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B 7957:2006  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,財団法人日本電気

計測器工業会(JEMIMA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正す

べきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS B 7957:1992は改正され,この規格に置き換えられる。 

改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,1993年に第1版として発行されたISO 

10313,Ambient air−Determination of the mass concentration of ozone−Chemiluminescence method,及び1998

年に第1版として発行されたISO 13964,Air quality−Determination of ozone in ambient air−Ultraviolet 

photometric methodを基礎として用いた。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性格をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任をもたない。 

JIS B 7957には,次に示す附属書がある。 

附属書1(規定)計測器の種類及び測定範囲 

附属書2(規定)紫外線吸光光度計によるオゾン濃度の値付け方法 

附属書3(規定)試験場所における校正用オゾンの調製方法 

附属書4(規定)計測器の性能試験方法 

附属書5(参考)一酸化窒素の補正 

附属書6(参考)オゾン自動計測器(紫外線吸収方式)の干渉成分の例 

附属書7(参考)オキシダント自動計測器の目盛点検 

附属書8(参考)オゾン自動計測器の性能仕様の例 

附属書9(参考)JISと対応する国際規格との対比表 

B 7957:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. 引用規格 ························································································································ 1 

3. 定義 ······························································································································ 1 

4. 計測器の性能 ·················································································································· 2 

5. 構造 ······························································································································ 3 

5.1 構造一般 ······················································································································ 3 

5.2 計測器 ························································································································· 3 

5.3 指示記録計 ··················································································································· 7 

6. 試験報告書 ····················································································································· 7 

7. 表示 ······························································································································ 7 

8. 取扱説明書 ····················································································································· 8 

附属書1(規定)計測器の種類及び測定範囲 ············································································· 10 

附属書2(規定)紫外線吸光光度計によるオゾン濃度の値付け方法 ··············································· 11 

附属書3(規定)試験場所における校正用オゾンの調製方法 ························································ 14 

附属書4(規定)計測器の性能試験方法 ··················································································· 20 

附属書5(参考)一酸化窒素の補正 ························································································· 27 

附属書6(参考)オゾン自動計測器(紫外線吸収方式)の干渉成分の例 ········································· 28 

附属書7(参考)オキシダント自動計測器の目盛点検 ································································· 29 

附属書8(参考)オゾン自動計測器の性能仕様の例 ···································································· 31 

附属書9(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ·································································· 32 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 7957:2006 

大気中のオゾン及びオキシダントの自動計測器 

Continuous analyzers for ozone and oxidants in ambient air 

序文 この規格は,1993年に第1版として発行されたISO 10313,Ambient air−Determination of the mass 

concentration of ozone−Chemiluminescence method,及び1998年に第1版として発行されたISO 13964,Air  

quality−Determination of ozone in ambient air−Ultraviolet photometric methodを元に,対応する部分について

は対応国際規格を翻訳し,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格であるが,対応国際規格

には規定されていない規定項目を日本工業規格として追加している。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。 

1. 適用範囲 この規格は,大気中のオゾン及びオキシダントの濃度を連続的に測定するための自動計測

器(以下,計測器という。)のうち,紫外線吸収方式,化学発光方式及び吸光光度方式に基づくものについ

て規定する。 

備考1. 計測器の種類及び測定範囲については,附属書1(規定)に示す。 

2. この規格の対応国際規格を,次に示す。 

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD

(修正している),NEQ(同等でない)とする。  

ISO 10313:1993,Ambient air−Determination of the mass concentration of ozone−

Chemiluminescence method (MOD) 

ISO 13964:1998,Air quality−Determination of ozone in ambient air−Ultraviolet photometric method 

(MOD) 

2. 引用規格 付表1に示す規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成

する。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 0212,JIS K 0213及びJIS Z 8103によるほか,次

による。 

a) オキシダント オゾン,ペルオキシアセチルニトラート,二酸化窒素など,中性よう化カリウム溶液

からよう素を遊離する酸化性物質の総称。 

b) 光化学オキシダント オキシダントから二酸化窒素を除いた物質。 

c) 試料大気 オゾン又はオキシダント濃度を測定するために計測器に導入する大気。 

d) 試料ガス 試料大気に含まれる粉じんをダストフィルタによって除去したガス。 

e) ゼロガス 計測器の最小目盛値を校正するために用いるガス。 

f) 

スパンガス 計測器の最大目盛値を校正するために用いるガス。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

g) ゼロドリフト 計測器の最小目盛に対応する指示値のある期間内の変動。 

h) スパンドリフト 計測器の目盛スパンに対応する指示値のある期間内の変動。 

i) 

設定流量 計測器に定められた試料大気,校正ガスなどの流量。 

j) 

オゾン分解器 試料ガス中のオゾンを触媒などで選択的に分解する器具。 

k) 吸収液 試料ガス中のオキシダントと反応して,よう素を遊離する中性よう化カリウム溶液。 

l) 

水 JIS K 0557に規定する種別A2又はA3の水。 

4. 計測器の性能 計測器は,附属書4の性能試験で試験を行ったとき,表1及び表2の性能を満足しな

ければならない。 

なお,ppmは体積百万分率をいう。 

表1 オゾン自動計測器の性能 

項目 

性能 

試験方法 

繰返し性 

最大目盛値の±2 % 

附属書4の5.1 a) 

ゼロドリフト 

最大目盛値の±2 % 

附属書4の5.1 b) 

スパンドリフト 

最大目盛値の±2 % 

附属書4の5.1 c) 

指示誤差 

最大目盛値の±2 % 

附属書4の5.1 d) 

最小検出限界 

最大目盛値の1 %以下 

附属書4の5.1 e) 

応答時間 

2分間以下 

附属書4の5.1 f) 

オゾン分解器の効率 

99.5 %以上 

附属書4の5.1 g) 

試料ガス流量の経時安定性 

±5 % 

附属書4の5.1 h) 

干渉成分の影響(水分) 

0.004 ppm以下(紫外線吸収方式,化
学発光方式) 

附属書4の5.1 i) 

干渉成分の影響(トルエン) 

0.004 ppm以下(紫外線吸収方式) 

附属書4の5.1 j) 

周囲温度変化に対する安定性 

5 ℃変化に対してゼロ,スパンドリフ
トの性能範囲内 

附属書4の5.1 k) 

電源電圧変動に対する安定性 

最大目盛値の±1 % 

附属書4の5.1 l) 

耐電圧 

異常を生じてはならない 

附属書4の5.1 m) 

絶縁抵抗 

5 MΩ以上 

附属書4の5.1 n) 

表2 オキシダント自動計測器の性能 

項目 

性能 

試験方法 

繰返し性 

最大目盛値の±2 % 

附属書4の5.2 a) 

ゼロドリフト 

最大目盛値の±2 % 

附属書4の5.2 b) 

スパンドリフト 

最大目盛値の±4 % 

附属書4の5.2 c) 

指示誤差 

最大目盛値の±4 % 

附属書4の5.2 d) 

応答時間 

10分間以下 

附属書4の5.2 e) 

試料ガス流量の経時安定性 

設定流量の±7 % 

附属書4の5.2 f) 

吸収液流量の経時安定性                 

設定流量の±5 % 

附属書4の5.2 g) 

干渉成分の影響(一酸化窒素,二酸
化窒素) 

6 %以下 

附属書4の5.2 h) 

干渉成分の影響(二酸化硫黄) 

6 %以下 

附属書4の5.2 i) 

電源電圧変動に対する安定性 

最大目盛値の±1 % 

附属書4の5.2 j) 

耐電圧 

異常を生じてはならない 

附属書4の5.2 k) 

絶縁抵抗 

5 MΩ以上 

附属書4の5.2 l) 

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5. 構造  

5.1 

構造一般 計測器の構造は,次の各項目に適合しなければならない。 

a) 形状が正しく,組立及び各部の仕上がりが良好で,堅ろうである。 

b) 通常の運転状態で危険の生じるおそれがなく,安全で円滑に作動する。 

c) 各部は,容易に機械的故障・電気的故障を起こさず,危険を生じない構造である。 

d) 結露などによって計測器の作動に支障を生じない構造である。 

e) 光源,ヒータなどの発熱部に接する部分は,熱による変形及び機能の変化を生じない構造である。 

f) 

保守・点検の際,作業しやすく,危険のない構造である。 

5.2 

計測器  

5.2.1 

オゾン自動計測器(紫外線吸収方式)の構成 オゾンは波長254 nm付近の紫外線領域に極大吸収

帯をもっている。この領域には,環境大気中に共存する一酸化炭素,二酸化炭素,一酸化窒素及び二酸化

窒素による吸収がない。オゾンの濃度は,ランベルト・ベールの法則に基づき決定することができる。 

計測器は,図1に例を示すように試料大気導入口,フィルタ,流量計,試料大気吸引部,試料セル,光

源,測光部,指示記録計などで構成する。 

図1 オゾン自動計測器(紫外線吸収方式)の構成例 

a) 試料大気導入口 試料大気導入口は,試料大気導入管を接続する部分で,導入管はオゾンに対して不

活性な材質,例えば,ふっ素樹脂製のものを用いる。導入管の全長は可能な限り短くし,結露のおそ

れがある場合は,若干加熱してもよい。 

備考 附属書5を参照。 

b) フィルタ フィルタは,試料大気中に含まれる粉じんを除去し,流路の詰まりによる測定誤差の発生

などを防ぐためのものである。オキシダントの吸着の少ないもの,例えば,四ふっ化エチレン樹脂又

はこれと同等の材料のものを使用しなければならない。また,粉じんがフィルタに蓄積しすぎると測

定に影響を与えるので,試料採取場所の粉じん濃度などを考慮しつつ定期的に交換するべきである。

一般に,フィルタを交換した場合は,環境大気によるコンディショニングの時間が必要である。 

c) 試料大気吸引部 試料大気吸引部は,計測器に必要な試料大気を連続的に一定流量で供給するための

もので,流量計,流量調整器,試料大気吸引ポンプなどで構成する。試料大気吸引ポンプは,装置の

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

最下流に配置され,試料を毎分数リットルの割合で吸引ができるものとする。流量制御部は,試料大

気吸引ポンプのすぐ上流に配置され,分析計に適切な設定流量の試料大気を導入する。流量計は,試

料セルの下流に配置され,装置内の流量を測定する。 

d) 試料セル 試料セルは,材質を,オゾンに対し不活性なふっ素樹脂,ほうけい酸ガラス,ふっ素樹脂

コーティングした金属などとする。振動及び環境温度変化に影響されない光学的に安定した構造とし,

試料セル内のガス温度及び圧力が測定可能なものとする。 

e) 光源 光源は,例えば,253.7 nmを中心とする単色光を出す低圧水銀ランプを使用する。測定中の光

量の変動は,測定バイアス及びノイズの原因となる。酸素をオゾンにする185 nmの輝線スペクトル

は取り除かれていなければならない。 

f) 

