B 8042-1 : 2001
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,日本内燃機関連合会 (JICEF) /財団法人日
本規格協会 (JSA) から工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調
査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。これによってJIS B 8042 : 1994は廃止
され,JIS B 8042-1,-2,-3,-5,-7,-8に置き換えられる。
制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 3977 : 1991 (Gas turbines−
Procurement) にパート制を適用して改正したISO 3977-1 : 1997 (Gas turbines−Procurement−Part 1 : General
introduction and defnitions) を基礎として用いた。
JIS B 8042-1には,次に示す附属書がある。
附属書(参考) JISと対応する国際規格との対比表
JIS B 8042の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS B 8042-1 第1部:一般事項及び定義
JIS B 8042-2 第2部:比較基準条件及び定格
JIS B 8042-3 第3部:設計要求事項
JIS B 8042-5 第5部:用途−石油及び天然ガス工業用
JIS B 8042-7 第7部:技術情報
JIS B 8042-8 第8部:検査,試験,据付及び完成
なお,原国際規格ISO 3977の規格群は,さらに次の部によって構成される。
−Part 4 : Fuels and environment
−Part 6 : Combined cycles
−Part 9 : Reliability, availability, maintainability and safety
B 8042-1 : 2001
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 2
3. 一般事項 ························································································································ 2
4. 定義 ······························································································································ 2
附属書(参考) JISと対応する国際規格との対比表 ·································································· 11
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 8042-1 : 2001
ガスタービン−調達仕様−
第1部:一般事項及び定義
Gas turbines−Procurement−
Part 1 : General introduction and definitions
序文 この規格は,1997年に第1版として発行されたISO 3977-1 : 1997 (Gas turbines−Procurement Part 1 :
General introduction and definitions) を翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変更の一覧表
をその説明を付けて,附属書に示す。
1. 適用範囲 JIS B 8042の各部は,ガスタービン及び関連補機,又はコンバインドサイクルプラントを
購入者(1)が製造業者(2)から調達しようとするときに必要な,主として技術的な情報に関する基準となる指
針について規定する。
注(1) ガスタービンなどの使用者又は購入の責任をもつ契約者。
(2) ガスタービンなどの製造業者又は供給の責任をもつ契約者。
JIS B 8042の各部は,異なった環境への要求及び完全性への要求に調和した見積書を提出するための基
本的事項を規定する。JIS B 8042の各部は,可能な場合に,これらの要求事項に適合しているかどうかを
確認するための基準を規定する。JIS B 8042の各部は,当該設備に適用される国又は地方の法規制に優先
するものではない。
JIS B 8042の各部は,通常の燃焼系統をもつ開放サイクルガスタービンプラント及び非助燃式のコンバ
インドサイクルプラントに適用し,また,密閉サイクル及び半密閉サイクルガスタービンプラントにも準
用できる。
なお,適切な修正を加えることによって,次のものに適用してもよい。
