B 8032-13:2018
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 記号及び略号 ··················································································································· 2
4 リングのタイプ及び呼び方 ································································································· 3
4.1 組合せオイルコントロールリングのタイプ ·········································································· 3
4.2 リング各部の名称及び記号 ······························································································ 4
4.3 呼び方の例 ··················································································································· 4
5 共通諸元························································································································· 5
5.1 スペーサエキスパンダ ···································································································· 5
5.2 サイドレール ················································································································ 6
5.3 スペーサエキスパンダとサイドレールとの組合せ ································································· 9
6 寸法······························································································································· 9
7 材料······························································································································ 14
7.1 スペーサエキスパンダの材料 ·························································································· 14
7.2 サイドレールの材料 ······································································································ 14
8 接線張力及び呼び面圧 ······································································································ 14
8.1 接線張力 ····················································································································· 14
8.2 呼び面圧Po及び面圧等級 ······························································································· 14
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 16
B 8032-13:2018
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
陸用内燃機関協会(LEMA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業
規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業
規格である。これによって,JIS B 8032-13:1998は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS B 8032(内燃機関−小径ピストンリング)の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS B 8032-1 第1部:用語
JIS B 8032-2 第2部:測定方法
JIS B 8032-3 第3部:材料
JIS B 8032-4 第4部:一般仕様
JIS B 8032-5 第5部:品質要求事項
JIS B 8032-6 第6部:鋳鉄製レクタンギュラリング
