2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 8222-1993
陸用ボイラ−熱勘定方式
Land boilers−Heat balancing
1. 適用範囲 この規格は,固体,液体及び気体燃料を使用する陸用ボイラ(温水ボイラも含む。)の実用
的な試験における熱勘定の一般的方式について規定する。
備考1. この規格は,一般のボイラを対象とし,購入者と製造業者などとの間で行う受渡試験におけ
る熱勘定方式を規定したものである。ただし,簡単なボイラの場合又は日常の性能試験では,
規定事項などを適宜簡略にし,計算も与えられた略算式を使用するなどしてこの規格を準用
することができる。
また,特殊なボイラ,特殊な燃料の場合には,それに適応する方法を用いることができる。
2. この規格の引用規格を,付表1に示す。
3. この規格の中で{ }を付けて示してある単位,数値及び計算式は,従来単位によるもので
あって,参考として併記したものである。
2. 用語及び記号 この規格で用いる主な用語及び記号を付表2に示す。
3. 熱勘定の条件 熱勘定を行う場合の条件は,次による。
(1) 熱勘定は,ボイラの定常な操業状態において,少なくとも2時間以上の運転結果によって行う。ただ
し,液体又は気体燃料を使用する小形のボイラにあっては,受渡当事者間の協定によって試験時間を
1時間以上とすることができる。試験負荷は,一般に定格負荷とし,必要に応じ43,21,41などの負荷
で行う。
(2) ボイラの熱勘定試験は,あらかじめボイラ各部を点検し,燃料,蒸気又は水の漏れがないことを確か
め,試験中,実用上差し支えない場合は,ブロー,すす吹きなどは行わず,かつ,安全弁は吹かない
運転状態で行う。
もし,安全弁が吹いたときは試験をやり直す。
(3) 試験は,供試ボイラをほかのボイラと無関係な状態にして行う。
(4) 熱勘定は,使用時の燃料の単位量,すなわち固体及び液体燃量の場合は1kg,気体燃料の場合は標準
状態(温度0℃,圧力1 013hPa)に換算した1m3(以下,特に注釈のない場合には標準状態に換算し
た値とする。)について行い,固体,液体又は気体燃料の区別なしに単位量を表す場合には,1kg(又
はm3)と記載する。
(5) 発熱量は,使用時の燃料の低発熱量を用いる。場合によって高発熱量を用いるときは,その旨を明記
しなければならない。
(6) 熱勘定の基準温度は,試験時の外気温度を基準とするが,必要に応じて周囲温度又は押込ファン出口
などの空気温度とすることができる。
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B 8222-1993
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(7) 熱勘定を行うボイラの標準的な構成範囲を図1に示す。過熱器,再熱器,エコノマイザ(節炭器)及
び空気予熱器をもつボイラでは,それらをボイラに含める。ただし,受渡当事者間の協定によってこ
の範囲を変更することができる。
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B 8222-1993
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図1 ボイラの標準的な構成範囲
(8) この規格でいう空気とは,水蒸気を含むものとし,また,燃料ガスとは水蒸気を含まない乾きガスと
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する場合と,燃焼によって生じる水蒸気なども含めた湿りガスとする場合とがある。これらの単位量
は,いずれも燃料1kg(又はm3)当たりとする。
(9) ボイラ効率の算定方式は,次の(a)又は(b)のいずれかによる。
(a) 入出熱法
%
100
1
×
+
=
Q
H
Qs
ι
η
ここに,
η1: 入出熱法によるボイラ効率
Qs: 有効出熱
Hl+Q: 入熱合計
(b) 熱損失法
%
100
1
2
×
+
−
=
Q
H
L
ι
ι
η
ここに,
η2: 熱損失法によるボイラ効率
Ll: 熱損失合計
(10) 温水ボイラの熱勘定方式は,蒸気ボイラの場合に準じる。
4. 測定方法 ボイラの熱勘定における測定項目は,7.2に示すとおりである。
入出熱法によるボイラ効率を求める場合は,燃料の使用量と発熱量などの入熱及び発生蒸気の吸収熱を,
また,熱損失法によるボイラ効率を求める場合は,燃料の使用量と発熱量などの入熱及び各部の熱損失を
求める必要がある。
各項目の測定は,次による。
4.1
外気温度 外気温度は,ボイラ室への空気の主な入口で測る。この場合は,日光の直射,機器など
の放射を受けない状態で測定する。
4.2
燃料
4.2.1
燃料使用量の測定 燃量使用量の測定は,次による。
(1) 固体燃料は,測定後の水分の蒸発を避けるため,なるべく燃焼直前に測定し,その都度,同時に試料
を採る。測定は,一般にはかりを用い,コールメータその他の計測器を用いるときは,指示量を正確
に補正する。測定の許容誤差は,一般に±1.5%とする。
(2) 液体燃料は,重量タンク式若しくは容量タンク式又は容積式流量計で測る。容積で求められたものは,
流量計通過温度に対して補正された燃料油の密度を乗じて質量に換算する。測定の許容誤差は,一般
に±1.0%とする。
(3) 気体燃料は,容積式,オリフィス流量計その他で測定し,測定時の圧力,温度によって標準状態の容
積m3に換算する。測定の許容誤差は,一般に±1.6%とする。
4.2.2
試料の試験及び発熱量の測定 使用燃料の試料の採取,試験,分析及び発熱量の測定は,一般に,
次の規格による。
JIS K 2249,JIS K 2251,JIS K 2270,JIS K 2272,JIS K 2275,JIS K 2279,JIS K 2301,JIS K 2541,
JIS M 8801及びJIS M 8810〜8814
4.3
給水
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4.3.1
給水量の測定 給水量の測定は,重量タンク式若しくは容量タンク式とするか,容積式流量計,オ
リフィスその他を用いて行う。測定の許容誤差は,一般に±1.0%とする。いったん測定した給水の一部を
ボイラに入れない場合は,その量を補正しなければならない。過熱器及び再熱器に蒸気温度調節のためス
プレー水を入れる場合には,その量を測定する[6.3(1)(c)及び(d)参照]。
4.3.2
給水温度の測定 給水温度は,エコノマイザ入口で(必要がある場合は出口でも)測定する。エコ
ノマイザがない場合には,ボイラ本体の入口で測定する。
また,インゼクタを使用する場合は,その前の箇所で測定する。
4.4
燃焼用空気
4.4.1
空気量の測定 空気量は,燃料の種類及びその組成並びに燃焼ガスの組成から算出する[6.2(3)参
照]。必要がある場合には,押込ファンの出口でオリフィス,ピトー管などを用いて測定する。空気予熱器
がある場合は,その出口で測定する(JIS B 8330参照)。
4.4.2
予熱空気温度の測定 空気温度は,空気予熱器の入口及び出口で測定する。タービン抽気などの外
部熱源による空気予熱器を併用する場合は,その前後の空気温度も測定する。
4.5
燃料加熱用又は炉内吹込用蒸気 燃料加熱,燃料噴霧その他の炉内吹込蒸気量は,一般に,それぞ
れの流量計で測定する。
4.6
発生蒸気
4.6.1
発生蒸気量の測定 発生主蒸気量は,一般には給水量から算定する。蒸気流量計が設備されている
場合は,その測定値は参考値とする。
発生蒸気の一部を燃料加熱,炉内吹込み,空気予熱に使用する場合などには,それらの量を測定して給
水量から差し引く。
再熱器入口蒸気量は,主蒸気量から蒸気タービンのグランド蒸気量及び抽気蒸気量を減じて求める。
再熱器出口蒸気量は,再熱器入口蒸気量に再熱器スプレー量を加えて求める。
なお,試験の開始時と終了時でのボイラ水面の位置及びその他の状態は,ほぼ同一でなければならない。
また,上記の補正量で測定が困難なものは,概算値を用いる。
4.6.2
過熱蒸気及び再熱蒸気温度の測定 過熱蒸気及び再熱蒸気温度の測定は,過熱器及び再熱器出口に
近接した位置で測定する。ただし,出口に温度調節装置がある場合には,その後で測定する。
