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B 8124:2018  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 構成······························································································································· 1 

4.1 パッケージの構成要素 ···································································································· 1 

4.2 構成機器 ······················································································································ 3 

4.3 パッケージの電気系統 ···································································································· 7 

4.4 パッケージの熱回収 ······································································································· 8 

5 保護及び計測 ··················································································································· 9 

5.1 保護項目 ······················································································································ 9 

5.2 計測項目 ····················································································································· 10 

6 性能及び試験方法 ············································································································ 11 

6.1 性能 ··························································································································· 11 

6.2 試験方法 ····················································································································· 12 

7 外部との取合い ··············································································································· 12 

7.1 設置条件 ····················································································································· 12 

7.2 取合い仕様 ·················································································································· 12 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人コー

ジェネレーション・エネルギー高度利用センター(ACEJ)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,

工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経

済産業大臣が改正した日本工業規格である。これによってJIS B 8124:2013は改正され,この規格に置き換

えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 8124:2018 

ガスエンジンを原動機とするコージェネレーション

パッケージの構成機器の要求事項 

Requirements of the components of the gas engine driven cogeneration 

package 

適用範囲 

この規格は,都市ガスを燃料とするガスエンジン(以下,エンジンという。)を原動機とし,発電出力が

200 kW以上,かつ,電圧が高圧仕様のコージェネレーションパッケージ(以下,パッケージという。)の

構成機器の要求事項について規定する。 

なお,発電出力が200 kW未満でも電圧が高圧仕様である場合には,この規格を適用することが望まし

い。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 0108-1 往復動内燃機関−用語−第1部:機関設計及び運転用語 

JIS B 0108-2 往復動内燃機関−用語−第2部:機関保全用語 

JIS B 0149 エンジン駆動発電セット用語 

JIS B 8009-10 往復動内燃機関駆動発電装置−第10部:空気音の測定方法 

JIS B 8121 コージェネレーションシステム用語 

JIS B 8122 コージェネレーションユニットの性能試験方法 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 0108-1,JIS B 0108-2,JIS B 0149及びJIS B 8121による。 

構成 

4.1 

パッケージの構成要素 

パッケージは,エンジン駆動発電装置,燃料供給装置,制御盤,排熱回収装置,排気系統装置,エンク

ロージャなどの要素で構成する(図1参照)。 

各構成要素は,次による。 

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図1−パッケージの構成要素(例) 

a) エンジン駆動発電装置は,主に次の機器で構成する。 

− エンジン 

− 発電機 

− エンジン始動装置 

b) 燃料供給装置は,主に次の機器で構成する。 

− ガス遮断弁 

− ガス調圧弁 

− ガス圧縮機(エンジン運転に都市ガス供給圧以上のガス圧が必要な場合) 

c) 制御盤は,主に次の機器で構成する。 

− 発電機盤 

− 遮断器盤 

− エンジン制御盤 

− 始動盤 

− 補機盤 

ただし,一部の機器は別置きの場合がある。 

d) 排熱回収装置は,主に次の機器で構成する。 

− 温水ボイラ又は蒸気ボイラ 

− 温水熱交換器 

− 放熱用熱交換器及びエンジン補機熱交換器1) 

− ジャケット冷却水ポンプ,エンジン補機冷却水ポンプ1) 及び放熱装置用冷却水ポンプ 

− 温度調整用三方弁 

注1) インタークーラ,潤滑油などの冷却系を別系統とした場合に必要となることがある。 

e) 排気系統装置は,主に次の機器で構成する。 

− 排ガス処理装置(関係法規などに定められた基準を満たすために必要な場合) 

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− 排気消音器及び排ガス管 

f) 

