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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格         JIS 

B 7982:2002 

排ガス中の窒素酸化物 

自動計測システム及び自動計測器 

Automated measuring systems and 

analyzers for nitrogen oxides in flue gas 

序文 この規格は,1996年に第1版として発行されたISO 10849(Stationary source emissions―Determination 

of the mass concentration of nitrogen oxides―Performance characteristics of automated measuring systems)を元

に,対応する部分については技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格であるが,JIS B 7982:

1995から次の内容を日本工業規格として追加した。 

 3. 定義のa)窒素酸化物,b)オゾン源ガス,c)試料ガス 4. 計測器の性能,5.1 構造一般,5.5 指示記録

計,6. 表示,7. 取扱説明書,附属書1(規定) 定電位電解分析計,附属書2(規定) 計測器の種類と測定範

囲,附属書4(規定)の2. 計測器の性能試験。 

なお,5.2 構成,5.3 試料ガス吸引採取方式の試料採取部,5.4 分析計の各項目には詳細な説明的内容を

追加した。また,点線の下線及び側線を施してある部分は対応国際規格にはない事項である。 

1. 適用範囲 この規格は,固定発生源の排ガス中の一酸化窒素,二酸化窒素又は窒素酸化物濃度を連続

的に測定するための自動計測システム(以下,計測システムという。)及び自動計測器(以下,計測器という。)

のうち,試料ガス吸引採取方式(Extractive method)のものについて規定する。ただし一酸化二窒素(N2O)の

測定には適用しない。 

 測定原理として,次の種類がある。 

a) 化学発光方式 

b) 赤外線吸収方式 

c) 紫外線吸収方式 

d) 差分光吸収方式(differential optical absorption spectrometry:DOAS) 

備考1. これらのほかの測定原理の分析計として,定電位電解方式に基づくものを附属書1(規定)に

示した。 

2. 計測器の種類及び測定範囲については附属書2(規定)に,測定対象施設及び測定範囲につい

ては附属書7(参考)に,計測システム補足性能については附属書8(参考)に示す。 

3. 試料非吸引採取方式(Non-extractive method)による窒素酸化物の計測システムと計測器につ

いては,JIS B 7992に記載されており,この規格と整合することによってISO 10849のすべ

ての内容と対応することとなる。 

4. この規格の対応国際規格を,次に示す。 

 なお,対応の程度を示す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD(修

正している),NEQ(同等でない)とする。 

B 7982:2002 

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ISO 10849:1996 Stationary source emissions―Determination of the mass concentration of 

nitrogen oxides―Performance characteristics of automated measuring systems(MOD) 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用することによって,この規格の規定の一部を構成する。

これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 1302 絶縁抵抗計 

JIS K 0001 標準物質―標準ガス―一酸化窒素 

JIS K 0003 標準物質―標準ガス―二酸化炭素 

JIS K 0004 標準物質―標準ガス―二酸化硫黄 

JIS K 0104 排ガス中の窒素酸化物分析方法 

JIS K 0151 赤外線ガス分析計 

3. 定義 この規格で用いる主な定義は,次による。 

a) 窒素酸化物 一酸化窒素と二酸化窒素の合量。 

b) オゾン源ガス オゾンを発生させるための酸素又は酸素を含むガス(乾燥空気,アルゴンで希釈した酸

素など)。 

c)  試料ガス 排ガスを一次フィルタ及び除湿器などを通して前処理し,分析計に導入するガス。 

d) 固定発生源排ガス 工場及び事業所において燃料,その他の物の燃焼に伴って,又は各種製造の工程

などから大気へ拡散させるための煙突へ排出するガス。 

e) 煙突 固定発生源の排ガスの排出部。 

f) 分析計 自動計測器の分析部。 

g) 自動計測システム 煙道排ガス中の測定対象成分の濃度を自動計測器を用いて連続的に測定,記録す

る測定システム。 

h) 校正 測定に先立って,校正用ガスなどを用いて測定器の目盛付けをする。 

i) 校正曲線 校正用ガスの濃度と分析計の指示値との関係を示す曲線。 

j) 校正用ガス 計測器の目盛付けに用いる標準ガス。ゼロガス,スパンガス,中間点ガスなどの総称。 

k) 比較測定 同じ煙突の同じ試料ガスを比較法によって同一期間行う測定。 

l) 比較法 性能が確認された自動計測システム又は,化学分析法によって対象となる現場に設置された

計測器と比較する方法。 

m) 標準偏差 十分な数の比較測定の結果を,統計処理することによって求められる測定精度。 

n) 質量濃度 質量濃度単位としてmg/m3で表現される排ガス中の物質の濃度単位。 

o)  体積濃度 体積濃度単位としてvolppmで表現される排ガス中の物質の濃度単位。 

なお,体積濃度単位volppmと質量濃度単位mg/m3は,次の関係に基づいて換算する。 

NO      1 volppm=1.34 mg/m3 

NO2      1 volppm=2.05 mg/m3 

(圧力101.32 kPa,温度273.15 K,乾燥ガスの条件下において) 

4.  計測器の性能 計測器は,附属書4(規定)の性能試験で試験を行ったとき,次の性能を満足しなければ

ならない。 

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B 7982:2002 

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表1 性能 

項目 

性能 

試験方法 

繰返し性 

最大目盛値の±2 % 

附属書4の2.2 a) 

ゼロドリフト 

最大目盛値の±2 % 

附属書4の2.2 b) 

スパンドリフト 

最大目盛値の±2 % 

附属書4の2.2 c) 

指示誤差 

最大目盛値の±2 % 

附属書4の2.2 d) 

応答時間 

2分間以下 

附属書4の2.2 e) 

