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B 8043-2 : 2000 (ISO 11042-2 : 1996) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。 

JIS B 8043-2には,次に示す附属書がある。 

附属書A(参考) 関連規格 

JIS B 8043は,次の部で構成される。 

第1部:測定及び評価 

第2部:排出物の自動監視 

B 8043-2 : 2000 (ISO 11042-2 : 1996) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目次 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. 引用規格 ························································································································ 2 

3. 定義 ······························································································································ 2 

4. 記号及び省略記号 ············································································································ 3 

5. 監視プログラム ··············································································································· 6 

5.1 監視システム ················································································································ 6 

5.2 測定成分 ······················································································································ 6 

5.3 運転データの記録 ·········································································································· 7 

6. 監視システムの機器配置 ··································································································· 8 

6.1 ガス状排出物の測定位置·································································································· 8 

6.2 ガス状排出物の点測定····································································································· 9 

6.3 ガス状排出成分の流路測定······························································································· 9 

6.4 粒子状物質の測定位置····································································································· 9 

6.5 比較測定の測定位置 ······································································································· 9 

7. 監視システムの機器 ········································································································· 9 

7.1 抽出式試料採取 ············································································································· 9 

7.2 分析システム ··············································································································· 10 

8. 校正,機能点検及び保全 ·································································································· 10 

8.1 全般 ··························································································································· 11 

8.2 比較測定 ····················································································································· 11 

8.3 精度試験及び検定方法···································································································· 11 

8.4 ドリフト試験 ··············································································································· 11 

8.5 校正頻度 ····················································································································· 12 

8.6 校正用ガスの供給 ········································································································· 12 

8.7 保全 ··························································································································· 12 

附属書A(参考) 関連規格 ································································································· 16 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 8043-2 : 2000 

(ISO 11042-2 : 1996) 

ガスタービン−排気排出物− 

第2部:排出物の自動監視 

Gas turbines−Exhaust gas emission− 

Part 2:Automated emission monitoring 

序文 この規格は,1996年に第1版として発行されたISO 11042-2, Gas turbines−Exhaust gas emission−Part 

2:Automated emission monitoringを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日

本工業規格である。 

1. 適用範囲 この規格は,期間を限ることでなく長期にわたって連続して行う測定に用いる,監視プロ

グラム並びに測定機器の選定及びその操作についての要求事項を規定するものである。排気中の特定の排

出物の濃度とその絶対量を監視しなければならない。また,同時にガスタービンから排出される他の関連

するガス状成分及びガスタービンの基本的運転状態についても監視しなければならない。JIS B 8043-1で

定義した用語及び記号に加え,この規格にふさわしい用語及び記号も用いる。また,監視環境,計測機器

及び記録装置に対する要求事項並びに測定の質の評価及びデータの補正に対する要求事項を規定している。 

この規格は,機械的軸出力を発生するガスタービン及び/又は発電機駆動用ガスタービンのすべて(た

だし,航空機用は除く。)に適用する。排熱を利用する装置を備えた設備にも準用できる。 

この規格は,開放サイクルガスタービンに対して適用する。また,半密閉サイクルガスタービン,フリ

ーピストン圧縮機を備えたガスタービン又は特殊な熱源を利用するガスタービンに対しても準用できる。 

受渡当事者間の合意がある場合を除き,この規格をガスタービンの排気排出物に対する受取試験として

用いることは意図していない。 

ある限界値を超える濃度で大気中にかなりの量が排出される成分については,これを監視することが望

ましい。この限界値については,受渡当事者間の合意によって決定しなければならない。 

この規格は,次のパラメータを連続的に監視することを要求する:すなわち,排出物,希釈ガス(酸素

及び二酸化炭素),排気流量(計算値又は要求があれば測定値),燃料消費量及びガスタービンプラントの

性能である。定期的に採取した燃料の化学分析も必要である。 

備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。 

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD

(修正している),NEQ(同等でない)とする。 

ISO 11042-2 : 1996, Gas turbines−Exhaust gas emission−Part 2:Automated emission monitoring 

(IDT) 