エンクロージャは,主に次の機器で構成する。 

− エンクロージャ 

− エンクロージャの換気装置 

g) その他の装置には,主に次の機器がある。 

− 潤滑油タンク 

− 防振装置 

− 配管 

4.2 

構成機器 

4.2.1 

エンジン 

エンジンは,製造業者が定めた発電出力及び最低負荷(率)の範囲内で,連続運転又は毎日の発停運転

に十分な耐久性をもつものを用いる。 

4.2.2 

発電機 

発電機は同期発電機とし,その仕様は表1による。 

表1−発電機の仕様 

項目 

仕様 

形式 

横軸,回転界磁,自己通風又は管通風,開放保護形 

定格 

連続 

電圧 

600 V〜7 000 V 

力率a) 

力率0.8以上(遅れ) 

励磁方式 

自励式又は他励式 

軸受 

自己給油方式又は強制給油方式 

耐熱クラス 

固定子巻線,回転子巻線とも,155(F)以上 

注a) 力率は,受渡当事者間の協定で決定する。 

4.2.3 

エンジン始動装置 

エンジン始動装置は,次による。 

なお,エンジン始動装置には,蓄電池,充電装置,空気だめ及び充気装置を含む。 

a) 始動方式 始動方式は,次による。 

1) 始動方式は,蓄電池などによってセルモータでエンジンを始動する方式,空気だめの圧縮空気によ

ってエアモータ又はエアタービンを駆動する方式,又は圧縮空気をシリンダ内に直接入れる始動弁

方式を用いる。 

2) 制御盤操作によって充電後追加充電を行わない状態で連続3回以上始動できる容量の蓄電池を用い

る。また,制御盤操作によって充気後追加充気を行わない状態で3回以上始動できる容量の空気だ

めを用いる。 

b) その他事項 保守時の不用意な原動機始動を防止するための機能を設ける(例えば,蓄電池回路にナ

イフスイッチを設置し電流を遮断する機能)。 

4.2.4 

ガス遮断弁 

エンジン駆動発電装置に異常が発生した際に,ガス供給を速やかに遮断するために設置する。 

なお,ガス遮断弁は2個直列に設置するとともに,各遮断弁の内部漏れを確認可能な構造とする。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.2.5 

ガス調圧弁 

ガス圧を,エンジン駆動発電装置の運転に必要な圧力に調整する。 

4.2.6 

ガス圧縮機 

都市ガス供給圧以上のガス圧が必要な場合は,ガス圧縮機を取り付ける。 

4.2.7 

発電機盤 

発電機盤の機能は,次による。 

なお,発電機盤には,遮断器盤,エンジン制御盤,始動盤などの機能を含む場合がある。 

a) 採用する運転方式によって,表2の制御機能をもたせる。遮断器盤,エンジン制御盤,始動盤などが

別置きの場合は,それぞれの盤で表2の制御機能をもたせる。表2中の○印は装備することを示し,

(○)印は装備することが望ましいことを示す。また,−印は装備する必要がないことを示す。 

表2−制御機能 

番号 

機能 

系統連系制御 

系統分離制御 

同期投入制御 

○ 

 (○)a) 

発電機負荷移行制御 

(○) 

(○) 

受電有効電力一定制御 

○ 

− 

発電機有効電力一定制御 

○ 

− 

発電機力率一定制御 

○ 

− 

発電機有効電力分担制御(複数台時) 

○ 

○ 

発電機無効電力分担制御(複数台時) 

○ 

○ 

発電機定周波数制御 

− 

○ 

発電機定電圧制御 

− 

○ 

10 

発電機台数制御(複数台時) 

○ 

(○) 

11 

始動制御 

○ 

 (○)a) 

12 

故障制御 

○ 

○ 

13 

非常停止 

○ 

○ 

注a) 2台以上の系統分離制御の場合は,装備する。 

b) 発電機盤は,次の操作機能をもたなければならない。ただし,エンジン(運転・停止)始動盤が別置

きの場合及び/又は発電機遮断器(入・切)遮断器盤が別置きの場合,発電機盤は不要である。 

1) モード(自動・手動) 

2) エンジン(運転・停止) 

3) 電圧(増・減) 

4) 周波数(増・減) 

