B 7612-1:2008
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲 ························································································································· 1
2 引用規格 ························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 計量単位 ························································································································· 7
5 計量要件 ························································································································· 7
5.1 精度等級 ······················································································································ 7
5.2 ロードセル検定目量の最大数···························································································· 7
5.3 最小ロードセル検定目量 ································································································· 7
5.4 補助分類 ······················································································································ 7
5.5 ロードセルの分類方法 ···································································································· 7
5.6 表示 ··························································································································· 10
6 ロードセルの最大許容誤差 ································································································ 10
6.1 各精度等級に対する最大許容誤差····················································································· 10
6.2 誤差の決定に関する規則 ································································································ 11
6.3 許容可能な変動 ············································································································ 12
6.4 繰返し性誤差 ··············································································································· 12
6.5 影響量 ························································································································ 12
6.6 計測標準 ····················································································································· 13
7 ロードセルの試験サンプルの選択方法 ················································································· 13
7.1 試験に必要なロードセルの数··························································································· 13
7.2 異なるグループに属している同じ最大容量のロードセル ······················································· 13
7.3 最大容量が異なるロードセル··························································································· 13
7.4 グループ内の最も小さい最大容量のロードセル ··································································· 14
7.5 最大容量とそれに最も近くて小さい最大容量との比 ····························································· 14
7.6 湿度試験 ····················································································································· 14
8 試験······························································································································ 14
8.1 試験条件 ····················································································································· 14
8.2 試験手順 ····················································································································· 15
8.3 推奨する試験手順 ········································································································· 20
附属書A(参考)ロードセルの試験サンプルの選択方法······························································ 22
附属書B(参考)試験報告書のフォーマット ············································································· 27
附属書C(参考)試験報告書−様式 ························································································ 31
附属書JA(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ································································ 42
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まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,独立行政法人産業技術総合研究所 (AIST) 及
び社団法人日本計量機器工業連合会 (JMIF) から,工業標準原案を具して日本工業規格に制定すべきとの
申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は
もたない。
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日本工業規格 JIS
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質量計用ロードセル−
第1部:アナログロードセル
Load Cells for Weighing Instruments−
Part 1: Analog Load Cells
序文
この規格は,2000年に発行されたOIML R 60を基に,技術的内容を変更して作成した日本工業規格で
ある。
この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一覧表に
その説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,ひずみゲージを用いた質量計用ロードセル(以下,ロードセルという。)について規定する。
ただし,電子回路を装備しているロードセルは除く。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
OIML R 60:2000,Metrological regulation for load cells (MOD)
なお,対応の程度を表す記号(MOD)は,ISO/IEC Guide 21に基づき,修正していることを示
す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)
には適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 60068-2-78:2004 環境試験方法−電気・電子−第2-78部:高温高湿(定常)試験方法
注記 対応国際規格:IEC 60068-2-78 : 2001, Environmental testing−Part 2-78: Tests−Test Cab: Damp
heat, steady state (IDT)
JIS C 60068-3-4:2004 環境試験方法−電気・電子−第3-4部:高温高湿試験の指針
注記 対応国際規格:IEC 60068-3-4:2001, Environmental testing−Part 3-4: Supporting documentation
and guidance−Damp heat tests (IDT)
JIS Z 8103 計測用語
ISO 8601,Data elements and interchange formats−Information interchange−Representation of dates and
times
IEC 60068-2-30:2005, Environmental testing−Part 2-30: Tests−Test Db: Damp heat, cyclic(12 h + 12 h
cycle)
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3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 8103によるほか,次による。
3.1
一般用語
3.1.1
荷重の負荷
3.1.1.1
圧縮荷重 (compression loading)
ロードセルに加えた圧縮方向の荷重。
3.1.1.2
引張荷重 (tension loading)
ロードセルに加えた引張方向の荷重。
3.1.2
ロードセル (load cell)
使用場所における重力加速度及び空気浮力の影響を考慮した後に,ひずみゲージで検出した量(質量)
を別の量(出力)に変換することによって質量を測定する機器。
3.1.3
電子回路を装備しているロードセル (load cell equipped with electronics)
電子部品を組み合わせた電子回路を装備しているロードセル。
注記 電子回路には,ひずみゲージのブリッジ回路は含まない。
3.1.4
電子部品 (electronic component)
半導体,気体又は真空の中の電子又は正孔伝導を用いる最小単位の能動素子。
3.1.5
性能試験 (performance test)
被試験ロードセルが規定の性能どおりに作動するかどうかを検証するための試験。