JIS B 8032-7 第7部:スチール製レクタンギュラリング
JIS B 8032-8 第8部:鋳鉄製スクレーパリング
JIS B 8032-9 第9部:鋳鉄製キーストンリング
JIS B 8032-10 第10部:鋳鉄製ハーフキーストンリング
JIS B 8032-11 第11部:オイルコントロールリング
JIS B 8032-12 第12部:コイルエキスパンダ付きオイルコントロールリング
JIS B 8032-13 第13部:スチール組合せオイルコントロールリング
JIS B 8032-14 第14部:スチール製キーストンリング
JIS B 8032-15 第15部:スチール製ハーフキーストンリング
JIS B 8032-16 第16部:コイルエキスパンダ付き鋳鉄製薄幅オイルコントロールリング
JIS B 8032-17 第17部:コイルエキスパンダ付きスチール製オイルコントロールリング
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日本工業規格 JIS
B 8032-13:2018
内燃機関−小径ピストンリング−
第13部:スチール組合せオイルコントロールリング
Internal combustion engines-Small diameter piston rings-
Part 13: Expander/segment oil control rings
序文
この規格は,2011年に第2版として発行されたISO 6627を基とし,我が国の実情に合わせて技術的内
容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一
覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,往復動内燃機関に使用する呼び径200 mm以下のピストンリング(以下,リングという。)
のスチール組合せオイルコントロールリングのタイプES1〜ES5の基本的寸法及び特性について規定する。
なお,この規格は,類似した状態で作動する圧縮機用リングなどに適用してもよい。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 6627:2011,Internal combustion engines−Piston rings−Expander/segment oil-control rings
(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 8032-2 内燃機関−小径ピストンリング−第2部:測定方法
注記 対応国際規格:ISO 6621-2:2003,Internal combustion engines−Piston rings−Part 2: Inspection
measuring principles(MOD)
JIS B 8032-3 内燃機関−小径ピストンリング−第3部:材料
注記 対応国際規格:ISO 6621-3:2000,Internal combustion engines−Piston rings−Part 3: Material
specifications(IDT)
JIS B 8032-4 内燃機関−小径ピストンリング−第4部:一般仕様
注記 対応国際規格:ISO 6621-4:2015,Internal combustion engines−Piston rings−Part 4: General
specifications(MOD)
2
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JIS B 8032-12 内燃機関−小径ピストンリング−第12部:コイルエキスパンダ付きオイルコントロー
ルリング
注記 対応国際規格:ISO 6626:1989,Internal combustion engines−Piston rings−Coil-spring-loaded oil
control rings(IDT)
3
記号及び略号
この規格で用いる記号及び略号は,表1による。
表1−記号及び略号
記号及び略号
定義
対応英語
a1
サイドレール半径方向厚さ
Segment radial wall thickness
a8
スペーサ半径方向高さ
Spacer radial thickness
a9
エキスパンダ半径方向高さ
Expander radial thickness
a11
組合せ半径方向厚さ
Assembly radial thickness
a14
耳高さ
Seating tab height
d1
組合せリング呼び径(シリンダ呼び径)
Nominal ring assembly diameter
(nominal diameter)
h1
組合せ呼び幅
Nominal assembly width
h24
当たり出し面幅
Segment contact face width
h9
エキスパンダ幅
Expander width
h10
サイドレール内周側幅
Segment width near inside diameter (ID), after
coiling
h11
サイドレール外周側幅
Segment width near outside diameter (OD),
after coiling and surface treatment or plating
h12
サイドレール幅
Nominal segment width
h13
スペーサ幅
Spacer width
Po
呼び面圧
Nominal contact pressure
Pou
面圧
Unit contact pressure
s1
サイドレール合い口隙間
Segment closed gap ; stagger gap
