B 7953:2004
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本電気
計測器工業会 (JEMIMA)/財団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正
すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS B 7953:1997は改正され,この規格に置き換えられる。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願、実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS B 7953には,次に示す附属書がある。
附属書1(規定)コンバータ効率試験方法
附属書2(規定)水分影響試験方法
附属書3(参考)拡散管法によるガス調製方法と校正方法
B 7953:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 定義 ······························································································································ 1
4. 計測器の種類及びレンジ ··································································································· 2
5. 計測器の性能 ·················································································································· 2
6. 構造 ······························································································································ 3
6.1 構造一般 ······················································································································ 3
6.2 計測器 ························································································································· 3
6.3 指示記録計 ·················································································································· 10
7. 性能試験 ······················································································································· 10
7.1 試験条件 ····················································································································· 10
7.2 試験に用いるガス及び等価液 ·························································································· 10
7.3 校正 ··························································································································· 12
7.4 性能試験方法 ··············································································································· 12
8. 試験報告書 ···················································································································· 15
9. 表示 ····························································································································· 16
10. 取扱説明書 ·················································································································· 16
附属書1(規定)コンバータ効率試験方法 ················································································ 17
附属書2(規定)水分影響試験方法 ························································································· 19
附属書3(参考)拡散管法によるガス調製方法と校正方法 ··························································· 21
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日本工業規格 JIS
B 7953:2004
大気中の窒素酸化物自動計測器
Continuous analyzers for oxides of nitrogen in ambient air
1. 適用範囲 この規格は,大気中の一酸化窒素,二酸化窒素等の窒素酸化物の濃度を連続的に測定する
ための化学発光方式及び吸光光度方式による自動計測器(以下,計測器という。)について規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,規格の規定の一部を構成する。
これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 7551 フロート形面積流量計
JIS C 1302 絶縁抵抗計
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0055 ガス分析装置校正方法通則
