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B 7994:2016  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 測定原理························································································································· 2 

5 測定範囲························································································································· 2 

6 計測器の性能 ··················································································································· 2 

7 構成······························································································································· 3 

7.1 構造一般 ······················································································································ 3 

7.2 計測器 ························································································································· 3 

7.3 試料採取部 ··················································································································· 4 

7.4 分析計 ························································································································· 5 

8 性能試験························································································································· 5 

8.1 試験条件 ······················································································································ 5 

8.2 試験に用いるガス ·········································································································· 5 

8.3 校正 ···························································································································· 7 

8.4 試験方法 ······················································································································ 7 

9 試験成績書 ······················································································································ 8 

10 表示 ····························································································································· 8 

11 取扱説明書 ···················································································································· 9 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本電気計測器工業会(JEMIMA)

及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

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排ガス中の水銀自動計測器 

Continuous analyzer for mercury in flue gas 

適用範囲 

この規格は,固定発生源排ガス中のガス状水銀濃度を連続的に測定するための自動計測器(以下,計測

器という。)について規定する。この規格の測定原理は,排ガス中の水銀化合物を固体還元剤で還元する乾

式還元方式及び原子吸光分析法に基づくものとする。 

注記 還元剤溶液を用いた湿式還元方式に基づく計測器としては,JIS K 0222の7.(連続測定法)を

参照。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 7551 フロート形面積流量計 

JIS C 1302 絶縁抵抗計 

JIS K 0212 分析化学用語(光学部門) 

JIS K 0215 分析化学用語(分析機器部門) 

JIS K 0222 排ガス中の水銀分析方法 

JIS Z 8103 計測用語 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS K 0212,JIS K 0215及びJIS Z 8103によるほか,次による。 

3.1 

試料ガス 

排ガスをフィルタなどを通して前処理し,分析計に導入するガス。 

3.2 

固定発生源排ガス 

工場及び事業所において燃料,その他の物の燃焼に伴って,又は各種製造の工程などから大気へ拡散さ

せるためのダクト又は煙突へ排出するガス。 

3.3 

ガス状水銀 

ガス状の金属水銀と二価水銀との総和。 

3.4 

濃度 

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圧力101.32 kPa,温度273.15 K及び乾燥ガスの条件下におけるガス状物質の濃度。 

3.5 

ゼロガス 

計測器の最小目盛値を校正するために用いるガス。 

3.6 

ゼロドリフト 

計測器の最小目盛に対応する指示値のある期間の変動。 

3.7 

スパンドリフト 

計測器の最大目盛に対応する指示値のある期間の変動。 

3.8 

設定流量 

計測器の定められた試料ガス,校正ガスなどの流量。 

3.9 

指示誤差 

中間点ガスを導入したときの指示値とその表示ガス濃度指示値との差の最大目盛に対する百分率。 

3.10 

応答時間 

計測器の指示値が,試験用ガスを導入してから最終指示値の90 %に相当する値に達するのに要する,応

答遅れ時間(lag time)と立ち上がり時間(rise time)とを合わせた時間。 

測定原理 

ガス中の水銀化合物を還元部で還元し,原子状水銀成分と合わせて原子吸光分析の原理による分析計で

水銀濃度を連続的に求める。 

測定範囲 

計測器の測定範囲(以下,レンジという。)は,0〜50 μg/m3から0〜5 mg/m3の間で適切なものを選ぶ。 

計測器の性能 

計測器は,箇条8によって性能試験を行ったとき,表1の性能を満足しなければならない。 

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表1−計測器の性能 

項目 

性能 

試験方法 

繰返し性 

最大目盛値の±2 % 

8.4 a) 

ゼロドリフト 

最大目盛値の±2 % 

8.4 b) 

スパンドリフト 

最大目盛値の±2 % 

8.4 c) 

指示誤差 

最大目盛値の±3 % 

8.4 d) 

応答時間 

5分以下 

8.4 e) 

試料ガスの流量変化に対する指示値の安定性 

最大目盛値の±2 % 

8.4 f) 

電圧変動に対する安定性 

最大目盛値の±2 % 

8.4 g) 

耐電圧 

異常を生じてはならない。 

8.4 h) 

絶縁抵抗 

5 MΩ以上 

8.4 i) 

構成 

7.1 

構造一般 

計測器の構造は,次の各項目に適合していなければならない。 

a) 形状が正しく,組立て及び各部の仕上がりが良好で,堅ろうである。 

b) 通常の運転状態で危険性がなく,安全で円滑に作動する。 

c) 各部は,容易に機械的故障・電気的故障を起こさず,危険性のない構造とする。 

d) 結露などによって計測器の作動に支障がない構造とする。 

e) 光源,ヒータなどの発熱部に接する部分は,熱による変形及び機能が低下しない構造とする。 

f) 