Ft
接線張力
Tangential force
Ftc
比接線張力
Specific tangential force
θ
耳角度
Tab angle
CR1〜CR2
クロムめっき記号
Chromium-plating thickness
LM
外周面へ機械加工による当たり出し面を施したピ
ストンリング
Piston rings with partly cylindical machined
peripheral faced
LP
外周面へラッピングによる当たり出し面を施した
ピストンリング
Piston rings with lapped stripe over the whole
circumference
ES1〜ES5
組合せオイルコントロールリングのタイプ
Types of expander/segment oil-control rings
PNH
高面圧
High nominal pressure
PNL
低面圧
Low nominal pressure
PNM
並面圧
Medium nominal pressure
PNR
弱面圧
Reduced nominal pressure
PNV
超高面圧
Very high nominal pressure
TT00〜TT30
耳角度記号
Nominal seating tab angle
NS010〜NS050
サイドレール窒化記号
Nitrided surface (segment)
NX003〜NX025 スペーサエキスパンダ窒化記号
Nitrided surface (expander-spacer)
3
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4
リングのタイプ及び呼び方
4.1
組合せオイルコントロールリングのタイプ
組合せオイルコントロールリングのタイプは,図1による。
タイプ
形状
ES1
ES2
ES3
ES4
ES5
図1−組合せオイルコントロールリングのタイプ
4
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4.2
リング各部の名称及び記号
スペーサエキスパンダとサイドレールとの組合せは,図2による。
a) 組合せ
b) スペーサエキスパンダ
c) サイドレール
1 耳
2 スペーサエキスパンダ突合せ部
3 外周面
4 互い違いにしたサイドレール部の合い口隙間:合い口部は,30°より大きいことが望ましいa)。
注a) 接線張力に関する組合せ校正については,JIS B 8032-2参照。
b) 耳角度は,表3による。
図2−スペーサエキスパンダとサイドレールとの組合せ
4.3
呼び方の例
この規格に基づくピストンリングの呼び方は,次の例による。
例1 ピストンリング JIS B 8032-13 ES1-90×3.0-MC68/CR1-MC67/PNM
ES1-90×3.0
組合せオイルコントロールリングがES1タイプで,呼び径d1=90 mm,組合せ呼び
幅h1=3.0 mm
5
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MC68/CR1
非合金のスチール(材料小分類MC68)製で,厚さ0.05 mm以上(CR1)の外周全周
クロムめっきを施したサイドレール。
MC67
16 %以上クロムを含むステンレス鋼(材料小分類MC67)製のスペーサエキスパン
ダ。
PNM
並面圧(PNM)に応じた接線張力Ftと図2に示す一般諸元とをもつ。
例2 ピストンリング JIS B 8032-13 ES2-90×2.5-MC65/NS020-MC67/NXPNR
ES2-90×2.5
組合せオイルコントロールリングがES2タイプで,呼び径d1=90 mm,組合せ呼び
幅h1=2.5 mm
MC65/NS020 16 %以上クロムを含む炭素鋼(材料小分類MC65)製で,深さ0.02 mm以上(NS020)
の内外周全周窒化を施したサイドレール。
MC67/NX
16 %以上クロムを含むステンレス鋼(材料小分類MC67)製で,表面に窒化(NX)
を施したスペーサエキスパンダ。
PNR
弱面圧(PNR)に応じた接線張力Ftと図2に示す一般諸元とをもつ。
例3 ピストンリング JIS B 8032-13 ES3-90×4.0-MC68/CR1-MC67/PNH
ES3-90×4.0
組合せオイルコントロールリングがES3タイプで,呼び径d1=90 mm,組合せ呼び
幅h1=4.0 mm
MC68/CR1
非合金のスチール(材料小分類MC68)製で,当たり出し面幅(h24)0.3 mmの,厚
さ0.05 mm以上(CR1)の外周全周クロムめっきを施したサイドレール。
MC67
16 %以上クロムを含むステンレス鋼(材料小分類MC67)製のスペーサエキスパン
ダ。
PNH
高面圧(PNH)に応じた接線張力Ftと図2に示す一般諸元とをもつ。
5
共通諸元
5.1
スペーサエキスパンダ
5.1.1
設計に考慮する事項
エンジンシリンダボアへ,組合せオイルコントロールリングを適合させるために,設計においては次の
事項を考慮することが望ましい。
− スペーサエキスパンダの全周ゆがみ
− ピストン溝深さ
− オイルリング溝に関係するランドの特徴
− 半径方向の溝コーナ部
5.1.2
無処理のスペーサエキスパンダ
無処理のスペーサエキスパンダは,窒化を施したサイドレールと組み合わせて使用しない(5.2.1参照)。
5.1.3
窒化を施したスペーサエキスパンダ(NX)
窒化を施したスペーサエキスパンダは,窒化を施したサイドレールと組み合わせて使用する(5.2.2参照)。
スペーサエキスパンダの窒化層深さは,表2による。
6
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表2−窒化層深さ