干渉成分の影響 

5 %以下 
(化学発光方式) 

附属書4の2.2 f) 

最大目盛値の5 %以下 
(その他の方式) 

試料ガスの流量の変化に
対する安定性 

最大目盛値の±2 % 

附属書4の2.2 g) 

電圧変動に対する安定性 

最大目盛値の±1 % 

附属書4の2.2 h) 

耐電圧 

異常を生じてはならない 

附属書4の2.2 i) 

絶縁抵抗 

5 MΩ以上 

附属書4の2.2 j) 

5. 構造 

5.1 構造一般 計測器の構造は,次の各項目に適合しなければならない。 

a) 形状が正しく,組立て及び各部の仕上がりが良好で堅ろうである。 

b) 通常の運転状態で危険の生じるおそれがなく,安全で円滑に作動する。 

c) 各部は,容易に機械的電気的故障を起こさず,危険を生じない構造とする。 

d) 結露などによって計測器の作動に支障を生じない構造とする。 

e) 光源,ヒータなどの発熱部に接する部分は熱による変形及び機能の変化を起こさない構造とする。 

f) 保守,点検の際,作業しやすく,危険のない構造とする。 

5.2 構成 構成は,次の2種類に分類される。 

a) 試料ガス吸引採取方式:排ガス中から,試料ガスを吸引ポンプで吸引し,必要に応じて水分を除去又

は一定に保って分析計に連続的に供給する方式。 

図1及び図2に示す試料採取部,分析計,指示記録計などで構成する。 

図1は一酸化窒素/窒素酸化物自動計測器の構成例,図2は一酸化窒素自動計測器の構成例である。 

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図1 窒素酸化物測定の試料ガス吸引採取方式の例 

図2 一酸化窒素測定の試料ガス吸引採取方式の例 

校正用ガス導入口は図示の3か所とし,目的に合わせて適宜,選択使用するものとする。 

1) 計測システムの校正 

2) 計測器の校正 

3) 分析計の校正 

b) 試料ガス希釈方式 排ガス中から吸引した試料ガスを窒素酸化物に対して影響を与えないガスで希釈

することによって点を下げてから分析計に連続供給する方式。この方式については附属書5(規定)に

示す。 

5.3 試料ガス吸引採取方式の試料採取部 排ガス中のダストを除去し,必要に応じて水分を除去又は一定

量に保つ機能をもち,対象成分の損失を可能な限り抑制しつつ必要な試料ガスの一定量の分析計に供給す

るものであって,採取管,一次フィルタ,導管,除湿機,二次フィルタ,吸引ポンプ,流量計,切換弁,

絞り弁,校正用ガス導入管で構成する。 

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a) 採取管 煙道壁などに取り付けて試料ガスを採取する管で,四ふっ化エチレン樹脂管,ステンレス鋼

管,セラミックス管,石英ガラス管,ほうけい酸ガラス管などを用いる。また,採取管に用いる材料

については,次のことを留意して選定する。 

 1) 四ふっ化エチレン樹脂 試料ガス温度220 ℃までの場合に使用可能である。 

 2) ステンレス鋼,セラミックス,ほうけい酸ガラスなどは試料ガス温度250 ℃以上の場合も使用可能

である。ステンレス鋼は,一酸化窒素と二酸化窒素の比率を変化させる可能性がある。したがって,

一酸化窒素と二酸化窒素を個々に測定する必要がある場合には,セラミックス又はほうけい酸ガラ

スを使用することが必要である。排ガス中の濃度を変化させずにガスを採取するために冷却を行っ

てもよい。 

b) 一次フィルタ 排ガス中のダストを除去するためのもので,水又は酸が凝縮しない温度で用いる。フ

ィルタの材質としては,シリカ繊維,ステンレス網,焼結金属,多孔質セラミックスなどを用いる。 

c) 導管 排ガスを一次から試料導入口に導入する管で,四ふっ化エチレン樹脂管,ステンレス鋼管など

を用いる。 

 なお,一次フィルタから除湿器までの導管は,水又は酸が凝縮しないように必要に応じて加熱する。 

d) 除湿器 排ガス中の水分を除去する装置で,空冷,電子冷却などの方式又は水蒸気の選択的浸透によ

る半透膜気相除湿方法などを用いる。 

e) 二次フィルタ 試料ガス中の微細ダストを除去するためのもので石英ガラスウール,ガラスウール,

焼結セラミックス,ステンレス鋼,四ふっ化エチレン繊維などを用いる。 

f) 吸引ポンプ 試料ガスなどを吸引するポンプで,接ガス系には耐食材料,例えば,硬質塩化ビニル,

ふっ素ゴム,四ふっ化エチレン樹脂などを用いる。 

g) 流量計及び絞り弁 流量を設定するためのもので,耐食性のある材料を用いる。 

h) 切換弁 手動弁又は電磁弁を用い,その材質は耐食性のあるものとする。 

i) コンバータ 排ガス中の二酸化窒素を一酸化窒素に切換するためのもので,一酸化窒素計測器で二酸

化窒素を計測する場合に必要である。附属書6にこの試験方法などについて記述する。 

5.4 分析計 

5.4.1 差分光吸収方式(Differential optical absorption spectrometry:DOASによる分析計) 目的成分の吸

収がある波長域において,吸収のピークと端部との吸収信号の差から濃度を測定するもの。一酸化窒素で

は215 226 nm付近,二酸化窒素では330〜550 nmが代表的な測定波長である。 

5.4.2 化学発光方式による分析計 原理は,一酸化窒素とオゾンを反応させたときに生成される光化学的

に励起状態にある一酸化窒素の発光強度を測定するもの。 

図3に示すように流量制御部,反応槽,測光部,オゾン発生器などで構成する。 

図3 化学発光分析計の構成の一例 

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a) 流量制御部 試料ガス及びオゾン源ガスの流量制御部は,所定流量制御のための抵抗管,圧力調節器,

