2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 7553-1993
パーシャルフリューム式流量計
Parshall flume type flowmeters
1. 適用範囲 この規格は,人工の開水路を流れる水の流量測定に用いるパーシャルフリューム式流量計
について規定する。
備考1. 開水路の途中を絞るとスロート部に限界流が生じ,流量は上流側水位の関数として求めるこ
とができる。パーシャルフリューム式流量計は,この原理に基づく流量計であって,定めら
れた形状・寸法のフリューム本体を水路に設置し,スロート部から上流側の水位をレベル計
によって測定して流量を演算・指示するものである。
2. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS B 7516 金属製直尺
JIS Z 8103 計測用語
3. この規格の対応国際規格を,次に示す。
ISO 9826 : 1992 Measurement of liquid flow in open channels−Parshall and SANIIRI flumes
4. 対応国際規格による場合のパーシャルフリューム式流量計の呼び,使用流量範囲,レベルの
測定範囲,流量算出式及び主要部の寸法等は,附属書による。
2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS Z 8103によるほか,次による。
(1) 収縮部 底面は水平で,幅は流れ方向に沿って徐々に絞られているパーシャルフリュームの上流側部
分。
(2) スロート部 底面は収縮部底面より流れ方向に沿って徐々に下方に傾斜し,幅は流れ方向に平行であ
るパーシャルフリュームの中央部分。
(3) 拡大部 底面はスロート部底面より流れ方向に対して上方に傾斜し,幅は流れ方向に沿って徐々に拡
大しているパーシャルフリュームの下流側部分。
(4) フリューム本体 収縮部,スロート部及び拡大部で構成されるもの。
(5) クレスト 収縮部底面の下流端とスロート部底面の上流端との交線。
(6) ゲージウェル 水面の波立ちを避け,安定したレベル測定を行うため,フリューム本体の外部に設け
られた水位測定用の水槽。
(7) 導水管 収縮部の水位測定位置からゲージウェルに水位を導く管。
(8) 流入側水路 直線水路の長さはスロート幅の5〜10倍,水路幅は一様であるフリューム上流の直線矩
形水路。
(9) 流出側水路 フリュームにもぐり流又は逆流が生じないように,フリューム下流のゲートやせき上げ,
また潮の干満の影響を受けないフリューム下流の水路。
(10) 測定水位 収縮部において,その入り口からクレストまでの間の距離の31の位置において測定される
2
B 7553-1993
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
水位。
(11) 限界流 与えられた排出流において,全エネルギーが最小である流れ。この状態では,フルード数(1)
は1に等しく,流れの自由表面の乱れはその上流に伝ぱ(播)しない。
注(1) 平均流速を,極めて小さい表面波の伝ぱ速度(重力の加速度g及び流れの深さdによってgdで
得られる。)で割って得られる無次元数。
(12) もぐり流 収縮部の水位が下流側の影響を受ける流れ。
3. 主要部の名称 パーシャルフリューム式流量計(以下,流量計という。)の主要部の名称は,図1によ
る。
図1 主要部の名称
4. 呼び 流量計の呼びは,フリューム本体のスロートの幅によって表1のとおりとする。
表1 呼び
呼び
スロート幅mm
PF-03
76.2
PF-06
152.4
PF-09
228.6
PF-10
304.8
PF-15
457.2
PF-20
609.6
PF-30
914.4
PF-40
1 219.2
PF-50
1 524.0
3
B 7553-1993
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
呼び
スロート幅mm
PF-60
1 828.8
PF-70
2 133.6
PF-80
2 438.4
5. 構成 流量計は,フリューム本体,レベル計,変換器及び表示計器によって構成する。ただし,レベ
ル計,変換器及び表示計器は一体に構成してもよい。
6. 性能及び機能
6.1
使用流量範囲 流量計の使用最小流量及び使用最大流量は,呼びに応じ表2に示す値の範囲内で定
め,レベル計,変換器又は表示計器に表記する。
表2 流量範囲
単位 m3/h
呼び
最小流量
最大流量
PF-03
3
193
PF-06
5
398
PF-09
9
907
PF-10
11
1 641
PF-15
15
2 508
PF-20
43
3 374
PF-30
62
5 138
PF-40
133
6 922
PF-50
163
8 726
PF-60