再熱器の場合は,その入口でも測定する。
4.6.3
蒸気圧力の測定 飽和蒸気の圧力は,ボイラ胴又はそれに相当する部分で測定する。過熱蒸気及び
再熱蒸気の圧力は,それらの温度を測定する位置で測定する。圧力取出口と圧力計との間に高さの差があ
る場合は,連結管内の水柱に応じて圧力補正を行う。
4.6.4
飽和蒸気の乾き度の測定 飽和蒸気の乾き度は,ボイラ胴出口に近接した位置又はそれに相当する
部分で,復水熱量計,絞り熱量計などを用いて測定する。
4.7
排ガス(燃焼ガス)
4.7.1
排ガス温度の測定 排ガス温度は,ボイラの最終加熱器の出口で測定する。必要に応じて,ボイラ
本体出口及び過熱器,再熱器,エコノマイザ並びに空気予熱器の入口及び出口でも測定する。
ガス温度は,各通路断面の平均温度を求めるように努める。
4.7.2
排ガスの試料採取及び分析 排ガスの試料採取位置は,エコノマイザの出口(エコノマイザがない
場合は,ボイラ本体又は過熱器の出口)とする。
なお,空気予熱器がある場合には,その出口でも測定する。試料採取方法は,一般にJIS K 0095による。
排ガス成分の分析には,一般にオルザットガス分析器を用いる。電気式又は機械式分析器を使用する場
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合は,適宜オルザットガス分析器又は標準ガスによって校正を行う。
4.8
送風圧
4.8.1
送風圧(静圧)の測定 送風圧は,水柱圧力計その他を用い,押込ファン吐出し口で測定する。必
要に応じて,空気予熱器の入口及び出口,バーナ空気箱などでも測定する。
4.8.2
排ガスの圧力測定 排ガスの圧力は,水柱圧力計などを用い,最終加熱器を出た位置で測定する。
必要に応じて,炉内,ボイラ本体出口及びエコノマイザ,空気予熱器並びに吸出ファンの入口及び出口で
も測定する。
4.9
燃殻
4.9.1
燃殻量の測定 燃殻量は,燃料の使用量,燃料中の灰分及び燃殻中の未燃分の割合から算定する。
燃殻量が実測できる場合は,それによる。
4.9.2
燃殻の試料採取及び未燃分の測定 燃殻の試料の採取は,JIS M 8811による。未燃分の測定は,JIS
M 8812の4.(灰分定量方法)による。
4.10 測定時隔 燃料試料の採取,蒸気,空気及び排ガスの圧力,温度などの測定は,記録式計器を用い
る場合以外は,それぞれ一定時隔ごとに行う。主なものを例示すれば,次のとおりである。
石炭の試料採取
試験時間中なるべく回数多く(JIS M 8811参照)。
液体,気体燃料の試料採取及び蒸気の乾き度の測定
試験時間中に2回以上
蒸気の圧力及び温度並びに給水温度
10〜30分ごと
給水流量及び燃料使用量
5〜30分ごと
空気,排ガスなどの圧力及び温度
15〜30分ごと
排ガスの試料採取
30分ごと(石炭手だきの場合は,できるだけ回数多く。)
5. 試験の準備及び運転上の注意
5.1
ボイラの状態検査及び補修[3.(2)参照] ボイラは,あらかじめ各部分を検査し,蒸気及び水の漏
れ(特に,ブロー弁からの漏れ)がないように整備し,耐火材,保温材その他に破損があれば補修してお
く。
内部及び外部の汚染状況又は管理状況(試験前における掃除期日,掃除方法,掃除後の運転状況及び運
転時間,補修状況など)を記録する。
5.2
補機類の整備 燃料供給装置,燃焼装置,灰処理装置,通風装置,給水装置,水面計,自動制御装
置,その他の補機,計器類の機能をあらかじめ点検調整し,試験中に故障が起こらないように整備する。
5.3
測定器具の整備 必要な計器類は,あらかじめ検査し,校正して所定の位置に配備する。
給水及び燃料の測定器具にバイパスがある場合は,そこに漏れがないことを確認する。
5.4
ボイラ運転状況の調整 ボイラをあらかじめ所期の運転状態に調整し,ボイラの種類に応じて適当
な時間中(一般的には,1時間以上)その状態を持続し,良好な運転状況の継続が可能なことを確認して
から,本試験に移る。
5.5
測定員の配置 測定員は,あらかじめ部署を定めて配置し,なるべく本試験前の準備運転において
訓練し,試験開始とともに直ちに正確な測定ができるようにする。
5.6
ブロー,すす吹き,給水試料採取など[3.(2)参照] ブロー,すす吹き及び給水・ボイラ水・発生
蒸気の試料採取などは,試験開始前に行い,本試験中は行わないようにする。
5.7
測定値の変動 発生蒸気量及び圧力の変動は,次の範囲を超えないものとする。
発生蒸気量の変動 平均値の± 10%
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蒸気圧力の変動
平均値の± 6%
6. 計算
6.1
燃料の組成 計算に用いる燃料の組成は,使用時の燃料の組成とし,次による。
(1) 固体燃料の場合 JIS M 8801及びJIS M 8810〜8813によって,使用時燃料の全水分(使用時ベース),
工業分析成分(恒湿ベース)及び元素分析成分(無水ベース)を求め,ベース転換によって使用時ベ
ースの含有率を算出する。
全水分(使用時ベース)をw質量%,工業分析(恒湿ベース)による水分をw1質量%,灰分をa1
質量%,元素分析(無水ベース)による炭素,水素,燃焼性硫黄及び窒素をそれぞれc0,h0,s0及び
n0質量%とすれば,固体燃料の使用時ベースにおける炭素,水素,燃焼性硫黄,窒素,灰分及び酸素
の含有率(それぞれc,h,s,n,a及びo質量%)は,それぞれ次の式で求める。
%
100
100
0質量
c
w
c
−
=
,
%
100
100
0質量
h
w
h
−
=
%
100
100
0質量
s
w
s
−
=
,
%
100
100
0質量
n
w
n
−
=
%
100
100
1
1
質量
a
w
w
a
−
−
=
,
(
)
%
100
質量
w
a
n
s
h
c
o
+
+
+
+
+
−
=
(2) 液体燃料の場合 JIS K 2251,JIS K 2270,JIS K 2272及びJIS K 2275によって測定した炭素,水素,
硫黄,窒素,灰分,酸素及び水分の含有率をそれぞれc,h,s,n,a,o及びw質量%で表す。
(3) 気体燃料の場合 使用時燃料の成分ガス含有率を求め,水素,一酸化炭素,各種炭化水素,二酸化炭
素(炭酸ガス),窒素,酸素及び水蒸気分をそれぞれh2,co,cxhy(ch4,c2h4,c2h6,c3h6,c3h8,c4h8,
c4h10など),co2,n2,o2及びw体積%で表す。
6.2
入熱 入熱の計算は,すべて使用時燃料1kg(又はm3)当たりとし,次による。
(1) 使用時燃料の発熱量 使用時燃料の発熱量は,それぞれの熱量計によって,高発熱量を実測し,固体,
液体及び気体燃料につき,それぞれ次に示すようにして低発熱量を求める。
(a) 固体燃料の場合 JIS M 8814によって恒湿試料で測定された高発熱量をH0とし,使用時燃料の高
発熱量及び低発熱量をそれぞれHh及びHlで表し,次の式で求める。
高発熱量
{
}
kg
/
kcal
kg
/
kJ
100
100
0
1
H
ww
Hh
−−
=
低発熱量 Hl=Hh−25 (9h+w) kJ/kg
{Hl=Hh−5.9 (9h+w) kcal/kg}
備考 元素分析を行わない場合は,h% [6.1(1)] は,
%
100
100
100
)
(
100
7.5
1
1
1
w
w
a
w
h
−
−
×
+
−
=
とすることができる。ここで係数5.7は,我が国の石炭の平均水素含有率(無水無灰ベース)
である。
(b) 液体燃料の場合 JIS K 2279によって測定した高発熱量をHhとし,低発熱量Hlを次の式で求める。
Hl=Hh−25 (9h+w) kJ/kg
{Hl=Hh−5.9 (9h+w) kcal/kg}
備考 元素分析を行わない場合は,h質量%は次の値とすることができる。
灯油,軽油及び原油13質量%,重油(平均)12質量%(A重油13質量%,B重油12質量%,
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C重油11質量%)
なお,w=0として上式でHlを概算することができる。石油系燃料の場合は,以上のほかに
密度からHlを概算することもできる。
(c) 気体燃料の場合 JIS K 2301によって測定した高発熱量をHhとし,低発熱量Hlを次の式で求める。
