(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,日本内燃機関連合会(JICEF)/財団法人日本
規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査
会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO/DIS 3977-6,Gas turbines―
Procurement―Part 6 : Combined cyclesを基礎として用いた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS B 8042-6には,次に示す附属書がある。
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
JIS B 8042 の規格群には、次に示す部編成がある。
JIS B 8042-1 第1部:一般事項及び定義
JIS B 8042-2 第2部:比較基準条件及び定格
JIS B 8042-3 第3部:設計要求事項
JIS B 8042-4 第4部:燃料及び環境
JIS B 8042-5 第5部:用途−石油及び天然ガス工業用
JIS B 8042-6 第6部:コンバインドサイクル
JIS B 8042-7 第7部:技術情報
JIS B 8042-8 第8部:検査,試験,据付及び完成
JIS B 8042-9 第9部:信頼性,稼動性,保全性及び安全性
B 8042-6:2003 (ISO DIS 3977-6:2000)
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 2
3. 定義 ······························································································································ 2
3.1 コンバインドサイクル (combined cycle) ·············································································· 2
3.2 コンバインドサイクルの主な構成例 ················································································· 2
3.3 装置 ··························································································································· 2
3.4 サイクル又は装置の構成 ································································································· 3
4. コンバインドサイクル用プラント特定条件 ··········································································· 4
5. コンバインドサイクル比較基準条件 ···················································································· 4
6. 定格 ······························································································································ 5
6.1 全般 ···························································································································· 5
6.2 標準定格 ······················································································································ 5
7. 主要装置 ······················································································································ 6
7.1 規格 ··························································································································· 6
7.2 供給範囲 ······················································································································ 6
7.3 要求事項 ······················································································································ 7
8. コンバインドサイクルプラントの運転条件 ·········································································· 16
9. 制御及び保安装置 ··········································································································· 17
10. 環境への影響 ·············································································································· 17
10.1 全般 ························································································································ 17
10.2 水に対する排出熱の影響 ······························································································· 17
10.3 可視排出物 ················································································································· 17
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ···································································· 26
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 8042-6:2003
(ISO DIS 3977-6:2000)
ガスタービン―調達仕様―
第6部:コンバインドサイクル
Gas turbines―Procurement―Part6:Combined cycles
序文 この規格は,2000年に発行されたISO/DIS 3977-6,Gas turbines―Procurement―Part6 : Combined cycles
を翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変
更の一覧表をその説明を付けて,附属書(参考)に示す。