265
10 551
PF-70
306
12 376
PF-80
357
14 221
6.2
レベル計の測定範囲 レベル計は,表記してある使用流量範囲に相当する水位を測定できるもので
なければならない。
なお,表2の最小流量及び最大流量に相当する水位を参考として次に示す。
(参考) レベル計の測定範囲
単位 10-3m
呼び
最小
最大
PF-03
31
464
PF-06
29
457
PF-09
30
611
PF-10
28
761
PF-15
27
763
PF-20
46
762
PF-30
45
762
PF-40
62
762
PF-50
62
762
PF-60
76
762
PF-70
76
762
PF-80
77
762
6.3
流量算出式 測定した水位から流量を演算する算式は,次による。
Q=K・han
4
B 7553-1993
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ここに,
Q: 流量 (m3/h)
ha: 水位 (m)
K及びn: 呼びに応じ表3に定める定数
表3 定数K及びnの値
呼び
K
n
PF-03
635
638
1.547
1.550
PF-06
1 372
1.580
PF-09
1 927
1.530
PF-10
2 487
1.522
PF-15
3 803
1.538
PF-20
5 141
1.550
PF-30
7 863
1.566
PF-40
10 632
1.578
PF-50
13 436
1.587
PF-60
16 268
1.595
PF-70
19 124
1.601
PF-80
22 002
1.607
6.4
許容誤差 流量表示値の許容誤差は,使用最大流量に相当する水位に応じて表4のとおりとする。
ただし,誤差は次の式によって算出する。
100
max
×
I
h
K
I
E
n
a
−
=
ここに,
E: 誤差
I: 表示計器が示した値
ha: 設定した水位
K及びn: 呼びに応じ表3及び附属書表3に定める定数
Imax: 表記してある使用最大流量
表4 許容誤差
Imaxに相当する水位
mm
許容誤差
%
300未満
±4.6
300〜500
±4.0
500を超える場合
±3.7
6.5
流量の表示及び出力 流量計の流量の表示及び出力は,次による。
(1) 流量に相当する信号を出力し,流量を表示する。
(2) 流量に相当する表示の最大値は,次のいずれかとする。
1,2,3,4,5,6,8,12,15,25,35,45及びこれらの10の整数乗倍
(3) 直流電流又は空気圧を用いて出力を伝送する場合,信号の大きさは原則として次による。
(a) 直流電流 4〜20mA
(b) 空気圧 20〜100kPa又は19.6〜98.1kPa
7. 形状,寸法及び構造 フリューム本体の形状,寸法及び構造は,次のとおりとする。
(1) 主要部の寸法及び寸法許容差は,表5及び表6による。
(2) 内面は,凹凸がなく,滑らかでなければならない。
(3) 側面は収縮部底面に対して垂直で,流れ方向の中心面に対称でなければならない。
5
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(4) 収縮部とスロート部の中心面は,一致しなければならない。
(5) スロート部の側壁は,平行でなければならない。
(6) 満水状態で漏水や変形がなく,堅ろうでなければならない。
(7) 水位の測定にゲージウェルを用いる場合は,収縮部の表5に示すいずれか一方の位置に導水口を設け
なければならない。
なお,導水口は側壁に対して直角に開け,穴の周囲にまくれがなく,周囲が平らでなければならな
い。
表5 フリューム本体の寸法
単位 mm
呼び
W
A
B
C
D
E
F
G
K
L
N
参考(最小値)
(M)
(P)
(R)
PF-03
76.2
311
457
178
259
610
152
305
25
914
57
305
768
406
PF-06
152.4
414
610
394
397
610
305
610
76
1 525
114
305
902
406
PF-09
228.6
587
864
381
575
762
305
457
76
1 626
114
305
1 080
406
PF-10
304.8
914
1343
610
845
914
610
914
76
2 867
229
381
1 492
508
PF-15
457.2
965
1 419
762
1 026
914
610
914
76
2 943
229
381
1 676
508
PF-20
609.6
1 016
1 495
914
1 207
914
610
914
76
3 019
229
381
1 854
508
PF-30
914.4
1 118
1 645
1 219
1 572
914
610
914
76
3 169
229
381
2 223