a) フリーピストンガス発生機又は特殊な熱源(例えば,化学プロセス,過給ボイラの火炉,原子炉)を
用いるガスタービン。
b) 助燃式コンバインドサイクル,再燃式コンバインドサイクルプラント,その他のコンバインドサイク
ルプラント(例えば,コージェネレーションプラント)。
ただし,航空機,建設機械,農・工業用トラクタ及び自動車を駆動するために用いるガスタービンには
適用しない。
この規格は,ガスタービンプラントの調達仕様に関する一般事項,及びJIS B 8042の各部に用いる用語
を規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
2
B 8042-1 : 2001
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 3977-1 : 1997, Gas turbines−Procurement−Part 1 : General introduction and definitions (MOD)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0128 火力発電用語−ガスタービン及び附属装置
JIS B 8041 ガスタービン−受渡試験方法
備考 ISO 2314 : 1989, Gas turbines−Acceptance tests及びISO 2314/Amd.1 : 1997, Gas turbines−
Acceptance tests for combined-cycle power plantsからの引用事項は,この規格の該当項目と
同等である。
JIS B 8042-2 ガスタービン−調達仕様−第2部:比較基準条件及び定格
備考 ISO 3977-2, Gas turbine−Procurement−Part 2 : Standard reference conditions and ratingsからの引
用事項は,この規格の該当項目と同等である。
3. 一般事項
3.1 JIS B 8042の各部の要点は,次のとおりである。
− ガスタービンが大気状態によって性能が変化することを考慮して,比較基準条件を定める。
− ガスタービンはその運転モードが実際には非常に広範にわたることから,標準定格と呼べる運転モ
ード表示の指針を示す。
− 安全を含めて調節保安装置,燃料及び環境の問題に関する指針を規定する。
− 購入者及び製造業者の両者から提供しなければならない情報に関する基準となる指針を与える。
3.2
JIS B 8042の各部は,契約に必要な情報をすべて包括するものではなく,個々のガスタービンプラ
ント又はコンバインドサイクルプラントごとの考慮と,受渡当事者間の協定による相互の合意とが重要で
ある。
3.3
製造業者と購入者とが,装置に関する相互の取合い,適合性などについて,注意して技術的協議を
行うことが必要である。装置の供給責任が分かれている場合には,このことが特に重要である。
3.4
JIS B 8042の各部の内容が,その装置に適用を要求される地域的又は国家的規制と相違がある場合,
その規制が優先することを妨げない。
4. 定義 JIS B 8042の各部で用いる主な用語の定義は,JIS B 0128によるほか,次による。
4.1
ガスタービン (gas turbine) 熱エネルギーを機械的仕事に変換する機械で,1個以上の圧縮機,作
動流体を加熱する装置,1個以上の夕ービン,制御装置及び必要に応じて熱交換器その他の補機から構成
されるもの。
備考 ガスタービン装置の構成要素の配置例を図1〜9に示す。
4.2
ガスタービンプラント (gas turbine power plant) ガスタービンとすべての必要な附属装置とを含め
た動力設備。
4.3
開放サイクル (open cycle) 吸気・排気ともに大気に開放されている熱力学的サイクル。
4.4
密閉サイクル (closed cycle) 作動流体が大気から隔離され,回流する熱力学的サイクル。
4.5
半密閉サイクル (semiclosed cycle) 作動流体の一部が回流し,一部が大気と交換される熱力学的サ
イクル。
3
B 8042-1 : 2001
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4.6
単純サイクル (simple cycle) 連続的な圧縮,加熱及び膨張だけから形成される熱力学的サイクル。
4.7
再生サイクル (regenerative cycle) 作動流体の連続的な圧縮,再生加熱,加熱,膨張及び再生冷却
(排ガスから圧縮機出口流体への熱伝達)によって形成され,排熱回収を行う熱力学的サイクル。
4.8
中間冷却サイクル (intercooled cycle) 継続する圧縮過程の段間において,作動流体を冷却する熱力
学的サイクル。
4.9
再熱サイクル (reheat cycle) 継続する膨張過程の段間において,作動流体を再度加熱する熱力学的
サイクル。
4.10 コンバインドサイクル (combined cycle) ガスタービンサイクルと蒸気サイクルとを結合させて,