3.2
ロードセルの計量特性の用語
3.2.1
精度等級 (accuracy class)
指定した限界内に誤差が収まることを示すロードセルの等級。
3.2.2
湿度記号 (humidity symbol)
ロードセルの試験をしたときの湿度の状態を表す記号。
3.2.3
ロードセルのファミリ (load cell family)
3.2.3.0A 一般
次のようなロードセルから構成する集合。
− 同じ材料又は材料の組合せであること(例えば,軟鋼,ステンレス鋼又はアルミニウム)。
− 同じ測定方法であること(例えば,金属に対し結合したひずみゲージ)。
− 同じ構造であること(例えば,形状,ひずみゲージのシーリング,取付方法及び製造方法)。
− 同じ仕様であること(例えば,定格出力,入力インピーダンス,電源電圧及びケーブルの詳細)。
又は,一つ又はそれ以上のロードセルのグループから構成する集合。
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注記 上記の例は一例であり,それに限定するものではない。
3.2.3.1
ロードセルのグループ (load cell group)
一つのファミリの中の計量特性[例えば,精度等級,ロードセル検定目量の最大数(nmax),温度定格な
ど]が同じであるすべてのロードセル。
注記 上記の例は一例であり,それに限定するものではない。
3.3 範囲,容量及び出力の用語
3.3.1
ロードセル目量 (load cell interval)
ロードセル測定範囲を分割した部分。
3.3.2
ロードセル測定範囲 (load cell measuring range)
最大許容誤差(3.4.9参照)を超える誤差を生じることのない測定量(質量)の値の範囲。
3.3.3
ロードセル出力 (load cell output)
ロードセルが被測定量(質量)を変換する測定可能な量。
3.3.4
ロードセル検定目量 (load cell verification interval)(v)
質量の単位で表し,ロードセルの検定に用いるロードセル目量。
3.3.5
最大容量 (maximum capacity)(Emax)
最大許容誤差(3.4.9参照)を超えずに,ロードセルに負荷することができる範囲の上限。
3.3.6
測定範囲の最大荷重 (maximum load of the measuring range)(Dmax)
試験時又は使用時にロードセルに負荷できる量(質量)の最大値。この値は最大容量(Emax)(3.3.5参照)
を超えてはならない。試験時の測定範囲の最大荷重(Dmax)の限界値については,8.1.2.4参照。
3.3.7
ロードセル検定目量の最大数 (maximum number of load cell verification intervals)(nmax)
ロードセルの測定範囲を分割することができるロードセルの検定目量の最大数。測定の結果は最大許容
誤差を超えてはならない。
3.3.8
最小測定量 (minimum dead load)(Emin)
最大許容誤差(3.4.9参照)を超えずに,ロードセルに負荷することができる範囲の下限。
3.3.9
最小測定量出力戻り (minimum dead load output return)(DR)
荷重の負荷の前後に測定した最小測定量におけるロードセル出力の差。
3.3.10
最小ロードセル検定目量 (minimum load cell verification interval) (vmin)
ロードセルの測定範囲を分割することができる最小のロードセル検定目量。
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3.3.11
測定範囲の最小荷重 (minimum load of the measuring range) (Dmin)
試験時又は使用時にロードセルに負荷できる量(質量)の最小値。この値は最小測定量(Emin)(3.3.8参
照)を下回ってはならない。
3.3.12
ロードセル検定目量の数 (number of load cell verification intervals) (n)
ロードセルの測定範囲を,ロードセル検定目量で除した値。
3.3.13
相対的最小測定量出力戻り (relative dead load output return)(Z)
最大容量(Emax)を最小測定量出力戻り(DR)の2倍で除した値。
3.3.14
相対的最小目量 (relative dead load)(Y)
最大容量(Emax)を最小ロードセル検定目量(vmin)で除した値。
注記 この値は,ロードセルの分解能を表す。
3.3.15
許容過負荷 (safe load limit)(Elim)
特性上,仕様を超える,永久変化を生じることなしに負荷できる最大荷重。
3.3.16
予熱時間 (warm-up time)
電源投入後から初期の計量性能を満たして計量が可能になるまでの時間。
3.4
測定及び誤差の用語
3.4.1
クリープ (creep)
一定荷重の下で,すべての環境条件及び他の変量も一定に維持した場合に,時間の経過とともに生じる
ロードセル出力の変化。
3.4.2
誤差配分 (apportionment factor)(PLC)
質量計全体の誤差の内,ロードセルの誤差の占める比率として割り付けている小数点以下1けたの無次
元数(例0.7)。最大許容誤差(3.4.9参照)を求めるために用いる。
3.4.3
拡張不確かさ (expanded uncertainty)(U)
合理的に測定量に結び付けられ得る値の分布の大部分を含むと期待される区間を定める量(JIS Z 8103
参照)。
3.4.4
誤り (fault)
ロードセル誤差(3.4.7参照)とロードセル固有誤差(3.4.8参照)との差。
3.4.5
誤りの検出出力 (fault detection output)
誤りの状態が存在することを示すロードセルからの信号。
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3.4.6
ヒステリシス誤差 (hysteresis error)
同じ負荷に対するロードセル出力の二つの読みの差。すなわち,負荷を測定範囲の最小荷重(Dmin)か
ら増やすことによって得られる読みと,負荷を測定範囲の最大荷重(Dmax)から減らすことによって得ら
れる読みとの差。
3.4.7
ロードセル誤差 (load cell error)
測定結果と測定量の真の値との差。
3.4.8
ロードセル固有誤差 (load cell intrinsic error)
基準条件下(3.5.3参照)で求めたロードセルの誤差。
3.4.9
最大許容誤差 (maximum permissible error)(mpe)
ロードセルに対して許容できる誤差の最大値。
3.4.10
非直線性 (non-linearity)
負荷の増加時におけるロードセル出力曲線と,測定開始点出力と最大測定点出力を結んだ直線との差(直
線性誤差ともいう。)。
3.4.11
繰返し性 (repeatability)
一定の試験条件下で,同じ荷重を同一の方法でロードセルに数回繰り返して負荷した場合に,互いに一
致した計量結果をもたらす能力。
3.4.12
繰返し性誤差 (repeatability error)(ER)
同じ荷重及び測定環境条件下での同一手順の試験から求めたロードセル出力の差。
3.4.13
感度 (sensitivity)
ロードセルへの負荷の変化とロードセル出力の変化との比。
3.4.14
有意な誤り (significant fault)
ロードセル検定目量(v)よりも大きな誤り。
なお,次の誤りは,ロードセル検定目量(v)を超えた場合でも,有意な誤りとはみなさない。
− 同時に又は互いに独立した原因から生じる誤り。
− いかなる測定の実行も不可能な誤り。
− 計量結果に関与するすべての人々が気付くほどの重大な誤り。
− 計量結果として,その測定値を判断,記憶又は伝達することができないほどに,瞬間的に変化する過
渡的な誤り。
3.4.15
スパン安定性 (span stability)
指定限度内で使用期間中に,測定範囲の最大荷重(Dmax)におけるロードセルの出力と,測定範囲の最
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小荷重(Dmin)におけるロードセルの出力との間の差を維持するロードセルの性能。
3.4.16
最小測定量出力への温度影響 (temperature effect on minimum dead load output)
周囲温度の変化に起因する最小測定量出力の変化。
3.4.17
感度への温度影響 (temperature effect on sensitivity)
周囲温度の変化に起因する感度変化。
3.5
影響及び基準条件の用語
3.5.1
影響量 (influence quantity)
3.5.1.0A 一般
測定の対象ではないが,測定値に影響を与える量(例えば,ロードセルで測定値を観察又は記録した瞬
間の温度又は湿度のレベル)。
3.5.1.1
妨害 (disturbance)
規定した限度内の値であるが,ロードセルの規定の定格動作条件を超える値をもつ影響量。
3.5.1.2
影響因子 (influence factor)
ロードセルの規定の定格動作条件範囲内の値をもつ影響量(例えば,ロードセルを試験する温度又は電
源電圧の変動)。
3.5.2
定格動作条件 (rated operating conditions)
ロードセルの計量特性が,規定の最大許容誤差内に入るよう,影響量の値の範囲を与える使用条件。
注記 一般に,定格動作条件によって,測定量及び影響量の範囲又は定格値を規定する。
3.5.3
基準条件 (reference conditions)
計量結果の有効な相互比較を保証するために定めた影響因子の一連の規定値。
注記 一般に,基準条件はそのロードセルに影響する影響量に対する基準値又は基準範囲を含む。
3.6
用語の定義の説明図
図1に示す太い実線の上側に示す用語は,そのロードセルの設計上,定めたパラメタである。その実線
の下側に示す用語は,ロードセルの試験において適用する条件に依存して変化するパラメタである。
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図1−用語の定義の説明図
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計量単位
質量の計量単位は,グラム(g),キログラム(kg)又はトン(t)とする。
5
計量要件
5.1
精度等級
ロードセルは,ロードセル検定目量の最大数に従って,次の4種類の精度等級に分類する。
− クラスA
− クラスB
− クラスC
− クラスD
5.2
ロードセル検定目量の最大数
荷重負荷装置において,ロードセルの測定範囲を分割することができるロードセル検定目量の最大数
(nmax)は,表1に規定する限界値の範囲内になければならない。
表1−精度等級別のロードセル検定目量の最大数(nmax)
精度等級
クラスA
クラスB
クラスC
クラスD
下限値
50 000
5 000
500
100
上限値
無制限
100 000
10 000
1 000
5.3
最小ロードセル検定目量
最小ロードセル検定目量(vmin)は,附属文書に記載しなければならない。
5.4
補助分類
ロードセルは,そのロードセルに負荷する荷重のタイプ,すなわち,圧縮荷重又は引張荷重によっても
分類しなければならない。ロードセルは,そのロードセルに負荷できる荷重のタイプが異なるごとに,分
類が異なる可能性がある。その分類に適用する荷重のタイプは,附属文書に記載しなければならない。複
数の荷重のタイプのロードセルの場合には,各荷重のタイプは個別に分類しなければならない。
5.5
ロードセルの分類方法
5.5.0A
一般
ロードセルは,次の六つに分類する。その一例を,図2に示す。
a) 精度等級の指定(5.1及び5.5.1参照)。
ロードセル測定範囲
最大測定範囲
最小測定量
(Emin)
最大容量
(Emax)
測定範囲の最小荷重
(Dmin)
測定範囲の最大荷重
(Dmax)
許容過負荷
(Elim)
無負荷
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b) ロードセル検定目量の最大数(5.2及び5.5.2参照)。
c) 必要な場合,荷重のタイプ(5.4及び5.5.3参照)。
d) 必要な場合,動作温度の限界値(5.5.4参照)。
e) 必要な場合,湿度記号(5.5.5参照)。
f)
5.5.1〜5.5.8に示すような追加の特性情報。
5.5.1
精度等級の指定
クラスAのロードセルは,文字“A”,クラスBは文字“B”,クラスCは文字“C”及びクラスDは文
字“D”によって指定する。
5.5.2
ロードセル検定目量の最大数
ロードセル検定目量の最大数は,実際の単位(例3 000)と精度等級の指定(5.5.1参照)とを組み合わ
せて,分類記号(5.5.7)を表す場合には,1 000の単位で指定する。
5.5.3
ロードセルに負荷できる荷重のタイプの指定
ロードセルに負荷できる荷重のタイプの指定は,それがそのロードセルの構造から明確に識別できない
場合には,表2に示す記号を用いて指定する。
5.5.4
使用温度範囲の指定
6.5.1.1に規定する温度範囲で,ロードセルが6.1〜6.5の最大許容誤差の範囲内で使用することができな