測光部 測光部は,オゾンによる紫外線の吸収を電気信号に変換するもので253.7 nm付近に検出感度

をもつ光電管,光電子増倍管,半導体検出器などを用いる。 

g) オゾン分解器 オゾン分解器は,試料ガス中のオゾンを触媒などで分解できるものとする。例えば,

酸化マンガン(Ⅳ)を金属に担持したものなどを用いる。 

備考 附属書6参照。 

h) 切換弁 切換弁は,試料ガスとオゾン分解器とで処理されたガスの流路切換の操作を行う弁で,電磁

切換弁などを用いる。 

5.2.2 

オゾン自動計測器(化学発光方式) 励起された状態の物質は,光を出して基底状態に戻る場合が

ある。化学反応の結果として発光が起こる現象を,化学発光という。オゾンとエチレンとの反応によって

生じるホルムアルデヒドなどの化学発光は,300〜600 nmに発光領域があり,極大発光波長は400 nm付近

にある。 

計測器は,図2に例を示すように試料大気導入口,フィルタ,反応槽,測光部,試料大気吸引部,指示

記録計などで構成する。 

図2 オゾン自動計測器(化学発光方式)の構成例 

a) 試料大気導入口 試料大気導入口は,5.2.1 a)の規定による。 

b) フィルタ フィルタは,5.2.1 b)の規定による。 

c) 試料大気吸引部 試料大気吸引部は,5.2.1 c)の規定による。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

d) 反応槽 反応槽は,試料ガス及びエチレンが導入され,混合接触して化学発生が生じるものである。 

e) 測光部 測光部は,光電子増倍管,増幅器などで構成し,オゾンとエチレンとの反応に伴って生じる

化学発光を,電気信号に変換するものである。 

f) 

エチレン導入部 エチレン導入部は,エチレンを所定流量に制御するための流量調整器,流量の監視

のための流量計,エチレン遮断器などで構成する。エチレン遮断器は,計測器への供給電源が切れた

とき及び非測定時にエチレンの導入経路を遮断するものであって,通常,電磁弁を用いる。ガス圧力

1 MPaで漏れのない接続構造とする。 

g) エチレン 計測器に使用するエチレンは,純度99.5 %以上のエチレンを,安全性のため窒素で薄めた

(例えば,7 %以下)混合ガスを使用することが望ましい。 

h) エチレン除去装置(附属装置) エチレンは,可燃性で爆発限界も低いガスなので,屋外に安全に排

気するか又は装置内で除去する。エチレン除去装置は,触媒などによってエチレンを除去する装置で,

除去装置出口における排ガス中の全炭化水素濃度は,1 ppmC以下(1)でなければならない。 

注(1) 炭化水素に含有される炭素原子数を基準として表した炭化水素濃度の単位。 

5.2.3 

オキシダント自動計測器(吸光光度方式) オキシダントを含む試料大気は,中性よう化カリウム

溶液中に通じると,よう化カリウムが酸化されて式(1)の反応でよう素を遊離し,よう化カリウム溶液中で

は黄褐色に発色する。 

2KOH

O

I

O

H

O

2KI

2

2

2

3

+

+

+

+

 ················································ (1) 

吸光光度方式は,この発色液の波長365 nm付近における吸光度を測定することによって,大気中のオ

キシダントの濃度を測定するものである。 

計測器は,図3に例を示すように,フィルタ,スクラバ,流量計,ガス吸収部,試料大気吸引ポンプ,

吸着フィルタ,吸収液送液ポンプ,吸収液タンク,吸光度測定部,増幅器,指示記録計などで構成する。 

図3 オキシダント自動計測器(吸光光度方式)の構成例 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) 試料大気導入口 試料大気導入口は,5.2.1 a)の規定による。 

b) フィルタ フィルタは,5.2.1 b)の規定による。 

c) スクラバ スクラバは,試料大気中の二酸化硫黄を三酸化硫黄に酸化して測定に対する干渉を防ぐた

めのもので,ガラス繊維ろ紙に酸化クロム(Ⅳ)(CrO3)及び硫酸を含浸し乾燥させて作った酸化剤で構成

する。 

なお,試料大気中の二酸化硫黄濃度が低く,指示値に対する影響が表2の二酸化硫黄の干渉影響以

下の場合には,スクラバを取り除いてもよい。この場合,光化学オキシダント濃度値の計算は,二酸

化窒素の影響だけを補正する。 

d) 流量計 試料大気採取流量変化は,直接誤差の原因となるので,流量の調節又は確認のために必要で

ある。ここに用いる流量計は,設定流量の約1.2〜2倍の最大目盛をもつものとし,測定精度は,JIS B 

7551の7.3(精度)の規定による。 

e) ガス吸収部 ガス吸収部は,吸収液と試料大気とが一定流量比(吸収液流量:試料大気流量=1:1 000

程度)で接触して,試料大気中のオキシダントを吸収液に吸収させる吸収管で,その一例を図4に示

す。 

単位 mm 

図4 吸収管の一例 

f) 

試料大気吸引ポンプ 試料大気吸引ポンプは,試料大気をガス吸収部に通気するために使用するポン

プで,フィルタに粉じんが付着して通気抵抗が増しても,規定の通気流量が維持できるように吸引力

に余裕のあるポンプを用いる。 

g) 吸収液タンク 吸収液タンクは,吸収液によって侵されず,また,吸収液を変質させない材料を使用

する。 

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h) 吸収液送液ポンプ 吸収液送液ポンプは,吸収液タンク内の吸収液を比較セル,ガス吸収部に一定流

量で送液するためのポンプを使用する。 

i) 

吸着フィルタ 吸着フィルタは,測定などによって生成した吸収液中のよう素を吸着・除去するため

のフィルタで,活性炭などを用いる。 

j) 

吸収液 吸収液は,中性りん酸塩緩衝-よう化カリウム溶液 (20 g/ L) で,還元性物質を含まない試薬

を用いて次のように調製する。  

吸収液10 Lを調製する場合には,JIS K 8827に規定するよう化カリウム(オキシダント測定用)200 

g,JIS K 8118に規定するりん酸二水素カリウム(オキシダント測定用)140 g,JIS K 8828に規定す

るりん酸水素二ナトリウム・12水(オキシダント測定用)360 gを水8 Lに溶かし,水酸化ナトリウ

ム溶液(100 g/ L)(JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム10 gを水に溶かして100 mLとする。)及び

りん酸(100 g/ L)(JIS K 9005に規定するりん酸7 mLを水に溶かして100 mLとする。)を用いて,pH

を7.0±0.2に調節し,水を加えて10 Lとする。 

この溶液を着色瓶に入れ,0〜10 ℃の暗所に約16時間放置した後,使用する。 

k) 吸光度測定部 吸光度測定部は,試料大気の通気する前後の吸収液の吸光度を測定するための部分で,

測定セル,比較セル,光源ランプ,光電管,金属干渉フィルタ(主波長350〜370 nm付近)などで構

成する。 

なお,測定セルと比較セルとを共用する吸光度測定部もある。 

l) 

増幅器 増幅器は,比較セル及び測定セルの吸光度の比較測定を行うと同時に,指示記録及び伝送信

号に必要な電気信号が得られるように増幅する。 

5.3 

指示記録計 オゾン又はオキシダント濃度を等分目盛で指示記録するものとする。ディジタル表示

方式のものは,測定単位を印字できるものとする。 

6. 試験報告書 作成する報告書は,4.の各項目について,附属書4による試験条件,試験結果などにつ

いての内容を記載する。また,必要に応じて次の項目について記載する。 

a) この規格に関する内容 

b) 校正方法についての内容 

c) 校正についての結果 

d) その他特記事項 

7. 表示 計測器には,見やすい箇所に容易に消えない方法で,次の事項を表示しなければならない。 

a) 名称及び製造業者が指定する形名 

b) 測定対象成分 

c) 測定濃度範囲 

d) 使用温度範囲 

e) 定格電圧,定格周波数及び容量 

f) 

製造業者名又はその略号 

g) 製造年月 

h) 製造番号 

備考 これらの表示は,1か所にまとめて表示しなくてもよい。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

8. 取扱説明書 取扱説明書には,少なくとも次の事項を記載しなければならない。 

a) 設置場所 

b) 試料大気の温度,流量,ダスト濃度及び干渉成分のそれぞれの許容範囲  

c) 試料大気の前処理方法 

d) 配管及び配線 

e) 暖機時間 

f) 

使用方法 

1) 測定の準備及び校正 

2) 測定操作 

3) 測定停止時の処置 

g) 保守点検 

1) 日常点検の指針 

2) 定期点検の指針 

3) 流路系の清掃 

4) 故障時の対策 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

付表1 引用規格 

JIS B 7551 フロート形面積流量計 

JIS B 7952 大気中の二酸化硫黄自動計測器 

JIS B 7953 大気中の窒素酸化物自動計測器 

JIS C 1302 絶縁抵抗計 

JIS K 0001 標準物質−標準ガス−一酸化窒素 

JIS K 0055 ガス分析装置校正方法通則 

JIS K 0115 吸光光度分析通則 

JIS K 0212 分析化学用語(光学部門) 

JIS K 0213 分析化学用語(電気化学部門) 

JIS K 0557 用水・排水の試験に用いる水 

JIS K 8001 試薬試験方法通則 

JIS K 8118 りん酸二水素カリウム(オキシダント測定用)(試薬) 

JIS K 8180 塩酸(試薬) 

JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬)  

JIS K 8680 トルエン(試薬) 

JIS K 8827 よう化カリウム(オキシダント測定用)(試薬) 

JIS K 8828 りん酸水素二ナトリウム・12水(オキシダント測定用)(試薬)  

JIS K 8920 よう素(試薬) 

JIS K 9005 りん酸(試薬) 