B 8043-2 : 2000 (ISO 11042-2 : 1996) 

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2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,記載の年の版だけがこの規格の規定を構成するものであって,その後の改正版・

追補には適用しない。 

JIS B 8041 : 1989 ガスタービン試験方法 

備考 ISO 2314 : 1989, Gas turbines : Acceptance testsからの引用事項は,この規格の当該事項と同等

である。 

JIS B 8043-1 : 1996 ガスタービン−排気排出物−第1部:測定及び評価 

備考 ISO 11042-1 : 1996, Gas turbines−Exhaust gas emission−Part 1:Measurement and evaluationから

の引用事項は,この規格の当該事項と同等である。 

ISO 4225 : 1994, Air quality−General aspects−Vocabulary 

ISO 6879 : 1995, Air quality:Performance characteristics and related concepts for air quality 

measuring methods 

ISO 7504 : 1984, Gas analysis−Vocabulary 

ISO 10396 : 1993, Stationary source emissions−Sampling for the automated determination of gas 

concentrations 

3. 定義 JIS B 8043-1の3.に加え,この規格で用いる主な用語の定義は,次による。 

3.1 

監視 (monitoring) 

① 広義には,ある時間帯の変化に追従するために繰り返し行う測定。 

② 狭義には,調節・制御システムの有効性を評価するために行う,ある基準に関連した汚染レベルの

定期的な測定。 

ISO 4225 : 1994参照。 

3.2 

比較測定 (reference measurement)  受取試験並びに再校正のため及び実測値を確認するために行

う独立した測定。 

3.3 

分析システム (analyser)  次によって構成される装置 

(a) 被分析ガス及び/又は校正用ガスの採取及び移送を行う管路 

(b) 分析すべき試料ガスの成分の物理的又は化学的特性からその成分を定量化することのできる信号を発

生する測定装置 

(c) 信号処理装置(増幅,記録)又は必要ならデータ処理装置。 

ISO 7504参照。 

3.4 

試料採取の方法 (sampling principle)  抽出式及び非抽出式の両者を含むダクト内のガスの代表的

な試料採取方法。 

ISO 10396参照。 

備考 抽出式の試料採取では,エアロゾル(煙霧質),粒子及びその他の干渉物質は,計測装置に移送

する前に取り除かなければならない。非抽出式は,ダクト内の試料採取場所で測定が行われる

ので,試料処理の必要はない。 

3.4.1 

抽出式試料採取 (extractive sampling)  試料の採取,干渉物質の除去及び適切な計測法によって引

き続き行われる分析のために,試料採取装置全体にわたってガスの濃度を維持することを含む(図1参照)。 

3.4.2 

非抽出式試料採取 (non-extractive sampling)  ダクト外への試料の抽出は行わず,試料採取はダク

ト内のガス流れ場の中で完結する(図2及び図3参照)。 

B 8043-2 : 2000 (ISO 11042-2 : 1996) 