い場合,6.5.1.2に示す使用温度範囲の幅で使用可能温度範囲を指定する。その場合には,使用温度の限界
値を摂氏温度(℃)で指定する。
図2−標準分類記号の説明
精度等級の指定
A‐クラスA
B‐クラスB
C‐クラスC
D‐クラスD
湿度記号
1. NH
2. SH
3. CH又は記号なし
1 000の単位で表したロードセル
の検定目量の最大数
例 3は3 000を表す。
1.5は1 500を表す。
動作温度の限界値
例えば,−5/30は−5 ℃〜30 ℃を表す。
注記:これは温度限界が−10 ℃〜
40 ℃とは異なるときだけ必
要である(5.5.7参照)。
異なるタイプの荷重に対する記号
↑
引張り
↓
↓
圧縮
↑
ビーム↓又は↑
(上向き荷重又は下向き荷重)
↑↓
引張り及び圧縮兼用
↓↑
例 C3 NH ↑ −5/30
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表2−異なるタイプの荷重に対する記号
荷重のタイプ
記号
引張り
↑
↓
圧縮
↓
↑
ビーム(上向き荷重又は下向き荷重)
↑又は↓
引張り及び圧縮兼用
↑↓
↓↑
5.5.5
湿度記号
5.5.5.1
湿度記号NH
8.2.5又は8.2.6に規定する湿度試験のいずれの対象にもならないロードセルには,記号NHを表記する。
5.5.5.2
湿度記号CH
8.2.5に規定する湿度試験を行う必要があるロードセルには,記号CHを表記又は記号を表記しなくても
よい。
5.5.5.3
湿度記号SH
8.2.6に規定する湿度試験を行う必要があるロードセルには,記号SHを表記する。
5.5.6
追加情報
5.5.6.1
必す(須)の追加情報
5.5.1〜5.5.5の必要な情報のほか,次の情報を表記する。
a) 製造事業者名(登録商標又は記号)
b) ロードセルの型式名
c) 製造番号及び製造年月日
d) 最小測定量(Emin),最大容量(Emax),許容過負荷(Elim)(すべてg,kg又はtの必要な単位での値)
e) 最小ロードセル検定目量(vmin)
f)
指定した性能を得るために,表記しなければならない他の適切な情報(例えば,定格出力,入力イン
ピーダンス,電源電圧,ケーブルの詳細などのそのロードセルの電気的特性)
g) 誤差配分(PLC)が0.7に等しくない場合には,誤差配分(PLC)の値。
h) 製品の名称,規格番号及び種類・等級
5.5.6.2
必す(須)ではない追加の情報
5.5.1〜5.5.6.1の必要な情報のほか,次を追加情報として表記してもよい。
a) はかり(例 OIML R 76による複目量はかり)に対して,最小ロードセル検定目量(vmin),相対的最
小目量(Y )。ここに,Y=Emax/ vmin(3.3.14参照)。
b) はかり(例 OIML R 76による複目量はかり)に対して,最小測定量出力戻り(DR),相対的最小測
定量出力戻り(Z)。ここに,Z=Emax/(2×DR)(3.3.13参照)であり,最小測定量出力戻り(DR)は,
6.3.2に示す最大許容の最小測定量出力戻りの値に設定する。
5.5.7
標準的な分類
標準的な分類の例を,表3に示す。
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表3−ロードセルの分類の例
分類記号
説明
C2
クラスC,2 000目量,湿度記号CH,−10 ℃〜40 ℃
C3 5/35
クラスC,3 000目量,湿度記号CH,5 ℃〜35 ℃
C2 NH
クラスC,2 000目量,−10 ℃〜40 ℃
湿度試験の対象とはならない。
5.5.8
複数分類
異なるタイプの荷重に対して複数に分類できるロードセルは,分類ごとに複数の情報を表記する。その
一例を,表4に示す。
表4−複数分類の例
分類記号
説明
C2
C1.5
↑
↓
クラスC,2 000目量,湿度記号CH,ビーム,
上向き荷重 −10 ℃〜40 ℃
クラスC,1 500目量,湿度記号CH,ビーム,
下向き荷重 −10 ℃〜40 ℃
C1
C3
↓
↑
↑
↓
−5/30
−5/30
クラスC,1 000目量,湿度等級CH,圧縮,
−5 ℃〜30 ℃
クラスC,3 000目量,湿度等級CH,引張り,
−5 ℃〜30 ℃
5.6
表示
5.6.1
ロードセルへの表示
ロードセルには,5.5で要求している情報のうち,次の情報は,読みやすく,かつ,消滅しないように,
その見やすい箇所に表示する。
a) 製造事業者名又は登録商標
b) 指定製造事業者名又はロードセルの型式名
c) 製造番号
d) 最大容量(Emax)
また,上記以外の5.5で要求している情報については,可能な限りロードセルに表示する。
5.6.2
附属文書への表示
5.5で要求している情報は,可能な限り製造事業者が提供する附属文書の中に表示する。
6
ロードセルの最大許容誤差
6.1
各精度等級に対する最大許容誤差
6.1.0A
一般
各精度等級に対するロードセルの最大許容誤差[最小測定量(Emin)においてゼロに調整するロードセ
ルの出力]は,そのロードセルに対して規定するロードセルの検定目量の最大数(5.2参照)及びそのロー
ドセル検定目量(v)の影響を受ける。
11
B 7612-1:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6.1.1
評価試験
最大許容誤差は,表5の左欄の式を使って導いた値でなければならない。誤差配分(PLC)は,0.7以外
の場合には,その製造事業者が選定し,宣言しなければならない。誤差配分は,0.3〜0.8の範囲内(0.3≦
PLC≦0.8)になければならない。
上記の誤差の限界は,直線性誤差及びヒステリシス誤差,並びに6.5.1.1及び6.5.1.2に規定する温度範囲
で感度への温度影響に起因するものを含む。
表5−評価試験における最大許容誤差(mpe)
最大許容
誤差
(mpe)
荷重(m)
クラスA
クラスB
クラスC
クラスD
PLC×0.5 v
PLC×1.0 v
PLC×1.5 v
0 ≦m≦ 50 000 v
50 000 v <m≦ 200 000 v
200 000 v <m
0 ≦m≦ 5 000 v
5 000 v <m≦ 20 000 v
20 000 v <m≦100 000 v
0 ≦m≦ 500 v
500 v <m≦ 2 000 v
2 000 v <m≦ 10 000 v
0 ≦m≦
50 v
50 v <m≦
200 v
200 v <m≦ 1 000 v
6.2
誤差の決定に関する規則
6.2.1
条件
表5の誤差の限界は,次の条件に適合するすべてのロードセルの測定範囲に対して適用しなければなら
ない。
n≦nmax
v≧vmin
6.2.2
誤差の限界値
上記の誤差の限界値は,6.1に規定する許容誤差を参照する。それは20 ℃において増加方向の荷重で負
荷した最小の荷重出力と計測範囲の75 %の荷重に対するロードセルの出力とを通過する直線を基準とす
る。これは20 ℃での初期の試験荷重に基づいている(B.2.2参照)。
6.2.3
最初の読み
試験の実行時,表6に示す負荷又は除荷(いずれか適切な方)の開始の一定時間後に,最初の読みを測
定する。
表6−読みに先立って達成すべき負荷時間及び安定化の
時間の合計時間(両時間はほぼ同等)
荷重(m)の変化 kg
合計時間 s
0
10
100
1 000
10 000
100 000
< m ≦
< m ≦
< m ≦
< m ≦
< m ≦
< m
10 kg
100 kg
1 000 kg
10 000 kg
100 000 kg
10
20
30
40
50
60
注記 合計時間の誤差は±10 %。
6.2.3.1
負荷又は除荷時間
負荷又は除荷時間は規定した合計時間の約半分とし,残りの時間は安定化のために使う。試験は一定条
件下で行う。試験報告書の中の時刻は絶対的時刻(日本国内では日本標準時刻)で記録する。
6.2.3.2
負荷及び除荷時間が達成できない場合
12
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指定した負荷又は除荷時間が達成できない場合には,次を適用する。
a) 最小測定量出力戻り試験の場合,負荷又は除荷時間は規定値の150 %を上限として規定値より長くし
てもよい。ただし,除荷したときの測定範囲の最小荷重出力の最初の読みと負荷前の読みとの許容差
については,規定値からの減少率をその50 %を限度として負荷時間増加率に比例する。
注記 規定値100 %のときの許容差を100 %としたとき,規定値の150 %のときは許容差を50 %
とする。規定値100 %〜150 %の間の許容差の減少率は,規定値に比例するように設定する。
b) それ以外の場合,規定の時間が達成できないときには実際の時間を試験報告書に記録する。
6.3
許容可能な変動
6.3.1
クリープ
6.3.1.0A
一般
一定の測定範囲の最大荷重(Dmax)で,最大容量(Emax)の90 %〜100 %の荷重をロードセルに負荷し
た状態で,最初の読みと,次の30分間で得られた任意の読みとの差の絶対値が,負荷した荷重に対する最
大許容誤差(mpe)(6.3.1.1参照)の0.7倍を超えてはならない。また,最初の読みから20分で得られた読
みと30分で得られた読みとの差の絶対値は,最大許容誤差(mpe)(6.3.1.1参照)の0.15倍を超えてはな
らない。
6.3.1.1
クリープに対する最大許容誤差
誤差配分(PLC)に対して製造事業者がいかなる値を宣言していても,クリープに対する最大許容誤差
(mpe)は,誤差配分(PLC)=0.7を使って表5から決定する。
6.3.2
最小測定量出力戻り
最初の測定範囲の最小荷重のときの測定値と,最大容量(Emax)の90 %〜100 %の測定範囲の最大荷重
(Dmax)を30分間負荷した後の測定範囲の最小荷重のときの測定値との差が,そのロードセル検定目量の
半分の値(0.5 v)を超えてはならない。
6.4
繰返し性誤差
クラスA及びクラスBに対しては同じ荷重を5回,クラスC及びクラスDに対しては同じ荷重を3回
負荷した結果,それぞれの最大の差が,その荷重に対する最大許容誤差の絶対値より大きくてはならない。
6.5
影響量
6.5.1
温度
6.5.1.1
温度限界
最小測定量出力に及ぼす温度の効果を除いて,6.5.1.2に規定していない限り,ロードセルは−10 ℃〜
40 ℃の温度範囲で6.1.1の最大許容誤差の範囲内で動作しなければならない。
6.5.1.2
特別限界温度
特定の使用温度限界をロードセルに表記している場合には,その限界内で計量要件を満たさなければな
らない。これらの温度範囲の幅は,少なくとも次の値でなければならない。
− クラスAのロードセルの場合:5 ℃
− クラスBのロードセルの場合:15 ℃
− クラスC又はクラスDのロードセルの場合:30 ℃
6.5.1.3
最小測定量出力に及ぼす温度影響
6.5.1.1又は6.5.1.2に規定する温度範囲でのロードセルの最小測定量出力は,次の周囲温度の変化に対し
て,誤差配分(PLC)に最小ロードセル検定目量(vmin)を乗じた値以上変動してはならない。
− クラスAの場合:2 ℃
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− クラスB,クラスC又はクラスDの場合:5 ℃
なお,測定範囲の最小荷重出力は,そのロードセルが周囲温度において熱的に安定した状態で測定する。
6.5.2
気圧
ロードセルの出力は95 kPa〜105 kPaの範囲で,1 kPaの気圧変化に対して最小ロードセル検定目量(vmin)
より大きく変化してはならない。
6.5.3
湿度
6.5.3.0A
一般
a) 記号NHと表記しているロードセルは,8.2.5又は8.2.6に規定する湿度試験の対象にはならない。
b) 記号CHと表記又は湿度記号が未表記のロードセルは,8.2.5に規定する湿度試験を実施する。
c) 記号SHと表記しているロードセルは,8.2.6に規定する湿度試験を実施する。
6.5.3.1
湿度誤差(CHが表記又は湿度記号の表記がないロードセルに対して適用し,NH又はSHの表記
のあるロードセルに対しては適用しない。)
湿度試験実行前の測定範囲の最小荷重出力の読みの平均値と8.2.5による湿度試験実行後に得られた同
じ荷重に対する読みの平均値との差は,最大容量(Emax)における出力と最小測定量(Emin)における出力
との差の4 %以下でなければならない。
クラスC及びクラスDのロードセルに対しては,測定範囲の最大荷重(Dmax)において三つの出力値,
クラスA及びクラスBのロードセルに対しては五つの出力値(測定範囲の最小荷重出力に対し補正した値)
が,8.2.5による湿度試験実行前に得られた値の平均値と,湿度試験実行後に同じ測定範囲の最大荷重(Dmax)
に対して得られた三つの出力値の平均値又は五つの出力値の平均値との差が,そのロードセル検定目量(v)
の値を超えてはならない。
6.5.3.2
湿度誤差(SHの表記のあるロードセルに対して適用し,CH若しくはNHの表記又は湿度記号の
表記のないロードセルに対しては適用しない。)
ロードセルは,8.2.6による湿度試験実行時に適用する最大許容誤差(mpe)を満足しなければならない。
6.6
計測標準
荷重負荷装置と指示計(ロードセルの出力を観察するために使われる。)との組合せによる拡張不確かさ
(U)(包含係数k=2の場合)は,その被試験ロードセルの最大許容誤差の1/3倍より小さくなければなら
ない。
7
ロードセルの試験サンプルの選択方法
最大容量,検定目量などが異なる複数のロードセルのグループからなるファミリを評価する場合は,次