JIS K 0211 分析化学用語(基礎部門)
JIS K 0212 分析化学用語(光学部門)
JIS K 0557 用水・排水の試験に用いる水
JIS K 8019 亜硝酸ナトリウム(試薬)
JIS K 8197 N-1-ナフチルエチレンジアミン二塩酸塩(試薬)
JIS K 8247 過マンガン酸カリウム(試薬)
JIS K 8355 酢酸(試薬)
JIS K 8586 スルファニル酸(試薬)
JIS K 8951 硫酸(試薬)
JIS Z 8103 計測用語
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 0050,JIS K 0211,JIS K 0212及びJIS Z 8103によ
るほか,次による。
a) 試料大気 一酸化窒素,二酸化窒素等の窒素酸化物濃度を測定するために計測器に導入する大気。
b) 試料ガス 一酸化窒素,二酸化窒素等の窒素酸化物濃度を測定するために計測器に導入するガスで,
試料大気からダストフィルタによって含まれる粉じんを除去したもの。
c) ゼロドリフト 計測器の最小目盛に対する指示値のある期間内の変動。
d) スパンドリフト 計測器の目盛スパンに対応する指示値のある期間内の変動。
e) ゼロガス 計測器の最小目盛値を校正するために用いるガス。
f)
スパンガス 計測器の最大目盛値を校正するために用いるガス。
g) 設定流量 計測器で定められた試料大気,校正用ガスなどの流量。
h) 吸収液 ザルツマン試薬を用い,二酸化窒素を吸収して発色する溶液。
2
B 7953:2004
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i)
コンバータ 二酸化窒素を一酸化窒素に変換する装置。
j)
オゾン源ガス オゾンを発生するための酸素又は酸素を含むガス。
k) 流路切替方式 コンバータを経由する流路及び経由しない流路を切替弁によって反応槽に接続し,各
流路からの試料が交互に一つの検出器と組み合わされた反応槽に流入する方式。
l)
光路切替方式 コンバータを経由する流路及び経由しない流路のそれぞれの化学発光をチョッパによ
って交互に一つの検出器に入れる方式。
m) 二流路二光路方式 コンバータを経由する流路及び経由しない流路がそれぞれ検出器と組み合わされ
た反応槽に接続される方式。
n) 水 JIS K 0557に規定するA2又はA3の水。
o) 等価液 校正用ガスの代わりに,それを用いたときと同等の指示値を得るように調製した標準液。等
価液は,次のものがある。
1) ゼロ調整用等価液
2) スパン調整用等価液
3) 中間点等価液
4. 計測器の種類及びレンジ 計測器の種類は原理別に分類し,個々の計測器のレンジは表1による。
なお,レンジは,表1で示したなかで適切なものを選ぶ。
表 1 計測器の種類及びレンジ
計測器の種類
レンジ (1) ppm
備考
化学発光方式
0〜0.01
から
0〜10.0
試料大気中の窒素酸化物濃度を連続的に
瞬時値で指示記録する。
吸光光度方式
0〜0.1
から
0〜2.0
記録結果は,各測定周期(1時間)通気終
了時に最大の値となるのこ歯状の形とな
り,この頂点の位置が試料大気中の窒素酸
化物濃度の1時間平均値を示す。
注(1) このレンジ内で測定目的によって,適切に分割したレンジをもつ。
備考 25 ℃,101.3 kPaにおける質量濃度と容量濃度の換算は,次による。
一酸化窒素:1 mg/m3=0.81 ppm
1 ppm=1.23 mg/m3
二酸化窒素:1 mg/m3=0.53 ppm
1 ppm=1.88 mg/m3
5. 計測器の性能 計測器は,7.によって試験を行ったとき,表2及び表3の性能を満足しなければなら
ない。
表 2 化学発光方式計測器の性能
項目
性能
試験方法
繰返し性
最大目盛値の±2 %
7.4.1 a)
ゼロドリフト
最大目盛値の±2 %
7.4.1 b)
スパンドリフト
最大目盛値の±2 %
7.4.1 c)
指示誤差
最大目盛値の±4 %
7.4.1 d)
最小検出限界
最大目盛値の1 %以下
7.4.1 e)
3
B 7953:2004
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応答時間
3分間以下
7.4.1 f)
コンバータの効率
95 %以上
7.4.1 g)
干渉成分(水分)の影響
±4 %
7.4.1 h)
干渉成分(アンモニア)の影響
4 ppm以下
7.4.1 i)
周囲温度変化に対する安定性
5 ℃変化に対してゼロ,スパンドリフトの性能範囲内 7.4.1 j)
電源電圧変動に対する安定性
最大目盛値の±1 %
7.4.1 k)
耐電圧
異常を生じてはならない
7.4.1 l)
絶縁抵抗
5 MΩ以上
7.4.1 m)
表 3 吸光光度方式計測器の性能
項目
性能
試験方法
繰返し性
最大目盛値の±2 %
7.4.2 a)
ゼロドリフト
最大目盛値の±2 %
7.4.2 b)
スパンドリフト
最大目盛値の±2 %
7.4.2 c)
指示誤差
最大目盛値の±4 %
7.4.2 d)
二酸化窒素捕集率
97 %以上
7.4.2 e)
一酸化窒素酸化率
(70±10)%
7.4.2 f)
試料ガス流量の安定性
設定流量の±7 %
7.4.2 g)
吸収液量の安定性
設定量の±4 %
7.4.2 h)
周囲温度変化に対する安定性
5 ℃変化に対してゼロ,スパンドリフトの性
能範囲内
7.4.2 i)
電源電圧変動に対する指示の安定性
最大目盛値の±1 %
7.4.2 j)
電源電圧変動に対する試料大気流量の安
定性
設定流量の±4 %
7.4.2 k)
耐電圧
異常を生じてはならない
7.4.2 l)
絶縁抵抗
5 MΩ以上
7.4.2 m)
6. 構造
6.1
構造一般 計測器の構造は,次の各項目に適合しなければならない。
a) 形状が正しく,組立及び各部の仕上がりが良好で,堅ろうでなければならない。
b) 通常の運転状態で危険の生じるおそれがなく,安全で円滑に作動しなければならない。
c) 各部は,容易に機械的故障・電気的故障を起こさず,危険を生じない構造でなければならない。
d) 結露などによって計測器の作動に支障を生じない構造でなければならない。
e) 光源,ヒータなどの発熱部に接する部分は,熱による変形及び機能の変化を起こさない構造でなけれ
ばならない。
f)
保守,点検の際,作業しやすく,危険のない構造でなければならない。
6.2
計測器
6.2.1
化学発光方式 化学発光方式は,次による。
a) 原理 この方式は,化学発光によって試料大気中に含まれる一酸化窒素及び二酸化窒素を連続測定す
る方法である。
発光は,物質が励起された状態から基底状態に戻る場合に光を出すという多くの物質がもつ性質を
いい,化学反応の結果として発光が起こる現象を化学発光という。
この計測器の化学発光は,次の反応による。
NO+O3→NO2*+O2
4
B 7953:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
NO2*→NO2+hv
励起された二酸化窒素は,近赤外領域 (1 200 nm)付近に中心波長をもつ光を出す。
化学発光方式の計測器は,試料ガス中の一酸化窒素とオゾンの反応によって生じる化学発光強度が