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3.5 

システム動作特性 (system operating characteristics)  ISO 6879に定義しているように,統計,機能

及び操作の観点からみた性能特性。 

次の点について考慮する。 

3.5.1 

応答時間 (response time)  ある装置が,試料の質の急激な変化に対して応答するのに要する時間。

これは次の二つの部分に分けられる。 

3.5.1.1 

遅延時間 (lag time)  代表的な試料を,計測器に取り込むまでに要する時間。 

3.5.1.2 

計測器の応答 (instrument response)  計測器が,試料濃度の総変化量の90%に相当する出力を

発生するのに要する時間。 

3.5.2 

ゼロドリフト [zero instability (drift)]  ある時間内の,手を加えない状態での作動における,ゼロ

試料に対する計器出力の変化。 

3.5.3 

スパン (span)  試料の所定の品質特性の値に対する計測器の読みとゼロ試料に対する計器の読

みとの差;影響を与えた原因を特定できるように,通常,この試料の品質特性の値はガス濃度の計測範囲

の上限の95%として設定する。 

3.5.4 

スパン不安定性(ドリフト) [span instability (drift)]  ある期間内の手を加えない状態での作動に

おける計測器の測定範囲の90%の校正用ガスに対応する計測器出力の変化。 

3.6 

装置の校正特性 (system calibration characteristics)  校正を行うための適切な計測機能。次の点を

考慮する。 

3.6.1 

校正関数 (calibration function)  対象となる特定の成分の,測定可能な特性の関数としての計測

器の読みであって,すべての干渉を一定に保った状態で関連する手動分析法(JIS B 8043-1参照)によっ

て得られる。 

3.6.2 

線形関数 (linear function)  関連する手動分析法(JIS B 8043-1参照)によって測定された所定の

成分の濃度について,計測器の読みが直線的である校正関数。 

3.6.3 

非線形関数 (non-linear function)  関連する手動分析法(JIS B 8043-1参照)によって測定された

所定の成分の濃度について,計測器の読みが直線的でない校正関数。 

備考 非線形性は,高次の回帰係数で表してもよい。 

3.6.4 

信頼区間 (confidence interval)  所定の信頼性のレベルで,ある回帰直線の平均値が存在する下限

値と上限値との間隔。 

3.6.5 

許容区間 (tolerance interval)  所定の信頼性のレベルで,ある母集団の規定された割合が占める

下限値と上限値との間隔。 

3.6.6 

検証試験 (plausibility test)  排気中の炭素(二酸化炭素,一酸化炭素及びUHCを構成するもの)

含有量の計測値とガスタービン燃料から計算する炭素含有量との比較を行う目的の試験。双方の値の許容

差は,受渡当事者間の合意による。 

4. 記号及び省略記号 JIS B 8043-1の4.を適用する。 

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図1 試料抽出及び調湿システムの例 

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図2 非抽出式点監視の例 

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図3 非抽出式点流路監視の例 

5. 監視プログラム 

5.1 

監視システム 監視システムは,図4による。 

排気の監視には,試料採取システム及び分析システムが必要である。これらによって,ガスタービンプ

ラントの運転状態データと同時に,排気データを連続的に測定し,電子式評価システムへ入力信号を送る。 

5.2 

測定成分 測定が義務付けられる成分は,その地域の規制に従って,受渡当事者間の合意によるも

のでなければならない。監視の対象となり得る成分は,次による。 

− ばいじん及び排気煙:排出の可能性がある場合だけに限られる。 

備考 一般に,天然ガスによる運転では不要である。ただし,受渡当事者間で特に合意した場合又は

代替え燃料若しくは起動用燃料が必要とされる場合を除く。 

− 二酸化硫黄 (SO2) :連続運転を行う脱硫装置が使用されている場合,詳細な燃料分析を行わない場

合又は受渡当事者間で特に合意している場合にだけ測定を必要とする。 

− 窒素酸化物 (NOx) :常に測定を必要とする。 

備考 あらかじめ合意があり,二酸化窒素の割合が全窒素酸化物の10%を超えない場合には,一酸化

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窒素の分析だけを実施する。二酸化窒素の値については比較試験で求め,一酸化窒素の測定値

に加算する。 

− 二酸化炭素 (CO2)  : 酸素濃度を直接測定しない場合には,測定が必要となる。 

− 一酸化炭素 (CO)  : 受渡当事者間で合意している場合には,測定を行う。特に,部分負荷時に監

視を行う。 

− UHC 

: 受渡当事者間で合意している場合には,測定を行う。 

− VOC 

: 受渡当事者間で合意している場合には,測定を行う。 

− 酸素 (O2)  

: 直接測定した排気に関するデータ又は計算によって得たデータを酸素濃度

換算するために測定が必要である。 

− アンモニア (NH3)  : アンモニアを用いる脱硝装置を装備するプラントにおいてだけ測定が必要

である。 

特に,有毒成分を含む燃料を使用する場合には,関係者間の合意によって,上記以外の成分についても

監視を必要とすることがある。 

備考 計算によってプラントの排気流量を求める場合,二酸化炭素,一酸化炭素及びUHCの測定が

必要であることに留意する。この計算によって求めたガス流量は,流量の測定値の検証のため

に,製造者が提示した設計排気流量と比較されることがある。 

5.3 

運転データの記録 排気成分の測定時に,次のデータを記録する。 

5.3.1 

大気条件 

− 温度; 