単位 mm
窒化記号
窒化層深さ
許容差
NX003
0.003
+0.012
0
NX010
0.010
NX015
0.015
NX020
0.020
NX025
0.025
注記1 許容差は,サイドレールとエキスパンダとの接触部に適用する。
注記2 窒化層深さの定義については,JIS B 8032-2参照。
5.1.4
スペーサエキスパンダの耳角度
スペーサエキスパンダは,サイドレールとピストン溝側面との間に気密作用が保てるように耳に僅かな
耳角度θを設けて設計する(図3参照)。表3は,推奨耳角度を示す。
図3−スペーサエキスパンダの耳角度
表3−スペーサエキスパンダの耳角度
単位 °
耳角度記号
耳角度 θ
許容差
TT00
0
+5
TT05
5
±5
TT10
10
TT15
15
TT20
20
TT25
25
TT30
30
注記 TT00は,ES2だけに適用する。
5.1.5
スペーサエキスパンダの寸法
値の指示がないa8,a9,a14,h9,及びh13(図2参照)は,スペーサエキスパンダの設計に関係する寸法
で,製造業者が決めなければならない。
5.2
サイドレール
5.2.1
外周面クロムめっきサイドレール
サイドレールの一般諸元は,図4及び表4による。
7
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図4−サイドレールのクロムめっき
表4−クロムめっきコーティング厚さ
単位 mm
クロムめっき記号
コーティング厚さ
CR1
0.05以上
CR2
0.10以上
5.2.2
全周窒化サイドレール
窒化サイドレールの一般諸元は,図5及び表5による。窒化記号(NS010〜NS050)は,外周,内周及
び側面によって指定する。
図5−サイドレールの窒化
表5−窒化層深さ
単位 mm
窒化記号
窒化層深さa)
外周面
内周面
側面
NS010
0.010以上
0.005以上
窒化がなくても
よい。
NS020
0.020以上
0.005以上
NS030
0.030以上
0.010以上
NS050
0.050以上
0.020以上
注a) 許容差は,JIS B 8032-4参照。
5.2.3
サイドレールの寸法
サイドレール呼び幅(h12)は,サイドレール半径方向厚さa1の中点で定義する。
サイドレール内周側幅(h10)及びサイドレール外周側幅(h11)は,図6に定義する。
表面処理によるサイドレール幅を表6に示す。また,代表的なサイドレール幅とサイドレール半径方向
厚さとの組合せ,代表的なサイドレール幅と組合せ呼び幅との組合せ,代表的な組合せ呼び幅とサイドレ
ール半径方向厚さとの組合せを,それぞれ表7,表8及び表9に示す。
8
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図6−サイドレール幅
表6−表面処理によるサイドレール幅
サイドレール幅
h12
外周クロムめっきサイドレール最大幅
全周窒化サイドレール最大幅
サイドレー
ル内周側幅
h10
サイドレー
ル外周側幅
h11
当たり出
し面幅
h24
サイドレー
ル内周側幅
h10
サイドレー
ル外周側幅
h11 a)
当たり出
し面幅
h24
0.30
0.34
0.36
0.20
0.34
0.33
0.20
0.35
0.39
0.41
0.25
0.39
0.38
0.25
0.40
0.44
0.46
0.25
0.44
0.43
0.25
0.45
0.49
0.51
0.25
0.49
0.48
0.25
0.50
0.54
0.56
0.30
0.54
0.53
0.30
0.60
0.64
0.66
0.30
0.64
0.63
0.30
注記 h24は,当たり出し面幅が指定されたサイドレールだけに適用する。
注a) h11は,オプションである。
表7−代表的なサイドレール幅とサイドレール半径方向厚さとの組合せ
単位 mm
サイドレール幅
h12
サイドレール半径方向厚さ
a1
1.50
1.70
1.85
2.00
2.10
2.30
2.50
2.70
3.00
0.30
○
○
○
○
0.35
○
○
○
○
○
○
0.40
○
○
○
○
○
○
0.45
○
○
○
○
○
○
0.50
○
○
○
○
○
○
0.60
○
○
○
○
○
表8−代表的なサイドレール幅と組合せ呼び幅との組合せ
単位 mm
組合せ呼び幅
h1
サイドレール幅
h12
0.30
0.35
0.40
0.45
0.50
0.60
1.5
○
○
○
2.0
○
○
○
2.5
○
○
3.0
○
○
○
3.5
○
○
○
4.0
○
○
9
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表9−代表的な組合せ呼び幅とサイドレール半径方向厚さとの組合せ
単位 mm
組合せ呼び幅
h1
サイドレール半径方向厚さ
a1
1.50
1.70
1.85
2.00
2.10
2.30
2.50
2.70
3.00
1.5
○
○
○
○
2.0
○
○
○
○
○
○
○
2.5
○
○
○
○
○
○
○
3.0
○
○
○
○
○
○
3.5
○
○
4.0
○
○
サイドレール半径方向厚さa1は,スペーサエキスパンダのタイプによって異なる。比率d1/a1の一般的
な値は,20〜45の間となる。
サイドレール半径方向厚さa1の一般許容差は,窒化サイドレールでは±0.05 mmとし,めっきサイドレ
ール(CR1及びCR2)では±0.08 mmとする。
ラップを施した当たり出し面幅h24は,0.05 mm以上とする。
5.3
スペーサエキスパンダとサイドレールとの組合せ
組合せ呼び幅h1及び比接線張力Ftcは,表10による。