508
PF-40
1 219.2
1 219
1 794
1 524
1 937
914
610
914
76
3 318
229
457
2 711
610
PF-50
1 524.0
1 321
1 943
1 829
2 302
914
610
914
76
3 467
229
457
3 080
610
PF-60
1 828.8
1 422
2 092
2 134
2 667
914
610
914
76
3 616
229
457
3 442
610
PF-70
2 133.6
1 524
2 242
2 438
3 032
914
610
914
76
3 766
229
457
3 810
610
PF-80
2 438.4
1 626
2 391
2 743
3 397
914
610
914
76
3 915
229
457
4 172
610
備考 M,P及びRは水路の寸法であり,参考として示す。流量を正確に測定するためには,これらの寸法はフリ
ューム本体の寸法同様に重要であり,この値に従って施工することが望ましい。
6
B 7553-1993
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表6 寸法許容差
寸法 mm
寸法許容差
W
100以下
±1.5mm
100を超え 600以下
±1.5%
600を超えるもの
±10mm
A
1 000以下
±1%
1 000を超えるもの
±10mm
その他
100以下
±2mm
100を超え 1 250以下
±2%
1 250を超えるもの
±25mm
8. 試験方法 流量表示値の誤差は,次の方法によって測定し,6.4の計算式によって求める。
(1) 表記してある使用流量範囲内の3点に相当する変位又は入力をレベル計に与えて行う。
(2) レベル計に変位又は入力を与えるには,水面又はこれに相当するものを用い,その変位又は入力はJIS
B 7516の2級より良い正確度の長さ計又はこれと同等以上の性能をもつ測定器によって設定する。
(3) 表示計器が表示した値を読み取る。
9. 検査 流量計の検査は,性能及び機能並びに形状,寸法及び構造について行い,6.及び7.の規定に適
合しなければならない。
10. 製品の呼び方 流量計の呼び方は,規格番号又は規格の名称及び呼びによる。
例 JIS B 7553 PF03
パーシャルフリューム式流量計 PF-03
11. 表示 流量計には表7に示す事項を表示する。
表7 表示事項
表示事項
フリューム本体
レベル計,変換器
又は表示計器
製造事業者名又はその略号
○
○
製造年
○
○
製造番号又はその略号
○
○
呼び又はその略号
○
使用流量範囲
○
流量表示値の単位
○
入力・出力信号
○
電源(電圧・周波数)
○
備考 ○印は表示を必要とする事項を示す。
7
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附属書 対応国際規格によるパーシャルフリューム式
流量計の諸元
1. 適用範囲 この附属書は,国際対応規格による場合のパーシャルフリュームの呼び,使用流量範囲レ
ベル計の測定範囲,流量算出式及び主要部の寸法などについて規定する。
2. 呼び 流量計の呼びは,フリューム本体のスロート幅によって附属書表1のとおりとする。
附属書表1 呼び
呼び
スロート幅 m
呼び
スロート幅 m
No.1
0.152
No.14
3.05
No.2
0.25
No.15
3.66
No.3
0.30
No.16
4.57
No.4
0.45
No.17
6.10
No.5
0.60
No.18
7.62
No.6
0.75
No.19
9.14
No.7
0.90
No.20
12.19
No.8
1.00
No.21
15.24
No.9
1.20
No.10
1.50
No.11
1.80
No.12
2.10
No.13
2.40
3. 使用流量範囲 流量計の使用最小流量及び使用最大流量は,呼びに応じ附属書表2に示す値の範囲内
で定め,レベル計,変換器又は表示計器に表記する。
附属書表2 流量範囲
単位 10-3m3/s
単位 m3/s
呼び
最小流量
最大流量
呼び
最小流量
最大流量
No.1
1.5
100
No.14
0.16
8.28
No.2
3.0
250
No.15
0.19
14.68
No.3
3.5
400
No.16
0.23
25.04
No.4
4.5
630
No.17
0.31
37.97
No.5
12.5
850
No.18
0.38
47.16
No.6
25.0
1 100
No.19
0.46
56.33
No.7
30.0
1 250
No.20
0.60
74.70
No.8
30.0
1 500
No.21
0.75
93.04
No.9
35.0
2 000
No.10
45.0
2 500
No.11
80.0
3 000
No.12
95.0
3 600