一酸化窒素濃度と比例関係にあることを利用して,試料大気中に含まれる一酸化窒素濃度を測定する。
二酸化窒素を測定する場合は,試料ガスをコンバータに通して測定した窒素酸化物(一酸化窒素と二
酸化窒素の合量)濃度からコンバータを通さない場合の測定値,すなわち,一酸化窒素濃度を差し引
いて求める。
b) 構成 化学発光方式の計測器は,図1の化学発光方式計測器の構成例に示すダストフィルタ,除湿器,
流量制御部,コンバータ,オゾン発生器,反応槽,光電測光部,演算増幅器,試料大気吸引ポンプ,
指示記録計などで構成する。
なお,計測器の方式は,図1a)の流路切替方式,図1b)の光路切替方式及び図1c)の二流路二光路切
替方式とがある。流路切替方式は,反応槽及び光電測光部が一つで,一酸化窒素及び窒素酸化物のそ
れぞれの濃度は試料ガスがコンバータを通るか通らないかで,交互に出力される。二流路方式は,試
料ガスの流れが二つに分割され,一方は直接反応槽に,もう一方はコンバータを通って反応槽に入る
ものとする。反応槽は二つで,1個又は2個の光電測光部がそれぞれ大気中の一酸化窒素及び窒素酸
化物を計測する。
5
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図 1 化学発光方式計測器の構成例
6
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1) 試料大気導入口 試料大気導入管を接続する部分で,試料大気導入管は窒素酸化物の吸着の少ない
材質,例えば,ふっ素樹脂製のものを用いる。試料大気導入管の全長は可能な限り短くし,結露の
おそれがある場合には若干加熱してもよい。
2) ダストフィルタ 試料大気中に含まれる粉じんを除去するためのもので,窒素酸化物の吸着の少な
い材質,例えば,ふっ素樹脂製のものを用いる。ダストフィルタは粉じん付着量が多くなると窒素
酸化物の損失,試料吸引流量の減少の原因となるので定期的に交換する。
3) 流量制御部 試料大気及びオゾン源ガスの流量を制御するためのもので,抵抗管,圧力調整器,ニ
ードル弁,圧力計,フロート形面積流量計などで構成する。
4) 除湿器 水分による干渉影響を低減するために,試料ガスなどを除湿又は調湿するためのもので透
過膜式除湿器,電子冷却器などを用いる。オゾン発生への影響を防ぐためにオゾン発生器に供給す
るオゾン源ガスの除湿に用いる。
5) オゾン発生器 供給されるオゾン源ガス中の酸素をオゾンに変換するもので,励起エネルギー源と
して通常無声放電又は紫外線ランプなどを用いる。オゾン源ガスは,発生器に導入する前に十分に
除湿,除じんされていなければならない。発生オゾン濃度は測定する窒素酸化物濃度より高くなけ
ればならず,発生器に供給されるオゾン源ガスの濃度は一定でなければならない。
6) オゾン分解器 排出ガス中のオゾンによる周辺大気の汚染を防ぎ,試料大気吸引ポンプを保護する
目的で,吸着又は接触熱分解などでオゾンを除去できる機能をもつものとする。
7) 試料大気吸引ポンプ 試料大気を導入するポンプで,減圧形化学発光方式の真空ポンプなどを用い,
また,常圧形化学発光方式の場合はダイアフラムポンプなどを用いる。
8) コンバータ 試料ガス中の二酸化窒素を一酸化窒素に変換するためのもので,定温加熱炉と炭素,
モリブデンなどの触媒で構成する。400 ℃を超えない温度で二酸化窒素を一酸化窒素に95 %以上
の効率で変換するものとする。
9) 反応槽 試料ガスとオゾンを含むガスが導入され,混合接触して化学発光が生じる部分で,内圧条
件によってクエンチングを少なくし,感度を上げる目的の減圧形,及び維持管理が容易な常圧形が
あり,凝縮を防ぎ,指示安定させるために通常一定温度に加熱されるものとする。
10) 光電測光部 化学発光を選択的に透過させる測定波長の光学フィルタを介して反応槽に接し,化学
発光を受光して,その強度に比例したレベル電気信号に変換する部分で,通常,光電子増倍管を用
いる。バックグラウンドノイズ及び温度変化の影響を低減するため,室温以下の一定温度に冷却す
るものなどがある。
11) 演算増幅器 窒素酸化物(一酸化窒素及び二酸化窒素を合せた量)測定値から一酸化窒素測定値を
減算し,二酸化窒素濃度を得るため,又は1時間平均値などを得るために用いる。
6.2.2
吸光光度方式 吸光光度方式は,次による。
a) 原理 この方式は,吸収液(ザルツマン試薬)を用いる吸光光度法によって,試料大気中に含まれる
一酸化窒素と二酸化窒素の1時間平均値を同時に連続測定する方法である。
吸収液 (N-1-ナフチルエチレンジアミン二塩酸塩,スルファニル酸及び氷酢酸の混合溶液)の一定
量に一定流量の試料ガスを一定時間通気して二酸窒素を吸収させ,吸収液の吸光度を測定し,試料大
気中に含まれる二酸化窒素濃度を連続的に測定する。一酸化窒素は吸収液と反応しないので,酸化液
(硫酸酸性過マンガン酸カリウム溶液)で二酸化窒素に変えてから,二酸化窒素と同等の方法で測定
する。
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b) 構成 吸光光度方式計測器は,図2の例に示すように,ダストフィルタ,流量計,二酸化窒素吸収器,
酸化瓶,一酸化窒素吸収器,試料大気吸引ポンプ,吸収液タンク,吸光度測定器,増幅制御器,指示
記録計などから構成される。二酸化窒素吸収器,酸化瓶及び一酸化窒素吸収器の配列は,直列にし,
これら吸収部の材質は,窒素酸化物の吸着及び分解の少ない材質,例えば,四ふっ化エチレン樹脂,
ガラスを用いる。
指示
記録計
図 2 吸光光度方式計測器の構成例
1) 試料大気導入口 試料大気導入管を接続する部分で,試料大気導入管は窒素酸化物の吸着の少ない
材質,例えば,ふっ素樹脂製のものを用いる。試料大気導入管の全長は可能な限り短くする。
2) ダストフィルタ 試料大気中に含まれる粉じんを除去するためのもので,窒素酸化物の吸着の少な
い材質,例えば,ふっ素樹脂製のものを用いる。ダストフィルタは粉じん付着量が多くなると窒素
酸化物の損失,試料吸引流量の減少の原因となるので定期的に交換する。
3) 流量計 試料ガスの採取流量の変化は,測定誤差の原因となるので,流量の調整又は確認のために
流量計を必要とする。流量計は,設計時に温度20 ℃,圧力101.3 kPaを想定して目盛付けをし,設
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定流量の1.2〜2倍の最大目盛をもち,測定精度は,JIS B 7551の7.3(精度)の規定によるものと
する。
4) 試料大気吸引ポンプ 試料大気を通気するために使用するポンプで,通常,吸収瓶の後に設置する。
ダストフィルタに粉じんが付着して通気抵抗が増しても,規定の流量が維持できるよう,吸引力に
余裕のあるものを用いる。ガスに接続する部分の材質は,吸収液又は同液中から蒸発した酢酸によ
って侵されないものでなければならない。
5) 二酸化窒素吸収器 図3に示すように吸収瓶,レベル計用電極,測定セルなどで構成し,次の各項
目に適合しなければならない。二酸化窒素の捕集は,吸収液をレベル計を用いて採取した後,試料
ガスを吸収瓶に気泡状にして導入し,試料ガス中の二酸化窒素を吸収液中に捕集する。