− 圧力; 

− 相対湿度。 

5.3.2 

ガスタービン/プラント性能 

− 出力; 

− 燃料消費量; 

− 排気の質量流量の計算値又は要求がある場合はその測定値; 

− ガスタービン出口の排気温度及び排熱回収装置がある場合は,その出口における排気温度; 

− 作動流体に水噴射又は蒸気噴射を行っている場合は,噴射する水又は蒸気の流量。 

排気流量を求める方法は,受渡当事者間で合意したものでなければならない(JIS B 8041参照)。 

5.3.3 

運転状態 

− 起動途中; 

− 停止途中; 

− プラント運転中の排気監視システムの使用状態(作動中,停止中又は校正中); 

− 脱硫装置のある場合は,その装置が72時間停止していたかどうか; 

− 脱硫装置のある場合は,その装置が240時間停止していたかどうか; 

− 二種燃料で運転する場合は,使用中の燃料の種類; 

− 排熱回収を行う場合は,排気バイパス系統の使用状態; 

− 作動流体に水噴射又は蒸気噴射を行っている場合は,その噴射システムの運転状態。 

5.3.4 

外部入力データ 

− ガスタービンプラントの識別名称; 

− 使用する補正係数; 

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− 適当な時間間隔での燃料分析データ。このデータによって,真発熱量並びに炭素及び水素の含有量

を決定するとともに,監視すべき排気成分を決定する; 

− 大気汚染物質と考えられる成分についての制限値(この制限値は,受渡当事者間で合意したもので

なければならない。)。 

5.3.5 

自動データ収集及び処理 

5.3.5.1 

自動データ収集システム及びその処理システムは,この監視プログラムで要求するすべての機能

をもつものでなければならない。装置が作動中のときは,連続的に監視する値の平均値を30分ごとに記録

する。また,最大値及び最小値についても記録する。 

5.3.5.2 

手順は,次による。 

a) データを基準条件へ換算する。 

b) 関連するガスタービンプラントの状態信号を取り出す。 

c) a)のデータの妥当性を確認する。 

d) a)のデータに基づき,日平均値を算出する。 

e) その平均値が,地域の規制値に対し,許容範囲内にあるかどうかの判定を行う。 

f) 

b)の状態信号に対して,e)の値の判定を行う。 

g) e)及びf)の判定について,その結果を記録する。 

h) 日ごと,月ごと及び年ごとのデータを出力する。 

これらすべてのデータの保管期間は,次による: 

− 日ごとのデータは2年間; 

− 月ごとのデータは5年間; 

− 年ごとのデータはプラントの存続期間。 

自動データ収集及び分析について,代表的なフローチャートを図5に示す。 

5.3.5.3 

多種燃料運転での排出物の自動解析及び評価も行えるよう,十分なデータを評価システムへ送ら

なければならない。 

6. 監視システムの機器配置 

6.1 

ガス状排出物の測定位置 試料採取管は,寄り付き可能な場所で,成分濃度又は排出流量の測定値

が,その設備からの測定断面での全排出物を直接代表する場所又は代表値となるように換算が可能な場所

に取り付ける。 

測定装置の上流側で大気が排気へ漏れ込むと,試料ガスが希釈され,測定に影響を与えることがある。

この漏れ込みは,ダクトの損傷,ダンパの取付け不良,又は助燃装置の付いた排熱回収装置若しくは助燃

装置をもたない排熱回収装置の不適合などに起因する。 

要求に見合った代表値データを得るのに好ましい測定位置及び測定点を図6に示す。 

計装機器は,ダクトの曲がり又はダンパなどの障害物からダクト径の2倍以上離れた下流側で,かつ,

大気放出点又はダクト下流側にある装置類からダクト径以上離れた上流側に配置しなければならない。 

備考 固形粒子測定用の試料採取管の位置については,JIS B 8043-1の7.9.3.1参照。 

測定は,ダクト又は煙突の断面が一定の場所で行うことが望ましい。測定位置は, 

a) 直近の調節機器若しくは曲がり,排気成分の発生点,又は成分濃度若しくは排出量が変化する可能性

のある点からダクト等価径の少なくとも2倍下流側に離れた位置とすることが望ましい。さらに, 

b) 排気出口又は調節機器から少なくともダクト等価径分上流側へ離れた位置とする。助燃装置,触媒コ

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ンバータなどを使用する場合の試料採取位置は,例えば,タービンの直後というように,受渡当事者