No.13
100.0
4 000
8
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4. レベル計の測定範囲 レベル計は,表記してある使用流量範囲に相当する水位を測定できるものでな
ければならない。
なお,附属書表2の最小流量及び最大流量に相当する水位を附属書参考表1として示す。
附属書参考表1 レベル計の測定範囲
単位 m
呼び
最小
最大
呼び
最小
最大
No.1
0.03
0.45
No.14
0.09
1.07
No.2
0.03
0.60
No.15
0.09
1.37
No.3
0.03
0.75
No.16
0.09
1.67
No.4
0.03
0.75
No.17
0.09
1.83
No.5
0.05
0.75
No.18
0.09
1.83
No.6
0.06
0.75
No.19
0.09
1.83
No.7
0.06
0.75
No.20
0.09
1.83
No.8
0.06
0.80
No.21
0.09
1.83
No.9
0.06
0.80
No.10
0.06
0.80
No.11
0.08
0.80
No.12
0.08
0.80
No.13
0.08
0.80
5. 流量算出式 測定した水位から流量を演算する算式は,次による。
h
K
Q
n
a
・
=
ここに,
Q: 流量 (m3/s)
ha: 水位 (m)
K及びn: 呼びに応じ附属書表3に定める定数
附属書表3 定数K及びnの値
呼び
K
n
呼び
K
n
No.1
0.381
1.580
No.14
7.463
1.6
No.2
0.561
1.513
No.15
8.859
1.6
No.3
0.679
1.521
No.16
10.96
1.6
No.4
1.038
1.537
No.17
14.45
1.6
No.5
1.403
1.548
No.18
17.94
1.6
No.6
1.772
1.557
No.19
21.44
1.6
No.7
2.147
1.565
No.20
28.43
1.6
No.8
2.397
1.569
No.21
35.41
1.6
No.9
2.904
1.577
No.10
3.668
1.586
No.11
4.440
1.593
No.12
5.222
1.599
No.13
6.004
1.605
6. 主要部の寸法 主要部の寸法は,附属書表4又は附属書表5による。
9
B 7553-1993
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附属書表4 フリューム本体の寸法
単位 m
呼び
スロート部
収縮部
拡大部
側壁高さ
W
F
X
Y
N
D
B
le
l3
C
G
K
E
No.1
0.152
0.305
0.05
0.075
0 115
0 40
0.610
0.620
0.415
0.39
0.61
0.08
0.60
No.2
0.25
0.60
0.05
0.075
0.230
0.78
1.325
1.350
0.90
0.55
0.92
0.08
0 80
No.3
0.30
0.60
0.05
0.075
0.230
0.84
1.35
1.380
0.92
0.60
0.92
0.08
0 95
No.4
0.45
0.60
0.05
0.075
0.230
1.02
1.425
1.45
0.967
0.75
0.92
0.08
0 95
No.5
0.60
0.60
0.05
0.075
0.230
1.2
1.50
1.53
1.02
0.90
0.92
0.08
0 95
No.6
0.75
0.60
0.05
0.075
0.230
1.38
1.575
1.610
1.074
1.05
0.92
0.08
0 95
No.7
0.90
0.60
0.05
0.075
0.230
1.56
1.650
1.68
1.121
1.20
0.92
0.08
0 95
No.8
1.00
0.60
0.05
0.075
0.230
1.68
1.705
1.73
1.161
1.30
0.92
0.08
1 0
No.9
1.20
0.60
0.05
0.075
0.230
1.92
1.800
1.840
1.227
1.50
0.92
0.08
1.0
No.10
1.50
0.60
0.05
0.075
0.230
2.28
1.950
1.993
1.329
1.80
0.92
0.08
1 0
No.11
1.80
0.60
0.05
0.075
0.230
2.64
2.100
2.14
1.427
2.10
0.92
0.08
1 0
No.12
2.10
0.60
0.05
0.075
0.230
3.0
2.250
2.30
1.534
2.40
0.92
0.08
1 0
No.13
2.40
0.60
0.05
0.075
0.230
3.36
2.40
2.453
1.636
2.70
0.92