ニードル弁,流量の監視のためのフロート形面積流量計,圧力計などからなる。 

b) 反応槽 試料ガスとオゾンを含むガスが導入され混合接触して化学発光が生じる部分で,内圧条件に

よって減圧形及び常圧形とする。 

c) 測光部 一酸化窒素とオゾンの化学発光を受光して,指示記録に必要な大きさの信号に変換する部分

で,光学フィルタ,光電子増倍管又は半導体光電変換素子,増幅回路などからなる。 

d) オゾン発生器 供給されるオゾン源中の酸素をオゾンに変換するもので,無声放電,紫外線照射など

を用いる。 

e) オゾン分解器 反応槽から排出される排気中のオゾンを接触熱分解などで酸素に分解できるものとす

る。 

5.4.3 赤外線吸収方式による分析計(赤外線分析計) 原理は一酸化窒素分子の1 876 cm-1(5.3 μm)を中心

とする赤外線吸収を測定するもの。 

 赤外線分析計はJIS K 0151による。 

 波長非分散,正フィルタ方式で,図4 a)及び図4 b)に示すように光源,回転セクタ,光学フィルタ,試

料セル,比較セル,測光部などで構成する。 

a) 複光束形 

b) 単光束形 

図4 赤外線分析計の構成例 

a) 光源 一般にニクロム線,炭化けい素などの抵抗体に電流を流して加熱したものを用いる。 

b) 回転セクタ 試料セルを透過する光と比較セルを透過する光を一定周期で断続し,光学的に変調を行

うもので断続周期が1〜20 Hzの交互断続方式又は同時断続方式とする。 

c) 光学フィルタ 試料ガス中に含まれる干渉成分の吸収波長域の赤外線を吸収除去できるもので,ガス

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フィルタ,固体フィルタのいずれか,又はその組み合わせたものを用いる。 

d) 試料セル 試料ガスを連続的に流通する構造であり,セル窓にはふっ化カルシウム板(CaF2板)などの

ように赤外線を透過するものを用いる。 

e) 比較セル 試料セルと同じ形状のもので,窒素などを封入したものを用いる。 

f) 測光部 赤外線の吸収を指示記録に必要な大きさの電気信号に変換するもので,光電変換部分及び増

幅回路などから成る。 

5.4.4  紫外線吸収方式による分析計 原理は一酸化窒素分子の226 nm付近での紫外線吸収を測定するも

の。 

図5に示すように光源,試料セル,分光器,測光部などで構成する。 

図5 紫外線吸収分析計の構成例 

a) 光源 重水素放電管又は中圧水銀灯などを用いる。 

b) 試料セル 試料ガスを連続的に流通する構造であり,セル窓は石英ガラス板などのように紫外線及び

可視光を透過するものを用いる。 

c) 分光器 プリズム,回折格子分光器などによって,紫外線又は可視光線の単色光が得られるものを用

いる。 

d) 測光部 紫外線の吸収を指示記録に必要な大きさの電気信号に変換するもので,紫外線に検出感度を

もつ光電管,光電子増倍管,又は半導体などの光電変換素子及び増幅回路などからなる。 

e) 回転セクター 試料セルを透過する光と透過しない光を一定周期で断続し,光学的に変調を行う。 

5.5 指示記録計 指示記録計は一般に,窒素酸化物の濃度を等分目盛りで指示記録する。ディジタル表示

方式のものは,測定単位が印字されるものとする。 

6. 表示 計測器には,見やすい箇所に容易に消えない方法で,次の事項を表示しなければならない。 

a) 名称及び製造業者が指定する形名 

b) 測定対象成分 

c) 測定濃度範囲 

d) 使用温度範囲 

e) 電源種別及び容量 

f) 製造業者名又はその略号 

g) 製造年月 

h) 製造番号 

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備考 これらの表示は,1か所にまとめて表示しなくてもよい。 

7. 取扱説明書 取扱説明書には,少なくとも次の事項を記載しなければならない。 

a) 設置場所 

b) 試料ガスの温度,流量,ダスト濃度及び干渉成分のそれぞれの許容範囲 

c)  試料ガスの前処理方法 

d) 配管及び配線 

e) 暖気時間 

f) 使用方法 

 1) 測定の準備及び校正 

 2) 測定操作 

 3) 測定停止時の処置 

g) 保守点検 

 1) 日常点検の指針 

 2) 定期点検の指針 

 3) 流路系の清掃 

 4) 故障時の対策 

関連規格 JIS K 0055 ガス分析装置校正方法通則 

     JIS K 0095 排ガス試料採取方法 

     JIS K 0211 分析化学用語(基礎部門) 

     JIS K 0212 分析化学用語(光学部門) 

     JIS K 0213 分析化学用語(電気化学部門) 

     JIS K 0215 分析化学用語(分析機器部門) 

     JIS Z 8103 計測用語 

     ISO 6879:1995 Air quality―Performance characteristics and related concepts for air quality  

measuring methods 

     ISO 7996:1985 Ambient air―Determination of the mass concentration of nitrogen oxides―