間の合意が必要である(7.1.1参照)。 

6.2 ガス状排出物の点測定 6.1に加えて,ガス状排出物の非抽出式測定を行うのに望ましい測定位置は,

次のいずれかによる。 

a) 煙突又はダクトの内壁から1m以上離れた点 

b) 煙突又はダクトの断面の中心部分 

6.3 

ガス状排出成分の流路測定 6.1に加えて,ガス状排出物の非抽出式測定を行うのに望ましい測定位

置は,次のいずれかによる。 

a) 煙突又はダクトの内壁から1m離れたダクト中心側の領域内にあること。 

b) 測定流路の少なくとも70%が煙突又はダクトの断面の中心側50%の領域内にあること。 

c) 流路断面の中央部付近に配置してあること。 

6.4 

粒子状物質の測定位置 計測器は,光透過方式監視装置であることが望ましい。粒子状物質の測定

孔は,ガス状排出物の連続監視用の測定孔及びすべての比較測定用の測定孔とは別とする。比較測定点に

は,ガス状排出物用の比較測定孔及び粒子状物質計測器の校正用の比較測定孔として使用する複数の測定

孔を設けてもよい。 

多くのガスタービンでみられるような低濃度の粒子状物質を正確に測定するために,光路長は十分に長

くなければならない。計測器を,測定光路がダクトの軸に対して直角方向(ダクト軸の法線方向)ではな

く,ダクトの軸方向又は軸方向とある角度をもつように取り付けることが必要である場合があることに留

意するのがよい。測定光路が,他の試料採取管によって遮られないようにすることが大切である。 

計測器の取付けに当たっては,振動,温度に敏感な部品の保温及びダクトの変形(光学機器のミスアラ

インメント)並びに太陽の反射光を考慮しなければならない。 

温度こう(勾)配が,ある種の光学機器の信号に影響を与えることがあるので,粒子状物質の計測器の

直前で空気の流入がないように注意する。このため,光源,反射器及び集光器のパージガスの流量を一定

とするように,正確な制御を行うことが必要である。光学部品の排気に接する側は,一定の期間ごとに清

掃が必要であることに留意することが望ましい。 

6.5 

比較測定の測定位置 これまでに詳述した監視についての条件と同一の条件を適用する。監視と比

較測定の位置は同一である必要はない。 

監視のための代表点を定めるために,初期の段階で,トラバース計測を実施してもよい。 

図6に監視及び比較測定のための機器の配置を示す。 

7. 監視システムの機器 監視システムを構成するすべての機器は,長期間にわたって信頼性のある連続

運転が行えるように設計されたものでなければならない。それらの機器は相互に適合するものでなければ

ならない。 

試験用ガス及び標準ガスの使用は,最小限とすることが望ましい。 

7.1 

抽出式試料採取 

7.1.1 

全般 抽出式試料採取を行う場合には,監視システムのうち,次の項目に使用する部分に配慮を要

する。 

− 試料の採取, 

− 試料の移送, 

− 試料の調整, 

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10 