5.1) 吸収瓶 一定量の吸収液を入れて,試料ガスの通気によって二酸化窒素を吸収し,発色させるも
の。
5.2) レベル計用電極 吸収液を所定量採取するための検出器。
5.3) 測定セル 吸収液の吸光度を測定するためのセルで,吸収瓶と一体となっているもの及び独立し
ているもの。
6) 酸化瓶 試料ガス中の一酸化窒素を二酸化窒素に酸化するための部分で,図4に示すガラス瓶に酸
化液1 Lを入れたものを用いる。
7) 一酸化窒素吸収器 一酸化窒素を酸化瓶で酸化させた二酸化窒素を吸収液中に捕集する部分で,二
酸化窒素吸収器と同様の構造及び性能のものを用いる。
8) 吸収液タンク 吸収液によって侵されず,また吸収液を変質させない材質のものを用いる。
9) 吸収液送液ポンプ 吸収液ポンプ内の吸収液を所定時間内に二酸化窒素吸収器及び一酸化窒素吸収
器へ送液するもので,材質は,吸収液によって侵されず,また吸収液を変質させないものを用いる。
10) 吸光度測定器 二酸化窒素によって発色した吸収液の吸光度を波長545 nm付近の光を用いて測定
するもので,次の光源,測定波長フィルタ,光電素子などで構成する。
10.1) 光源 タングステンランプ,波長545 nm付近の光を選択的に放射する半導体素子など。
10.2) 測定波長フィルタ タングステンランプなど広帯域波長を放射する光源に必要で,特定波長域の
吸収又は多層膜による干渉を利用した主波長545 nm付近のフィルタ。
10.3) 光電素子 光電管,半導体光電交換素子など波長545 nmの光を安定に光電交換のできるもの。
11) 増幅制御器 光電変換された信号を指示記録に必要なレベルの電気信号に変換するとともに,各構
成要素に対して信号を発し,次の各操作を所定のプログラムに従って自動的に繰り返す機能をもつ
ものとする。また,測定周期は1時間とし,通気時間は54分間以上でなければならない。
11.1) 吸収液の採取及び排出
11.2) 試料大気の通気開始及び停止
11.3) 吸光度測定の開始及び停止
11.4) 自動ゼロ調整
11.5) 自動レンジ切替
12) 附属装置 計測器に,次の装置を付加してもよい。
12.1) 流量安定化装置 流量安定化装置は,試料ガス流量を安定化するもので,試料ガス流量の安定性
を10日間にわたり±3 %に維持し得る性能をもつものとする。
9
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単位 mm
図 3 二酸化窒素吸収器
図 4 酸化瓶
10
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6.3
指示記録計 指示記録計は,二酸化窒素濃度及び一酸化窒素濃度を等分目盛で指示記録するものと
する。ディジタル表示方式のものは,測定単位が印字されるものとする。
7. 性能試験 計測器の性能試験は,次による。
なお,指示誤差,試料ガス流量の安定性,吸収液量の安定性,耐電圧及び絶縁抵抗以外の各項目につい
ては,その計測器の最小レンジにおける試験結果をもって各レンジごとの性能としてもよい。
7.1
試験条件 計測器の試験条件は,次のa) 〜 f) による。
a) 周囲温度 5〜35 ℃の任意の温度で変化幅は5 ℃以下
b) 湿度 相対湿度85 %以下
c) 大気圧 95〜106 kPaの圧力で,変化幅は5 kPa以下
d) 電源電圧 定格電圧
e) 電源周波数 定格周波数
f)
暖機時間 取扱説明書に記載された時間
7.2
試験に用いるガス及び等価液
7.2.1
試験に用いるガス 標準ガス,スパン試験用ガス,ゼロ試験用ガスなどとする。
これらのガスの種類及び適用する試験項目は,表4による。標準ガスは,適正かつ中立な検査機関,又
は校正事業者が濃度を確認した高濃度標準ガスを,空気で希釈したもので,JIS K 0055の3.2(校正用標準
ガス調製装置による標準ガス)の校正用ガス調製装置によるものを用いる。
なお,コンバータ効率の試験用ガスについては附属書1の2.2.b)を用いる。
表 4 試験に用いるガス
ガスの種類
成分濃度
適用試験項目
標
準
ガ
ス
校
正
用
ガ
ス
スパンガス
レンジの80〜100 %
7.3.1,7.3.2 a),7.4.1 h),7.4.1 i),
7.4.2 f)
中間点ガス
レンジのおおよそ40〜60 %
7.4.1 d)
ゼロガス
レンジの0 %
7.3.1,7.4.1 d),7.4.1 h),7.4.1 i)
アンモニア
約1 ppm
7.4.1 i)
二酸化窒素
80〜95 ppb程度
7.3.2 a),7.4.2 e)
スパン試験用ガス
レンジの80〜100 %
7.4.1 a),7.4.1 c),7.4.1 f),7.4.1 k)
ゼロ試験用ガス
レンジの0 %
7.4.1 a),7.4.1 b),7.4.1 e),7.4.1 f)
備考1. スパンガス及び中間点ガスは空気で希釈した一酸化窒素を用いる。ゼロガスは
空気で,JIS K 0055の3. (校正用ガス) によるものを用いる。
2. スパン試験用ガスは空気で希釈した一酸化窒素で,標準ガスによってその濃度
が確認されたものを用いる。ゼロ試験用ガスは空気で,標準ガスによってその
濃度が確認されたものを用いる。
3. ISO 7996に記載されたガスの調製法及び校正手法については附属書3に示す。
4.高圧ガスの安全取扱方法については,高圧ガス保安法及び環境大気自動測定に
おける高圧ガス管理取扱手引書等を参考にして安全を確保する。
7.2.2
試験に用いる等価液 等価液の調製は,次による。これらの等価液の種類及び適用する試験項目は,
表5による。
表 5 試験に用いる等価液
等価液の種類
成分濃度
適用試験項目
スパン調整用等価液
レンジの80〜100 %
7.3.2,7.4.2 a),7.4.2 c),7.4.2 d),7.4.2 i),
7.4.2 j)
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中間点等価液
レンジのおおよそ40〜60 % 7.4.2 d)
ゼロ調整用等価液
レンジの0 %
7.3.2,7.4.2 a),7.4.2 b),7.4.2 d),7.4.2 i)
a) 吸収液の調製 吸収液の調製は,次による。
1) 吸収液 吸収液20 Lの調製は,清浄な吸収液タンクなどに水約19 Lをとり,これにJIS K 8586に
規定するスルファニル酸100 gを加え十分に溶かす。溶けにくい場合には,緩やかに加熱するか,
かき混ぜる。これにJIS K 8355に規定する酢酸1 Lを加え,よく混合した後,JIS K 8197に規定す
るN-1-ナフチルエチレンジアミン二塩酸塩1 gを加えよく混合する。
2) 酸化液 酸化液は,JIS K 8247に規定する過マンガン酸カリウム25 gを約450 mlの水に溶かし,
硫酸 (50 g/L) 500 mlを加え,更に水を加えて全量1 Lにする。
なお,硫酸 (50 g/L) は,JIS K 8951に規定する硫酸25 gを水約450 mlによくかき混ぜながら徐々
に静かに加え,更に水を加えて全量500 mlとする。
b) 亜硝酸ナトリウム原液の調製 105〜110 ℃で2〜3時間乾燥したJIS K 8019に規定する亜硝酸ナトリ