()
3
2
m
/
kJ
2
1
20
+
∑
+
−
=
v
y
x
h
w
h
yc
h
H
Hι
()
+
∑
+
−
=
3
2
m
/
kcal
2
1
7.4
v
y
x
h
w
h
yc
h
H
Hι
備考1. 成分分析を行わない場合は,高発熱量測定の際に熱量計の排気ドレンDkgを計量すれば,Hl
は,次の式で概算することができる。
Hl=Hh−2 500D/Gf kJ/m3
{Hl=Hh−590D/Gf kcal/m3}
ここに, Gf m3はDkgを測定した時間中に燃焼した燃料ガス量である。
2. 気体燃料の各成分の含有率(体積%)が分かれば,Hlは次の式で概算できる。
Hl=108.3 (h2) +126.1co+360ch4+596c2h4+646c2h6+878c3h6+934c3h6+
1 180c4h8+1 235c4h10 kJ/m3
{Hl=25.9 (h2) +30.1co+86.1ch4+142c2h4+154c2h6+210c3h6+223c3h8+282c4h8
+295c4h10 kcal/m3}
(2) 燃料の顕熱による入熱(燃料が外部熱源によって予熱される場合) 燃料の顕熱による入熱Q1は,次
の式によって求める。
Q1=cf (tf-t0 ) kJ/kg(又はm3){kcal/kg(又はm3)}
ここに, cf: 燃料の平均比熱 kJ/kg(又はm3)K{kcal/kg(又はm3)℃}
tf: 加熱後の燃料の温度 ℃
t0: 基準温度 ℃
燃料の比熱は,実測しない場合には次の値をとる。
石炭1.05 {0.25},重油1.9 {0.45},灯油,軽油及び原油2.0〜2.1 {0.48〜0.50} kJ/kgK {kcal/kg℃}
製造都市ガス1.4 {0.34},天然ガス1.6〜1.8 {0.38〜0.42},
L. P. G. (組成によって)2.9〜4.2 {0.7〜1.0} kJ/m3K {kcal/m3℃}
備考 供試ボイラの発生蒸気の一部で燃料を予熱する場合は,その熱量は循環熱として取り扱い,上
記の熱量に含めない。
(3) 空気の顕熱による入熱(外部熱源,例えばタービン抽気などによって予熱される場合) 空気の顕熱
による入熱Q2は,次の式による。
Q2=Aca (ta−t0 ) kJ/kg(又はm3){kcal/kg(又はm3)}
ここに, A: 燃料1kg(又はm3)当たりの空気量(水蒸気を含む。)m3/kg(又
はm3)
ca: 空気の平均比熱≒1.30kJ/m3K {0.31kcal/m3℃}
ta: 加熱後の空気温度 ℃
t0: 基準温度 ℃
空気量Aは,燃料の成分,燃焼ガスのオルザット分析値などから次の式によって算出する。必要の
ある場合は,実測値を用いる。
A=mA0 (1+1.61z) m3/kg(又はm3)
ここに,
m: 空気比
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z: 外気の絶対湿度 kg/kg乾き空気(図2から求める。)
A0: 理論(乾き)空気量 m3/kg(又はm3)
A0及びmは,燃料の種類に応じて次のようにして求める。
(a) 固体及び液体燃料の場合
+
−
+
=
s
o
h
c
A
3.3
8
7.
26
89
.8
100
1
1
0
m3/kg
()
(
)
()
−
−
=
2
2
5.0
79
21
21
N
CO
O
m
ここに,
(CO2), (CO), (O2) 及び (N2) =100− [(CO2) +
(CO) + (O2)] は,それぞれ乾き燃焼ガス中の二
酸化炭素(炭酸ガス),一酸化炭素,酸素及び窒
素の各体積%を表す。
c1= c−c2:実際に燃焼した炭素分 質量%
c2= au/ (100−u) :未燃炭素分 質量%
a: 使用燃料中の灰分 質量%
u: 燃殻中の平均未燃炭素分 質量%
液体燃料の場合は,c2=0すなわちc1=cとすることができる。
備考 ガス分析試料は,なるべく燃焼室に近い所からとる。オルザット分析器で求める (CO2) 中には,
排ガス中の (SO2) も一緒に吸収されて含まれている。
(b) 気体燃料の場合
()
−
+
∑
+
+
=
2
2
0
4
2
1
2
1
21
1
o
h
c
y
x
h
co
A
y
x
m3/m3
()
(
)
()
()
()
×
+
×
−
−
=
0
2
2
2
2
2
21
1
5.0
79
21
21
A
n
N
O
N
CO
O
m
ここに, n2: 燃料ガスの窒素含有量 体積%
備考1. 燃料の元素(成分)分析をしない場合には,その発熱量から理論空気量A0を概算することが
できる。
固体燃料の場合
kg
/
m
56
.0
000
1
241
.0
3
0
+
=
ι
H
A
+
=
kg
/
m
56
.0
000
1
01
.1
3
0
ι
H
A
液体燃料の場合
kg
/
m
36
.1
000
10
96
.2
3
0
−
=
ι
H
A
−
=
kg
/
m
36
.1
000
10
38
.
12
3
0
ι
H
A
気体燃料の場合
3
3
0
m
/
m
000
10
68
.2
ι
H
A=
=
3
3
0
m
/
m
000
10
20
.
11
ι
H
A
ただし,気体燃料のうち炭化水素(単体及び混合ガス)だけが,上記の概算式に適応し,
他の成分又は空気を含む気体燃料(製造ガス,ブタンエアガスなど)は,この概算式には適
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応しない。
2. 空気比mを概算する場合には,固体,液体及び気体 (n2<20%) 燃料に対して,次の式による
ことができる。
()(
)
(
)
2
2
2
21
21
CO
CO
O
m
最大
=
−
=
ここに, (CO2) 及び (CO2) 最大は,それぞれ乾き燃焼ガス中の二酸化炭素の含
有量及びその最大含有量(体積%)で, (CO2) 最大の値は,次のとお
りとすることができる。
石炭18.5体積%,重油15.7体積%,灯油,軽油及び原油15.3〜15.6
体積%,製造都市ガス12〜13体積%,天然ガス12体積%,L. P. G.14.5
体積%
3. 供試ボイラの発生蒸気の一部で空気を予熱する場合は,その熱量は,循環熱として取り扱い,
上記の熱量に含めない。
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図2 空気の絶対湿度
絶対湿度:zkg(水蒸気)/kg(乾き空気)
乾き空気1m3当たり水蒸気量:
z
z
v
v
y
a
w
61
.1
=
×
=
ここに, vw: 水蒸気の比容積 m3/kg
va: 乾き空気の比容積 m3/kg
(4) 炉内吹込蒸気又は温水による入熱 外部熱源による蒸気又は温水の炉内吹込みによる入熱Q3は,次の
式によって求める。
Q3=Wb (hb−hs) kJ/kg(又はm3){kcal/kg(又はm3)}
ここに, Wb: 燃料1kg(又はm3)当たりの吹込蒸気又は温水量 kg/kg(又
はm3)
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hb: 吹込蒸気又は温水のエンタルピー kJ/kg {kcal/kg}
hs: 基準温度における蒸気又は温水のエンタルピー kJ/kg
{kcal/kg}
蒸気の場合hs≒2 500kJ/kg {≒600kcal/kg}
温水の場合hs=4.18t0kJ/kg {=t0kcal/kg}
備考 供試ボイラの発生蒸気又は温水の一部を炉内に吹き込む場合は,その熱量は循環熱として取り
扱い,上記の熱量に含めない。
(5) 補機の仕事(軸動力)に相当する入熱 補機の仕事に相当する入熱Q4の取扱いは,受渡当事者間の協
定によって決定する。Q4を考慮する場合は,次の式によって,図1において補機類をボイラの範囲を
示す枠内に入れる。
Q4=36pηx kJ/kg(又はm3)
{Q4=8.6pηx kcal/kg(又はm3)}
ここに,
p: 燃料1kg(又はm3)当たりの補機の消費動力 kWh/kg(又は
m3)
ηX: 総合駆動機効率(モータ効率,継手効率及びギヤ効率を含
む。)%
備考 外部熱源に基づく蒸気によるタービン駆動補機の場合は,次の式による。
Q4=Wx (hsx−hlx) ・ηx/100 kJ/kg(又はm3){kca1/kg(又はm3)}