1. 適用範囲 JIS B 8042の各部は,ガスタービン及び関連補機又はコンバインドサイクルプラントを購
入者(1)が製造業者(2)から調達しようとするときに必要な,主として技術的な情報に関する基準とな
る指針について規定する。特殊用途用ガスタービンに対する追加的な要求事項は,この国際規格の第5部
に規定する。さらに,この規格は,購入に際しての指針と技術情報を提供する。
注(1) ガスタービンなどの使用者又は購入の責任をもつ契約者。
(2) ガスタービンなどの製造業者又は供給の責任をもつ契約者。
JIS B 8042の各部は,異なった環境への要求及び安全性への要求に調和した見積書を提出するための基
本的事項を規定する。JIS B 8042の各部は,可能な場合に,これらの要求事項に適合しているかどうかを確
認するための基準について規定する。この規格は,当該設備に適用される国又は地方の法規制に優先する
ものではない。
JIS B 8042の各部は,開放系で作動する単純サイクル,コンバインドサイクル及び再生サイクルガスタ
ービンに適用する。この規格の関連する部分は半開放サイクルにも適用してよい。
なお,適切な修正を加えることによって,次のものに適用してもよい。
a) フリーピストンガス発生機又は特殊な熱源(例えば,化学プロセス,過給ボイラの火炉,原子炉)を
用いるガスタービン。
b) 助燃式コンバインドサイクル,再燃式コンバインドサイクルプラント,その他のコンバインドサイク
ルプラント(例えば,コージェネレーションプラント)。ただし,航空機,建設機械,農・工業用トラ
クタ及び自動車を駆動するために用いるガスタービンには適用しない。
この規格は,非助燃コンバインドサイクルだけに適用する。 また,新設のユニットを含む既設ガスター
ビンを流用した蒸気サイクルのレトロフィット,又は1台若しくは複数台のガスタービンを追加して行う
既設の蒸気サイクルのリパワリングにも適用する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide21に基づき,IDT(一致している),MOD(修
正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO/DIS 3977-6,Gas turbines―Procurement―Part6:Combined cycles (MOD)
2
B 8042-6:2003 (ISO DIS 3977-6:2000)
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2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格のうちで発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構成
するものであって,その後の改定版・追補には適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その最
新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0128 火力発電用語―ガスタービン及び附属装置
JIS B 8042-1 ガスタービン―調達仕様 ― 第1部:一般事項及び定義
備考 ISO 3977-1:1997, Gas turbines ― Procurement ― Part 1:General introduction and definitionから
の引用事項は,この規格の該当項目と同等である。
JIS B 8042-2 ガスタービン―調達仕様―第2部:比較基準条件及び定格
備考 ISO 3977-2:1997, Gas turbines ― Procurement ― Part 2:Standard reference conditions and
ratingsからの引用事項は,この規格の該当項目と同等である。
JIS B 8042-3 ガスタービン ― 調達仕様 ― 第3部:設計要求事項
備考 ISO/DIS 3977-3, Gas turbines ― Procurement ― Part 3:Design requirementからの引用事項は,
この規格の該当項目と同等である。
JIS B 8042-4 ガスタービン―調達仕様―第4部:燃料及び環境
備考 ISO/FDIS 3977-4, Gas turbines ― Procurement ― Part 4: Fuels and environmentからの引用事
項は,この規格の該当項目と同等である。
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。コンバインドサイクルに特有でない関連用語
の定義は,JIS B 0128及びJIS B 8042-1による。
3.1
コンバインドサイクル (combined cycle) 一基以上のガスタービン(トッピングサイクル)及びボト
ミングサイクルで構成する装置。ボトミングサイクルでは,排熱回収装置で蒸気を発生させ,動力にはプ
ロセスヒートを供給する。
3.2
コンバインドサイクルの主な構成例
3.2.1
非助燃コンバインドサイクル (unfired combined cycle) コンバインドサイクルのうち,排熱回収装
置に助燃を行わないもの。
3.2.2
蒸気噴射ガスタービンサイクル (steam injected gas turbine cycle) 出力を増加させる目的若しく
は排気中の窒素酸化物(NOx)を減少させる目的又はこの両方の目的で,発生した蒸気の一部又は全部をガス
タービンの作動流体へ噴射する複合熱力学的サイクル(付図2参照)。
3.2.3
コージェネレーション (cogeneration combined cycle) コンバインドサイクルのうち,ボトミング
サイクルからプロセスヒートを供給する複合熱力学的サイクル。
備考 このサイクルは,加熱を目的として下流側のプロセスで熱を利用する熱電併給[CHP(combined
heat and power)]サイクルとも呼ばれる。
3.3
装置
3.3.1
排熱回収装置(HRSG) ガスタービンの排気の熱エネルギーを回収する熱交換器などの装置。排
熱回収ボイラの場合には,一つ又は複数の圧力レベルに対応する蒸発器をもつ。ある圧力レベルに対して,
複数の蒸発器を備えることもあり,前後に節炭器,過熱器を附属することがある。
備考 主要な設計オプションは(付図4参照),
− 蒸発器での水/蒸気が強制循環によるもの(縦型の場合が多い)
3
B 8042-6:2003 (ISO DIS 3977-6:2000)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
− 蒸発器での水/蒸気が自然循環によるもの(横型の場合が多い)
− ドラムのない構造で,蒸発が節炭器と過熱器を貫流して行われるものである。
3.3.2
バイパス煙突 (bypass stack) 排熱回収装置の入口にも設置する煙突で,蒸気ボトミングサイクル
を運転しないでガスタービンのシンプルサイクル運転をする間,ガスタービンの排気を大気へ放出する(付
図2参照)。
3.3.3
バイパスダンパ (bypass damper) ガスタービンのシンプルサイクル運転を可能とするために,ガ
スタービンの排気の出口をバイパス煙突(又はバイパスダクト)又は排熱回収装置のどちらかに切り替え
るための,一つ又は複数のダンパ(付図5参照)。
3.3.4
選択還元触媒装置(Selective Catalytic Reduction, SCR) 排気中の窒素酸化物(以下,NOXという)
NOXと注入したアンモニアとを化学反応させ,これらを窒素及び水に変えることによって,NOXを低減す
る装置。
備考 SCRは,有効に反応する温度の範囲,制限を考慮してHRSG内の設置位置を決める(付図6参
照)。
参考 触媒には,一般的に還元触媒及び酸化触媒があるが,ガスタービンにおける窒素酸化物の低減
には通常,還元触媒が用いられるため,“触媒脱硝装置”と簡略化して呼ばれる。
3.4
サイクル又は装置の構成 次に示す構成は,多様な計画可能例の一部だけを,理解のために示すも
のである。
装置の構成と熱サイクルの構成との組合せによって,あらゆる組合せが可能である。したがって,次の
例は,理解するための補助的情報であって,決して制限を与えたり優先度を示すものではない。
3.4.1