Chemilumin escence method 

     ISO 9096:1992 Stationary source emissions―Determination of concentration and mass flow rate    

of particulate material in gas-carrying ducts―Manual gravimetric method 

     ISO 9169:1994 Air quality―Determination of performance characteristics of measurement    

methods 

     ISO 10396:1993 Stationary source emissions―Sampling for the automated determination of gas 

concentrations

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附属書1(規定) 定電位電解分析計 

1. 適用範囲 この附属書は,固定発生源の排ガス中の一酸化窒素,二酸化窒素又は窒素酸化物濃度を測

定するための定電位電解方式分析計について規定する。 

備考 共存する塩化水素,硫化水素,塩素の影響を無視できる場合,又は影響を除去できる場合に適

用する。 

2. 測定原理 ガス透過性膜を通じて電解液中に吸収された一酸化窒素又は二酸化窒素が,定電位電解に

よって酸化されたときに得られる電解電流を測定し,窒素酸化物の濃度を求める。 

3. 性能 主な性能は,次のとおりとする。 

a) 測定範囲 

0〜100 volppmから0〜2 500 volppmの間で適切なものを選ぶ。 

b) 繰返し性 

最大目盛値の±2 % 

c) ゼロドリフト 

最大目盛値の±2 % (連続24時間について) 

d) スパンドリフト 最大目盛値の±2 % (連続24時間について) 

e) 応答時間 

90 %応答時間は,2分間以下。 

4. 構成 分析計は附属書1図1に示すように,ガス透過性膜,作用電極,対電極などを備えた検出器(電

解セル)及び定電位電源,増幅器などから構成される。 

附属書1図1 定電位電解方式分析計の構成例 

備考1. 二酸化窒素は,コンバータで一酸化窒素に変換して測定してもよい。 

2. 校正,取扱いなどについては,必要に応じて,取扱説明書の記述を参考にする。 

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附属書2(規定) 計測器の種類及び測定範囲 

1.  適用範囲 この附属書は,計測器の種類及び測定範囲(以下,レンジという。)及び適用条件について規

定する。 

2.  測定範囲及び測定対象成分 計測器の種類は,原理別に分類し,レンジ及び測定対象成分は,附属書2

表1による。 

なお,レンジは,附属書2表1で示した上限,下限の間で適当なものを選ぶ。 

附属書2表1 計測器の種類,測定範囲及び測定対象成分 

計測器の種類 

レンジ 

測定対象物 

適用条件 

NO(volppm) 

NO(mg/m3) 

NO2(mg/m3) 

化学発光方式 

0〜10 
 
 | 
 
0〜2 500 

0〜13.4 
 
 | 
 
0〜3 350 

0〜20.5 
 
 | 
 
0〜5 130 
 

一酸化窒素 
窒素酸化物(1) 

共存する二酸化炭素の影響を
無視できる場合又は影響を除
去できる場合に適用する。 

赤外線吸収方式 

0〜10 
 
 | 
 
0〜2 500 

0〜13.4 
 
 | 
 
0〜3 350 

0〜20.5 
 
 | 
 
0〜5 130 

一酸化窒素 
窒素酸化物(1) 

共存する二酸化炭素,二酸化
硫黄,水分,炭化水素の影響
を無視できる場合又は影響を
除去できる場合に適用する。 
 

紫外線吸収方式 

0〜50 
 
 | 
 
0〜2 500 

0〜67 
 
 | 
 
0〜3 350 

0〜103 
 
 | 
 
0〜5 130 

一酸化窒素 
二酸化窒素 
窒素酸化物(2) 

共存する二酸化硫黄,炭化水
素の影響を無視できる場合又
は影響を除去できる場合に適
用する。 
 

差分光吸収方式 

0〜110 
 
 | 
 
0〜2 500 

0〜150 
 
 | 
 
0〜3 350 

0〜230 
 
 | 
 
0〜5 130 

一酸化窒素 
二酸化窒素 
窒素酸化物(2) 

共存する二酸化硫黄,炭化水
素の影響を無視できる場合又
は影響を除去できる場合に適
用する。 

注(1) 窒素酸化物は,あらかじめ二酸化窒素を一酸化窒素に変換して測定する。 

(2) 一酸化窒素及び二酸化窒素のそれぞれの測定値の合量である。 

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B 7982:2002 

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附属書3(規定) 計測システムの性能 

1. 適用範囲 この附属書は,計測システムの性能について規定する。 

2. 計測システムの性能 計測システムは必要に応じて設置された施設の排ガス中の窒素酸化物及び干渉

成分の濃度を考慮して,次の性能を確認する。ただし,本性能はNO/NO2比が高い設備に適用する。 

附属書3表1 計測システム性能 

項目 

性能 

試験方法 

最小検出感度 

最大目盛値の2 %以下 

附属書4の3.2 a) 

混合干渉成分の影響 

最大目盛値の±4 % 

附属書4の3.2 b) 

計測システム応答時間 

200秒間以下 

附属書4の3.2 c) 

標準偏差(化学分析法又は異なる原
理の測定法との比較) 

最大目盛値の±5 % 

附属書4の3.2 d) 

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B 7982:2002 

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附属書4(規定) 性能試験 

1. 適用範囲 この附属書は計測器及び計測システムの性能試験について規定する。 

2. 計測器の性能試験 性能試験は,次による。 

 なお,指示誤差,耐電圧及び絶縁抵抗以外の各項目については,その計測器の最小目盛範囲における試

験結果をもって各レンジごとの性能としてもよい。 

2.1 試験条件 計測器の試験条件は,次による。 

a) 周囲温度 5〜35 ℃の間の任意の温度で,変化幅は±5 ℃ 

b) 湿度 相対湿度85 %以下 

c) 大気圧 95〜106 kPaの圧力で,変化幅は5 %以下 

d) 電源電圧 定格電圧 

e) 電源周波数 定格周波数 

f) 暖機時間 取扱説明書に記載された時間 

g) 試験に用いるガス 標準ガス,スパン調整用ガス,ゼロ調整用ガス及び窒素で希釈した二酸化炭素―

一酸化窒素とする。 

 標準ガスは,JIS K 0001,JIS K 0003及びJIS K 0004に規定するものを用いる。 

 その他のガスについては,これらの規定に準じる方法で調製されたものを用いる。 

これらのガスの種類及び適用する試験項目は,附属書4表1による。 

附属書4表1 試験に用いるガス 

ガスの種類 

成分濃度 

適用項目 




ス 

スパンガス(JIS K 0001) 