保守又は点検時に作業しやすく,危険のない構造でなければならない。 

g) 塩化水銀などの水銀化合物の気体は可溶性・吸着性が高いので,還元部までの構成品は水銀化合物が

吸着しないように接ガス材料及び構造に配慮し,接ガス部に水分が凝縮しないよう加温する。 

h) 還元部出口から分析計までの構成品は,接ガス部に水銀が吸着して測定に影響が出ないような接ガス

材料を用いるのがよい。 

7.2 

計測器 

計測器は,図1に例を示すように,試料採取部,分析計などから構成する。詳細は,7.3及び7.4に示す。 

なお,排ガス中に含まれる二価水銀をあらかじめ還元して原子蒸気化する還元部は,試料採取部に内蔵

する。 

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図1−計測器の構成例 

7.3 

試料採取部 

試料採取部は排ガス中のダストを除去し,必要に応じて水分,硫化水素などの腐食性ガスを除去又は一

定量に保つ機能をもち,測定対象成分の損失を可能な限り抑制しつつ必要な試料ガスの一定量を連続的又

は断続的に分析計に供給するものである。さらに,排ガス中の二価水銀をあらかじめ還元して原子蒸気化

する。試料採取部は次に示すa)〜k) で構成し,各部の材料は排ガス及び試料ガスの性状に応じて選択する。 

a) 採取管 煙道壁などに取り付けて排ガスを採取する管で,チタン管,セラミックス管,石英管などを

用いる。 

b) 一次フィルタ 排ガス中のダストを除去するためのもので,水分が凝縮しないように120 ℃以上に加

熱する。フィルタの材料は,ガラス繊維などを用いる。一次フィルタに捕捉された炭素粒子が水銀を

吸着するおそれがある場合は,吸着による測定影響が出る前に一次フィルタを交換する。 

注記1 採取管直後に還元部がありフィルタの効果を兼ねる場合は,一次フィルタを削除してもよ

い。 

c) 還元部 排ガス中の二価水銀を還元して原子蒸気化する。アルカリ金属塩,アルカリ土類金属塩又は

塩化第一すずなどの固体還元剤をガラスなどの容器に入れて,還元反応を促進するために加熱する。 

注記2 排ガス中の硫黄酸化物,窒素酸化物などの酸性ガスが多いと固体還元剤の中和を早める。

固体還元剤が中和されると,酸性ガスは還元部を破過して原子吸光に干渉したり分析計の

吸収セルの窓への汚れの原因となるので,固体還元剤を早めに交換する。 

d) 導管 還元部から試料ガス導入口まで試料ガスを導く管で,四ふっ化エチレン樹脂製のものなどを用

いる。水分が吸引経路の途中で凝縮することを防止するため,必要に応じて加熱する。 

e) 除湿部 試料ガス中の水分を除去する装置で,空冷(外気温),電子冷却などの方式,水蒸気の選択浸

透による半透膜気相除湿方式などを用い,試料ガスの性状に応じて複数個設置する。 

f) 

二次フィルタ 試料ガス中の微細ダストを除去するためのもので,ガラス繊維,四ふっ化エチレン樹

脂などの材料を用いる。分析計へのダスト影響が十分小さい場合は,分析計直後に取り付けてもよい。 

g) 校正ガス導入口 図1の2か所又はいずれか1か所とし,目的に応じて適宜選択し使用する。 

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h) 切替弁 手動弁又は電磁弁を用い,その材料は耐食性のあるものを用いる。 

i) 

吸引ポンプ 試料ガスなどを吸引するポンプで,一般にダイアフラムポンプを用いる。接ガス部は,

耐食材料,例えば,硬質塩化ビニル樹脂などの材料を用いる。 

j) 