JIS Z 8103 計測用語 

参考 高圧ガスの安全取扱い方法については,高圧ガス保安法(昭和26年6月7日法律第204号)に

よる(参照:環境大気自動測定における高圧ガス管理取扱い手引き書,環境庁大気測定安全対

策委員会,昭和48年10月)。 

環境大気中の光化学オキシダント濃度の測定については次のものがある。 

環境大気測定機維持管理要綱(環境庁大気保全局 平成10年9月) 

オキシダント自動計測器の動的校正マニュアル(環境庁大気保全局 昭和52年7月) 

大気中の二酸化硫黄等の測定方法の改正について(環境庁大気保全局 平成8年10月25日) 

関連規格 ISO 4226 Air quality−General aspects−Units of measurment 

JIS K 0050 化学分析方法通則 

     JIS K 0211 分析化学用語(基礎部門) 

     JIS K 8913 よう化カリウム(試薬)  

     JIS K 9007 りん酸二水素カリウム(試薬) 

JIS K 9019 りん酸水素二ナトリウム・12水(試薬) 

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10 

B 7957:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書1(規定)計測器の種類及び測定範囲 

1. 適用範囲 この附属書は,計測器の原理別種類及び測定範囲(以下,レンジという。)について規定す

る。 

2. 計測器の種類及びレンジ 計測器の種類は原理別に分類し,個々の計測器のレンジは,附属書1表1

のとおりとする。 

なお,レンジは,附属書1表1で示した間で適切なものを選ぶ。 

附属書1表1 計測器の種類及びレンジ 

計測器の種類 

測定原理 

レンジ ppm (1) 

測定対象物質 

備 考 

オゾン自動計測
器 

紫外線吸収方式 
化学発光方式 

0〜0.1から0〜5 

オゾン 

芳香族炭化水素,水分などの影響を無
視できる場合又は影響を除去できる場
合に適用できる。 

オキシダント自
動計測器 

吸光光度方式 

0〜0.2から0〜0.5 オキシダント 

二酸化硫黄などの影響を無視できる場
合又は除去できる場合に適用できる。 

注(1) このレンジ内で測定目的によって,適切に分割したレンジをもつ。 
備考 オキシダント自動計測器における光化学オキシダント体積濃度の算出は,次による。 

×

+

×

=

100

100

NO

NO

2

NO

2

NO

ox

ox

R

C

R

C

C

A

ここに,AOX :光化学オキシダント体積濃度 [ppmO3(2)] 

COX :オキシダント体積濃度 (ppmO3) 
CNO2 :大気中の二酸化窒素体積濃度 (ppm) 
CNO :大気中の一酸化窒素体積濃度 (ppm) 
RNO2 :計測器の二酸化窒素に対する影響率 (%) 
RNO :計測器の一酸化窒素に対する影響率 (%) 

なお,SO2スクラバを取り除いた場合には,一酸化窒素の影響は無視できる。 

(2) ppmO3とは,オゾン換算値をいう。 

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B 7957:2006  

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附属書2(規定)紫外線吸光光度計によるオゾン濃度の値付け方法 

1. 適用範囲 この附属書は,大気中のオゾン自動計測器,オキシダント自動計測器の校正及び試験に用

いるオゾンの濃度を値付けする方法について規定する。 

2. 原理 紫外吸光光度計を用いて,既知のセル長における253.7 nmでの吸光度を測定し,オゾンの吸光

係数から附属書2の5.に規定する式によってオゾンの濃度を求める。 

なお,紫外吸光光度計は,オゾン濃度の値付け専用機として実験室において十分に精度管理された状態

で維持されているものを用いる。 

3. 構成  

3.1 

オゾン発生装置 オゾン発生装置は,ゼロガス,流量調整弁,オゾン発生器などで構成する。装置

の構成例を,附属書2図1に示す。 

附属書2図1 オゾン発生装置の構成例 

a) ゼロガス ゼロガスは,高圧容器詰めの高純度空気又はJIS K 0055の4.(校正用ガス)によるものを

用いる。 

b) オゾン発生器 オゾン発生器は,水銀放電管を用いて一定濃度及び必要な量のオゾンを発生できるも

ので,オゾン発生に使用する空気は,a)で規定したゼロガスを用いる。 

c) 流量調整部 流量調整部は,使用期間中,安定した流量を保持可能なものを用いる。濃度可変オゾン

発生器が利用可能でない場合,ゼロガスでオゾンを適切に薄める流路を追加する。 

なお,流量計の値は,オゾンの濃度の計算には使用しないが,オゾンのおおむねの濃度を求めるた

めなどに用いる。 

d) マニホールド マニホールドは,ほうけい酸ガラス及びふっ素系樹脂のように,オゾンに不活性な材

質のものを用いる。 

3.2 

紫外吸光光度計 オゾン濃度の値付け用紫外吸光光度計は,吸収セル,光学フィルタ,検出器など

で構成する。装置の構成例を,附属書2図2に示す。 

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附属書2図2 オゾン濃度値付け用紫外線吸光光度計の構成例 

a) 吸収セル 吸収セルは,単光路又は復光路のものがあり,セルの光路長は,±0.5 %の正確さで測定さ

れているものを用いる。ガス接触面は,オゾンの損失を最小限にするような材質のものを用いる。 

b) 光学フィルタ 光学フィルタは,吸収セル内でのオゾンの発生を防止するために,185 nmの波長をカ

ットし,計測に用いる253.7 nmの波長を通過させるもので,石英窓などを用いる。 

c) 検出器 検出器は,波長253.7 nmの透過率を計測可能で,他の波長域の影響を0.5 %未満としたもの

で,セシウムテルル光電管などを用いる。 

d) 温度・圧力指示計 温度・圧力指示計は,吸収セル内の温度及び圧力をそれぞれ±0.5 ℃,±0.2 kPa

で計測可能なものを用いる。 

e) 吸引ポンプ 吸引ポンプは,試料ガスを吸収セルに導入するために用いる。通常,毎分2 L程度で吸

引できるもの。 

4. 操作 操作は,次による。 

a) オゾン発生装置及び紫外吸光光度計を接続し,暖機運転する。 

なお,設置する室内は,周囲温度の影響を小さくするために温度管理しておく。 

b) ガス発生流量はマニホールドからの排気流量が紫外吸光光度計の総吸引流量の20 %以上となるよう

に調節する。 

c) ゼロガスを導入し,指示値が安定した後,紫外線光光度計のゼロ調節を行う。 

d) オゾンを発生させ,紫外線吸光光度計に導入する。指示値が安定した後,指示値を記録する。紫外吸

光光度計の吸収セル内の温度及び圧力の記録をとる。 

e) 附属書2の5.に規定する式によってオゾンの濃度を計算する。 

備考1. a)〜e)の手順を繰り返し行い,値付けの精度を見積ることができる。 

2. 精度を上げるために,紫外吸光光度計の吸収セル表面におけるオゾンの損失量を求め,補正

する。 

3. これらの操作の再現性は,信頼度95 %で5 %以下であり,濃度の正確さは±4 %である。 

5. オゾン濃度の計算 紫外吸光光度計による基準状態 (Tref ℃,101.325 kPa) におけるオゾン濃度の計算

は,次の式による。 

d

I

I

In

T

T

P

C

1

10

44

.1

)

/

(

)2.

273

(

)2.

273

(

325

.

101

5

0

ref

ref

×

×

×

+

+

×

=

ここに, 

Cref: 基準状態におけるオゾン濃度 (μg/m3) 

d: 吸収セル長 (m)  

I/I0: 透過率 

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P: 吸収セル内の圧力 (kPa) 

T: 吸収セル内の温度 (℃) 

Tref: 基準温度 (℃) 

1.44×10−5: オゾンの吸光係数 (m2/μg) 

備考 オゾンの質量濃度及び体積濃度の換算は,次による。 

1 mg/m3= (1/2.141) ppm(0 ℃,101.325 kPaにおいて) 

1 mg/m3= (1/1.995) ppm(20 ℃,101.325 kPaにおいて) 

1 mg/m3= (1/1.962) ppm(25 ℃,101.325 kPaにおいて) 

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附属書3(規定)試験場所における校正用オゾンの調製方法 

1. 適用範囲 この附属書は,大気中のオゾン自動計測器,オキシダント自動計測器の試験場所における

校正用オゾンの調製方法のうち,中性よう化カリウム法による方法,一酸化窒素による気相滴定法及び移

動形の校正用オゾン計を用いる方法に基づくものについて規定する。 

備考 この調製方法については,附属書2の方法を用いた値付けの確認を,少なくとも一年に一回は

実施する必要がある。 

2. 中性よう化カリウム法による方法  

2.1 

原理 オゾンを吸収液[中性りん酸塩緩衝-よう化カリウム溶液(10 g/L)]に採取し,波長352 nmで

の吸光度を測定し,オゾンの濃度を求める。 

2.2 

試薬 試薬は,次による。 

a) 吸収液  

1) 吸収液は,中性りん酸塩緩衝-よう化カリウム溶液(10 g/L)で,還元性物質を含まない試薬を用いて

調製する。 

2) 吸収液1 Lを調製する場合には,JIS K 8827に規定するよう化カリウム(オキシダント測定用)10 g,

JIS K 8118に規定するりん酸二水素カリウム(オキシダント測定用)13.61 g,JIS K 8828に規定す

るりん酸水素二ナトリウム・12水(オキシダント測定用)35.82 gを水800 mLに溶かし,水酸化ナ

トリウム溶液(10 g/L)(JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム1 gを水に溶かして100 mLとする。)