各レンジの80〜100 % 
(NM-P10〜NM-P2000) 

附属書4の2.2 d),f) 

中間点ガス(JIS K 0001) 

各レンジの50 %付近 

(NM-P5〜NM-P1000) 

附属書4の2.2 d) 

ゼロガス 

各レンジの0 % 

附属書4の2.2 d),f) 

二酸化炭素(JIS K 0003) 

10 % (CD 10) 

附属書4の2.2 f) (赤外線吸収方式) 

二酸化硫黄(JIS K 0004) 

500 volppm (SD-P500) 

附属書4の2.2 f) (紫外線吸収方式,差分光
吸収法式) 

スパン調整用ガス 

各レンジの80〜95 % 

附属書4の2.2 a),c),e),g),h) 

ゼロ調整用ガス 

各レンジの0 % 

附属書4の2.2 a),b),c),f) 

CO2-NO-N2 

CO2 10 % NO 200 volppm 

附属書4の2.2 f) (化学発光方式) 

備考1. スパン調整用ガス及びゼロ調整用ガスは,標準ガスによってその濃度が確認されたガスとする。 

2. 二酸化炭素及び二酸化硫黄及びCO2-NO-N2は,干渉成分の影響を試験するガスである。 

2.2 試験方法 試験方法は,次による。 

a) 繰返し性 計測器にゼロ調整用ガスを設定流量で導入し最終値を記録計などで確認した後,スパン調

整用ガスを同様に導入し,最終値を確認する。この操作を3回繰り返し,ゼロ値,スパン値の各々の

平均値を算出し,各測定値と平均値との差の最大目盛値に対する百分率を求める。 

b) ゼロドリフト ゼロ調整用ガスを設定流量で導入し,24時間連続測定を行う。この間におけるゼロ指

示値の初期の指示値からの最大変動幅の最大目盛値に対する百分率をゼロドリフトとする。 

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 なお,記録計などのゼロ点を最大目盛値の5 %程度に設定して試験を行ってもよい。 

c) スパンドリフト ゼロドリフト試験において,試験開始時にスパン調整を行い,試験終了時(24時間

後)及び中間に2回以上ゼロ調整用ガスに代えてスパン調整用ガスを導入し,指示記録する(1)。この

間におけるスパン指示値(2)の初期の指示値からの最大変動幅の最大目盛値に対する百分率を,スパン

ドリフトとする(3)。 

注(1) 各スパン測定点の測定時間間隔は,4時間以上離れていなければならない。 

(2) ゼロ指示値の変動があるときは,その変動を補正する。 

(3) 大気圧の影響がみられるときは,その変動を補正する。 

100

0

×

×

最大目盛値

−初期指示値

スパンガス測定値

スパンドリフト=

P

P

ここに,P0:試験開始時の大気圧 

    P :開始時と最大の気圧差を示す試験時の大気圧 

なお,ゼロドリフトの影響がみられるときは, 

100

0

×

×

最大目盛値

−初期指示値

ロガス測定値

スパンガス測定値−ゼ

スパンドリフト=

P

P

)

(

d) 指示誤差 標準ガスでゼロ校正,スパン校正を行った後,中間目盛りの濃度の標準ガスを導入し,指

示記録する。この指示値と標準ガス濃度表示値との差の最大目盛値に対する百分率を求める。 

e) 応答時間 設定流量のゼロ調整用ガスを導入し,指示安定後,流路をスパン調整用ガスに切り換える。

このときの指示記録において,スパン調整用ガス導入の時点から最終指示値の90 %に達するまでの

時間を測定し,応答時間とする。 

f) 干渉成分の影響 ゼロ,スパン校正後,附属書4表1に示す試験用ガス(二酸化炭素,二酸化硫黄及

びCO2-NO-N2)を導入し,その指示値を読み取り,次の式によって干渉成分の影響を調べる。 

1)  化学発光方式の場合 

100

×

b

c

b

a

ここに,a :干渉成分の影響(%) 

b :一酸化窒素標準ガス(NM-P200)を流して,試験用ガス 

  (CO2-NO-N2)中の一酸化窒素濃度に相当する値(volppm) 

c :試験用ガス(CO2-NO-N2)を流したときの指示値(volppm) 

2) 赤外線吸収方式の場合 

100

×

c

b

a=

ここに,a :干渉成分の影響(%) 

b :ガス(二酸化炭素)による指示値(volppm) 

c :最大目盛値(volppm) 

