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B 7996:2018  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 形式試験························································································································· 2 

4.1 試験条件 ······················································································································ 2 

4.2 試験粉体 ······················································································································ 2 

4.3 校正 ···························································································································· 2 

4.4 形式試験方法 ················································································································ 2 

5 性能試験························································································································· 3 

5.1 試験条件 ······················································································································ 3 

5.2 性能試験方法 ················································································································ 3 

6 評価報告書 ······················································································································ 4 

附属書A(参考)計測器の種類による測定範囲及び測定場所の条件················································ 5 

附属書B(参考)計測器の性能及び構成···················································································· 6 

附属書C(参考)ダスト濃度自動計測器の性能試験に関する評価報告書 ·········································· 8 

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(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本

工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 7996:2018 

排ガス中のダスト濃度自動計測器の性能評価方法 

Performance evaluation test method of automated concentration monitoring 

instrument of dust in flue gas 

適用範囲 

この規格は,工場及び事業所で使用する燃料その他からの燃焼に伴って排出される排ガス中のダスト濃

度を,光散乱方式,光透過方式又は摩擦静電気検出方式によって,長期間かつ連続的に測定する自動計測

器(以下,計測器という。)の性能評価方法について規定する。 

なお,計測器の種類による測定範囲及び測定場所の条件を附属書Aに,また,計測器の性能評価及び構

成を附属書Bに示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 1302 絶縁抵抗計 

JIS K 0211 分析化学用語(基礎部門) 

JIS K 0215 分析化学用語(分析機器部門) 

JIS Z 8103 計測用語 

JIS Z 8703 試験場所の標準状態 

JIS Z 8808 排ガス中のダスト濃度の測定方法 

JIS Z 8852 排ガス中のダスト濃度の連続測定方法 

JIS Z 8901 試験用粉体及び試験用粒子 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS K 0211,JIS K 0215,JIS Z 8103,JIS Z 8808,JIS Z 8852