5) 発電機遮断器(入・切) 

6) 同期(必要な場合) 

7) 非常停止 

c) パッケージ保護のため,保護機能をもたなければならない。 

なお,保護項目を5.1に示す。遮断器盤,エンジン制御盤,始動盤などが別置きの場合は,それぞ

れの盤で保護機能をもたなければならない。 

d) パッケージの運転状態を監視するため,計測機能をもたなければならない。 

なお,計測項目を5.2に示す。遮断器盤,エンジン制御盤,始動盤などが別置きの場合は,それぞ

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

れの盤で計測機能をもたなければならない。 

e) パッケージの運転状態を確認するため,次の状態表示機能をもたなければならない。 

1) モード(自動・手動) 

2) エンジン(運転・停止) 

3) 発電機遮断器(入・切) 

4.2.8 

遮断器盤 

遮断器盤は,負荷電流の開閉及び短絡事故などの電流を遮断する機能をもたなければならない。 

4.2.9 

エンジン制御盤 

エンジン制御盤は,エンジンの回転数などを調整する機能及び保護する機能をもたなければならない。 

4.2.10 

始動盤 

始動盤は,エンジンを自動及び手動で始動する機能をもたなければならない。 

なお,始動渋滞など始動に失敗した際は,始動装置を保護する機能をもたなければならない。 

4.2.11 

補機盤 

補機盤の機能は,次による。 

a) パッケージが,適切に運転・停止できるように,各補機は自動的に制御する制御機能をもたなければ

ならない。 

b) 各補機は,自動及び手動で制御できる操作機能をもたなければならない。 

c) モータ補機においては,モータの過負荷時に保護する機能をもたなければならない。また,電路に地

絡を生じた場合の保護装置を設けることが望ましい。 

d) 補機回路の主幹部分には,電圧計,電流計及び電力量計を取り付けることが望ましい。 

e) 各補機の,運転・停止・故障の状態が分かる表示を取り付ける。ただし,発電機盤など,別途状態が

分かる表示がされている場合は,不要である。 

4.2.12 

温水ボイラ 

温水ボイラは,ジャケット冷却水ポンプのキャビテーションを防止するため,温水を沸騰させないよう

に温水出口温度を制御する。 

4.2.13 

蒸気ボイラ 

蒸気ボイラの蒸気圧力は,通常0.78 MPa(ゲージ圧)であるが,用途に応じて決定する。 

4.2.14 

熱交換器 

パッケージには,次の熱交換器を組み込む。ラジエータ方式の場合は,放熱用熱交換器及びエンジン補

機熱交換器は不要である。ただし,仕様によっては組み込む場合もある。 

a) 温水熱交換器 

b) 放熱用熱交換器 

c) エンジン補機熱交換器 

4.2.15 

ジャケット冷却水ポンプ 

高温のジャケット冷却水を循環するため,ケーシング,羽根車,主軸などの構成部品には,ジャケット

温度に十分な余裕をもって耐えられる材質を用いたジャケット冷却水ポンプを選定する。 

4.2.16 

エンジン補機冷却水ポンプ 

エンジン補機としてインタークーラを使用し,専用の冷却水ポンプを設置する場合,エンジンの定格運

転状態で冷却水を供給したときに,発電機が運転される周囲大気温度の上限値においてインタークーラ下

流の空気又は混合気の温度が製造業者が定めた温度以下となるエンジン補機冷却水ポンプを選定する。 

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4.2.17 

放熱装置用冷却水ポンプ 

エンジンの定格運転状態で,製造業者が定めた熱量を放熱できる流量をもつ放熱装置用冷却水ポンプを

選定する。 

4.2.18 

温度調整用三方弁 

ジャケット冷却水温度をエンジン出口許容温度内に制御するため,放熱用熱交換器側に流量調整を行う

三方弁を取り付ける。 

なお,エンジン補機側温度調整用三方弁は,混合気温度を制御するため,エンジン補機熱交換器側に流

量調整を行う三方弁を取り付ける場合もある。 

4.2.19 

排ガス処理装置 

排ガス中の窒素酸化物(NOx)の濃度が,関係法規などで定められた排出基準を満たすよう,必要な場