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− 溶出液の影響からの分析システムの保護。 

ガス試料採取システムの目的は,排気の代表的な部分を抽出し,その成分を変化させずに,又は,把握

し得る変化だけに保ちつつ,測定機器へ送ることにある。当然,試料ガスの物理的性状は,測定機器が許

容するものでなければならない。したがって,試料ガスに対しては,ダストを除去したり,もし必要であ

れば,除湿又は調湿を行う。 

試料採取管は,監視を行う間,排気流から代表的な試料を抽出できるものとする。得られた試料は,そ

れが平均的な流れを代表するものであることを実証しなければならない。採取管が多孔式であっても単孔

式(1点式)であっても,この要求に従わなければならない。 

助燃装置,触媒コンバータなどを使用する場合,試料採取位置は,例えば,タービンの直後というよう

に,受渡当事者間の合意によって定める。 

試験に使用する試料採取管は,十分な量の試料ガスを連続して分析計に供給できるものとする。 

さらに,JIS B 8043-1に示す要求事項に従う。 

7.2 

分析システム 

7.2.1 

分析システムの配置 分析システムの配置を図7に示す。 

7.2.2 

分析計の種類 表1に使用可能な分析計の種類を示す。詳細な仕様については,JIS B 8043-1に示

している。複数の成分を同時に測定できる複合式分析計を使用してもよい。監視に適した特別な分析計も

ある。表に示していない分析計であっても,この規格の精度要求に合致するものについては,受渡当事者

間の合意によって使用してもよい。 

7.2.3 

分析計の精度 使用する分析計の精度は,JIS B 8043-1の要求に適合したものでなければならない。 

表1 分析計の種類 

成分 

分析計の種類 

窒素酸化物 

化学発光方式 (CL) 

又は非分散形赤外線吸収方式 (NDIR) 

又は非分散形紫外線吸収方式 (NDUV) 

一酸化炭素 

非分散形赤外線吸収方式 (NDIR) 

二酸化炭素 

非分散形赤外線吸収方式 (NDIR) 

二酸化硫黄 

非分散形赤外線吸収方式 (NDIR) 

又は非分散形紫外線吸収方式 (NDUV) 

又は間欠形紫外線蛍光方式 (PUVF) 

UHC 

水素炎イオン化検出法 (FID) 

VOC 

ガスクロマトグラフ1) (GC) 

固形粒子及び排気煙 光度測定法 

又は光散乱法 

酸素 

磁気風方式 

又は圧力検出形磁気力方式 (PMC)  

又はジルコニア方式 

アンモニア 

化学発光方式2) 

又は吸光光度(インドフェノール)法 

又は非分散形赤外線吸収方式 (NDIR) 

1) 

合意によって他の方式を用いてもよい。 

2) 

アンモニアの酸化後 

11 

B 8043-2 : 2000 (ISO 11042-2 : 1996) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