の規定を適用する(附属書A参照)。
7.1
試験に必要なロードセルの数
試験に必要なロードセルの数は,最小にする。
7.2
異なるグループに属している同じ最大容量のロードセル
同じ最大容量のロードセルが異なるグループに属している場合は,計量特性が最良であるロードセルを
承認すると,計量特性がそれより劣るロードセルも承認することになる。したがって,計量特性が最良で
あるロードセルを評価試験のために選択する。
7.3
最大容量が異なるロードセル
ロードセルの最大容量が,評価試験したロードセルの最大容量を超えていた場合でも,その5倍を超え
ていなければ同時に承認してよい。
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7.4
グループ内の最も小さい最大容量のロードセル
任意のファミリに対し,計量特性が最良である最も小さい最大容量のロードセルを,グループから評価
試験のために選択する。7.2及び7.3の要件に従い既に選択したロードセルの許容容量範囲に入っている場
合は,選択する必要がない。
7.5
最大容量とそれに最も近くて小さい最大容量との比
選択したロードセルの最大容量の5倍を超えているロードセルが各グループの中にある場合は,そのロ
ードセルを選択しなければならない。
選択したロードセルの計量特性が最もよいグループから,最大容量の5倍を超えて10倍以内である,次
の最大容量のロードセルを選択する。この基準を満たす最大容量のロードセルがない場合には,最大容量
の10倍を超えるロードセルで,最も小さい最大容量のものを選択する。同様に順次,グループごとにロー
ドセルを選択する。
7.6
湿度試験
一つのファミリの中から二つ以上のロードセルを評価試験する場合には,一つのロードセルは湿度試験
をしなければならない。その場合,最もよい計量特性[例えば,ロードセル検定目量の最大数(nmax)の
最大値又は最小ロードセル検定目量(vmin)の最小値]のロードセルを選択する。
8
試験
8.1
試験条件
8.1.1
試験装置
評価試験のための基本装置は,荷重負荷装置及びそのロードセルの出力を測定する適切な線形の指示計
(6.6参照)で構成しなければならない。
8.1.2
環境及び試験条件に対する一般的考察
8.1.2.0A
一般
ロードセルの試験及び評価を実行する前に,その評価を行う環境及び試験条件に対して慎重な注意を払
わなければならない。環境及び試験条件に大きな変化があった場合は,その結果に影響が及ぶことを見過
ごすことが多い。すべての評価試験に対して,それに先立って,次の事項を考慮する。
8.1.2.1
重力加速度
試験で使われる質量標準は,必要であれば試験場所で補正する。その試験場所の重力加速度(g)の値
を試験結果とともに記録する。荷重を負荷するために用いる質量標準の値は,質量の国家標準に対してト
レーサビリティでなければならない。
8.1.2.2
環境条件
試験は安定な環境条件下で実行する。試験中の最大温度差は2 ℃以下で,ロードセルの使用温度範囲の
1/5を超えないとき,その周囲温度は安定であるとみなす。
8.1.2.3
負荷条件
そのロードセルに固有でない誤差が含まれることを防止するために,負荷条件に対して表面粗さ,平面
度,腐食,引っかききず,偏心などの要因に注意する。負荷条件は,そのロードセル製造事業者の条件に
従うとともに,荷重はそのロードセルに対して衝撃を与えず,そのロードセルの荷重軸に沿って負荷及び
除荷する。
8.1.2.4
測定範囲の限界
測定範囲の最小荷重(Dmin)は,荷重負荷装置で可能な最小測定量(Emin)にできるだけ近く,それより
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大きい値でなければならない。また,測定範囲の最大荷重(Dmax)は,最大容量(Emax)の90 %以下では
なく,最大容量(Emax)を超えてはならない(図1参照)。
8.1.2.5
参照標準
参照標準は,使用状況によって変化するため,定期的に検証する。
8.1.2.6
安定状態に達するまでの時間
ロードセル及び指示計が安定状態に達するまでの時間について,製造事業者が推奨している場合には,
それに従う。
8.1.2.7
温度条件
ロードセルの温度が安定するまでには十分な時間が必要であり,大形ロードセルに対しては,特にこの
条件に注意する。荷重負荷装置は,ロードセルの内部に大きな温度こう配を生じないように設計しなけれ
ばならない。ロードセル及びその中に組込みであるもの又は取付け手段(ケーブル,チューブなど)は,
同じ試験温度でなければならない。指示計は室温に保持し,結果を求めるときは,補助的な接続手段に及
ぼす温度影響も考慮する。
8.1.2.8
気圧の影響
気圧の変化がロードセルの出力に大きく影響する可能性がある場合は,その変化を考慮する。
8.1.2.9
荷重負荷装置の性能
6.6に規定する,許容誤差内に読みを収めるために十分な安定性をもつ指示計及び荷重負荷装置を用いる。
8.1.2.10 指示計の確認
指示計には,性能を検証又は補償するための機能を内蔵しているものがある。その機能を内蔵している
場合には,実行中の試験で必要な精度の範囲内にその指示計があることを保証するため,その機能を頻繁
に利用しなければならない。その指示計は定期的に校正する。
8.1.2.11 その他の条件
製造事業者が規定する入力及び出力電圧,電気的感度などのその他の条件を試験時に考慮する。
8.1.2.12 日付及び時刻のデータ
試験報告書にデータが後で記録できるように,すべての日付及び時刻を記録する。その日付はISO 8601
の書式に従って,ccyy-mm-ddのように記録する。
注記 混乱が生じる可能性がない場合は,西暦年の最初の2けた“cc”を省略してもよい。
8.1.2.13 スパンの安定性
荷重負荷装置へのロードセルの設置は,特に注意して行う。
注記 この試験の目的は,荷重負荷装置に対するロードセルの取付け及び取外し,若しくは,取付け
又は取外しが計量特性に及ぼす影響を測定することではない。
8.2
試験手順
8.2.0A
一般
次の各試験は個々の試験として提示する。しかし,ロードセルの試験を効率的に実行するために,負荷,
除荷,クリープ及び最小測定量出力戻り試験は,次の試験温度に変わる前に規定した試験温度で実行する
(8.3,図3及び図4を参照)。また,気圧及び湿度試験は,前記の試験完了後に,個々に実施する。
8.2.1
ロードセルの誤差,繰返し性誤差,最小測定量出力に及ぼす温度影響の決定
8.2.1.1
試験条件の確認
次の試験を実行する前に,8.1に規定する試験条件を適切に考慮していていることを確認するために,そ
の試験条件を参照する。
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8.2.1.2
ロードセルの取付け
ロードセルを荷重負荷装置に取り付け,測定範囲の最小荷重(Dmin)を負荷し,20 ℃で安定させる。
8.2.1.3
予備負荷
測定範囲の最大荷重(Dmax)を3回負荷し,各荷重の負荷後に測定範囲の最小荷重(Dmin)へ戻すこと
によってロードセルの予備負荷を行い,その後5分間待つ。
8.2.1.4
指示計の確認
8.1.2.10に従って指示計を確認する。
8.2.1.5
ロードセルの監視
安定するまで測定範囲の最小荷重(Dmin)を監視する。
8.2.1.6
測定値の記録
測定範囲の最小荷重(Dmin)における測定値を記録する。
8.2.1.7
測定点
負荷及び除荷のシーケンス中のすべての測定間隔は,ほぼ等しい時間でなければならない。読取りは,
表6に規定する時間にできるだけ近い間隔で行い,これらの間隔を記録する。
8.2.1.8
荷重の負荷
測定範囲の最大荷重(Dmax)まで荷重を増加させながら負荷し,少なくとも五つの増加方向の荷重点で
負荷を行う。表5に規定するロードセルの最大許容誤差の適用可能なステップにおける,最大値に近い荷
重を含まなければならない。
8.2.1.9
測定値の記録
表6で規定する時間にできるだけ近い間隔で,測定値を記録する。これら二つの時間間隔を記録する。
8.2.1.10 試験荷重の除荷
8.2.1.8の荷重点と同じ荷重点を用い,試験荷重を測定範囲の最小荷重(Dmin)まで除荷する。
8.2.1.11 測定値の記録
表6に規定する時間にできるだけ近い間隔で,測定値を記録する。これら二つの時間間隔を記録する。
8.2.1.12 異なる精度等級に対する手順の繰返し
8.2.1.7〜8.2.1.11の手順を,クラスA及びクラスBに対しては更に4回,クラスC及びクラスDに対し
ては更に2回繰り返す。
8.2.1.13 異なる温度に対する手順の繰返し
8.2.1.3〜8.2.1.12の手順を,最初に精度等級に応じた温度限界の上限温度で実施し,次に下限温度で実施
し,最後に再度20 ℃で実施する。
8.2.1.14 ロードセルの誤差の決定
ロードセルの誤差は,各温度レベルで実行した試験結果の平均値に基づいて決定し,6.1.1のロードセル
の最大許容誤差と比較する。
8.2.1.15 繰返し性誤差の決定
測定結果から,繰返し性誤差を決定し,6.4で規定する限界値と比較する。
8.2.1.16 最小測定量出力に及ぼす温度影響の決定
測定結果から,最小測定量出力に及ぼす温度影響を決定し,6.5.1.3で規定する限界値と比較する。
8.2.2
クリープ誤差の測定
8.2.2.1
試験条件の確認
次の試験を実行する前に,8.1に規定する試験条件を適切に考慮していることを確認するために,その試
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験条件を参照する。
8.2.2.2
ロードセルの取付け
ロードセルを荷重負荷装置に取り付け,測定範囲の最小荷重(Dmin)を負荷し,20 ℃で安定させる。
8.2.2.3
予備負荷
測定範囲の最大荷重(Dmax)を3回負荷し,各荷重を負荷後に測定範囲の最小荷重(Dmin)へ戻すこと
によってロードセルの予備負荷を行い,その後1時間待つ。
8.2.2.4
指示計の確認
8.1.2.10に従って指示計を確認する。
8.2.2.5
ロードセルの監視
安定するまで測定範囲の最小荷重(Dmin)を監視する。
8.2.2.6
測定値の記録
測定範囲の最小荷重(Dmin)における測定値を記録する。
8.2.2.7
荷重の負荷
一定の測定範囲の最大荷重(Dmax)を負荷する。
8.2.2.8
測定値の記録
表6に規定する時間に初期の測定値を記録する。その後の30分間は周期的に記録する。そのとき,20
分で必ず記録する。
8.2.2.9
異なる温度に対する手順の繰返し
8.2.2.3〜8.2.2.8の手順を,最初に精度等級に応じた温度限界の上限温度で実施し,次に下限温度で実施
する。
8.2.2.10 クリープ誤差の測定
測定結果及び8.1.2.8による気圧の変化を考慮し,クリープ誤差の大きさを求め,6.3.1に規定する許容変
動と比較する。
8.2.3
最小測定量出力戻り(DR)の測定
8.2.3.1
試験条件の確認
次の試験を実行する前に,8.1に規定する試験条件を適切に考慮していることを確認するために,その試
験条件を参照する。
8.2.3.2
ロードセルの取付け
ロードセルを荷重負荷装置に取り付け,測定範囲の最小荷重(Dmin)を負荷し,20 ℃で安定させる。
8.2.3.3
予備負荷
測定範囲の最大荷重(Dmax)を3回負荷し,各荷重を負荷後に測定範囲の最小荷重(Dmin)へ戻すこと
によってロードセルの予備負荷を行い,その後1時間待つ。
8.2.3.4
指示計の確認
8.1.2.10に従って指示計を確認する。
8.2.3.5
ロードセルの監視
安定するまで測定範囲の最小荷重(Dmin)を監視する。
8.2.3.6
測定値の記録
測定範囲の最小荷重(Dmin)における測定値を記録する。
8.2.3.7
荷重の負荷
一定の測定範囲の最大荷重(Dmax)を負荷する。
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8.2.3.8
測定値の記録
表6に規定する値にできるだけ近い時間で,指示計の初期の測定値を記録する。測定範囲の最大荷重を
負荷した時刻を記録し,その荷重を30分間維持し,その時刻を記録する。
8.2.3.9
データの記録
除荷開始時刻を記録し,測定範囲の最小荷重(Dmin)へ戻す。
8.2.3.10 測定値の記録
表6に規定する値にできるだけ近い時間で,測定値を記録する。これらの二つの時間間隔を記録する。
8.2.3.11 異なる温度に対する手順の繰返し
8.2.3.3〜8.2.3.10の手順を,最初に精度等級に応じた温度限界の上限温度で実施し,次に下限温度で実施
する。
8.2.3.12 最小測定量出力戻り(DR)の決定
測定結果から,最小測定量出力戻り(DR)の大きさを決定し,6.3.2に規定する許容変動と比較する。
8.2.4
気圧の降下の測定
8.2.4.0A 一般
この試験は,ロードセルの性能が気圧の変化に影響しないことを確認するために行う。
8.2.4.1
試験条件の確認
次の試験を実行する前に,8.1に規定する試験条件を適切に考慮していることを確認するために,その試
験条件を参照する。
8.2.4.2
ロードセルの取付け
ロードセルを室温の状態で,大気圧の圧力チャンバに取り付ける。
8.2.4.3
指示計の確認
8.1.2.10に従って指示計を確認する。
8.2.4.4
ロードセルの監視
安定するまで測定範囲の最小荷重(Dmin)を監視する。
8.2.4.5
測定値の記録
測定値を記録する。
8.2.4.6
気圧の変化