ここに, Wx: 燃料1kg(又はm3)当たりのタービン蒸気消費量 kg/kg(又
はm3)
hsx: タービン入口蒸気のエンタルピー kJ/kg {kcal/kg}
hlx: タービン排気圧力及びタービン入口蒸気エントロピーに対す
る蒸気のエンタルピー kJ/kg {kcal/kg}
ηx: 総合駆動機効率(タービン効率及びギヤ効率を含む。)%
6.3
出熱(有効出熱と熱損失との和) 出熱の計算は,すべて使用燃料1kg(又はm3)当たりとし,次
による。
(1) 発生蒸気の吸収熱(有効出熱) 発生蒸気の吸収熱Qsは,発生蒸気の保有熱から給水の顕熱を減じた
ものである。
また,Qsは,蒸気発生装置の種類によって次の四つに区分し,それぞれの吸収熱:Qs1,Qs2,Qs3及
びQs4を以下に示す。これらの熱は,いずれも基準温度に関係がない。
(a) 過熱器がないボイラの場合
Qs1=W2 (hx−h1) kJ/kg(又はm3){kcal/kg(又はm3)}(図3参照)
ここに, W2: 燃料1kg(又はm3)当たりの蒸気発生量 kg/kg(又はm3)こ
の値は給水量W1から求める。
また,発生蒸気量の補正については,4.6.1による。
hx: 発生飽和蒸気のエンタルピー kJ/kg {kca1/kg} (4.6.4参照)
h1: 給水のエンタルピー kJ/kg {kcal/kg}
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図3 ボイラ本体,過熱器,再熱器などの配置図
(b) 過熱器があるボイラ(その1)の場合 過熱蒸気温度の調節をスプレー以外の方法で行う場合。
Qs2=W3 (h3−h1) kJ/kg(又はm3){kcal/kg(又はm3)}
ここに, W3: 過熱器出口蒸気量 kg/kg(又はm3)
h3: 過熱蒸気のエンタルピー kJ/kg {kcal/kg}
h1は,(a)に同じ。
(c) 過熱器があるボイラ(その2)の場合 過熱蒸気温度の調節をスプレーによって行う場合(図3参
照)。
Qs3=W2 (h3−h1) +W4 (h3−h4) kJ/kg(又はm3){kcal/kg(又はm3)}
ここに, W2=W3−W4: 蒸気発生量 kg/kg(又はm3)
W4: スプレー量 kg/kg(又はm3)
h4: スプレー水のエンタルピー kJ/kg {kcal/kg}
W3,h3及びh1は,(b)に同じ。
(d) 過熱器及び再熱器のあるボイラの場合(図3参照)
Qs4=W2 (h3−h1) +W4 (h3−h4) +W5 (h6−h5)
+W7 (h6−h7) kJ/kg(又はm3){kcal/kg(又はm3)}
ここに, W5=W6−W7: 再熱器入口蒸気量 kg/kg(又はm3)
W6: 再熱器出口蒸気量 kg/kg(又はm3)
W7: 再熱温度調節用スプレー量 kg/kg(又はm3)
h5: 再熱器入口蒸気のエンタルピー kJ/kg {kcal/kg}
h6: 再熱器出口蒸気のエンタルピー kJ/kg {kcal/kg}
h7: 再熱器スプレー水のエンタルピー kJ/kg {kcal/kg}
W2,W4,h1,h3及びh4は,(c)に同じ。
(2) ブロー水の吸収熱 試験中はブローを避けることが望ましいが,ブローを行う場合には,ブロー水冷
却器の冷却水流量と冷却水の温度上昇とからブロー水量を求める。ブロー水の吸収熱Qdは,次による。
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(Qd)=Wd (hd−h1) kJ/kg(又はm3){kcal/kg(又はm3)}
ここに, Wd: 燃料1kg(又はm3)当たりのブロー水量 kg/kg(又はm3)
hd: ブロー水(ドラム水)のエンタルピー kJ/kg {kcal/kg}
h1: 給水のエンタルピー kJ/kg {kcal/kg}
(3) 燃焼によって生じる排ガス(水蒸気を含む。)の熱損失(排ガスの保有熱) 排ガス熱損失L1は,次
の式による。
L1=Gcg (tg−t0 ) kJ/kg(又はm3){kcal/kg(又はm3)}
ここに,
G: 燃料1kg(又はm3)当たりの実際排ガス(水蒸気を含む。)量
m3/kg(又はm3)
cg: 排ガスの平均比熱=1.38kJ/m3K {0.33kca1/m3℃}
tg: 排ガスの温度 ℃(ボイラの最終加熱器出口の平均温度)
t0: 基準温度 ℃
Gは,燃料の成分から,次の式によって求める。
(a) 固体及び液体燃料の場合
G=G0+Gw+ (m−1) A0+Gw1
ここに,
G0: 理論乾き排ガス量
kg
/
m
80
.0
3.3
8
1.
21
89
.8
1001
3
1
+
+
−
+
=
n
s
o
h
c
Gw: 燃焼によって生じる水蒸気及び燃料中の水分による水蒸気量
(
)
[
]
kg
/
m
9
24
.1
1001
3
w
h+
=
Gw1: 燃焼用空気中の湿分による水蒸気量=1.61zmA0 m3/kg
zは,6.2(3)図2による。A0,c1及びmは,6.2(3)(a)並びに6.2(3)の備考1.及び備考2.による。
よって,
(
)(
)
kg
/
m
61
.1
1
24
.1
80
.0
70
.0
60
.5
1001
3
0
mA
z
w
n
o
h
G
+
+
+
+
×
+
=
略算にはz=0としてもよい。別法として,
G= (1.867c1+0.70s) / [(CO2) + (CO)] +Gw+Gw1
としてもよい。
[c1, (CO2) 及び (CO) については,6.2(3)(a)参照]
備考 燃料の元素分析を行わない場合は,水蒸気を含む理論燃焼ガス量G1=G0+Gwを燃料の発熱量
Hlから略算することができる。
固体燃料の場合
kg
/
m
67
.1
000
1
216
.0
3
1
+
=
ι
H
G
−
=
kg
/
m
67
.1
000
1
904
.0
3
1
ι
H
G
液体燃料の場合
kg
/
m
91
.3
000
10
76
.3
3
1
−
=
ι
H
G
−
=
kg
/
m
91
.3
000
10
75
.
15
3
1
ι
H
G
この場合,排ガス量Gの概算G=G1+ (m−1) A0m3/kgは,次のようになる。
固体燃料の場合
(
)
[
]
(
)
kg
/
m
1
56
.0
67
.1
000
1
1
241
.0
216
.0
3
−
+
+
−
+
=
m
H
m
G
ι
15
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(
)
[
]
(
)
−
+
+
−
+
=
kg
/
m
1
56
.0
67
.1
000
1
1
01
.1
904
.0
3
m
H
m
G
ι
液体燃料の場合
(
)
[
]
(
)
kg
/
m
1
36
.1
91
.3
000
10
1
96
.2
76
.3
3
−
−
−
−
+
=
m
H
m
G
ι
(
)
[
]
(
)
−
−
−
−
+
=
kg
/
m
1
36
.1
91
.3
000
10
1
38
.
12
75
.
15
3
m
H
m
G
ι
(b) 気体燃料の場合
G=G0+Gw+ (m−1) A0+Gw1において
()
(
)
[
]
2
2
2
2
0
76
.3
94
.0
76
.4
88
.1
88
.2
100
1
o
co
n
h
c
y
x
h
co
G
y
x
×
−
+
+
+
∑
+
+
=
m3/m3
()
+
∑
+
=
v
y
x
w
w
h
yc
h
G
2
1
100
1
2
m3/m3
Gw1=1.61zmA0 m3/m3
よって,
()
(
)
0
2
2
2
2
61
.1
1
4
1
2
1
2
1
100
1
mA
z
w
n
o
co
h
yc
h
co
G
v
y
x
+
+
+
+
+
+
∑
+
+
=
m3/m3
ここに,A0,mは6.2(3)(b)並びに6.2(3)備考1.及び備考2.によって求める。
別法として次の式によってもよい。
G= [co+Σxcxhy+co2] / [(CO2) + (CO)] +Gw+Gw1 m3/m3
zは,6.2(3)図2によって求められるが,略算にはz=0としてもよい。
備考1. 燃料の成分分析を行わない場合は,G1=G0+GwをHlから略算することができる。
000
10
93
.2
1
ι
H
G=
m3/m3
=
000
10
25
.