及びりん酸(10 g/L)(JIS K 9005に規定するりん酸0.7 mLを水に溶かして100 mLとする。)を用い

てpHを7.0±0.2に調節し,水を加えて1 Lとする。 

この溶液を着色瓶に入れ,0〜10 ℃の暗所に保存すれば,数週間は安定である。 

b) よう素標準液(12 μlO3/mL) 0.05 mol/Lよう素溶液(1) 10/f mLを全量フラスコ100 mLにとり,20 ℃に

保った吸収液を標線まで加える。この溶液を更に先の吸収液で10倍に希釈する(20 ℃,101.325 kPa)。

この溶液は,使用時に調製する。 

注(1) 0.05 mol/Lよう素溶液の調製は,次による。 

JIS K 8827に規定するよう化カリウム(オキシダント測定用)40 gをとり,水25 mLと,JIS 

K 8920に規定するよう素12.7 gとを加えて溶かした後,水を加えて1 Lとする。これにJIS K 

8180に規定する塩酸3滴を加えてよくかき混ぜる。この溶液を着色瓶に移し入れ,暗所に保存

する。 

使用時にこの溶液を20 ℃に保ってJIS K 8001の4.5 (24) (b)によって標定し,ファクタ(f)を

求める。 

2.3 

構成 ガス採取装置は,吸収管,恒温水槽,ガスメータなどで構成する。装置の構成例を,附属書3

図1に示す。オゾン発生装置は,附属書2の3.1によるものを用いる。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書3図1 ガス採取装置の構成例 

a) 吸収管 吸収管は,ガラス製ミゼットインピンジャを使用し,附属書3図2に示すものを用いる。 

単位 mm 

附属書3図2 吸収管 

b) 恒温水槽 恒温水槽は,吸収液の温度を,20±0.5 ℃に保つことができるものを用いる。 

c) ガスメータ ガスメータは,1 L/minの流量を正確に測定できるもので,湿式ガスメータなどを用いる。

1回転1 Lのものが望ましい。 

d) 吸引ポンプ 吸引ポンプは,装置に接続したとき,1 L/min以上の流量が得られるもので,空気漏れが

ないものを用いる。 

2.4 

操作 操作は,次による。 

a) オゾン発生装置及びガス採取装置を接続し,暖気運転する。流路系に漏れのないことを確かめ,吸収

管に吸収液10.0 mLを入れ,オゾン発生装置からガスを一定流量(例えば,0.95〜1.05 L/min)で15

分間通気する。この間吸収液を,20±0.5 ℃に保つようにする。 

なお,設置する室内は,周囲温度の影響を少なくするために温度管理をしておくとよい。 

b) 試料を採取した吸収管を30分間放置した後(2),その内容液を吸収セル10 mmに移し入れ,JIS K 0115

の8.に従って吸収液を対照液として波長352 nm付近の吸光度を測定(3)する。 

注(2) 放置時の温度は,20±0.5 ℃に保つ。放置中は,吸収管のガス導入口と出口とをパラフィルム

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16 

B 7957:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

などで密栓しておく。 

(3) 吸収液を吸収セルに移し入れてから吸光度を測定するまでの時間は,5分間以内とする。 

c) 検量線からオゾンの体積を求める。 

d) 検量線は,よう素標準液 (12 μlO3/mL) 0〜10 mLを段階的に全量フラスコ100 mLにとり,吸収液線ま

で加える。以下,b)に準じた操作を行い,オゾンの量と吸光度の関係線を作成する。 

e) a)〜d)の操作を繰り返し,オゾンの量と吸光度との関係線を作成する。 

2.5 

オゾン濃度の計算 オゾン濃度の計算は,次による。 

a) ガス採取量の換算 ガス採取量は,次の式によって20 ℃,101.3 kPaの体積に換算する。 

325

.

101

2.

273

2.

293

v

m

a

s

P

P

P

t

V

V

+

×

+

×

=

ここに, 

Vs: ガス採取量 (L) 

V: ガスメータで測定された試料ガス量 (L) 

t: ガスメータにおける温度 (℃) 

Pa: 大気圧 (kPa) 

Pm: ガスメータにおけるゲージ圧力 (kPa) 

Pv: t ℃における飽和水蒸気圧 (kPa) 

b) オゾン濃度の計算 ガス中のオゾン濃度は,次の式によって算出する。 

s

V

v

C=

ここに, 

C: オゾン濃度 (ppm) 

v: 検量線から求めたオゾン量 (μl) 

Vs: ガス採取量 (L) 

3. 気相滴定法による方法  

3.1 

原理 気相滴定法(Gas phase titration:GPT)は,オゾンに既知濃度の一酸化窒素標準ガスを添加し,

二酸化窒素に変換したときの一酸化窒素標準ガス濃度の減少分からオゾンの濃度を求める方法である。一

酸化窒素とオゾンとの反応は次に示すようにO3:NO2=1:1の反応であるため,NO>O3の条件下で100 %

の反応をさせれば,二酸化窒素濃度からオゾンの濃度を求めることができる。 

2

2

3

O

NO

O

NO

+

+

3.2 

構成 気相滴定法による方法は,オゾン発生器,一酸化窒素標準ガス,反応器,化学発光方式窒素

酸化物自動計測器などで構成される。装置の構成例を,附属書3図3に示す。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書3図3 気相滴定法による方法の構成例 

a) オゾン発生器 オゾン発生器は,水銀放電管を使用して一定濃度及び必要な流量のオゾンを発生でき

るものを用いる。 

b) 一酸化窒素標準ガス 一酸化窒素標準ガス(JIS K 0001に規定するもの)は,NO>O3の条件となる

ように調製できる濃度のものを用いる。 

c) ゼロガス ゼロガスは,高圧容器詰めの高純度空気又はJIS K 0055の4.(校正用ガス)によるものを

用いる。 

d) 反応器 反応器は,窒素酸化物の吸着の少ない材質,例えば,ガラス製のものを用いる。 

e) 混合器 混合器は,窒素酸化物の吸着の少ない材質,例えば,ガラス製のものを用いる。 

f) 

流量制御器 流量制御器は,毛細管式流量計,マスフローコントローラなどを用いる。 

g) 流路切換弁 流路切換弁は,一酸化窒素標準ガス又はゼロガスを切り換えて導入するために用いる。 

h) 化学発光方式窒素酸化物自動計測器 化学発光方式窒素酸化物自動計測器は,JIS B 7953に規定する

化学発光方式によるものを用いる。 

3.3 

操作 JIS B 7953の8.3(校正)によって,化学発光方式窒素酸化物自動計測器の校正を行った後に,

次の手順で操作する。 

a) 流路系に漏れのないことを確かめ,オゾン発生器の動作を止めた状態で流量制御器を調節して,発生

したいオゾンの濃度の110 %以上に相当する濃度の一酸化窒素を調製する。このときの窒素酸化物自

動計測器の一酸化窒素 (NO) の指示値をP1,窒素酸化物 (NOx) の指示値をR1とする。 

b) オゾン発生器を作動し,窒素酸化物自動計測器の一酸化窒素 (NO)の指示値が元の濃度 (P1) の10 %

以上となるようにオゾン発生器を調節する。このときの窒素酸化物自動計測器の一酸化窒素 (NO) の

指示値をP2,窒素酸化物 (NOx) の指示値をR2とする。 

なお,未反応のオゾンの残留及びゼロガス中の酸素による酸化反応を防ぐため,反応器内における

オゾン酸化反応時の窒素酸化物 (NOx) の濃度及び反応時間が次の条件となるように,流量及び反応器

内容積を設定しておく。 

30(ppm・min)≧[オゾン酸化反応時の窒素酸化物(NOx)の濃度(ppm)]×[反応時間(min)]≧4 ppm・

min 

c) 一酸化窒素標準ガスからゼロガスに附属書3図3の流路切換弁で切り換える。窒素酸化物自動計測器

の窒素酸化物 (NOx) の指示値,一酸化窒素 (NO) の指示値がゼロとなることを確認する。この状態で

濃度が (P1−P2) のオゾンが調製できる。 

なお,窒素酸化物 (NOx) の指示値R1及びR2は窒素酸化物自動計測器のコンバータ効率を加味して,

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18 

B 7957:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

NO+O3⇒NO2+O2反応の確認のために用いる。 

4. 校正用オゾン計による方法 

4.1 

原理 附属書2によって値付けされたオゾンを用いて校正用オゾン計(オゾン自動計測器)を校正

しておき,試験対象計測器の設置場所でその校正用オゾン計の指示値を用いて,発生させたオゾンの濃度

を求める方法である。 

備考 附属書2に規定の方法が実施できない場合は,2.2又は2.3によって調製したオゾンを用いて校

正用オゾン計の校正を行う場合がある。 

4.2 

構成 附属書2によって調製されたオゾンによる校正用オゾン計の校正作業の配置例を,附属書3

図4に示す。 

附属書3図4 校正用オゾン計の校正作業の配置例 

a) オゾン発生装置 オゾン発生装置は,附属書2の3.1(オゾン発生装置)によるものを用いる。 

b) 紫外吸光光度計 紫外吸光光度計は,附属書2の3.2(紫外吸光光度計)によるものを用いる。 

c) 校正用オゾン計 校正用オゾン計は,大気中のオゾン自動計測器,オキシダント自動計測器の試験場

所における校正などのために使用するためのもので,附属書2によって値付けされたオゾンによって

校正されたオゾン自動計測器を用いる。 

なお,校正用オゾン計は,専用機として十分に精度管理された状態で維持されているものを用いる。 

4.3 

操作 操作は,次による。 

a) 附属書3図4に例を示すとおりに各装置を配置し,流路系に漏れのないことを確かめる。 

b) ゼロガスを校正用オゾン計に導入し,ゼロ調節を行った後,オゾン発生装置からオゾンを発生させる。 

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B 7957:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

c) 附属書2に規定の方法で,発生したオゾンの濃度の値付けを行う。 

d) c)で値付けされた濃度に校正用オゾン計のスパン調節を行う。 

e) b)〜d)の操作を繰り返し,校正用オゾン計の校正の精度を上げる。 

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20 

B 7957:2006  

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附属書4(規定)計測器の性能試験方法 

1. 適用範囲 この附属書は,大気中のオゾン及びオキシダントの自動計測器の性能試験方法について規

定する。 

2. 性能試験 性能試験は,次による。 

なお,指示誤差,耐電圧及び絶縁抵抗以外の各項目については,その計測器の最小レンジにおける試験

結果をもって各レンジごとの性能としてもよい。 

3. 試験条件 試験条件は,次による。 

a) 周囲温度 5〜35 ℃の任意の温度で変化幅は5 ℃以下 

b) 湿度 相対湿度85 %以下 

c) 大気圧 95〜106 kPaの圧力で,変化幅は5 kPa以下 

d) 電源電圧 定格電圧 

e) 電源周波数 定格周波数 

f) 