及びJIS Z 8901によるほか,次による。 

3.1 

測定範囲 

原理的にその計測器がもつ最大の測定幅。 

3.2 

測定レンジ 

測定範囲内で,ある特定の測定幅。 

3.3 

フルスケール 

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測定レンジの最大値。 

3.4 

光散乱方式 

排ガスに測定光を照射したとき,ダストによって散乱される光の強度が,ダスト濃度と相関関係にある

ことを利用したダスト濃度の測定方式。 

3.5 

光透過方式 

排ガスに測定光を照射したとき,ダストによって遮光される測定光の減衰量が,ダスト濃度と相関関係

にあることを利用したダスト濃度の測定方式。 

3.6 

摩擦静電気検出方式 

排ガス中にプローブ状の電極を挿入したとき,ダストが電極に衝突又は近傍を通過するときに生じる電

荷の移動及び誘導がダスト濃度と相関関係にあることを利用したダスト濃度の測定方式。 

3.7 

形式試験 

製品を新規開発したとき,又は性能に関わる設計変更をしたときに,代表するサンプルに対して実施す

る試験。 

3.8 

性能試験 

製造業者が製品出荷ごとに行う試験。 

形式試験 

4.1 

試験条件 

試験条件は,JIS Z 8808のA.3.1.1(試験条件)によるほか,製造業者の指示による。ただし,計測器の

暖機時間は,製造業者の指示書による。 

4.2 

試験粉体 

試験粉体は,JIS Z 8901の試験用粉体10種(フライアッシュ)が望ましい。 

4.3 

校正 

試験を実施する前に,次によって計測器の校正を行う。 

a) ゼロ校正 ゼロ等価入力を導入し,粉体を含まない状態(空気)で指示値を0 %に合わせる。 

b) スパン校正 スパン等価入力を導入し,指示値を合わせる。ただし,スパン等価入力は,相関係数の

最大入力時に指示値がフルスケールを超えないような等価入力とする。その方法は製造業者の指示書

に従って操作する。 

4.4 

形式試験方法 

4.4.1 

相関係数 

4.4.1.1 

試験風洞を使用した相関係数の求め方 

JIS Z 8808による試験風洞によって,各計測器の測定レンジの範囲内で,製造業者が指定した同一の試

験粉体を任意の3点以上のダスト濃度で流し,JIS Z 8808に規定する分析を実施して得られたダスト濃度

と計測器の測定値との相関係数を求める。試験風洞の構成例を図1に示す。 

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図1−試験風洞の構成例 

4.4.1.2 

実煙道を使用した相関係数の求め方 

実煙道を使用して相関係数を求める場合は,JIS Z 8852による。 

4.4.2 

温度安定性 

試料採取部がダスト濃度測定に温度的に影響しない場合は計測部だけを,影響する場合は試験採取部及

び計測部を恒温槽に入れ,任意の等価入力時の測定値を記録する。使用温度範囲で温度を変化させ,10 ℃

当たりの最大偏差を求める。 

4.4.3 

電源電圧安定性 

任意の等価入力を導入し,電源電圧を定格電圧の+10 %及び−10 %にしたときの測定値の変化幅を求め

る。 

性能試験 

5.1 

試験条件 

試験条件は,JIS Z 8703に従って選択する。ただし,JIS Z 8703以外に必要となる条件は,製造業者の

指示書,受渡当事者間の協定などによる。 

5.2 

性能試験方法 

5.2.1 

繰返し性 

スパン等価入力を3回実施し,各測定値と平均値との差を求める。 

5.2.2 

ゼロドリフト 

ゼロ等価入力を導入し,24時間以上連続測定を行う。試験開始時と24時間以上後の測定値との差を求

める。 

5.2.3 

スパンドリフト 

スパン等価入力を導入し,24時間以上連続測定を行う。試験開始時と24時間以上後の測定値との差を

求める。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.2.4 

応答時間 

ゼロ等価入力からスパン等価入力を導入したとき,スパン等価入力の90 %に達するまでの時間を測定す

る。 

5.2.5 

絶縁抵抗 

計測器の電気回路を閉の状態で,電源端子一括間と外箱との間の絶縁抵抗を,JIS C 1302に規定する500 

V絶縁抵抗計で測定する。 

なお,この試験は,計測器の作動停止状態で行う。 

5.2.6 

耐電圧 

計測器の電気回路を閉の状態で,電源端子一括間と外箱との間に定格周波数の交流電圧1 000 V 1) を1

分間加え,異常の有無を調べる。 

なお,この試験は,計測器の作動停止状態で行う。 

注1) 耐電圧試験の測定電圧は,顧客との検査基準の取決めによって交流電圧1 000 V以上としても

よい。 

評価報告書 

この規格の全ての性能試験項目に適合した計測器には,評価報告書を添付することができる。 

評価報告書は,次の事項を表示する。性能試験に関する評価報告書の例を附属書Cに示す。 

a) 規格番号 

b) 試験実施年月日 

c) 計測器の名称,形式名及び製造番号 

d) 製造業者名及び/又はその略号 

e) 試験条件(温度及び相対湿度) 

f) 

試験結果 

g) 試験実施者及び試験実施場所 

h) その他必要な事項 

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附属書A 

(参考) 

計測器の種類による測定範囲及び測定場所の条件 

A.1 計測器の種類 

計測器の種類による測定範囲及び測定場所の条件を,表A.1に示す。 

なお,測定レンジは,表A.1で示した中で適切なものを選ぶ。 

表A.1−計測器の種類による測定範囲及び測定場所の条件 

測定方式の種類 

測定範囲mg/m3 

(目安) 

測定場所の条件 

(目安) 

