B 7545:2015
(1)
目 次
ページ
1 適用範囲 ························································································································· 1
2 引用規格 ························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 種類······························································································································· 2
5 標準温度 ························································································································· 3
6 形状及び寸法 ··················································································································· 3
6.1 テーパシャンク付きテストバー························································································· 3
6.2 センタ穴付きテストバー ································································································· 6
7 幾何公差 ························································································································· 7
7.1 テーパシャンク付きテストバー························································································· 7
7.2 センタ穴付きテストバー ································································································· 7
8 硬さ······························································································································· 7
9 表面粗さ ························································································································· 8
10 測定方法 ······················································································································· 8
11 検査 ····························································································································· 9
12 製品の呼び方 ················································································································· 9
12.1 テーパシャンク付きテストバー ······················································································· 9
12.2 センタ穴付きテストバー ································································································ 9
13 表示 ····························································································································· 9
附属書A(参考)テストバーのたわみ ····················································································· 11
附属書B(参考)テストバー使用上の注意 ················································································ 15
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(2)
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本精密測定機器
工業会(JMA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正
すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS B 7545:1982は改正され,この規格に置き換えられた。
また,令和2年10月20日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標
準化法の用語に合わせ,規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
日本産業規格 JIS
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テストバー
Test mandrels
1
適用範囲
この規格は,主として工作機械,測定機器などの幾何精度試験に使用する円筒状のテーパシャンク付き
テストバー及びセンタ穴付きテストバーについて規定する。
注記1 テーパシャンク付きテストバー及びセンタ穴付きテストバーを総称する場合は,単にテスト
バーという。
注記2 水平方向にテストバーを使用する場合は,テストバーのたわみを考慮する(附属書A参照)。
注記3 テストバーを使用する場合の注意事項を,参考として附属書Bに示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0106 工作機械−部品及び工作方法−用語
JIS B 0154 円すい用語
JIS B 0182 工作機械−試験及び検査用語
JIS B 0651 製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−触針式表面粗さ測定機の特性
JIS B 0659-1 製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式;測定標準−第1部:標準片
JIS B 0680 製品の幾何特性仕様(GPS)−製品の幾何特性仕様及び検証に用いる標準温度
JIS B 1011 センタ穴
JIS B 3301 テーパゲージ−モールステーパ及びメトリックテーパ
JIS B 4003 工具用テーパシャンク部及びソケット−形状・寸法
JIS B 6064-1 2面拘束形中空テーパシャンク及び主軸端−第1部:中空テーパシャンク−寸法
JIS B 6101 7/24テーパの主軸端及びシャンク
JIS B 6339-1 自動工具交換用7/24テーパシャンク−第1部:A,AD,AF,U,UD及びUF形ツール
シャンクの形状・寸法
JIS B 6339-2 自動工具交換用7/24テーパシャンク−第2部:J,JD及びJF形ツールシャンクの形状・
寸法
JIS B 7451 真円度測定機
JIS B 7503 ダイヤルゲージ
JIS B 7506 ブロックゲージ
JIS B 7513 精密定盤
JIS B 7519 指針測微器
2
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JIS B 7533 てこ式ダイヤルゲージ
JIS B 7536 電気マイクロメータ
JIS B 7540 Vブロック
JIS B 7725 ビッカース硬さ試験−試験機の検証及び校正
JIS B 7726 ロックウェル硬さ試験−試験機の検証及び校正
JIS Z 2244 ビッカース硬さ試験−試験方法
JIS Z 2245 ロックウェル硬さ試験−試験方法
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 0106,JIS B 0154及びJIS B 0182によるほか,次による。
3.1
蓋センタ
センタ穴が加工された蓋形状の部位。
4
種類
テストバーは,テーパシャンク付きテストバーとセンタ穴付きテストバーとに区分し,種類は表1によ
る。
表1−テストバーの区分及び種類
区分
種類
代表的な呼び番号
等級
テーパシャンク付
きテストバー
モールステーパシャンク付きテストバー
MT0
−
MT1
MT2
MT3
MT4
MT5
MT6
メトリックテーパシャンク付きテストバー
MET80
−
MET100
7/24テーパシャンク付きテストバー
(手動工具交換用)
NT30
−
NT40
NT45
NT50
7/24テーパシャンク付きテストバー
(自動工具交換用)
BT30
−
BT40
BT45
BT50
2面拘束形中空テーパシャンク付きテストバ
ー
HSK−A40
−
HSK−A50
HSK−A63
HSK−A100
センタ穴付きテス
トバー
センタ穴付きテストバー
−
1級a)
2級
注a) センタ穴付きテストバーの1級は,表3に規定する円筒部の直径(D)が40 mm以下で,
長さ(L)が250 mm以下に適用する。
3
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5
標準温度
この規格に規定する各寸法は,JIS B 0680に規定する標準温度20 ℃における値とする。
6
形状及び寸法
6.1
テーパシャンク付きテストバー
テーパシャンク付きテストバーの代表的な呼び番号に対する形状は図1〜図5,寸法は表2による。代表