流量調整弁 ニードル弁などを用い,その材料は耐食性のあるものを用いる。 

k) 流量計 耐食性を考慮する。JIS B 7551に規定するフロート形面積流量計などを用いる。 

7.4 

分析計 

排ガス中の金属水銀及び排ガス中の二価水銀が還元部で原子蒸気化した水銀の濃度を,原子吸光分析法

で求める。分析計は,光源部,吸収セル,検出部,データ処理部などから構成する。高感度化及び高安定

化のために,ダブルビーム方式で測定光と参照光との比を取って光強度の変動影響を抑制する,ゼロガス

の吸光度と試料ガスの吸光度とを交互に測定しその比を取って光強度の変動影響を抑制する,光源部の温

度を一定にして光強度変化を抑制するなどの機能をもつものもある。原子吸光分析法では多環芳香族炭化

水素などが干渉する場合があるので,必要に応じて干渉成分影響の補正処理をする。 

a) 光源部 水銀分析のためのスペクトルを発光する低圧水銀ランプなどを用いる。 

b) 吸収セル 両端に石英ガラス窓などをもつガス流通構造とする。 

c) 検出部 検出器への入射光の光強度をその強度に応じた電気信号に変換するもので,光電管,半導体

検出器などが用いられる。 

d) データ処理部 データ処理を行い,吸光度,濃度,検量線,測定結果などを表示及び記録する。表示

には,ディスプレー,プリンタ,記録計などを使用する。 

性能試験 

8.1 

試験条件 

試験条件は,次による。 

a) 周囲温度 5〜35 ℃の間の任意の温度で,試験中の温度の変化幅は5 ℃以下とする。 

b) 湿度 相対湿度は85 %以下とする。 

c) 大気圧 95〜106 kPaで試験中の変化幅は5 kPa以下とする。 

d) 電源電圧 定格電圧とする。 

e) 電源周波数 定格周波数とする。 

f) 

暖機時間 取扱説明書に記載された時間とする。 

8.2 

試験に用いるガス 

8.2.1 

ガスの種類 

試験に用いるガスの種類は,校正用ガス,スパン試験用ガス,ゼロ試験用ガス及び中間点ガスとする。

これらのガスの種類及び適用する試験項目は,表2による。ゼロ校正用ガス及びゼロ試験用ガスとして高

純度空気[不純物として含まれる多環芳香族炭化水素の許容体積濃度は1 vol ppm(炭素原子数を基準とし

て表した炭化水素濃度の単位),水銀の許容濃度は0.01 μg/m3とする。]を用いる。例えば,ゼロガス精製

器などを用いて空気を精製したものをゼロ校正用ガス及びゼロ試験用ガスとして用いる。 

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表2−試験に用いるガス 

ガスの種類 

成分濃度 

適用試験項目 

校正用ガス 

スパン校正用ガス 

最大目盛値a) の80〜100 % 

8.3 b),c) 

ゼロ校正用ガス 

最大目盛値a) の0 % 

8.3 a),c) 

スパン試験用ガス 

最大目盛値a) の80〜95 % 

8.4 a),c),e),f),g) 

ゼロ試験用ガス 

最大目盛値a) の0 % 

8.4 a),b),e) 

中間点ガス 

最大目盛値a) の50 %付近 

8.4 d) 

注a) 選択した測定範囲の最大目盛値。 

8.2.2 

校正用ガスの調製 

水銀の容器詰め校正用ガスは入手が困難なため,スパン校正用ガス,中間点ガス及びスパン試験用ガス

は,図2〜図4に例を示すように水銀ガスを一定濃度で連続的に発生できる校正用ガス調製装置から得ら

れたガスを用いる。 

図2は,水銀標準液を還元気化して水銀ガスを発生する校正用ガス調製装置の構成例であり,吸引ポン

プ,流量調整弁,水銀標準液タンク,溶液定量注入部,還元部,除湿部などで構成する。塩化水銀の水銀

標準液と空気とを設定流量で還元部に導入する。還元部は,L-アスコルビン酸などの還元剤を容器に入れ,

水銀標準液を還元気化し水銀ガスを生成する。水銀を除去した空気を還元部の容器に通気し,除湿部で水

分を除去する[JIS K 0222の7.2.1(試薬)(2)(水銀標準ガスの調製)(a) の注(20) 参照]。 

図3は,飽和水銀蒸気を希釈して水銀ガスを発生する校正用ガス調製装置の構成例であり,圧力制御部,

流量制御部,水銀気化部,混合部などで構成する。水銀気化部に水銀を入れて一定温度にし,水銀を一定

の飽和蒸気圧に気化させる。水銀気化部の温度を温度計で読み取り,JIS K 0222の表1(飽和水銀ガス濃

度表)によって気化部内の水銀濃度を求める。気化させた水銀蒸気を混合部内で希釈し,必要な校正用水

銀ガスを調製する。 

図4は,パーミエーションチューブ法による校正用ガス調製装置の構成例であり,恒温槽,水銀除去活

性炭,流量計などで構成する。金属水銀を封入したパーミエーションチューブを,恒温に保持すると,単

位時間に管壁を浸透拡散するガス量(浸透速度)が一定となる。したがって,そこに水銀を除去した窒素

などの希釈ガスを定流量送れば,微量濃度の校正用ガスが連続的に得られ,必要な校正用水銀ガスが調製

される。 

図3及び図4の校正用ガス調製装置から発生する水銀ガス濃度は,JIS K 0222に規定する水銀分析方法

によって相互確認する。 

図2−水銀校正用ガス調製装置の例(1) 

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図3−水銀校正用ガス調製装置の例(2) 

図4−水銀校正用ガス調製装置の例(3) 