0.08
1.0
附属書表5 フリューム本体の寸法
単位 m
呼び
スロート部
収縮部
拡大部
側壁高さ
W
F
X
Y
N
D
B
A
C
G
K
E
No.14
3.05
0.91
0.305
0.23
0.343
4.760
4.270
1.83
3.66
1.83
0.152
1.22
No.15
3.66
0.91
0.305
0.23
0.343
5.61
4.88
2.03
4.47
2.44
0.152
1.52
No.16
4.57
1.22
0.305
0.23
0.457
7.62
7.62
2.34
3.59
3.05
0.229
1.83
No.17
6.10
1.83
0.305
0.23
0.686
9.14
7.62
2.84
7.32
3.66
3.305
2.13
No.18
7.62
1.83
0.305
0.23
0.686
10.67
7.62
3.45
8.94
3.96
3.305
2.13
No.19
9.14
1.83
0.305
0.23
0.686
12.31
7.93
3.86
10.57
4.27
3.305
2.13
No.20
12.19
1.83
0.305
0.23
0.686
15.48
8.23
4.88
13.82
4.88
3.305
2 13
No.21
15.24
1.83
0.305
0.23
0.686
18.53
8.23
5.89
17.27
6.10
3.305
2.13
7. 製品の呼び方 流量計の呼び方は,規格番号又は規格の名称及び呼びによる。
例 JIS B 7553 No.4又はパーシャルフリューム式流量計 No.4
10
B 7553-1993
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
参考 設置上の注意
この参考は,本体及び附属書の規定に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
1. 一般的事項 設置する開水路の流れは安定流であることが必要で,フリューム本体のほか,流入側水
路及び流出側水路についても次に示す点について注意しなければならない。
(1) 流れの断面に変化がなく,まっすぐで適切な長さがあること。
(2) 水路内の流速の方向及び分布が均一であること。
(3) 水力学的な跳ね水が生じるような急こう配がないこと。
(4) 潮の干満,他の流れとの合流,水門などの影響が少ないこと。
(5) 地盤の沈下及び水の浸み込みのおそれがないこと。
(6) あふれるおそれがないこと。
(7) 比較的大きなフリュームの場合で水深が浅いときは,水路を横切る風によって水位の測定が影響され
ないよう対策を講じること。
2. 流入側水路 流入側水路の流速分布は流量の測定精度に大きく影響するので,次に示す点について注
意する必要がある。
(1) 岩,曲がり,水門,大きな泡,その他流れに乱れを起こすものによって,流れの境界層が不規則にな
らないようにすること。安定な流速分布を得るためには,一定な断面の,まっすぐな水路を備えるこ
とが必要である。
その長さは,急な曲がりや挿入された管によって部分的に速い流れが混じることがなければ,スロ
ート幅の5〜10倍程度でよいが,できるだけ長いことが望ましい。
なお,事前に流速計によって流速分布を調べておくことが望ましい。
(2) フリューム本体との接続部は,上りこう配の底面と収縮側壁とし,それぞれ次によることが望ましい。
底面:フリューム本体に向かって約4分の1のこう配をもつ平面
側壁:最大流量に相当する水位の2倍以上の曲率半径をもつ曲面又は水路の中心線に対して約45°
の傾斜をもつ平面
(3) 流れの条件を良くするために整流板を設けるときは,水位測定点より上流側に最大流量に相当する水
位の10倍以上離して設置する。
(4) 水路に水力学的な跳ね水があるときは,その場所から,最大流量に相当する水位の30倍以上離れた下
流にフリューム本体を設置する。
3. 流出側水路 流出側水路の流れは,もぐり流又は逆流とならないよう注意するとともに,たい積物の
除去に留意する。
4. フリューム本体
4.1
限界流の維持 スロート部に限界流が存在していることが必要で,スロート部の水位hbと収縮部の
水位haとの比(もぐり度)が,常に参考表1の値を満足するよう,クレストの設置高さを考慮する。
11
B 7553-1993
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
参考表1 もぐり度の条件
また,流れがやんだとき,流出側水路の水位がクレストの高さを超えないように注意する。
4.2
いっ(溢)水の防止 フリューム本体を設置すると流入側水路の水位が上昇するので,水路から水
があふれないように配慮する必要がある。場合によっては,水路の堀り下げ又は水路壁のかさ上げなどの
対策を施す。
4.3