的な呼び番号以外の形状及び寸法は,受渡当事者間の協定による。
センタ穴は,JIS B 1011に規定する60°センタ穴のB形又はC形とする。
注記1 工作上必要な場合,回し金を取り付ける部分(図1〜図5の二点鎖線部)を付加してもよい。
注記2 軽量化及びたわみを軽減するために,中空形状又は止まり穴にして蓋センタを両側の端面又
は片側の端面に強固に組み付けてもよい。
注記3 蓋センタに空気穴を設けてもよい。
注a) テーパシャンク部の形状及び寸法は,JIS B 4003による。
b) テーパシャンク付きテストバーを引き抜くためのねじ(M)の代わりに,次の図のような
スパナ掛け(W)を施してもよい。
図1−モールステーパシャンク付きテストバー(MT)の形状
4
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注a) テーパシャンク部の形状及び寸法は,JIS B 4003による。
図2−メトリックテーパシャンク付きテストバー(MET)の形状
注a) テーパシャンク部の形状及び寸法は,JIS B 6101による。
図3−7/24テーパシャンク付きテストバー(手動工具交換用)(NT)の形状
注a) テーパシャンク部の形状及び寸法は,JIS B 6339-1及びJIS B 6339-2による。
図4−7/24テーパシャンク付きテストバー(自動工具交換用)(BT)の形状
5
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注a) テーパシャンク部の形状及び寸法は,JIS B 6064-1による。
b) 2か所のドライブキー溝の深さL2は,JIS B 6064-1のl3と一致する。
図5−2面拘束形中空テーパシャンク付きテストバー(HSK)の形状
表2−テーパシャンク付きテストバーの代表的な呼び番号に対する寸法
単位 mm
種類
代表的な
呼び番号
D
L
Le a) Ln a) Lf a)
D1 b)
M c)
W L1
L2
D2
モールステーパ
シャンク付きテ
ストバー
MT0
12
100
75
20
5
9.045
M15×1−6g
10
−
−
−
MT1
12.065
MT2
24
175
150
17.780
M27×1−6g
21
MT3
32
235
200
25
10
23.825
M36×1.5−6g 27
MT4
40
335
300
31.267
M48×1.5−6g 35
MT5
44.399
MT6
63
63.348
M68×1.5−6g 55
メトリックテー
パシャンク付き
テストバー
MET80
80
335
300
25
10
80
M85×2−6g
− −
−
−
MET100
100
7/24テーパシャ
ンク付きテスト
バー(手動工具
交換用)
NT30
32
235
200
25
10
31.75
−
− −
−
−
NT40
40
335
300
44.45
NT45
57.15
NT50
63
69.85
7/24テーパシャ
ンク付きテスト
バー(自動工具
交換用)
BT30
32
235
200
25
10
31.75
−
− −
−
−
BT40
40
335
300
44.45
BT45
57.15
BT50
63
69.85
2面拘束形中空
テーパシャンク
付きテストバー
HSK−A40
32
185
150
25
10
30.007
−
− 20
6
40
HSK−A50
40
235
200
38.009
7.5
50
HSK−A63
335
300
48.010
10
63
HSK−A100 63
335
300
75.013
15
100
注a) Leは表5の幾何公差を適用する範囲で,Ln及びLfは適用しない範囲である。
b) ゲージ面を定義する基準直径
c) テーパシャンク付きテストバーを引き抜くためのナットは,テストバーとともに供給することが望ましい。
6
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6.2
センタ穴付きテストバー
センタ穴付きテストバーの形状及び寸法は,表3及び表4による。センタ穴は,JIS B 1011に規定する
60°センタ穴のB形又はC形による。
表3−センタ穴付きテストバー(D≦40 mm)の形状及び寸法
単位 mm
D
L
センタ
穴の
呼び
Lf a)
Le a)
8
25 40 50 63 80 100
−
−
−
−
1
25≦L≦50:2
63≦L≦80:3
100≦L≦250:5
L−2Lf
10
− − 50 63 80 100 125 160
−
−
12.5 − − − − − 100 125 160 200
−
1.6
16
− − − − − 100 125 160 200 250
20
− − − − − 100 125 160 200 250
2
25
− − − − − 100 125 160 200 250
40
− − − − −
−
−
160 200 250
2.5
注記 図の左端の逃げ部は,円筒研削のときの回し金を掛ける箇所でできるだけ短くするとよい。
注a) Leは表6の幾何公差を適用する範囲で,Lfは適用しない範囲である。
表4−センタ穴付きテストバー(D≧63 mm)の形状及び寸法
単位 mm
D
L
センタ穴の
呼び
Lf a)
Le a)
63
315
400
500
3.15
5
L−2Lf
80
630
800
1 000
4
125
1 250
1 600
5