12
1
ι
H
G
m3/m3
なお,気体燃料では,炭化水素だけに上記の概算式を適用することは,6.2(3)備考1.に同じ。
この場合,排ガス量G=G1+ (m−1) Aの概算値は,
(
)
[
]
000
10
1
68
.2
93
.2
ι
H
m
G
−
+
=
m3/m3
(
)
[
]
−
+
=
000
10
1
20
.
11
25
.
12
ι
H
m
G
m3/m3
2. 高発熱量基準の場合は,排ガス熱損失として上記L1の代わりに,燃焼によって生じた水蒸気
の蒸発熱を含めたL1hを用いる。すなわち,
固体燃料・液体燃料の場合 L1h=L1+25(9h+w) kJ/kg
{L1h=L1+5.9(9h+w) kcal/kg}
気体燃料の場合
()
/
kJ
2
1
20
2
1
1
+
∑
+
+
=
v
y
x
h
w
h
c
h
L
L
m3
()
+
∑
+
+
=
3
2
1
1
m
/
kcal
2
1
7.4
v
y
x
h
w
h
c
h
L
L
3. 空気予熱器でガス側へ空気の漏れがある場合は,L1に適当な補正を必要とする。
(4) 炉内吹込蒸気又は温水による熱損失 炉内吹込蒸気又は温水による排ガス熱損失L2は,次の式によっ
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て求める[6.2(4)参照]。
(a) 外部熱源による蒸気又は温水を吹き込む場合
L2=Wb (hg−hs) kJ/kg(又はm3){kcal/kg(又はm3)}
ここに, Wb: 燃料1kg(又はm3)当たりの吹込蒸気量又は温水量 kg/kg(又
はm3)
hg: 排ガス温度における蒸気のエンタルピー kJ/kg {kcal/kg}
hs: 基準温度における蒸気又は温水のエンタルピー kJ/kg
{kcal/kg}
(b) 供試ボイラの発生蒸気を吹き込む場合
L2=Wb (hg−h1) kJ/kg(又はm3){kcal/kg(又はm3)}
ここに, h1: 給水のエンタルピー kJ/kg {kcal/kg}
(5) 不完全燃焼ガスによる熱損失 不完全燃焼ガスによる熱損失L3は,次の式によって求める[6.2(3)及
び6.3(3)参照]。ただし,COの1m3の燃焼熱を12 610 kJ {3 010kcal} とする。
L3=126.1[G0+(m−1)A0](CO) kJ/kg(又はm3)
{L3=30.1[G0+(m−1)A0](CO) kcal/kg(又はm3)}
(6) 燃殻中の未燃分による熱損失 燃殻中の未燃分による熱損失L4は,次の式によって求める。
L4=339c2 kJ/kg
{L4=81c2 kca1/kg}
ここに, c2は 未燃炭素分で,以下による[6.2(3)(a)参照]。
ただし,液体及び気体燃料では,c2は微量である。
(a) 各燃殻採取点(アッシュピット,各ホッパなど)における燃殻量及び燃殻中の未燃炭素分の分布が
測定又は推定可能な場合のc2は,以下による。
c2=aum/(100−um)質量%
ここに,
a: 使用燃料中の灰分質量 %
um=Σ (klul) /100: 燃殻中の平均未燃炭素分 %
kl: 各採取点の燃殻量の全燃殻量に対する割合 %
ul: 各採取点の燃殻中の未燃炭素分 %
(b) 各燃殻採取点(アッシュピット,各ホッパなど)における未燃炭素分が不明の場合は,当事者間の
協定によって,c2を推定してよい。
(c) 排ガス中のダスト濃度を既に測定していて受渡当事者間の協定によって他の未燃炭素分が無視でき
る場合のc2は,次の式によって求める。
c2=aud/ (100−ud) %
ここに, ud: ダスト中の未燃炭素分 質量%
(7) 放散熱による熱損失 各種の放散熱による熱損失L5は,次の式によって求める。
(
)
(
)
{
}
3
3
5
m
kg
/
kcal
m
kg
/
kJ
100
1
又は
又は
ι
H
l
L
r
=
ここに, lrは低発熱量に対する放散熱損失%で,ボイラの種類,構造,蒸発量な
どによって種々の値をとる。
備考 放散熱損失量は,高発熱量を使う場合でも,低発熱量の場合でも同量で別に変わりはない。
lrh,lrを高発熱量及び低発熱量に対する放散熱損失%,L5h,L5をそれぞれの場合の損失量と
すれば,
)
m
kg(
/
kJ
100
1
100
1
3
5
5
又は
ι
H
l
L
H
l
L
r
h
rh
h
=
=
=
,したがって,
h
r
rh
H
H
l
l
ι
=
また,lrh及びlrはそれぞれ発熱量の単位系には関係ない。
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(8) その他の熱損失 熱損失には,(3)〜(7)のほかに何らかの損失があればそれらを一括し,その他の損失
L6として取り扱うこととする。
6.4
ボイラ効率 ボイラ効率は,(1)入出熱法又は(2)熱損失法によって求める[3.(9)参照]。
(1) 入出熱法によるボイラ効率 入出熱法によるボイラ効率η1は,一般に次の式によって求める。
ボイラ効率
%
100
1
×
+
=
Q
H
Qs
ι
η
ここに,Hl+Qは入熱合計,すなわち燃料及び燃焼用空気の側において発生又は加えられる熱量の
合計で次による。
Hl+Q=Hl+Q1+Q2+Q3+Q4 kJ/kg(又はm3){kcal/kg(又はm3)}
Hl,Q1,Q2,Q3及びQ4は,それぞれ6.2(1)〜(5)に述べたとおりである。
Qsは,有効出熱,すなわち,水及び蒸気側において吸収される熱量の合計で,6.3(1)(a)〜(d)に述べ
た次のものである。
Qs1,Qs2,Qs3,Qs4 kJ/kg(又はm3){kcal/kg(又はm3)}
ただし,試験中にブローを行った場合には,これに6.3(2)に述べたブロー水の吸収熱 (Qd) を加えた
値をQsとみなす。
η1の算定は,ボイラの種類によって次の四つに区分される。
(a) 過熱器がないボイラの場合 ()
%
100
1
1
×
+
+
=
Q
H
Q
Q
d
s
ι
η
[6.3(1)(a)参照]
(b) 過熱器があるボイラ(その1)の場合
()
%
100
2
1
×
+
+
=
Q
H
Q
Q
d
s
ι
η
[6.3(1)(b)参照]
(c) 過熱器があるボイラ(その2)の場合
()
%
100
3
1
×
+
+
=
Q
H
Q
Q
d
s
ι
η
[6.3(1)(c)参照]
(d) 過熱器及び再熱器があるボイラの場合
()
%
100
4
1
×
+
+
=
Q
H
Q
Q
d
s
ι
η
[6.3(1)(d)参照]
備考 高発熱量基準の場合は,効率の計算において上の(a)〜(d)の式でHlの代わりにいずれもHhを入
れる。
(2) 熱損失法によるボイラ効率 熱損失法によるボイラ効率η2は,次の式によって求める。ただし,一般
に蒸発量10t/h以上のボイラに適用する。
ボイラ効率
%
100
1
2
×
+
−
=
Q
H
L
ι
ι
η
ここに,熱損失Ll=L1+L2+L3+L4+L5+L6 kJ/kg(又はm3){kcal/kg(又はm3)}は,それぞれ
6.3(3)〜(8)に述べたものの合計である。
備考 高発熱量基準の場合は,Hlの代わりにHhを,Llの代わりにLhを用いる。
Lh=L1h+L2+L3+L4+L5+L6 kJ/kg(又はm3){kcal/kg(又はm3)}
6.5
その他の性能値
(1) 燃焼室熱発生率 燃焼室熱発生率Hmは,次の式によって求める。
18
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(
)
{
}
h
m
/
kcal
h
m
/
kJ
3
3
f
m
V
Q
H
F
H
+
=
ι
ここに,
F: 毎時燃料使用量 kg(又はm3)/h
Q= Q1+Q2+Q3+Q4 kJ/kg(又はm3){kcal/kg(又はm3)}