熱効率の向上を図った熱力学的サイクル。
備考1. コンバインドサイクルの要素構成例を図7〜9に示す。
2. 一般的な例としては,ガスタービンの排気熱が蒸気サイクル用の蒸気を発生させるのに用い
る。
3. このサイクルの熱効率が優れているのは,それぞれのサイクルの最適な熱力学的特性を組合
せていることによる。すなわち,ガスタービンサイクルの高温域で熱エネルギーを付加し,
蒸気サイクルの低温域で熱エネルギーを廃棄している。
4.11 一軸形ガスタービン (single shaft gas turbine) 圧縮機とタービンの回転軸とが機械的に結合され,
出力が直接又は変速機を介して取り出されるガスタービン(図1及び図2参照)。
4.12 多軸形ガスタービン (multi-shaft gas turbine) それぞれ独立の回転軸で作動する最小限二つの夕ー
ビンをもつガスタービン。フリータービン形及びコンパウンド形を含む(図3及び図4参照)。
備考 例えば,軸が二つの場合には,二軸形ガスタービンという。
4.13 抽気ガスタービン (bled gas turbine) 外部に使用することを目的に,圧縮機段間若しくは圧縮機出
口から圧縮空気を抽出,又はタービン入口若しくはタービン段間から高温ガスを抽出するガスタービン(図
5参照)。
4.14 ガス発生機 (gas generator) プロセス又は出力タービンに供給する高温圧縮ガスを発生させるガス
タービン構成要素を組み立てたもの。1個以上の圧縮機,作動流体を加熱する装置,1個以上の圧縮機駆動
タービン,制御装置及び必要な補機によって構成する。
備考 例えば,フリーピストンガスタービン又は航空転用ガスタービン用のガス発生機がある。
4.15 圧縮機 (compressor) ガスタービンの構成要素であって,作動流体の圧力を上昇させる回転機械。
4.16 タービン (turbine) ガスタービンの構成要素であって,作動流体の膨張によって動力を発生させる
回転機械。この用語を単独に用いる場合には,タービン部分だけを意味する。
4.17 出力タービン (power turbine) 多軸形ガスタービンにおいて,負荷を駆動する独立した回転軸をも
つタービン(図3参照)。
4.18 燃焼器 [combustion chamber (primary or reheat)] 燃料を燃焼させて作動流体を直接的にタービン入
口温度まで加熱する装置。再熱用の燃焼器もある。
4.19 作動流体加熱器 [working fluid (gas or air) heater] 膨張過程の前で作動流体(空気又はガス)を間接
的にタービン入口温度まで加熱する装置。
4.20 再生用熱交換器 (regenerator/recuperator) 燃焼器(又は作動流体加熱器)に入る前の作動流体に,
排気ガスから熱を伝達する熱交換器。蓄熱式熱交換器と伝熱式熱交換器とがある。
4.21 前置冷却器 (precooler) 圧縮過程の前の作動流体の温度を低下させる熱交換器,又は蒸発形冷却器。
4
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4.22 中間冷却器 (intercooler) 圧縮の段間において作動流体の温度を低下させる熱交換器,又は蒸発形
冷却器。
4.23 過速度防止装置 (overspeed control/trip device) ロータが過速して,ある設定した速度に到達した場
合に,過速度防止系を作動させる制御要素又はトリップ要素。過速度調速機又は過速度トリップ装置があ
る。
4.24 制御装置 (control system) 正常起動,安定運転,正常停止に必要な制御系(例えば,起動制御系,
調速機,燃料制御系など),異常状態における警報又は停止を行う保安系(例えば,過速度防止装置,燃料
遮断系など),運転の監視を行う監視系及び計器類(例えば,速度指示計,ガス温度計など)並びにシステ
ムに必要な電源制御系からなる運転に必要な制御,保安,監視のためのすべての装置を含むシステム。
4.25 調節装置 (governing system) 速度,温度,圧力,出力などの重要なパラメータを調節する装置。
4.26 燃料調節弁 (fuel governor valve) ガスタービンへの燃料供給を調節する最終的な燃料調節要素と
して作動するバルブ。
備考 このほかの方法でガスタービンへの燃料を調節している装置もある。
4.27 燃料遮断弁 (fuel stop valve) 燃焼系統へのすべての燃料の流れを遮断する装置。
4.28 不感帯 (dead band) 燃料流量調節装置に測定できるほどの修正動作が生じない入力の変動可能範
囲。回転速度の場合には,定格速度の百分率で表示する。
4.29 調速機 (speed governor) ガスタービンの回転速度を検出して,その回転速度を調節する装置。
4.30 調速機のドループ (governor droop) 出力を0から定格まで変化させた際に生じる整掟速度の変化
を,定格速度の百分率で表したもの。