注記1 両端の逃げ部は,円筒研削のときの回し金を掛ける箇所でできるだけ短くするとよい。
注記2 軽量化及びたわみを軽減するために,中空形状又は止まり穴にして蓋センタを両側の端面
又は片側の端面に強固に組み付けてもよい。
注記3 蓋センタに空気穴を設けてもよい。
注a) Leは表6の幾何公差を適用する範囲で,Lfは適用しない範囲である。
7
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7
幾何公差
7.1
テーパシャンク付きテストバー
テーパシャンク付きテストバーの幾何公差は,表5による。
表5−テーパシャンク付きテストバーの幾何公差
単位 mm
番号
項目
L
幾何公差
1
円筒部の直径(D)の真円度
185以下
0.000 8 a)
185を超え
500以下
0.001 a)
2
円筒部の直径(D)における軸方向の直径
不同
185以下
0.002 a)
185を超え
500以下
0.003 a)
3
円筒部の直径(D)に対するテーパシャン
ク部の振れ
500以下
0.001
4
2面拘束形中空テーパシャンク付きテスト
バーの円筒部の直径(D)に対するシャン
クフランジ面の振れ
−
0.001
5
テーパシャンク部のテーパ角度
−
テーパリングゲージb)
との当たり75 %以上
注a) 幾何公差は,図1〜図5のLe部に適用する。
b) モールステーパシャンク付きテストバー及びメトリックシャンク付きテストバーには,JIS B 3301に規
定するテーパリングゲージを使用し,7/24テーパシャンク付きテストバー及び2面拘束形中空テーパ
シャンク付きテストバーには,JIS B 3301に準拠するテーパリングゲージを使用する。
7.2
センタ穴付きテストバー
センタ穴付きテストバーの幾何公差は,表6による。
表6−センタ穴付きテストバーの幾何公差
単位 mm
番号
項目
L
幾何公差a)
1級b)
2級
1
円筒部の直径(D)の真円度
250以下
0.000 4
0.000 8
250を超え
500以下
−
0.001
500を超え 1 000以下
−
0.001 5
1 000を超え 1 600以下
−
0.001 8
2
円筒部の直径(D)における軸方向の直径
不同
250以下
0.001
0.002
250を超え
500以下
−
0.003
500を超え 1 000以下
−
0.004
1 000を超え 1 600以下
−
0.005
3
センタ穴に対する円筒部の直径(D)の振
れ
250以下
0.001
0.002
250を超え
500以下
−
0.003
500を超え 1 000以下
−
0.007
1 000を超え 1 600以下
−
0.010
注a) 幾何公差は,表3及び表4のLe部に適用する。
b) センタ穴付きテストバーの1級は,表3に規定する円筒部の直径(D)が40 mm以下で,長さ(L)が
250 mm以下に適用する。
8
硬さ
テストバーの表面の硬さは,660 HV以上又は58 HRC以上とする。
8
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9
表面粗さ
テストバーのテーパシャンク部,円筒部の直径(D)の外周面の表面粗さは,Ra 0.2とする。また,2面
拘束形中空テーパシャンク付きテストバーのシャンクフランジ面の表面粗さは,Ra 0.4とする。
10 測定方法
テストバーの測定方法は,表7による。
表7−テストバーの測定方法
番号
測定項目
測定箇所a)
測定要領b)
測定機器b)
1
円筒部の直径
(D)の真円度
円筒部の直径(D)
真円度測定機による測定,又
はVブロックによる3点測定
による[JIS B 1506の附属書2
(Vブロックによる真円度の
測定)参照]。
・ JIS B 7451に規定する
真円度測定機
・ JIS B 7540に規定するV
ブロック及び測微器c)
2
円筒部の直径
(D)における
軸方向の直径
不同
軸直角断面で2方向以上,軸
に沿って3か所以上の外径測
定から求めた全ての直径の中
で最大値と最小値との差を求
める。
・ 測微器c) 又は測長器
・ 標準器d)
3
円筒部の直径
(D)に対する
テーパシャン
ク部の振れ
テストバーの円筒部をVブロ
ックで支持し,テーパ部に測
微器の測定子をテーパ面と直
角になるように当て,1回転内
における読みの最大差を求め
る。これを3か所以上で行う。
・ 測微器c)
・ JIS B 7513に規定する
精密定盤
・ JIS B 7540に規定するV
ブロック
・ センタ台
円筒部の直径
(D)に対する
シャンクフラ
ンジ面の振れe)
テストバーの円筒部をVブロ
ックで支持し,シャンクフラ
ンジ面に測微器の測定子を当
て,1回転内における読みの最
大差を求める。
センタ穴に対
する円筒部の
直径(D)の振
れf)
テストバーを両センタで支持
して測微器の測定子を当て,1
回転内における読みの最大差
を求める。これを3か所以上
で行う。
4
テーパの角度
テーパシャンク部
ブルーペーストを付けたテー
パシャンク付きテストバーに
テーパリングゲージをはめ合
わせ,当たり検査をする[JIS
B 3301のA.1.4(円すい部の形
状の偏差の許容差)参照]。
・ モールステーパシャン
ク付きテストバー及び
メトリックシャンク付
きテストバーは,JIS B
3301に規定するテーパ
リングゲージ
・ 7/24テーパシャンク付
きテストバー及び2面
拘束形中空テーパシャ
ンク付きテストバーは,
JIS B 3301に準拠する
テーパリングゲージ