選択した組合せ半径方向厚さ(a11)は,その設計(スペーサエキスパンダ及びサイドレール)に関係し,
製造業者が定義する。
6
寸法
組合せオイルコントロールリングの寸法は,表10による。
表10−組合せオイルコントロールリングの寸法
単位 mm
組合せ
リング
呼び径
d1
サイドレール幅
h12
サイドレール
合い口隙間
s1
比接線張力
Ftc(N) (Pou=1 N/mm2)
組合せ呼び幅
h1(適切なh12を選択する)
区分
許容差
区分
許容差
h12区分欄に対応
1
2
3
4
5
6
1
2
3
4
5
6
1-2-3
2-3-4
3-4
3-4-5
4-5-6
5-6
40
41
42
43
44
0.30 0.35 0.40 0.45 0.50 0.60 0.15
+0.50
0
12.00 14.00 16.00 18.00 20.00
−
Ftc>25 N
の場合
±20 %
Ftc≦25 N
の場合
±5 N
1.5
2.0
2.5
−
−
−
12.30 14.35 16.40 18.45 20.50
12.60 14.70 16.80 18.90 21.00
12.90 15.05 17.20 19.35 21.50
13.20 15.40 17.60 19.80 22.00
45
46
47
48
49
13.50 15.75 18.00 20.25 22.50
13.80 16.10 18.40 20.70 23.00
14.10 16.45 18.80 21.15 23.50
14.40 16.80 19.20 21.60 24.00
14.70 17.15 19.60 22.05 24.50
50
51
52
53
54
15.00 17.50 20.00 22.50 25.00
15.30 17.85 20.40 22.95 25.50
15.60 18.20 20.80 23.40 26.00
15.90 18.55 21.20 23.85 26.50
16.20 18.90 21.60 24.30 27.00
55
56
57
58
59
16.50 19.25 22.00 24.75 27.50
16.80 19.60 22.40 25.20 28.00
17.10 19.95 22.80 25.65 28.50
17.40 20.30 23.20 26.10 29.00
17.70 20.65 23.60 26.55 29.50
60
61
62
63
64
0.20
+0.75
0
18.00 21.00 24.00 27.00 30.00 36.00
1.5
2.0
2.5
3.0
3.5
4.0
18.30 21.35 24.40 27.45 30.50 36.60
18.60 21.70 24.80 27.90 31.00 37.20
18.90 22.05 25.20 28.35 31.50 37.80
19.20 22.40 25.60 28.80 32.00 38.40
1
0
B
8
0
3
2
-1
3
:
2
0
1
8
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表10−組合せオイルコントロールリングの寸法(続き)
単位 mm
組合せ
リング
呼び径
d1
サイドレール幅
h12
サイドレール
合い口隙間
s1
比接線張力
Ftc(N) (Pou=1 N/mm2)
組合せ呼び幅
h1(適切なh12を選択する)
区分
許容差
区分
許容差
h12区分欄に対応
1
2
3
4
5
6
1
2
3
4
5
6
1-2-3
2-3-4
3-4
3-4-5
4-5-6
5-6
65
66
67
68
69
0.30 0.35 0.40 0.45 0.50 0.60 0.20
+0.75
0
19.50 22.75 26.00 29.25 32.50 39.00 Ftc>25 N
の場合
±20 %
Ftc≦25 N
の場合
±5 N
1.5
2.0
2.5
3.0
3.5
4.0
19.80 23.10 26.40 29.70 33.00 39.60
20.10 23.45 26.80 30.15 33.50 40.20
20.40 23.80 27.20 30.60 34.00 40.80
20.70 24.15 27.60 31.05 34.50 41.40
70
71
72
73
74
21.00 24.50 28.00 31.50 35.00 42.00
21.30 24.85 28.40 31.95 35.50 42.60
21.60 25.20 28.80 32.40 36.00 43.20
21.90 25.55 29.20 32.85 36.50 43.80
22.20 25.90 29.60 33.30 37.00 44.40
75
76
77
78
79
0.25
22.50 26.25 30.00 33.75 37.50 45.00
22.80 26.60 30.40 34.20 38.00 45.60
23.10 26.95 30.80 34.65 38.50 46.20
23.40 27.30 31.20 35.10 39.00 46.80
23.70 27.65 31.60 35.55 39.50 47.40
80
81
82
83
84
24.00 28.00 32.00 36.00 40.00 48.00
24.30 28.35 32.40 36.45 40.50 48.60
24.60 28.70 32.80 36.90 41.00 49.20
24.90 29.05 33.20 37.35 41.50 49.80
25.20 29.40 33.60 37.80 42.00 50.40
85
86
87
88
89
25.50 29.75 34.00 38.25 42.50 51.00
25.80 30.10 34.40 38.70 43.00 51.60