気圧を大気圧より約1 kPa低い値又は高い値に変え,測定値を記録する。
8.2.4.7
気圧誤差の決定
測定結果から,気圧の影響の大きさを求め,6.5.2に規定する限界と比較する。
8.2.5
CHと表記又は何も表記していないロードセルに対する湿度影響の測定
8.2.5.1
試験条件の確認
次の試験を実行する前に,8.1に規定する試験条件を適切に考慮していることを確認するために,その試
験条件を参照する。
8.2.5.2
ロードセルの取付け
ロードセルを荷重負荷装置に取り付け,測定範囲の最小荷重(Dmin)を負荷し,20 ℃で安定させる。
8.2.5.3
予備負荷
測定範囲の最大荷重(Dmax)を3回負荷し,各荷重を負荷後に測定範囲の最小荷重(Dmin)へ戻すこと
によって予備負荷を行う。
8.2.5.4
指示計の確認
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8.1.2.10に従って指示計を確認する。
8.2.5.5
ロードセルの監視
安定するまで測定範囲の最小荷重(Dmin)を監視する。
8.2.5.6
測定値の記録
測定範囲の最小荷重(Dmin)における測定値を記録する。
8.2.5.7
荷重の負荷
測定範囲の最大荷重(Dmax)を負荷する。
8.2.5.8
測定値の記録
表6で規定する時間にできるだけ近い間隔で,最初の測定値を記録する。これらの二つの時間間隔を記
録する。
8.2.5.9
荷重の除荷
試験荷重を取り除き測定範囲の最小荷重(Dmin)にする。
8.2.5.10 測定値の記録
表6で規定する値にできるだけ近い時間で,測定値を記録する。これらの二つの時間間隔を記録する。
8.2.5.11 異なる精度等級に対する手順の繰返し
8.2.5.7〜8.2.5.10の手順を,クラスA及びクラスBに対しては更に4回,クラスC及びクラスDに対し
ては更に2回繰り返す。
8.2.5.12 ダンプヒートの繰返し試験の実施
IEC 60068-2-30:2005に従ってダンプヒートの繰返し試験を行う。
a) 試験手順の要約 この試験は,それぞれ24時間続く温度サイクルに12回暴露することによって行う。
規定したサイクルに従って,相対湿度は80 %〜96 %,温度は25 ℃〜40 ℃の間で変化させる。
b) 試験の条件 40 ℃,12サイクル。
c) 初期測定 8.2.5.1〜8.2.5.11による。
d) 試験中のロードセルの状態 出力が恒温恒湿槽の外部へ接続し,電源がオフになっている状態でロー
ドセルを放置する。温度を下げるときは,IEC 60068-2-30:2005に従って行う。
e) 回復条件及び最終測定 8.2.5.13による。
8.2.5.13 恒温恒湿槽からのロードセルの取外し
ロードセルを恒温恒湿槽から取り外し,表面の水分を慎重にふき取り,温度安定性を得るのに十分な時
間(通常は1〜2時間),標準大気状態においてロードセルを放置する。
測定範囲の最小荷重(Dmin)及び測定範囲の最大荷重(Dmax)が恒温恒湿槽に入れる前に測定したとき
と同じであることを確認した後,8.2.5.1〜8.2.5.11の手順を繰り返す。
8.2.5.14 湿度の起因による変動の大きさの測定
測定結果から,湿度の起因する変動の大きさを求め,6.5.3.1に規定する限界値と比較する。
8.2.6
SHと表記したロードセルに対する湿度影響の測定
8.2.6.1
試験条件の確認
次の試験を実行する前に,8.1に規定する試験条件を適切に考慮していることを確認するために,その試
験条件を参照する。
8.2.6.2
ロードセルの取付け
ロードセルを荷重負荷装置に取り付け,測定範囲の最小荷重(Dmin)を負荷し,20 ℃で安定させる。
8.2.6.3
予備負荷
20
B 7612-1:2008
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測定範囲の最大荷重(Dmax)を3回負荷し,各荷重を負荷後,測定範囲の最小荷重(Dmin)へ戻すこと
によって,ロードセルの予備負荷を行う。
8.2.6.4
指示計の確認
8.1.2.10に従って指示計を確認する。
8.2.6.5
ロードセルの監視
安定するまで測定範囲の最小荷重(Dmin)を監視する。
8.2.6.6
測定値の記録
測定範囲の最小荷重(Dmin)における測定値を記録する。
8.2.6.7
測定点
負荷及び除荷のシーケンス中のすべての測定間隔は,ほぼ等しい時間でなければならない。読取りは,
表6に規定する時間にできるだけ近い間隔で行い,これらの間隔を記録する。
8.2.6.8
荷重の負荷
測定範囲の最大荷重(Dmax)まで荷重を増加させながら負荷し,少なくとも五つの増加方向の荷重点で
負荷を行う。表5に規定するロードセルの最大許容誤差の適用可能なステップにおける,最大値に近い荷
重を含まなければならない。
8.2.6.9
測定値の記録
表6に規定する時間にできるだけ近い間隔で,測定値を記録する。これら二つの時間間隔を記録する。
8.2.6.10 荷重の除荷
8.2.6.8の荷重点と同じ荷重点を用い,試験荷重を測定範囲の最小荷重(Dmin)まで除荷する。
8.2.6.11 ダンプヒートの定常状態試験の実施
JIS C 60068-2-78:2004及びJIS C 60068-3-4:2004に従ってダンプヒートの定常状態試験を実施する。
a) 試験手順の要約 ロードセルに8.2.6.1〜8.2.6.10の試験を行う。この試験は,ロードセルを一定の温度
及び一定の相対湿度に暴露することを含む。
1) 基準温度(20 ℃又は20 ℃が範囲外にあるときは,温度範囲の平均値)及び調整後の50 %の相対
湿度において試験を行う。
2) ロードセルに対して,6.5.1に規定する範囲の高い温度及び85 %の相対湿度で,温度及び湿度の安
定化後2日間経過した後に試験を行う。
3) 基準温度及び50 %の相対湿度において再び試験を行う。
b) 調整中のロードセルの状態 出力が恒温恒湿槽の外部に接続している状態で,恒温恒湿槽の中にロー
ドセルを設置し,電源を投入する。温度を下げるときはJIS C 60068-2-78:2004に従って行う。
8.2.6.12 測定値の記録
表6に規定する時間にできるだけ近い間隔で,測定値を記録する。これら二つの時間間隔を記録する。
8.2.6.13 湿度に起因する変動の大きさの決定
測定結果から,湿度に起因する変動の大きさを計算し,6.5.3.2に規定する限界値と比較する。
8.3
推奨する試験手順
8.3.1
試験フロー
各試験温度において,すべての試験を同じ荷重負荷装置で実施する場合の試験フローを,図3に示す。
21
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荷重 8.2.2.5〜8.2.2.8
8.2.1.3 8.2.1.5〜8.2.1.12 8.2.3.5〜8.2.3.10
1 2 3
5 分 1時間 30分
時間
図3−すべての試験が同じ荷重負荷装置で実施する場合の試験フロー
8.3.2
最小測定量出力戻りに対する試験フロー
各試験温度において,最小測定量出力戻り(DR)及びクリープ試験だけを行う場合の推奨試験フローを,
図4に示す。
荷重
8.2.2.5〜8.2.2.8
8.2.1.3 8.2.3.5〜8.2.3.10
1 時間 30分
時間
図4−最小測定量出力戻り(DR)及びクリープ試験だけを行う場合の試験フロー
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附属書A
(参考)
ロードセルの試験サンプルの選択方法
A.1 試験サンプルの選択手順
この附属書は,一つのロードセルのファミリから試験サンプルを選択するための手順の一例を示す。
A.2 ファミリの構成
3グループのロードセルから構成するファミリを仮定する。それらは精度等級,ロードセル検定目量の
最大数(nmax)及び最大容量(Emax)が異なる。各グループの最大容量(Emax)は,一部重複している。
グループ1: クラスC,nmax=6 000,Y=18 000,Z=6 000
Emax: 50 kg,100 kg,300 kg及び500 kg
グループ2: クラスC,nmax=3 000,Y=12 000,Z=4 000
Emax: 100 kg,300 kg,500 kg,5 000 kg,10 t,30 t及び50 t
グループ3: クラスB,nmax=10 000,Y=25 000,Z=10 000
Emax: 500 kg,1 000 kg及び4 000 kg
A.2.1 ロードセルの整列
最大容量(Emax)及び精度等級を元に,ロードセルを,次のように並べる。
精度等級
nmax
グループ
Y
Z
最低 Emax,kg
Vmin,kg
◊最高
C3
3 000
2
12 000
4 000
100
0.008 3
300
0.025
500
0.042
5 000
0.42
10 000
0.83
30 000
2.5
50 000
4.17
C6
6 000
1
18 000
6 000
50
0.002 8
100
0.005 5
300
0.016 7
500
0.028
B10
10 000
3
25 000
10 000
500
0.020
1 000
0.040
4 000
0.16
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A.2.2 評価試験する必要のある各グループの最も小さな最大容量のロードセルの識別
精度等級
nmax
グループ
Y
Z
最低 Emax,kg
Vmin,kg
◊最高
C3
3 000
2
12 000
4 000
100
0.008 3
300
0.025
500
0.042
5 000
0.42
10 000
0.83
30 000
2.5
50 000
4.17
C6
6 000
1
18 000
6 000
50
0.002 8
100
0.005 5
300
0.016 7
500
0.028
B10
10 000
3
25 000
10 000
500
0.020
1 000
0.040
4 000
0.16
この例においては,次のロードセルを選択し,識別する。
C6‐50 kg (すべての評価試験が必要)
B10‐500 kg (すべての評価試験が必要)
ロードセルC3‐100 kgは,このグループの中では最大容量が最小であるが,その最大容量は,計量特性
が更によい他の選択したロードセル(C6‐50 kg)の範囲内にある。したがって,それを選択しない。
A.2.3 計量特性が最もよいグループ
計量特性が最もよいグループ(この例においてはB10)から始めて,7.5に従って選択したロードセル(B10
‐500 kg)の最大容量の5倍を超え10倍以下の範囲内の最も小さい最大容量のロードセルを選択する。こ
の基準を満たす最大容量がないとき,その選択したロードセル(B10‐500 kg)の最大容量の10倍を超え
る最も小さい最大容量のロードセルを選択する。そのグループ中のすべてのロードセルの最大容量を考慮
するまで,このプロセスを繰り返す。
精度等級
nmax
グループ
Y
Z
最低 Emax,kg
Vmin,kg
◊最高
C3
3 000
2
12 000
4 000
100
0.008 3
300
0.025
500
0.042
5 000
0.42
10 000
0.83
30 000
2.5
50 000
4.17
C6
6 000
1
18 000
6 000
50
0.002 8
100
0.005 5
300
0.016 7
500
0.028
B10
10 000
3
25 000
10 000
500
0.020
1 000
0.040
4 000
0.16
この例においては,次のロードセルを選択し,識別する。
B10‐4 000 kg(すべての評価試験が必要)
A.2.4 計量特性がA.2.3の次によいグループ
計量特性が次によいグループ(この例においてはC6)へ移動し,選択したロードセル(C6‐50 kg)の
最大容量の5倍を超え10倍以下の範囲内の最も小さい最大容量のロードセルを選択する。この基準を満た
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す最大容量がないとき,その選択したロードセル(C6‐50 kg)の最大容量の10倍を超える最も小さい最
大容量のロードセルを選択する。そのグループ中のすべてのロードセルの最大容量を考慮するまで,この
プロセスを繰り返す。
精度等級
nmax
グループ
Y
Z
最低 Emax,kg
Vmin,kg
◊最高
C3
3 000
2
12 000
4 000
100
0.008 3
300
0.025
500
0.042
5 000
0.42
10 000
0.83
30 000
2.5
50 000
4.17
C6
6 000
1
18 000
6 000
50
0.002 8
100
0.005 5
300
0.016 7
500
0.028
B10
10 000
3
25 000
10 000
500
0.020
1 000
0.040
4 000
0.16
この例においては,選択するロードセルはない。C6‐300 kg及びC6‐500 kgの最大容量は,ロードセ
ルC6‐50kgの最大容量の5倍より大きい。しかし,C6‐300 kg及びC6‐500 kgの最大容量が5倍を超え
10倍以下の範囲内に,計量特性がより良好なロードセル(B10‐500 kg)があり,既に選択している。し
たがって,これの範囲内に収まると考え,試験すべきロードセルの個数を最小化するために,C6‐300 kg