4.31 保安装置 (protection system) 起動時若しくは運転中のプラント又はその一部の系統の異常を感知
して,その異常によって大きな損傷,被害が生じることを防ぐように所定の調節をしたり又は信号を発す
る装置。
4.32 ガス温度過昇検出器 (overtemperature detector) ガス温度が上昇して設定した値に到達した際に,直
接温度に応答し,適切な増幅器又は変換器を通して,ガス温度の過昇を防止する保安系統を作動させる一
次検出要素。
4.33 燃料発熱量 [fuel specific energy (calorific value)] 単位質量の燃料が燃焼する際に放出する熱量。発
熱量には総発熱量と真発熱量とがあり,総発熱量は放出する全発熱量,真発熱量は燃焼の間に形成される
水蒸気に吸収される熱量を総発熱量から引いた発熱量である。いずれもkJ/kgで表す。
発熱量は定容又は定圧において求めることができるが,その差はわずかである。定圧真発熱量は定常流
燃焼過程に用いる[JIS B 8041の6.4(燃料の測定)参照]。
4.34 熱消費率 (heat rate) 15℃以上の顕熱を含めた燃料の真発熱量に基づくガスタービンの単位正味出
力当たりの熱消費量[kJ/ (kW・h) 又は (kW/kW)[JIS B 8041の3.2.3(熱効率及び熱消費率)参照]。
備考 算出に用いた燃料発熱量が真発熱量であるか,総発熱量であるかを明確にする。
4.35 燃料消費率 (specific fuel consumption) 単位出力当たりに消費される指定燃料の質量流量 [kg/
(kW・h)] 。
備考 特に指定がない場合には,燃料発熱量としてJIS B 8042-2の4.2(基準燃料発熱量)に規定する
真発熱量を用いる。
4.36 熱効率 (thermal efficiency) 供給された熱量に対する発生有効仕事の比(JIS B 8041の3.2.3参照)。
熱量は,燃料の真発熱量による。
備考 もし総発熱量を算出に用いる場合には,明記する。
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B 8042-1 : 2001
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4.37 タービン入口温度 (turbine inlet temperature) タービン入口のガス温度であって,タービン初段の静
翼直前又は動翼直前の作動流体の平均全温度。
備考 比較算定タービン入口温度で表示する場合がある。
4.38 比較算定タービン入口温度 (reference turbine inlet temperature) JIS B 8041の8.6[比較算定タービ
ン入口温度 (Tg6)]に定義されている熱勘定によって求められるタービン入口の作動流体の平均全温度。
4.39 自立速度 (self-sustaining speed) ガスタービンが使用される大気条件の範囲内で,起動装置を用い
ることなしに,ガスタービンが安定した状態で運転でき,かつ昇速できる最低の回転速度。
4.40 アイドリング速度 (idling speed) ガスタービンが安定した運転を持続でき,また,この状態から負
荷又は遮断できるような,製造業者が指示した回転速度。
4.41 連続最大速度 (maximum continuous speed) 連続して運転できる上限のガスタービン出力軸の回転
速度。
4.42 定格速度 (rated speed) 定格出力時のガスタービン出力軸の回転速度。
4.43 タービントリップ速度 (turbine trip speed) 独立の過速度トリップ装置が作動し,ガスタービンへの
燃料を遮断する回転速度。
4.44 蒸気/水噴射 (steam and/or water injection) NOx低減,出力増加のために作動流体に蒸気及び/又
は水を噴射すること。
4.45 質量出力比(可搬式用) [mass-to-power ratio (mobile applications)] (4.1による)ガスタービン本
体乾燥質量のガスタービン出力に対する比。
備考 JIS 8 042-2参照。
4.46 サージング (compressor surge) 圧縮機内又はこれに続く管路内の,作動流体の質量流量及び圧力の
低周波数変動によって特徴付けられる不安定状態。
4.47 排熱回収式コンバインドサイクル (exhaust heat recovery combined cycle) ガスタービンの排気を排
熱回収装置に導き,その熱回収によって蒸気を発生し,蒸気タービンを駆動する方式のコンバインドサイ
クル。
4.48 コージェネレーションプラント (cogeneration plant) ガスタービンなどの内燃機関で電力を供給す
るとともに,排出ガスの熱エネルギーを回収し,発生した蒸気,熱水などの熱エネルギーを供給する設備
(図9参照)。
4.49 排熱回収装置 (exhaust heat recovery system) ガスタービンの排気ガス熱エネルギーを回収する熱
交換器などの装置。