合は適切な低減装置を取り付ける。 

4.2.20 

排気消音器及び排ガス管 

排ガス管には,必要に応じて十分な消音性能をもった消音器を取り付ける。 

a) 消音性能 消音性能は,次による。 

1) 騒音規制区域の各区域における,規制基準を満足する性能とする。 

2) 空気音の測定は,JIS B 8009-10による。 

b) 構造 原音データを基に,必要消音量,排ガス流量,排ガス温度,排ガス性状,許容圧損などを考慮

して,最適な構造とする。 

4.2.21 

エンクロージャ 

エンクロージャは,防音,危険防止などのために構成機器を囲む外箱であり,次による。 

a) 防音性能確認のためパッケージからの空気音の測定方法は,JIS B 8009-10による。ただし,受渡当事

者間の協定によって定めた測定方法がある場合には,それによる。 

b) 危険防止処置のため第三者が容易に開閉できないように施錠機能などをもたせる。 

4.2.22 

エンクロージャの換気装置 

エンクロージャの換気装置は,次による。 

a) エンクロージャ内の構成機器の性能及び信頼性を維持できる換気量を確保できるように,エンクロー

ジャ換気ファンを選定する。 

b) 空気の流れ及び温度分布を考慮して,適切な位置に取り付ける。 

4.2.23 

潤滑油タンク 

潤滑油タンクの設置が必要な場合は,次の構成及び材質のものを取り付ける。 

a) 潤滑油タンクの構成は,次による。 

1) 給油口(補給しやすい位置・形状とする。) 

2) エンジンへの給油口 

3) ドレン管(バルブ付) 

4) ベント管(給油口と一体も可) 

5) 油面低下警報用レベルセンサ(必要に応じて) 

b) 材質は,鋼板製又はステンレス製とする。 

4.2.24 

防振装置 

パッケージの防振装置は,次による。 

a) 基礎は,浮き基礎又は独立基礎が望ましい。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b) エンクロージャ又はエンジン駆動発電装置は,防振材を介して据え付ける。 

c) 防振材は,防振ばね,防振ゴム,防振パッド,空気ばねなどを,単独又は併用して取り付ける。 

d) 振動する構成機器に接続する配管・排ガス管は,フレキシブル継手を介して取り付ける。 

e) 建屋,く(躯)体などの貫通部は,クッション材を介して孔埋めを行う。 

4.2.25 

配管 

配管は,次による。 

a) 配管,継手及び附属品は,構成機器及び使用条件にあった耐圧性のある材料を使用する。 

b) 維持管理のため,適切な位置に弁,ドレン抜き,空気抜き,温度計及び圧力計を設ける。 

なお,弁及び計器類の取付け場所は,保守点検・取替えなどが容易に行えるよう配慮する。 

4.3 

パッケージの電気系統 

4.3.1 

電気系統の基本機能 

パッケージの電気系統の基本機能は,制御機能,操作機能,保護機能,計測機能及び表示機能で構成す

る(図2参照)。 

図2−パッケージの電気系統の基本機能及び構成(例) 

4.3.2 

電気系統の設計上の一般事項 

パッケージの電気系統の設計上の一般事項は,次による。 

a) 発電電圧は,高圧とし,発電機遮断器を介して,負荷へ給電する。 

b) 制御,遮断器操作などの電源は,通常,直流電源を標準とする。 

c) 発電機遮断器は,次による。 

母線連絡遮断器 

始動制御 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

1) 定格遮断電流は,系統連系の場合,系統側インピーダンスによって決定するが,最低12.5 kAとす

る。 

2) 制御系への影響を考慮し,低サージタイプを用いる。 

3) 同期遮断器の場合,異系統突合わせタイプを用いる。 

d) 同期投入の対象は発電機遮断器とし,電圧突合せは発電機遮断器一次側(発電機側)の計器用変圧器

の二次電圧と発電機遮断器二次側(負荷側)の計器用変圧器の二次電圧とによる。 

e) 制御盤は,制御機能(発電機制御,エンジン制御,始動制御及び遮断器制御),操作機能,保護機能,

計測機能及び表示機能をもたなければならない。 

f) 