・ ブルーペースト
9
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表7−テストバーの測定方法(続き)
番号
測定項目
測定箇所a)
測定要領b)
測定機器b)
5
硬さ
表面粗さの測定を行わない
箇所
JIS Z 2244に規定するビッカ
ース硬さ試験方法,又はJIS Z
2245に規定するロックウェル
硬さ試験方法による。
JIS B 7725に規定するビッ
カース硬さ試験機,又はJIS
B 7726に規定するロックウ
ェル硬さ試験機
6
表面粗さ
テーパシャンク部,円筒部
の直径(D)の外周面及び2
面拘束形中空テーパシャン
ク付きテストバーのシャン
クフランジ面
表面粗さ測定機による。又は
比較用表面粗さ標準片との比
較観察によることで測定に代
えてもよい。
JIS B 0651に規定する触針
式表面粗さ測定機,又はJIS
B 0659-1の附属書1(比較用
表面粗さ標準片)に示す比較
用表面粗さ標準片
注a) ここに示す測定箇所をとることができない場合には,これに代わる適切な箇所を選定する。
b) ここに示した測定機器と測定精度が同等以上のものを用いてもよい。
c) 測微器は,JIS B 7503に規定するダイヤルゲージ,JIS B 7533に規定するてこ式ダイヤルゲージ,JIS B 7519
に規定する指針測微器,又はJIS B 7536に規定する電気マイクロメータとする。
d) 標準器は,JIS B 7506に規定するブロックゲージ又はこれに代わる適切なものを使用する。
e) 2面拘束形中空テーパシャンク付きテストバーに適用する。
f) センタ穴付きテストバーに適用する。
11 検査
テストバーの検査は,幾何公差,硬さ及び表面粗さについて,箇条10に従って測定を行い,箇条7〜箇
条9の規定に適合しなければならない。
12 製品の呼び方
12.1 テーパシャンク付きテストバー
テーパシャンク付きテストバーの呼び方は,種類,呼び番号,円筒部の直径(D)及び円筒部の長さ(L)
による。
例 モールステーパシャンク付きテストバー(ねじ付き) MT3−32−235
モールステーパシャンク付きテストバー(スパナ掛け付き) MT3−32−235W
メトリックテーパシャンク付きテストバー MET80−80−335
7/24テーパシャンク付きテストバー(手動工具交換用) NT40−40−335
7/24テーパシャンク付きテストバー(自動工具交換用) BT50−63−335
2面拘束形中空テーパシャンク付きテストバー HSK−A63−40−335
12.2 センタ穴付きテストバー
センタ穴付きテストバーの呼び方は,種類,円筒部の直径(D),円筒部の長さ(L)及び等級による。
なお,等級を表す場合には,記号(C)を用いてC1又はC2のようにしてもよい。
例 センタ穴付きテストバー 16−200 1級
センタ穴付きテストバー 80−800 C2
13 表示
テストバーには,見やすい箇所に容易に消えない方法で,区分ごとに次の事項を表示する。
a) テーパシャンク付きテストバー
1) 呼び番号−円筒部の直径(D)−円筒部の長さ(L)
10
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2) 製造業者名又はその略号
3) 製造年月又はその略号及び製造番号
b) センタ穴付きテストバー
1) 円筒部の直径(D)−円筒部の長さ(L)及び等級(1級若しくはC1又は2級若しくはC2)
2) 製造業者名又はその略号
3) 製造年月又はその略号及び製造番号
11
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附属書A
(参考)
テストバーのたわみ
A.1 テーパシャンク付きテストバー
モールステーパシャンク付きテストバーを,水平方向に取り付けて,円筒部の先端に測定力Fを加えた
ときの自由端(円筒部の最先端側)におけるたわみを参考として表A.1に示す。
表A.1−モールステーパシャンク付きテストバーのたわみ
単位 mm
12
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表A.1−モールステーパシャンク付きテストバーのたわみ(続き)
単位 mm
逃げの寸法 MT0,MT1及びMT2
MT3,MT4,MT5及びMT6
呼び番号
質量
(近似値)
(kg)
質量による
自由端のたわみ
(μm)
測定力Fによる
自由端のたわみ
自由端の
たわみ合計
(μm)
備 考
F
(N)
たわみ
(μm)
MT0
0.11
0.7
0.5
0.9
1.6
たわみを考慮するa)。
MT1
0.13
0.5
0.5
0.7
1.2
MT2
0.73
1.5
1.0
0.6
2.1
−
MT3
0.96
1.8
1.0
0.7
2.5
MT4
2.20
3.3
1.0
0.7
4.0
MT5
3.00
2.6
1.0
0.6
3.2
MT6
7.71
0.9
1.0
0.1
1.0
注記1 縦弾性係数Eは206 GPaを用いて計算してある。
注記2 図中の( )内寸法は,たわみの計算に用いた参考寸法である。
注a) MT0及びMT1のテストバーを使用する場合は,質量によるたわみの向きと反対になるように測微器をテスト
バーの下側から当てることが望ましい。
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B 7545:2015
A.2 センタ穴付きテストバー