HRSGの圧力レベル (pressure level of HRSG) HRSGの蒸発器が運転される圧力レベル。
3.4.2
単圧式コンバインドサイクル (single-pressure steam combined cycle) 一つの圧力レベルだけで蒸
気を発生する複合熱力学的サイクル(付図1参照)。
備考 このサイクルは最も単純な蒸気ボトミングサイクルである。
3.4.3
複圧式コンバインドサイクル (multi-pressure steam combined cycle) 複数の圧力レベルで蒸気を
発生する複合熱力学的サイクル(付図3参照)。
備考 このサイクルは,熱回収量,技術的要求,経済的効率最適化の程度に応じて計画される,より
複雑な蒸気ボトミングサイクルである。
参考 主蒸気系統の圧力レベルが二つ又は三つの場合を,二重圧式又は三重圧式ともいう。
3.4.4
蒸気再熱式コンバインドサイクル (reheat steam combined cycle) 蒸気膨張過程の圧力の下がった
ところで,蒸気を再加熱する複合熱力学的サイクル。
備考 このサイクルは,プラント効率の向上が経済上有意義である場合に,複圧蒸気発生装置と組合
わせて適用される(付図7参照)。
3.4.5
一軸形コンバインドサイクル (single-shaft combined cycle) コンバインドサイクルで,ガスタービ
ンと蒸気タービンとが共通の発電機を駆動する方式のもの(付図8参照)。
3.4.6
多軸形コンバインドサイクル (multi-shaft combined cycle) コンバインドサイクルプラントで,ガ
スタービンと蒸気タービンとがそれぞれ別の発電機を駆動する方式のもの。
備考 この配列は2台以上のガスタービン/HRSGと1台の蒸気タービンの接続を可能とする。
4
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4. コンバインドサイクル用プラント特定条件 コンバインドサイクルで,蒸気サイクルは,ガスタービ
ンの排気中の熱を利用する。排気熱の効率的かつ経済的な利用は,基本の熱力学だけでなく様々なサイク
ル構成要素に特定かつ固有の特性に大きく影響される。
したがって,購入者は,評価項目及び要求仕様を提示し,最適な蒸気サイクルとそのパラメータについ
ては,製作者の経験と実績に基づく選択に任せるようにするのが望ましい。この選択肢には,蒸気タービ
ンの形式,単圧か復圧かの選択,蒸気サイクルの構成及び蒸気タービンの背圧を含む。
購入者があるパラメータ又は特定の構成を希望する場合には,購入者は,これを明確に指定する。
サイクルの境界及び供給範囲に関して,購入者は,購入者が指定すべきデータをすべて明示する。
プラントの性能を評価するために,購入者は,比較基準条件とは異なる通常の設計条件,現地条件又は
その他の指定した条件を明確に示さなければならない。このような条件設定の必要性は,蒸気サイクルの
コールドエンドに当てはまる。例えば,実際の標準条件を適用すれば,不適切なタービンの設計,そして
結果的に蒸気タービンの設計点を外れた点での運転につながる。
ガスタービンの排気のエネルギー量は排ガスの流量,温度及び組成で決定される。これらのパラメータ
は,選択されるガスタービンの形式,負荷,燃料の種類,蒸気又は水噴射の有無,ガスタービン吸排気の
圧力損失及び周囲条件,すなわち,大気温度,気圧及び相対湿度に依存する。
蒸気側の吐出状態は,定められた又は選択された復水システム及び冷却媒体の温度によって大きく変化
する。購入者は,供給者に冷却システム及び現地条件について次の情報を提供する。
a) 直接水冷却(淡水,海水)
冷却水の分析値,許容最大冷却水循環量,冷却水入口温度範囲及び設計温度,最大許容冷却水出口温
度及び/又は最大許容冷却水温度上昇値,もしあれば混合領域の指定。
b) 冷却塔による再循環冷却(湿式又は複合式)
大気の状態及び補給水の水質分析値
c) 空気冷却
大気の状態(温度,圧力及び湿度),最低,最高及び平均の設計値
5. コンバインドサイクル比較基準条件 比較基準条件を規定することには,利点が多い。コンバインド
サイクルプラントの基準出力,基準効率,基準熱消費率及び基準熱消費量についての(例えば,カタログ
用の)比較基準条件を表1及び表2に示す。
コンバインドサイクルの供給者は,コンバインドサイクル性能計算のために,表1に示す条件を比較基
準大気条件として使用するのが望ましい。
コンバインドサイクルの構成が決まっていないか,又は他の目的のために第三者がコンバインドサイク
ルの性能を計算する場合には,表1に加えて表2に示す装置及びサイクル各部の作動状態値を代表的な値
として使用することが望ましい。計算数値は,“比較基準条件におけるコンバインドサイクルの性能”とし
て表示するのがよい。
表1及び表2に示す値は,特定のプロジェクトの現地状態,要求条件及びサイクル最適化に対して適用
するものではない。
ボイラ・ピンチポイント,アプローチ温度などの装置設計パラメータの詳細は,サイクル全体の設計当
事者及び主要機器の供給者に委ねるのがよい。
単純比較では,外部からコンバインドサイクルプラントへ供給する燃料ガスの圧力は,コンバインドサ
イクル供給者の要求を満たしているとみなす。
5
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表1 比較基準周囲条件
項目
単位
条件
大気圧
周囲温度
相対湿度
冷却水温度
kPa
℃
%
℃
101.3
15
60
15
表2 比較基準の為のプロセス条件
ガスタービン吸気及び
排気圧力
単位
供給者が指定する値
ボイラ状態
kPa
%
%
%
単圧
復圧
三重圧
圧力損失(ガス側)
2.5
3
3.3
煙突出口での排気圧力
地表で101.3 kPaと一致すること
熱損失(交換熱量に対する割合,一様分布)
1
1
1
質量損失(ガス側)
バイパスがない場合
0
0
0
バイパスがある場合
0.5
0.5
0.5
ボイラ給水温度
(節炭器入口)
ガス燃焼(100 %CH4)
℃
50
50
50
油燃焼(軽質油)
℃
130
130
130
蒸気タービン
排気圧力
kPa
4.0
プロセス蒸気状態
特定のプラントごとに指定
発電機 力率
0.85
補機動力
%
2
6. 定格
6.1
全般 非助燃コンバインドサイクルプラントの定格は,ガスタービンサイクル並びに蒸気サイクル
及びそれに関連するパラメータによる。
例えば,バイパス煙突を用いてガスタービンを単独で運転する場合には,この運転モードでのガスター
ビンの定格は,JIS B 8042の第2部の定義による。
コンバインドサイクルの定格出力,定格熱消費率及び定格蒸気発生量は,規定の現地条件による。した
がって,現地条件においてガスタービンの連続運転が可能な最大出力(ベース負荷出力)を算定の基礎と
して,全電気出力を定める。それゆえ,グリッドの負荷などの特殊な要因によって最大出力が制限される
場合又は排熱回収装置で助燃を必要とする場合若しくは許容する場合には,ガスタービンは必ずしもベー
ス負荷出力で運転しないので,それらの条件が明確にならないと定格出力が決められない。
6.2
標準定格 供給者は,比較基準として,5.に示す比較基準条件における正味出力に基づいたコンバイ
ンドサイクルの標準定格を提示することができる。正味出力とは,主変圧器の二次側における電気出力を
いう。
正味熱利用率(net utilization rate, NUR)は,次の式によって算出する。
6
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
cyc
in
out
el
Q
Q
Q
P
NUR
)
(
−
+
=
ここに,NUR:正味熱利用率
Pel :グリッドに送る正味電気出力(kW)
Qout :プロセスに供給する全熱流量(kW)
Qin :プロセスから戻る蒸気の全熱流量(kW)
Qcyc :サイクルへ供給する,真発熱量に基づく熱流量(kW)
有効エネルギー(エクセルギー)に基づく有効効率(エクセルギー効率)は,次の式によって算出する。
f
q
el
E
E
P
EE
+
=
ここに,EE:エクセルギー効率
Eq :プロセスヒートのエクセルギー量(kW)
Ef :燃料のエクセルギー量(kW)
標準の燃料の種類及びベース負荷出力に制限されるガスタービンの運転モードは,単純サイクルに対す
るものとする。