26.10 30.45 34.80 39.15 43.50 52.20
26.40 30.80 35.20 39.60 44.00 52.80
26.70 31.15 35.60 40.05 44.50 53.40
11
B
8
0
3
2
-1
3
:
2
0
1
8
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表10−組合せオイルコントロールリングの寸法(続き)
単位 mm
組合せ
リング
呼び径
d1
サイドレール幅
h12
サイドレール
合い口隙間
s1
比接線張力
Ftc(N) (Pou=1 N/mm2)
組合せ呼び幅
h1(適切なh12を選択する)
区分
許容差
区分
許容差
h12区分欄に対応
1
2
3
4
5
6
1
2
3
4
5
6
1-2-3
2-3-4
3-4
3-4-5
4-5-6
5-6
90
91
92
93
94
0.30 0.35 0.40 0.45 0.50 0.60 0.30
+0.75
0
27.00 31.50 36.00 40.50 45.00 54.00 Ftc>25 N
の場合
±20 %
Ftc≦25 N
の場合
±5 N
1.5
2.0
2.5
3.0
3.5
4.0
−
31.85 36.40 40.95 45.50 54.60
32.20 36.80 41.40 46.00 55.20
32.55 37.20 41.85 46.50 55.80
32.90 37.60 42.30 47.00 56.40
95
96
97
98
99
33.25 38.00 42.75 47.50 57.00
−
33.60 38.40 43.20 48.00 57.60
33.95 38.80 43.65 48.50 58.20
34.30 39.20 44.10 49.00 58.80
34.65 39.60 44.55 49.50 59.40
100
101
102
103
104
35.00 40.00 45.00 50.00 60.00
35.35 40.40 45.45 50.50 60.60
35.70 40.80 45.90 51.00 61.20
36.05 41.20 46.35 51.50 61.80
36.40 41.60 46.80 52.00 62.40
105
106
107
108
109
−
42.00 47.25 52.50 63.00
−
−
3.0
3.5
4.0
42.40 47.70 53.00 63.60
42.80 48.15 53.50 64.20
43.20 48.60 54.00 64.80
43.60 49.05 54.50 65.40
1
2
B
8
0
3
2
-1
3
:
2
0
1
8
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表10−組合せオイルコントロールリングの寸法(続き)
単位 mm
組合せ
リング
呼び径
d1
サイドレール幅
h12
サイドレール
合い口隙間
s1
比接線張力
Ftc(N) (Pou=1 N/mm2)
組合せ呼び幅
h1(適切なh12を選択する)
区分
許容差
区分
許容差
h12区分欄に対応
1
2
3
4
5
6
1
2
3
4
5
6
1-2-3
2-3-4
3-4
3-4-5
4-5-6
5-6
110
111
112
113
114
0.30 0.35 0.40 0.45 0.50 0.60 0.35
+0.75
0
−
−
44.00 49.50 55.00 66.00 Ftc>25 N
の場合
±20 %
Ftc≦25 N
の場合
±5 N
−
−
−
3.0
3.5
4.0
44.40 49.95 55.50 66.60
44.80 50.40 56.00 67.20
45.20 50.85 56.50 67.80
45.60 51.30 57.00 68.40
115
116
117
118
119
46.00 51.75 57.50 69.00
46.40 52.20 58.00 69.60
46.80 52.65 58.50 70.20
47.20 53.10 59.00 70.80
47.60 53.55 59.50 71.40
120
121
122
123
124
125
48.00 54.00 60.00 72.00
48.40 54.45 60.50 72.60
48.80 54.90 61.00 73.20
49.20 55.35 61.50 73.80
49.60 55.80 62.00 74.40
50.00 56.25 62.50 75.00
注記 Ftcの値は,平均サイドレール半径方向厚さのサイドレールによって評価する組合せオイルコントロールリングに適用する。
任意のサイドレール半径方向厚さ(仕様内)によって評価される組合せの適切なFtcの値は,受渡当事者間の協定で定めることができる。この場
合,スペーサエキスパンダの接線張力,全周ゆがみ及びサイドレール半径方向厚さに関して,製造業者の工程能力を慎重に考慮する。
1
3
B
8
0
3
2
-1
3
:
2
0
1
8
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
14
B 8032-13:2018
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
7
材料
7.1
スペーサエキスパンダの材料
スペーサエキスパンダの材料は,JIS B 8032-3で規定するステンレス鋼製で,受渡当事者間の協定によ
って材料小分類MC67又はMC68のいずれかを用いる。
窒化を施したスペーサエキスパンダの材料は,JIS B 8032-3で規定するステンレス鋼製で,材料小分類