及びC6‐500 kgは選択しない。
A.2.5 計量特性がA.2.4の次によいグループ
計量特性が次によいグループ(この例ではC3)へ移り,7.5に従って選択したロードセル(C6‐50 kg)
の最大容量の5倍を超え10倍以下の範囲内の最も小さい最大容量のロードセル(C3‐300 kg及びC3‐500
kg)を選択する。しかし,これらのロードセル(C3‐300 kg及びC3‐500 kg)の最大容量の5倍を超え
10倍以下の範囲内に,計量特性がより良好なロードセル(B10‐500 kg)があり,既に選択している。
したがって,これの範囲内に収まると考え,試験すべきロードセルの個数を最小化するために,C3‐300
kg及びC3‐500 kgは選択しない。選択したロードセル(B10‐4 000 kg)の最大容量の5倍を超え10倍以
下の範囲内の最も小さい最大容量のロードセル(C3‐30 000 kg)を選択する。
次に,選択したロードセル(C3‐30 000 kg)の最大容量の5倍を超え10倍以下の範囲内の最も小さい
最大容量のロードセルを選択する。
この基準を満たす最大容量がないとき,その選択したロードセル(C3‐30 000 kg)の最大容量が10倍
を超えている最も小さい最大容量のロードセルを選択する。そのグループ中のすべてのロードセルの最大
容量を考慮するまで,このプロセスを繰り返す。この例ではこの条件のロードセルがないので,このグル
ープでの選択を終了する。さらに,すべてのグループを考察するまでこのプロセスを繰り返す。この例で
は,C3の次によいグループがないので,ここで終了する。
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精度等級
nmax
グループ
Y
Z
最低 Emax,kg
Vmin,kg
◊最高
C3
3 000
2
12 000
4 000
100
0.008 3
300
0.025
500
0.042
5 000
0.42
10 000
0.83
30 000
2.5
50 000
4.17
C6
6 000
1
18 000
6 000
50
0.002 8
100
0.005 5
300
0.016 7
500
0.028
B10
10 000
3
25 000
10 000
500
0.020
1 000
0.040
4 000
0.16
この例では,次のロードセルを選択し,識別する。
C3‐30 000 kg(すべての評価試験が必要)
最も小さい最大容量から最も大きい最大容量まで考慮し,既に選択したロードセルの最大容量の5倍よ
り大きい最大容量であるが,その最大容量の10倍より小さい最大容量のロードセルはC3‐30 000 kgのロ
ードセルである。
C3‐50 000 kgのロードセルの最大容量は,選択したロードセル(C3‐30 000 kg)の最大容量の5倍を
超えないので,7.3に従って選択しない。
A.2.6 A.2.2〜A.2.5でロードセルを識別した後
A.2.2〜A.2.5でロードセルを識別した後に,異なるグループ間の同じ最大容量のロードセルを比較する。
最大容量別に精度等級が最高であり,ロードセル検定目量の最大数(nmax)が最大のロードセルを識別す
る(次の表の網掛けをした部分を参照。)。
これらの識別したロードセルから精度等級及びロードセル検定目量の最大数(nmax)が最高で最小ロー
ドセル検定目量(vmin)が最小であるロードセルを識別する。
精度等級
nmax
グループ
Y
Z
最低 Emax,kg
Vmin,kg
◊最高
C3
3 000
2
12 000
4 000
100
0.008 3
300
0.025
500
0.042
5 000
0.42
10 000
0.83
30 000
2.5
50 000
4.17
C6
6 000
1
18 000
6 000
50
0.002 8
100
0.005 5
300
0.016 7
500
0.028
B10
10 000
3
25 000
10 000
500
0.020
1 000
0.040
4 000
0.16
識別したロードセルと同じ最大容量のすべてのロードセルに対して最小ロードセル検定目量(vmin),相
対的最小目量(Y)及び相対的最小測定量出力戻り(Z)の値を比較する。
同じ最大容量のロードセルの中で,識別したロードセルより小さい最小ロードセル検定目量(vmin)又は
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大きい相対的最小目量(Y)をもつロードセルがある場合には,そのロードセル(複数の場合もある。)は,
部分的評価試験,特に最小測定量(Emin)に影響する追加の温度試験及び気圧の試験を行う必要がある。
同じ最大容量のロードセルの中で,識別したロードセルより高い相対的最小測定量出力戻り(Z)をも
つロードセルがある場合には,そのロードセル(複数の場合もある。)は,部分的評価試験,特に追加のク
リープ試験及び最小測定量出力戻り(DR)試験を行う必要がある。
この例において,既に識別したロードセル(B10‐500 kg)が,最小のロードセル検定目量(vmin),最高
の相対的最小目量(Y)及び最も高い相対的最小測定量出力戻り(Z)をもっている。通常このようになる
が,必ずしもこうなるとは限らない。
A.2.7 湿度試験のためのロードセルの選択
適用可能な場合は,特性が最もよいロードセルを選択する。例えば,ロードセル検定目量の最大数(nmax)
の値が最大又は最小ロードセル検定目量(vmin)の値が最小であるロードセルを,7.6に従って湿度試験の
ために選択する。
この例では,ロードセル検定目量の最大数(nmax)の値が最大であるロードセルと,最小ロードセル検
定目量(vmin)の値が最小であるロードセルとは,同じロードセルである。したがって,次のロードセルを
選択する。
B10‐500 kg(湿度試験が必要)
注記 B10の他のロードセルもB10‐500 kgと精度が同等である。したがって,選択することができ
る。500 kgのロードセルを選択したのは,適用可能なB10の最大容量のうち最も小さいものだ
からである。C6‐50 kgのロードセルの最小ロードセル検定目量(vmin)は最も小さい0.002 8
の値であるが,B10のロードセルは最高のロードセル検定目量の最大数(nmax),最高の精度等
級,最高の相対的最小目量(Y)及び相対的最小測定量出力戻り(Z)をもっている。
A.2.8 要約
試験のために選択したロードセルは,次のとおりである。
要約
選択したロードセル
全面的な評価試験が必要なロードセル
C6‐50 kg
B10‐500 kg
B10‐4 000 kg
C3‐30 000 kg
部分的な評価試験を必要とするロードセル
なし
湿度の試験を必要とするロードセル
B10‐500 kg
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附属書B
(参考)
試験報告書のフォーマット
B.1
序文
B.1.1 この附属書の目的は,ロードセルを評価するときに得られた試験結果の提示のための,標準フォー
マットを提供することである。
B.1.2 幾つかの試験は数回繰り返す場合があり,その回数と同じ数のシートを使って報告する。報告書の
ページは,各ページのトップに設けられてある空欄に,ページ数と合計のページ数とを示す。
B.2
計算の手順
B.2.1 必要に応じて,略号(英語の略号)の意味を記載する。
B.2.2 ロードセルの誤差(EL=Error Load test)
B.2.2.1 各試験温度に対して表C.1(3回実行)を完了し,その平均値を計算して右欄に記録する。5回の
実行が必要な場合は,表C.1(5回実行)を使用する。
B.2.2.2 変換係数( f )を決定する。これはロードセルの検定目量(v)当たりで示すためのものであり,
すべての測定値の単位を“v”に変換するために用いる。それは初期の20 ℃定格試験温度での試験荷重の
増加時における測定値の平均値から求める。
B.2.2.3 ロードセルの測定範囲の75 %に対する試験荷重[すなわち,3 000分割のセルの場合2 250分割,
それは測定範囲の最大荷重(Dmax)と測定範囲の最小荷重(Dmin)との差の75 %である。]が表C.1の中
で用いる試験荷重の中に含まれていない場合には,三つの試験すべての平均値のうちの隣り合っている上
側及び下側の値の間で補完し,表C.2の中に記録する(6.2.2参照)。
B.2.2.4 測定範囲の最大荷重(Dmax)と測定範囲の最小荷重(Dmin)との差の75 %での試験荷重の増加時
における測定値の平均値と測定範囲の最小荷重(Dmin)における測定値との差を計算する。その結果(有
効5けた)をその荷重に対する検定目量の数(0.75 n)で除して,変換係数( f )を計算し,附属書Cの
表中に記録する。
(
)
[
]
(
)n
D
D
D
f
×
−
−
=
75
.0
75
min
min
max
における測定値
%における測定値
の
B.2.2.5 表C.2の定格の20 ℃における初期試験に続き,その温度における試験の測定値の平均値を入力
する。このデータを記録するとき,“試験荷重0”の測定値を“0”として示す。これは“無負荷時の測定
値”を“試験荷重の負荷時の測定値”から差し引き,欄の中の最初のエントリが“0”となるようにする必
要がある。これらの“0”が静荷重状態“0”として記録することを明確化するために,その形式であらか
じめ印刷している。
B.2.2.6 表C.2の第2列目は各試験荷重に対して,正味の試験荷重(質量の単位)を“v”の単位に変換し,
変換係数( f )を乗じて基準測定値(Ri)を計算し,記録する。
(
)
(
)
f
n
D
D
D
R
×
×
−
−
=
min
max
min
i
試験荷重
ここに, f=測定値の単位/v
B.2.2.7 表C.2において,各試験温度における各試験荷重に対する平均の測定値と基準測定値との差を計
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B 7612-1:2008
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算し,変換係数( f )で除してロードセルの誤差(EL)を得る。この場合の誤差はロードセル検定目量(v)
の単位で得られる。
(
)
f
R
E
i
L
−
=平均測定値
B.2.2.8 ロードセルの誤差(EL)を各試験荷重に対して対応している最大許容誤差(mpe)と比較する。
B.2.3 繰返し性誤差(ER=誤差の繰返し性)
B.2.3.1 表C.3の中にデータを入力する。
B.2.3.2 附属書C.1において測定値の最大の差を計算し,変換係数( f )で除して繰返し性誤差(ER)を
ロードセル検定目量(v)の単位で得る。
(
)
f
E
最小測定値
最大測定値−
=
R
B.2.3.3 繰返し性誤差(ER)を各試験荷重に対して対応している最大許容誤差(mpe)の絶対値と比較す
る。
B.2.4 最小測定量出力(MDLO)に及ぼす温度影響(CM=MDLOの変化)
B.2.4.1 表C.1から各試験温度に対して,初期測定範囲の最小荷重(Dmin)に対する平均測定値を表C.4
の中に入力する。
B.2.4.2 各温度に対する平均の測定値の差を計算し,変換係数( f )で除してロードセル検定目量(v)
の単位での変化を求める。
(
)
f
T
T
C
における測定値
における測定値
1
2
M
−
=
B.2.4.3 最小測定量出力に及ぼす温度影響(CM)を(T2−T1)で除し,その結果を5倍して5 ℃当たりの
ロードセル検定目量(v)の単位での変化を求める。
B.2.4.4 その結果を質量の単位でのロードセル検定目量(v)当たりの最小ロードセル検定目量(vmin)の
数で乗じる。この結果は誤差配分(PLC)を超えてはならない。
(
)
min
min
max
LC
v
n
D
D
P
−
≦
B.2.5 クリープ及び最小測定量出力戻り(DR)
B.2.5.1 表C.5に記録した測定値から,安定化期間後の試験荷重において得られた初期の測定値と,30分
の試験期間にわたって得られた任意の測定値との間の差の最大値を計算し,それを変換係数( f )[変換
係数( f )はこの試験に対する測定範囲の最大荷重(Dmax)又は測定範囲の最小荷重(Dmin)が“ロード
セルの誤差”の手順,B.2.2での試験荷重における値と異なっている場合は再計算しなければならない。]
で除して,ロードセル検定目量(v)の単位のクリープ誤差(CC)を得る。
(
)
f
C
初期の測定値
測定値−
=
C
B.2.5.2 クリープ誤差(CC)は,その試験荷重に対する最大許容誤差(mpe)の絶対値の0.7倍を超えては
ならない。
B.2.5.3 初期荷重の負荷後20分及び30分において得られた測定値の間の差を計算し,変換係数( f )で
除してクリープ誤差(CC)(30−20)をロードセル検定目量(v)の単位で得る。
29
B 7612-1:2008
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(
)(
)
f
C
分における測定値
分における測定値20
30
20
30
C
−
=
−
B.2.5.4 クリープ誤差(CC)(30−20)は,その試験荷重に対する最大許容誤差(mpe)の絶対値の0.15
倍を超えてはならない。
B.2.5.5 クリープ試験の前後の測定範囲の最小荷重(Dmin)における測定値の間の差を計算し,変換係数
