B 8002-3:2009 (ISO 3046-3:2006)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 記号······························································································································· 2
5 標準大気条件 ··················································································································· 2
6 船用標準設計条件 ············································································································· 2
7 要求事項························································································································· 2
7.1 測定精度 ······················································································································ 2
7.2 運転条件 ······················································································································ 2
7.3 測定方法 ······················································································································ 2
7.4 許容誤差 ······················································································································ 2
7.5 その他の規則及び要求事項 ······························································································ 3
8 測定項目························································································································· 3
附属書A(参考)合成誤差の計算例 ························································································· 4
B 8002-3:2009 (ISO 3046-3:2006)
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本内燃機関連合
会(JICEF)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申
出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS B 8002-3:1998は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責
任はもたない。
JIS B 8002(往復動内燃機関−性能)の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS B 8002-1 第1部:出力・燃料消費量・潤滑油消費量の表示及び試験方法−一般機関に対する追加
要求事項
JIS B 8002-3 第3部:測定
JIS B 8002-4 第4部:調速
JIS B 8002-5 第5部:ねじり振動
JIS B 8002-6 第6部:過回転速度防止
JIS B 8002-7 第7部:出力コード
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日本工業規格 JIS
B 8002-3:2009
(ISO 3046-3:2006)
往復動内燃機関−性能−第3部:測定
Reciprocating internal combustion engines-Performance-
Part 3: Test measurements
序文
この規格は,2006年に第3版として発行されたISO 3046-3を基に,技術的内容及び対応国際規格の構
成を変更することなく作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。
1
適用範囲
この規格は,JIS B 8003で要求する基本要件に加え,往復動内燃機関(以下,機関という。)の主要性能
測定項目の一般的な測定方法について規定する。この規格は,測定値を機関製造業者が示す値と対比する
ときに必要な精度を確保するためのものである。必要に応じて,個々の機関用途に対して個別要求事項を
規定することができる。
この規格は,陸上,鉄道及び海上で使用する機関に適用する。
注記1 この規格の適用範囲には,主に路上での使用のために設計した自動車用機関は含まない。
注記2 この規格の対応国際規格及びその程度を表す記号を,次に示す。
ISO 3046-3:2006,Reciprocating internal combustion engines−Performance−Part 3: Test
measurements (IDT)
なお,対応の程度を表す記号(IDT)は,ISO/IEC Guide 21に基づき,一致していることを示
す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 8002-1 往復動内燃機関−性能−第1部:出力・燃料消費量・潤滑油消費量の表示及び試験方法
−一般機関に対する追加要求事項
注記 対応国際規格:ISO 3046-1,Reciprocating internal combustion engines−Performance−Part 1:
Declarations of power, fuel and lubricating oil consumptions, and test methods−Additional
requirements for engines for general use (IDT)
JIS B 8003 内燃機関−機関出力の決定方法及び測定方法−共通要求事項
注記 対応国際規格:ISO 15550,Internal combustion engines−Determination and method for the
measurement of engine power−General requirements (IDT)
2
B 8002-3:2009 (ISO 3046-3:2006)
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3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 8003による。
4
記号
この規格で用いる記号は,JIS B 8003の表2(記号)による。添字の意味は,JIS B 8003の表3(添字)