4.50 バイパスダンパ (bypass damper) ガスタービンの排気の排出先をバイパス煙突又はバイパスダク
トとするか,排熱回収装置にするかを切り換えるためのダンパ。
4.51 バイパス煙突 (bypass stack) 排熱回収装置の入口に設置して,ガスタービン排気を大気放出するた
めの煙突。
4.52 単圧式コンバインドサイクル (single pressure combined cycle) コンバインドサイクルで,排熱回収
装置及び蒸気タービンともに単一の高圧レベルの主蒸気系統をもつ方式のもの。
4.53 複圧式コンバインドサイクル (multi-pressure combined cycle) コンバインドサイクルで,排熱回収
装置及び蒸気タービンともに二つ以上の圧力段階の主蒸気系統をもつ方式のもの。
参考 主蒸気系統の圧力段階が二つ又は三つの場合を,それぞれ二重圧式,三重圧式ともいう。
4.54 蒸気再熱式コンバインドサイクル (steam reheat combined cycle) コンバインドサイクルで,継続す
る蒸気膨張過程の段間において蒸気を再度加熱する熱力学的サイクル。
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4.55 多軸形コンバインドサイクル (multi-shaft combined cycle) コンバインドサイクルで,ガスタービン
と蒸気タービンとがそれぞれ別の発電機を駆動する方式のもの(図7参照)。
4.56 一軸形コンバインドサイクル (single shaft combined cycle) コンバインドサイクルで,ガスタービ
ンと蒸気タービンとが共通の発電機を駆動する方式のもの(図8参照)。
図1 ガスタービン装置の要素構成例
(単純サイクル,一軸形ガスタービン)
図2 ガスタービン装置の要素構成例
(再生サイクル,一軸形ガスタービン)
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図3 ガスタービン装置の要素構成例
(単純サイクル,フリータービン形)
[すなわち,分離した出力タービンをもつガスタービン(破線はツインスプール形を示す。)]
図4 ガスタービン装置の要素構成例
(中間冷却及び再熱サイクル,コンパウンド形多軸形ガスタービン)
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B 8042-1 : 2001
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図5 ガスタービン装置の要素構成例
(抽気ガスタービン)
図6 ガスタービン装置の要素構成例
(密閉サイクル,一軸形ガスタービン)
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図7 コンバインドサイクルの要素構成例
(多軸形コンバインドサイクル)
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図8 コンバインドサイクルの要素構成例
(一軸形コンバインドサイクル)
図9 コンバインドサイクルの要素構成例
[ガスタービンコージェネレーション(熱源用蒸気供給)]
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附属書(参考) JISと対応する国際規格との対比表
JIS B 8042-1 : 2001 ガスタービン−調達仕様−第1部:一般事項
及び定義
ISO 3977-1 : 1997 ガスタービン−調達仕様−第1
部:一般事項及び定義
(I)JISの規定
(II)
国際規
格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的
差異の項目ごとの評価及びその
内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線
(V)JISと国際規格
との技術的差異の
理由及び今後の対
策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
1. 適用
範囲
ガスタービン又は
コンバインドサイ
クルプラントを調
達するときに必要
な技術的な指針の
規定。
第1部は,一般事項
と用語の規定。
ISO
3977-1
1.
序文
JISに同じ
MOD
/追加
補足説明を追加した。
2. 引用
規格
引用規格の規定
JIS B 0128ほか
Annex
A
引用規格の箇条は
なく,Annex Aに関
連規格を記載
ISO 11086ほか
MOD
/変更
箇条を追加し,関連規
格のAnnex Aを削除
した。
用語規格のISO 11086
をJIS B 0128に変えた。
ISOをJISに変え
た。対応規格ではな
いが,実質的な差異
はない。
3. 一般
事項
JIS B 8042シリーズ
を適用するに当た
っての一般的注意
序文 JISに同じ
IDT
−
4. 定義 JIS B 8042シリーズ
の各規格で用いる
主な用語の定義
3.