8. 校正,機能点検及び保全 

8.1 

全般 測定の質は,測定システムの設計,設置方法及び操作手順(校正及び測定)並びに保全の方

法によって影響される。システム設計については7.で述べており,この箇条では,校正,機能点検及び保

全の方法について記述する。 

8.2 

比較測定 プラントの引渡し項目の一部として,試料採取位置でのダクト内の流れが均一であるこ

と又は層状であることを実証することが必要となることがある。トラバース測定を要求する場合は(6.5

参照),排気中への空気の混入がないように,すなわち,排気が希釈されないような試料採取位置を選択す

るか,又はプラントの配置を計画しなければならない。 

このシステムによる測定と比較測定とを同時に,プラントの安定した運転状態で実施できるように,予

備の測定孔を設けてもよい。 

比較測定を行うために使用する分析システムは,JIS B 8043-1で規定したものでよい。受渡当事者間の

合意がある場合には,その他の方法を使用してもよい。 

独立した比較測定をプラントの引渡し項目の一部として行うことを考慮するのが望ましい。 

8.3 

精度試験及び検定方法 信頼性の高い測定を行うためには,機器が正常に作動していること,及び

分析中の試料がプラントから得られる代表的な試料であることを確認する必要がある。 

8.3.1 

機器の正常な機能 

8.3.1.1 

抽出システムに使用する場合,加熱されている部品,又は温度制御されている部品の温度は,規

定値内に保持する。 

8.3.1.2 

制限のある場合には,試料採取流量は,規定値内に保持する。 

8.3.1.3 

非抽出式流路監視計の送信器及び受信器の信号が不安定とならないことを確認する。 

通常,これは自動的に行われ,必要な場合には警報を発する。 

8.3.2 

検証試験 採取試料がプラントを代表する試料であることは,検証試験で確認することができる

(3.6.6参照)。この試験は,基本的には,ガス分析で求めた空燃比を,燃料及び空気の流量測定又はガス

タービンの性能線図から求めた空燃比と比較することである。空燃比は炭素又は酸素の消費から求めるこ

とができるが,いずれの方法においても,燃焼効率並びに燃料及び空気の組成は仮定する。 

排気中の炭素含有量は,二酸化炭素が炭素含有物として支配的であることから,二酸化炭素を測定する

ことによって求めることができる(ただし,3.6.6を参照)。しかし,二酸化炭素の測定は,必ずしも法的

には要求されないので,その場合には,前述したように,酸素濃度の測定によって空燃比を推定すること

ができる。 

備考 ダクト系への空気の流入(6.1参照)と同様に,測定システムへの空気の漏れ込みの可能性も測

定結果を無効とする。このため,試験を実施する前に試料を取り扱うシステムの漏えい(洩)

試験を実施することが望ましい。 

8.4 

ドリフト試験 すべての形式の測定システムは校正を必要とする。抽出式監視計及び非抽出式点監

視計は,校正用ガスが必要である。 

非抽出式流路監視計は,製造業者の推奨する方法に従って校正することが望ましい。非抽出式流路監視

計は比較セルを必要とする。すなわち,計器の光路中に校正用ガスを入れた比較セルを置き,排気の影響

を排除するように配置する。別の方法として,電子的な校正方法も使用できる。非抽出式監視システムは,

8.2で述べたように,少なくとも1年に1回は,抽出式監視システムと対比して点検する必要がある。 

ゼロドリフト及びスパンドリフトは定期的な点検が必要である。いずれかの値が,計器の使用している

目盛範囲の±2%を超える場合は,測定されたデータのレベルが最も大きくなるような校正を基準とした測

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12 

B 8043-2 : 2000 (ISO 11042-2 : 1996) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

定値を示さなければならない。この場合,その計測データは再処理する必要がある。 

8.5 

校正頻度 ゼロドリフト及びスパンドリフトが許容範囲内にあることを実証できれば,校正は月ご

とに実施すればよい。それ以外の場合には,ゼロドリフト及びスパンドリフトが8.4で規定した許容範囲

を超えないように校正の頻度を決めることが望ましい。 

8.6 

校正用ガスの供給 校正用ガスを使用する場合,装置の作動には,標準ガスの連続した供給が必要

である。ガスはJIS B 8043-1に従って,適切な品質記録の管理のもとに供給しなければならない。 

備考 ある種の混合ガスでは,その寿命は限られているため,それが経過した後の精度は保証できな

いことに留意することが望ましい。これについては,個々の容器の質と取扱方法によるところ

が大きいので,ガス供給者からの助言を求めることが望ましい。 

8.7 

保全 一般的に,すべての装置については,この規格で詳述した性能を満足するのであれば,装置

製造業者の推奨に従った保全を行うことがよい。 

規定された標準性能から外れ,そのために予定外のメンテナンスが必要となる機器の故障は,別途合意

のない限り,72時間以内に復旧しなければならない。 

定期的なメンテナンスのために許容される停止時間は,どのような場合であっても,1週間以内とする。

12か月間には最大2回の停止が許される。定期的な停止時間及び予定外の停止時間の合計は,ガスタービ

ンの通常運転時間の10%を超えてはならない。 

備考 − mf4は,燃焼器入口での燃料の流量を示す。 

− mg7は,タービン出口での排気の流量を示す。 
− Pは,正味軸出力を示す。 
− Tg6は,比較算定タービン入口温度を示す。 
− CRTは,陰極線管。 

図4 監視システムの構成の例 

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13 

B 8043-2 : 2000 (ISO 11042-2 : 1996) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図5 自動データ収集処理システムのフローチャートの例 

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14 

B 8043-2 : 2000 (ISO 11042-2 : 1996) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図6 監視及び比較測定用機器の配置の例 