同期投入以外での電気的接続(非同期投入)を防止するため,発電機遮断器と受電遮断器又は母線連

絡遮断器との間にインターロックを設ける。 

注記 系統連系の規定については,“平成9年通商産業省令第52号電気設備に関する技術基準を定

める省令”及び“電気設備の技術基準の解釈(平成28年9月23日改正)”がある。 

g) 補機盤は,補機についての制御機能,操作機能,保護機能,計測機能及び表示機能をもたなければな

らない。ただし,制御盤などにこれらが集約されている場合は,不要である。 

4.4 

パッケージの熱回収 

4.4.1 

熱回収フロー 

パッケージの熱回収には,温水による熱回収と,蒸気及び温水による熱回収がある。温水回収フローの

例は図3 a) に,蒸気及び温水回収フローの例は図3 b) による。 

a) 温水回収フロー(例) 

図3−熱回収フロー(例) 

過給機 

補機 

補機 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b) 蒸気及び温水回収フロー(例) 

図3−熱回収フロー(例)(続き) 

4.4.2 

温水回収フロー設計上の一般事項 

温水回収フロー設計上の一般事項は,次による。 

a) パッケージの温水出口温度は,吸収式冷凍機を効率よく駆動できる88 ℃以上が望ましい。 

b) エンジンジャケットから出た高温水は,温水ボイラ及び温水熱交換器を通り,エンジンに戻す。エン

ジンへの入口温度が高くなった場合は,温度調整用三方弁によって放熱用熱交換器へ流し,放熱する。 

c) エンジン入口温度用のセンサは,精度が高く,かつ,応答が早いセンサを使用する。 

d) 温度計及び流量計を設置し,温水出口(往)温度,温水入口(還)温度及び温水流量を計測できるよ

うにすることが望ましい。 

4.4.3 

蒸気回収フロー設計上の一般事項 

蒸気回収フロー設計上の一般事項は,次による。 

a) パッケージからの蒸気圧力は,通常0.78 MPa(ゲージ圧)であるが,用途に応じて決定する。 

b) 過給機から出た排ガスは,蒸気ボイラを通り大気に放出する。 

c) 給水温度,蒸気圧力及び蒸気流量(給水流量)を計測できるようにする。 

保護及び計測 

5.1 

保護項目 

パッケージには,保護装置を設置する。保護項目の一覧は,表3による。表3中の○印は装備すること

を示し,(○)印は装備することが望ましいことを示す。また,−印は装備する必要がないことを示す。 

過給機 

補機 

補機 

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10 

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表3−保護項目 

番号 

保護項目 

機関停止 

遮断器開放 

警報 

始動渋滞 

○ 

− 

○ 

潤滑油圧力低下 

○ 

○ 

○ 

潤滑油温度上昇 

○ 

○ 

○ 

冷却水温度上昇 

○ 

○ 

○ 

排ガス温度上昇 

(○) 

(○) 

○ 

過回転 

○ 

○ 

○ 

過電圧 

○ 

○ 

○ 

不足電圧 

○ 

○ 

○ 

過電流 

○ 

○ 

○ 

10 

非常停止 

○ 

○ 

○ 

11 

燃料ガス圧力低下 

(○) 

(○) 

○ 

12 

発電機固定子温度上昇 

○ 

○ 

○ 

13 

発電機軸受温度上昇 

○ 

○ 

○ 

14 

制御電源電圧低下 

○ 

○ 

○ 

15 

逆電力 

(○) 

 (○)b) 

 (○)b) 

16 

地絡 

 ○ a) 