その他 設置に当たっては,次の事項に注意し,設置後に形状及び寸法を点検・確認するとよい。
(1) 収縮部底面の水準。
(2) スロート部両側壁の平行度及び鉛直度。
(3) 水路の中心線とフリューム本体の流れ方向の中心線との一致。
備考 フリューム本体の大きさの選定について限界流の発生及びいっ(溢)水は,フリューム本体の
大きさによっても異なるので,事前に十分検討しておく必要がある。
一般に,スロート幅が水路幅の0.3〜0.5倍のものがよいが,測定しようとする水路の最大流
量及び最大水位を想定し,流量算出式,必要とするもぐり度などからhb及びhaの最大値を計算
すれば,水路底からクレストまでの高さの上限,下限を求めることができるので,これによっ
て水路工事の要否を判定するとよい。
なお,haがあまり小さいと水位の測定精度が悪くなるので,常用流量におけるhaが100mm
以下にならないような大きさを選定することも必要である。
5. レベル計
5.1
直接測定の場合 レベル計の設置に当たっては,次に注意する必要がある。
(1) 水位の測定位置は,フリューム本体の中心線X−Xと参考図1の位置で直交するY−Y線上とし,な
るべくその交点であることが望ましい。
(2) レベル計の検出部,保護装置など流れに挿入する部分があるときは,これらによって流れが乱される
と,測定する水位に誤差を生じることがあるので注意する。
12
B 7553-1993
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
参考図1 水位の測定位置
5.2
間接測定の場合 ゲージウェル及び導水管を次の事項に注意して設置する。
(1) ゲージウェルは,フリューム本体にできるだけ近い位置に,底面がクレストレベルより低くなるよう
に,鉛直に設置し,下部はコンクリートなどによって固定する。
(2) ゲージウェルは,流れの波動などを緩衝して静水面が得られるものとする。
(3) ゲージウェルは,耐食性材料を用い,容易に変形が生じない強度をもつもので,漏れがないものとす
る。
(4) ゲージウェルの形状は原則として円筒形とするが,レベル計の形式によっては,だ円形筒,四角筒形
などでも差し支えない。
(5) ゲージウェルの深さは,レベル計の測定範囲以上の水位に対応できるものとする。
なお,レベル計の検出部,保護装置などをゲージウェル内に挿入する場合には,これらとゲージウ
ェルとの間に,測定に支障を及ぼさない程度のすきまがあるものとする。
(6) ゲージウェルは,底部に沈殿物がたい積することがあるので,ドレーン用の弁(口径20〜50mm程度)
及び洗浄用の水道を設けておくことが望ましい。
(7) 導水管は,水平又はゲージウェル側がわずかに低くなるように,また,まっすぐに配管する。
(8) 導水管は,耐食性材料を用い,配管後に漏れがないものとする。
(9) 導水管の内径は原則として20〜50mm程度とするが,配管が長くなるときは大きめにする。途中に弁
を設けるときは,ボール弁のようなフルボア形のものがよい。
5.3
ゼロ点の設定 レベル計を設置するときは,ゲージグラス,フックゲージ,直尺その他適当な長さ
測定装置を用い,参考図2に示すクレストレベルに対応する基準高さ,水位に対応する出力又は表示値を
測定して,レベル計のゼロ点をクレストレベルに正しく設定する。直接測定及び間接測定それぞれの場合
について,その設定例を次に示す。
(1) 直接測定の場合[参考図2(a)参照] 水位測定点の上部に基準点を設け,フックゲージなどによって
基準点からクレストレベルまでの鉛直長さ (α) を測定し,クレストレベルにおける基準高さとする。
このとき,流れが止まっていればレベル計の表示値又は出力をゼロに設定する。
同様にして基準点から水面までの鉛直長さ (b) を測定し,水位 (ha=a−b) を求める。このときの
レベル計の表示値又は出力が,求めた水位 (ha) に対応しているかどうかを確かめ,必要な調整を行う。
なお,測定開始時に設定した基準点及び基準高さ (a) を記録しておけば,設定後はレベル計と基準
点との関係位置が変わらない限り,水面までの長さ (b) を測定することによって調べることができる。
(2) 間接測定の場合[参考図2(b)参照] ゲージウェルにゲージグラスを取り付け,クレストレベルに対
応した位置(基準点)にゼロ基線を記載するか,目盛板を取り付けておくとよい。
13
B 7553-1993
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
フリューム本体に通水していない状態でゲージウェルに注水し,フリューム本体の方に流れ出した
とき注水を止めれば,ゲージウェル内の水位が静止したところが基準点となる。
任意の水位をチェックする場合は,導水管の弁を閉め,ゲージウェルに適宜給水することによって
水面を変化させて行う。
直接測定の場合と同様,ゲージウェル上部に基準点を定め,フックゲージなどを用いてゼロ点を設