ウムW gをはかりとり,水で溶かして1 Lとしたものを亜硝酸ナトリウム原液とする。
亜硝酸ナトリウムのはかりとり量は,次の式による。
v
t
f
m
S
W
×
×
×
×
=
100
87
.2
f
ここに, W: 亜硝酸ナトリウムのはかりとり量 (g)
m: 亜硝酸ナトリウムの含量 (%) (2)
f: 試料ガス流量 (L/min)
t: 試料ガス採取時間 (min)
v: 吸収液採取量 (ml)
Sf: ザルツマン係数
注(2) JIS K 8019の6.(試験方法)による。
備考 ザルツマン係数は,二酸化窒素に対する応答比であって,機種によって0.77〜0.91の間にばら
つくが,日常の校正及び計測器の性能試験の場合には,20 ℃,101.3 kPaにおけるこの数値を
0.84として亜硝酸ナトリウムをはかりとり等価液を調製する。
c) 亜硝酸ナトリウム溶液の調製 亜硝酸ナトリウム原液10 mlをはかりとり水を加えて1 Lとする(使用
時に調製する)。この亜硝酸ナトリウム溶液1 mlを吸収液で1 Lに希釈して等価液を調製する。これは
計測器の二酸化窒素濃度目盛について,20 ℃,101.3 kPaにおける大気中の二酸化窒素濃度0.01 ppm
に相当する。
d) 等価液の調製 亜硝酸ナトリウム溶液V mlを採取し,これを吸収液で1 Lに希釈して調製し,これを
常温で15分間放置して,二酸化窒素目盛調整用等価液とする。
なお,一酸化窒素目盛調整用等価液は,酸化率で二酸化窒素目盛調整用等価液の濃度を補正して使
用する。亜硝酸ナトリウム溶液の採取量と濃度の関係は,次の式によって表す。
x
NO
NO
100
01
.0
01
.0
2
O
V
C
V
C
×
×
=
×
=
ここに,
2
NO
c
: 等価液の二酸化窒素濃度 (ppm)
CNO: 等価液の一酸化窒素濃度 (ppm)
V: 亜硝酸ナトリウム溶液の採取量 (ml)
Ox: 酸化率 (%)
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備考 酸化率は,機種によって60〜80 %の間にばらつくが,日常の校正及び計測器の性能試験の場
合には,この数値を70 %として亜硝酸ナトリウム溶液を採取し,等価液を調製する。
e) ゼロ調整用等価液の調製 ゼロ調整用等価液は,吸収液をそのまま用いる。
f)
スパン調整用等価液の調製 スパン調整液は,d) に規定する式を用いてレンジの最大目盛値付近の二
酸化窒素及び一酸化窒素の濃度に対する亜硝酸ナトリウム溶液V mlを採取し,これを吸収液で1 Lに
希釈して調製する。
g) 中間点用等価液の調製 d)に規定する式を用いて,レンジの中間点付近の二酸化窒素の濃度に対応す
る亜硝酸ナトリウム溶液V mlを採取し,これを吸収液で1 Lに希釈して調製する。
7.3
校正
7.3.1
化学発光方式 計測器の校正は暖機終了後,表4に示すゼロガス,スパンガスを用いて,次の方法
で行う。
a) ゼロ調整 ゼロガスを設定流量で計測器に導入し,指示が安定した時点でゼロ調整を行う。
b) スパン調整 スパンガスを設定流量で計測器に導入し,指示が安定した時点でスパン調整を行う。
c) 必要に応じてa)及びb)の調整を繰り返し,ゼロ及びスパンのそれぞれが合うまで行う。
備考 校正は,一酸化窒素測定系,窒素酸化物測定系(コンバータを通して測定する流路)について
行う。
7.3.2
吸光光度方式 計測器の校正は暖機終了後,表5に示す等価液を用いて,次の方法で行う。
a) 等価液による校正
1) ゼロ調整 ゼロ調整用等価液を二酸化窒素吸収器及び一酸化窒素吸収器に注入し,指示が安定した
時点でゼロ調整を行う。
2) スパン調整 スパン調整用等価液を二酸化窒素吸収器及び一酸化窒素吸収器に注入し,指示が安定
した時点で,等価液に対応する二酸化窒素濃度又は一酸化窒素濃度を示すようにスパン調整を行う。
3) 必要に応じて1),2) を繰り返した後,ゼロ及びスパンのそれぞれが合うまで行う。
b) 標準ガスによる濃度目盛の点検 等価液によってゼロ,スパン調整を行った後,表4に示す二酸化窒
素,スパンガスを試料大気導入口から導入し,指示記録させ,標準ガス濃度に対する指示値を比較し,
二酸化窒素応答比及び一酸化窒素応答比を求める。二酸化窒素について,その濃度に対する指示値が
±8 %以上異なる場合,また,スパンガスについて,その濃度に対する指示値が90 %以下である場
合は,計測器の試料大気流量,吸収液の採取量,二酸化窒素吸収器,一酸化窒素吸収器,酸化瓶など
を点検する。
c) 動的校正 動的校正は,表4に示す二酸化窒素及びスパンガスを用いて,次による。
1) ゼロ調整 ゼロガスを設定流量で導入し,指示の安定後,ゼロ調整を行う。
2) スパン調整 二酸化窒素,スパンガスを設定流量で導入し,指示の安定後,スパン調整を行う。
7.4
性能試験方法 性能試験方法は,次による。
7.4.1
化学発光方式 化学発光方式における性能試験は,一酸化窒素測定系及び窒素酸化物測定系 (コン
バータを通して測定する流路) について行い,次による。
a) 繰返し性 計測器にゼロ試験用ガスを設定流量で導入し,最終指示値を確認した後,更にスパン試験
用ガスを同様に導入し,最終指示値を確認する。この操作を3回繰り返し,ゼロ指示値,スパン指示
値の各々の平均値を算出し,各測定値と平均値との差の最大目盛値に対する百分率を求める。
b) ゼロドリフト ゼロ試験用ガスを設定流量で導入し,24時間連続測定を行う。この間におけるゼロ指
示の初期の指示値からの最大変動幅の最大目盛値に対する百分率を求める。
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c) スパンドリフト ゼロドリフト試験において,試験開始時,試験終了時(24時間後)及び中間に2回
以上(3)ゼロ試験用ガスに代えてスパン試験用ガスを導入し,指示値を記録する。この間におけるスパ
ン指示値の初期の指示値からの最大変動幅の最大目盛値に対する百分率をスパンドリフトとして求め
る(4)。
なお,ゼロドリフトの影響が見られるときは,スパン指示値からその変動分を補正する。
注(3) 各スパン測定点の測定時間間隔は,4時間以上離れていなければならない。
(4) 大気圧変化に対する指示値への影響を自動補正する機能がない計測器において,大気圧の影響
が見られるときは,次の式を用いて大気圧の変動分を補正したものを,スパンドリフトとする。
ただし,計測器に大気圧変化に対する指示値への影響量が示されている場合は,その値を用い
て補正する。
100
si
s
i
s
s
×
×
F
C
−
P
P
C
=
D
ここに,
Ds: スパンドリフト (%)
Cs: スパン指示値 (ppm)
Csi: 初期スパン指示値 (ppm)
F: 最大目盛値 (ppm)
Pi: 初期大気圧 (kPa)
Ps: スパン指示値時の大気圧 (kPa)
d) 指示誤差 ゼロ調整及びスパン調整を行った後,中間目盛の濃度の中間点ガスを導入し,指示・記録
させる。この指示値と中間点ガス濃度との差の最大目盛値に対する百分率を求める。
e) 最小検出限界 ゼロ調整及びスパン調整を行った後,ゼロ試験用ガスを設定流量で導入し,指示・記
録させる。2分間隔で25点以上の指示を読み,標準偏差 (Sx0) を求める。その標準偏差の2倍の最大