MC67を用いる。
7.2
サイドレールの材料
クロムめっきを施したサイドレールの材料は,JIS B 8032-3で規定する非合金のスチール(材料小分類
MC68)を用いる。
窒化を施したサイドレールの材料は,JIS B 8032-3で規定する炭素鋼製で,材料小分類MC65又はMC66
のいずれかを用いる。
8
接線張力及び呼び面圧
8.1
接線張力
8.1.1
接線張力 Ft
組合せオイルコントロールリングの接線張力Ftは,スペーサエキスパンダを圧縮することによって発生
する力及びサイドレールの張力によって決まり,次の式によって計算する。
o
12
1
t
2
2
1
P
h
d
F
×
×
=
各部の寸法は,図2及び表1による。
注記 サイドレールによって発生する接線張力Ftは,無視できる。
8.1.2
比接線張力 Ftc
比接線張力Ftcは,組合せオイルコントロールリングの単位面圧を“Pou=1 N/mm2”としたときの接線張
力であり,次の式によって計算する。
ou
12
1
tc
2
2
1
P
h
d
F
×
×
=
特定の比接線張力Ftcは,表10による。
8.1.3
実際の接線張力 Ft
組合せオイルコントロールリングの実際の接線張力は,Ftc及び必要とする呼び面圧Poを用いて,次の
式によって計算する。
tc
ou
o
t
F
P
P
F
×
=
ここに,
ou
o
P
Pは,張力係数(表11参照)。
8.2
呼び面圧Po及び面圧等級
選択する面圧に対する接線張力Ftは,表11に示す張力係数を用いて算出する。
この係数は,JIS B 8032-12に従った面圧等級による分類も意味する。
呼び面圧Poは,サイドレール幅(h12)が100 %接触していると仮定したときに必要とする面圧として定
義する。
15
B 8032-13:2018
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表11−張力係数及び等級記号
張力係数
Po/Pou
等級記号
意味
0.6 a)
PNL
低面圧
0.8
PNR
弱面圧
1.0
PNM
並面圧
1.2
PNH
高面圧
1.5
PNV
超高面圧
注a) 組合せリング呼び径(d1)が65 mm未満には推奨しない。
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS B 8032-13:2018 内燃機関−小径ピストンリング−第13部:スチール組合せ
オイルコントロールリング
ISO 6627:2011,Internal combustion engines−Piston rings−Expander/segment
oil-control rings
(I)JISの規定
(II)国際
規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範囲
1
JISにほぼ同じ
変更
呼び径について,ISO規格では,40
mm〜125 mmであるが,JISでは
200 mm以下とした。
ISO規格は規格ごとに適用範囲の
呼び径を個々に規定しているが,
現状のJISは全て200 mm以下と
している。今回の改正では現状JIS
と一致させるため呼び径は変更な
しとした。他のJISをISO規格相
当に改正するときに整合を図る。
4.1 組合せオ
イルコント
ロールリン
グのタイプ
図1 タイプES5
Figure 1
−
追加
ISO規格に設定されていない。
我が国では使用されているタイプ
であるため,このまま従来のJIS
を踏襲する。
5.1 スペーサ
エキスパン
ダ
5.1.2 無処理のス
ペーサエキスパン
ダ
5.1.2
JISにほぼ同じ
変更
無処理のスペーサエキスパンダに
ついて,ISO規格では“一般的にク
ロムめっきを施したサイドレール
と組み合わせて使用する”としてい
るが,JISでは“窒化を施したサイ
ドレールと組み合わせて使用しな
い”とした。
現状,無処理のスペーサエキスパ
ンダは,クロムめっきを施したサ
イドレール以外との組合せが存在
し,窒化を施したサイドレールと
の組合せは,不具合が生じること
から存在しない。JISではISO規
格より明確な表現にした。
1
5
B
8
0
3
2
-1
3
:
2
0
1
8
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)国際
規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
5.2.3 サイド
レールの寸
法
表6〜表9
5.2.3
JISにほぼ同じ
変更
ISO規格では,表の順番を表8,表
7,表9,表6としているが,JISで
は表6,表7,表8,表9とした。
図6で,サイドレール呼び幅(h12),
サイドレール内周側幅(h10),及
びサイドレール外周側幅(h11)を
定義しているが,ISO規格では,
数値を定義している表が,図6か
ら離れている。設計する上でISO
規格の表の順番では分かりにくい
ため,表の順番を入れ替えること
で,JISではISO規格より分かり
やすくした。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 6627:2011,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
1
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B
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0
3
2
-1
3
:
2
0
1
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。