コンバインドサイクルの蒸気側単独では, ガスタービンの標準排気条件が定義されないので,標準定格
出力は指定できない。
7. 主要装置
7.1
規格 コンバインドサイクルシステムは,幾つかの異なる装置について統合した設備である。
これらの個々の装置に適用される特定の規格は,設計,材料などを規定する必要がある。コンバインド
サイクルプラントの引合いの際には,適用する規格を指定する。
これらの規格の多くが特にコンバインドサイクルに言及していないので,基本的な要求事項をあらかじ
め決めておくことが,これらの装置特有の規格を適切に使用するのに有効である。
7.2
供給範囲 供給範囲は,購入者の要求,すなわち,現地条件並びに蒸気サイクル及び復水装置の形
態によって大きく変化することがある。ただし,ユニットとして機能する統合された設備であることを確
保するための最小限度の供給範囲は含める。
コンバインドサイクルプラントは,次の装置を含む。ただし,これに限定されるものではない。
− ガスタービン(バイパス煙突及びバイパスダンパーを含む)及びガスタービンが駆動する発電機
− 排熱回収装置(必要であれば,排気排出物低減用触媒を含む)
− 蒸気タービン及び蒸気タービンが駆動する発電機(発電機がガスタービン発電機と共通でない場合)
− 復水装置(脱気装置を含む)
− 復水循環装置
− 給水貯蔵装置及び給水装置(脱気装置が復水装置又は排熱回収装置に組み込まれていない場合には,
脱気装置を含む)
− 制御及び保護装置
− 配管及び弁
− コンバインドサイクルプラントを適切に起動・停止するための装置
− 電気設備(変圧器,スイッチギア,その他)
− 防火装置
7
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供給範囲を複数の供給者で分割する場合には,次の所掌区分が考えられる。
− ガスタービン(バイパス煙突及びバイパスダンパーを含む)及び発電機
− 蒸気系統のすべて,すなわち,排熱回収装置,蒸気タービン,復水器,その他の蒸気・水系統の機
器及び制御装置(空冷式復水器を使わない場合には,冷却水装置は蒸気系統の供給範囲に含めても
含めなくてもよい。)
− 付属装置
− 土木工事
− 発電所電気設備(スイッチギヤ,変圧器,ケーブル)
この区分は,予想される段階的な建設と単純サイクルガスタービンを後にコンバインドサイクルへ拡張
する場合を考慮している。
さらに,次のような区分も考えられる。
− 復水器は蒸気系統の一部と考えるよりも,むしろ単独供給品又は冷却水装置の一部と考えてもよい。
− 蒸気タービンは,水・蒸気系統から独立させて単独の供給品目と考えてもよい。
7.3
要求事項 装置の設計要目,材料の選択などは,特定の用途によって影響される。
コンバインドサイクルプラントの全体的な設計及び運転方法が,主要装置に対する固有の要求事項を定
める。
次に示す装置に対する要求事項は,一つの指針として意図したものであり,その用途特有のプラント構
成に合わせて変更してもよい。
7.3.1
主要装置
7.3.1.1
ガスタービン ガスタービン制御装置は,プラントの体系的制御装置の一部として容易に組み込
めるように計画する。
最低負荷は,購入者が環境上の配慮,規制及びグリッドからの要求を考慮して決定し,ガスタービンは
この最低負荷とベース負荷との間で部分負荷運転することが予測される。
7.3.1.2
排ガスバイパスダンパ 例えば,単純サイクルとコンバインドサイクルとの切替えができるよう
な,運転の柔軟性を向上させるために,排ガスバイパスダンパを使用してもよい。排ガスバイパスダンパ
は,単に,排熱回収装置のガス流路の保全作業を容易にすることだけを意図したものではない。そのよう
な保全作業のためであれば,単に流路を閉鎖するための板を取り付ければよい。
排ガスバイパスダンパは,その設計(シングルフラップ,マルチ・フラップ又はルーバ)にかかわらず,
ガスタービンに過大な背圧がかかるのを避けるために,常に十分なガス流量を確保できるものでなければ
ならない。
蒸気・水系統に緊急事態が起きた場合に単純サイクル運転に切り替えるための駆動装置は,すばやく動
作するものにする。油圧駆動装置の場合には,作動油が引火して火事になるの防ぐための十分な対策を施
す。
7.3.1.3
バイパス煙突 サイクル構成上又は購入者の要求がある場合には,バイパス煙突を設置し,周囲
の環境への影響を考慮して寸法を決定する。
バイパス煙突からの排出ガスが(例えば,主要なプラットフォーム上に流れるなどして)プラントに悪
影響を及ぼさないようにする。
煙突は,適切なドレン系統に導かれるドレン機構を備える。受渡当事者間で合意した場合には,耐候性
の煙突を供給する。
8
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7.3.1.4
排熱回収装置ボイラ 排熱回収装置は,その設計にかかわらず,購入者の定義した通常運転に,
制限なしに追従できるようにする。
排熱回収装置に対する保護動作は,最少限とする。可能な限り,ガスタービンの制御された運転停止動
作又は単純サイクル運転への移行動作(排ガスバイパスダンパを装備しているとき)をガスタービンの非
常停止動作に優先する。
安全弁は,各圧力レベルでの全蒸気量を排出できるように容量を決める。
流体の温度が硫酸腐食を避けるために不適切である場合には,排熱回収装置の供給者は,過度の腐食を
避けるための十分な対策を施す。
熱伝達の設計では,ガスタービンの排気における非定常で乱れのあるガスの流れ及び温度分布への適応
も考慮する。
蒸気温度を蒸気配管及び蒸気タービンの設計上の限界内に保つために必要な温度調節装置を供給する。
排気排出物低減触媒が必要な場合,触媒の適切な配置(例えば,熱交換部分で適切な温度範囲に置くこ
と)については,排熱回収装置の供給者が決定する。
7.3.1.5
煙突 煙突は,周囲の環境への影響を考慮して寸法を決める。
煙突の高さは,仕様書及び国又は地方の規制に従う。
煙突は,適切なドレン系統につながる十分なドレン機構を備える。供給者と購入者が合意した場合には,
雨除けダンパを供給する。
7.3.1.6
蒸気タービン 蒸気タービンは,ガスタービンの負荷変動及びプロセス用,NOX低減用などの抽
気蒸気の流量変動による蒸気条件の変化に追従するように設計する。
蒸気タービンは,単一又は複数圧力の蒸気取入れ口をもつ定圧又は変圧運転,再熱又は非再熱,抽気又
は無抽気などのサイクル設計要求に対応した設計をしてもよい。
蒸気タービンは,ガスタービンに指定された大気温度範囲内での,最小連続負荷から最大負荷までの運
転中に起きる最も厳しい条件で設計する。最大許容条件を超えないように,計算蒸気量と実際の蒸気量の
差を考慮するための幾らかの裕度を与える。
蒸気タービンの出力軸とガスタービンの出力軸を同じ軸心上に配列し,共通の発電機を直接又は歯車を
介して駆動してもよい。
蒸気タービンの制御装置は,プラント全体の自動化と電気系統に関する要求に従い,完全にプラントの
制御システムに統合する。
7.3.1.7
蒸気バイパス装置 すべての通常運転モード,例えば,起動,停止,蒸気タービンを使用しない
過渡運転又は蒸気量が蒸気タービンの容量限界に達する場合などのために,蒸気量制御のための十分な機
器及び対策を備えて,安全弁が作動しないようにする。
装置は,正常運転時,蒸気が蒸気タービンをバイパスすることによって,動力損失と総合効率の低下を
防ぐため,極力漏れの少ないようにする。蒸気をバイパスさせて運転する場合には,騒音,熱及び装置に
対する設計要件を考慮して,その運転時間を極力短くする。蒸気タービンを使用しない運転に対する要求
については,購入者が慎重に検討した上で指定する。
7.3.1.8
復水装置 空冷又は水冷の復水装置は,プラントの運転仕様のどの負荷においても,伝達される
すべての熱を吸収できるようにする。蒸気タービンをトリップさせることなしに,蒸気を復水器にバイパ
スさせる最悪の場合を含む。
空冷の装置の場合には,空気ファンは,経済的な運転をするため,段階的又は連続的に0〜100 %の速度
制御をしてもよい。寒冷時の運転で凍結しないように十分な対策を施す。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
また,サイクルの設計に適合するレベルまで復水の脱気を行う機構を備える。
7.3.1.9
復水器空気抽出器 この装置は,起動中及び通常運転中に,復水器の内部全体を真空にできるも