燃料の顕熱,空気の顕熱,吹込蒸気の持込み熱,補機の仕事に
相当する入熱などを含む[6.2(2)〜(5)参照]。ただし,外部熱源
による場合だけでなく,自己発生熱による循環熱も含める。
Vf: 燃焼室容積 m3
(2) 毎時換算蒸発量 毎時換算蒸発量Weは,次の式によって求める(6.3参照)。
(
)
h/
kg
257
2
1
3
3
h
h
F
W
We
−
=
(
)
−
=
h
/
kg
539
1
3
3
h
h
F
W
We
ここに, W3: 過熱器出口蒸気量(過熱器がない場合はW2) kg/kg(又はm3)
F: 毎時燃料消費量 kg(又はm3)/h
h3: 過熱器出口蒸気のエンタルピー(過熱器がない場合はhx)
kJ/kg {kca1/kg}
h1: 給水のエンタルピー(エコノマイザがある場合はその入口の
値) kJ/kg {kcal/kg}
(3) 換算蒸発倍数 換算蒸発倍数reは,次の式によって求める。
(
)
3
m
kg
/
kg
又は
F
W
r
e
e=
ここに, We及びFは,(2)に同じ。
(4) ボイラ伝熱面換算蒸発率及び熱負荷
(a) ボイラ伝熱面換算蒸発率Beは,次の式によって求める。
(
)
h
m
/
kg
257
2
2
2
b
e
x
e
S
h
h
F
W
B
−
=
(
)
−
=
h
m
/
kg
539
2
2
b
e
x
e
S
h
h
F
W
B
ここに, W2: 燃料1kg(又はm3)当たりの発生蒸気量 kg/kg(又はm3)
F: 毎時燃料消費量 kg(又はm3)/h
hx: 発生飽和蒸気のエンタルピー kJ/kg {kcal/kg} (4.6.4参照)
he: ボイラ本体入口における給水のエンタルピー(エコノマイザの
ある場合は,それを出た後の値)kJ/kg {kcal/kg}
Sb: ボイラ蒸発伝熱面積(対流及び放射伝熱面,水冷壁伝熱面を含
む。エコノマイザ及び過熱器の伝熱面を含まない。)m2
備考 伝熱面積の算定は,JIS B 8201の2.(5)(伝熱面積)参照。
(b) ボイラ伝熱面熱負荷Hbは,次の式による。
(
)
{
}
h
m
/
kcal
Be
539
h
m
/
kJ
257
2
2
2
2
=
=
−
=
e
b
e
x
b
B
S
h
h
F
W
H
備考 以上の(a)及び(b)は,貫流ボイラには適用しない。
(5) 過熱器(再熱器又はエコノマイザ)伝熱面熱負荷 過熱器(再熱器又はエコノマイザ)伝熱面熱負荷
Hsh(Hrh又はHec)は,次の式による。
Hsh(Hrh又はHec)=Qsh(Qrh又はQec)/Ssh(Srh又はSec)kJ/m2h {kca1/m2h}
ここに,
Qsh, Qrh, Qec: 過熱器(再熱器又はエコノマイザ)で毎時吸収され
19
B 8222-1993
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
る熱量kJ/h {kcal/h}
Ssh Srh, Sec: 過熱器(再熱器又はエコノマイザ)の伝熱面積 m2
Qsh=W2F (h3−hx) +W4F (h3−h4) kJ/h {kcal/h}
[6.3(1)図3参照。以下同じ。]
Qrh=W5F (h6−h5) +W7F (h6−h7) kJ/h {kcal/h}
Qec=W1F (he−h1) kJ/h {kcal/h}
W1,W2,W4,W5及びW7は,6.3(1)参照。
h1,h3,h4,h5,h6及びh7は,6.3(1)参照。
F,hx及びheは,6.5(4)参照。
7. 試験結果の表示
7.1
設備概要 設備の概要は,次によって表示する。
工場名,所在地
ボイラ製造者名
ボイラ記号番号,製造年月日
ボ
イ
ラ
本
体
種類・形式
最大連続(定格)蒸気発生量
t/h
最高使用圧力(1)
MPa {kgf/cm2}
常用圧力(1)
MPa {kgf/cm2}
過熱(再熱)温度
℃
標準燃料の発熱量 kJ/kg(又はm3)
{kcal/kg(又はm3)}
伝
熱
面
積
ボイラ
m2
水冷壁
m2
計
m2
過
熱
器
形式
伝熱面積
m2
再
熱
器
形式
蒸気量
t/h
伝熱面積
m2
マ
イ
ザ
エ
コ
ノ
形式
伝熱面積
m2
予
熱
器
空
気
形式
伝熱面積
m2
燃
焼
装
置
形式
バーナ容量
kg(又はm3)/h
バーナ個数
火格子面積
m2
燃
焼
室
燃焼室容積
m3
燃焼室標準熱発生率
kJ/m3h
{kcal/m3h}
20
B 8222-1993
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
通
風
装
置
通風方式
フ
ァ
ン
押
込
形式
容量
m3/min (℃) (2)
風圧
Pa (mmAq)
吸
出
フ
ァ
ン
形式
容量
m3/min (℃) (2)
風圧
Pa (mmAq)
フ
ァ
ン
そ
の
他
の
形式
容量
m3/min (℃) (2)
風圧
Pa (mmAq)
煙
突
大きさ(径×高さ)
m×m
共用設備の名称・基数
給
水
装
置
形式
容量・個数
t/h
給水処理装置の種類,容量
給水の性状
使用清浄剤及び使用量
制
御
装
置
圧力
水位
過熱温度
その他
装
置
集
じ
ん
形式
試験前の準備状況
その他
注(1) 圧力はゲージ圧。絶対圧力を用いるときは,その旨を明記する。
(2) 仕様の温度,圧力における容積。
21
B 8222-1993
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
7.2
測定結果 測定結果は,次によって表示する。
試験実施年月日時刻
担当者
天候,気圧,風速,外気の温度
℃
外気の乾球温度,同湿球温度
℃
試験時間
h
負荷率
%
燃
料
燃料種類,銘柄
混合比
使用温度
℃
水分又は全水分
%
分
析
工
業
分析値
%
使用時
%
分
析
元
素
分析値
%
使用時
%
発
熱
量
測定値(高発熱量) kJ/kg(又はm3)
{kcal/kg(又はm3)}
使用時(低発熱量又は高発熱量)
kJ/kg(又はm3)
{kcal/kg(又はm3)}
使用全量
kg(又はm3)
1時間当たり使用量
kg(又はm3)/h
バーナ当たり燃焼量
kg(又はm3)/h
燃焼室熱発生率
kJ/m3h
{kcal/m3h}
燃焼装置の状態
通風装置の状態
給水装置の状態
制御装置の状態
集じん装置の状態
給
水
給水全量(補正値)
kg
1時間当たり給水量
kg/h
燃料単位量当たり給水量kg/kg(又はm3)
エコノマイザ入口温度
℃
ボイラ本体入口温度
℃
(ドレン回収率%)
発
生
蒸
気
・
再
熱
蒸
気
圧
力
ボイラ胴
MPa {kgf/cm2}
過熱器出口
MPa {kgf/cm2}
再熱器入口
MPa {kgf/cm2}
再熱器出口
MPa {kgf/cm2}
温
度
過熱器出口
℃
再熱器入口
℃
再熱器出口
℃
飽和蒸気乾き度
(過熱器のない場合)
%
最
熱
蒸
気
発
生
蒸
気
・
蒸
気
発
生
量
全量(補正値)
kg
1時間当たり
kg/h
毎時換算
kg/h
再熱蒸気量
kg/h
22
B 8222-1993
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又
は
温
水
炉
内
吸
込
蒸
気
蒸気又は温水源
蒸気又は温水量
kg/h
圧力
MPa {kgf/cm2}
温度
℃
燃
焼
用
空
気
燃料単位量当たり空気量m3/kg(又はm3)
温
度
及
び
圧
力
空気予熱器入口 ℃,Pa {mmAq}
空気予熱器出口 ℃,Pa {mmAq}
押込ファン出口 ℃,Pa {mmAq}
火炉入口
℃,Pa {mmAq}
空
気
比
ボイラ本体出口
エコノマイザ出口
空気予熱器出口
排
(
燃
焼
)
ガ
ス