暖機時間 取扱説明書に記載された時間 

4. オゾン及びオキシダントの自動計測器の校正  

4.1 

オゾン自動計測器の校正  

4.1.1 

試験に用いるガス スパンガス,中間点ガス,ゼロガス,干渉影響試験用ガスなどとする。これら

のガスの種類及び成分濃度は,附属書4表1による。 

附属書4表1 試験に用いるガス 

ガスの種類 

成分濃度 

備考 

スパンガス 

レンジの80〜100 % 

附属書2又は附属書3による校正用オゾンガス。 

中間点ガス 

レンジの50 %付近 

附属書2又は附属書3による校正用オゾンガス。 

ゼロガス 

レンジの0 % 

附属書2の3.1 a)(ゼロガス)による。 

干渉影響試験用ガス(水分) 

相対湿度70 % 

附属書4の5.1 i)[干渉成分の影響(水分)]による。 

干渉影響試験用ガス(トルエン) 1 ppm 

附属書4の5.1 j)[干渉成分の影響(トルエン)]に
よる。 

4.1.2 

校正 各計測器,機器を附属書4図1に例を示すとおりに配置・配管接続し,流路系に漏れのない

ことを確かめる。次に,各機器の電源を入れ十分暖機する。オゾン発生装置の流量は,校正するオゾン自

動計測器,校正用オゾン計の定格流量及びオーバフロー1 L/min以上の和に設定する。 

a) ゼロ調節 ゼロ調節は,ゼロガスを各計測器に導入し,指示が安定した時点で行う。 

b) スパン調節 スパン調節は,スパンガスを計測器に導入し,指示が安定した時点で行う。 

c) 必要に応じ,a) によるゼロ調節,b) によるスパン調節を繰り返し,ゼロ及びスパンのそれぞれが合

うまで行う。 

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21 

B 7957:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書4図1 オゾン及びオキシダント自動計測器の校正の構成例 

4.2 

オキシダント自動計測器の校正 

4.2.1 

試験に用いるガス スパンガス,中間点ガス,ゼロガス及び干渉影響試験用ガスなどとする。これ

らのガスの種類及び成分濃度は附属書4表2に示すとおりとする。 

附属書4表2 試験に用いるガス 

ガスの種類 

成分濃度 

備考 

スパンガス 

レンジの80〜100 % 

附属書2又は附属書3による校正用オゾンガス。 

中間点ガス 

レンジの50 %付近 

附属書2又は附属書3による校正用オゾンガス。 

ゼロガス 

レンジの0 % 

附属書2の3.1 a)(ゼロガス)による。 

干渉影響試験用ガス(窒素酸化物) 0.5 ppm 

附属書4の5.2 h)[干渉成分の影響(窒素酸化物)]
による。 

干渉影響試験用ガス(二酸化硫黄) 0.2 ppm 

附属書4の5.2 i)[干渉成分の影響(二酸化硫黄)]
による。 

4.2.2 

校正 各計測器・機器を,附属書4図1に例を示すとおりに配置・配管接続し,流路系に漏れのな

いことを確かめる。次に,各機器の電源を入れ十分暖機する。オゾン発生装置の流量は,校正するオキシ

ダント自動計測器,校正用オゾン計の定格流量及びオーバフロー1 L/min以上の和に設定する。 

a) ゼロ調節 ゼロ調節は,ゼロガスを各計測器に導入し,指示が安定した時点で行う。 

b) スパン調節 スパン調節は,スパンガスを計測器に導入し,指示が安定した時点で行う。 

c) 必要に応じ,a) によるゼロ調節,b) によるスパン調節を繰り返し,ゼロ及びスパンのそれぞれが合

うまで行う。 

5. 試験方法  

5.1 

オゾン自動計測器 オゾン自動計測器は,次による。 

a) 繰返し性 計測器にゼロガスを設定流量で導入し,最終値を記録紙上で確認した後,スパンガスを同

様に導入し,最終値を確認する。この操作を3回繰り返し,ゼロ値及びスパン値の各々の平均値を算

出し,各測定値と平均値との偏差の最大目盛値に対する百分率を求める。 

b) ゼロドリフト 同一条件で,ゼロガスを設定流量で連続して導入し,24時間連続測定を行う。この間

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22 

B 7957:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

におけるゼロ指示値の初期値からの最大偏差を求める。必要な場合は,ゼロ値を最大目盛値の5 %程

度に設定してもよい。 

c) スパンドリフト 同一条件で,ゼロドリフト試験において,試験開始時にスパン調節を行い,試験終

了時(24時間後)及び中間に2回以上(1)ゼロガスをスパンガスに換えて導入し,スパン指示値(Is)を記

録させる。この間における初期スパン指示値(Is0)(2)からの最大変動幅の最大目盛値に対する百分率を

スパンドリフトとする。 

注(1) 各スパン測定点の測定時間間隔は,4時間以上離れていなければならない。 

(2) ゼロ指示値(I0)の変動がある場合は,ゼロ指示値の変動分を差し引きしたものを,スパンドリフ

ト(Ds)とし,次の式によって求める。 

100

)

(

0s

0

0

s

s

×

×

=

c

I

P

P

I

I

D

ここに, Ds: スパンドリフト (ppm) 
 

Is: スパン指示値 (ppm) 

I0: ゼロ指示値 (ppm) 

Is0: 初期スパン指示値 (ppm) 

c: 最大目盛値 (ppm) 

P: スパン指示値のときの大気圧 (kPa) 

P0: 初期スパン指示値のときの大気圧 (kPa) 

d) 指示誤差 ゼロ・スパン校正を行った後,中間目盛付近の濃度の中間点ガスを導入し,指示記録させ

る。この指示値と中間点ガス濃度の表示値との差の最大目盛値に対する百分率を求める。 

e) 最小検出限界 ゼロ・スパン校正を行った後,ゼロ試験用ガスを設定流量で導入し,指示記録させる。

2分間間隔で25点以上の指示値を読み取り,標準偏差(sx0)を求める。その標準偏差の2倍の最大目盛

値に対する百分率を最小検出限界(x)とし,次の式によって求める。 

100

2

=cs

x

x

ここに, sx0: ゼロ試験用ガスによる指示値の標準偏差 (ppm) 
 

c: 最大目盛値 (ppm) 

f) 

応答時間 試料大気導入口直後からゼロガスを導入し,指示安定後,流路をスパンガスに切り換える。

このときの指示記録において,スパン試験用ガス導入の時点から最終指示値の90 %値に達するまでの

時間を応答時間とする。 

g) オゾン分解器の効率 オゾン発生装置によって発生させた濃度約1 ppm付近のオゾンを,加湿器によ

って相対湿度50 %以上に加湿し,オゾン自動計測し所定の流量でオゾン分解器に3時間程度連続通過

させる。通過開始時及び終了直前に,入口濃度及び出口濃度を3方コックを切り換えてオゾン自動計

測器で測定し,次の式でオゾン分解効率を算出し,その平均値を求める(附属書4図2参照)。 

100

oz

×

=

A

B

A

R

ここに, 

Roz: オゾン分解効率 (%) 

A: オゾン分解器の入口濃度 (ppm) 

B: オゾン分解器の出口濃度 (ppm) 

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B 7957:2006  

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附属書4図2 オゾン分解器の効率試験装置例 

注(3) この発生器は,附属書4図3の干渉成分の影響試験装置例と併用する。 

(4) 検査済オゾン分解器内蔵のUV計を使用する。 

h) 試料ガスの流量の経時安定性 試料大気流量の経時変化は,試験開始時に設定流量に試料大気流量を

調節し(5),その設定流量を読み取り記録し,その後,10日間連続運転を行う。この中間に,3回以上

及び終了時(10日間後)に指示流量を読み取り記録し,それらの最大値又は最小値と設定流量との差

を,設定流量に対する百分率をもって偏差として表す。 

注(5) この試験中は,設定流量の調節を行ってはならない。もし,調節した場合には,その後,10日

間の試験を行わなければならない。また,流量安定化装置をもつ計測器は,この装置について

の10日間の安定性の試験結果をもって,試料大気流量の安定性の試験に代えることができる。 

i) 

干渉成分の影響(水分)(化学発光方式及び紫外線吸収方式) ゼロ・スパン校正後,附属書4図3

に示す試験装置中の加湿器を用い,各レンジごとのゼロガス及びスパンガスに相対湿度70 %以上にな

るよう水分を添加し,指示値が安定した後に,添加したときの指示値Aを読み取る。 

同様,添加しないときの指示値Bを読み取り,次の式によって水分の影響を算出する。 

なお,水分の添加によって体積変化が起こる場合には,その影響を計算によって補正し,指示値A

を求める。 

100

w

×

=

C

B

A

R

ここに, Rw: 水分の影響 (%) 
 

A: 水分を添加した場合の指示値 (ppm) 

B: 水分を添加しない場合の指示値 (ppm) 

C: 最大目盛値 (ppm) 

j) 

干渉成分の影響(トルエン)(紫外線吸収方式) ゼロ・スパン校正後,附属書4図3に示す試験装置

を用い,試験装置中の100 ppm程度の(高圧容器詰め)トルエン標準ガス又はトルエン拡散発生器を

用い,ゼロガス及びスパンガスに希釈濃度が約1 ppmになるようにJIS K 8680に規定するトルエンを

添加し,指示値が安定した後に,添加したときの指示値Aを読み取る。同様に,添加しないときの指

示値Bを読み取り,次の式によってトルエンの影響を算出する。 

なお,トルエンの添加によって体積変化が起こる場合には,その影響を計算によって補正し,指示

値Aを求める。 

100

T

×

=

C

B

A

R

ここに, RT: トルエンの影響 (%) 
 

A: トルエンを添加したときの指示値 (ppm) 

B: トルエンを添加しないときの指示値 (ppm) 

C: 最大目盛値 (ppm) 

(3) 

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   注(6) トルエン発生器を使用する場合には,加湿器と入れ換えて使用する。 

附属書4図3 干渉成分の影響試験装置例 

k) 周囲温度変化に対する安定性 ゼロドリフト及びスパンドリフトの試験において,計測器の周囲温度

を連続測定する。この試験中の周囲温度変化5 ℃に相当するゼロドリフト及びスパンドリフトを求め

る。 

l) 

