圧力がこれ以上低下しないこ

と及びポンプの運転温度が平衡に達していることが確認できるまで,テストドームを排気しなければなら

ない。その後に測定したい圧力(真空計の読みの算術平均)になるように気体をテストドームに導入する。

測定を始めるときは,圧力が平衡状態になっていなければならない。排気速度は,最も低い圧力から始め,

異なった吸入口圧力について逐一測定する(例えば1.6,2.5,4,6.3,10のように,1桁について少なくと

も5点測定する。)。拡散エジェクタポンプの場合には,同じ一連の測定を高い圧力からも測定した方がよ

い。各点ごとに吸入圧力,大気圧及び流量を測定する。 

吸入口の圧力及び吸入気体の流量は,できるかぎり同時に測定する。吸入気体の流量の測定に60秒以上

要する場合には,60秒の間連続して圧力を測定し,平均値をとる。最大値と最小値の差が10%以上ある場

合には,測定を再度行う。 

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B 8317-1 : 1999 (ISO 1608-1 : 1993) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5. 試験結果 吸入口の圧力と排気速度との関係は,圧力を対数目盛の横軸に取り,到達圧力から大気圧

まで又は設計圧力の範囲までを示し,排気速度を線形目盛の縦軸に取って図示する。吸入口の圧力と流量

との関係は,圧力を横軸,流量を縦軸にして,両対数で図示する。 

6. 試験報告書 試験報告書には,次の事項を記載する。 

a) 用いた全測定器の種類及び動作条件 

b) 吸入口フランジに用いたガスケットの種類 

c) バッフル又はトラップを使用したときには,その種類及び試験中のそれらの温度 

d) 試験中のポンプ冷却水又は冷媒出入口のそれぞれの最高及び最低の温度 

e) 冷却水流量 

f) 

蒸気噴射ポンプ作動液の種類及び量 

g) 補助ポンプを使用したときには,その種類及び排気速度 

h) 加熱電力及び試験中の変動幅 

i) 

背圧及びそれを測定した真空計の種類 

j) 

周囲温度 

図1 テストドーム 

B 8317-1 : 1999 (ISO 1608-1 : 1993) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS B 8317(蒸気噴射真空ポンプ性能試験方法)改正原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

堀 越 源 一 

高エネルギー物理学研究所名誉教授 

(幹事) 

○ 柳 橋 輝 雄 

大亜真空株式会社 

石 川 雄 一 

株式会社日立製作所機械研究所 

○ 本 間   清 

工業技術院標準部材料機械規格課 

岡 野 達 雄 

東京大学生産技術研究所 

岡 原   真 

株式会社島津製作所 

門   芳 生 

株式会社芝浦製作所 

金 原 浩 之 

日本真空技術株式会社 

金 戸   成 

株式会社大阪真空機器製作所 

○ 川 原 文 雄 

アネルバ株式会社 

榊 原 正 二 

日本酸素株式会社 

○ 大工原 茂 樹 

株式会社シンクロン(日本真空工業会) 

荻 原 徳 男 

日本原子力研究所光量子科学センター 

○ 橋 本 繁 晴 

財団法人日本規格協会 

平 田 正 紘 

工業技術院電子技術総合研究所 

○ 福 山 泰 弘 

神港精機株式会社 

古 畑 達 雄 

ライボルト株式会社 

堀 井 春 生 

三菱電線工業株式会社 

(事務局) 

○ 間 山 正 義 

日本真空協会 

○ 小 林 廣 子 

日本真空協会 

備考 ○印は,分科会の委員も兼ねていることを示す。