3) 紫外線吸収方式又は差分光吸収方式の場合 

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100

×

c

b

a=

ここに,a :干渉成分の影響(%) 

b :ガス(二酸化硫黄)による指示値(volppm) 

c :最大目盛値(volppm) 

g) 試料ガスの流量の変化に対する安定性 設定流量のスパン調整用ガスを導入し,指示が安定したとき

の値をAとし,次に,流量を設定値から+5 %変化させ,指示が安定したときの値をBとする。次に

流量を設定値から−5 %変化させ,指示が安定したときの値をCとする。B−A,C−Aのレンジの最

大目盛値に対する百分率を求める。 

h) 電圧変動に対する安定性 スパン調整用ガスを導入し,指示が安定していることを確認し,その値を

Aとする。次に,電源電圧を定格電圧の+10 %の電圧に変化させ,安定後の指示値をBとする。次に,

定格電圧の−10 %の電圧に変化させ,安定後の指示値をCとする。B−A,C−Aのレンジの最大目盛

値に対する百分率を求める。 

i) 耐電圧 計測器の電気回路を閉の状態で,電源端子一括と外箱との間に定格周波数の交流1 000 Vを1

分間加えて,異常の有無を調べる。 

j) 絶縁抵抗 計測器の電気回路を閉の状態で,電源端子一括と外箱との間の絶縁抵抗を,JIS C 1302に

規定する直流500 V絶縁抵抗計で測定する。 

3. 計測システムの性能試験 計測システムの性能試験は,次による。 

3.1  試験条件 計測システムの試験条件は,次による。 

 なお,計測システム補足性能について附属書8(参考)に示した。 

a) 試験条件 設置された現場の周囲条件,測定レンジによる。ただし,取扱説明書に記載された計測シ

ステムの使用条件の範囲内であることを確認する。 

b) 試験に用いるガス 使用するガスは2.1 g)による。その他のガスについては,これらの規定に準じる

方法で調製されたものを用いる。混合干渉成分の影響試験に用いるガスの例として,二酸化炭素,一

酸化炭素,二酸化硫黄,水分などがあり,低濃度であるが,アンモニアがある。石炭及び廃棄物の焼

却炉で,水分除去を行わない場合(直接測定など),塩化水素,ふっ化水素がある。特殊な例としてシ

アン及び一酸化二窒素がある。 

3.2 試験方法 試験方法は,次による。 

a) 最小検出感度 ゼロガスを設定流量で導入し,指示記録する。30点以上の指示値を読み取り,次の式

によって最小検出感度xを調べる。 

100

2

0

0

×

c

s

x

x

x

ここに,

0x  :ゼロガスによる指示(ブランク)値の平均値(volppm) 

0

xs

 :ゼロガスによる指示(ブランク)値の標準偏差(volppm) 

c   :最大目盛値(volppm) 

b) 混合干渉成分の影響 個々の干渉ガス成分の影響試験結果から,設置した現場の試料ガス組成に対応

した混合ガスを想定し,次の式によって混合干渉成分の影響Sを調べる(個々の干渉ガス成分の影響

値と,最大値となる混合ガス成分の相互干渉影響値を決定する。)。 

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100

1

1

mi

si

si

FS

×

×

×∑

=

n

i

x

S

ρ

ρ

ρ

ここに, xsi  :個々の干渉試験ガスの測定値,NO2相当質量濃度(mg/m3) 

ρsi :個々の干渉試験ガスの質量濃度(mg/m3) 

ρmi :設置した現場に対応した,混合ガス中の干渉ガスの質量濃度 

   (mg/m3) 

ρFS :NO2測定レンジ(mg/m3) 

n  :干渉試験ガスの数 

c) 計測システム応答時間 計測システムの最大目盛値の50〜90 %の濃度の一酸化窒素(スパン調整用)

ガスを導入し,記録された最終指示値の90 %に達するまでの平均時間を調べる。ただし,試料導入

管の長さ,直径,試料吸引流量などの関係で附属書3表1の性能が確認できない場合は,その内容を

附属書4 (規定) 3.3に追記する。 

d) 標準偏差(化学分析法又は異なる原理の測定法との比較及び標準偏差SAの評価) 

1) 比較測定 計測システムは,JIS K 0104に示す化学分析法及びこの規格に適合することが確認され

た異なる原理の計測システムを用いて,プローブの吸引口を100 mm以内の距離に追加設置し,採

取した試料ガスを比較測定することによって行う。試料採取時間は一般に30分間以上必要とする。 

2) 標準偏差SA及びシステム誤差の決定 計測システムの標準偏差SAの試験は設置現場でだけ行い,

最低10点(できれば30点)の測定値から,次の式によって求める。 

2

C

2

D

A

S

S

S

=

SDは,次の式による。 

=

=

2

1

1

2

D

1

1

1

n

i

i

n

i

i

z

n

z

n

S=

ここに,SA  :試験計測システムの標準偏差 (mg/m3) 

SC  :比較測定の標準偏差 (mg/m3) 

SD  :両測定法の測定値の差の標準偏差 (mg/m3) 

zi=xi−y i :両測定値の差 (mg/m3) 

xi   :比較測定法のNOx測定値,質量濃度 (mg/m3) 

yi   :試験計測器のNO測定値(コンバータ使用時はNO+NO2値を 

使用),質量濃度 (mg/m3) 

n   :比較測定回数 

システム誤差の有無の確認は,次の式によって行う。 

=

=

n

i

i

iy

x

n

z

1

1

)