燃料単位量当たり排ガス量
m3/kg(又はm3)
温
度
及
び
圧
力
炉内
℃,Pa {mmAq}
ボイラ本体出口 ℃,Pa {mmAq}
エコノマイザ入口 ℃,Pa {mmAq}
エコノマイザ出口 ℃,Pa {mmAq}
空気予熱器入口 ℃,Pa {mmAq}
空気予熱器出口 ℃,Pa {mmAq}
吸出ファン入口 ℃,Pa {mmAq}
吸出ファン出口 ℃,Pa {mmAq}
ガ
ス
分
析
ボイラ本体出口 (CO2), (O2), (CO)
体積%
エコノマイザ出口 (CO2), (O2), (CO)
体積%
空気予熱器出口 (CO2), (O2), (CO)
体積%
未燃分
%
燃料単位量当たり燃殻量
kg/kg
煙の状況
補
機
電力消費量
kW
蒸気消費量
kg/h
備
考
備考1. この表に記入する燃料,燃殻及び排ガスの分析値並びに蒸気,空気及
びガスの温度,圧力などの数値は,各測定値の平均値とする。
2. 負荷率とは実際蒸気発生量(時間当たり)の最大連続蒸気発生量に対
する比をいう。
3. 燃焼装置の状態とは,次のようなものをいう。
手だき−投炭方式,投炭時隔,ダンパ開度など。
機械だき−ストーカ又は給炭装置の速度,炭層の厚さ,ダンパ開度
など。
微粉炭だき−給炭機,微粉機,エキゾースタ,送風機の運転台数及
び速度,ダンパ開度,バーナ稼動個数,状態など。
重油だき−油圧,バーナ稼動個数及び状態など。
ガスだき−ガス圧,バーナ稼動個数及び状態など。
4. 通風装置の状態とは,通風機の回転速度,調節弁の開度,ダンパ開度
などをいう。
23
B 8222-1993
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5. 給水装置の状態とは,次のものをいう。
間欠給水−毎時送水回数など。
連続給水−ポンプの稼動台数,回転速度,弁開度など。
6. 制御装置の状態とは,次のものをいう。
全自動,一部手動の別及び自動項目,手動項目,設定値など。
7. 集じん装置の状態とは,次のものをいう。
使用・不使用,通風損失,ガス温度,ガス漏れの有無など。
7.3
熱勘定表[低(高)発熱量基準]
入熱
kJ/kg(又はm3){kcal/kg(又はm3)}
%
(1) 燃料の発熱量
Hl(4)
(2)(3) 燃料の顕熱
Q1
(3)(3) 空気の顕熱
Q2
(4)(3) 炉内吹込蒸気又は温水の持込熱 Q3
(5)(3) 補機の仕事に相当する熱量
Q4
合計Hl(4)+Q
100
注(3) (2),(3)及び(4)は共に外部熱源によるもの,(5)は受渡当事者間の協定による。
(4) 高発熱量基準の場合は,Hhとする。
出熱
kJ/kg(又はm3){kcal/kg(又はm3)} %
有
効
出
熱
(1) 発生蒸気の吸収した熱
Qs1, Qs2, Qs3, Qs4
(2) ブロー水の吸収熱
(Qd)
(3) その他
小計Qs
熱
損
失
(1) 排ガス(水蒸気を含む。)の保有熱損失 L1(5)
(2) 炉内吹込蒸気による熱損失
L2
(3) 不完全燃焼ガスによる熱損失
L3
(4) 燃殻中の未燃分による熱損失
L4
(5) 放散熱損失
L5
(6) その他の熱損失
L6
小計Ll(5)
合計
100
注(5) 高発熱量基準の場合,L1はL1h,LlはLhとする。
ボイラ効率
%
(1) 入出熱法
η1
(2) 熱損失法
η2
付表1 引用規格
JIS B 8201 陸用鋼製ボイラの構造
JIS B 8330 送風機の試験及び検査方法
JIS K 0095 排ガス試料採取方法
JIS K 2249 原油及び石油製品の密度試験方法並びに密度・質量・容量換算表
JIS K 2251 原油及び石油製品−試料採取方法
JIS K 2270 原油及び石油製品−残留炭素分試験方法
JIS K 2272 原油及び石油製品の灰分並びに硫酸灰分試験方法
JIS K 2275 原油及び石油製品水分試験方法
JIS K 2279 原油及び石油製品−発熱量試験方法及び計算による推定方法
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS K 2301 燃料ガス及び天然ガス−分析・試験方法
JIS K 2541 原油及び石油製品−硫黄分試験方法
JIS M 8801 石炭類−試験方法
JIS M 8810 石炭類及びコークス類のサンプリング,分析並びに試験方法の通則
JIS M 8811 石炭類及びコークス類のサンプリング方法並びに全水分・湿分測定方法
JIS M 8812 石炭類及びコークス類−工業分析法
JIS M 8813 石炭類及びコークス類の元素分析方法
JIS M 8814 石炭類及びコークス類−発熱量測定方法
付表2 用語及び記号
記号
用語
A=mA0
燃料単位量当たり(実際)空気量
m3/kg(又はm3)
A0
燃料単位量当たり理論空気量
m3/kg(又はm3)
a
固体及び液体燃料の使用時の灰分
質量%
a0
固体燃料の無水ベースの灰分
質量%
a1
固体燃料の工業分析による灰分
質量%
Be
ボイラ伝熱面換算蒸発率
kg/m2h
c
固体及び液体燃料の使用時の炭素分
質量%
c0
固体燃料の無水ベースの炭素分
質量%
c1
固体燃料の実際に燃焼した炭素分
質量%
c2=c−c1
固体燃料の未燃炭素分
質量%
ca
空気の比熱
kJ/m3K {kca1/m3℃}
cf
燃料の比熱
kJ/kg(又はm3)K {kcal/kg(又はm3)℃}
cg
排ガスの比熱
kJ/m3K {kcal/m3℃}
cxhy
気体燃料中の各種炭化水素分
体積%
(xは炭素の原子数,yは水素の原子数,ch4,c2h4,c3h6など)
co
気体燃料中の一酸化炭素分
体積%
co2
気体燃料中の二酸化炭素分
体積%
(CO)
乾き排ガス中の一酸化炭素分
体積%
(CO2)
乾き排ガス中の二酸化炭素分
体積%
(CO2) 最大
乾き排ガス中の二酸化炭素分の最大値(空気比1のとき)
体積%
D
気体燃料発熱量測定時の排気中のドレン量
kg
F
毎時燃料使用量
kg(又はm3)/h
G
燃料単位量当たり(実際)排ガス量(水蒸気を含む。)
m3/kg(又はm3)
G0
燃料単位量当たり理論乾き排ガス量
m3/kg(又はm3)
G1=G0+Gw
燃料単位量当たり理論排ガス量(水蒸気を含む。)m3/kg(又はm3)
Gf
気体燃料発熱量測定時の燃料ガス使用量
m3
Gw
燃料単位量当たり排ガス中の水蒸気量(燃料中の水素分及び水分によ
る。)
m3/kg(又はm3)
Gw1
燃料単位量当たり排ガス中の水蒸気量(空気中の湿分による。)
m3/kg(又はm3)
H0
固体燃料の恒湿ベースの高発熱量
kJ/kg {kcal/kg}
Hb
ボイラ伝熱面熱負荷
kJ/m2h {kcal/m2h}
Hh
使用時燃料の高発熱量
kJ/kg(又はm3) {kcal/kg(又はm3)}
Hl
使用時燃料の低発熱量
kJ/kg(又はm3) {kcal/kg(又はm3)}
Hm
燃焼室熱発生率
kJ/m3h {kcal/m3h}
Hec
エコノマイザ伝熱面熱負荷
kJ/m2h {kcal/m2h}
Hrh
再熱器伝熱面熱負荷
kJ/m2h {kcal/m2h}
Hsh
過熱器伝熱面熱負荷
kJ/m2h {kcal/m2h}
25
B 8222-1993
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
記号
用語
h
固体及び液体燃料の使用時の水素分
質量%
h0
固体燃料の無水ベースの水素分
質量%
(h2)
気体燃料の水素含有率
体積%
h1
給水のエンタルピー(エコノマイザ前)
kJ/kg {kcal/kg}
h3
過熱器出口蒸気のエンタルピー
kJ/kg {kcal/kg}
h4
過熱器スプレー水のエンタルピー
kJ/kg {kcal/kg}
h5
再熱器入口の蒸気のエンタルピー