のにする。
ガスタービン及び排熱回収装置の起動操作に遅れをきたすことなく,復水器内を適度な真空状態にでき
る十分な容量のものを備える。
空気抽出器の設計容量は,次に対する評価を考慮して決める。
− 復水器でステンレス又はチタンの管を使用するときは,プラントの50 %負荷における冷却媒体の条
件
− 銅合金の管を使用するときは,プラントの最小連続負荷における冷却媒体の条件
装置の冗長性は,プラントに対する信頼性要求に従うか,又は受渡当事者間の合意によって決定する。
7.3.1.10 復水系統 復水系統は,プラントの最大連続負荷運転条件での復水量の全量を下流の容器,例え
ば,給水タンク又は低圧ドラムへ移送する能力をもたせる。
ポンプの冗長性は,プラントに対する信頼性要求に従うか,又は,受渡当事者間の合意によって決定す
る。
呼称容量は,プラントの通常起動から停止までの最大負荷運転条件におけるものと考える。
7.3.1.11 給水タンク/脱気器 例えば,給水の補給,緩衝用ボリュームの確保などのために,給水タンクが
必要と考えられる場合には,給水タンクは,薬剤が給水に溶け込むための時間が確保できるように十分な
容量をもつようにする。
脱気器が給水タンクに組み込まれている場合,脱気効率は,そのサイクルに適用する薬剤投入方法に適
合するようにする。
7.3.1.12 給水系統 ポンプの冗長性は,プラントに対する信頼性要求に従うか,又は,受渡当事者間の合
意によって決定する。
抽気又は絞りを追加することによって,複数の箇所へ給水することが考えられる。
ポンプは,サイクル構成及び適用される国の規制に従った給水量をドラムへ給水する。給水量は,ほか
に指定のない限り,過渡状態を満足するために,最大連続流量の110 %以上とする。安全弁が吹いている
ときは,ガスタービンを無負荷にするか又はバイパスダンパの排熱回収装置側を閉じることを前提とする。
7.3.2
補機装置
7.3.2.1
液体燃料の貯蔵装置 貯蔵能力は,プロジェクトの運転上の必要性を考慮して,受渡当事者間で
合意する。
次の容量をガイドラインとし,特に指定のない場合には,このガイドラインによる。
− 軽質蒸留油がバックアップ燃料とみなされるときは,2日分の消費量の貯蔵能力をもつ。
− 軽質蒸留油を主燃料として使う場合には,輸送供給の制限を考慮して8時間5回の運転から,24時
間7回分の運転を可能にする範囲の設備容量をもつものにする。このとき,燃料の供給停止及び十
分な水分の分離を考慮した裕度をとる。
重油を燃料とする場合には,汚い油と清浄な油のために別個の貯蔵能力をもつ必要がある。清浄な油に
対する容量については,軽質蒸留油の場合と同様な考慮をする。
液化プロパンガス(LPG),液化天然ガス(LNG)及びナフサを燃料として使用する場合には,輸送,貯
蔵及び供給について特別な注意が必要である。これらについては,この規格では,規定しない。
火災などの危険を防止するために,ガスタービンのすぐ近くに燃料小出槽を設置することは,推奨でき
ない。
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7.3.2.2
液体燃料処理装置 液体燃料処理装置は,消費量について十分な裕度をもって設計する。
燃料油処理は,オンラインでは行わないようにする。ただし,重油を燃料とする場合の腐食防止用添加
剤の添加処理を除く。
7.3.2.3
液体燃料移送装置 燃料油移送装置は,高い稼動性を確保できるものにする。
この点に配慮し,ポンプの冗長性は,プラントの信頼性に対する要求又は受渡当事者間の合意によって
決定する。
7.3.2.4
ガス燃料供給装置 一般に次のものは,供給者の供給範囲とする。
− ガスフィルタ
− 凝縮液分離器
− 冗長性をもつ減圧装置(供給ガス圧力が高すぎる場合)
− 圧縮装置(供給ガス圧力がガスタービンに低すぎる場合)
− 燃料ガス加熱器(ガスタービン供給者の燃料ガス過熱度の推奨値に適合させるのに必要な場合)
供給範囲は,国によって異なることがあるので,確認の上,受渡当事者間で合意する。
供給者は,ガスタービンの台数及び容量並びにガス圧縮機の設計及び形式を考慮し,適切な形態を選定
するか又は購入者との合意によって選定する。
7.3.2.5
脱塩水貯蔵装置 特に,脱塩水の品質と供給の強い変化要因及び/又は種々の還流が考えられる
場合には,脱塩水の品質及び供給の安定化と均質化のために,脱塩水タンクを使用する。
脱塩水貯蔵タンクの容量は,少なくとも2日分,最大2週間分を上限とする。このとき,ブローダウン,
漏れ,ガスタービンのベース負荷でのNOX制御用水噴射,ガスタービン出力増加用水噴射及びプロセス蒸
気の抽出を考慮して決める。タンクの材質は,耐食性のものとする。
7.3.2.6
原水貯蔵装置 少なくとも5時間運転分の原水を予備として貯えるのがよい。この予備量は,供
給の信頼性を考慮して決定する。ただし,消火用水は考慮に入れない。
7.3.2.7
水処理装置 水処理装置の正味容量は,サイクルの構成形態と推定損失とから必要とされる定格
蒸気発生量に対する割合に依存する。それに加え,NOX制御用又はプロセス用などに使用する水又は蒸気
の抽出量の最大値を考慮する。
洗浄作業又は樹脂の交換に要する停止時間を十分に考慮する。
7.3.2.8
排水処理装置 海及び河川等への温排水の温度パラメータは,該当する水質規制基準に従い,環
境に対して無害なものにする。
危険物質又は環境に有害な物質を含む汚水の排出については,該当する水質規制基準に従う。
例えば,油のドレン,油分離器などからのすべての汚物は,周囲へ排出する前に十分に処理をして無害
にし,該当する規制基準に従う。排水の監視については,その地方の環境規制規則に従って実施する。
ガスタービンの圧縮機洗浄時の汚水を回収する適切な設備を備え,プラント運転員が安全に環境を損な
わないように廃棄できるようにする。
7.3.2.9
一次冷却系統 一次冷却系統は,サイクルからの排熱を吸収する主要な吸熱源である。それは,
通常,可能な範囲の最低冷却温度レベルに対する能力を備える。
− 一次冷却系統は,次のいずれかによる(付図9参照)。
− 貫流式
− 閉ループ(循環)式
− 両形式の組合せ
貫流式では,冷却水を水源(例えば,海,湖,川など)からくみ上げ,冷却水を使用する機器(例えば,
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復水器,冷却器など)へ圧送し,再び水源へ排出する。そこで,半無限量の水の中に最終的に排熱を放散
する。
閉ループ式では,冷却水を閉ループで循環する。最終的に,冷却塔(乾式,蒸発式,湿式又はこれらの
組合せ)で排熱を大気へ放散する。
排熱の全量を半無限量の水へ放散することが不可能で,一部を大気へ放散しなければならない場合には,
両形式の組合せを使用する(例えば,通常の冷却以外に,冷却水温度を極端に高める要因がある場合)。
冷却水ポンプの全容量は,すべての消費機器への必要流量に基づいて決定する。ポンプシステムの構成
は,すべての運転条件において安定して作動することを前提として,入手性,経済性及び信頼性を考慮し
て決定する。ポンプの吸い込み及び吐出場所での水位が変化する可能性に特に注意する。
冷却水移送配管の断面積は,経済的な配慮によって決定する。最初のアプローチとしては,配管中の冷
却水の流速は,2.5 m/s (最大2.8 m/s)と仮定する。ウォーターハンマーなどの過渡現象は,システム設計に
影響することがあるので,十分に注意する。
貫流形式では,次の点を考慮する。
− 冷却水の温度上昇は,経済性と環境に対する制限に基づいて決定する(通常,温度上昇は,7〜9 K
である。)。
− 貝類,藻類などの生物の繁殖は,冷却水系統の機能を阻害する。塩素処理,衝撃加熱などのような
化学的又は熱的処理の適用に当たっては,排水地点において許容範囲外の汚染を引き起こさないよ
うにする。
− 凍結防止に必要とする場合以外,排水地点の過熱された冷却水を系統の吸い込み口へ再循環するこ
とは避ける。再循環しないことを確認するため,流体力学的な検討をするのが望ましい。
− 冷却水は,主冷却水ポンプの上流で,例えば,バースクリーン,回転式又は静置式ストレーナなど
によって機械的に汚れをとる。
− 冷却水取入れ口の上流での流速は,沈降物の流入を最少にし,生物が系統内に流入することを防ぐ
ために,十分低くする(通常,冷却水取入れ口での流速は,0.2 m/s〜0.3 m/s程度である。)。