注記 

光散乱方式 

0〜10のものから 
0〜500のものまで 

排ガス条件 
 流速:任意 
 最大温度:800 ℃ 
 最大圧力:+0.2 MPa 
ダクト寸法条件 
 φ0.5 m以上又は 
 0.5 m×0.5 m以上 

特に低濃度領域で高い相関を要求され
る場合に適用できる。 
EP a) 出口のようにダストが帯電してい
ても影響を受けない。 
プラント稼働中でも校正が可能。 

光透過方式 

0〜20のものから 
0〜10 000のものまで 

排ガス条件 
 流速:任意 
 最大温度:600 ℃ 
 最大圧力:+0.2 MPa 
ダクト寸法条件 
 φ0.5 m以上又は 
 0.5 m×0.5 m以上 

中〜高濃度での相関を要求される場合
に適用できる。 
EP a) 出口のようにダストが帯電してい
ても影響を受けない。 
校正は,通常,プラント休転中に実施。 

摩擦静電気 
検出方式 

0〜10のものから 
0〜1 000のものまで 

排ガス条件 
 流速:任意 
 最大温度:800 ℃ 
 最大圧力:+0.2 MPa 
ダクト寸法条件 
 任意 

低〜中濃度領域で高い相関を要求され
る場合に適用できる。 
ダストの色の変化に影響を受けない。 

注記 最大圧力に対する基準は,大気圧とする。 
注a) EP(Electrostatic Precipitator):電気集じん(塵)機 

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附属書B 

(参考) 

計測器の性能及び構成 

B.1 

計測器の性能 

計測器は,箇条4及び箇条5による試験を行ったとき,表B.1の性能を満足することが望ましい。 

表B.1−計測器の性能 

項目 

試験方法 

性能値 

相関係数 

4.4.1 

0.9以上 

温度安定性 

4.4.2 

測定レンジ0〜100 mg/m3の場合  フルスケールの±2 %/10 ℃ 

電源電圧安定性 

4.4.3 

測定レンジ0〜100 mg/m3の場合  フルスケールの±2 % 

繰返し性 

5.2.1 

測定レンジ0〜100 mg/m3の場合  フルスケールの±2 % 

ゼロドリフト 

5.2.2 

測定レンジ0〜100 mg/m3の場合  フルスケールの±2 % 

スパンドリフト 

5.2.3 

測定レンジ0〜100 mg/m3の場合  フルスケールの±2 % 

応答時間 

5.2.4 

60 s以内 

絶縁抵抗 

5.2.5 

5 MΩ以上 

耐電圧 

5.2.6 

異常がない 

注記 測定レンジ0〜100 mg/m3に対するスパン等価入力を用意できない場合は,100 mg/m3以下の測定レンジでス

パン等価入力を導入し,スパンドリフトを行い,そのフルスケールの±2 %を性能値としてもよい。 

B.2 

計測器の構成 

計測器の基本的な構成例を,計測方式別に図B.1〜図B.3に示す。 

各計測器の原理は,JIS Z 8852の附属書JA(計測器の種類)を参照。 

図B.1−光散乱方式の構成例 

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図B.2−光透過方式の構成例 

   

図B.3−摩擦静電気検出方式の構成例 

B.3 

試料採取部 

試料採取部は,排ガスを直接的又は間接的に採取する機能をいう。 

B.4 

計測部 

計測部は,入力した信号を電気信号に変換し,かつ,電気信号の最終出力はダスト濃度と比例関係を取

る機能をいう。 

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附属書C 
(参考) 

ダスト濃度自動計測器の性能試験に関する評価報告書 

性能試験に関する評価報告書の例を,表C.1に示す。 

表C.1−ダスト濃度自動計測器の性能試験に関する評価報告書の例 

規格番号 JIS B 7996 

試験機関: 
 

報告書番号: 

報告日:    年  月  日 

試験実施者: 

承認者: 

試験実施日:    年  月  日 

試験実施場所: 

計測器の名称: 

形式名: 

製造番号: 

試験条件 温度:   ℃,相対湿度:   % 

電源周波数: 

測定レンジ: 

検査項目 

判定基準 

結果 

判定 

繰返し性 

フルスケールの±  %   

ゼロドリフト 

フルスケールの±  %   

スパンドリフト 

フルスケールの±  %   

応答時間 

s以内   

絶縁抵抗 

MΩ   

耐電圧 

異常のないこと 

 
 

(特記事項) 

 
 
 

参考文献 EN 14181:2004,Stationary source emissions. Quality assurance of automated measuring systems