目盛値に対する百分率を最小検出限界 (x) とし,次の式によって求める。
100
0
2 χ
χ
×
=
F
s
ここに,
Sx0: ゼロ試験用ガスによる指示値の標準偏差(ppm)
F: 最大目盛値(ppm)
f)
応答時間 試料大気導入口から設定流量のゼロ試験用ガスを導入し,指示安定後,流路をスパン試験
用ガスに切り換える。このときの指示記録において,スパン試験用ガス導入の時点から最終指示値の
90 %に達するまでの時間を応答時間とする。
g) コンバータの効率 コンバータ効率の試験方法は,附属書1による。
h) 干渉成分 (水分) の影響 干渉成分 (水分) の影響の試験方法は,附属書2による。
i)
干渉成分 (アンモニア) の影響 ゼロガス及びスパンガスによって,ゼロ調整及びスパン調整を行っ
た後,空気で希釈したアンモニア約1 ppmを導入し,測定する。その指示値(窒素酸化物濃度値)を
干渉成分(アンモニア)の影響の値とする。
j)
周囲温度変化に対する安定性 ゼロドリフト及びスパンドリフト試験中に周囲温度を記録し,5〜
35 ℃内の5 ℃の温度変化に対するゼロドリフト及びスパンドリフトを調べる。
k) 電源電圧変動に対する安定性 スパン試験用ガスを導入し,指示が安定していることを確認し,その
値をAとする。次に電源電圧を定格電圧の+10 %に変化させ,安定後の指示値をBとする。次に定
格電圧の−10 %変化させ,安定後の指示値をCとする。B−A,C−Aの最大目盛値に対する百分率を
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求める。
l)
耐電圧 計測器の電源スイッチ“入り”の状態で,電源端子一括と外箱との間に定格周波数の交流電
圧1 000 Vを1分間加える。その後,計測器を通電状態にし,異常の有無を調べる。
m) 絶縁抵抗 計測器の電源スイッチ“入り”の状態で,電源端子一括と外箱との間の絶縁抵抗を,JIS C
1302に規定する直流500 V絶縁抵抗計で測定する。
備考 l) 及びm)の試験は,計測器の作動停止状態で行う。
7.4.2
吸光光度方式 吸光光度方式における性能試験は、次による。
a) 繰返し性 二酸化窒素吸収器にゼロ調整用等価液を共洗いしながら注入し,最終指示値を確認した後,
更にスパン調整用等価液を共洗いしながら注入し,最終指示値を確認する。この操作を3回繰り返し,
ゼロ指示値,スパン指示値の各々の平均値を算出し,各測定値と平均値との差の最大目盛値に対する
百分率を求める。一酸化窒素吸収器においても同様に行う。
b) ゼロドリフト 試料大気の吸引を停止した状態で,ゼロ調整用等価液(吸収液)の採取及び排出,吸
光度の測定の開始及び停止を伴う24時間連続測定を行う。この間におけるゼロ指示の初期の設定値か
らの最大変動幅の最大目盛値に対する百分率を求める。
c) スパンドリフト ゼロドリフト試験において,試験開始時にスパン調整を行い,試験終了時(24時間
後)及び中間に2回以上二酸化窒素吸収器及び一酸化窒素吸収器の吸収液に代えて,それぞれのスパ
ン調整用等価液を共洗いしながら注入し,指示・記録させる。この間におけるスパン指示値の初期の
値からの最大変動幅の最大目盛値に対する百分率をスパンドリフトとして求める。これらのスパン指
示値において,ゼロドリフトの影響がみられる場合は,その変動を補正する。
なお,各スパンの測定点は,4時間以上離れていなければならない。また,スパン測定後は,各吸
収器に共洗いしながら吸収液を注入し,ゼロドリフト試験を続ける。
d) 指示誤差 ゼロ調整及びスパン調整を行った後,中間目盛の濃度の中間点等価液を二酸化窒素吸収器
及び一酸化窒素吸収器に共洗いしながら注入し,指示・記録させる。この指示値と中間点等価液濃度
との差の最大目盛値に対する百分率を求める。
e) 二酸化窒素捕集率 計測器の試料大気流路から酸化瓶を取り除き,配管を短絡しておく。二酸化窒素
(80〜95 ppb程度) を試料大気導入口から導入し指示記録させ,次の式によって二酸化窒素捕集率を調
べる。
100
0.7
'
'
'
AB
×
×
+
=
B
A
A
R
(5)
ここに,
AB
R
: 二酸化窒素捕集率(%)
A′: 二酸化窒素指示値(ppm)
B′: 一酸化窒素指示値(ppm)
注(5) 一酸化窒素のスパン調整は,酸化率を70 %とした一酸化窒素スパン調整用等価液で行うため,
酸化瓶で酸化された二酸化窒素に対しては1/0.7倍の指示値が得られる。ここでは酸化瓶を用い
ていないから,一酸化窒素指示値B′に0.7を乗じて,二酸化窒素指示値に対応するように補正
する。
f)
一酸化窒素酸化率 スパンガスを試料大気導入口から導入し,指示記録させ,次の式によって一酸化
窒素酸化率を調べる。
70
"
"
OX
×
=BA
R
15
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ここに,
OX
R
: 一酸化窒素酸化率(%)
A′′: 一酸化窒素指示値(ppm)
B′′: スパンガスの濃度(ppm)
なお,スパンガスに二酸化窒素が含まれていると,これが還元して一酸化窒素の指示の妨害となる
から,二酸化窒素を含まないスパンガスを使用しなければならない。
参考 一酸化窒素のスパン調整は,一酸化窒素の酸化率を70 %とした一酸化窒素スパン調整用等価
液で行うため,酸化瓶で酸化された二酸化窒素に対しては1/0.7倍の指示値が得られる。したが
って,酸化率はスパンガス濃度に対する一酸化窒素指示値の比に0.7を乗じて修正し,100を乗
じて百分率として求められる。
g) 試料ガス流量の安定性 試料ガス流量の経時変化は,試験開始時に設定流量に試料ガス流量を調整し
(6),その指示流量を読み取り記録し,その後10日間連続運転を行う。連続運転中に3回以上及び終了
時(10日目) に指示流量を読み取り記録し,それらの最大値及び最小値と設定流量との差をから設定流
量に対する百分率を求める。
注(6) この試験中は,設定流量を調整してはならない。もし,調整した場合には,その後10日間の試
験を行わなければならない。また,流量安定化装置をもつ計測器は,この装置についての10日
間の安定性の試験結果をもって,試料ガス流量の安定性の試験に代えてもよい。
h) 吸収液量の安定性 吸収液の計量と排液をそれぞれ5回行い,あらかじめ乾燥したメスシリンダ (100
〜300 ml) を用いて吸収液の排出口から排出された吸収液の合計量を読み取り,設定採取量の5倍量
からの偏差を求める。これを二酸化窒素吸収器,一酸化窒素吸収器についてそれぞれ行う (7)。
(7) 二酸化窒素吸収器及び一酸化窒素吸収器から排出される吸収液をそれぞれ個別に採取できるよ
うに,吸収液の出口又は電磁弁の動作を選択する。
i)
周囲温度変化に対する安定性 ゼロドリフト及びスパンドリフト試験中に周囲温度を記録し,5〜
35 ℃内の5 ℃の温度変化に対するゼロドリフト及びスパンドリフトを調べる。
j)
電源電圧変動に対する指示の安定性 スパン調整用等価液を二酸化窒素吸収器及び一酸化窒素吸収器
に注入し,指示が安定していることを確認し,その値をAとする。次に電源電圧を定格電圧の+10 %
に徐々に変化させ,安定後の指示値をBとする。次に定格電圧の−10 %に徐々に変化させ,安定後