kJ/kg {kcal/kg}
h6
再熱器出口の蒸気のエンタルピー
kJ/kg {kcal/kg}
h7
再熱器スプレー水のエンタルピー
kJ/kg {kcal/kg}
hb
炉内吹込蒸気又は温水のエンタルピー
kJ/kg {kcal/kg}
hd
ブロー水(ドラム水)のエンタルピー
kJ/kg {kcal/kg}
he
エコノマイザ出口の給水のエンタルピー
kJ/kg {kcal/kg}
hg
排ガス温度における蒸気のエンタルピー
kJ/kg {kcal/kg}
hix
タービン排気圧力及びタービン入口蒸気の
エントロピーに対する蒸気のエンタルピー
kJ/kg {kcal/kg}
hs
外気温度における蒸気又は温水のエンタルピー
kJ/kg {kcal/kg}
hsx
タービン入口蒸気のエンタルピー
kJ/kg {kcal/kg}
hx
ボイラ胴出口の飽和蒸気のエンタルピー
kJ/kg {kcal/kg}
kl
各燃殻採取点の燃殻量の全燃殼量に対する割合
%
L1
燃料単位量当たり排ガス(水蒸気を含む。)
熱損失(低発熱量基準)
kJ/kg(又はm3) {kcal/kg(又はm3)}
L1h
燃料単位量当たり排ガス(水蒸気を含む。)
熱損失(高発熱量基準)
kJ/kg(又はm3) {kcal/kg(又はm3)}
L2
燃料単位量当たり炉内吹込蒸気又は温水
による熱損失
kJ/kg(又はm3) {kcal/kg(又はm3)}
L3
燃料単位量当たり不完全燃焼ガスによる
熱損失
kJ/kg(又はm3) {kcal/kg(又はm3)}
L4
燃料単位量当たり燃殻中の未燃分による
熱損失
kJ/kg(又はm3) {kcal/kg(又はm3)}
L5
燃料単位量当たり放散熱による熱損失
(低発熱量基準)
kJ/kg(又はm3) {kcal/kg(又はm3)}
L5h
燃料単位量当たり放散熱による熱損失
(高発熱量基準)
kJ/kg(又はm3) {kcal/kg(又はm3)}
L6
その他の熱損失
kJ/kg(又はm3) {kcal/kg(又はm3)}
Lh
燃料単位量当たりの熱損失の合計
(高発熱量基準)
kJ/kg(又はm3) {kcal/kg(又はm3)}
Ll
燃料単位量当たりの熱損失の合計
(低発熱量基準)
kJ/kg(又はm3) {kcal/kg(又はm3)}
lr
低発熱量に対する放散熱損失率
%
lrh
高発熱量に対する放散熱損失率
%
m
空気比
n
固体及び液体燃料の使用時の窒素分
質量%
n0
固体燃料の無水ベースの窒素分
質量%
n2
気体燃料の窒素含有率
体積%
(N2)
乾き排ガス中の窒素分
体積%
o
固体及び液体燃料の使用時の酸素分
質量%
o2
気体燃料の酸素含有率
体積%
(O2)
乾き排ガス中の酸素分
体積%
P
燃料単位量当たり補機の消費動力
kWh/kg(又はm3)
Q
燃料単位量当たり燃料の発熱量以外に燃料
及び空気側に加えられる熱量kJ/kg(又はm3) {kcal/kg(又はm3)}
26
B 8222-1993
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
記号
用語
Q1
燃料単位量当たり燃料の顕熱による入熱
kJ/kg(又はm3) {kcal/kg(又はm3)}
Q2
燃料単位量当たり空気の顕熱による入熱
kJ/kg(又はm3) {kcal/kg(又はm3)}
Q3
燃料単位量当たり炉内吹込蒸気又は温水による入熱
kJ/kg(又はm3) {kcal/kg(又はm3)}
Q4
燃料単位量当たり補機の仕事に相当する入熱
kJ/kg(又はm3) {kcal/kg(又はm3)}
Qd
燃料単位量当たりブロー水の吸収熱
kJ/kg(又はm3) {kcal/kg(又はm3)}
Qs
燃料単位量当たり発生蒸気の吸収熱(一般)
kJ/kg(又はm3) {kcal/kg(又はm3)}
Qs1
燃料単位量当たり発生蒸気の吸収熱(過熱器のないボイラの場合)
kJ/kg(又はm3) {kcal/kg(又はm3)}
Qs2
燃料単位量当たり発生蒸気の吸収熱(過熱器があるが,スプレー以外
で温度調節を行う場合)
kJ/kg(又はm3) {kcal/kg(又はm3)}
Qs3
燃料単位量当たり発生蒸気の吸収熱(過熱器があり,スプレーで温度
調節を行う場合)
kJ/kg(又はm3) {kcal/kg(又はm3)}
Qs4
燃料単位量当たり発生蒸気の吸収熱(過熱器及び再熱器があり,いず
れもスプレーで温度調節を行う場合)
kJ/kg(又はm3) {kcal/kg(又はm3)}
Qec
エコノマイザでの吸収熱
kJ/h {kcal/h}
Qrh
再熱器での吸収熱
kJ/h {kcal/h}
Qsh
過熱器での吸収熱
kJ/h {kcal/h}
re
換算蒸発倍数
kg蒸気/kg(又はm3)
Sb
ボイラ蒸発伝熱面積
m2
Sec
エコノマイザ伝熱面積
m2
Srh
再熱器伝熱面積
m2
Ssh
過熱器伝熱面積
m2
s
固体及び液体燃料の使用時の硫黄分
質量%
s0
固体燃料の無水ベースの硫黄分
質量%
t0
基準温度
℃
ta
加熱後の空気温度
℃
tf
加熱後の燃料温度
℃
tg
排ガス温度
℃
u
固体燃料の燃殻中の未燃分
%
ud
ダスト中の未燃炭素分
%
ul
各燃殻採取点の燃殼中の未燃炭素分
%
um
燃殻中の平均未燃炭素分
%
Vf
燃焼室容積
m3
W1
燃料単位量当たり給水量
kg/kg(又はm3)
W2
燃料単位量当たり発生蒸気量
kg/kg(又はm3)
W3
燃料単位量当たり過熱器出口蒸気量
kg/kg(又はm3)
W4
燃料単位量当たり過熱器スプレー量
kg/kg(又はm3)
W5
燃料単位量当たり再熱器入口蒸気量
kg/kg(又はm3)
W6
燃料単位量当たり再熱器出口蒸気量
kg/kg(又はm3)
W7
燃料単位量当たり再熱温度調節用スプレー量
kg/kg(又はm3)
Wb
燃料単位量当たり炉内吹込蒸気又は温水量
kg/kg(又はm3)
Wd
燃料単位量当たりブロー水量
kg/kg(又はm3)
We
毎時換算蒸気量
kg/h
Wx
燃料単位量当たりタービン蒸気消費量
kg/kg(又はm3)
27
B 8222-1993
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
記号
用語
w
固体燃料の使用時の全水分又は液体燃料の水分
質量%
w1
固体燃料の工業分析による水分(恒湿試料水分ともいう。) 質量%
wv
気体燃料の水蒸気分
体積%
Z
外気の絶対湿度
kg水蒸気/kg乾き空気
η1
入出熱法によるボイラ効率
%
η2
熱損失法によるボイラ効率
%
ηx
総合駆動機効率(モータ効率,継手効率,ギヤ効率及びタービン効率
を含む。)
%
JIS B 8222改正原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
○ 植 田 辰 洋
東京大学名誉教授
桐 山 和 臣
通商産業省工業技術院
佐々木 宜 彦
通商産業省資源エネルギー庁
杉 原 誠
通商産業省資源エネルギー庁
大 関 親
労働省労働基準局
鈴 木 祥 布
社団法人火力原子力発電技術協会調査局
黒 木 勝 也
財団法人日本規格協会技術部
○ 矢 野
社団法人日本ボイラ協会技術部
○ 矢 川 憲 利
東京ガス株式会社産業営業部
小 山 寛 直
東京電力株式会社火力部
○ 高 塚 汎
三菱重工業株式会社熱エネルギー技術部
○ 大 塚 馨 一
株式会社高尾鉄工所技術部
○ 大曽根 隆
株式会社BHKテクノス横浜事業所
小野田 忠 夫
川重冷熱工業株式会社技術本部
○ 植 田 芳 治
株式会社平川鉄工所研究開発部
平 塚 順
石川島汎用ボイラ株式会社技術サービス部
前 原 郷 治
新日本製鐵株式会社技術企画部
(事務局)
朝 倉 英 二
社団法人日本ボイラ協会
備考 ○印は小委員会委員