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15 

B 8043-2 : 2000 (ISO 11042-2 : 1996) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

備考 −NOxは,湿り又は乾きのいずれでも測定できる。 

− 省略記号の説明は,表1参照。 

図7 ガス成分の測定システム 

16 

B 8043-2 : 2000 (ISO 11042-2 : 1996) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A(参考) 関連規格 

[1] ISO 3977-1 : 1997, Gas turbines−Procurement−Part 1:General and definitions 

[2] ISO 3977-2 : 1997, Gas turbines−Procurement−Part 2:Standard reference conditions and ratings 

[3] ISO 5725-1 : 1994, Accuracy (trueness and precision) of measurement methods and results−Part 1:General 

principles and definitions 

[4] ISO 7168 : 1985, Air quality−Presentation of ambient air quality data in alphanumerical form 

[5] ISO 9096 : 1992, Stationary source emissions−Determination of concentration and mass flow rate of 

particulate material in gas-carrying ducts−Manual gravimetric method 

[6] ISO 10155 : 1995, Stationary source emissions−Automated monitoring of mass concentrations of particles−

Performance characteristics, test methods and specifications 

17 

B 8043-2 : 2000 (ISO 11042-2 : 1996) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS B 8043(ガスタービン−排気排出物)原案調査委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

○ 田 中 英 穂 

東京大学(名誉教授) 

(主査) 

○ 青 木 千 明 

日本内燃機関連合会 

(幹事) 

○ 池 上 寿 和 

三菱重工業株式会社原動機事業本部タービン技術部 

(委員) 

有 賀 一 郎 

千葉工業大学工学部 

井 口   泉 

元防衛大学校 

大 嶋 清 治 

工業技術院標準部 

内 山 芳 忠 

工業技術院機械技術研究所エネルギー部 

川 口   修 

慶應義塾大学理工学部 

○ 田 丸   卓 

科学技術庁航空宇宙技術研究所 

橋 本 繁 晴 

財団法人日本規格協会技術部 

平 岡 克 英 

運輸省舶技術研究所機関動力部 

本 間   清 

工業技術院標準部 

相 沢 善 吾 

東京電力株式会社火力部 

井 上 新 二 

社団法人火力原子力発電技術協会調査局 

浦 野 稔 之 

東京電力株式会社火力部 

鈴 木 教 太 

電気事業連合会工務部 

○ 花 島   脩 

石油連盟技術環境部(昭和シェル石油株式会社研究開発

部) 

深 田 智 久 

財団法人電力中央研究所秘書室 

保 科 幸 雄 

社団法人日本内燃力発電設備協会技術部 

○ 三 賢 憲 治 

東電設計株式会社火力本部 

村 地 哲 寿 

日揮株式会社プロジェクトシステム本部 

加 藤   剛 

日立造船株式会社技術研究所 

○ 河 田   修 

株式会社富士電機ガスタービン研究所 

○ 塩 見   肇 

株式会社東芝火力プラント技術部 

○ 鈴 木 章 夫 

石川島播磨重工業株式会社陸舶ガスタービン事業部 

○ 巽   哲 男 

川崎重工業株式会社汎用ガスタービン事業部 

○ 手 島 清 美 

三井造船株式会社エネルギープラント事業部 

西 原 昭 義 

ヤンマーディーゼル株式会社特機事業本部開発部 

毛 利 幸 雄 

株式会社新潟鉄工所原動機事業部 

○ 安 田 耕 二 

株式会社日立製作所火力事業部火力技術本部 

○ 吉 川 修 平 

富士電機株式会社富士シーメンス・エネルギーシステム

推進本部 

○ 龍   重 法 

株式会社堀場製作所東京セールスオフィス 

(関係者) 

○ 中 林 賢 司 

工業技術院標準部 

○ 三 塚 隆 正 

財団法人日本規格協会技術部 

○ 遠 井 充 子 

株式会社東芝火力プラント技術部 

(事務局) 

○ 丸 山 倉 平 

日本内燃機関連合会 

備考 ○印は,分科会委員を兼ねる。