8.3 

校正 

計測器の校正は,暖機運転終了後,表2に示すゼロ校正用ガス及びスパン校正用ガスを用いて,次の方

法で行う。 

a) ゼロ調整 ゼロ校正用ガスを設定流量で計測器に導入し,指示が安定した時点でゼロ調整を行う。 

b) スパン調整 スパン校正用ガスを設定流量で計測器に導入し,指示が安定した時点でスパン調整を行

う。 

c) 必要に応じてa) 及びb) を繰り返し,ゼロ値及びスパン値のそれぞれが合うまで行う。 

8.4 

試験方法 

計測器の性能試験は,次による。 

なお,指示誤差,耐電圧及び絶縁抵抗を除く各項目については,その計測器の最小目盛範囲における試

験結果をもって全レンジの性能としてもよい。 

a) 繰返し性 計測器にゼロ試験用ガスを設定流量で導入し最終値を記録計などで確認した後,スパン試

験用ガスを同様に導入し,最終値を確認する。この操作を3回繰り返し,ゼロ値,スパン値の各々の

平均値を算出し,各測定値と平均値との差の最大目盛値に対する百分率を求める。 

b) ゼロドリフト ゼロ試験用ガスを設定流量で導入し,必要な場合はゼロ指示値を最大目盛値の5 %程

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度に設定して24時間連続測定を行う。この間におけるゼロ指示値の初期の指示値からの最大変動幅の

最大目盛値に対する百分率を求める。 

c) スパンドリフト ゼロドリフト試験において,試験開始時,試験終了時(24時間後)及び中間に2回

以上1),ゼロ試験用ガスに代えてスパン試験用ガスを導入し,指示値を記録する。この間におけるス

パン指示値の初期の指示値からの最大変動幅の最大目盛値に対する百分率を求める。 

注1) 各スパン測定点の測定時間間隔は,4時間以上離す。 

d) 指示誤差 ゼロ校正,スパン校正を行った後,中間点ガスを導入し,指示値を記録する。この指示値

と中間点ガスの濃度との差の最大目盛値に対する百分率を求める。 

e) 応答時間 設定流量のゼロ試験用ガスを導入し,指示安定後,流路をスパン試験用ガスに切り替える。

このときの指示記録において,スパン試験用ガス導入の時点から最終指示値の90 %に達するまでの時

間を測定し,応答時間とする。 

f) 

試料ガスの流量の変化に対する指示値の安定性 設定流量のスパン試験用ガスを導入し,指示が安定

したときの値をAとする。次に流量を設定値から+5 %変化させ,指示が安定したときの値をBとす

る。さらに,流量を設定値から−5 %変化させ,指示が安定したときの値をCとする。B−A及びC−

Aの値の最大目盛値に対する百分率を求める。 

g) 電圧変動に対する安定性 電源電圧を定格電圧にしてスパン試験用ガスを導入し,指示が安定したと

きの値をAとする。次に電源電圧を定格電圧の+10 %に変化させ,指示が安定したときの値をBとす

る。さらに,電源電圧を定格電圧の−10 %に変化させ,指示が安定したときの値をCとする。B−A,

C−Aの値の最大目盛値に対する百分率を求める。 

h) 耐電圧 計測器電源スイッチ“入り”の状態で,電源端子一括と外箱(接地端子)との間に定格周波

数の交流1 000 Vを一分間加えて,異常の有無を調べる。 

i) 

絶縁抵抗 計測器電源スイッチ“入り”の状態で,電源端子一括と外箱(接地端子)との間の絶縁抵

抗を,JIS C 1302に規定する500 V絶縁抵抗計で測定する。 

試験成績書 

試験成績書には,次の項目を記載する。 

なお,記載項目は,受渡当事者間の協定によって省略してもよい。 

a) 試験条件,試験に用いたガスの種類 

b) 校正方法 

c) 試験結果(表1に示す項目) 

d) 特記事項 

10 

表示 

計測器には,見やすい場所に容易に消えない方法で,次の事項を表示しなければならない。 

a) 計測器の名称及び製造業者が指定する形名 

b) 測定対象成分 

c) 測定濃度範囲 

d) 使用温度範囲 

e) 定格電圧,定格周波数及び容量 

f) 

製造業者名又はその略号 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

g) 製造年月 

h) 製造番号 

これらの表示は1か所にまとめて表示しなくてもよい。 

11 

取扱説明書 

取扱説明書には,次の事項を記載しなければならない。 

a) 設置場所条件 

b) 試料ガスの温度,流量,ダスト濃度及び干渉成分のそれぞれの許容範囲 

c) 試料ガスの前処理方法 

d) 配管及び配線 

e) 暖機時間 

f) 

使用方法 

1) 測定の準備及び校正 

2) 測定操作 

3) 測定停止時の処置 

g) 保守点検 

1) 日常点検の指針 

2) 定期点検の指針 

3) 流路系の清掃 

4) 故障時の対策