JISに同じ
MOD
/追加
/変更
1) ISO記載の用語と
定義に加え,旧
JIS B 8042の記載
内容を追加し,図
の一部を変更。
2) 国際規格の“調速
機の速度調定率”
の定義を“調速
機”に対する定義
とし,その中に速
度調定率を入れ
た。
国際規格記載以外
の項目を追記した
ものであり,国際規
格の記載内容につ
いての変更はない。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
− IDT・・・・・・・・・・・ 技術的差異がない。
− MOD/追加・・・・・ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− MOD/変更・・・・・ 国際規格の規定内容を変更している。
2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
− MOD・・・・・・・・・・国際規格を修正している。
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JIS B 8042(ガスタービン−調達仕様)原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
○ 田 中 英 穂
東京大学(名誉教授)
(主査)
○ 青 木 千 明
日本内燃機関連合会(ISO対策内燃機関委員会委員長)
(幹事)
○ 安 田 耕 二
株式会社日立製作所火力・水力事業部
(副幹事)
○ 毛 利 幸 雄
株式会社新潟鉄工所原動機カンパニー
(委員)
有 賀 一 郎
千葉工業大学工学部
川 口 修
慶應義塾大学理工学部
高 田 浩 之
東京大学(名誉教授)
中 川 良 治
日本コージェネレーションセンター調査部
○ 橋 本 進
財団法人日本規格協会技術部
濱 純
経済産業省産業技術総合研究所機械技術研究所エネルギー部
○ 平 岡 克 英
国土交通省船舶技術研究所機関動力部
保 科 幸 雄
社団法人日本内燃力発電設備協会技術部
深 山 勝 範
日本コージェネレーションセンター調査部
磯 部 信 一
三井造船株式会社機械システム事業本部
加 藤 剛
日立造船株式会社技術開発本部技術研究所
○ 河 田 修
株式会社富士電機ガスタービン研究所
○ 渋 谷 幸 生
株式会社東芝火力プラント技術部
○ 鈴 木 章 夫
石川島播磨重工業株式会社ガスタービンプラント事業部
○ 永 井 勝 史
川崎重工業株式会社ガスタービン開発センター
○ 野 口 英 隆
ヤンマーディーゼル株式会社ガスタービン開発部
○ 福 泉 靖 史
三菱重工業株式会社原動機事業本部タービン技術部
○ 明 翫 市 郎
富士電機株式会社富士・シーメンス・エネルギーシステム
推進本部
○ 浦 野 稔 之
東京電力株式会社火力部
北 川 秀 一
日揮株式会社エンジニアリング本部回転機械部
桑 野 理
関西電力株式会社火力事業本部
○ 小 松 泰 幸
昭和シェル石油株式会社研究開発部
○ 佐 藤 穎 生
社団法人火力原子力発電技術協会調査局
○ 佐 藤 幹 夫
財団法人電力中央研究所横須賀研究所プラント熱工学部
○ 庄 司 不二雄
東京ガス株式会社エネルギー技術部
高 木 一
電気事業連合会工務部
高 西 一 光
関西電力株式会社火力事業本部
○ 半 田 進
社団法人火力原子力発電技術協会調査局
藤 本 洋
大阪ガス株式会社営業技術部
○ 三 賢 憲 治
東電設計株式会社海外事業本部
森 直 司
電気事業連合会工務部
○ 森 雅 晶
東京ガス株式会社エネルギー技術部
(関係者)
○ 福 田 実
財団法人日本規格協会技術部
○ 池 田 忠 司
富士電機株式会社富士・シーメンス・エネルギーシステム
推進本部
○ 三 井 功 雄
株式会社日立製作所火力・水力事業部
(事務局)
○ 上 原 由 美
日本内燃機関連合会
備考 ○印は,分科会委員を兼ねる。