定することもできる。
参考図2 ゼロ点の設定
6. スロート幅 (W) の大きいものについて スロート幅 (W) が3mを超えるような大形のフリューム本
体は,通常設置現場で水路とともにコンクリートなどで構築される場合が多い。したがって,工業的に製
作されることを前提としてこの規格に定めたものと全く同様に扱うには無理がある。しかし,この参考に
準じて設計し,かつ,もぐり度 (hb/ha) が0.8以下に保たれれば,同等な測定が可能であるので,下水道な
どにおける流量測定を考慮し,次にその主な仕様を参考表2〜4に示す。
参考表2 流量範囲
単位 m3/h
呼び
スロート幅 W mm
最小流量
最大流量
PF-100
3 048
612
20 388
PF-120
3 658
816
35 679
PF-150
4 572
816
61 165
PF-200
6 096
1 019
101 941
PF-250
7 620
1 529
122 329
PF-300
9 144
1 529
152 912
PF-400
12 192
2 039
203 882
PF-500
15 240
2 039
305 824
参考表3 流量算式における定数K,nの値
呼び
K
n
PF-100
26 862
1.6
PF-120
31 894
1.6
PF-150
39 441
1.6
14
B 7553-1993
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
呼び
K
n
PF-200
52 019
1.6
PF-250
64 598
1.6
PF-300
77 176
1.6
PF-400
102 333
1.6
PF-500
127 490
1.6
参考表4 寸法
呼び
W
A
B
C
D
E
F
G
K
L
N
参考(最小値)
(M)
(P)
(R)
PF-100
3 048
1 829
4 267
3 658
4 756
1 219
914
1 829
152
7 010
343
1 829
9 754
2 438
PF-120
3 658
2 032
4 877
4 470
5 607
1 524
914
2 438
152
8 229
343
2 438
10 668
2 743
PF-150
4 572
2 337
7 620
5 588
7 620
1 829
1 219
3 048
229
11 887
457
2 743
12 192
3 353
PF-200
6 096
2 845
7 620
7 315
9 144
2 134
1 829
3 658
305
13 107
686
3 048
14 630
3 658
PF-250
7 620
3 353
7 620
8 941
10 668
2 134
1 829
3 962
305
13 411
686
3 048
16 764
3 658
PF-300
9 144
3 861
7 925
10 566
12 313
2 134
1 829
4 267
305
14 021
686
3 048
19 507
3 668
PF-400
12 192
4 877
8 230
13 818
15 481
2 134
1 829
4 877
305
14 936
686
3 353
24 384
3 962
PF-500
15 240
5 893
8 230
17 272
18 529
2 134
1 829
6 096
305
16 155
686
3 353
28 956
3 962
流量計等JIS改正原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
穂 坂 光 司
株式会社金門製作所
板 東 一 彦
通商産業省機械情報産業局
桐 山 和 臣
工業技術院標準部
渡 辺 紀 之
工業技術院計量研究所
梅 田 紀 彦
国税庁課税部
久 野 武
環境庁水質保全局
大 嶋 政 夫
社団法人日本機械学会
金 瀬 弘 忠
東京ガス株式会社
斉 藤 忠 義
日本地域冷暖房協会
菊 池 義 彦
東燃テクノロジー株式会社
野 尻 俊 二
日揮株式会社
石 橋 晋 史
日石エンジニアリング株式会社
川 島 範 男
社団法人日本工業用水協会
鈴 木 茂 臣
愛知時計電機株式会社
奥 田 都 映
オーバル機器工業株式会社
原 泉
株式会社金門製作所
浅 田 康 夫
東京計装株式会社
三 角 直 道
トキコ株式会社
本 郷 康 雄
日東精工株式会社
関 茂
ブルックスインスツルメント株式会社
小 嶋 進
横河電機株式会社
(事務局)
松 村 正 勝
社団法人日本計量機器工業連合会
高 田 英 男
社団法人日本計量機器工業連合会
JIS B 7553改正原案作成ワーキンググループ 構成表
氏名
所属
(主査)
鈴 木 茂 臣
愛知時計電機株式会社
小 西 修
株式会社金門製作所
蠅 庭 正 信
横河電機株式会社
(事務局)
高 田 英 男
社団法人日本計量機器工業連合会