○ 

○ 

17 

ガス漏れ 

○ 

○ 

○ 

18 

液漏れ 

(○) 

(○) 

(○) 

19 

火災(パッケージ内) 

○ 

○ 

○ 

20 

混合気温度上昇 

(○) 

(○) 

(○) 

21 

触媒温度上昇 

(○) 

(○) 

(○) 

22 

制御装置異常 

○ 

○ 

○ 

注a) 機関停止しない場合もある。 

b) 系統連系制御及び2台以上の系統分離制御の場合は,装備する。 

5.2 

計測項目 

パッケージには,計測器を設置する。エンジン駆動発電装置の計測必要項目は表4に,パッケージの計

測推奨項目は表5による。表4中の○印は装備することを示し,(○)印は装備することが望ましいこと

を示す。 

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11 

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表4−エンジン駆動発電装置の計測必要項目 

番号 

計測項目 

必要性 

発電機電流又は電力 

○ 

発電機電圧 

○ 

発電機周波数 

○ 

発電電力量 

(○) 

発電機力率 

○ 

受電電力 

(○) 

発電機軸受温度 

○ 

発電機固定子温度 

○ 

エンジン回転速度 

○ 

10 

潤滑油温度 

○ 

11 

潤滑油圧力 

○ 

12 

混合気温度 

(○) 

13 

混合気圧力 

(○) 

14 

エンジン冷却水出口温度 

○ 

15 

燃料ガス圧力 

○ 

16 

エンジン冷却水入口温度 

(○) 

17 

排ガス温度 

○ 

表5−パッケージの計測推奨項目 

番号 

計測項目 

推奨 

温水出口温度 

○ 

温水入口温度 

○ 

温水流量 

○ 

冷却水入口温度 

○ 

冷却水出口温度 

○ 

給水温度 

○ 

蒸気圧力 

○ 

蒸気流量(給水流量) 

○ 

触媒出口温度 

○ 

性能及び試験方法 

6.1 

性能 

パッケージの性能に係る項目は,仕様書又はカタログに掲載し,記載した性能値を満足しなければなら

ない。仕様書などには,次の項目を記載することが望ましい。 

a) エンジンについては,製造業者名,形式,燃料種別,燃料圧力,燃料消費量,回転速度,過給機の有

無,始動方式及び連続運転での許容最低負荷率。 

b) 発電機については,製造業者名,形式,電圧,周波数,励磁方式,軸受種別及び電気絶縁の耐熱クラ

ス。 

c) 発電出力については,発電端出力及び連続運転での許容最低負荷率・発電電圧・周波数・力率。 

d) 熱出力については,温水回収の場合は温水出入口温度,流量及び温水回収熱量,蒸気回収の場合は蒸

気圧力,蒸気流量(給水流量)及び蒸気回収熱量。 

e) 排ガスについては,排ガス温度,排ガス濃度(又は窒素酸化物濃度及び酸素濃度)及び排ガス流量。 

12 

B 8124:2018  

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

f) 

空気音・騒音については,測定方法及びその値。 

6.2 

試験方法 

性能は,JIS B 8122によって試験を行い,確認する。 

外部との取合い 

7.1 

設置条件 

パッケージの設置条件として,次の項目を明示することが望ましい。 

a) 設置場所の大気温度,相対湿度,高度(大気圧力)などの使用環境条件 

b) 砂じん,塩害,腐食性ガスなどの特殊な条件 

c) パッケージの構成機器,電気配線,配管類などの耐震性能条件 

7.2 

取合い仕様 

パッケージの取合い仕様として,次の項目を明示することが望ましい。 

a) 燃料配管,温水配管,排ガス管,冷却水配管及び蒸気配管の取合位置,口径,形状,圧力など。 

b) 電力ケーブル及び制御ケーブルの取合位置,形状など。 

c) 制御などの信号の種類,出力方式など。 

d) 外形寸法,運転重量,設置スペース(保守スペース)及び取付方法など。