(

ここで,zが95 %信頼限界を外れる場合,システム誤差が 

n

S

z

D

2

となる場合,統計的に無視で

きない誤差が存在する。 

システム誤差が測定レンジの2 %を超える場合,原因を調査し,対策する必要がある。 

比較測定法の標準偏差SCが未知の場合は,二つの同様な測定方法で同一採取口の試料を測定し,次の

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式によって求める。 

(

)

n

p

p

S

n

i

2

1

2

i

2

i1

C

=

±

ここに,pli ,p2i :二つの比較測定法のNOx測定値,質量濃度(mg/m3) 

     n :比較測定回数 

3.3 試験報告書 作成する計測システムの試験報告書は,次の項目を含むものとする。 

a) この規格に関する内容 

b) 試料に関するすべての内容確認 

c) 実施した試験の内容及び地域,条件の詳細 

d) 使用した校正用ガスの品質及び濃度の詳細 

e) 性能試験結果と結果が性能値(附属書3表1)を満たしているか否かの記述 

f) 試験を実施した日時 

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附属書5(規定) 排ガス中の窒素酸化物自動計測器の 

試料ガス希釈について 

1.  適用範囲 この附属書は,排ガス中の窒素酸化物自動計測器(以下,計測器という。)の試料ガスの希釈

について規定する。 

 試料ガスの希釈は高温ガスを監視する場合が試料ガスを乾燥させる場合に用いる。煙道排ガスは窒素酸

化物に対して影響を与えない希釈ガスで希釈する。 

 希釈率は測定目的が何であるかと分析計の測定が可能な範囲であるかによって選択する。試験期間中は

一定希釈率に保持されなくてはならない。水分の露点はガス流路中の凝縮が起こらないように下げなけれ

ばならない。測定値は常に湿りガスを参照する。 

 希釈用プローブと組み合わせて使用する分析計は大気分析計に通常備わっている測定レンジをもってい

る。 

 附属書5図1は希釈用プローブの例である。 

計測濃度

試料ガス濃度=

希釈率=

×

+

+

2

1

2

2

1

2

Q

Q

Q

Q

Q

Q

ここに,Q1:希釈空気流量 

Q2:試料ガス流量 

附属書5図1 希釈用プローブの例 

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附属書6(規定) 排ガス中の窒素酸化物自動計測器を構成する 

コンバータの試験方法 

1.  適用範囲 この附属書は,排ガス中の窒素酸化物自動計測器(以下,計測器という。)を構成するコンバ

ータの試験方法について規定する。 

 コンバータは二酸化窒素を一酸化窒素計測器で計測する場合に使用するもので,試料を導入し計測する

方式の計測器に使用する。 

 例えば,炭素コンバータ,炭素―モリブデンコンバータ,ステンレス鋼コンバータ,熱コンバータがあ

る。 

 試料ガスにアンモニアが存在する場合などにはコンバータの動作温度によっては干渉が起こる。こうし

た場合にはコンバータの方式の選択の際に注意が必要である。 

 試料ガスがコンバータを流れると窒素酸化物(NO+NO2)の濃度が得られ,コンバータを通らないと一酸

化窒素の濃度が得られる。二酸化窒素の濃度は窒素酸化物の濃度と一酸化窒素の濃度の差によって算出す

ることができる。コンバータの効率は95 %以上とし,次に示すコンバータ効率試験装置を使用した試験

を行う。 

2. コンバータ効率試験装置を使用した試験方法 

2.1 二酸化窒素―一酸化窒素変換効率 この試験方法は100〜200 volppmの一酸化窒素の試験用ガス,酸

素及びコンバータ効率試験用ガス調製装置(以下,ガス調製装置という。)を用い,ガス調製装置でオゾン

を発生させない場合について,それぞれ計測器の一酸化窒素測定流路とで測定し,二酸化窒素―一酸化窒

素変換効率を求めるもので,次による。 

a) 試験装置 この試験に用いる装置の流路構成を,附属書6図1に示す。 

附属書6図1 二酸化窒素―一酸化窒素変換効率試験流路の例 

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1) オゾン発生器 オゾン発生器は,オゾン発生量が調整できるものとする。 

2) 試験用ガス 試験用ガスは附属書4の2.1 g)による。 

3) 酸素 酸素は附属書4の2.1 g)による。 

b) 操作 操作は,次による。 

1) ゼロ・スパン校正を行う。 

2) ガス調製装置を計測器に接続する。計測器は,一酸化窒素測定流路にしておく。このときオゾン発

生器は作動せず酸素の流路を閉じておく。 

3) 試験用ガスを流し,流量調節弁で計測器の所定の電流に調整する。このときの計測器の指示値(一酸

化窒素の濃度)をAとする。 

4) 酸素の流路を開き,計測器の指示が約10 %減少するように流量調節弁で調整する。このときの指

示値をBとする。 

5) オゾン発生器を動作させ,オゾンを発生させる。オゾン発生とともに計測器の指示は減少するが,

指示値Aの10〜20 %の指示になるようオゾン発生量を調整する。このときの指示値をCとする。 

6) 計測器を窒素酸化物測定流路に切り換え,このときの指示値(窒素酸化物の濃度)をDとする。 

7) オゾン発生器の作動を停止させる。このときの指示値をEとする。 

8) 酸素の流路を閉じる。このときの指示値をFとする。 

9) コンバータの効率の測定の記録を附属書6図2に示す。 

備考 破線は,試験用ガス中に二酸化窒素が含まれている場合の指示例。 

附属書6図2 コンバータの効率測定の記録の一例 

10) 1)〜8)で求めた指示値から式(1)を用いて効率の算出を行う。 

 なお附属書6図2においてAとFが等しくない場合は,式(2)を用いて算出する。 

コンバータの効率(%)

100

×

C

E

C

D

…………………………………(1)   

コンバータの効率(%)

100

1

×

C

B

D

E

……………………………(2)   