電源電圧変動に対する安定性 校正用ガス導入口からスパンガスを導入し,指示が安定していること

を確認し,その値をAとする。次に電源電圧を定格電圧の+10 %の電圧に徐々に変化させる。指示値

が安定したとき,その値をBとする。次に,定格電圧の−10 %の電圧に徐々に変化させ,指示値が安

定したとき,その値をCとする。B−A及びC−Aのレンジの最大目盛値に対する百分率を求める。 

m) 耐電圧 計測器の電源スイッチ“入り”の状態で,電源端子一括と外箱との間に定格周波数の交流電

圧1 000 Vを1分間加える。その後,計測器を通電状態にし,異常の有無を調べる。 

n) 絶縁抵抗 計測器の電源スイッチ“入り”の状態で,電源端子一括と外箱との間の絶縁抵抗を,JIS C 

1302に規定する直流500 V絶縁抵抗計で測定する。 

5.2 

オキシダント自動計測器 オキシダント自動計測器は,次による。 

a) 繰返し性 計測器にゼロガスを設定流量で導入し,最終値を記録紙上で確認した後,スパンガスを同

様に導入し,最終値を確認する。この操作を3回繰り返し,ゼロ値及びスパン値の各々の平均値を算

出し,各測定値と平均値との偏差の最大目盛値に対する百分率を求める。 

b) ゼロドリフト 同一条件で,ゼロガスを設定流量で連続して導入し,24時間連続測定を行う。この間

におけるゼロ指示値の初期値からの最大偏差を求める。必要な場合は,ゼロ値を最大目盛値の5 %程

度に設定してもよい。 

c) スパンドリフト 同一条件で,ゼロドリフト試験において,試験開始時にスパン調節を行い,試験終

了時(24時間後)及び中間に2回以上(7)ゼロガスをスパンガスに換えて導入し,スパン指示値(Is)を記

録させる。この間における初期スパン指示値(Is0)(8)からの最大変動幅の最大目盛値に対する百分率を,

スパンドリフトとする。 

注(7) 各スパン測定点の測定時間間隔は,4時間以上離れていなければならない。 

(8) ゼロ指示値(I0)の変動がある場合は,ゼロ指示値の変動分を差し引きしたものを,スパンドリフ

ト(DS)とし,次の式によって求める。 

 (6) 

background image

25 

B 7957:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

100

)

(

0

0

0

s

s

s

×

×

=

c

I

P

P

I

I

D

ここに, Ds: スパンドリフト (ppm) 
 

Is: スパン指示値 (ppm) 

I0: ゼロ指示値 (ppm) 

Is0: 初期スパン指示値 (ppm) 

c: 最大目盛値 (ppm) 

P: スパン指示値のときの大気圧 (kPa) 

P0: 初期スパン指示値のときの大気圧 (kPa) 

d) 指示誤差 ゼロ・スパン校正を行った後,中間目盛付近の濃度の中間点ガスを導入し,指示記録させ

る。この指示値と中間点ガス濃度表示値との差の最大目盛値に対する百分率を求める。 

e) 応答時間 試料大気導入口直後からゼロガスを導入し,指示値が安定した後,流路をスパンガスに切

り換える。このときの指示値の記録において,スパンガス導入の時点から最終指示値の90 %値に達す

るまでの時間を,応答時間とする。 

f) 

試料ガスの流量の経時安定性 試料大気流量の経時変化は,試験開始時に設定流量に試料大気流量を

調節し(9),その指示流量を読み取り記録し,その後,10日間連続運転を行う。この中間に3回以上及

び終了時(10日間後)に指示流量を読み取り記録し,それらの最大値又は最小値と設定流量との差を

設定流量に対する百分率をもって表す。 

注(9) この試験中は,設定流量の調節を行ってはならない。もし,調節した場合には,その後,10日

間の試験を行わなければならない。また,流量安定化装置をもつ計測器は,この装置について

の10日間の安定性の試験結果をもって,試料大気流量の安定性の試験に代えることができる。 

g) 吸収液流量の経時安定性 吸収液流量の経時変化は,試験開始時に,設定流量に吸収液流量を調節し

(10),その指示流量を測定・記録し,その後,10日間連続運転を行う。この中間に3回以上及び終了

時(10日間後)に指示流量を測定し記録し,それらの最大値又は最小値と設定流量との差を設定流量

に対する百分率をもって偏差として表す。 

注(10) この試験中は,設定流量の調整を行ってはならない。もし,調節した場合には,その後10日間

の試験を行わなければならない。 

h) 干渉成分の影響(窒素酸化物) ゼロ・スパン校正後,0.5 ppm付近の既知濃度の一酸化窒素及び二

酸化窒素をそれぞれ計測器に導入しその指示値を読み取り,次によって干渉成分の影響を調べる。 

備考1. 窒素酸化物の測定は,JIS B 7953の4.(計測器の種類)による。 

2. 影響率の算出は,次の式による。 

100

NO2

2

NO

2

NO

×

=Ox

R

100

NO

NO

NO

×

=Ox

R

ここに, 

RNO2: 計測器の二酸化窒素に対する影響率 (%) 

RNO: 計測器の一酸化窒素に対する影響率 (%) 

NO2: 試験に用いた二酸化窒素濃度 (ppm) 

NO: 試験に用いた一酸化窒素濃度 (ppm) 

OxNO2: NO2を計測器に導入した場合の指示値 (ppm) 

OxNO: NOを計測器に導入した場合の指示値 (ppm) 

i) 

干渉成分の影響(二酸化硫黄) 二酸化硫黄約0.2 ppmを含む0.2 ppm付近のオゾンを調製し,加湿

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26 

B 7957:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

器によって相対湿度約50 %以上に過湿して,スクラバを通じて計測器に導入した場合の指示値を読み

取る。この状態で二酸化硫黄の濃度を0 ppmとした場合の計測器の指示値を読み取り,それらの指示

値の差をレンジの最大目盛値に対する百分率をもって表す。 

備考 二酸化硫黄の測定は,JIS B 7952による。 

附属書4図4 スクラバの効率の試験装置の一例 

j) 

電源電圧変動に対する安定性 校正用ガス導入口からスパン試験用ガスを導入し,指示が安定してい

ることを確認し,その値をAとする。次に,電源電圧を定格電圧の+10 %の電圧に徐々に変化させる。

指示が安定したとき,その値をBとする。次に,定格電圧の−10 %の電圧に徐々に変化させ,指示が

安定したとき,その値をCとする。B−A及びC−Aのレンジの最大目盛値に対する百分率を求める。 

k) 耐電圧 計測器の電源スイッチ“入り”の状態で,電源端子一括と外箱との間に,定格周波数の交流

電圧1 000 Vを1分間加える。その後,計測器を通電状態にし,異常の有無を調べる。 

l) 

絶縁抵抗 計測器の電源スイッチ“入り”の状態で,電源端子一括と外箱との間の絶縁抵抗を,JIS C 

1302に規定する直流500 V絶縁抵抗計で測定する。 

27 

B 7957:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書5(参考)一酸化窒素の補正 

この附属書は,本体及び附属書の規定に関連する事柄を補足するもので,規定の一部でない。 

次に提示する事柄は,ISO 13964,Air quality−Determination of ozone in ambient air−Ultraviolet photometric 

methodの4. (Reagent and materials),4.1 (Sampling line)及びAnnex B (Informative) に規定・記載されたもの

であり,参考として記載した。 

試料大気中に含まれる一酸化窒素は,試料大気導入管を通過する間にオゾンと反応する。次の式によっ

て,この反応によるオゾンの減少量を補正することで,試料大気導入管入口におけるオゾンの濃度を算出

することができる。 

)

exp(

[NO]

]

[O

]

[O

3

3

bkt

b

C

=

ここに, 

C: 試料大気導入管入口におけるオゾン体積濃度 (ppm) 

t: 試料大気導入管内での試料の滞留時間 (s) 

k: 一酸化窒素とオゾンとの反応定数 (0.443 s−1,25 ℃) 

[O3],[NO]: 試料大気導入管通過後のオゾン及び一酸化窒素体積濃

度 (ppm) 

b: [O3]−[NO](ただし,b≠0) 

試料大気導入管での滞留時間が0.5秒間以下の場合では,一般的な大気レベルの濃度におけるオゾンの

減少量は1 %以下であり,試料大気導入管は極力短くすることが推奨されるが,滞留時間として5秒間ま

では許容される。 

28 

B 7957:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書6(参考)オゾン自動計測器(紫外線吸収方式)の干渉成分の例 

この附属書は,本体及び附属書の規定に関連する事柄を補足するもので,規定の一部でない。 

次に提示する事柄は,ISO 13964,Air quality−Determination of ozone in ambient air−Ultraviolet photometric 

methodの5. [Apparatus Ozone-specific scrubber (converter) with by-pass valve NOTE 1]及びAnnex A 

(Informative)に規定・記載されたものであり,参考として記載した。 

オゾン自動測定器(紫外線吸収方式)のオゾン分解器として使用される,酸化マンガン(Ⅳ)を金属に担

持させたものは,オゾンを選択的に分解するが,大気中の他の一般的な汚染物質を除去することはない。

ただし,次に示すように大気中に含まれる可能性のある幾つかの有機化合物を一部除去してしまうので,

それらの有機化合物は,測定値に干渉を与える(1)。 

干渉成分 

干渉応答(1 ppmの干渉成分に対する干渉応答値) 

スチレン 

0.2 ppm 

trans-β-メチルスチレン 

>1 ppm 

ベンズアルデヒド 

0.05 ppm 

o-クレゾール 

0.12 ppm 

ニトロクレゾール 

1 ppm 

トルエン,ペルオキシアセチルニトラート,ビアセチル(ジアセチル),ペルオキシベンゾイルニトラー

ト,亜硝酸メチル(メチルニトラート),亜硝酸プロピル,亜硝酸ブチル,メタンチオール(メチルメルカ

プタン),ジメチルスルフィド(メチルチオエーテル)及びジエチルスルフィド(エチルチオエーテル)に

ついて,1 ppmまでの濃度では測定値に干渉を与えない(1)。一方,約1 ppmのトルエンが約0.1 ppm相当

の干渉を与えるとの報告もある(2)。 

注(1) D. GROSJEAN and J.HARRISON, Response of Chemiluminescence NOx Analyzers and Ultraviolet 

Ozone Analyzers to Organic Air Polutants, Envir. Sci. Technol., 19,862(1985) 

(2) T.KLEINDIENT, E.E.HUDGENS, D.F.SMITH, F.F.MCELROY and J.J.BUFALINI, Comparison of 

Chemiluminescence and Ultraviolet Ozone Monitor Responses in the Presence of Humidity and 

Photochemical Polutants, J. Air Waste Manage. Assoc., 43,213(1993) 

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29 

B 7957:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書7(参考)オキシダント自動計測器の目盛点検 

この附属書は,本体及び附属書の規定に関連する事柄を補足するもので,規定の一部でない。 

1. 適用範囲 大気中のオキシダント自動計測器の目盛点検は,等価液又はスパン用フィルタを用いて行

うことができる。 

なお,等価液又はスパン用フィルタのオゾン濃度相当値は,スパンガスによって決定する。 

2. 目盛点検 目盛点検は,次による。 

a) 等価液による方法 この方法は,オゾンガスの代わりにスパンガスでオゾン濃度相当値を決めた等価

液を用いて目盛点検を行う方法である。目盛点検の手順は,スパンガスで校正したオキシダント自動

計測器の測定セル内を,本体の概略オゾン濃度を示す目盛点検用等価液で置き換え,このときの計測

器の指示値を読み取り,この等価液のオゾン濃度相当値を求める。以後の点検は,この等価液を測定

セルに入れ,計測器の指示値が,等価液のオゾン濃度相当値を示すことを確認する。 

備考 等価液の調製は,次による。 

1. 