( f )で除して最小測定量出力戻り(CDR)の誤差をロードセル検定目量(v)の単位で得る。
(
)
f
C
1
2
DR
測定値
測定範囲の最小荷重の
の測定値
測定範囲の最小荷重時
−
=
B.2.5.6 表6で規定する時間を満足している場合,最小測定量出力戻り(CDR)は0.5 vを超えてはならな
い。
実際の時間が規定の時間の100 %と150 %との間にある場合は,最小測定量出力戻り(CDR)は,次の
値を超えてはならない。
vの単位で0.5[1−(x−1)] ただし,
規定の時間
実際の時間
=
x
B.2.5.7 OIML R 76は,最小測定量出力戻り(DR)に関係する計算を実行することを要求している。しか
し,最小測定量出力戻り(CDR)は,ロードセル検定目量(v)の単位での最小測定量出力戻りを表し,最
小測定量出力戻り(DR)の値は,質量の単位で表す。
B.2.5.8 次の値の最小測定量出力戻り(DR)を計算する。
(
)
max
DR
max
n
C
E
DR
×
=
B.2.5.9 最小測定量出力戻り(DR)の値は質量の単位で表した0.5vを超えてはならない。
B.2.5.10 誤差配分(PLC)は,製造事業者が宣言している値とは無関係に,誤差配分(PLC)=0.7を使っ
てクリープに対する最大許容誤差(mpe)を,表5から求めなければならない(6.3.1.1参照)。
B.2.6 気圧の影響(CP=気圧の変化による影響)
B.2.6.1 表C.6に記録した測定値から,各圧力に対する測定値の差を計算し,そして変換係数( f )で除
して,ロードセル検定目量(v)の単位での気圧の影響(CP)を得る。
(
)
f
P
P
CP
における測定値
における測定値
1
2
−
=
B.2.6.2 (P2−P1)で除してv/キロパスカル(kPa)における変化を求める。
B.2.6.3 その結果に質量の単位での[(Dmax−Dmin)/n]/vminを乗じて,vmin/kPaの単位で結果を得る。
B.2.6.4 その結果は1を超えてはならない。
B.2.7 湿度の影響(CH又は無表記)(CHmin=湿度の影響の変化の最小値,CHmax=湿度の影響の変化の最
大値)
B.2.7.1 表C.7に記録した測定値から,測定範囲の最小荷重(Dmin)に対するダンプヒート試験前後の値
の差を計算し,変換係数( f )で除して[変換係数( f )はこの試験で測定範囲の最大荷重(Dmax)又は
測定範囲の最小荷重(Dmin)に対して“ロードセルの誤差”の手順,B.2.2.2の中の値と異なっていた場合
に,変換係数( f )を計算しなければならない。],測定範囲の最小荷重での湿度の影響(CHmin)をロード
セル検定目量(v)の単位で計算する。
(
)
(
)
[
]
f
D
D
C
前
における測定値
後
における測定値
min
min
min
H
−
=
30
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B.2.7.2 測定範囲での湿度の影響(CHmin)は,0.04 nmaxを超えてはならない。
B.2.7.3 ダンプヒート試験の前後に必要な回数の試験を実施し,測定範囲の最小荷重(Dmin)及び測定範
囲の最大荷重(Dmax)の平均の測定値を計算する(6.5.3.1及び8.2.5参照)。各試験に対して,平均の測定
範囲の最大荷重(Dmax)の測定値から平均の測定範囲の最小荷重(Dmin)の測定値を差し引き,ダンプヒ
ート試験前後の結果の差を計算する。その差を変換係数( f )で除して,測定範囲の最大荷重での湿度の
影響(CHmax)をロードセル検定目量(v)の単位で得る。
(
)
(
)
[
]
f
D
D
D
D
C
前
における測定値
における測定値
後
における測定値
における測定値
min
max
min
max
max
H
−
−
−
=
a) この試験は,ロードセルの設計によっては不必要な場合がある。
b) この試験は,そのロードセルがNH又はSHと表記している場合は不要である。
B.2.7.4 測定範囲の最大荷重での湿度の影響(CHmax)は,1 vを超えてはならない。
B.2.8 湿度の影響(SHだけ)
C.1を使って,異なる温度及び湿度条件における試験荷重の誤差を報告する。次に,表C.2作成と同様
な方法で“ロードセルの誤差”手順,B.2.2の手順を利用して表C.8の中にその結果を示す。
B.3
一般的注釈
B.3.1 時刻は,日本標準時刻を記録する。
B.3.2 実施する計算は6.2.1の適用を含まない。これらの条件を満足していることを保証するために,そ
の計算は,規定するロードセル検定目量の最大数(nmax)より小さいロードセル検定目量の数(n)の値を
使って実行する。
B.3.3 ロードセル検定目量の数 (n) は,次の計算を実行するのに十分でなければならない。
n=nmax−500(500≧nの場合) 及び n=nmax−1 000(500<nの場合)
B.3.4 次の式が成り立つことを確認する。
vmin<v
(
)
max
min
max
min
n
D
D
v
−
<
B.3.5 ロードセル検定目量の最大数(nmax)だけでなく,次の値(6.2.1を適用して)でも計算を確認する。
nmax−500
nmax−1 000
B.3.6 その結果を試験報告書の“試験の要約”の部分に記録する。
B.3.7 試験結果を報告する場合,この報告書にその試験結果のグラフ又はプロットを追加することが可能
である。
B.3.8 個々の試験データに対する値を報告するとき,そのデータは小数点以下2けたまで丸める必要があ
る。ロードセル検定目量(v)の単位で報告する。
31
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附属書C
(参考)
試験報告書−様式
序文
この附属書は,試験報告書の様式について記載するものであって,規定の一部ではない。
試験の要約
申請番号:
ロードセル型式:
製造番号:
Emax:
nmax:
vmin:
DR:
荷重負荷装置:
PLC:
指示計:
評価者:
No.
試験種類
適合
不適合
ページ
C.2
ロードセル誤差(EL)
C.3
繰返し性誤差(ER)
C.4
MDLO(CM)の温度影響
C.5
クリープ誤差(CC)
C.5
DR(CDR)
C.6
気圧の影響(CP)
C.7
湿度の影響(CH又は無印)(CHmin)
C.7
湿度の影響(CH又は無印)(CHmax)
C.8
湿度の影響(SH)
C.9
表記事項
注記 試験の実施が適切でないとき,NAと記入する。
No.
試験種類
nmax
nmax-500
nmax-1 000
C.2
max
min
max
min
n
D
D
v
−
≦
適合
不適合
適合
不適合
適合
不適合
32
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C.1 (3回実行)試験荷重データ(EL)
参照:8.2.1.1〜8.2.1.11
8.2.6のそれぞれの湿度試験(SH)の内の一つが適切な場合は,それぞれの温度試験を1枚に仕上げる。
申請番号:
始め
終わり
ロードセル型式:
日付:
製造番号:
温度:
℃
Emax:
相対湿度:
RH%
nmax:
気圧:
kPa
vmin:
指示計の周囲温度:
℃
PLC:
DR:
荷重負荷装置:
指示計:
評価者:
表C.1−(3回実行)試験荷重データ
試験荷重
(g,kg又はt)
1回目
2回目
3回目
平均値
( )
繰返し性誤差
( )
測定値
( )
時刻
測定値
( )
時刻
測定値
( )
時刻
0
0
0
0
0
*
注記1 * は最小試験荷重の測定値の平均値。時刻には,日本標準時刻を記録する。
注記2 クラスC及びクラスDの場合は,表C.1(3回実行)を使用する。クラスA及びクラスBの場合は,5回
実行であるため表C.1の縦軸に4回目及び5回目を追加して使用する。
33
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C.2 ロードセル誤差 (EL) 計算
参照:6.1.1,8.2.1.12〜8.2.1.14及びB.2.2.2
申請番号:
始め
終わり
ロードセル型式:
日付:
製造番号:
温度:
℃
Emax:
相対湿度:
RH%
nmax:
気圧:
kPa
vmin:
指示計の周囲温度:
℃
PLC:
DR:
荷重負荷装置:
変換係数( f ):
指示計:
75 %試験荷重(g,kg又はt):
評価者:
75 %試験荷重時の基準測定値(Ri):
表C.2−ロードセル誤差
試験荷重
(g,kg又はt)
基準
測定値
(Ri)
..........℃(20 ℃)
..........℃(40 ℃)
..........℃(−10 ℃) ...........℃(20 ℃) mpe
測定値
( )
誤差
(EL)
(v)
測定値
( )
誤差
(EL)
(v)
測定値
( )
誤差
(EL)
(v)
測定値
( )
誤差
(EL)
(v)
(v)
0
0
0
0
0
0
最小荷重(Dmin)
適合:
不適合:
注記1 試験荷重が(Dmax−Dmin)×75 %で試験することができない場合,変換係数( f )は,6.2.2及びB.2.2を参
照して求める。
注記2 ロードセル誤差(EL)は,測定値と75 %試験荷重時の基準測定値(Ri)との差を変換係数( f )で除した値。
注記3 試験荷重は,測定範囲の最小荷重(Dmin)より大きい値を用いる。
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C.3 繰返し性誤差 (ER) 計算
参照:6.4,8.2.1.13及びB.2.2.3
申請番号:
始め
終わり
ロードセル型式:
日付:
製造番号:
温度:
℃
Emax:
相対湿度:
RH%
nmax:
気圧:
kPa
vmin:
指示計の周囲温度:
℃
PLC:
DR:
荷重負荷装置:
変換係数( f ):
指示計:
評価者:
表C.3−繰返し性誤差
試験荷重
(g,kg又はt)
基準
測定値
(Ri)
..........℃(20 ℃)
..........℃(40 ℃)
..........℃(−10 ℃) ..........℃(20 ℃)
mpe
(v)
測定値
( )
誤差
(ER)
(v)
測定値
( )
誤差
(ER)
(v)
測定値
( )
誤差
(ER)
(v)
測定値
( )
誤差
(ER)
(v)
0
0
0
0
0
0
適合:
不適合:
注記 誤差(ER)は,3回の試験(クラスC,D)又は5回の試験(クラスA,B)の測定値の最大と最小との差を,
変換係数( f )で除した値。
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C.4 最小測定量出力[MDLO(CM)]に及ぼす温度影響計算
参照:6.5.1.3,8.2.1.14及びB.2.2.4
申請番号:
始め
終わり
ロードセル型式:
日付:
製造番号:
温度:
℃
Emax:
相対湿度:
RH%
nmax:
気圧:
kPa
vmin:
指示計の周囲温度:
℃
PLC:
DR:
荷重負荷装置:
変換係数( f ):
指示計:
評価者:
表C.4−最小測定量出力に及ぼす温度影響
温度
℃
測定値
( )
変化 (CM)
(v)
変化
(vmin/………..℃)
mpc
(vmin/………..℃)
PLC
PLC
PLC
適合:
不適合:
注記1
測定値は,表C.1から最初の最小試験荷重の測定値の平均を用いる。
注記2
最大許容変化(mpc)は,クラスB,クラスC又はクラスDでvmin/5 ℃,クラスAでvmin/2 ℃。
注記3
CM(v)は,今回の測定値と前回の測定値との差を,変換係数( f )で除した値。
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C.5 クリープ誤差(CC)及び最小測定量出力戻り(CDR)
参照:6.3.1,6.3.2,8.2.2及び8.2.3
各試験温度ごとに1枚のシートを使用する。
申請番号:
始め
終わり
ロードセル型式:
日付:
製造番号:
温度:
℃
Emax:
相対湿度:
RH%
nmax:
気圧:
kPa
vmin:
指示計の周囲温度:
℃
PLC:
DR:
荷重負荷装置:
変換係数( f ):
指示計:
評価者:
表C.5−クリープ誤差及び最小測定量出力戻り
予備負荷
この欄は図4に示
す試験の結果を
表すため,省略す
ることもある。
試験荷重
(g,kg又は
t)
測定値
( )
気圧
時刻
変化
(v)
mpc
(v)
←クリープ試験前
の測定値
←最初の負荷時の
測定値
←クリープ試験後の
測定値
0
0
0
0
(*) →
時刻を記入→
(**) →
常に測定範囲
の最大荷重,
(Dmax)
時刻を記入 →
0
最初の荷重を負荷するとき→
最初の荷重を除荷するとき→
(***) →
これらの列は
参考目的だけ
に示す。
0
0
0
0
0
0
30分クリープと20分クリープとの差:
DR(v):
実際の時間(s):
指定時間(s):
DR のmpc(v):
30分クリープ:適合:
30分クリープと20 分クリープの差:適合:
DR<0.5 v:適合:
MDLORはDRの範囲内:適合:
不適合:
不適合:
不適合:
不適合:
注記1 クリープ誤差(v)は,最初の負荷時の測定値(**)を減じ,変換係数( f )で除した値(B.2.5.1参照)。
注記2 20分及び30分での測定値の差を求める(6.3.1参照)。
注記3 DRによる変化(v)は,クリープ試験後の測定値(***)からクリープ試験前の測定値(*)を減じ変換係
数( f )で除した値。