閉ループ式及び貫流・閉ループ組合式のシステムの場合には,次の点を考慮する。
− 冷却水の温度上昇値は,経済性と許容排出温度を考慮して決定する。
− 貝類,藻類などの生物の繁殖及びきょう(夾)雑物の濃度増大によるスケールの形成は,冷却系統
の機能を阻害する。塩素処理,衝撃過熱のような化学的又は熱的処理の適用に当たっては,排水場
所で許容範囲外の汚染を引き起こさないようにする。
− 冷却水の部分的な蒸発に起因する熱の発散によるきょう(夾)雑物(TDS)濃度の増大は,冷却水
を十分にブローダウンし,減量分を清浄な水で補うことで制御できる。TDS濃度上昇の許容値は,
補給水の分析値と適用する水処理方法による(通常,工業用補給水で汚濁度3〜7,海水では1.3〜
1.5,多くとも2.0を達成できる。)。
7.3.2.10 冷却塔 冷却塔は,大気中に排熱を放散するために用いる。冷却は,対流及びフィンなどからの
蒸発熱伝達によって行われる。
冷却塔で冷却される水などの冷却媒体は,直接大気と接触する(湿式冷却塔),この場合には,熱伝達は,
蒸発と対流による。冷却される流体と大気とが直接接触しない冷却塔は,乾式冷却塔という。乾式冷却塔
は,一般に,空気側に伝熱面としてフィン付きチューブを備えている。
両方の仕組みを組合せた複合式冷却塔では,温められた冷却流体は,まずフィン付きチューブを通って
から,冷却塔を循環する大気と直接接触する。
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冷却塔では,蒸発した冷却水が冷却塔の空気出口で白煙を生成することがあるが,ある場合には,この
現象が望ましくないか容認できないことがある。この現象は,複合式冷却塔では緩和され,乾式冷却塔で
はほとんど出ない。
冷却塔の通風は,ファンによる(強制通風式)か,又は冷却塔の空気の出入口温度差がもたらす自然の
ドラフト効果による(自然通風式)。
冷却流体の出入口温度差を“レンジ”といい,冷却流体の入口温度と冷却塔へ入る空気の湿球温度との
差を“アプローチ”という。乾式冷却塔の場合には,アプローチは,冷却流体の出口温度と冷却塔へ入る
空気の乾球温度との差をいう。
主として,レンジ及びアプローチが冷却塔のコストを決定する。冷却塔は,多くの区画に区分されるこ
とがある(セル形冷却塔)。
冷却塔を設計する際に十分考慮すべき主要な項目は,保全性,耐震性にも関係する構造の機械的健全性,
地耐力,周辺の地形及び構造物,卓越風の向き及び風荷重,冷却塔構成材料の化学物質による腐食,飛散
及び漏えいの抑制,並びにそれ自身又は近くの冷却塔からの高温空気の再循環の回避である。
7.3.2.11 密閉式冷却系統(補助系統) 一次冷却系統の水の温度,水質,利用できる量などの特性によっ
ては,ある装置を直接冷却できないことがある。
このような場合には,一般に適切な化学成分を調整して凍結防止を施した軟化水を冷媒とする,密閉式
冷却系統の使用を考慮する。熱負荷は,空冷式冷却器では直接空気へ,水冷式冷却器では一次冷却系統へ
と,熱交換器を通して周囲へ放出する。
系統の冷却能力を設計する際には,熱負荷及び冷却媒体(空気又は一次冷却媒体)温度の,同時に起き
る最大条件を考慮する。
系統内では,一次冷却水系統から密閉冷却水系統へ漏れないようにするとともに,蒸気泡が発生しない
ように,どの場所でも十分な圧力を保持する。
化学成分調整は,冷却水の損失が少なく,調整が長期間にわたって必要ではないので,手作業で行う。
薬品注入口には,薬品が淀んだり濃度が高くなりすぎたりしないで,冷却水に十分混合するような場所
を選ぶ。
7.3.2.12 雑用空気及び計装空気 雑用空気及び計装空気の供給を考慮しなければならない場合には,プラ
ントの信頼性に対する要求に適合するか,又は受渡当事者間で合意した構成のものにする。ただし,100 %
容量のものを2式とするのがよい。
雑用空気及び計装空気用に共通の装置を用いる場合には,計装空気を優先的に供給するようにする。
7.3.2.13 試料採取装置 適用する薬品処理方法に応じた,蒸気/水系統管理用の装置を備える。
採取口には,自動(連続)又は手作業で分析ができるように,必要に応じて採取した蒸気を凝結させ冷
却する適切な装置を備える。
蒸気と給水との流路には,安全かつ正常な運転ができるように,連続試料採取・監視装置を備える。
すべての試料採取配管は,一箇所に集まるようにし,そこにラックに納めた監視装置を置く。監視装置
ラックは,手作業で分析ができるように,試験設備に近い場所に置く。監視装置ラックの場所を選ぶ際に
は,試料採取配管が長くなりすぎないように注意する。
連続監視装置は,現場に表示器を備え,中央監視室に全ての計測値に対する時系列値の表示装置と警報
装置を備える。
7.3.2.14 排出物監視装置 地域の法規制又は受渡当事者間の合意がある場合には,連続排出物監視装置を
備える。
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煙道ガスの成分で測定が可能なものは,酸素(O2),(NOX),二酸化硫素(SO2),一酸化炭素(CO),じんあ
い及び未燃炭化水素である。
7.3.2.15 薬品注入装置 運転上の必要に応じて,蒸気/水系統,一次冷却水系統及び液体燃料系統へ安全
かつ正確に薬品を注入するのに必要なすべての機器を備える。
注入装置は,薬品の種類ごとに備える。
系統は,少なくともポンプ,貯槽,かくはん機,弁,計器,液面計,附属品,配管などで構成する。
連続又はほとんど連続で注入するのであれば,定置式の注入装置を供給する。高圧の注入口には,二重
の仕切弁を備える。
制御しながら注入するのに用いるポンプは,すべて容積式のものとする。
7.3.2.16 ガスタービン外部空気加熱/冷却装置 ガスタービンへの空気の加熱は,次の目的で行う。
− 空気フィルタ又はガスタービンの圧縮機での氷結防止
− 空気フィルタの乾燥
− 間接的な方法によるガスタービン出力の制限
加熱には,圧縮機からの抽気のほか,プラントによっては,外部の熱源を使用することがある。この場
合の熱媒体は,温水又は蒸気である。加熱装置の容量は,最も厳しい気温でもガスタービンに危険を及ぼ
すことなく運転が可能なように,かつガスタービン供給者の経験に基づいて設計する。
− 空気温度分布が均一になるように配慮する。
− 熱交換器の設計は,吸気流路での空気の圧力損失が最小となるように最適化する。
− 吸気の冷却装置については,単に熱サイクルの最適化及び経済性を考慮すればよい。
− 冷却装置には,次を用いてもよい。
− 蒸発式冷却装置
− 冷凍機による冷水冷却装置
− 冷凍機の運転は,電力,低圧蒸気又は温水のいずれによるものでもよい。
7.3.2.17 補助ボイラ ほかに利用できる信頼性の高い蒸気源がない場合に,蒸気又は加熱を必要とする機
器に蒸気を供給するために,補助ボイラが必要となる場合がある。蒸気を必要とする機器には,次のもの
がある。
− 燃料貯槽,移送及び加熱装置
− 蒸気式空気エジェクタ(復水器を真空にするもの)
− 蒸気タービンの軸封装置
− 蒸気タービン
− フィルタ及び加熱コイル(ガスタービン吸気用)
− 海水蒸留装置(蒸気サイクル及びNOX低減装置への給水の製造用)
− すべての種類の氷結防止装置
− 一般的な加温装置(スペースヒータなど)
ほかに信頼性のある蒸気源があるか,又は通常運転中に特別な用途の計画がなければ,補助ボイラの運
転は,停止時及び起動時だけでよい。
補助ボイラは,給水タンク及び脱気器,給水ポンプ,保安装置及び制御装置を完備した自立形で,無人
運転用に設計されたものとする。
補助ボイラに用いる燃料は,メインプラント(ガスタービン装置)に用いる燃料と同じであり,装置の
最低限度の機能を維持するのに十分な量が現地に蓄えられていることが望ましい。
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7.3.2.18 つり上げ装置 運転及び保全の便宜ために,プラントにクレーン及びホイストなどのつり上げ装
置を備える。
一般には,自走式クレーンが近付けないような場所に,定置式つり上げ装置を備えるか,又は一時的に
つり上げ装置を取り付けられるような用意をする。
建屋内に据付ける場合には,機械(ガスタービン及び蒸気タービン)の上に適切な容量のクレーンを備
える。
購入者は,つり上げ装置に対する希望供給範囲を明示する。