よう素標準液 よう素標準液は,次による。 

a) 吸収液  

1) 吸収液は,中性りん酸塩緩衝-よう化カリウム溶液(10 g/L)で,還元性物質を含まない試

薬を用いて調製する。 

2) 吸収液1 Lを調製する場合には,JIS K 8827に規定するよう化カリウム(オキシダント

測定用)10 g,JIS K 8118に規定するりん酸二水素カリウム(オキシダント測定用)13.61 

g,JIS K 8828に規定するりん酸水素二ナトリウム・12水(オキシダント測定用)35.82 g

を水800mLに溶かし,水酸化ナトリウム溶液及び1 %りん酸(10 g/L)(JIS K 9005に規定

するりん酸0.7 mLを水に溶かして100 mLとする。)を用いてpHを7.0±0.2に調節し,

水を加えて1Lとする。 

この溶液を着色瓶に入れ,0〜10 ℃の暗所に保存すれば数週間は安定である。 

b) よう素標準液(12 μlO3/mL) 0.05 mol/Lのよう素溶液(1) 10/fmLを全量フラスコ100 mLにと

り,20 ℃に保った吸収液を標線まで加える。この溶液を更に先の吸収液で10倍に希釈す

る(20 ℃,101.325 kPa)。この溶液は,使用時に調製する。 

注(1) 0.05 mol/Lよう素溶液の調製は,次による。 

JIS K 8827に規定するよう化カリウム(オキシダント測定用)40 gをとり,水25 mL

と,JIS K 8920に規定するよう素12.7 gとを加えて溶かした後,水を加えて1 Lとす

る。これにJIS K 8180に規定する塩酸3滴を加えてよくかき混ぜる。この溶液を着色

瓶に移し入れ,暗所に保存する。 

使用時にこの溶液を20 ℃に保ってJIS K 8001の4.5 (24) (b)によって標定し,ファ

クタ(f)を求める。 

2. 

目盛点検用等価液 目盛点検用等価液は,次の式から求められる量のよう素標準液を採取

し,これに吸収液を加えて1 000 mLとする。 

background image

30 

B 7957:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

100

2.1×

×

×

=vf

c

V

ここに, 

V: よう素標準液の採取 (mL) 

c: 概略オゾン体積濃度 (ppm) 

f: 試料ガス流量 (L/min) 

v: 吸収液流量 (mL/min) 

3. 

スパン点検用等価液 スパン点検用等価液は,備考2. によって調製した目盛点検用等価液

で,そのオゾン濃度相当値はスパンガスによって行い,その濃度を測定範囲(レンジ)の最大

目盛値の約90 %に選んだものを用いる。 

4. 

ゼロ点検用等価液 ゼロ点検用等価液は,吸収液をそのまま用いる。 

b) スパン用フィルタによる方法 スパン用フィルタは,オキシダントによって遊離したよう素とほぼ同

じ波長に透過帯をもつ色ガラスフィルタで,附属書7図1のような吸収特性をもっている。附属書7

図1のようにフィルタは,その波長350〜370 nm付近で若干の吸光度をもち,かつ,これは安定であ

るので,この特性を利用して目盛点検をする方法である。点検の手順は,校正の終わったオキシダン

ト自動計測器をゼロガスによって指示をゼロとしてから,吸光度測定部のセル側に,このスパン用フ

ィルタを入れる。このときの計測器の指示値を,このスパン用フィルタに固有の値として記憶してお

けば,以後このスパン用フィルタによってオキシダント自動計測器の目盛点検を行うことができる。 

附属書7図 1 スパン点検用フィルタの吸収曲線 

31 

B 7957:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書8(参考)オゾン自動計測器の性能仕様の例 

この附属書は,本体及び附属書の規定に関連する事柄を補足するもので,規定の一部でない。 

次に参考として提示する値は,ISO 13964,Air quality−Determination of ozone in ambient air−Ultraviolet 

photometric methodのAnnex C (Informative)及びISO 10313,Ambient air−Determination of mass concentration 

of ozone−Chemiluminescence methodのAnnex A (Informative)に記載されたものであり,あらゆる計測器に

適用できると解釈されるべきではない。 

紫外線吸収方式オゾン自動計測器の性能仕様の例 

測定レンジ 

0.002〜2 mg / m3 (0.001〜1 ppm) 

最小検出限界 

2 μg / m3 (0.001 ppm) 

遅れ時間 

20 s 

立上り時間及び立下り時間 

15 s 

ゼロドリフト 

±2 μg / m3 / week (±0.001 ppm / week) 

スパンドリフト 

<0.5 % / week 

繰返し性 

±2 μg / m3 (±0.001 ppm) 

維持管理周期 

7 d 

試料ガス流量 

1〜2 L / min 

周囲温度 

0〜45 ℃ 

暖機時間 

2 h 

化学発光方式オゾン自動計測器の性能仕様の例 

測定レンジ 

0〜10 mg / m3 (0〜5 ppm) 

最小検出限界 

2 μg / m3 (0.001 ppm) 

遅れ時間 

3 s 

立上り時間及び立下り時間 

10 s 

ゼロドリフト[200 μg / m3 (0.1 ppm)レンジ] 

<5 % / week 

<3 % / 24 h 

スパンドリフト[200 μg / m3 (0.1 ppm)レンジ] <5 % / week 

<3 % / 24 h 

繰返し性 

4 % 

維持管理周期 

7 d 

試料ガス流量 

0.5 L / min 

周囲温度 

10〜40 ℃ 

暖機時間 

2 h 

測定出力 

フルスケール0〜100 mV 

background image

32 

B 7957:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書9(参考)JISと対応する国際規格との対比表 

JIS B 7957:2006 大気中のオゾン及びオキシダント自動計測器 

ISO 10313:1993,環境大気−オゾンの質量濃度測定−化学発光方式 
ISO 13964:1998,大気質−環境大気のオゾン測定−紫外線吸収方式 

(Ⅰ) JISの規定 

(Ⅱ) 国
際規格番
号 

(Ⅲ) 国際規格の規定 

(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目ご
との評価及びその内容 
 表示箇所:本体,附属書 
 表示方法:点線の下線又は実線の側線 

(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

項目 
番号 

内容 

項目 
番号 

内容 

項目ごと
の評価 

技術的差異の内容 

1.適用範
囲 

大気中のオゾン及びオキシ
ダントの濃度を連続的に測
定するための自動計測器。 

ISO 
10313 

1.適用範
囲 

大気中のオゾン濃度
の化学発光方式によ
る連続測定方法。 
測定範囲は2 μg/m3か
ら10 mg/m3。 

MOD/追加 

ISO規格の紫外線吸収方式及
び化学発光方式に吸光光度方
式を加え,3方式とした。 

環境大気中のオキシダント濃
度測定に使用されているの
で,吸光光度方式の自動計測
器を加えた。 
 

紫外線吸収方式,化学発光
方式及び吸光光度方式につ
いて規定。 

ISO 
13964 

1.適用範
囲 

大気中のオゾン濃度
の紫外線吸光方式に
よる連続測定方法。 
測定範囲は2 μg/m3か

ら2 mg/m3。 

2.引用規
格(付表
1) 

JIS B 7551 
JIS B 7952 
JIS B 7953 
JIS C 1302 
JIS K 0001 
JIS K 0055 
JIS K 0115 
JIS K 0212 
JIS K 0213 
JIS K 0557 
JIS K 8001 
JIS K 8118 
JIS K 8180 

2.引用規
格 

MOD/追加 

ISO規格に規定なし。 
 

JISとして必要なため,引用規
格とした。 

3

2

B

 7

9

5

7

2

0

0

6

  

background image

33 

B 7957:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(Ⅰ) JISの規定 

(Ⅱ) 国
際規格番
号 

(Ⅲ) 国際規格の規定 

(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目ご
との評価及びその内容 
 表示箇所:本体,附属書 
 表示方法:点線の下線又は実線の側線 

(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

項目 
番号 

内容 

項目 
番号 

内容 

項目ごと
の評価 

技術的差異の内容 

2.引用規
格(付表
1)(続
き) 

JIS K 8576 
JIS K 8680 
JIS K 8827 
JIS K 8828 
JIS K 8920 
JIS K 9005 
JIS Z 8103 

MOD/追加 

ISO規格に規定なし。 

3.定義 
 

オキシダント,光化学オキ
シダント,試料大気,試料
ガス,ゼロガス,スパンガ
ス,ゼロドリフト,スパン
ドリフト,設定流量,オゾ
ン分解器などについて定義
する。 

ISO 
10313 

2定義 

設置場所などで使用
する,振替標準。 

MOD/追加 

JISに定義の項目を設け,主
な用語を定義した。 
振替標準については,附属書
3に規定した。 

JISとして必要なため。 

4.計測器
の性能 

オゾン自動計測器及びオキ
シダント自動計測器につい
て,附属書4による試験を
満足する各種の性能を,表
1及び表2に示した。 

ISO 
10313 

Annex A 

性能特性の例 
附属書(参考)である,
応答時間,再現性,ス
パンドリフト,ゼロド
リフト,温度範囲,な
どについて。 

MOD/追加 

JISでは計測器の性能規格を
個々に定めて,その性能試験
方法を規定している。 

JISとして必要なため,計測器
の性能規格及びその試験方法
を目的とした内容を追加し
た。 

ISO 
13964 

Annex C 

同上。 

5.構造 
 

5.1構造一般 
5.2計測器 
オゾン自動計測器(紫外線
吸収方式) 
原理の概要 

 
 