の指示値をCとする。B−A及びC−Aのレンジの最大目盛値に対する百分率を求める。
k) 電源電圧変動に対する試料大気流量の安定性 試料大気流量を設定流量に調整し,その指示流量をA
とする。次に電源電圧を定格電圧の+10 %に徐々に変化させ,安定後の指示流量をBとする。次に
定格電圧の−10 %に徐々に変化させ,安定後の指示流量をCとする。B−A,C−Aの設定流量に対す
る百分率を求める。
l)
耐電圧 計測器の電源スイッチ“入り”の状態で,電源端子一括と外箱との間に定格周波数の交流1 000
Vを1分間加える。その後計測器を通電状態にし,異常の有無を調べる。
m) 絶縁抵抗 計測器の電源スイッチ“入り”の状態で,電源端子一括と外箱との間の絶縁抵抗を,JIS C
1302に規定する直流500 V絶縁抵抗計で測定する。
備考 l),m)の試験は,計測器の作動停止状態で行う。
8. 試験報告書 作成する報告書は,次の項目を含むものとする。
a) 7.(性能試験)の7.1,7.2,及び7.3の記載のうち必要な事項。
b) 4.(計測器の種類及び測定範囲),並びに表2又は表3のうち必要な事項。
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c) 試験結果
d) 特記事項
9. 表示 計測器には,見やすい箇所に容易に消えない方法で,次の事項を表示しなければならない。
a) 名称及び製造業者が指定する形名
b) 測定対象成分
c) 測定濃度範囲
d) 使用温度範囲
e) 定格電圧,定格周波数及び容量
f)
製造業者名又はその略号
g) 製造年月
h) 製造番号
備考 これらの表示は,1か所にまとめて表示しなくてもよい。
10. 取扱説明書 取扱説明書には,少なくとも次の事項を記載しなければならない。
a) 設置場所に関する事項
b) 試料大気の温度,流量,ダスト濃度及び干渉成分のそれぞれの許容範囲
c) 試料大気の前処理方法
d) 配管及び配線
e) 暖機時間
f)
使用方法
1) 測定の準備及び校正
2) 測定操作
3) 測定停止時の処置
g) 保守点検
1) 日常点検の指針
2) 定期点検の指針
3) 流路系の清掃
4) 故障時の対策
関連規格 JIS K 8001 試薬試験方法通則
ISO 7996 Ambient air−Determination of the mass concentration of nitrogen oxides−
Chemiluminescence method
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附属書1(規定)コンバータ効率試験方法
1. 適用範囲 この附属書は,化学発光方式の計測器に用いるコンバータの二酸化窒素を一酸化窒素へ変
換する効率を試験する方法について規定する。
2. コンバータ効率試験
2.1
概要 この試験は,試験対象計測器のレンジの80〜100 %に相当する濃度の一酸化窒素及びオゾン
で酸化して得られた二酸化窒素を用いて,試験対象計測器が装備するコンバータの二酸化窒素を一酸化窒
素へ変換する効率を算出するものとする。
2.2
試験装置 この試験に用いる装置の構成例は,附属書1図1及び次による。
オーバーフロー
附属書1図 1 コンバータ効率試験装置の構成例
a) オゾン発生器 励起エネルギー源として紫外線照射を行い,オゾン発生量が調整できるものとする。
b) 一酸化窒素標準ガス 希釈後に試験対象計測器のレンジの80〜100%に相当する濃度となる濃度の一
酸化窒素を窒素中に含む標準ガスを用いる。
c) 希釈ガス 本体の7.2.1に規定するゼロガスを用いる。
d) 反応器 窒素酸化物の吸着の少ない材質,例えば,ガラス製のものを用いる。
e) 希釈器 窒素酸化物の吸着の少ない材質,例えば,ガラス製のものを用いる。
f)
流量制御器 抵抗管式流量制御器,マスフローコントローラなどを用いる。
2.3
試験操作 本文の7.3.1に規定する方法によって試験対象計測器の校正を行った後に,次の手順で操
作する。
a) オゾン発生器の動作を止め,流量制御器を調整して試験対象計測器のレンジの80〜100 %に相当する
濃度の一酸化窒素ガスを導入する。このときの試験対象計測器の窒素酸化物 (NOx) 指示値をR1,一
酸化窒素 (NO) 指示値をP1とする。
b) オゾン発生器を動作させて生成するオゾンで一酸化窒素を酸化する。このとき,試験対象計測器の一
酸化窒素 (NO) 指示値がレンジの約10 %を示すようにオゾン発生器を調整する。このときの試験対
象計測器の窒素酸化物 (NOx) 指示値をR2,一酸化窒素 (NO) 指示値をP2とする。
c) 未反応のオゾンの残留及び希釈ガス中の酸素による酸化反応を防ぐため,反応器内におけるオゾン酸
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化反応時の窒素酸化物 (NOx) 濃度及び反応時間が,次の条件となるように,流量及び反応器内容積を
設定する。
(
)
(
)
min
ppm
4
min
ppm
30
R
NOX
・
・
≥
×
≥
T
C
ここに,
CNOX: オゾン酸化反応時の窒素酸化物 (NOx) 濃度 (ppm)
TR: 反応時間 (min)
d) コンバータ効率の算出 試験操作で得られた指示値R1,P1及びR2,P2を用い,次の式によってコン
バータ効率を算出する。
100
)
(
)
2
1
1
1
2
2
×
P
P
P
R
P
R
E
−
−
−
−
(
=
ここに,
E : コンバータ効率(%)
R1: a)の窒素酸化物(NOx)指示値(ppm)
P1: a)の一酸化窒素 (NO) 指示値(ppm)
R2: b)の窒素酸化物 (NOx) 指示値(ppm)
P2: b)の一酸化窒素 (NO) 指示値(ppm)
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附属書2(規定)水分影響試験方法
1. 適用範囲 この附属書は,化学発光方式の計測器において,試料大気中の水分が計測器の応答に与え
る影響を試験する方法について規定する。
2. 水分影響試験
2.1
概要 この試験は,試験対象計測器の測定値について,レンジの80〜100%に相当する濃度の一酸化
窒素及びこれを加湿したガスを用いて,化学発光に対して消光作用がある水分が及ぼす干渉影響の度合を
算出するものである。
2.2
試験装置 この試験に用いる装置の構成(例)を附属書2図1に示す。
附属書2図 1 水分影響試験装置の構成例
a) 試験用ガス 本体の7.2.1で規定されたスパンガスを用いる。
b) 加湿器 ガラス製容器に水を入れ,試験用ガスが液面に接して流れるようにし,これを温度調節が可
能な恒温槽に入れたものを用いる。
c) 配管類 締切弁,流量調整弁,流量計,気液分離器,混合器など装置の配管類は,窒素酸化物の吸着
の少ない材質,例えば,ふっ素樹脂製又はガラス製等のものを用いる。
d) 温度計付湿度計 試験対象計測器に導入される試験用ガスの温度及び相対湿度を測定する。
2.3
試験操作 本体の7.3.1で規定された方法によって試験対象計測器の校正を行った後に,次の手順で
操作する。結露を防ぐため、周囲温度を25 ℃以上とする。
試験用ガス
温度計付湿度計
加湿器
温度調節器