7.3.2.19 消火装置及び警報装置 供給者は,発電プラントに消火装置を備える。消火装置は,国及び地域
の消防規則及び規格に従うものにする。給水管のリングは,プラント内の主要設備及び居住区を囲みなが
らプラントの敷地を巡り,その地域及び気候の条件に適した消火栓を備える。供給者の同意があれば,供
給者が完全装備の消防車を供給してもよい。
7.3.2.20 換気及び空気調和装置 供給者は,現地の周囲条件下で発電プラントの適切な運転ができるよう
にするために必要な換気及び空気調和装置を供給する。
7.3.3
電気機器
7.3.3.1
全般 電気機器の仕様,例えば,形式,数量,電圧などを単線結線図に記載し,受渡当事者間で
合意する。
合意する過程で考慮すべき項目を,次に示す。
− 発電機電圧に対する供給者標準
− 必要があれば,既存の遮断器盤及び受電点
− プラントの運転に必要な補助電源
− プラントの信頼性に対する要求条件
購入者があらかじめ指定する範囲内での制約のない運転に対して,機器を設計し,容量を定める。ほか
に指定された場合を除き,設計電圧・周波数を外れた場合の設計要求条件及び運転条件は,IEC規格によ
る。
7.3.3.2
直流電源装置及び無停電電源装置 装置又は所内が停電した場合に,プラントが損傷することな
く安全を確保するために必要な用途には,直流電源を用いる。
ガスタービン,蒸気タービン,又は一軸機などの主原動機は,それぞれに専用の蓄電池式直流電源,充
電器,監視・警報回路を備える。装置又は所内が停電した場合に交流電源を必要とするプラントの機器に
は,直流電源に接続した無停電電源(UPS)から電力を供給する。
直流電源及び無停電電源は,必要であれば全自動式とし,自動的に運転するものにする。停止させるの
に,現場での手動操作を必要としてもよい。使用可能であることを定期的に試験できるように設計する。
7.3.3.3
非常用発電装置 発電所が停電した場合には,必要とする機器に非常用発電装置(例えば,ガス
タービン発電装置又はディーゼル発電装置)が電力を供給する。電力の供給先には,すべての直流機器及
び無停電電源に接続される機器を含む。
非常用発電装置は,直流電源装置が運転を始めた時に,自動的に起動するものにする。停止させるのに,
現場での手動操作を必要としてもよい。使用可能であることを定期的に試験できるように設計する。
非常用発電装置に用いる燃料は,発電プラントに使用する燃料と同じであり,必要な時間最低限度の機
能を維持するのに十分な量が現地に蓄えられていることが望ましい。
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7.3.3.4
自力起動(ブラックスタート)発電装置 ガスタービン発電装置,ディーゼル発電装置などの自
力起動発電装置は,プラントの運転要求条件に応じた起動用電力を供給する。電力の供給先には,ほかの
電源が利用できない限り,すべての直流機器及び無停電電源に接続される機器を含む。
停止させるのに,現場での手動操作を必要としてもよい。使用可能であることを定期的に試験できるよ
うに設計する。
自力起動発電装置に用いる燃料は,発電プラントに使用する燃料と同じであり,運転必要条件に対して
十分な量が現地に蓄えられていることが望ましい。
7.3.4
制御及び計装機器
7.3.4.1
制御装置 制御装置は,次のようなプロセス制御及びプロセス監視の必要条件を満足する。
− シグナルコンディショナ
− データ転送
− 監視
− ディジタル制御
− アナログ制御
− 保安
− 運転
− プラント管理
プラントの制御及び管理は,マンマシンインタフェース(MMI)を用いて,中央制御室から行う。
制御機器への通路,十分な加温及び空気調和,適切な表示及び照明,映り込みの防止,低騒音,適切な
通信設備などを確保することに配慮する。
マンマシンインタフェース及びその配置は,目的とする機能及び使用・運転条件の要求を満足するよう
に選び,人間工学的な側面及び不測の運転の防止に必要なレベルを考慮する。データ収集装置は,完全に統
合した計算機式とし,データ収集,情報処理,モジュール式制御,警報発生及びマンマシンインタフェー
スの操作,監視及びエネルギー管理制御機能をもつものにする。
自動化のレベルは,運転及び保全に対する人員配置レベル及び期待する装置の総合性能に基づいて,受
渡当事者間で合意する。
人員及び機器の両方に対して,プラントの安全な運転を保証する保安装置を備える。
7.3.4.2
計装 装置の安全で効率的な運転に必要な,圧力,温度,液位,流量などのパラメータ用の現場
表示器,伝送器,センサ,スイッチなどの,すべての現場計器を備える。
コンバインドサイクルプラント並びにガスタービン発電機,排熱回収装置,蒸気タービン発電機及び関
連附帯機器の,それぞれの装置の安全,かつ効率的な制御室からの運転に必要な二次計器を備える。
すべての現場計器は,それらが振動及び環境条件に影響されないように取り付け,容易に近付ける場所
に設置する。
保全作業を容易にするために,適切な通路及び点検口を設ける。これらの現場計器を取り付けるのに必
要な元弁,脈動吸収管,ドレンコック及びほかのすべての附属品を供給する。
元弁を備えた個別の専用採取口を,表示,制御及び警報用に用いるセンサ用に設ける。ただし,取付が
不可能か実際的ではない場合には,受渡当事者間で相互に合意する。プラントの安全上の理由によって,
元弁のない保護機能付きセンサを取り付けてもよい。
受渡試験の実施及び性能計算用試験測定のために,元弁などを備えた必要な採取口を設ける。
(電気及び燃料の)料金算定用の測定に対する要求条件は,関係する電力供給者及び燃料供給者の規定
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による。
7.3.5
建屋/建屋附属設備 建屋及び建屋附属設備は,指定された用途,使用条件及び環境条件による。
購入者は,どの程度の建屋及び建屋附属設備を供給するのかを指定する。
次の項目が,そのような要求条件の例である。
− 機械棟
− 中央制御室
− 器具室
− 事務室
− 守衛詰所及びフェンス
− 火災監視棟
− 工作棟及び倉庫
− ロッカー室
など。
8. コンバインドサイクルプラントの運転条件 コンバインドサイクルプラントに特有の運転条件がある
ことに注意する。
購入者が指定する個別のコンバインドサイクルプラントに対する要求事項は,次のものなどである。
a) 自力起動能力
b) 冷態及び温態での負荷上昇率
c) 最低負荷
d) バイパス煙突及びダンパの要否
e) 排熱回収装置のドライ運転(部分負荷運転で可能な場合)
f)
単独運転(発電機遮断器開放,非系統連携運転)
g) 周波数制御,系統連携規則
h) 復水器の温度範囲
i)
ベース負荷運転時の気温範囲
j)
準拠規格
k) 運転モード[ベース負荷,交互運転,毎日発停(DSS)など]
l)
定期的保全基準
m) 負荷遮断,過渡状態(要求条件)
n) 環境要求条件
o) 次の事項は,製造業者が提示する。
p) 冷態及び温態で可能な負荷上昇率
q) プラント停止後の再起動に対する制約
r) 最低負荷
s)
排熱回収装置のドライ運転が可能な限界
t)
単独運転可能な制限(必要な場合)
u) 周波数制御上の制限(必要な場合)
v) 高い復水系統温度での運転上の制限(必要な場合)
w) 適用規格
17
B 8042-6:2003 (ISO DIS 3977-6:2000)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
x) ガスタービン停止後の操作上の要求事項
9. 制御及び保安装置 制御装置は,JIS B 8042-3に規定するように,購入者が指定する自動化に対する
要求に従ってコンバインドサイクルプラントの運転に必要なすべての機器を含む。
起動から停止までのコンバインドサイクルの全運転範囲にわたって,系統の圧力を安全に制御するため
に,圧力及び圧力変化を制限する適切な制御装置を供給する。
例えば,制御装置の動作不良のような緊急時に系統を保護するために,安全弁のような過大圧力に対す
る安全装置を供給する。
起動から停止までのコンバインドサイクルの全運転範囲にわたって,系統の温度を安全に制御するため
に,温度及び温度変化を制限する適切な制御装置を供給する。
ガスタービン,蒸気タービン,ポンプなどの機器に対する特定の制御・保安機器は,関係する規格の規
定に従い,供給範囲に含める。
10. 環境への影響