センタ穴付きテストバーの両端支持におけるたわみを,参考として表A.2及び表A.3に示す。
表A.2−センタ穴付きテストバーのたわみ(D≦40 mm)
D
(mm)
L
(mm)
質量
(近似値)
(kg)
最大たわみ(μm)
質量による
たわみ
2.2 Nの力を中央
に加えた場合
合計
たわみ
8
25
0.01
0.00
0.02
0.02
40
0.02
0.00
0.07
0.07
50
0.02
0.01
0.14
0.15
63
0.02
0.02
0.28
0.30
80
0.03
0.05
0.57
0.62
100
0.04
0.12
1.11
1.23
10
50
0.03
0.00
0.06
0.06
63
0.04
0.01
0.11
0.12
80
0.05
0.03
0.23
0.26
100
0.06
0.08
0.45
0.53
125
0.08
0.19
0.89
1.08
160
0.10
0.51
1.86
2.37
12.5
100
0.10
0.05
0.19
0.24
125
0.12
0.12
0.36
0.48
160
0.15
0.33
0.76
1.09
200
0.19
0.80
1.49
2.29
16
100
0.16
0.03
0.07
0.10
125
0.20
0.07
0.14
0.21
160
0.25
0.20
0.28
0.48
200
0.32
0.49
0.55
1.04
250
0.39
1.19
1.08
2.27
20
100
0.25
0.02
0.03
0.05
125
0.31
0.05
0.06
0.11
160
0.39
0.13
0.12
0.25
200
0.49
0.31
0.23
0.54
250
0.62
0.76
0.44
1.20
25
100
0.39
0.01
0.01
0.02
125
0.48
0.03
0.02
0.05
160
0.62
0.08
0.05
0.13
200
0.77
0.20
0.09
0.29
250
0.96
0.49
0.18
0.67
40
160
1.58
0.03
0.01
0.04
200
1.97
0.08
0.01
0.09
250
2.47
0.19
0.03
0.22
注記 たわみは,縦弾性係数Eを206 GPaとしてDとLで計算してある。
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B 7545:2015
表A.3−センタ穴付きテストバーのたわみ(D≧63 mm)
D
(mm)
d
(mm)
L
(mm)
質量
(近似値)
(kg)
最大たわみ(μm)
質量による
たわみ
2.2 Nの力を中央
に加えた場合
合計
たわみ
63
50
315
2.9
0.12
0.01
0.13
400
3.6
0.31
0.03
0.34
500
4.5
0.75
0.06
0.81
80
61
630
10.4
1.21
0.04
1.25
800
13.2
3.15
0.09
3.24
1 000
16.5
7.69
0.17
7.86
125
105
1 250
35.5
7.13
0.07
7.20
1 600
45.4
19.13
0.15
19.28
注記1 たわみは,縦弾性係数Eを206 GPaとしてD,d及びLで計算してある。
注記2 図中の( )内寸法は,たわみの計算に用いた参考寸法である。
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B 7545:2015
附属書B
(参考)
テストバー使用上の注意
B.1
テーパシャンク付きテストバー
B.1.1 きず
試験に影響する有害なきずがないかを確認し,有害なきずがあれば使用しない。
B.1.2 テーパシャンク部の摩耗
テーパシャンク部は,定期的又は使用する前にテーパリングゲージを用いて摩耗していないことを確認
し,摩耗していれば使用しない。
B.1.3 主軸変形の注意
質量5 kgを超えるテストバーは,工作機械の主軸にはめ合わせたときに,主軸にたわみを生じさせるお
それがあるので,注意する。
B.1.4 温度ならし
テストバーを取り付けた後,作業者が手で触ったときの熱の影響がなくなるまで十分に時間をおく。
B.1.5 たわみ
テストバーのたわみを考慮して使用する(附属書A参照)。
B.1.6 反転法
テストバーの形状偏差を考慮して,反転法(JIS B 6191参照)を用いて測定する。
B.1.7 保管
テストバーは,使用後に清掃し防せい処理を施して保管する。
B.2
センタ穴付きテストバー
B.2.1 きず
試験に影響する有害なきずがないかを確認し,有害なきずがあれば使用しない。
B.2.2 温度ならし
テストバーを取り付けた後,作業者が手で触ったときの熱の影響がなくなるまで十分に時間をおく。
B.2.3 たわみ
テストバーのたわみを考慮して使用する(附属書A参照)。
B.2.4 反転法
テストバーの形状偏差を考慮して,反転法(JIS B 6191参照)を用いて測定する。
B.2.5 保管
テストバーは,使用後に清掃し防せい処理を施して保管する。
参考文献
JIS B 1506:2005 転がり軸受−ころ
JIS B 6191:1999 工作機械−静的精度試験方法及び工作精度試験方法通則
ISO 230-1:2012,Test code for machine tools−Part 1: Geometric accuracy of machines operating under no-load or
quasi-static conditions