ISO 
13964 

 
 
3原理 

 
 
紫外線吸収方式によ
る原理,253.7 nmの吸
収の測定 

MOD/追加 

JISでは,構造一般として,
計測器の品質,安全,堅ろう
さ,動作の安定,保守点検作
業などについて規定してい
る。また,JISの5.(構造)
には,ISO規格の3.,4.,5.
などの内容を規定している。 

JISは,計測器の試験規格なの
で,構造は重要である。構成
一般,計測器の各部分の構成
例を示し,使われている構成
要素の各部分について規定が
ある。 

3

3

B

 7

9

5

7

2

0

0

6

  

background image

34 

B 7957:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(Ⅰ) JISの規定 

(Ⅱ) 国
際規格番
号 

(Ⅲ) 国際規格の規定 

(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目ご
との評価及びその内容 
 表示箇所:本体,附属書 
 表示方法:点線の下線又は実線の側線 

(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

項目 
番号 

内容 

項目 
番号 

内容 

項目ごと
の評価 

技術的差異の内容 

5.構造
(続き) 

紫外線吸光方式計測器の構
成例及び試料大気導入口,
フィルタ,試料大気吸引部,
試料セル,光源,測光部,
オゾン分解器,などの構成
要素。 

4試薬及
び材料 

試料大気導入管,ダス
トフィルタ,エチレ
ン,ゼロガス 

5装置 

紫外線オゾン分析計,
吸収セル,光源,検出
器,オゾン分解器,大
気ポンプ,など。 

紫外線吸収方式及び化学発光
方式の計測器は,JISとISO
規格とは原理的に同じ内容で
ある。 

オゾン自動計測器(化学発
光方式) 
原理の概要 
化学発光方式計測器の構成
例及び基本的な構成要素と
エチレン導入部,エチレン,
などの構成要素。 

ISO 
10313 

3原理 

化学発光方式による
原理,エチレン-オゾン
の反応による発光を
検出。 

4試薬及
び材料 

試料大気導入管,ダス
トフィルタ,エチレ
ン,ゼロガス 

5装置 

化学発光分析計 

オキシダント自動計測器
(吸光光度方式) 
原理の概要 
吸光光度方式計測器の構成
例及び基本的な構成要素と
スクラバ,流量計,ガス吸
収部,吸収液,吸光度測定
部などの構成要素。 

吸光光度方式は,ISO規格に
ない方式である。 

我が国では環境大気中のオキ
シダント濃度測定に使用され
ており,JISとして必要のため
追加した。 

5.3指示記録計 

ISO規格にない項目。 

JISとして必要なため追加し
た。 

3

4

B

 7

9

5

7

2

0

0

6

  

background image

35 

B 7957:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(Ⅰ) JISの規定 

(Ⅱ) 国
際規格番
号 

(Ⅲ) 国際規格の規定 

(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目ご
との評価及びその内容 
 表示箇所:本体,附属書 
 表示方法:点線の下線又は実線の側線 

(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

項目 
番号 

内容 

項目 
番号 

内容 

項目ごと
の評価 

技術的差異の内容 

6.試験報
告書 

計測器の性能について,試
験条件,試験結果の記述。 

ISO 
10313 

8試験報
告書 

規格の内容,試料大気
の状況,試験結果,そ
の他。 

MOD/変更 

JISでは,計測器の試験結果
も記述する。 

計測器の試験規格として必要
のため。 

この規格に関する内容,校
正方法についての内容と結
果などについて。 

ISO 
13964 

8試験報
告書 

規格の内容,校正方
法,試験結果,その他。 

7.表示 

計測器に名称,測定対象成
分,測定濃度範囲,定格電
圧,製造年月などについて
の表示。 

MOD/追加 

ISO規格にはない。 

JISとして必要なため。 

8.取扱説
明書 

取扱説明書の記載内容。 
試料大気の状況と許容範囲
及び前処理方法,使用方法,
保守点検などについて。 

MOD/追加 

ISO規格にはない。 

JISとして必要なため。 

附属書1
(規定) 

計測器の種類及び測定範囲 
計測器の種類,測定原理,
測定対象,レンジ,適用条
件などについて附属書1表
1に示す。 

ISO 
10313 

1適用範
囲 

測定範囲の概略につ
いて規定がある。 

MOD/追加 

JISでは,計測器の種類,測
定原理,測定対象,レンジ,
適用条件などについて具体的
に規定。 

大気中のオゾン及びオキシダ
ント濃度測定についての計測
器の適用を規定した。 

ISO 
13964 

1適用範
囲 

同上。 

附属書2
(規定) 

紫外線吸光光度計によるオ
ゾン濃度の値付け方法 
253.7 nmでの吸光光度測定
を行い,オゾンの吸光係数
からオゾン濃度を求める方
法について規定。 
オゾン発生装置,紫外線吸
光光度計,オゾン濃度の計
算など。 

ISO 
10313 

5.2一次基
準の校正
装置 
6校正方
法 

一次校正用紫外線光
度計及び校正システ
ムの各種の機器。 
253.7 nmでの吸光光度
測定を行い,オゾン濃
度を求める方法につ
いて規定。 
二次基準による校正
方法について。 

 
MOD/変更 

ISO 13964及びISO 10313は,
内容的に同一である。 

3

5

B

 7

9

5

7

2

0

0

6

  

background image

36 

B 7957:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(Ⅰ) JISの規定 

(Ⅱ) 国
際規格番
号 

(Ⅲ) 国際規格の規定 

(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目ご
との評価及びその内容 
 表示箇所:本体,附属書 
 表示方法:点線の下線又は実線の側線 

(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

項目 
番号 

内容 

項目 
番号 

内容 

項目ごと
の評価 

技術的差異の内容 

附属書2
(規定)
(続き) 

7結果の
表示 

オゾン濃度の計算方
法などについて。 

ISO 
13964 

5.2校正用
機器 

同上。 

6校正方
法 

同上。 

7結果の
表示 

同上。 

附属書3
(規定) 

試験場所における校正用オ
ゾンの調製方法 
次の方法について規定し
た。 
―中性よう化カリウム法に
よる方法 
―気相滴定法による方法 

MOD/変更 

ISO規格の内容をここに規定
した。 

環境大気中のオキシダント濃
度測定で実施されている,計
測器の試験場所における校正
に必要のため。 

―校正用オゾン計による方
法 

ISO 
10313 

6.2.3振替
標準 

一次標準によって校
正した振替標準によ
って,計測器を設置場
所で校正する方法。 

ISO 
13964 

6.2.3二次
標準 

一次標準によって校
正した二次標準によ
って,計測器を設置場
所で校正する方法。 

附属書4
(規定) 

計測器の性能試験方法 
試験条件 
自動計測器の校正。 
試験に用いるガス,校正方
法。 
試験方法 

MOD/追加 

ISO規格には性能試験方法の
規定はない。 

JISとして必要のため,計測器
の性能規格についての試験方
法を目的とした内容を追加し
た。 

3

6

B

 7

9

5

7

2

0

0

6

  

background image

37 

B 7957:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(Ⅰ) JISの規定 

(Ⅱ) 国
際規格番
号 

(Ⅲ) 国際規格の規定 

(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目ご
との評価及びその内容 
 表示箇所:本体,附属書 
 表示方法:点線の下線又は実線の側線 

(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

項目 
番号 

内容 

項目 
番号 

内容 

項目ごと
の評価 

技術的差異の内容 

附属書4
(規定)
(続き) 

4.計測器の性能の表1及び
表2の適用項目に対応する
試験方法の手順。 
オゾン自動計測器。 
オキシダント自動計測器。 

附属書5
(参考) 

一酸化窒素の補正 
試料大気中のオゾンが,試
料大気導入管を通過する間
に一酸化窒素と反応する,
この反応によるオゾンの減
少量を補正する。 

ISO 
13964 

Annex B 

一酸化窒素の補正。 

MOD/変更 
 

技術的内容に差異はない。 

附属書6
(参考) 

オゾン自動計測器(紫外線
吸収方式)の干渉成分の例。 
この方式の自動計測器に使
用されているオゾン分解器
がオゾン以外に幾つかの有
機化合物を一部除去するた
めに生じる干渉について。 

ISO 
13964 

Annex A 

干渉成分の例。 

MOD/変更 

技術的内容に差異はない。 

附属書7
(参考) 

オキシダント自動計測器の
目盛点検 
等価液又はスパン用フィル
タを用いて行うオキシダン
ト自動計測器の目盛点検の
方法について。 

ISOにはない。 

MOD/追加 

等価液又はスパン用フィルタ
を用いて行うオキシダント自
動計測器の目盛点検の方法に
ついて。 

環境大気中のオキシダント濃
度測定の実施に必要なため。 

3

7

B

 7

9

5

7

2

0

0

6

  

background image

38 

B 7957:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(Ⅰ) JISの規定 

(Ⅱ) 国
際規格番
号 

(Ⅲ) 国際規格の規定 

(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目ご
との評価及びその内容 
 表示箇所:本体,附属書 
 表示方法:点線の下線又は実線の側線 

(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

項目 
番号 

内容 

項目 
番号 

内容 

項目ごと
の評価 

技術的差異の内容 

附属書8
(参考) 

オゾン自動計測器の性能仕
様の例 

紫外線吸収方式オゾン自動
計測器の性能仕様の例。 

ISO 
13964 

Annex C 

紫外線吸収方式オゾ
ン自動計測器の性能
仕様の例。 

MOD/変更 

技術的内容に差異はない。 

化学発光方式オゾン自動計
測器の性能仕様の例。 

ISO 
10313 

Annex A 

化学発光方式オゾン
自動計測器の性能仕
様の例。 

MOD/変更 

技術的内容に差異はない。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD 

 
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。 

  ― IDT……………… 技術的差異がない。 
  ― MOD/追加……… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
  ― MOD/変更……… 国際規格の規定内容を変更している。 
2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。 
  ― MOD…………… 国際規格を修正している。 

3

8

B

 7

9

5

7

2

0

0

6