流量調整弁
流量計
気液分離器
流量調整弁
流量計
オーバーフロー
排 気
試験対象
計測器
混合器
締切弁
締切弁
乾燥ガス流路
恒温槽
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a) 加湿器に水を入れ,恒温槽を約25 ℃の温度に調節する。
b) 試験用ガスを導入し,加湿器通過流路の両端の締切弁を閉じる。
c) 試験対象計測器の指示値が十分に安定するまで待って読み,乾燥ガスに対する指示値 A とする。
d) 加湿器通過流路の両端の締切弁を開き,加湿器通過流路の流量と乾燥ガス流路の流量との比が約4:1
となるように流量調整弁で調整する。
e) 湿度計の指示値が水分濃度として約2.5 vol%(温度25 ℃ 相対湿度80 %)となるように,加湿器通
過流路又は乾燥ガス流路の流量を流量調整弁で調整する。なお,加湿器温度で調節してもよい。
f)
試験対象計測器の指示値が十分に安定するまで待って読み,加湿ガスに対する指示値Bとする。
2.4
水分影響の算出 試験操作で得られた乾燥ガスに対する指示値 A及び加湿ガスに対する指示値B
を用い,次式によって水分影響を算出する。
(
)100
C×
×
−
=
A
B
A
W
ここに,
W: 水分影響(%)
A: 乾燥ガスに対する指示値 (ppm)
B: 加湿ガスに対する指示値 (ppm)
C: 加湿ガスの水蒸気の希釈効果による濃度低下の補正係数
で,次式によって求める。
W
A
A
P
P
P
C
−
=
ここに,
PA: 大気圧 (kPa)
PW: 加湿ガスの温度及び相対湿度から求めた
水蒸気分圧 (kPa)
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B 7953:2004
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附属書3(参考)拡散管法によるガス調製方法と校正方法
この附属書は,本体の規定に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
この附属書は,参考資料として,拡散管法によるガス調製方法及び校正方法についてISO 7996を基礎に
記述したものである。
1. 概要 次に示すガス調製方法は,拡散管法(パーミエイションチューブ法)によるものである。この
方法による既知濃度の二酸化窒素ガス調製方法については,ISO 6349による。
2. 構成 この装置は,恒温槽,拡散管,流量調整部(流量調整弁,流量計),切替弁などで構成する。装
置の構成例を附属書3図1及び、次に示す。
流量計
流量
調整弁
銅製コイル
温度計
恒温槽
乾燥剤
流量計
切換弁1
コンバータ
切換弁2
排気
拡散管
及びホルダ
1
V
q
流量
調整弁
2
V
q
混合器
計測器へ
マニホールド
排気
ゼロガス
(RH約50%)
NO2→NO
NO2
流量調整部
流量調整部
附属書3図 1 拡散管法によるガス調製装置の構成例
a) 乾燥剤 シリカゲルなどの乾燥剤を用いる。
b) 流量調整部 流量精度が±1 %に設定可能なものを用いる。
c) 恒温槽 温度精度が±1 ℃に設定可能なものを用いる。温度計の正確さは0.5 ℃のものを用いる。
d) 拡散管(パーミエイションチューブ) 管に封じ込められた原料ガスが,一定温度の条件下では管壁
又はふっ化エチレン製樹脂膜などから一定速度で浸透気化することを利用したもので,二酸化窒素用,
二酸化硫黄用などがある。
e) 切替弁 二酸化窒素又は一酸化窒素を調製するための流路切替え,暖機運転時などに排気ラインに切
り換えるために用いるもので,三方弁などを用いる。
f)
ゼロガス 相対湿度約50 %のゼロガス用空気を用いる。
3. 調製濃度の計算 二酸化窒素,一酸化窒素の調製濃度は,次の式によって求める。
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(
)
2
v
1
v
m
2
NO
q
q
K
q
+
=
ϕ
(
)
2
v
1
v
m
NO
q
q
K
q
+
=
ϕ
(
)
v2
v1
3
2
1.88
10
NO
q
q
K
qm
+
×
×
×
=
ρ
(
)
v2
v1
3
1.88
10
NO
q
q
K
qm
+
×
×
×
=
ρ
ここに,
ϕ(NO2): 二酸化窒素の体積濃度 (ppm v/v)
ρ(NO2): 二酸化窒素の質量濃度 (μg/m3)
ϕ(NO): 一酸化窒素の体積濃度 (ppm v/v)
ρ(NO): 一酸化窒素の質量濃度 (μg/m3)
qm: パーミエーションレート (二酸化窒素:μg/min)
K: 二酸化窒素の体積換算費 [0.532μl/μg (25℃,101.3 kPa)]
qv1: 拡散管を通過する流路の流量 (L/min)
qv2: 希釈ガス流路の流量 (L/min)
4. 拡散管法による校正方法
4.1
ゼロ調整 ゼロ調整は,計測器の反応槽の2〜3倍の容積をもつ前置反応槽を設置することによって,
行うことができる。この方法では前置反応槽で一酸化窒素とオゾンが反応するため,計測器の反応槽に一
酸化窒素が到達しないため,正確なゼロ調整が可能となる。
4.2
スパン調整
4.2.1
一酸化窒素測定系の調整 一酸化窒素測定系の調整は,次による。
a) 附属書3図1に校正する計測器を接続し,切替弁を一酸化窒素調製状態にする。
b) 校正レンジの約80 %付近の濃度となるように,ゼロガス,希釈ガスの流量を調整する。
c) 一酸化窒素測定系を次に示す値に調整する。
(
)
(
)
NO
100
NO
span
%
ʼ
+ϕ
ϕ
L
×
=
ここに,
L: 校正レンジの最大目盛値 (ppm)
'ϕ (NO): 希釈ガス中の一酸化窒素濃度 (ppm)
d) 検量線の作成は附属書3図1のqv1,qv2を調整することによって,5点の濃度について行う。
4.2.2
二酸化窒素測定系及び窒素酸化物測定系の調整 二酸化窒素測定系及び窒素酸化物測定系の調整
は,次による。
a) 附属書3図1に校正する計測器を接続し,切替弁を二酸化窒素調製状態にする。
b) 校正レンジの80 %付近の濃度となるように,ゼロガス,希釈ガスの流量を調整する。
c) 二酸化窒素測定系又は窒素酸化物測定系を次に示す値に調整する。
(
)
(
)
2
2
NO
100
NO
span
%
ʼ
+ϕ
ϕ
L
×
=
又は
(
)
(
)
x
x
NO
100
NO
span
%
ʼ
+ϕ
ϕ
L
×
=
ここに, ϕ′(NO2): 希釈ガス中の二酸化窒素濃度 (ppm)
ϕ′(NOx): 希釈ガス中の窒素酸化物濃度 (ppm)
d) 検量線の作成は附属書3図1のqv1,qv2を調整することによって,5点の濃度について行う。
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備考1. 計測器の校正チャンネルが一つの測定系だけの場合は二酸化窒素による校正を行う。ただし,
同じ濃度の一酸化窒素を測定したときに同じ値となることを確認しておく。
2. 二酸化窒素,一酸化窒素測定時にその合計の値と窒素酸化物濃度値が同じ値となることを確
認しておく。
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