注記4 時刻は,日本標準時刻を記録する。MDLORとは最小測定量出力戻りのことである。
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C.6 気圧の影響(CP)
参照:6.5.2及び8.2.4
申請番号:
始め
終わり
ロードセル型式:
日付:
製造番号:
温度:
℃
Emax:
相対湿度:
RH%
nmax:
気圧:
kPa
vmin:
指示計の周囲温度:
℃
PLC:
DR:
荷重負荷装置:
変換係数( f ):
指示計:
評価者:
表C.6−気圧の影響
圧力
(kPa)
測定値
( )
時刻
変化(CP)
(v)
変化
(vmin/kPa)
mpc
(vmin/kPa)
0
0
0
1
1
1
1
適合:
不適合:
注意点:
注記1 変化(vmin/kPa)は,気圧を変化させる前の測定値と変化させた後の測定値との差を,変換係数( f )
で除した値。
注記2 大気圧は,1 kPa又は−1 kPaで試験を行う。
注記3 時刻は,日本標準時刻を記録する。
38
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C.7 湿度の影響(CH又は無印)
参照:6.5.3.1及び8.2.5
申請番号:
始め
終わり
ロードセル型式:
日付:
製造番号:
温度:
℃
Emax:
相対湿度:
RH%
nmax:
気圧:
kPa
vmin:
指示計の周囲温度:
℃
PLC:
DR:
変換係数( f ):
荷重負荷装置:
恒温槽内温度(高)
℃ 相対湿度
RH%
指示計:
恒温槽内温度(低)
℃ 相対湿度
RH%
評価者:
表C.7−湿度の影響(CH 又は無印)
試験荷重
(g,kg又は t)
湿度試験前
湿度試験後
変化
(v)
mpc
(v)
←≦4 % nmax
測定値
( )
時刻
測定値
( )
時刻
0
0
0
0
□
0
#
□
0
#
□
0
#
□
0
#
□
0
#
□
0
平均 (□)
平均 (#)
平均の差 (*)
1.0 v
(□)最小試験荷重時の測定値 変化(□) CHmin 合格:
(#)最大試験荷重時の測定値(注記3参照) 変化(#) CHmax 合格:
不合格:
不合格:
(*)平均:6.5.3.1及びB.2.7参照
注記1 ロードセルにNH又はSHの印がある場合,この試験は必要ない。
注記2 変化(v)は,湿度試験後の測定値と湿度試験前の測定値との差を,変換係数( f )で除した値。
注記3 クラスA及びクラスBは5回,クラスC及びDは,3回試験を行う。
注記4 時刻は,日本標準時刻を記録する。
39
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C.8 湿度の影響(SH)
参照:6.5.3.2及び8.2.6
申請番号:
始め
終わり
ロードセル型式:
日付:
製造番号:
調整時間:
Emax:
20 ℃設定時の測定温度:
℃
nmax:
高温設定時の測定温度:
℃
vmin:
参考相対湿度:
RH%
PLC:
DR:
最高相対湿度:
RH%
荷重負荷装置:
変換係数( f ):
指示計:
湿度試験前の荷重試験の記録:
評価者:
湿度試験中の荷重試験の記録:
湿度試験後の荷重試験の記録:
試験荷重誤差の要約:適切なものとして,個々の検査結果を記録するためにC.1(3回実行)又はC.1(5
回実行)を用いる。
表C.8−湿度の影響(SH)
試験荷重
(g,kg又はt)
基準
測定値
( )
....℃(20 ℃)
....%RH(50 %RH)
....℃(High)
....%RH(85 %RH)
....℃(20 ℃)
....%RH(50 %RH)
mpe
(v)
測定値
( )
誤差(EL)
(v)
測定値
( )
誤差(EL)
(v)
測定値
( )
誤差(EL)
(v)
0
0
0
0
0
適合:
不適合:
注記1 試験荷重が(Dmax−Dmin)×75 %で試験することができない場合,変換係数( f )は,6.2.2及びB.2.2を参
照して求める。
注記2 ロードセル 誤差(EL)は,測定値と75 %試験荷重時の基準測定値(Ri)との差を,変換係数( f )で除し
た値。
注記3 試験荷重は,測定範囲の最小荷重(Dmin)より大きい値。
注記4 調整時間は,ロードセルが定常状態に達するまでの時間。
40
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C.9 表記事項
参照:5.5及び5.6
申請番号:
ロードセル型式:
製造番号:
Emax:
nmax:
vmin:
PLC:
DR:
荷重負荷装置:
指示計:
評価者:
表C.9.1−表記が必ず必要な項目
項目番号
必す(須)項目
ロードセル 取扱説明書
5.5.1
精度等級
5.5.2
ロードセル検定目量の最大数(nmax)
5.5.3
ロードセルに対して負荷する荷重のタイプ(必要な場合だけ)
5.5.4
使用温度範囲
5.5.5.1
湿度記号“NH”
5.5.5.3
湿度記号“SH”
5.5.6.1,5.6.1
製造事業者名(登録商標又は記号)(注記1参照)
5.5.6.1,5.6.1
ロードセルの型式名(注記1参照)
5.5.6.1,5.6.1
製造番号(注記1参照)
5.5.6.1
製造年
5.5.6.1
最小測定量(Emin)
5.5.6.1,5.6.1
最大容量(Emax)(注記1参照)
5.5.6.1
許容過負荷(Elim)
5.5.6.1
最小ロードセル検定目量(vmin)
5.5.6.1
他の必要な要件
5.5.6.1
誤差配分(PLC)が0.7に等しくない場合は,誤差配分(PLC)の値
5.5.7
標準的な分類
5.5.8
複式分類
表C.9.2−必要に応じて表記が必要な項目
項目番号
必要に応じて必要な項目
ロードセル 取扱説明書
5.5.5.2
湿度記号“CH”
5.5.6.2
Vmin,Y
5.5.6.2
DR,Z
次は,参考を含む:
ロードセル供給時に添付する書類:
ロードセルに記号を付した図:
注記1 ロードセル及び取扱説明書の両方に必要。
注記2 印が+の場合,記載していることを示す。
注記3 印が−の場合,記載していないことを示す。
注記4 印が/の場合,適用外であることを示す。
41
B 7612-1:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
参考文献 OIML R76:Nonautomatic weighing instruments
附属書JA
(参考)
JISと対応する国際規格との対比表
JIS B 7612-1:2008 質量計用ロードセル−第1部:アナログロードセル
OIML R 60:2000 Metrological regulation for load cells
(Ⅰ)JISの規定
(Ⅱ)
国際規格
番号
(Ⅲ)国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び名称
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範
囲
1
適用範囲
変更
電子回路を装備しているロー
ドセルは除く。
電子回路を装備しているロードセル
を対象外としたため。
2 引用規
格
3 用語及
び定義
2
一致
3.1 一般
用語
2.1
一致
3.2 ロー
ドセルの
計量特性
の用語
2.2
一致
3.3範囲,
容量及び
出力の用
語
2.3
一致
3.4 測定
及び誤差
の用語
2.4
変更
直線性誤差について,直線の意
味を明確にした。
技術的差異はない。
4
2
B
7
6
1
2
-1
:
2
0
0
8
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ)JISの規定
(Ⅱ)
国際規格
番号
(Ⅲ)国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び名称
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
3.5 影響
及び基準
条件の用
語
2.5
一致
3.6 用語
の定義の
説明図
2.6
一致
4 計量単
位
3
一致
5 計量要
件
4
一致
4.1
ロードセル分類の原則
削除
ロードセルと計量器との精度等級
分類が対応する必要がないため。
5.1 精度
等級
4.2
一致
5.2 ロー
ドセル検
定目量の
最大数
4.3
一致
5.3 最小
ロードセ
ル検定目
量
4.4
一致
5.4 補助
分類
4.5
一致
4
3
B
7
6
1
2
-1
:
2
0
0
8
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ)JISの規定
(Ⅱ)
国際規格
番号
(Ⅲ)国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び名称
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
5.5 ロー
ドセルの
分類方法
4.6
ロードセルの分類方法
変更
図2及び表2の“ビーム(せん
断又は曲げ)”を“ビーム(上
向き荷重又は下向き荷重)”に,
表4の“せん断ビーム”を“上
向き荷重”に“曲げビーム”を
“下向き荷重”に変更し,表3
及び表4に湿度等級及び温度
範囲を追加。
内容を理解しやすくするため,表2
及び表4の補助説明を変更し,表3
及び表4に注釈を追加した。
5.6 表示
4.7
一致
4.8
OIML証明書
削除
OIMLは強制規定であるが,JISは
任意規格のため。
6 ロード
セルの最
大許容誤
差
5
一致
6.1 各精
度等級に
対する最
大許容誤
差
5.1
一致
6.2 誤差
の決定に
関する規
則
5.2
一致
6.2.3 最初
の読み
5.2.3
表6
追加
表中の時間は負荷時間だけで
なく安定化時間を含むことを
明記。両時間の割合と合計時間
との誤差を追加。
時間の解釈の仕方で測定結果が異
なることを防ぐため。
4
4
B
7
6
1
2
-1
:
2
0
0
8
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ)JISの規定
(Ⅱ)
国際規格
番号
(Ⅲ)国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び名称
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
6.3 許容
可能な変
動
5.3
一致
6.4 繰返
し性誤差
5.4
一致
6.5 影響
量
5.5
一致
6.6 計測
標準
5.6
一致
6
電子回路を装備している
ロードセル要件
削除
電子回路を装備しているロー
ドセルは除く。
電子回路を装備しているロードセ
ルを対象外としたため。
7 ロード
セルの試
験サンプ
ルの選択
方法
7
計量規制
変更
OIMLの強制規定部分を削除
したためタイトル変更。
JISは任意規格のため,強制規定は
なじまないため。
7.1
法定計量規制の責任
削除
OIMLは強制規定であるが,JISは
任意規格のため。
7.2
試験要件
削除
OIMLは強制規定であるが,JISは
任意規格のため。
7.1〜7.6
7.3
一致
8 試験
Annex A
型式評価のための試験手
順
変更
附属書を本体に入れたため,タ
イトル変更。
JISは任意規格のため,強制規定は
なじまない。
A.1
適用範囲
削除
附属書の内容を本体で規定したた
め。
A.2
目的
削除
附属書の内容を本体で規定したた
め。
4
5
B
7
6
1
2
-1
:
2
0
0
8
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ)JISの規定
(Ⅱ)
国際規格
番号
(Ⅲ)国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び名称
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
8.1 試験
条件
A.3
一致
8.2 試験
手順
A.4
試験手順
変更
電子回路を装備しているロー
ドセルに対する追加試験は除
いた。
電子回路を装備しているロードセ
ルを対象外としたため。
8.3 推奨
する試験
手順
A.5
一致
附属書A
(参考)
ロードセ
ルの試験
サンプル
の選択方
法
Annex B
附属書B
(参考)
試験報告
書のフォ
ーマット
Annex C
附属書C
(参考)
試験報告
書−様式
−
Annex E
ロードセルのOIML適合
証明書
削除
OIML強制規定であるが,JISは任
意規格のため。
−
Index of
terms
用語索引
削除
JISに用語索引は不要であるため。
4
6
B
7
6
1
2
-1
:
2
0
0
8
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:OIML R 60:2000,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 一致 ················ 技術的差異がない。
− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD················ 国際規格を修正している。
4
7
B
7
6
1
2
-1
:
2
0
0
8
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。