10.1 全般 ガスタービン及びプラントサイト自体からの騒音,排出熱及び化学物質による大気汚染に関
するJIS B 8042-4を適用する。
その他のプラント機器による環境への影響についても,同様に扱う。
10.2 水に対する排出熱の影響 川,湖又はその他の水系などへの排水の温度,排水による最高温度上昇,
排水の熱量を,地域の法及び規制が制限することがある。
冷却サイクル及びその設計値を選択するときに,これらを考慮する。
10.3 可視排出物 煙突及び/又は冷却塔からの目に見える排出物を,地域の法及び規制が制限すること
がある。
18
B 8042-6:2003 (ISO DIS 3977-6:2000)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図 1 熱サイクル:非助燃コンバインドサイクル(基本)
付図 2 熱サイクル:蒸気噴射ガスタービンサイクル(基本)
19
B 8042-6:2003 (ISO DIS 3977-6:2000)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図 3 装置/サイクルのオプション:多重圧式コンバインドサイクル 二重圧HRSG(原理)
20
B 8042-6:2003 (ISO DIS 3977-6:2000)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
a) 強制循環式
b) 自然循環式
c) 貫流式
付図 4 コンバインドサイクルの装置:熱回収蒸気発生器の主要なオプション
21
B 8042-6:2003 (ISO DIS 3977-6:2000)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
a) シングルフラップダンパ
b) ダブルフラップダンパ
c) ルーバダンパ
付図5 コンバインドサイクルの装置:バイパスダンパの構成例
22
B 8042-6:2003 (ISO DIS 3977-6:2000)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
a) 強制循環式立形
b) 自然循環式横形
付図6 コンバインドサイクルの装置:選択触媒反応器のオプション
23
B 8042-6:2003 (ISO DIS 3977-6:2000)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図7 装置/サイクルのオプション:多重圧式コンバインドサイクル 二重圧再熱HRSG(原理)
24
B 8042-6:2003 (ISO DIS 3977-6:2000)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図8 装置/サイクルのオプション:一軸構成コンバインドサイクル 二重圧HRSG
25
B 8042-6:2003 (ISO DIS 3977-6:2000)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
a) 貫流式
b) 閉ループ式
c) 組合せ式
付図9 一次冷却水系統
26
B 8042-6:2003 (ISO DIS 3977-6:2000)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
JIS B 8042-6:2002 ガスタービン―調達仕様―第6部:コンバインドサイ
クル
国際規格ISO/FDIS 3977-6:2000 ガスタービン―調達仕様―第6部:コンバインドサイクル
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの評価及び
その内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ご
との評
価
技術的差異の内容
1.適用
範囲
ガスタービン又はコ
ンバインドサイクル
プラントを調達する
ときに必要な技術的
な指針の規定
第6部は,コンバイ
ンドサイクルに関す
る情報の規定
ISO/DIS
3977-6
1.
第6部は、
コンバイン
ドサイクル
に関する情
報の規定
MOD/
追加
明確化のために,第1部にある各パート
共通な適用範囲も記載した。
明確化のためで,実質的には
国際規格からの変更はない。
2.引用
規格
引用規格の規定JIS
B 0128ほか
2.
引用規格の
規定
ISO
11086 ほか
MOD/
変更
用語規格のISO 11086をJIS B 0128に変
えた。
整合規格ではないが,実質的
な差異はない。
3.定義
この規格で用いた専
門的用語の定義
3.
JISに同じ
MOD/
変更
MOD/
変更
MOD/
変更
MOD/
変更
1) 2.1 コンバインドサイクル:既存JIS
の用語を踏襲した。但しISOの定義と
技 術的な差異はない。
2) 2.2.4 プロセスヒートは,2.2.3 コジェ
ネレーションと同じ意味なので,両者
を包括し,2.2.4を削除した。
3) 2.3.1 既存JISを踏襲し補足を追記。
4) 明確化のため,図4を追加した。
ISOに通知の上提案し,規格
改正を促す。
2
6
B
8
0
4
2
-6
:
2
0
0
2
(I
S
O
D
IS
3
9
7
7
-6
:
2
0
0
0
)
27
B 8042-6:2003 (ISO DIS 3977-6:2000)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの評価及び
その内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ご
との評
価
技術的差異の内容
4.コン
バイン
ドサイ
クル用
プラン
ト特定
条件
購入者がコンバイン
ドサイクルの特定の
構成を希望する場合
に提供すべき情報を
規定
4.
JISに同じ
IDT
5.コン
バイン
ドサイ
クル比
較基準
条件
コンバインドサイク
ルの比較基準条件を
定義
5.
JISに同じ
IDT
6.定格
標準定格を定義
6.
JISに同じ
MOD/
変更
1) 5.1全般の文章を直訳せず,明確化
した。
明確化のためで,実質的には
国際規格からの変更はない。
7.主要
装置
コンバインドサイク
ルを構成する主要装
置について規定
7.
JISに同じ
MOD/
変更
MOD/
変更
1) 6.3.1.3バイパス煙突 6.3.1.5煙突
の文章を直訳せず,周囲の環境への影
響を考慮して寸法を決めると記載し
た。
2) 7.3.2.2 液体燃料処理装置 重油燃料
に腐食防止用添加剤を添加する場合
の添加処理について追記した。
実質的には国際規格からの変
更はない。
2
7
B
8
0
4
2
-6
:
2
0
0
2
(I
S
O
D
IS
3
9
7
7
-6
:
2
0
0
0
)
28
B 8042-6:2003 (ISO DIS 3977-6:2000)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの評価及び
その内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ご
との評
価
技術的差異の内容
8.コン
バイン
ドサイ
クルプ
ラント
の運転
条件
コンバインドサイク
ル特有の運転上の注
意事項を記載
8.
JISに同じ
IDT
9.制御
及び保
安装置
制御装置に関する要
求事項を規定
9.
JISに同じ
IDT
10.環境
への影
響
ガスタービン及びプ
ラントからの騒音,
排出熱,環境汚染に
対する影響
10.
JISに同じ
IDT
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― IDT……………… 技術的差異がない。
― MOD/追加……… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
― MOD/変更……… 国際規格の規定内容を変更している。
2.
JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― MOD…………… 国際規格を修正している。
2
8
B
8
0
4
2
-6
:
2
0
0
2
(I
S
O
D
IS
3
9
7
7
-6
:
2
0
0
0
)