による。
5
標準大気条件
標準大気条件については,JIS B 8003の5.(標準大気条件)による。
海上で使用される機関に適用する場合,処理水,清水,海水又は原水の給気冷却器冷却水温度(Tcr)は,
次のように規定する。
− 処理水又は清水の場合: Tcr = 302 K(29 ℃)
− 海水又は原水の場合: Tcr = 298 K(25 ℃)
給気冷却器冷却水温度は,冷却水の種類による影響を考慮する。
注記 この給気冷却器冷却水温度は,過給機関の給気冷却器の冷却水入口の温度であり,冷却水の種
類の違いによる影響を示している。機関の設計者及び/又は購入者は,冷却水として清水を使
用するか,海水又は原水を使用するかを選択することができる。給気冷却器の出口空気温度は,
清水を使用しても海水又は原水を使用しても同じとする。
給気冷却器の仕様は,使用する冷却水の種類によって,機関の設計者が定める。
6
船用標準設計条件
国際船級協会連合(IACS)が管理する船用の用途においては,処理水,清水,海水又は原水用の給気冷却
器冷却水温度(Tcr)は,次のように規定している。
− 処理水又は清水の場合: Tcr = 309 K(36 ℃)
− 海水又は原水の場合: Tcr = 305 K(32 ℃)
船用標準大気条件は,JIS B 8002-1の11.4(出力の呼び方の種類)を参照。
標準設計条件は,機関冷却性能を確立するための基本であり,JIS B 8003の3.3.4(連続出力)の要求に
合致した申告された機関出力における最大空気冷却水温度を規定値以下に維持するために使用する。
注記 船用標準大気条件(IACSの標準大気条件)を適用している場合には,JIS B 8003の3.3.4は,
出力に対しては,適用しなくてもよい。
7
要求事項
7.1
測定精度
測定精度は,JIS B 8003の6.2.4.3.1(測定精度)による。
7.2
運転条件
運転条件は,JIS B 8003の6.2.4.3.2(運転条件)による。
7.3
測定方法
測定方法は,JIS B 8003の6.2.4.3.3(測定方法)による。
7.4
許容誤差
許容誤差は,JIS B 8003の6.2.4.3.4(許容誤差)による。
3
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注記 複数の測定値から求める量の合成誤差の計算例を,附属書Aに示す。
7.5
その他の規則及び要求事項
船用及び海上設備用として使用する機関で船級協会の規則を適用する機関については,船級協会の追加
の要求事項を満足しなければならない。この場合は,購入者は,契約の前に,船級協会の規則を適用する
ことを申し出なければならない。
船級協会の規則を適用しない機関については,追加の要求事項は,個々の案件については,受渡当事者
間の協定による。
船級協会以外の公的機関,例えば,検査及び/又は認証機関の特別な要求事項がある場合は,購入者は,
契約の前に申し出なければならない。
これら以外の補足要求事項は,受渡当事者間の協定による。
注記 ここでいう船級協会とは,日本では,財団法人日本海事協会をさす。
8
測定項目
試験中に測定する機関性能に関する項目は,JIS B 8003の表4(測定項目)による。
追加の測定項目は,表1に規定する。
表1−追加測定項目
追加測定項目
定義
記号
単位
許容誤差
機関軸トルクa)
機関の駆動軸先端において測定する機関の平均トルク。組
込みスラスト軸受をもつ船用機関は,試験台上ではスラス
ト荷重がないため,船上でプロペラシャフトによって測定
するトルクと一致しない。機関製造業者は,購入者にスラ
スト軸受に吸収されるトルクを通知することができる。指
針として,機関トルクの0.5 %の値を使用する。
Ttq
kNm
±2 %
給気冷却器内の給気圧力
降下b) c)
機関製造業者によって定義される給気冷却器の給気入口と
給気出口との差圧。
∆pba
kPa
±10 %
潤滑油圧力b) c)
潤滑油系統の定められた点における潤滑油の圧力(例えば,
個々の回路のポンプの出口,フィルタの入口及び出口並び
に計器盤での測定値)。
po
kPa
±5 %
過給機出口の給気温度d) e)
過給機出口で測定する空気温度。
Tb
K
±4 K
潤滑油温度d) e)
潤滑油系統の定められた点における潤滑油の温度(例えば,
個々の回路の冷却器の入口及び出口)。
To
K
±2 K
燃料温度d) e)
燃料温度は,予熱器の入口及び機関の入口で測定する。
Tf
K
±5 K
注a) 水動力計,電気動力計又は同様な機能をもつ計器によって測定する。
b) 各圧力の許容誤差は,ゲージ圧力の百分率で表す。
c) 圧力単位は,kPa又はMPaの代わりにbarを用いてもよい。
d) 電気的方法(抵抗温度計又は熱電温度計)又は流体式温度計によって測定する。
e) 温度単位は,Kのほか,℃を用いてもよい。
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附属書A
(参考)
合成誤差の計算例
A.1 機関出力の計算
機関出力は,機関のトルク及び回転速度から式(A.1)によって求める。
3
549
.9
tqn
T
P
×
=
··········································································· (A.1)
ここに,
P: 機関出力 (kW)
Ttq: 機関トルク (kNm)
n: 機関の回転速度 (min−1)
機関トルク及び回転速度の許容誤差は,JIS B 8003の表4の1.1及び1.2によって,ともに±2 %である。
A.2 機関出力の合成誤差
機関出力の合成誤差Aは,式(A.2)によって求める。
2
2
b
a
A
+
=
········································································· (A.2)
ここに,
a: 機関トルクの許容誤差
b: 機関回転速度の許容誤差
(%)
3
028
.0
0.02
0.02
2
2
≈
=
+
=
A
機関出力の許容誤差は,JIS B 8003の表4の1.5で,±3 %と規定している。
A.3 燃料消費率の計算及び合成誤差
燃料消費率は,機関出力及び燃料消費量から式(A.3)によって求める。
P
B
g
/
=
··············································································· (A.3)
ここに,
g: 機関の燃料消費率 (g/kWh)
B: 機関の燃料消費量 (kg/h)
P: 機関出力 (kW)
燃料消費量の許容誤差は,JIS B 8003の表4の4.1によって,±3 %である。
機関出力の許容誤差は,JIS B 8003の表4の1.5によって,±3 %である。
燃料消費率の合成誤差Bは,式(A.4)によって求める。
2
2
d
c
B
+
=
········································································· (A.4)
ここに,
c: 機関出力の許容誤差
d: 燃料消費量の許容誤差
(%)
4
042
.0
0.03
0.03
2
2
≈
=
+
=
B
燃料消費率の許容誤差は,JIS B 8003の表4の4.2で,±3 %と規定している。
5
B 8002-3:2009 (ISO 3046-3:2006)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
したがって,JIS B 8003の規定に適合させるためには,機関出力及び燃料消費量の測定誤差を許容誤差
より小さくなるようにして,最終的な燃料消費率の計算値が,±3 %の許容誤差に適合するようにしなけ
ればならない。