2.2 アンモニア変換率 この試験方法は,コンバータの変換効率試験用ガス調製装置(以下,ガス調製装

置という。)を用い,約200 volppmの窒素バランスのアンモニアを精製空気で希釈したものを試験用ガスと

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してコンバータに通し,アンモニア/一酸化窒素変換効率を求めるもので,次による。 

a) 試験装置 この試験に用いる装置の流路構成を附属書6図3に示す。 

附属書6図3 アンモニア/一酸化窒素変換効率試験流路の例 

1) 希釈装置 アンモニア/一酸化窒素試験用ガスを精製空気で2〜5倍に希釈できるもの。 

2) 空気精製装置 活性炭などで空気などを精製できるもの。 

3) 試験用ガス 試験用ガスは,本体8.1の表3による。 

b) 操作 操作は,次による。 

1) 0〜100 volppm又はそれ以下のレンジ(0〜10 volppm,0〜50 volppm)に設定する。 

2) ゼロ・スパン校正を行う。 

3) 希釈装置出口におけるアンモニアの濃度を50〜100 volppmになるように希釈度を設定し,アンモニ

ア―一酸化窒素試験用ガスを精製空気で希釈した後,計測器に導入する。 

4) コンバータのアンモニア変換効率を,次の式から算出する。 

100

×

B

A

ア変換効率

コンバータのアンモニ

)

(

ここに,A:計測器の指示値 (volppm) 

B:希釈装置出口のアンモニアの濃度 (volppm) 

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附属書7(参考) 測定対象施設及び測定範囲 

この附属書は,ISO 10849に記載されている測定対象施設及び測定範囲(以下,レンジという。)を記述す

るものであり,規定の一部ではない。 

附属書7表1 測定対象施設及び測定範囲 

測定対象施設(1) 

レンジ(2) 

NO2 (mg/m3) 

NO (mg/m3) 

Volppm 

無煙炭炉(Furnaces for hard coal) 

0〜2 000 

0〜1 310 

0〜976 

重油炉(Furnaces for heavy fuel oil) 

0〜1 000 

0〜654 

0〜488 

天然ガス炉(Furnaces for natural gas) 

0〜200 

0〜131 

0〜97.6 

廃棄物焼却炉(Furnaces for waste) 

0〜650 

0〜425 

0〜317 

廃棄物と無煙炭の混焼炉(Stack gas from a combined 
incinerator for waste and hard coal) 

0〜3 000 

0〜1 960 

0〜1 460 

セメントキルン(Cement kiln) 

0〜2 500 

0〜1 630 

0〜1 220 

ディーゼルエンジン(Diesel engine) 

0〜5 000 

0〜3 270 

0〜2 440 

脱硝触媒付ディーゼルエンジン(Diesel engine in 
combination with DeNOx-catalyst) 

0〜600 

0〜392 

0〜293 

ガスエンジン(Gas engine) 

0〜3 000 

0〜1 960 

0〜1 460 

ガスタービン(Gas turbine) 

0〜300 

0〜196 

0〜146 

注(1) 新型の施設,新しい燃焼炉について,十分な実績があり,また,異なる測定範囲が可能で

あるとき,測定範囲と適用が広がることがある。 

(2) 圧力101.32 kPa,温度273.15 K,乾燥ガスにおいて 

 なお,我が国における窒素酸化物の規制は,大気汚染防止法施行規則に定められている。 

 窒素酸化物の量は,次の式によって算出された窒素酸化物の量とする。この場合において,窒素酸化物

の量が著しく変動する施設にあっては,一工程の平均の量とする。 

Cs

Os

On

C

=21

21

 この式において,C,On,Os及びCsは,それぞれ次の値を表すものとする。 

窒素酸化物の量(単位 cm3) 

On 施設の種類,条件による個別に定められた値 

Os 排出ガス中の酸素の濃度,当該濃度が20 %を超える場合にあっては,20 %とする(単位 百分率) 

Cs JIS K 0104に規定する方法によって測定された窒素酸化物の濃度を温度が0 ℃であって圧力が標準大

気圧の状態における排出ガス1 m3中の量に換算したもの(単位 cm3 )。 

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B 7982:2002 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書8(参考) 計測システム補足性能 

 この附属書は,計測システムを維持していくうえで望ましい性能について記述するものであり,規定の

一部ではない。 

1.  計測システム補足性能 計測システムは附属書3(規定)の性能を補足するために,次の性能を満足す

ることが望ましい。 

附属書8表1 補足性能 

項目 

性能 

備考 

計測システムゼロドリフト 

最大目盛値の ±2 % 無調整期間(通常7日間)において 

計測システムスパンドリフト 

測定値の   ±4 % 無調整期間(通常7日間)において 

計測システムの温度依存性(ゼロ) 

最大目盛値の ±2 % 無調整期間(通常7日間)で±10 Kの範囲において 

計測システムの温度依存性(スパン) 測定値の   ±4 % 無調整期間(通常7日間)で±10 Kの範囲において 

2. 性能試験 試験方法は次による。 

 なお,性能試験の試験条件・試験レンジは設置現場の条件による。 

a) 計測システムゼロドリフト 現場での測定継続中に少なくとも1日に1回ゼロ調整用ガスを設定流量

で導入し測定を行う。通常7日間調整を行わない状態で試験を行い,この間におけるゼロ指示値の初

期の指示値からの最大変動幅の最大目盛値に対する百分率を計測システムのゼロドリフトとする。 

b) 計測システムスパンドリフト 現場での測定継続中に少なくとも1日に1回スパン調整用ガスを設定

流量で導入し測定を行う。通常7日間調整を行わない状態で試験を行い,この間におけるスパン指示

値の初期の指示値からの最大変動幅の測定値に対する百分率を計測システムのスパンドリフトとす

る。 

c) 周囲温度影響(ゼロドリフト) 計測システムの許容周囲温度において,±10 K変化させたときのゼロ

指示値の差を測定し,周囲温度影響を調べる。 

d) 周囲温度影響(スパンドリフト) 計測システムの許容周囲温度において,±10 K変化させたときのス

パン指示値の差を測定し,周囲温度影響を調べる。